説明

タービンロータブレード組立体及びその組み立て方法

【課題】セラミックスマトリックス複合材のタービンブレードの振動対策のダンパー保持装置を提供する。
【解決手段】回転軸8を有するガスタービンエンジンのロータブレード組立体100は、セラミックマトリックス複合材(CMC)材料で形成されたシャンク部106とシャンク部とプラットフォーム部104を含む。プラットフォーム部は、シャンク部に結合される。プラットフォーム部及びシャンク部が協働して、ロータブレード組立体の2つの対向する側部を少なくとも部分的に定めるようにする。対向する側部は、回転軸に対して角度方向に離隔される。ロータブレード組立体は更に、ダンパー保持装置を含む。ダンパー保持装置の少なくとも一部がシャンク部に結合される。ダンパー保持装置は、円周方向に隣接するロータブレード組立体に向けて延びる少なくとも1つの角度付きブラケット装置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、全体的に、ガスタービンエンジンにおけるタービンのロータに関し、より詳細には、タービンセラミックマトリックス複合材(CMC)ブレードにおいてダンパーを保持するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも一部の公知の航空機は、複数のブレードを有するタービンセクションを含む2つ又はそれ以上のガスタービンエンジンによって駆動され、該複数のブレードは、「バケット」とも呼ばれることがあり、ロータホイール又はディスクの周辺に互いに角度方向で間隔をおいて配置される。典型的な複数のロータディスクのタービンブレードは、軸方向に流れる高温ガスストリーム内に突出し、この作動流体の運動エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換する。温度及び遠心力の変動に起因する材料の膨張及び収縮に対応するため、ブレードは通常、「もみの木」構造を有する根元を備え、該根元はロータディスク周辺でダブテールスロットに取り込まれる。典型的には、タービンブレードは、根元又はダブテールが結合されるプラットフォームを含む。また、典型的には、タービンブレードは、プラットフォームに結合される翼形部を含む。
【0003】
エンジン作動中、タービンブレードにおいてタービンブレードプラットフォームの横方向すなわち円周方向の移動を含む変動が誘起され、タービンブレードシャンクに誘起される励振応力を増大させる。抑制されないままの場合、これらの振動はブレードに早期の疲労破壊を生じさせる可能性がある。
【0004】
これらの振動エネルギーを放散させ、従って、振動振幅及び関連の応力を小さくするために、ブレードとディスクの間、又は隣接ブレード間の所定位置にダンパーを配置し、接線方向に突出するブレードプラットフォームの面に抗して作用させることが一般的な方法である。タービンディスクが回転するときには、ダンパーは、遠心力によりプラットフォーム面に対して押し付けられる。ブレードが振動すると、ダンパー及びプラットフォーム面は互いに対して滑動し、振動エネルギーの大部分を実質的に吸収及びひいては放散させるのに有効な摩擦力を生じる。
【0005】
また、少なくとも一部の航空機ガスタービンエンジンにおいて、ブレードは、炭化ケイ素(SiC)のようなセラミックマトリックス複合材(CMC)で形成される。このようなCMC材料は、高温作動流体で作動することができ、これにより同じサイズの高温金属合金製ブレードよりも高いエネルギー変換率を可能にする。従って、CMCで形成されたブレードは、その作動温度が高いことに起因して、高温金属合金製ブレードと置き換えられている。しかしながら、このようなCMCブレードは、置き換えた高温金属合金製ブレードよりも延性及び歪み耐性が低く、公知のダンパー装置では、CMCブレード内に誘起される振動を減衰させるのに好適ではない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,322,797号明細書
【発明の概要】
【0007】
1つの実施形態において、回転軸を有するガスタービンエンジンのロータ用のロータブレード組立体が提供される。ロータブレード組立体は、セラミックマトリックス複合材(CMC)材料で形成されたシャンク部を含む。ロータブレード組立体はまた、シャンク部と実質的に同様のCMC材料から形成されたプラットフォーム部を含む。プラットフォーム部は、シャンク部に結合される。プラットフォーム部及びシャンク部が協働して、ロータブレード組立体の2つの対向する側部を少なくとも部分的に定めるようにする。対向する側部は、回転軸に対して角度方向に離隔される。ロータブレード組立体は更に、ダンパー保持装置を含む。ダンパー保持装置の少なくとも一部がシャンク部に結合される。ダンパー保持装置は、円周方向に隣接するロータブレード組立体に向けて延びる少なくとも1つの角度付きブラケット装置を含む。
【0008】
別の実施形態において、回転軸を有するガスタービンエンジン用のロータ組立体が提供される。ロータ組立体は、周辺部を定めるロータディスクと、ロータディスクの周辺部に結合された複数のロータブレードとを含む。複数のロータブレードは、回転軸に対して角度方向に離隔した関係で互いに実質的に円周方向に隣接して位置付けられる。ロータブレードの各々は、セラミックマトリックス複合材(CMC)材料で形成されたシャンク部を含む。ロータブレードの各々はまた、シャンク部と実質的に同様のCMC材料から形成されたプラットフォーム部を含む。プラットフォーム部は、シャンク部に結合される。プラットフォーム部及びシャンク部が協働して、ロータブレードの各々の2つの対向する側部を少なくとも部分的に定める。対向する側部は、回転軸に対して角度方向に離隔される。ロータブレードの各々は更に、ダンパー保持装置を含む。ダンパー保持装置の少なくとも一部がシャンク部に結合される。ダンパー保持装置は、円周方向に隣接するロータブレードに向けて延びた少なくとも1つの角度付きブラケット装置を含む。
【0009】
更に別の実施形態において、ロータブレード組立体を組み立てる方法が提供される。本方法は、セラミックマトリックス複合材(CMC)材料でシャンク部を形成する段階を含む。本方法はまた、プラットフォーム部をシャンク部と実質的に同様のCMC材料で形成する段階を含む。本方法は更に、プラットフォーム部をシャンク部に結合する段階を含む。プラットフォーム部及びシャンク部が協働し、ロータブレード組立体の2つの対向する側部を少なくとも部分的に定める。対向する側部は、ガスタービンエンジンのロータの回転軸に対して角度方向に離隔される。本方法は更に、少なくとも1つの角度付きブラケット装置を形成すること、少なくとも1つの角度付きブラケット装置をシャンク部に結合すること、及び少なくとも1つの角度付きブラケット装置をシャンク部から離れて円周方向に延びるようにすることを含む、ダンパー保持装置を形成する段階を含む。
【0010】
図1〜図35は、本明細書に記載の方法及びシステムの例示的な実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の例示的な実施形態による、航空機ガスタービンエンジンの概略断面図。
【図2】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に用いることができる例示的なセラミックマトリックス複合材(CMC)タービンブレードの概略分解斜視図。
【図3】図3は、完全に組み立てられた状態の図2に示すCMCタービンブレード組立体の概略図。
【図4】例示的なL形ブラケット保持装置を備えるが、シートメタルダンパーの無い状態の図3に示すCMCタービンブレード組立体の2つの対向する側部の斜視図。
【図5】例示的なシートメタルダンパーが設置された、図4に示すL形ブラケット保持装置を備えた図3に示すCMCタービンブレード組立体の2つの対向する側部の斜視図。
【図6】例示的な機械加工されたポケットが内部に定められた、図3に示すCMCタービンブレード組立体の切り欠き概略側面図。
【図7】図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体と、図5に示すL形ブラケット保持装置及びシートメタルダンパーとの軸方向の図。
【図8】図7に示す栓8−8に沿ったL形ブラケット保持装置及びシートメタルダンパーを備える、図3に示すCMCタービンブレード組立体の切り欠き側面図。
【図9】2つの対向するL形ブラケット保持装置と図7に示すものと同様のシートメタルダンパーとを備えた、図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体の軸方向の図。
【図10】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体と、図5に示すシートメタルダンパー及び例示的な代替の保持装置との切り欠き側面図。
【図11】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体と、図5に示すシートメタルダンパー及び別の例示的な代替のL形保持装置との切り欠き側面図。
【図12】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体と、例示的なリングダンパーとの切り欠き側面図。
【図13】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体の1つと、例示的な代替のリングダンパーとの軸方向の図。
【図14】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体と、図5に示すシートメタルダンパー及び例示的なリング保持装置との切り欠き側面図。
【図15】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体と、例示的なロータディスクに結合されてこれから延びる例示的な代替のダンパー保持装置を備えた例示的な代替のダンパーとの軸方向の図。
【図16】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体と、隣接するブレードシャンクに結合されこれから延びる別の代替のダンパー保持装置を備えた図15に示すダンパーとの軸方向の図。
【図17】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体と、隣接するブレードシャンクに結合されこれから延びる別の代替のダンパー保持装置を備えた図15に示すダンパーとの軸方向の図。
【図18】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体と、例示的なロータディスクに結合されこれから延びる例示的な組み合わせた代替のダンパー及び保持装置との軸方向の図。
【図19】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体と、例示的なロータディスクに結合されこれから延びる別の代替のダンパー保持装置との軸方向の図。
【図20】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体と、例示的なロータディスクに結合されこれから延びる別の代替のダンパー保持装置との軸方向の図。
【図21】図20に示す栓21−21に沿った、CMCタービンブレード組立体の1つと、代替のダンパー保持装置を備えたシートメタルダンパーとの切り欠き側面図。
【図22】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体と、例示的な複合ダンパー及びスロット付き保持装置との切り欠き側面図。
【図23】図1に示す航空機ガスタービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体と、例示的な複合ダンパー及びクリップ保持装置との切り欠き側面図。
【図24】図1に示す航空機タービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体と、図5に示すシートメタルダンパー及び例示的なピンダンパー保持装置との切り欠き側面図。
【図25】図1に示す航空機タービンエンジンと共に使用できる、図3に示すCMCタービンブレード組立体と、例示的な代替のダンパー及び例示的な代替のピンダンパー保持装置との切り欠き側面図。
【図26】図1に示す航空機タービンエンジンと共に使用できる、図3に示す2つの隣接するCMCタービンブレード組立体と、図5に示すシートメタルダンパー及び代替の例示的なピンダンパー保持装置との軸方向の図。
【図27】図26に示す線27−27に沿った、CMCタービンブレード組立体の1つと、シートメタルダンパー及び代替のピンダンパー保持装置との切り欠き側面図。
【図28】図3に示すCMCタービンブレード組立体と、図10に示すものと同様の2つの軸方向に対向するL形ブラケット保持装置を備えた図5に示すシートメタルダンパーとの切り欠き側面図。
【図29】図3に示すCMCタービンブレード組立体と、図10に示すものと同様のL形ブラケット保持装置及び図26及び27に示すものと同様のピンダンパー保持装置を備えた、図5に示すシートメタルダンパーとの切り欠き側面図。
【図30】図3に示すCMCタービンブレード組立体と、図10に示すものと同様のL形ブラケット保持装置を備えた図23に示すものと同様の複合ダンパー及びクリップ保持装置との切り欠き側面図。
【図31】図3に示すCMCタービンブレード組立体と、図10に示すものと同様のL形ブラケット保持装置を備えた図22に示すものと同様の複合ダンパー及びスロット保持装置との切り欠き図。
【図32】例示的な三角バーダンパー保持装置を備え三角バーダンパー無しで図示された代替の例示的なCMCタービンブレード組立体の2つの側部の斜視図。
【図33】例示的な三角バーダンパーが設置された、図32に示す三角バーダンパー保持装置を備えた代替のCMCタービンブレード組立体の2つの側部の斜視図。
【図34】機械加工された三角ポケットが内部に定められた、図32及び33に示す三角バーダンパー保持装置を備えた、図3に示すCMCタービンブレード組立体の切り欠き概略続面図。
【図35】本明細書に記載のタービンロータブレード組立体を組み立てる例示的な方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、限定ではなく例示として本発明の実施形態を示している。本明細書は、本開示事項を実施する最良の形態であると現在思われるものを含む、本開示事項を当業者が実施し利用するのを可能にし、またその開示の幾つかの実施形態、改造形態、変形形態、代替形態、及び使用法について記述していることが分かるであろう。本開示は、例示的な実施形態、すなわち、セラミックマトリックス複合材(CMC)製の航空機タービンブレードにおいて誘起される振動を減衰させるための装置並びにこれを組み立てる方法に適用するものとして説明する。しかしながら、本開示は、他の工業用途、商業用途、及び住宅用途におけるタービン、ファン、及び圧縮機ブレード構造に対して一般に適用することも企図される。
【0013】
本明細書で使用する場合に、前に数詞のない要素又はステップの表現は、そうではないことを明確に述べていない限り複数のそのような要素又はステップの存在を排除するものではないと理解されたい。更に、本発明の「1つの実施形態」という表現は、記載した特徴を同様に組入れた付加的な実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。その上、本明細書で使用される用語「タービンロータブレード組立体」、「タービンブレード組立体」、「ロータブレード組立体」、「タービンブレード」、及び「ロータブレード」は、同義的に使用される。
【0014】
本発明の実施形態は、CMC航空機タービンブレードに対する新規のタービンブレード減衰装置を提供する。このようなブレード減衰装置は、タービンブレードの振動を低減し、これにより励振応力を低減し、ブレードシャンクの歪み耐性を増大させ、エンジンの他の構成要素からの伴流に対する処理能力を向上させる。本明細書に記載のブレード減衰装置の種々の実施形態は、ブレードシャンク、ブレードプラットフォーム、前方及び/又は後方エンジェルウィング、及びロータディスクに結合することができる。また、ブレード減衰装置は、必要に応じて様々なブレード設計及びタイプに対して振動減衰を可能にするような配向及び構成にすることができる。更に、本明細書に記載の実施形態は、独立して単独で用いることができると共に、共同して及び互換的に用いることもできる。従って、既存の航空機ガスタービンを改造して本明細書に記載のブレード減衰装置を組み込むことができる。その上、ブレード減衰装置は、限定ではないが、摩擦コーティング、摩耗コーティング、減肉コーティング(例えば、環境障壁コーティング)、及び熱障壁コーティングを含むコーティングを施すことができる。また、本明細書に記載の種々の実施形態は、タービンロータが減速し又は停止したときに所定位置に留まることになるようにタービン内に構成され配向される。
【0015】
図1は、エンジン軸すなわち回転軸8を有する、GE CFM56シリーズエンジンのような航空機ガスタービンエンジン10の例示的な実施形態の概略断面図である。エンジン10は、下流側直列流れ関係で、ファン14を有するファンセクション13と、ブースター又は低圧圧縮機(LPC)16と、高圧圧縮機(HPC)18と、燃焼セクション20と、高圧タービン(HPC)22と、低圧タービン(LPC)24とを含む。高圧シャフト26は、HPT22をHPC18に駆動可能に接続し、低圧シャフト28は、LPT24をLPC16及びファン14に駆動可能に接続する。HPT22は、ロータ30の周辺、すなわちロータホイールディスク32に装着されるセラミックマトリックス複合材(CMC)タービンブレード組立体100を有するHPTロータ30を含む。CMCは、炭化ケイ素(SiC)のような材料を含む。LPT24はまた、CMCタービンロータブレード組立体100を含むことができる。
【0016】
図2は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、例示的なセラミックマトリックス複合材(CMC)タービンブレード組立体100の概略分解斜視図である。図3は、完全に組み立てられた状態のCMCタービンブレード組立体100の斜視図である。CMCタービンブレード組立体100は、翼形部102、プラットフォーム部104、及びダブテール取付機構108を備えたシャンク部106を含む。ブレード組立体100はまた、軸方向上流側すなわち前方のエンジェルウィング107と、軸方向下流側すなわち後方のエンジェルウィング109とを含む。例示的な実施形態において、CMCタービンブレード組立体100は、当該技術分野で公知のCMC製造プロセスにより単一の構成要素として単体構造で形成される。図2は、CMCタービンブレード組立体100を複数のCMCプライとして示している。
【0017】
図4は、例示的な角度付きの又はL形のブラケット保持装置120を備えたCMCタービンブレード組立体100の2つの対向する側部の斜視図である。図5は、L形ブラケット保持装置120と例示的なシートメタルダンパー122が設置されたCMCタービンブレード組立体100の2つの対向する側部の斜視図である。図6は、機械加工ポケット124が内部に定められたCMCタービンブレード組立体100の切り欠き概略側面図である。L形ブラケット保持装置120は、タービンブレード組立体100のCMC材料と同様及び/又は互換性のあるCMC材料で形成される。その上、L形ブラケット保持装置120は、第1の部分119と第2の部分121とを含み、これらがほぼ90°又はそれよりも僅かに小さい角度126を定める。或いは、装置120は、本明細書に記載の装置120の作動を可能にするあらゆる角度126を定める。例示的な実施形態において、プラットフォーム部104は、半径方向の厚みT1を有し、「薄型プラットフォーム構造」と呼ばれる。或いは、プラットフォーム部104は、本明細書に記載のブレード組立体100の作動を可能にするあらゆる半径方向厚みを有する。
【0018】
一部の実施形態において、図4及び5に示すように、L形ブラケット保持装置120の第2の部分121は、2つのシャンクすなわちブレード側壁128と、プラットフォーム104の下面129の一部との一方と協働し、プラットフォームギャップ130を定める。プラットフォームギャップ130は、締まり嵌めにより、すなわち、溶接、ろう付け、及び締結具のような結合方法なしでシートメタルダンパー122を受けて保持するようなサイズにされる。その上、一部の実施形態において、L形ブラケット保持装置120は、第1のブレード100のシャンク部106から隣接するブレード100のシャンク部106まで延び、L形ブラケット保持装置120が締まり嵌めにより所定位置に維持されるようになる。或いは、一部の実施形態において、L形ブラケット保持装置120は、ブレード100間を完全には延びず、限定ではないが、L形ブラケット保持装置120によりCMCタービンブレード組立体100を単体構造で形成することを含む、本明細書に記載のL形ブラケット保持装置120及びCMCタービンブレード組立体100の作動を可能にする何らかの方法によって、第1の部分119が関連するシャンク106に結合される。
【0019】
また、代替として、図6に示すように、一部の実施形態は、CMCインサート134内に形成された機械加工ポケット124を含む。接合部131(図6にのみ示す)は、シャンク側壁128と下面129の一部との間に定められる。この例示的な代替の実施形態において、CMCインサート134は、締まり嵌めにより、すなわち、溶接、ろう付け、及び締結具のような結合方法なしで接合部131にて下面129の一部、L形ブラケット保持装置120、及びシャンク側壁128の一部に結合される。
【0020】
図7は、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100、L形ブラケット保持装置120及びシートメタルダンパー122の軸方向の図である。隣接するCMCタービンブレード組立体100の各々は、図7においてロータホイールディスク32に結合されるように図示されている。また、隣接するCMCタービンブレード組立体100は、ブレードプラットフォーム104の接合部140を定める。図7に示すように、シートメタルダンパー122は、ブレードプラットフォーム104の下面129に結合され、接合部140に対して中心に位置することができ、或いはそうでなくてもよい。その上、この例示的な実施形態において、L形ブラケット保持装置120の第2の部分121は、長さLを延び、すなわち、隣接するブレード組立体100間を完全には延びておらず、第1の部分119は、限定ではないが、L形ブラケット保持装置120によりCMCタービンブレード組立体100を単体構造で形成することを含む、本明細書に記載のL形ブラケット保持装置120、シートメタルダンパー122及びCMCタービンブレード組立体100の作動を可能にする何らかの方法によって、第1の部分119が関連するシャンク106に結合される。
【0021】
図7は、明確にするためにL形ブラケット保持装置120及びシートメタルダンパー122が接していないように図示しているが、L形ブラケット保持装置120は、シャンク106に接して実質的に固定して位置付けられ、隣接するブレード組立体100に向かって少なくとも部分的に長さLを延びる。その上、L形ブラケット保持装置120は、締まり嵌めによるシートメタルダンパー122への結合を可能にするのに十分に隣接するブレード組立体100に向かって長さLを延びている。このような締まり嵌めにより、シートメタルダンパー122がガスタービンエンジン10(図1に示す)の作動とは関係なく維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0022】
図8は、線8−8(図7に示す)に沿った、L形ブラケット保持装置120及びシートメタルダンパー122を備えたCMCタービンブレード組立体100の切り欠き側面図である。プラットフォーム104は、前方エンジェルウィング107と後方エンジェルウィング108との間で実質的に等距離にあり且つプラットフォーム104に実質的に直交するプラットフォーム中心線150を定める。図7に示すように、L形ブラケット保持装置120は、プラットフォーム中心線150から前方に延びる幅Wを有する。或いは、L形ブラケット保持装置120は、あらゆる幅Wを有し、本明細書に記載のL形ブラケット保持装置120、シートメタルダンパー122、及びブレード組立体100の作動を可能にする前方エンジェルウィング107と後方エンジェルウィング109間のあらゆる場所に位置付けられる。
【0023】
図9は、2つの対向するL形ブラケット保持装置120及びシートメタルダンパー122を備えた2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100の軸方向の図である。隣接するCMCタービンブレード組立体100の各々は、図9においてはロータホイールディスク32に結合されるように図示されている。また、隣接するCMCタービンブレード組立体100は、ブレードプラットフォーム104の接合部140を定める。図9に示すように、シートメタルダンパー122は、ブレードプラットフォーム104の下面129に結合され、接合部140に対して中心に位置することができ、或いはそうでなくてもよい。その上、この例示的な実施形態において、各L形ブラケット保持装置120は、長さLを延び、すなわち装置120は何れも隣接するブレード組立体100間を完全には延びておらず、装置100は、限定ではないが、各関連のL形ブラケット保持装置120により各CMCタービンブレード組立体100を単体構造で形成することを含む、本明細書に記載のL形ブラケット保持装置120、シートメタルダンパー122及びCMCタービンブレード組立体100の作動を可能にする何らかの方法によって、関連のシャンク106に結合される。図9は、明確にするためにL形ブラケット保持装置120及びシートメタルダンパー122両方が接していないように示しているが、各L形ブラケット保持装置120は、関連のシャンク106に接して実質的に固定して位置付けられ、隣接するブレード組立体100のシャンク106に向かって少なくとも部分的に長さLを延びる。その上、各L形ブラケット保持装置120は、締まり嵌めによるシートメタルダンパー122への結合を可能にするのに十分に隣接するブレード組立体100に向かって長さLを延びている。このような締まり嵌めにより、シートメタルダンパー122がガスタービンエンジン10(図1に示す)の作動とは関係なく維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0024】
例示的な実施形態において、隣接するL形ブラケット保持装置120は互いに接触していない。或いは、ロータ30の一部の実施形態は、互いに接触した隣接するL形ブラケット保持装置120を含むことができる。また、ロータ30の一部の実施形態は、1つの装置120が前方エンジェルウィング107に最も近くにあり、1つの装置120が後方エンジェルウィング109に最も近くにあるように軸方向に位置付けられた隣接するL形ブラケット保持装置120を含むことができる。
【0025】
図10は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、CMCタービンブレード組立体100と、シートメタルダンパー122及び例示的な代替の保持装置160との切り欠き側面図である。図11は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、CMCタービンブレード組立体100と、シートメタルダンパー122及び別の例示的な代替の保持装置162との切り欠き側面図である。図10は、前方エンジェルウィング107からプラットフォーム中心線150の手前の点まで延びた軸方向長さLA1を有する保持装置160を示す。図11は、前方エンジェルウィング107からほぼプラットフォーム中心線150まで延びた軸方向長さLA2を有する保持装置162を示す。或いは、保持装置160及び162は、本明細書に記載の保持装置160及び162、シートメタルダンパー122及びCMCタービンブレード組立体100の作動を可能にする何れかの軸方向長さLAを有する。その上、代替として、保持装置160及び162は、限定ではないが、プラットフォーム104の上面からダンパー122の下面に延び且つ後方エンジェルウィング109から前方に延びることを含む、本明細書に記載の保持装置160及び162、シートメタルダンパー122及びCMCタービンブレード組立体100の作動を可能にするあらゆる配向及び構成を有することができる。加えて、例示的な実施形態において、保持装置160及び162は、CMC材料で形成される。或いは、保持装置160及び162は、本明細書に記載の保持装置160及び162、シートメタルダンパー122及びCMCタービンブレード組立体100の作動を可能にするあらゆる材料で形成することができる。
【0026】
図12は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、CMCタービンブレード組立体100と、例示的なリングダンパー200との切り欠き側面図である。例示的な実施形態において、冷却プレート202は、前方エンジェルウィング107の直ぐ下方でブレード組立体100の全体に結合される。また、例示的な実施形態において、例示的なリングダンパー200は、複数の前方エンジェルウィング107と複数の冷却プレート202との間に定められる円周方向キャビティ204に螺入され、ウィング107及びプレート202は、ロータ30(図1に示す)の周りを円周方向に延びる。従って、リングダンパー200は、実質的に連続して実質的に円周方向に360°延びることができる。或いは、リングダンパー200は、セグメント状に円周方向で360°延びることができる。リングダンパー200は、複数の前方エンジェルウィング107と複数の冷却プレート202との間の振動運動の減衰を可能にする。
【0027】
図13は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、CMCタービンブレード組立体100と、例示的な代替のリングダンパー210の軸方向の図である。例示的な実施形態において、リングダンパー210は、2つのリング、すなわち、リング212とリング214とを含む。或いは、リングダンパー210は、本明細書に記載のリングダンパー210の作動を可能にするあらゆる数のリング212/214を含むことができる。リング212及び214は、ブレード組立体100の軸方向列(図示せず)全体を通って実質的に連続して実質的に円周方向に360°延びることができる。或いは、リング212及び214は、ブレード組立体100の軸方向列全体を通ってセグメント状に円周方向で360°延びることができる。リングダンパー210は、プラットフォーム104とシャンク106との間の振動運動の減衰を可能にする。図13は、明確にするために代替のリングダンパー210とプラットフォーム104が接していないように図示しているが、リング212及び214の各々は、締まり嵌めによりリング212及び214をプラットフォーム104に結合可能にするのに十分な張力で延びる。
【0028】
図14は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100と、シートメタルダンパー122及び例示的なリング保持装置220との軸方向の図である。リング保持装置220は、ブレード組立体100の軸方向列(図示せず)全体を通って実質的に連続して実質的に円周方向に360°延びることができる。或いは、リング保持装置220は、ブレード組立体100の軸方向列全体を通ってセグメント状に円周方向で360°延びることができる。例示的な実施形態において、リング保持装置220は1つのリング222を含む。或いは、リング保持装置220は、本明細書に記載のリング保持装置220の作動を可能にするあらゆる数のリング222を含むことができる。
【0029】
図14は、明確にするためにリング保持装置220及びシートメタルダンパー122の両方が接していないように図示しているが、各リング保持装置220は、締まり嵌めによりリング222をシートメタルダンパー122に結合可能にするのに十分な張力で延びている。このような締まり嵌めにより、シートメタルダンパー122がガスタービンエンジン10の作動とは関係なく維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0030】
図15は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100と、隣接するブレードシャンク106に結合されてそこから延びる例示的なダンパー保持装置302を備えた例示的な代替のダンパー300との軸方向の図である。代替のダンパー300は、プレート部304と、該プレート部304に結合された半径方向延長部306とを備えた実質的にT字形状である。例示的な実施形態において、ダンパー300は、単体構造で形成される。或いは、ダンパー300は、本明細書に記載のダンパー保持装置302の作動を可能にするあらゆる方法によりプレート部304と半径方向延長部306とを結合することによって組み立てられる。また、ダンパー300は、本明細書に記載のダンパー保持装置302の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0031】
ダンパー保持装置302は、シャンク延長部308と、単体構造のシャンク延長部312を備えた代替の例示的なシャンク310の少なくとも1つを含む。シャンク延長部308は、本明細書に記載のダンパー保持装置302の作動を可能にするあらゆる方法によりシャンク106に結合される。ダンパー保持装置302はまた、成形カプラー314を含む。成形カプラー314は、シャンク延長部308及び/又はシャンク延長部312に相補的であり、且つ締まり嵌めにより結合される成形本体316を含む。成形カプラー314はまた、成形本体316に結合され且つそこから半径方向に延びて締まり嵌めによりロータホイールディスク32に結合されるディスク延長部318を含む。成形カプラー314は更に、成形本体316に結合され且つそこから半径方向に延びるダンパー延長部320を含む。ダンパー延長部320は、ダンパー300の半径方向延長部306に相補的で且つ締まり嵌めにより該延長部306を受けるキャビティ322を内部に定める。例示的な実施形態において、成形カプラー314は、単体構造で形成される。或いは、成形カプラー314は、本明細書に記載のダンパー保持装置302の作動を可能にするあらゆる方法によりディスク延長部318、成形本体316、及びダンパー延長部320を結合することにより組み立てられる。また、成形カプラー314は、本明細書に記載のダンパー保持装置302の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0032】
図15は、明確にするためにキャビティ322内で半径方向延長部306及び成形カプラー314が接していないように示しているが、半径方向延長部306は、締まり嵌めにより成形カプラー314に半径方向延長部306を結合できるほど十分な接着力でキャビティ322内に延びている。ダンパー保持装置302の成形カプラー314は、ロータホイールディスク32とダンパー300との間に延びて、ダンパー300がキャビティ322内に挿入されて、ダンパー300を一連の締まり嵌めによりプラットフォーム104の下面129に接して固定できるようにする。このような締まり嵌めにより、ダンパー300は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0033】
図16は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100と、隣接するブレードシャンク106に結合されてそこから延びる別の代替のダンパー保持装置330を備えたダンパー300との軸方向の図である。この例示的な代替の実施形態において、ダンパー保持装置330は、2つの代替のシャンク延長部332及び334の少なくとも1つを除いて、ダンパー保持装置302(図15に示す)と同様である。シャンク延長部332は、締まり嵌めにより成形本体316に結合される外側リブ336と、本明細書に記載のダンパー保持装置330の作動を可能にするあらゆる方法によりシャンク106に結合される内側材料338とを含む。シャンク延長部334は、外側リブ336並びに少なくとも1つの支持リブ340を含むことを除いて、シャンク延長部332と同様である。リブ336及び340並びに内側材料338は、本明細書に記載のダンパー保持装置330の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0034】
図16は、明確にするために半径方向延長部306及び成形カプラー314が接していないように図示しているが、半径方向延長部306は、締まり嵌めにより半径方向延長部306を成形カプラー314に結合できるほど十分な接着力でキャビティ322内に延びている。ダンパー保持装置330は、ロータホイールディスク32とダンパー300との間に延びて、ダンパー300がキャビティ322内に挿入されて、ダンパー300を一連の締まり嵌めによりプラットフォーム104の下面129に接して固定できるようにする。このような締まり嵌めにより、ダンパー300は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0035】
図17は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100と、ロータホイールディスク32に結合されてそこから延びる別の代替のダンパー保持装置350を備えたダンパー300との軸方向の図である。この例示的な代替の実施形態において、ダンパー保持装置350は、ダンパー300の半径方向延長部306に相補的で且つ締まり嵌めにより該延長部306を受けるキャビティ322を内部に定めるディスク−ダンパー間延長部352を含む。ダンパー保持装置350はまた、ロータホイールディスク32内に定められたダブテールキャビティ358に相補的なダブテール部356を含む。従って、ダンパー保持装置350は、締まり嵌めによりロータホイールディスク32に結合される。例示的な実施形態において、ダンパー保持装置350は、単体構造で形成される。或いは、ダンパー保持装置350は、本明細書に記載のダンパー保持装置350の作動を可能にするあらゆる方法により組み立てられ及び/又は製造される。また、ダンパー保持装置350は、本明細書に記載のダンパー保持装置350の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0036】
図17は、明確にするためにキャビティ358内で半径方向延長部306及びディスク−ダンパー間延長部352が接していないように示しているが、半径方向延長部306は、締まり嵌めによりディスク−ダンパー間延長部352に半径方向延長部306を結合できるほど十分な接着力でキャビティ358内に延びている。ダンパー保持装置350は、ロータホイールディスク32とダンパー300との間に延びて、ダンパー300がキャビティ354内に挿入されて、ダンパー300を一連の締まり嵌めによりプラットフォーム104の下面129に接して固定できるようにする。このような締まり嵌めにより、ダンパー300は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0037】
図18は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100と、ロータホイールディスク32に結合されてそこから延びるダンパー保持装置362を備えた例示的な複合ダンパー360との軸方向の図である。代替のダンパー360は、プレート部364と、該プレート部364に結合された細長い半径方向延長部366とを備えた実質的にT字形状である。この例示的な代替の実施形態において、ダンパー保持装置362は、ロータホイールディスク32内に定められたディスクキャビティ368に延びる細長い半径方向延長部366を含む。ディスクキャビティ368は、ダンパー360の細長い半径方向延長部366に相補的であり、締まり嵌めにより延長部366を内部に受ける。従って、ダンパー360は、締まり嵌めによりロータホイールディスク32に結合される。例示的な実施形態において、ダンパー360は単体構造で形成される。或いは、ダンパー360は、本明細書に記載のダンパー360及びダンパー保持装置362の作動を可能にするあらゆる方法により組み立てられ及び/又は製造される。また、ダンパー360は、本明細書に記載のダンパー360及びダンパー保持装置362の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0038】
図18は、明確にするためにキャビティ368内で半径方向延長部366及びロータホイールディスク32が接していないように示しているが、半径方向延長部366は、締まり嵌めによりロータホイールディスク32に半径方向延長部366を結合できるほど十分な接着力でキャビティ368内に延びている。ダンパー360は、ロータホイールディスク32との間に延びて、ダンパー300がキャビティ368内に挿入されて、ダンパー360を一連の締まり嵌めによりプラットフォーム104の下面129に接して固定できるようにする。このような締まり嵌めにより、ダンパー360は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0039】
図19は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100と、ロータホイールディスク32に結合されてそこから延びる別の代替のダンパー保持装置370を備えたシートメタルダンパー122との軸方向の図である。
【0040】
この例示的な代替の実施形態において、ダンパー保持装置370は、隣接するブレード100の隣接シャンク部106間に実質的に円周方向に延びてシートメタルダンパー122を締まり嵌めで接触させるダンパー接触部372を含む。ダンパー保持装置370はまた、ダンパー接触部372に結合された複数の半径方向支持延長部374を含む。半径方向支持延長部374は、ほぼダンパー122からロータホイールディスク32に延びる。ダンパー保持装置370は更に、複数のダブテール挿入部376を含み、各部分376が関連の半径方向支持延長部374に結合される。各ダブテール挿入部376は、ブレード100のダブテール部108とロータホイールディスク32との間に定められる通路378に相補的である。従って、ダンパー保持装置370のダブテール挿入部376は、締まり嵌めによりロータホイールディスク32に結合される。例示的な実施形態において、ダンパー保持装置370は、単体構造で形成される。或いは、ダンパー保持装置370は、本明細書に記載のダンパー122及びダンパー保持装置370の作動を可能にするあらゆる方法により組み立てられ及び/又は製造される。また、ダンパー保持装置370は、本明細書に記載のダンパー122及びダンパー保持装置370の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0041】
ダンパー保持装置370は、ダンパー122とロータホイールディスク32との間に延びて通路378内に挿入され、ダンパー122を一連の締まり嵌めによりプラットフォーム104の下面129に接して固定できるようにする。このような締まり嵌めにより、ダンパー122は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0042】
図20は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100と、ロータホイールディスク32に結合されてそこから延びる別の代替のダンパー保持装置380を備えたシートメタルダンパー122との軸方向の図である。図21は、線21−21(図20に示す)に沿った、CMCタービンブレード組立体100の1つと、代替のダンパー保持装置380を備えたシートメタルダンパー122との切り欠き側面図である。この例示的な代替の実施形態において、ダンパー保持装置380は、ダンパー接触部372と該接触部372に結合された半径方向支持延長部374とを含むダンパー保持装置370(図19に示す)と同様である。しかしながら、ダンパー保持装置380は、ダブテール挿入部376ではなく、複数のディスク接触部382を含み、各接触部382が関連の半径方向支持延長部374に結合される。加えて、ディスク接触部382は、締まり嵌めによりロータホイールディスク32に結合される。また、ダンパー保持装置380は、装置380が更にダンパー接触部372、半径方向支持延長部374、ディスク接触部382、及びロータホイールディスク32の各々に結合される可撓性ワイヤー構造384を含むことで、ダンパー保持装置370とは異なる。
【0043】
例示的な実施形態において、可撓性ワイヤー構造384は、最前半径方向支持延長部388からシートメタルダンパー122の何れかの後方部分まで軸方向後方に延びる複数の可撓性ワイヤー386を含み、本明細書に記載のシートメタルダンパー122及びダンパー保持装置380の作動を可能にする。図21において、例えば、限定ではないが、可撓性ワイヤー386はほぼブレードの中心線390まで延びる。
【0044】
ダンパー保持装置380は、ダンパー122とロータホイールディスク32との間に延びて、ダンパー122を一連の締まり嵌めによりプラットフォーム104の下面129に接して固定できるようにする。このような締まり嵌めにより、ダンパー122は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0045】
図22は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、CMCタービンブレード組立体100と、例示的な複合ダンパー及びスロット付き保持装置400との切り欠き側面図である。例示的な実施形態において、複合ダンパー及びスロット付き保持装置400は、前方エンジェルウィング107に近接した点からほぼプラットフォーム中心線150までプラットフォームの下面129に沿って延びるプラットフォームダンパー部402を含む。或いは、プラットフォームダンパー部402は、本明細書に記載の装置400の作動を可能にするプラットフォーム下面129に沿った何らかの距離を延びる。複合ダンパー及びスロット付き保持装置400はまた、スロット406を介して前方エンジェルウィング107の一部に延びる前方エンジェルウィング突出部404を含む。複合ダンパー及びスロット付き保持装置400は更に、プラットフォームダンパー部402を前方エンジェルウィング突出部404に結合する角度付き部分408を含む。例示的な実施形態において、複合ダンパー及びスロット付き保持装置400は単体構造で形成される。或いは、装置400は、本明細書に記載の装置400の作動を可能にするあらゆる方法により組み立てられ及び/又は製造される。その上、装置400は、本明細書に記載の装置400の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0046】
複合ダンパー及びスロット付き保持装置400は、前方エンジェルウィング107からプラットフォーム104のプラットフォーム下面129に沿って何らかの距離を延びており、ダンパー部402を一連の締まり嵌めによりプラットフォーム104の下面129に接して固定できるようにする。加えて、一部の代替の実施形態において、ダンパー部402を用いて、保持装置160及び162(それぞれ図10及び図11に示す)によって実施されたものと同様にしてダンパー装置(例えば、シートメタルダンパー122(図10及び図11に示す))を保持可能にすることができる。このような締まり嵌めにより、ダンパー部402は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0047】
図23は、航空機ガスタービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、CMCタービンブレード組立体100と、例示的な複合ダンパー及びクリップ保持装置410との切り欠き側面図である。例示的な実施形態において、複合ダンパー及びクリップ保持装置410は、前方エンジェルウィング107に近接した点からほぼプラットフォーム中心線150までプラットフォームの下面129に沿って延びるプラットフォームダンパー部402を含む。或いは、プラットフォームダンパー部412は、本明細書に記載の装置410の作動を可能にするプラットフォーム下面129に沿った何らかの距離を延びる。複合ダンパー及びクリップ保持装置410はまた、スロット406を介して前方エンジェルウィング107の一部を通って延びる前方エンジェルウィングクリップ414を含む。複合ダンパー及びクリップ保持装置410は更に、プラットフォームダンパー部412を前方エンジェルウィングクリップ414に結合する角度付き部分418を含み、角度付き部分418は、U字形部420を含み、本明細書に記載の装置410の作動を可能にするあらゆる追加の配向及び構成を有する。例示的な実施形態において、複合ダンパー及びクリップ保持装置410は単体構造で形成される。或いは、装置410は、本明細書に記載の装置410の作動を可能にするあらゆる方法により組み立てられ及び/又は製造される。その上、装置410は、本明細書に記載の装置410の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0048】
複合ダンパー及びクリップ保持装置410は、前方エンジェルウィング107からプラットフォーム104のプラットフォーム下面129に沿って何らかの距離を延びており、ダンパー部412を一連の締まり嵌めにより下面129に接して固定できるようにする。加えて、一部の代替の実施形態において、ダンパー部402を用いて、保持装置160及び162(それぞれ図10及び図11に示す)によって実施されたものと同様にしてダンパー装置(例えば、シートメタルダンパー122(図10及び図11に示す))を保持可能にすることができる。このような締まり嵌めにより、ダンパー部412は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0049】
図24は、航空機タービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、CMCタービンブレード組立体100と、シートメタルダンパー122及び例示的なピン止めダンパー保持装置500の切り欠き側面図である。例示的な実施形態において、ピン止めダンパー保持装置500は、前方エンジェルウィング107から後方エンジェルウィング109までブレード組立体100に沿って軸方向に延びる少なくとも1つのピン装置502を含む。ピン装置502は、締まり嵌めによりシートメタルダンパー122に結合されるシャフト部504を含む。ピン装置502はまた、前方エンジェルウィング107の一部内に形成されたスロット508を通って延び且つ作動流体流路に少なくとも部分的に延びたヘッド部506を含む。ヘッド部506及びスロット508は、締まり嵌めによりピン装置502をブレード組立体100に結合できるようにする。
【0050】
例示的な実施形態において、ピン装置502は単体構造で形成される。或いは、ピン装置502は、本明細書に記載のピン止めダンパー保持装置500の作動を可能にするあらゆる方法により組み立てられ及び/又は製造される。ピン止めダンパー保持装置500は、あらゆる構成及び配向であらゆる数のピン装置502を含み、本明細書に記載の装置500の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0051】
ピン止めダンパー保持装置500は、前方エンジェルウィング107から後方エンジェルウィング109までプラットフォーム104のプラットフォーム下面129に沿って延びたシートメタルダンパー122に沿って延び、シートメタルダンパー122を一連の締まり嵌めによりプラットフォーム104の下面129に接して固定できるようにする。このような締まり嵌めにより、シートメタルダンパー122は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0052】
図25は、航空機タービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、CMCタービンブレード組立体100と、例示的な代替形態すなわちメールボックスダンパー520及び代替のピン止めダンパー保持装置522との切り欠き側面図である。この例示的な代替の実施形態において、代替ダンパー520は、前方ピン接触部524及び後方ピン接触部526を含み、両方ともプラットフォーム接触部528に結合される。
【0053】
また、この例示的な代替の実施形態において、ピン止めダンパー保持装置522は、ブレード組立体100に沿って軸方向に延びる少なくとも1つのピン装置530を含む。ピン装置502(図24に示す)とは対照的に、ピン装置530は、作動流体流路に位置付けられることなく、前方エンジェルウィング107から後方エンジェルウィング109までブレード組立体100に密着して延びる。
【0054】
ピン装置530は、締まり嵌めにより前方ピン接触部524及び後方ピン接触部526に結合されるシャフト部532を含む。ピン装置530はまた、前方エンジェルウィング107の一部内に形成されたスロット536を通って延びるヘッド部534を含む。シャフト部532は、後方エンジェルウィング109の一部内に形成されたスロット538を通って延びる。
【0055】
例示的な実施形態において、ピン装置530は単体構造で形成される。或いは、ピン装置530は、本明細書に記載のピン止めダンパー保持装置522の作動を可能にするあらゆる方法により組み立てられ及び/又は製造される。ピン止めダンパー保持装置522は、あらゆる構成及び配向であらゆる数のピン装置530を含み、本明細書に記載の装置522の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0056】
ピン装置530は、プラットフォーム下面128の下方で前方エンジェルウィング107から後方エンジェルウィング109まで下面128とピン装置530との間にダンパー520の挿入を可能にする距離を延びる。ダンパー520のプラットフォーム接触部528は、プラットフォーム104のプラットフォーム下面129に沿って延びて、プラットフォーム下面128とプラットフォーム接触部528との間に締まり嵌めが達成されてダンパー520を固定するようにする。また、締まり嵌めは、前方ピン接触部524及び後方ピン接触部526、ダンパー520及びピン装置530の両方の間に達成される。このような締まり嵌めにより、ダンパー520は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0057】
図26は、航空機タービンエンジン10(図1に示す)と共に用いることができる、2つの隣接するCMCタービンブレード組立体100と、シートメタルダンパー122及び代替の例示的なピン止めダンパー保持装置560との軸方向の図である。図26は、線27−27(図26に示す)に沿った、CMCタービンブレード組立体100の1つと、シートメタルダンパー122及び代替のピン止めダンパー保持装置560との切り欠き側面図である。この例示的な代替の実施形態において、代替ダンパー560は、前方エンジェルウィング107に近接するシャンク106を通って実質的に直交して延びた複数のピン装置562を含む。或いは、ピン装置562は、前方エンジェルウィング107、後方エンジェルウィング109、及びプラットフォーム中心線150に対する装置560の作動を可能にするある点にてシャンク106を貫通することができる。
【0058】
例示的な実施形態において、各ピン装置562は単体構造で形成される。或いは、ピン装置562は、本明細書に記載のピン止めダンパー保持装置560の作動を可能にするあらゆる方法により組み立てられ及び/又は製造される。その上、ピン止めダンパー保持装置560、本明細書に記載の装置560の作動を可能にするあらゆる材料で形成される。
【0059】
ピン装置562は、前方エンジェルウィング107とシートメタルダンパー122との間に位置付けられた第1のピン装置564を含み、該ピン装置564が、締まり嵌めによりダンパー122を軸方向に位置決め及び支持できるようになる。また、ピン装置562は、ダンパー122の下方に位置付けられた第2のピン装置566を含み、該ピン装置566が、締まり嵌めによりダンパー122をプラットフォーム104の下面129に接して軸方向に位置決め及び支持できるようになる。このような締まり嵌めにより、ダンパー部122は、ガスタービンエンジン10の作動に関係なく所定位置に維持されるのが可能になり、このような作動は、限定ではないが、実質的に固定のロータ30(図1に示す)状態、ターニングギア(図示せず)を介したロータ30の低速回転、所定運転速度までの加速、及びその後の減速を含む。
【0060】
図28は、CMCタービンブレード組立体100と、図10に示すものと同様の2つの軸方向に対向するL形ブラケット保持装置160を備えたシートメタルダンパー122との切り欠き側面図である。例示的な実施形態において、軸方向に対向するL形ブラケット保持装置160は、締まり嵌めによりシートメタルダンパー122をプラットフォーム104の下面129に接して保持するよう協働する。
【0061】
図29は、CMCタービンブレード組立体100と、図10に示すものと同様のL形ブラケット保持装置160を備え、並びに図26及び27に示すものと同様のピン止めダンパー保持装置560を備えたシートメタルダンパー122との切り欠き側面図である。例示的な実施形態において、L形ブラケット保持装置160及びピン止めダンパー保持装置560は、締まり嵌めによりシートメタルダンパー122をプラットフォーム104の下面129に接して保持するよう協働する。
【0062】
図30は、CMCタービンブレード組立体100と、図10に示すものと同様のL形ブラケット保持装置160を備えた図23に示すものと同様の複合ダンパー及びクリップ保持装置410との切り欠き側面図である。例示的な実施形態において、L形ブラケット保持装置160と複合ダンパー及びクリップ保持装置410とが協働し、締まり嵌めにより装置410をプラットフォーム104の下面129に接して保持するようにする。
【0063】
図31は、CMCタービンブレード組立体100と、図10に示すものと同様のL形ブラケット保持装置160を備えた図22に示すものと同様の複合ダンパー及びスロット付き保持装置400との切り欠き側面図である。例示的な実施形態において、L形ブラケット保持装置160と複合ダンパー及びスロット付き保持装置400とが協働し、締まり嵌めにより装置400をプラットフォーム104の下面129に接して保持するようにする。
【0064】
図28、29、30、及び31は、上述のようにブレード組立体100の振動を減衰可能にするのに用いることができる、本明細書に記載の実施形態の組み合わせの実施例である。或いは、L形ブラケット保持装置120(図4〜9に示す)、L形ブラケット保持装置160(図10に示す)、L形ブラケット保持装置162(図11に示す)、リングダンパー200(図12に示す)、リングダンパー210(図13に示す)、リング保持装置220(図14に示す)、ダンパー保持装置302、330、350、362、370、及び380(図15、16、17、18、19、及び20にそれぞれ示す)、複合ダンパー及びスロット付き保持装置400(図22に示す)、複合ダンパー及びスロット付き保持装置410(図23に示す)、例示的なピン止めダンパー保持装置500(図24に示す)、ピン止めダンパー保持装置522(図25に示す)、及びピン止めダンパー保持装置560(図265に示す)、並びにこれらの関連するダンパー(それぞれの図に示す)の何れかの組み合わせを用いて、本明細書に記載のCMCタービンブレード組立体100の作動を可能にすることができる。
【0065】
図32は、例示的な三角バーダンパー保持装置601を備えた例示的な代替のCMCタービンブレード組立体600の2つの側面斜視図である。図33は、CMCタービンブレード組立体600と、例示的な三角バーダンパー602が設置された三角バーダンパー保持装置601との2つの側面斜視図である。図34は、三角バーダンパー保持装置601と内部に形成された機械加工三角ポケット604とを備えたCMCタービンブレード組立体600の概略切り欠き側面図である。
【0066】
図32を参照すると、CMCタービンブレード組立体600は、代替のプラットフォーム部605を有することを除いて、ブレード組立体100(図3及び34に示す)と同様である。例示的な実施形態において、プラットフォーム部605は、半径方向の厚みT2を有し、「厚板プラットフォーム構造」と呼ばれる。これは、プラットフォーム104において上述の「薄型プラットフォーム構造」とは対照的であり、半径方向の厚みT2は、半径方向の厚みT1よりも大きい。或いは、プラットフォーム部605は、本明細書に記載のブレード組立体600の作動を可能にするあらゆる半径方向の厚みを有する。
【0067】
同様に、図32を参照すると、三角バーダンパー保持装置601の一部の実施形態は、プラットフォーム部605の平坦な垂直面608に形成された三角溝606を含む。例示的な実施形態において、三角溝606は機械加工により形成される。或いは、三角溝606は、限定ではないが、プラットフォーム部605における三角溝606を備えたブレード組立体600を鋳造することを含め、本明細書に記載の装置601の作動を可能にするあらゆる方法により形成される。
【0068】
図33を参照すると、三角バーダンパー602は、タービンブレード組立体600のCMC材料と同様及び/又は互換性のあるCMC材料で実質的に三角形状に形成される。例示的な実施形態において、三角バーダンパー保持装置601は、三角バーダンパー602及び三角溝606を含む。例示的な実施形態において、三角バーダンパー602は、第1のプラットフォーム部605の平坦な垂直面608上で、隣接する平坦な垂直面608の三角溝606内に受けられ保持されるようなサイズにされ、構成され、配向される。機械加工される三角ポケット604及び三角溝606は、締まり嵌めにより、すなわち、溶接、ろう付け、及び締結具のような結合方法なしで三角バーダンパー602を受けて保持するようなサイズにされる。その上、三角バーダンパー602は、第1のブレード組立体600のプラットフォーム部605から隣接するブレード組立体600のプラットフォーム部605まで延び、三角バーダンパー602が締まり嵌めにより所定位置に維持される。
【0069】
図34を参照すると、三角バーダンパー保持装置600の一部の実施形態は、CMCインサート610内に形成された機械加工ポケット604を含む。プラットフォーム104及びCMCインサート610は、代替の平坦な垂直面611を定め、機械加工された三角ポケット604がCMCインサート610内に定められる。機械加工された三角ポケット604は、締まり嵌めにより、すなわち、溶接、ろう付け、及び締結具のような結合方法なしで三角バーダンパー602を受けて保持するようなサイズにされる。接合部612は、シャンク106の一部とプラットフォーム104の下面129の一部との間に定められる。この例示的な代替の実施形態において、CMCインサート610は、締まり嵌めにより、すなわち、溶接、ろう付け、及び締結具のような結合方法なしで接合部612において下面129の一部及びシャンク側壁106の一部に結合される。例示的な実施形態において、三角バーダンパー保持装置601は、三角バーダンパー602及び機械加工された三角ポケット604を含む。CMCインサート610は、三角バーダンパー保持装置601と互換性のある厚みT1を有するプラットフォーム部104を備えてブレード組立体100を形成するのに用いられる。三角バーダンパー602は、プラットフォーム部605の平坦な垂直面608上で、プラットフォーム部104の隣接する平坦な垂直面611の機械加工された三角ポケット604内に受けられ保持されるようなサイズにされ、構成され、及び配向される。
【0070】
図35は、本明細書に記載のタービンロータブレード組立体100(図1〜9に示す)を組み立てる例示的な方法700のフローチャートである。シャンク部106(図2〜9に示す)は、セラミックマトリックス複合材(CMC)材料から形成される(702)。プラットフォーム部104(図2〜9に示す)は、シャンク部106と実質的に同様のCMC材料から形成される(704)。プラットフォーム部104は、シャンク部106に結合される(706)。プラットフォーム部104及びシャンク部106は、ロータブレード組立体100の2つの対向する側部128(図4及び5に示す)を少なくとも部分的に定めるよう協働する。対向する側部128は、ガスタービンエンジン10(図1に示す)のロータ30(図1に示す)の回転軸(図1に示す)に対して角度方向で離隔される。ダンパー保持装置120(図4〜9に示す)が形成される(708)。少なくとも1つの角度付きブラケット装置120が形成される(710)。角度付きブラケット装置120は、シャンク部106に結合される(712)。角度付きブラケット装置120は、シャンク部106から離れて円周方向に延びる(714)。
【0071】
CMC航空機タービンブレード用のタービンブレード減衰装置の方法及び装置に関する上述の実施形態は、タービンブレードの振動を低減し、これにより励振応力を低減し、ブレードシャンクの歪み耐性を増大させ、及びエンジンの他の構成要素からの伴流に対する処理能力を向上させる。本明細書に記載のブレード減衰装置は、ブレードシャンク、ブレードプラットフォーム、前方及び/又は後方エンジェルウィング、及びロータディスクに結合することができる。また、ブレード減衰装置は、必要に応じて様々なブレード設計及びタイプに対して振動減衰を可能にするような配向及び構成にすることができる。更に、本明細書に記載の実施形態は、独立して単独で用いることができると共に、共同して及び互換的に用いることもできる。従って、既存の航空機ガスタービンを改造して本明細書に記載のブレード減衰装置を組み込むことができる。その上、ブレード減衰装置は、限定ではないが、摩擦コーティング、摩耗コーティング、減肉コーティング(例えば、環境障壁コーティング)、及び熱障壁コーティングを含むコーティングを施すことができる。また、本明細書に記載の種々の実施形態は、タービンロータが減速し又は停止したときに所定位置に留まることになるようにタービン内に構成され配向される。結果として、本明細書に記載の方法及び装置は、コスト効果があり信頼性のある方法で航空機を運転することを可能にする。
【0072】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0073】
8 エンジン(回転)軸
10 ガスタービンエンジン
13 ファンセクション
14 ファン
16 低圧圧縮機(LPC)
18 高圧圧縮機(HPC)
20 燃焼セクション
22 高圧タービン(HPT)
24 低圧タービン(LPT)
26 高圧シャフト
28 低圧シャフト
30 ロータ
32 ロータホイールディスク
40 外側ブレード先端
100 セラミックマトリックス複合材(CMC)タービンロータブレード組立体
102 翼形部
104 プラットフォーム部
T1 第1の(薄い)厚み
106 シャンク部
107 前方(軸方向上流側)エンジェルウィング
108 ダブテール取付機構
109 後方(軸方向下流側)エンジェルウィング
119 L形ブラケットの第1の部分
120 L形ブラケット保持装置
121 L形ブラケットの第2の部分
122 シートメタルダンパー
124 機械加工ポケット
126 角度
128 シャンク(ブレード)側壁
129 プラットフォームの下面
130 プラットフォームギャップ
131 接合部
134 CMCインサート
140 接合部
L 長さ
150 プラットフォーム中心線
W 幅
160 保持装置
LA1 軸方向長さ
162 保持装置
LA2 軸方向長さ
200 リングダンパー
202 冷却プレート
204 キャビティ
210 リングダンパー
212 リング
214 リング
220 リング保持装置
222 リング
300 代替ダンパー
302 ダンパー保持装置
304 プレート部
306 半径方向延長部
308 シャンク延長部
310 代替シャンク
312 シャンク延長部
314 成形カプラー
316 成形本体
318 ディスク延長部
320 ダンパー延長部
322 キャビティ
330 ダンパー保持装置
332 シャンク延長部
334 シャンク延長部
336 外側リブ
338 内側材料
340 内側支持リブ
350 ダンパー保持装置
352 ディスク−ダンパー延長部
354 キャビティ
356 ダブテール部
358 ダブテールキャビティ
360 ダンパー
362 ダンパー保持装置
364 プレート部
366 細長い半径方向延長部
368 ディスクキャビティ
370 ダンパー保持装置
372 ダンパー接触部
374 半径方向支持延長部
376 ダブテール挿入部
378 通路
380 ダンパー保持装置
382 ディスク接触部
384 可撓性ワイヤー構造
386 複数の可撓性ワイヤー
388 最前方ディスク接触部
390 ブレード中心線
400 複合ダンパー及びスロット付き保持装置
402 プラットフォームダンパー部
404 前方エンジェルウィング突出部
406 スロット
408 角度付き部
410 複合ダンパー及びクリップ保持装置
412 プラットフォームダンパー部
414 前方エンジェルウィングクリップ
416 スロット
418 角度付き部
420 U字形部
500 ピン止めダンパー保持装置
502 ピン装置
504 シャフト部
506 ヘッド部
508 スロット
520 ダンパー
522 ピン止めダンパー保持装置
524 前方ピン接触部
526 後方ピン接触部
528 プラットフォーム接触部
530 ピン装置
532 シャフト部
534 ヘッド部
536 スロット
538 スロット
560 ピン止めダンパー保持装置
562 ピン装置
564 第1のピン装置
566 第2のピン装置
600 代替セラミックマトリックス複合材(CMC)タービンブレード組立体
601 三角バーダンパー保持装置
602 三角バーダンパー
604 機械加工三角ポケット
605 代替プラットフォーム部
606 三角溝
608 最終垂直面
610 CMCインサート
611 代替平坦な垂直面
612 接合部
T2 第2の(厚い)厚み
700 方法
702 CMC材料でシャンク部を形成する段階
704 シャンク部と実質的に同様のCMC材料から形成する段階
706 プラットフォーム部をシャンク部に結合する段階
708 ダンパー保持装置形成する段階
710 少なくとも1つの角度付きブラケット装置を形成する段階
712 少なくとも1つの角度付きブラケット装置をシャンク部に結合する段階
714 少なくとも1つの角度付きブラケット装置を円周方向に延ばす段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(8)を有するガスタービンエンジン(10)のロータ(30)用のロータブレード組立体(100)であって、
セラミックマトリックス複合材(CMC)材料で形成されたシャンク部(106)と、
前記シャンク部と実質的に同様のCMC材料から形成され且つ前記シャンク部に結合されたプラットフォーム部(104)と、
を備え、前記プラットフォーム部(104)及び前記シャンク部が協働して、前記回転軸に対して角度方向に離隔した前記ロータブレード組立体の2つの対向する側部(128)を少なくとも部分的に定めるようにし、
前記ロータブレード組立体(100)がダンパー保持装置(120)を更に備え、
前記ダンパー保持装置(120)は、少なくとも一部が前記シャンク部に結合され、
前記ダンパー保持装置(120)は、円周方向に隣接するロータブレード組立体(100)に向けて延びる少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)を含む、
ロータブレード組立体(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)が、第1の部分(119)及び該第1の部分に結合された第2の部分(121)を含み、前記第1の部分及び第2の部分がこれらの間にある角度(126)を定め、前記第1の部分が前記シャンク部に結合され、前記第2の部分が、前記シャンク部(106)から前記円周方向に隣接するロータブレード組立体(100)の隣接するシャンク部に向けて外向きに延びる、請求項1に記載のロータブレード組立体(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)の第2の部分(121)と前記プラットフォーム部(104)が協働してこれらの間にプラットフォームギャップ(130)を定め、前記プラットフォームギャップが、内部にダンパー(122)を受けて且つ前記第2の部分と前記プラットフォーム部との間に前記ダンパーの締まり嵌めを確立するようなサイズ及び配向にする、請求項2に記載のロータブレード組立体(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)が、前記シャンク部(106)及び前記プラットフォーム部(104)と実質的に同様のCMC材料で形成される、請求項1に記載のロータブレード組立体(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)が、前記シャンク部(106)及び前記プラットフォーム部(104)と実質的に単体構造で形成される、請求項4に記載のロータブレード組立体(100)。
【請求項6】
前記ダンパー保持装置(120)が、前記シャンク部(106)及び前記プラットフォーム部(104)により定められる接合部(113)に結合されたCMCインサート(134)を含み、該CMCインサート内にポケット(124)が形成され、該ポケットは、締まり嵌めにより前記少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)の第2の部分(121)の少なくとも一部を受けるようなサイズ及び配向にされる、請求項1に記載のロータブレード組立体(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)が前記2つの対向する側部(128)の第1の側面(128)に結合され、前記CMCインサート(134)が前記2つの対向する側部(128)の第2の側面(128)に結合される、請求項6に記載のロータブレード組立体(100)。
【請求項8】
回転軸(8)を有するガスタービンエンジン(10)用のロータ組立体(30)であって、
周辺部を定めるロータディスク(32)と、
前記ロータディスクの周辺部に結合され、前記回転軸に対して角度方向に離隔した関係で互いに実質的に円周方向に隣接して位置付けられた複数のロータブレード(100)と、
を備え、前記ロータブレードの各々が、
セラミックマトリックス複合材(CMC)材料で形成されたシャンク部(106)と、
前記シャンク部と実質的に同様のCMC材料から形成され且つ前記シャンク部に結合されたプラットフォーム部(104)と、
を含み、前記プラットフォーム部(104)及び前記シャンク部が協働して、前記回転軸に対して角度方向に離隔した前記ロータブレードの各々の2つの対向する側部(128)を少なくとも部分的に定めるようにし、
前記ロータブレードの各々が更に、
少なくとも一部が前記シャンク部に結合され且つ円周方向に隣接するロータブレードに向けて延びる少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)を含むダンパー保持装置(120)を含む、ロータ組立体(30)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)が、第1の部分(119)及び該第1の部分に結合された第2の部分(121)を含み、前記第1の部分及び第2の部分がこれらの間にある角度(126)を定め、前記第1の部分が前記シャンク部(106)に結合され、前記第2の部分が、前記シャンク部(106)から前記円周方向に隣接するロータブレードの隣接するシャンク部に向けて外向きに延びる、請求項8に記載のロータ組立体(30)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの角度付きブラケット装置(120)の第2の部分(121)と前記プラットフォーム部(104)が協働してこれらの間にプラットフォームギャップ(130)を定め、前記プラットフォームギャップが、内部にダンパー(122)を受けて且つ前記第2の部分と前記プラットフォーム部との間に前記ダンパーの締まり嵌めを確立するようなサイズ及び配向にする、請求項9に記載のロータ組立体(30)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−57317(P2013−57317A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−195743(P2012−195743)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】