説明

ダイアフラムを有する液体ディスペンサデバイスおよび該バルブの組み立て方法

本発明は、所定の圧力が得られるまで、液体の放出を阻止する液体ディスペンサデバイス(1)用の与圧システム(7)に関する。与圧システム(7)は、液体を吸い込むための吸入口(5)と、液体を放出するための吐出口(6)、これらの間に配設された与圧バルブとを有する。与圧バルブは、ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力に達した後にのみ、ポンプ(3)内の液体を吐出口(6)に送出する。与圧バルブは、バルブシートの開口部(30)を通常閉じる弾性ダイアフラム(32)を有する。弾性ダイアフラムは、バルブシートの開口部(30)に面し、ポンプと流体連通する凹状表面と、大気圧と流体連通する凸状表面とを有する。弾性ダイアフラム(32)は、バルブシート(31)の周囲に伸張してもよい。さらに本発明は、液体ディスペンサデバイスの与圧システムを組み立てる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体ディスペンサに関し、とりわけ所定の圧力レベルに達するまで容器内の液体をディスペンサから放出されないようにするための液体ディスペンサ用の与圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体ディスペンサアセンブリが取り付けられた容器は広く知られている。米国特許第5,730,335号は、与圧システムを有する液体ディスペンサを開示している。この液体ディスペンサは、容器のネック部に固定された噴霧器ハウジングを有するトリガ噴霧器である。この噴霧器は、手動作動式ポンプを有する。トリガの形態にある作動部品は、ポンプを作動させるために、ハウジングに対してピボット回転可能に連結されている。浸漬管がポンプから容器内に延び、作動時において、容器内の液体が浸漬管を通じてポンプ内に吸い上げられる。またトリガ噴霧器は、流体を放出するためのポンプと流体連通する吐出口を有する。さらにトリガ噴霧器は、放出ポンプ動作後、ポンプのピストンの位置を充填位置に戻すように付勢するためのばねを有する。
【0003】
上記先行技術による与圧システムは、吐出口から吐出される液体の圧力があまりにも低いため、液体が十分に噴霧化されず、大粒の液体の雫または液体が噴霧パターン上に形成されることを防止するよう機能するものである。与圧システムは、ポンプと吐出口の間の流体連通を閉じる位置と、ポンプと吐出口の間の流体連通を開くためにバルブシートから離間させた位置との間で移動可能な与圧バルブを有する。与圧バルブは、ばねステンレス鋼または堅いが弾性のあるプラスティック材料などのばね材料からなる浅いドーム状のものである。与圧バルブは、本来有するばね特性により、閉口位置に向かって付勢され、その凸状表面がバルブシートに係合する。与圧バルブは、ポンプ内の圧力が所定の圧力に達した場合にのみ開口位置に屈曲する。
【0004】
この先行技術による液体ディスペンサおよび与圧システムが有する問題点は、異なる材料からなる数多くの個別の部品が必要であるという点と、与圧システムにより得られるディスペンス(分注)圧力が一様でないという点である。
【0005】
極めて数多くの部品に起因して、製品を製造し、組み立てることが困難となる。そのため、ディスペンサ部品の製造および組み立てに要する費用が嵩み、時間がかかる。さらにトリガ噴霧器および容器は、これらを処分する際、さまざまな材料で構成されているため、取り扱いおよびリサイクル上において問題が生じる。これらのプラスティック部分をリサイクルする前に、ピストンを元に戻すために用いられる金属ばね、およびステンレス鋼ばねの両方はトリガ噴霧器から取り外す必要がある。
【0006】
先行技術による与圧システムにより形成される圧力のばらつきは、ドーム状ばねバルブの凸状表面が、その断面において多少「波打った」形状に屈曲することによりバルブシートから離間することに起因する。これは、不安定な状態であり、ポンプ圧力が同程度であっても、異なるバルブ変形を引き起こし、ひいてはばねバルブの開口度が異なる結果となる。さらにばねバルブは、逆の位置に急にパチンと移動して、ポンプと吐出口の間が開口状態に維持されるというリスクもある。
【0007】
上記問題に対処するために、同一の譲受人に譲渡された米国特許第6,378,739号は、与圧システムを有する別の液体ディスペンサを開示している。この先行技術による液体ディスペンサは、前掲の335号特許のディスペンサと同様の機能および構成を有するが、335号特許の液体ディスペンサと比較して、個別の部品の点数は削減され、さまざまな材料の使用が減らされている。そのため、ピストンをポンプストロークの終点に戻すためのばねは、プラスティック材料からなり、容器のネック部とともに一体成形されている。さらに、この従来技術による与圧システムは、同様にプラスティック材料からなり、バルブチャンバ内にバルブを実装するスリーブとともに一体成形された与圧バルブを有する。このように一体成形されたプラスティック製の構造体を用いることにより、個別の構成部品の点数を削減し、液体ディスペンサの製造および組み立てを容易にすることができる。さらに液体ディスペンサは、使用後の処分の際、取り扱いおよびリサイクルが容易となる。739号特許に記載された液体ディスペンサの与圧バルブは、凸状表面を有する与圧バルブシートと係合するドーム状弾性ダイアフラムを有する。したがって、この弾性ダイアフラムは、ポンプ圧力を受けたとき、依然として逆行する傾向がある。ダイアフラムの変形度を規制し、逆の位置に移動することを防止するために、ダイアフラムの凸状表面からディスペンサハウジングの固定部分に向かって延びる係止部材が突出している。にもかかわらず、ポンプの圧力が増大する際のダイアフラムが湾曲する度合い、およびバルブ開口度は変化することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,730,335号明細書
【特許文献2】米国特許第6,378,739号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題を解消する、液体ディスペンサデバイスのためのさまざまなタイプの与圧システム、および与圧システムを作製するための組立方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様において、吸入口および吐出口を有する液体ディスペンサデバイスのための与圧システムであって、該与圧システムは、ポンプチャンバと、バルブチャンバとを有する。ポンプチャンバは、吸入口から液体を吸い込み、吐出口から液体を放出するための移動可能なピストンを有する。バルブチャンバは、ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力に達した場合にのみ、ポンプチャンバ内の液体を吐出口に送出し、ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力以下となった場合には吐出口への液体の送出を阻止するように作動する、ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブ部材を有する。バルブチャンバは、ポンプチャンバと流体連通する入口端部と、吐出口と流体連通する出口端部と、入口端部と出口端部の間に配設された開口部を含むバルブシートとを有する。バルブ部材は、バルブシートの開口部を通常閉じる弾性ダイアフラムを有し、弾性ダイアフラムは、バルブシートの開口部に面し、ポンプチャンバと流体連通する凹状表面と、大気圧と流体連通する凸状表面とを有する。弾性ダイアフラムは、その凹状表面がバルブシートに面し、係合するように構成されているので、与圧バルブが開く圧力をより正確に制御することができる。これは、弾性ダイアフラムが湾曲ではなく、伸張することにより開くことに起因するものである。さらにバルブ部材のこうした構成により、ダイアフラムが逆転するリスクを解消することができる。
【0011】
好適な実施形態では、弾性ダイアフラムは、バルブシートの周囲で伸張する。弾性ダイアフラムは、伸張する(張り広げる)ことにより、圧縮応力を与えられ、封止機能を改善し、開口圧力を精度よく制御することができる
【0012】
別の好適な実施形態では、弾性ダイアフラムは外側周縁部を有し、バルブ部材は弾性ダイアフラムの平面に実質的に垂直に延び、弾性ダイアフラムの外側周縁部を包囲して保持するスリーブを有し、スリーブは、バルブチャンバ内に封止するように配置される。こうして弾性ダイアフラムはバルブチャンバ内に容易に取り付けるこができる。
【0013】
部品点数を減らし、与圧システムの作製および組立てを容易にするためには、弾性ダイアフラムおよびスリーブは、プラスティック材料を用いて一体成形されることが好ましい。ダイアフラムの凹状表面がバルブシートに対向し、バルブは(撓むのではなく)伸張することにより作動するので、プラスティック材料は前掲の先行技術に記載されたと凸状バルブの場合より柔軟性を有する。適当なプラスティック材料は、たとえばポリプロピレンまたはポリエチレンである。
【0014】
好都合にも、弾性ダイアフラムは非伸張形状にモールド成形され、この非伸張形状はバルブシートの上方で伸張した場合の伸張形状に比して凹の度合いが実質的により小さい。こうして、適当な圧縮応力度が得られる。好適には、弾性ダイアフラムは、凸状形状にモールド成形され、スリーブをバルブチャンバ内に配置したとき、凹状形状に伸張する。
【0015】
バルブ部材の変形が弾性ダイアフラムに限定されるようにするためには、スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な方向にスリーブの内壁に沿って延びる複数のリブを有することが好ましい。こうしてスリーブによるバルブチャンバの封止を維持しつつ、ダイアフラムの動作を規制することができる。
【0016】
本発明の与圧システムのさらに別の実施形態において、スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法と、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な直径方向寸法とを有し、長手方向寸法は、バルブチャンバの同様の寸法より大きい。これにより与圧システムが組み込まれたとき、スリーブをバルブチャンバ内に確実に把持することができる。
【0017】
スリーブが弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法と、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な直径方向寸法とを有するとき、直径方向寸法が長手方向寸法より大きいことが好ましい。するとスリーブが短く、頑健となり、バルブ部材がポンプにより生じた圧力に曝されたときに変形しにくくなる。
【0018】
液体ディスペンサデバイスが端壁を含むシュラウドを有し、シュラウドの端壁がバルブチャンバに位置合わせされ、スリーブに当接させて、バルブ部材をバルブチャンバ内に固定する場合には、比較的に組み立てやすい与圧システムを実現することができる。
【0019】
本発明は、 吸入口および吐出口と、これらの間に配設された与圧システムとを有する液体ディスペンサデバイスを提供するものである。この与圧システムは、移動可能なピストンを有するポンプチャンバと、ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブ部材を有するバルブチャンバとを備える。バルブチャンバは、入口端部と、出口端部と、これらの間に配設された開口部を含むバルブシートとを有する。バルブ部材は、バルブシートの開口部を通常閉じる、凹状表面および凸状表面を含む弾性ダイアフラムを有する。凹状表面は、バルブシートの開口部に面し、ポンプチャンバと流体連通する一方、凸状表面は、大気圧と流体連通する。
【0020】
本発明に係るさらに別の態様によれば、吸入口および吐出口を有する液体ディスペンサデバイスのための与圧システムを組み立てる方法が提供される。この発明に係る方法は、移動可能なピストンを内部に有するポンプチャンバを提供するステップと、ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブチャンバを提供するステップとを有する。バルブチャンバは、ポンプチャンバと流体連通する入口端部と、吐出口と流体連通する出口端部と、入口端部と出口端部の間に配設された開口部を含むバルブシートとを有する。この方法は、バルブシートの開口部を通常閉じるようにバルブ部材をバルブチャンバ内に配置するステップをさらに有する。この方法において、バルブ部材は弾性ダイアフラムを有し、弾性ダイアフラムは、バルブシートの開口部に面し、ポンプチャンバと流体連通する凹状表面と、大気圧と流体連通する凸状表面とを有する。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、吸入口および吐出口を有する液体ディスペンサデバイスのための与圧システムを提供する。この与圧システムは、吸入口から液体を吸い込み、吐出口から液体を放出するための移動可能なピストンを内部に有するポンプチャンバと、ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力に達した場合にのみ、ポンプチャンバ内の液体を吐出口に送出し、ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力以下となった場合には吐出口への液体の送出を阻止するように作動する、ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブ部材を有するバルブチャンバとを有する。バルブチャンバは、ポンプチャンバと流体連通する入口端部と、吐出口と流体連通する出口端部と、入口端部と出口端部の間に配設された開口部を含むバルブシートとを有する。バルブ部材は、バルブシートの周囲に伸張し、バルブシートの開口部を通常閉じる弾性ダイアフラムを有する。
【0022】
本発明に係るさらに別の態様によれば、与圧システムを組み立てる方法が提供される。本発明に係る方法は、ポンプチャンバを提供するステップと、バルブチャンバを提供するステップと、バルブ部材をバルブチャンバ内に配置するステップとを有する。提供されるポンプチャンバは、移動可能なピストンを有し、バルブチャンバはポンプチャンバと吐出口の間に配設される。本発明に係る方法で提供されるバルブチャンバは、ポンプチャンバと流体連通する入口端部と、吐出口と流体連通する出口端部と、入口端部と出口端部の間に配設された開口部を含むバルブシートとを有する。バルブチャンバ内に配置されたバルブ部材は弾性ダイアフラムを有し、弾性ダイアフラムはバルブシートの周囲に伸張し、バルブシートの開口部を通常閉じるように配置される。
【0023】
最後に、本発明によれば、液体ディスペンサデバイスのための与圧システムのバルブチャンバ内で用いられるバルブ部材が提供される。本発明のバルブ部材は、バルブチャンバ内でバルブシートに係合する弾性ダイアフラムを有する。この弾性ダイアフラムは、バルブシートに係合する凹状表面と、バルブシート面しない凸状表面とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る第1の実施形態による与圧システム、ハウジング、ピストン、トリガ、および吐出ノズルを有する液体ディスペンサアセンブリの部分縦断面図である。
【図2】図1の液体ディスペンサに用いられる与圧バルブの縦断面図である。
【図3】図2の与圧バルブ底部斜視図である。
【図4】本発明に係る第1の実施形態による液体ディスペンサの与圧システムを組み立てるためのステップを示す
【図5】バルブチャンバ内に緩やかに取り付けられた与圧バルブを有するディスペンササブアセンブリを示す。
【図6】与圧バルブを固定し、応力を加えるために、ハウジングのシュラウド(側板)を取り付けた後の液体ディスペンサの部分縦断面図である。
【図7】与圧バルブが開口した状態で、ポンプが作動する際の図1に示す液体ディスペンサの縦断面図である。
【図8】図7と対応する図であって、与圧バルブが再び閉じたときの、ポンプが作動し終わった時の液体ディスペンサを示す。
【図9】図2と対応する図であって、本発明に係る第2の実施形態で用いられる与圧バルブを示す。
【図10】図5に対応する図であって、バルブチャンバ内に緩やかに取り付けられた与圧バルブを示す。
【図11】図1に対応する図であって、組み立て後の第2の実施形態による液体ディスペンサの縦断面図である。
【図12】本発明に係る第3の実施形態による液体ディスペンサの分解図であり、液体ディスペンサがハウジング、プッシュボタン型の作動部品、与圧バルブ、浸漬管、固定部品、および容器を有する。
【図13】最終的に組み立てた後の、図12の液体ディスペンサの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明に係る第1の実施形態による液体ディスペンサ1の部分縦断面図を示す。液体ディスペンサ1は、ハウジング2、ポンプ3、作動機構4、吸入口5、吐出口6、および与圧システム7を有する。ディスペンス(分注)すべき液体を噴霧化するために、放出ノズル49が吐出口6の上に取り付けられている。液体ディスペンサ1は、ネック部11と隣接する開口部10を含む容器9に連結されている。図示された実施形態において、この連結は、ハウジング2の内側表面上に設けた突起部12がネック部11の外側表面に形成された凹部13内にスナップ嵌合させることにより実現されるスナップ連結である。浸漬管14は、液体ディスペンサ1の吸入口5から容器9内へ延び、容器9から液体ディスペンサ1へ液体を吸い上げるものである。
【0026】
ポンプ3は、ポンプチャンバ15と、その内部に取り付けられた往復移動するピストン16とを有する。ポンプチャンバ15は、液体ディスペンサの吸入口5と連通する入口開口部17と、液体ディスペンサの吐出口6に至る放出導管19と連通する出口開口部18とを有する。ポンプチャンバ15は、容器9の内部と連通する通気開口部20を有する。通気開口部20は、ピストン16上に設けた2つの周辺フラップ21,22を用いて、選択的に開閉する。
【0027】
作動機構4はトリガ23を有し、トリガの上部がヒンジ(ここでは図示せず)を用いてハウジング2にピボット回転可能に連結されている。またトリガ23は、開口部25内に受容されたピン24を用いてピストン16にもピボット回転可能に連結されている。トリガ23は、ポンプチャンバ15の外側であってハウジング2内に配設された一対の屈曲ばね(ここでは図示せず)を用いて、図1に示すような拡張状態に付勢される。
【0028】
与圧システム7がポンプチャンバ15と吐出口6との間に配設される。与圧システムは、与圧バルブ部材27を内設するバルブチャンバ26を有する。バルブチャンバ26は、ポンプチャンバの出口開口部18と連通する入口端部28と、放出導管19および液体ディスペンサの吐出口とに連通する出口端部29とを有する。入口端部28と出口端部29の間には環状バルブシート31が配設され、バルブシートは、バルブチャンバの出口端部29を形成するバルブ開口部30の周囲を包囲するものである。与圧バルブ部材27は、通常においてはバルブ開口部30を閉じる弾性ダイアフラム32を有する。この弾性ダイアフラム32は、ドーム形状に構成され、バルブシート31およびバルブ開口部30に面した凹状表面32Aと、バルブチャンバ26の内部に向かいバルブシートの開口部30とは異なる方向に面した凸状表面32Bとを有する。安定化部材45が凸状表面32Bの中心に取り付けられている。与圧バルブ部材27は、弾性ダイアフラム32の外側周縁部34を包囲し、保持するスリーブ33をさらに有する。このスリーブ33は、バルブチャンバ26内に設けられ、周縁フラップ36およびスリーブ33の外側表面上に取り付けられた環状リッジ37を用いて、内壁35に対して封止する。スリーブ33は、液体ディスペンサの吸入口5と入口開口部17の間のフラップバルブとして機能する第2の周縁フラップ39をさらに有する。最後に、図2および図3でより明確に示すように、スリーブ33は、その周囲方向に均等に配置され、スリーブの内側表面に沿って延びる複数のリブ40を有する。図示された実施形態においては、隣接するリブ40に対して90度の角度で離間した4つのリブ40が設けられている。
【0029】
スリーブ33はバルブチャンバ26の内壁35の段差形状に対応した段差形状を有する。スリーブ33は、弾性ダイアフラムの平面を越えて延び(バルブチャンバ26の向きを考慮したとき)内側にあるリッジ42を有し、このリッジはバルブチャンバ26の底部表面46と係合する。内側リッジ42は、液体がポンプチャンバ15から放出導管19に向かって流れるように、複数の開口部43を有する。内側リッジ42から外側リッジ44までのスリーブ33の測定距離は、バルブチャンバ26の対応する深さより若干大きい。これにより、液体ディスペンサ1が組み込まれたとき、バルブ部材27はバルブチャンバ26内にしっかりと押し込むことができる。バルブ部材27をバルブチャンバ26内に押し込むために必要な力は、ディスペンサのハウジング2のシュラウド48の一部を構成する端壁47により与えられる。
【0030】
スリーブ33および弾性ダイアフラム32を有するバルブ部材27は、ポリプロピレンなどのプラスティック材料を用いて一体成形される。成形後、弾性ダイアフラム32は、バルブ部材27がバルブチャンバ26内に配置された場合に比して、バルブシート31に面する方向から見て、凹の度合いが実質的により小さい凹面形状を有する。実際には、図示された実施形態において、弾性ダイアフラム32は凸面状にモールド成形され、バルブ部材27をバルブチャンバ26内に端壁47により押し込められる際に逆転させる。このようにして弾性ダイアフラム32はバルブシート31に対して圧縮応力(プレストレス)が与えられ、弾性ダイアフラムをバルブシート31上で伸張させる(張り広げる)ことができる。これは、ポンプチャンバ15内の液体の圧力が与圧バルブを開口すべき所定の圧力に達するまで、極めて良好なシール特性(封止特性)を実現する上で重要な特徴となる。
【0031】
図4を参照すると、与圧システム7は、まず、液体ディスペンサ1のハウジングの一部として一体成形されたバルブチャンバ26内にバルブ部材27を挿入するステップにより組み立てられる。最初に、弾性ダイアフラム32がバルブシート31に係合するまで、バルブ部材27をバルブチャンバ26内に押し込む。(図5に示す)この状態では、内側リッジ42は、依然としてバルブチャンバ26の底部46には係合していない。圧縮応力が加わっていない弾性ダイアフラム32と、スリーブ33の外側リッジ44の間の距離は、バルブシート31とバルブチャンバ26の端部の間の距離より若干長いので、バルブ部材27バルブチャンバ26から多少突出する。
【0032】
最終的な組み立てステップにおいて、シュラウド48がハウジング2の後方に連結される。このステップにおいて、内側リッジ42がバルブチャンバの底部46に当接するまで、端壁47は突出するスリーブ33の外側リッジ44と係合する。バルブシート31は、バルブチャンバの底部46から、スリーブの内側リッジ42と弾性ダイアフラム32の間の距離以上、突出しているので、弾性ダイアフラムは、バルブシート31の上方で引っ張られ、弾性ダイアフラム32の表面32Aは図6に示すように凹状に湾曲する。こうして液体ディスペンサ1は動作可能な状態となる。
【0033】
まずトリガ23を操作すると、ピストン16が内側に向かって移動し、ポンプチャンバ15の容量が小さくなり、(ポンプが準備されていないと仮定すると)内側の空気が圧縮される。その結果得られた空気圧力は、バルブシート31から与圧バルブを引き離す程度に十分なものではない。トリガ23は、解放されると、ばねの力により元の位置に復帰する。この復帰動作または吸引動作において、ポンプチャンバ15内の圧力が小さくなり、液体が容器9から浸漬管14およびディスペンサの吸入口5を経て、フラップバルブ39を通り、入口開口部17を介してポンプチャンバ16内に吸い上げられる。
【0034】
再びトリガ23が操作されると、液体は圧縮可能ではないので、ピストン16の移動により、ポンプチャンバ15内の圧力が急激に上昇する。この圧力は、ポンプチャンバ15の各構成部品に作用し、与圧バルブ27の弾性ダイアフラム32により閉じられた出口開口部18にも作用する。圧力が所定値(たとえば3バールのオーダ)を越えると、弾性ダイアフラム32は、図7に示すように拡張して、バルブシート31から持ち上げられる。この圧力は、ダイアフラム32の弾性力および大気圧に依存し、ダイアフラム32の凸状表面32Bに作用する。一旦ダイアフラム32がバルブシート31から持ち上げられると、ポンプチャンバ15は、出口開口部18を介し、バルブシート31と弾性ダイアフラム32との間を通り、バルブ開口部30へ液体を流すことができる。バルブ開口部から放出導管19を介して液体ディスペンサ1の吐出口6に液体を流すことができる。液体は、所定圧力に達した後にのみ分注されるので、吐出口6から放出される際、大きな雫が放出されることなく、適当に噴霧化され、噴霧パターンを均一化することができる。
【0035】
図8を参照すると、ポンプ動作の終了時において、ポンプチャンバ15内の圧力が所定レベルより小さくなると、ダイアフラム32の弾性力が液体の圧力より大きくなる。その結果、ダイアフラム32は、移動してバルブシート31に当接するまで、再び収縮する。これによりバルブ開口部30は閉じられ、ポンプ3から吐出口6への液体の流れは瞬時に中断される。したがって液体ディスペンサ1によれば、ポンプ動作の終了時に「雫がぽたぽた落ちる」ことはない。
【0036】
図9は、第2の実施形態による与圧システム107に用いられるバルブ部材127を示す。バルブ部材127は、その長さ、すなわち内側端部142と外側端部144の間の距離が外径より大きくないので、細長い形状ではなく、四角い形状を有する。この構成により、頑丈なスリーブ133が得られ、圧力がダイアフラム132に加えられたとき、より変形しにくいものとすることができる。この択一的なバルブ部材127の長さは、第1の実施形態のバルブ部材27の長さより小さいが、それでもなお、バルブチャンバ126はより深い。その結果、図10に示すように、ダイアフラム132がバルブシート131に当接するポイントまでバルブ部材127を挿入したとき、同様に外側リッジ144はバルブチャンバ126から突出する。したがって、図11に示すように液体ディスペンサ101の後方に端壁147を有するシュラウド148を当接させることにより、バルブ部材127を最終的にバルブチャンバ126内にしっかりと把持するとき、この実施形態による弾性ダイアフラム132も伸張させ(張り広げ)、圧縮応力が与えられる。
【0037】
図12は、本発明に係る第3の実施形態による液体ディスペンサ201を示す。第1および第2の実施形態と同様、ハウジング202、ポンプ203、作動機構204、吸入口205、吐出口206、および与圧システム207を有する。液体ディスペンサ201は、同様に、ネック部211と隣接する開口部210を含む容器209に連結されている。同様に、浸漬管14が液体ディスペンサ201の吸入口205から容器209内へ延び、容器209から液体ディスペンサ201へ液体を吸い上げる。
【0038】
この液体ディスペンサ201は、トリガ噴霧器ではなく、ハンドソープなどの粘性がより高い液体をディスペンス(分注)するためのものである。そのため放出ノズル249は、吐出口206において液体を噴霧化するように構成されておらず、単に液体の流れを下方に偏向するものである。このディスペンサは、ヒンジ付きのトリガではなく、ハウジング202内でスライド移動可能なプッシュボタン223を用い、ポンプ203を操作するための異なるメカニズムを有する。実質的にS字状の2つの複合的ねじれ/屈曲ばね250(一方のみを図示)に用いて、プッシュボタン223は後方位置に向かって付勢される。この実施形態による液体ディスペンサ201において、ピストン216はプッシュボタン223と一体化されている。この実施形態による液体ディスペンサ201は、ポンプチャンバ215に隣接して配置された通気チャンバ251を有する。プッシュボタン223は、通気チャンバ251内で往復移動するように構成された第2のピストン(ここでは図示せず)を有する。
【0039】
この第3の実施形態によるバルブ部材227は、上記2つの実施形態のものとは若干異なり、弾性ダイアフラム232が内側リッジ242に隣接するのではなく、スリーブ233の実質的に半分となるように構成されている。上記2つの実施形態と同様、図13に示すように、ダイアフラム232がバルブシート231の上方において伸張している。ダイアフラムの凹状表面232Aは、同様にバルブ開口部230およびポンプチャンバ215の開口部218に面しており、ポンプ203により生じた圧力に曝される。弾性ダイアフラム232の凸状表面232Bは、バルブチャンバ226の後方に面しており、大気圧に曝されている。
【0040】
弾性ダイアフラム232は、同様に、バルブ部材227がバルブチャンバ226内に挿入されたときにバルブシート231の上方で伸張する(張り広げる)ときに変形した形状に比して、当初において、凹の度合いが実質的により小さい形状を有するようにモールド成形される。こうした弾性ダイアフラム232の変形により、所定の圧縮応力(プレストレス)が得られ、ダイアフラム232とバルブシート231の間の極めて優れたシール特性を実現することができる。必要とされるシール機能および液体の特定の与圧を得るために要求される圧縮応力の度合いに依存するが、弾性ダイアフラム232は、まっすぐ、またはむしろ凸状形状にモールド成形してもよい。スリーブ233は、液体がポンプチャンバ215の出口開口部218からバルブ開口部230に流れるように、側壁235の開口部243を有する。この実施形態において、ポンプ203および吸入口205は、バルブチャンバ226の対向する側壁に設けられ、スリーブ233は、液体がその外側に沿って流れるような溝252を有する。この実施形態において、スリーブ233の外側リッジ244は、保持されるように、バルブチャンバ226の外側端部より若干大きい外径を有する。バルブ部材227は、シュラウド248の端壁247から突出する複数のリブ253により、所定位置で固定される。
【0041】
プッシュボタン223が2つの位置の間で往復移動すると、ポンプピストン216がポンプチャンバ215内で往復移動するとともに、通気ピストンも通気チャンバ251内で往復移動する。吸入動作時、ポンプピストン216が上方向に移動して、ポンプチャンバ215内で真空を引くことにより、液体を容器209から浸漬管214および吸入口205を介し、スリーブ233を経てポンプチャンバ215内へ吸い上げる。放出動作時、ポンプピストン216が下方向に移動して、ポンプチャンバ215内の容量を小さくする。ポンプチャンバ215の圧力が、ダイアフラム232の弾性力、および凸状表面232Bに対する大気圧による合成力より大きくなると、ダイアフラム232が伸張して、バルブシート232から離れるように移動し、液体がバルブ開口部230を介して放出導管219内に吐出口206に向かって自由に流れる。
【0042】
本発明は、いくつかの具体例を用いて説明してきたが、これに限定されないことは明白である。この与圧システムは、たとえば他のタイプの液体ディスペンサに用いることができる。さらにバルブ部材のフレキシブルなダイアフラムおよびスリーブは個別に成形してもよい。加えて、弾性ダイアフラムおよびスリーブの構成、ならびに構成材料の選択については同様に変更してもよい。すなわち本発明の範囲は、添付クレームによってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0043】
1:液体ディスペンサ、2:ハウジング、3:ポンプ、4:作動機構、5:吸入口、6:吐出口、7:与圧システム、9:容器、10:開口部、11:ネック部、12:突起部、13:凹部、14:浸漬管、15:ポンプチャンバ、16:ピストン、17:入口開口部、18:出口開口部、19:放出導管、20:通気開口部、21,22、周辺フラップ、23:トリガ、24:ピン、25:開口部、26:バルブチャンバ、27:与圧バルブ部材、28:入口端部、29:出口端部、30:バルブ開口部、31:環状バルブシート、32:弾性ダイアフラム、32A:凹状表面、32B:凸状表面、33:スリーブ、34:外側周縁部、35:内壁、36:周縁フラップ、37:環状リッジ、39:第2の周縁フラップ、40:リブ、42:内側リッジ、43:開口部、44:外側リッジ、45:安定化部材、46:底部表面、47:端壁、48:シュラウド、49:放出ノズル;
101:液体ディスペンサ、107:与圧システム、126:バルブチャンバ、127:バルブ部材、131:バルブシート、132:弾性ダイアフラム、133:スリーブ、142:内側端部、144:外側端部、147:端壁、148:シュラウド;
201:液体ディスペンサ、202:ハウジング、203:ポンプ、204:作動機構、205:吸入口、206:吐出口、207:与圧システム、209:容器、210:開口部、211:ネック部、214:浸漬管、215:ポンプチャンバ、216:ピストン、218:開口部、219:放出導管、223:プッシュボタン、226:バルブチャンバ、227:バルブ部材、230:バルブ開口部、231:バルブシート、232:弾性ダイアフラム、232A:凹状表面、232B:凸状表面、233:スリーブ、235:側壁、242:内側リッジ、243:開口部、244:外側リッジ、247:端壁、248:シュラウド、249:放出ノズル、250:ねじれ/屈曲ばね、251:通気チャンバ、252:溝、253:リブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入口および吐出口を有する液体ディスペンサデバイスのための与圧システムであって、該与圧システムは、
吸入口から液体を吸い込み、吐出口から液体を放出するための移動可能なピストンを内部に有するポンプチャンバと、
ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力に達した場合にのみ、ポンプチャンバ内の液体を吐出口に送出し、ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力以下となった場合には吐出口への液体の送出を阻止するように作動する、ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブ部材を有するバルブチャンバと、
バルブチャンバは、ポンプチャンバと流体連通する入口端部と、吐出口と流体連通する出口端部と、入口端部と出口端部の間に配設された開口部を含むバルブシートとを有し、
バルブ部材は、バルブシートの開口部を通常閉じる弾性ダイアフラムを有し、
弾性ダイアフラムは、バルブシートの開口部に面し、ポンプチャンバと流体連通する凹状表面と、大気圧と流体連通する凸状表面とを有することを特徴とする与圧システム。
【請求項2】
請求項1に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムは、バルブシートの周囲で伸張することを特徴とする与圧システム。
【請求項3】
請求項2に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムは、外側周縁部を有し、
バルブ部材は、弾性ダイアフラムの平面に実質的に垂直に延び、弾性ダイアフラムの外側周縁部を包囲して保持するスリーブを有し、
スリーブは、バルブチャンバ内に封止するように配置されることを特徴とする与圧システム。
【請求項4】
請求項3に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムおよびスリーブは、プラスティック材料を用いて一体成形されることを特徴とする与圧システム。
【請求項5】
請求項3に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムは、非伸張形状にモールド成形され、
非伸張形状は、バルブシートの上方で伸張した場合の伸張形状に比して、凹の度合いが実質的により小さいことを特徴とする与圧システム。
【請求項6】
請求項5に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムは、凸状形状にモールド成形され、スリーブをバルブチャンバ内に配置したとき、凹状形状に伸張することを特徴とする与圧システム。
【請求項7】
請求項5に記載の与圧システムであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な方向にスリーブの内壁に沿って延びる複数のリブを有することを特徴とする与圧システム。
【請求項8】
請求項3に記載の与圧システムであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法と、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な直径方向寸法とを有し、
長手方向寸法は、バルブチャンバの同様の寸法より大きいことを特徴とする与圧システム。
【請求項9】
請求項3に記載の与圧システムであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法と、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な直径方向寸法とを有し、
直径方向寸法は、長手方向寸法より大きいことを特徴とする与圧システム。
【請求項10】
請求項3に記載の与圧システムであって、
液体ディスペンサデバイスが端壁を含むシュラウドを有し、
シュラウドの端壁がバルブチャンバに位置合わせされ、スリーブに当接させて、バルブ部材をバルブチャンバ内に固定することを特徴とする与圧システム。
【請求項11】
吸入口および吐出口と、これらの間に配設された与圧システムとを有する液体ディスペンサデバイスであって、該与圧システムは、
移動可能なピストンを有するポンプチャンバと、
ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブ部材を有するバルブチャンバとを備え、
バルブチャンバは、入口端部と、出口端部と、これらの間に配設された開口部を含むバルブシートとを有し、
バルブ部材は、バルブシートの開口部を通常閉じる、凹状表面および凸状表面を含む弾性ダイアフラムを有し、
凹状表面は、バルブシートの開口部に面し、ポンプチャンバと流体連通し、
凸状表面は、大気圧と流体連通することを特徴とする液体ディスペンサデバイス。
【請求項12】
請求項11に記載の液体ディスペンサデバイスであって、
バルブ部材は、弾性ダイアフラムの外側周縁部を包囲して保持するスリーブを有し、
スリーブは、弾性ダイアフラムがバルブシートの周囲で伸張するように、バルブチャンバ内に封止するように配置されることを特徴とする液体ディスペンサデバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の液体ディスペンサデバイスであって、
弾性ダイアフラムおよびスリーブは、プラスティック材料を用いて一体成形され、
弾性ダイアフラムは、非伸張形状にモールド成形され、
非伸張形状は、バルブシートの上方で伸張した場合の伸張形状に比して、凹の度合いが実質的により小さいことを特徴とする液体ディスペンサデバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の液体ディスペンサデバイスであって、
弾性ダイアフラムは、凸状形状にモールド成形され、スリーブをバルブチャンバ内に配置したとき、凹状形状に伸張することを特徴とする液体ディスペンサデバイス。
【請求項15】
請求項13に記載の液体ディスペンサデバイスであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な方向にスリーブの内壁に沿って延びる複数のリブを有することを特徴とする液体ディスペンサデバイス。
【請求項16】
請求項12に記載の液体ディスペンサデバイスであって、
液体ディスペンサデバイスが端壁を含むシュラウドを有し、
シュラウドの端壁がバルブチャンバに位置合わせされ、スリーブに当接させて、バルブ部材をバルブチャンバ内に固定することを特徴とする液体ディスペンサデバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の液体ディスペンサデバイスであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法と、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な直径方向寸法とを有し、
長手方向寸法は、バルブチャンバの同様の寸法より大きく、スリーブがシュラウドの端壁によりバルブチャンバ内で把持されることを特徴とする液体ディスペンサデバイス。
【請求項18】
請求項12に記載の液体ディスペンサデバイスであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法と、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な直径方向寸法とを有し、
直径方向寸法は、長手方向寸法より大きいことを特徴とする液体ディスペンサデバイス。
【請求項19】
吸入口および吐出口を有する液体ディスペンサデバイスのための与圧システムを組み立てる方法であって、該方法は、
移動可能なピストンを内部に有するポンプチャンバを提供するステップと、
ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブチャンバを提供するステップとを有し、
該バルブチャンバは、ポンプチャンバと流体連通する入口端部と、吐出口と流体連通する出口端部と、入口端部と出口端部の間に配設された開口部を含むバルブシートとを有し、
バルブシートの開口部を通常閉じるようにバルブ部材をバルブチャンバ内に配置するステップをさらに有し、
バルブ部材は弾性ダイアフラムを有し、
弾性ダイアフラムは、バルブシートの開口部に面し、ポンプチャンバと流体連通する凹状表面と、大気圧と流体連通する凸状表面とを有することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
弾性ダイアフラムは、バルブシートの周囲で伸張することを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
弾性ダイアフラムは、外側周縁部を有し、
バルブ部材は、弾性ダイアフラムの平面に実質的に垂直に延び、弾性ダイアフラムの外側周縁部を包囲して保持するスリーブを有し、
スリーブは、バルブチャンバ内に封止するように配置されるとき、バルブシートの周囲で伸張することを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
弾性ダイアフラムおよびスリーブは、プラスティック材料を用いて一体成形され、
弾性ダイアフラムは、非伸張形状にモールド成形され、
非伸張形状は、バルブシートの上方で伸張した場合に変形する伸張形状に比して、凹の度合いが実質的により小さいことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
弾性ダイアフラムは、凸状形状にモールド成形され、スリーブをバルブチャンバ内に配置したとき、凹状形状に伸張することを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であって、
液体ディスペンサデバイスが端壁を含むシュラウドを有し、
シュラウドの端壁をバルブチャンバに位置合わせし、スリーブに当接させて、バルブ部材をバルブチャンバ内に固定するステップをさらに有することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法を有し、
長手方向寸法は、バルブチャンバの同様の寸法より大きく、端壁がスリーブに当接するとき、バルブ部材に圧縮応力が与えられ、弾性ダイアフラムをバルブシートの上方で伸張させることを特徴とする方法。
【請求項26】
吸入口および吐出口を有する液体ディスペンサデバイスのための与圧システムであって、該与圧システムは、
吸入口から液体を吸い込み、吐出口から液体を放出するための移動可能なピストンを内部に有するポンプチャンバと、
ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力に達した場合にのみ、ポンプチャンバ内の液体を吐出口に送出し、ポンプチャンバ内の圧力が所定の圧力以下となった場合には吐出口への液体の送出を阻止するように作動する、ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブ部材を有するバルブチャンバと、
バルブチャンバは、ポンプチャンバと流体連通する入口端部と、吐出口と流体連通する出口端部と、入口端部と出口端部の間に配設された開口部を含むバルブシートとを有し、
バルブ部材は、バルブシートの周囲に伸張し、バルブシートの開口部を通常閉じる弾性ダイアフラムを有することを特徴とする与圧システム。
【請求項27】
請求項26に記載の与圧システムであって、
バルブ部材は、弾性ダイアフラムの平面に実質的に垂直に延び、弾性ダイアフラムの外側周縁部を包囲して保持するスリーブを有し、
スリーブは、バルブチャンバ内に封止するように配置されることを特徴とする与圧システム。
【請求項28】
請求項3に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムおよびスリーブは、プラスティック材料を用いて一体成形されることを特徴とする与圧システム。
【請求項29】
請求項28に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムは、バルブシートの開口部に面し、ポンプチャンバと流体連通する凹状表面と、大気圧と流体連通する凸状表面とを有することを特徴とする与圧システム。
【請求項30】
請求項29に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムは、非伸張形状にモールド成形され、
非伸張形状は、バルブシートの上方で伸張した場合の伸張形状に比して、凹の度合いが実質的により小さいことを特徴とする与圧システム。
【請求項31】
請求項30に記載の与圧システムであって、
弾性ダイアフラムは、凸状形状にモールド成形され、スリーブをバルブチャンバ内に配置したとき、凹状形状に伸張することを特徴とする与圧システム。
【請求項32】
請求項30に記載の与圧システムであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な方向にスリーブの内壁に沿って延びる複数のリブを有することを特徴とする与圧システム。
【請求項33】
請求項27に記載の与圧システムであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法と、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な直径方向寸法とを有し、
長手方向寸法は、バルブチャンバの同様の寸法より大きいことを特徴とする与圧システム。
【請求項34】
請求項27に記載の与圧システムであって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法と、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な直径方向寸法とを有し、
直径方向寸法は、長手方向寸法より大きいことを特徴とする与圧システム。
【請求項35】
請求項27に記載の与圧システムであって、
液体ディスペンサデバイスが端壁を含むシュラウドを有し、
シュラウドの端壁がバルブチャンバに位置合わせされ、スリーブに当接させて、バルブ部材をバルブチャンバ内に固定することを特徴とする与圧システム。
【請求項36】
吸入口および吐出口を有する液体ディスペンサデバイスのための与圧システムを組み立てる方法であって、
移動可能なピストンを有するポンプチャンバを提供するステップと、
ポンプチャンバと吐出口の間に配設されたバルブチャンバを提供するステップとを有し、
バルブチャンバは、ポンプチャンバと流体連通する入口端部と、吐出口と流体連通する出口端部と、入口端部と出口端部の間に配設された開口部を含むバルブシートとを有し、
弾性ダイアフラムがバルブシートの周囲に伸張し、バルブシートの開口部を通常閉じるように、弾性ダイアフラムを含むバルブ部材をバルブチャンバ内に配置するステップをさらに有することを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、
バルブ部材は、弾性ダイアフラムの平面に実質的に垂直に延び、弾性ダイアフラムの外側周縁部を包囲して保持するスリーブを有し、
弾性ダイアフラムは、スリーブがバルブチャンバ内に封止するように配置されるとき、バルブシートの周囲で伸張することを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、
弾性ダイアフラムは、凹状表面および凸状表面を有し、
バルブ部材は、バルブチャンバ内において、凹状表面がバルブシートの開口部に面し、ポンプチャンバと流体連通し、凸状表面が大気圧と流体連通するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、
弾性ダイアフラムおよびスリーブは、プラスティック材料を用いて一体成形され、
弾性ダイアフラムは、非伸張形状にモールド成形され、
非伸張形状は、バルブシートの上方で伸張した後の伸張形状に比して、凹の度合いが実質的により小さいことを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、
弾性ダイアフラムは、凸状形状にモールド成形され、スリーブをバルブチャンバ内に配置したとき、凹状形状に伸張することを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法であって、
液体ディスペンサデバイスが端壁を含むシュラウドを有し、
シュラウドの端壁をバルブチャンバに位置合わせし、スリーブに当接させて、バルブ部材をバルブチャンバ内に固定するようにシュラウドを取り付けるステップをさらに有することを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法であって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な長手方向寸法を有し、
長手方向寸法は、バルブチャンバの同様の寸法より大きく、端壁がスリーブに当接するとき、バルブ部材に圧縮応力が与えられ、弾性ダイアフラムをバルブシートの上方で伸張させることを特徴とする方法。
【請求項43】
液体ディスペンサデバイスのための与圧システムのバルブチャンバ内で用いられるバルブ部材であって、
バルブチャンバ内でバルブシートに係合する弾性ダイアフラムを有し、バルブシートに係合する凹状表面と、バルブシート面しない凸状表面とを有することを特徴とするバルブ部材。
【請求項44】
請求項43に記載のバルブ部材であって、
弾性ダイアフラムの平面に実質的に垂直に延び、弾性ダイアフラムの外側周縁部を包囲して保持するスリーブをさらに有することを特徴とするバルブ部材。
【請求項45】
請求項44に記載のバルブ部材であって、
弾性ダイアフラムおよびスリーブは、プラスティック材料を用いて一体成形されることを特徴とするバルブ部材。
【請求項46】
請求項44に記載のバルブ部材であって、
弾性ダイアフラムは、非伸張形状にモールド成形され、
非伸張形状は、バルブシートに係合した後の伸張形状に比して、凹の度合いが実質的により小さいことを特徴とするバルブ部材。
【請求項47】
請求項46に記載のバルブ部材であって、
弾性ダイアフラムは、凸状形状にモールド成形され、スリーブをバルブチャンバ内に配置したとき、凹状形状に伸張することを特徴とするバルブ部材。
【請求項48】
請求項46に記載のバルブ部材であって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な方向にスリーブの内壁に沿って延びる複数のリブを有することを特徴とするバルブ部材。
【請求項49】
請求項44に記載のバルブ部材であって、
スリーブは、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に垂直な方向の長さと、弾性ダイアフラムの平面に対して実質的に平行な方向の直径とを有し、
直径は、長さより大きいことを特徴とするバルブ部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−522076(P2010−522076A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500139(P2010−500139)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002434
【国際公開番号】WO2008/116656
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(501233064)アーファ・ポリテック・べスローテン・フェンノートシャップ (6)
【氏名又は名称原語表記】AFA POLYTEK B.V.
【Fターム(参考)】