説明

ダイカストマシンの射出装置

【課題】ダイカストマシンのハイブリット式射出装置において、加圧保持時の大電流を回避して、大電力ロスの発生を防止可能で且つモータサイズを小さくする。
【解決手段】金型に溶湯を射出するための射出ピストン(15)を収容する射出シリンダ(16)と、油圧シリンダ形式の電動ブースタ(8)とを具備する射出装置において、電動ブースタのヘッド室(8H)は、射出シリンダのヘッド室(16H)と流体連絡しており、電動ブースタ(8)に収容されるブースタピストンロッド(5)を直線動させ、射出ピストンを押圧移動させて射出成形を実施する。射出シリンダのヘッド室(16H)とブースタ(8)のロッド室(8R)を連絡する配管に止め弁(25)を設けるので、昇圧時に電動ブースタのヘッド面積で加圧し、加圧保持時にそれのロッド面積で加圧できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシン等の射出装置に係り、より特別にはハイブリッド式射出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金等のダイカスト鋳造においては、従来から、射出ピストン(プランジャ)を油圧シリンダで駆動する油圧式ダイカストマシンが使用されている。このタイプのダイカストマシンにおいては、射出ピストンを駆動する油圧シリンダに供給する作動油の圧力及び流量を調整して、射出ピストン速度及び圧力を制御する。
【0003】
このようなダイカスト鋳造において、鋳造品の品質を高めるには、射出ピストン(プランジャ)速度を安定的に維持することが重要であるが、油圧シリンダを用いて駆動する射出ピストンの速度を制御する場合、油圧シリンダに供給する作動油の流量を油圧制御バルブで調整して制御するので、応答性が低く、安定した射出ピストン速度を維持することが難しい。
【0004】
また、油圧シリンダを用いて駆動する射出ピストンの速度を制御する場合、射出ピストンが受ける負荷を検知することが難しく、フィードバック制御を行うことが困難であり、この点でも、安定した射出ピストン速度を維持することが難しい。
【0005】
さらに、油圧を射出ピストンの駆動源とする場合、エネルギー効率が低く、更には作動油漏れによる環境汚染、作動油廃液の処理等を伴い、作業環境が劣悪化する。
【0006】
そこで、上記の点を改善するため、射出ピストン(プランジャ)に、電動サーボモータによって駆動するボールネジ機構と、油圧ポンプ及びアキュームレータの油圧によって作動する油圧シリンダを直列に連結した射出装置が提案された(例えば、特許文献1〜3、参照)。このように油圧駆動と電動駆動を組み合わせたタイプのダイカストマシン用射出装置をハイブリッドタイプ(式)と呼んでいる。ハイブリッドタイプの射出装置では、安定的で且つ精密な制御を必要とする射出工程における射出ピストン速度等を電気的に制御可能にするものである。
【0007】
しかし、ダイカストマシンの射出装置としてハイブリット式射出装置が考案されているが、この装置で射出昇圧及び昇圧後の加圧保持を電動で行うタイプの場合、加圧保持時、モータを最高トルクで維持する為、大電流を流しておく必要があり、大きな電力ロスを発生するという問題と、モータサイズが大きくなるという問題がある。上述の問題が発生するのは昇圧時及び加圧時の場合(図8c参照)で、その内容を下記説明する。図3にダイカストマシンの作動(射出)工程における射出時間(又は、射出ストローク)に対する射出ピストン(プランジャ)の射出速度(V)及びシリンダヘッド圧(P)の変化(射出特性図と呼ぶ)を示している。図3から射出工程において、どの程度の射出ピストン駆動動力が必要であるかが分る。
【0008】
まず、昇圧時(工程)において、成形品において巣を少なくするために、図3の射出特性図に示す昇圧時間Δtは、10msec以下という性能が要求されている。金型の中の未充填部へのAL(アルミニウム)を押し込む工程において一般的に、油圧シリンダ内の作動液の圧縮の為に射出ピストンを数mm前進させるが、これを10msecで完了するには大流量の作動油の供給を必要とする(例えば、500t機の場合で約500L/minの流量が必要である)。射出工程を電動で実施する電動ブースタの場合、大径のブースタ(ピストン)ロッドを高速で前進させる必要があり、この時、最大の回転数とトルクを必要とする。ところが、次の加圧保持時(工程)では溶湯AL(アルミニウム)の凝固収縮に対応して加圧保持時間THの間(約5〜10sec)、圧力を維持する必要があり、この間、この高トルクを必要とし、大電流が流れ従って、動力ロスが発生し、かつモータトリップが起こる等の問題が発生する可能性がある。
【0009】
図7は、従来の電動ブースタタイプのハイブリット式射出装置50の油圧回路を示し、図8aから図8eは、各動作(又は、工程)における油圧回路の状態の説明図を示す。図7及び図8aから図8eに示す従来の射出装置50の油圧回路は基本的に、図1,2等に示す本発明の射出装置10の油圧回路と同様であるので、本発明の実施の形態の説明において重複説明される部分等の説明は省略し、説明を簡略化する。また、図1,2等に示される本発明の実施の形態の要素部分と同じ又は同様である図7及び図8aから図8eの要素部分は、同じ参照符号により指定されている。
【0010】
従来例の射出装置50の油圧回路において、低速射出時の油圧回路の状態を図8aに示している。図7において、サーボモータ1により、駆動ギア2とボールナットギア3を介して、ボールネジ軸4は往復動するが、この際ボールネジ軸4に連結するブースタ(ピストン)ロッド5も同時に往復動する。図8aにおいて、サーボモータ1によりブースターロッド5は、下向きに(前進)駆動されて、ブースタヘッド8H内の作動油を低速で押して射出シリンダ室16Hに流入させ、更に射出シリンダ16内の射出ピストン15を左方向(溶湯が貯められたプランジャスリーブ方向)に押圧する。射出ピストン15には、その左方向先端にプランジャチップ(図示されない)が取り付けられており、プランジャチップがダイカストマシンの固定金型内に貫通するプランジャスリーブ(図示されない)内のアルミニウム(AL)溶湯を押圧して、溶湯を金型(図示されない)内のキャビティに充填する。射出ピストン15が左方向に移動するので、射出ロッド室16R内の作動油は、開放されたバルブB22を通りタンク35へ流れる。この際、ポンプ供給口36に繋がるバルブC23は閉じられている。この低速射出時は、図3において時間t0からt1までに相当する。
【0011】
次に、高速射出時の油圧回路の状態を図8bにおいて、ブースタロッド5は、サーボモータ1により下向きに駆動され続けると共に、射出用ピストンアキュムレータ(ACC)31からの油圧が、バルブM24を開きバルブA21を閉じることにより、射出シリンダヘッド室16Hに導入される。この2つの動力源からの油圧により射出ピストン15を高速で左方向に(前進)移動させる。これにより、金型のキャビティ内にAL溶湯を射出する。この際、バルブB22は開でバルブC23は閉である。この高速射出時は、図3において時間t1からt2までに相当する。
【0012】
次に、昇圧時の油圧回路の状態が、図8cに示される。図8cにおいて、バルブM24を閉じることにより、射出用ピストンアキュムレータ(ACC)31からの油圧は遮断される。ブースタロッド5は、引き続きサーボモータ1により駆動されて、金型キャビティ内のAL溶湯を昇圧(又は、加圧)する。この昇圧(又は加圧)時は、図3において時間t2からt4までに相当する。
【0013】
その後、図8dに示す突き出し工程が実施されて、金型が開かれ、ダイカスト製品を取り出すことができる。更に、図8eに示す射出戻り工程が実施されて、ポンプ供給口36から、射出シリンダロッド室16Rに作動油が供給されて、射出ピストン15は、射出シリンダ16内でヘッド側に(右方向)移動し、同時にブースタロッド5は、上昇(後退)駆動される。
【0014】
上記の従来例では、前に述べたように、サーボモータ1は、高トルクであることを必要とし、大電流が流れる。従って、動力ロスが発生し、かつモータトリップが起こる等の問題が発生する可能性がある。
また、上記の射出装置(特許文献1〜3参照)においては、制御回路及び制御方法が複雑にならざるを得ない。しかも、この複雑化が、必ずしも、射出ピストン(プランジャ)速度の高速化、安定化に直結しない。
【0015】
図1において及び図7の従来例においては、図示されていないが実際には、アキュムレータ(ACC)出口にロジックバルブが設けられる。この理由について以下で説明する。ダイカストマシンでは、射出動作を行う前に、アキュムレータ(ACC)への圧油を規定圧力まで供給しておく必要があり、ポンプによるACCへの圧油供給時間は、例を上げると、型締力500t機で8sec必要である。いつ、このACCへの圧油供給を行っているかについて、図11を参照して下記に説明する。図11において、射出スタート前の概略の工程が示されており、各工程の各所要時間が( )内に示される。
【0016】
製品取出手順(S1)において、前の工程において成形された製品を取り出す。スプレー手順(S2)において、金型内面に離型剤をスプレーして塗布する。中子入り手順(S3)において、必要に応じて、製品形状に合わせて金型を動かす。型締め手順(S4)において、固定及び可動金型を係合させる。給湯手順(P5)において、溶湯をスリーブに供給する。その後、射出手順(S6)において、溶湯を金型内キャビティに射出して成形する。それぞれの手順における各所要時間は、図11に示すように、8sec(S1)、9sec(S2)、2sec(S3)、5sec(S4)、3sec(S5)である。
【0017】
ここで、中子入り手順(S3)及び型締め手順(S4)においてはポンプを使用する為、ACCへの圧油供給は出来ない。射出直前の給湯動作時間は3secしか無く、この間では時間的に間に合わない。従って、ACCチャージは製品取出手順(S1)か又はスプレー手順(S2)で行っている。この場合に発生する問題点は、スプレー手順(S2)の終了した時点でACCチャージが終了したとして、(最短時間で)射出手順になるまで10secの時間を必要とする。これは全自動動作の最短時間だが、オペレータの補助動作が必要な場合(半自動動作)は、スプレー後に5〜10secの時間を更に必要とする。この場合は15〜20secとなってくる。この間、ACCの圧油は回路上のバルブのリークで圧力降下を起こし、実際に使用する時の圧力が変動(低下)する。
【0018】
この圧力の変動は、射出用アキュムレータ(ACC)では、速度の立上り、最高値等の変動(低下)を起こし、昇圧用アキュムレータ(ACC)では昇圧時間のバラツキ、昇圧圧力値の変動を起こし、ダイカスト鋳造品の品質バラツキに直接影響を及ぼす。これを防ぐ為に、ACCの出口に最もリークの少ないバルブであるロジックバルブが設けられ、それが、図12の従来例の回路において射出用ロジックバルブ71と昇圧用ロジックバルブ73であり、更に射出用ロジック開閉バルブ70と昇圧用ロジック開閉バルブ72が必要である。これらのバルブを設けることで、圧力降下で許容値を下回るのが8〜10secだったものが40〜60secと長くなり、これにより上記の問題点が解決し、従来のダイカストマシンでは全てのダイカストマシンでこの方式が採用されていると言っても過言ではない。
【0019】
一方、最近のダイカストマシンでは射出速度の最高値が、従来の5m/secに対し、10m/secと倍増を求められている。また、高速の立上り時間が0.5〜5m/secまでで、従来機が20msecだったものが、5msecと1/4に短縮することが、求められている。この場合、射出用ACCから射出シリンダまでの管路抵抗を最小にする必要があり、このためロジックバルブ71,73は大きな負担となる。このような問題が、ロジックバルブに関連して存在する。
【0020】
更に、別の射出装置が提案されている(例えば、特許文献4及び5参照)が、装置が大きくなり、保守性や作業環境性が不十分であったり、小型化・軽量化に限度がある等の改善の余地があった。
更に別の従来案の射出装置(特許文献6参照)では、射出までに待機時間があるため、蓄圧完了の状態を保持するためにはロジックバルブが必要になる。
【0021】
別の従来案(特許文献7参照)は、標準的な油圧回路であり、この従来案において、ロジックバルブであるカートリッジ弁22,28が具備されており、これらのロジックバルブが本発明の削除対象である。図12の従来例は、特許文献7の従来案に基づいた油圧回路であり、ハイブリッドタイプではなく、油圧式の従来型射出装置であり、低圧用アキュムレータ(射出用ピストンアキュムレータ30)及び高圧用アキュムレータ(昇圧用ピストンアキュムレータ32)を備える射出シリンダ用油圧回路となっている。図12の従来例において、射出用ロジックバルブ71と、射出用ロジック開閉バルブ70と、昇圧用ロジックバルブ73と、昇圧用ロジック開閉バルブ72が設けられている。これらのロジックバルブは上記したように、ピストンアキュムレータ31,33からの油圧の漏れを防止するように機能している。図12に示す従来例の油圧回路については、本発明の実施の形態において詳しく説明する部分と説明が重複するので不要な部分の説明は省略し、説明を簡略化する。また、図12の従来例において、図9及び図10a〜10hに示す本発明の実施の形態の要素部分と同じ又は同様である図12の要素部分は、同じ参照符号により指定されている。
図12において、参照番号32と34はそれぞれ、射出用ガスボトルと昇圧用ガスボトルである。参照番号77,78,79は逆止弁である。参照番号18と19は、電磁切替弁であり、ポンプ供給ライン36に設けられている。参照番号75は、電磁三方切替弁であり、バルブM24の上流側に設けられている。参照番号76は、電磁三方切替弁であり、射出シリンダのロッド室に連絡するラインに設けられる。
【0022】
【特許文献1】特開2000−033472号公報
【特許文献2】特開2000−084654号公報
【特許文献3】特開2001−001126号公報
【特許文献4】特開2006−000887号公報
【特許文献5】特願2006−115859号公報
【特許文献6】特願2006−254002号公報
【特許文献7】特願平8−117962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、射出昇圧及び昇圧後の加圧保持を電動で行うタイプの場合、加圧保持時において大電流を流しておく必要を回避して、大きな電力ロスの発生を防止可能で且つモータサイズを小さくできる、ダイカストマシンの射出装置、特にはハイブリット式射出装置を提供することを目的としている。
【0024】
本発明の別の目的は、ダイカストマシンのハイブリット式射出装置において、アキュムレータの出口のロジックバルブを削除して、流動抵抗を大幅に低減することにより、射出速度を向上する等要求される射出性能を達成可能であるハイブリット式射出装置を提供することである。更には、射出装置のコストを削減する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の第1の形態に係るダイカストマシンの射出装置(10)は、上述した目的を達成するために、ダイカストマシンの金型にアルミニウム等の溶湯を射出するための射出ピストン(15)を収容する射出シリンダ(16)と、油圧シリンダ形式の電動ブースタ(8)とを具備する。該射出装置において、電動ブースタ(8)のヘッド室(8H)は、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)と流体連絡するので、電動ブースタ(8)において、その中に収容するブースタピストンロッド(5)を直線動させることにより、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に圧油を供給して射出ピストン(15)を押圧して移動させることにより射出成形を実施する。射出成形工程において電動ブースタ(8)は、昇圧時において電動ブースタ(8)のヘッド面積で加圧し、加圧保持時においてはそれのロッド面積で加圧する構造を有する。
【0026】
より具体的には、射出シリンダのヘッド室(16H)とブースタ(8)のロッド室(8R)を流体連絡させる連絡配管(41,43,44,45)が設けられ、その連絡配管には作動油の流れを断続させる止め弁(25)が設けられる。
【0027】
電動ブースタ(8)は、電動モータ(1)駆動であることが好ましく、電動モータ(1)はサーボモータであることがより好ましい。
【0028】
また、射出装置(10)は、射出シリンダの前記ヘッド室(16H)に圧油を供給するための射出用ピストンアキュムレータ(31)と、ブースタのロッド室(8R)からタンク(35)に流体連絡させる配管(43)に設けられる止め弁(26)と、を更に具備しており、射出シリンダ(16)のロッド室(16R)は、タンク(35)及びポンプ等からの圧油供給口(36)に流体連絡することが好ましい。
【0029】
射出装置は、電動ブースタ(8)において、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)の圧力であるヘッド圧を検出するための圧力検出センサ(37)を更に具備することが好ましく、これにより、ヘッド圧を検知して、電動モータ(1)のトルクを制御、昇圧運転から加圧保持運転への切り替え制御等を実施する。
【0030】
本発明の第2の形態に係るダイカストマシンの射出装置(100)は、ダイカストマシンの金型にアルミニウム等の溶湯を射出するための射出ピストン(15)を収容する射出シリンダ(16)と、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に圧油を供給して射出ピストン(15)を押圧して移動させることにより、射出成形を実施するためのブースタピストンロッド(5)を収容する油圧シリンダ形式の電動ブースタ(8)と、所定量の作動油を所定の最大圧力で貯蔵可能であって且つやはり射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に圧油を供給して射出ピストン(15)を押圧して移動させることができるように形成されるピストンアキュムレータ(31)であって、電動ブースタ(8)と協働して射出成形を実施するピストンアキュムレータ(31)と、ピストンアキュムレータ(31)の出口側に設けられていて且つその出口からの圧油の流路を開閉可能である第1の切替バルブ(24)とを具備する。該射出装置(100)において、射出開始直前に、ピストンアキュムレータ(31)への圧油の供給を行うことで、第1の切替バルブ(24)からの圧油の漏れを防止するためにピストンアキュムレータ(31)の出口に設けられるはずのロジックバルブを削除可能にすることを特徴とする。具体的には、射出開始直前には、給湯工程が実施され、給湯工程中にピストンアキュムレータ(31)への圧油の供給は完了している。
【0031】
より具体的には、電動ブースタ(8)のヘッド室(8H)は、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)と流体連絡し、且つピストンアキュムレータ(31)の出口とも流体連絡しており、電動ブースタヘッド室(8H)と射出シリンダヘッド室(16H)とを流体連絡させる流路には、第2の切替バルブ(25)が設けられており、第2の切替バルブ(25)は、一方の流路接続側において、電動ブースタヘッド室(8H)に連絡する流路と、作動油が貯蔵されるタンク(35)に連絡する流路とに流体接続し、もう一方の流路接続側において、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に連絡する流路と、ピストンアキュムレータ(31)に連絡する流路とに流体接続する。
【0032】
ピストンアキュムレータ(31)への圧油の供給は、電動ブースタ(8)によって実施され、電動ブースタ(8)の前記ヘッド室(8H)の圧油が押圧されて供給されることが好ましく、更には射出動作終了後に、射出ピストン(15)を射出シリンダ(16)のヘッド側端部へ戻すために、電動ブースタ(8)を駆動して圧油を射出シリンダ(16)のロッド室(16R)に供給することが好ましい。
【0033】
より具体的には、該射出装置は、電動ブースタロッド室(8R)と射出シリンダヘッド室(16H)とを流体連絡させる流路に設けられた第3の切替バルブ(62)を更に具備する。第1の切替バルブ(24)は、一方の流路接続側において、ピストンアキュムレータ(31)に連絡する流路と、作動油が貯蔵されるタンク(35)に連絡する流路とに流体接続し、もう一方の流路接続側において、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に連絡する流路と、射出シリンダ(16)のロッド室(16R)に連絡する流路とに流体接続しており、第3の切替バルブ(62)は、一方の流路接続側において、タンク(35)に連絡する流路と、射出電動ブースタロッド室(8R)に連絡する流路とに流体接続し、もう一方の流路接続側において、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に連絡する流路と、射出シリンダ(16)のロッド室(16R)に連絡する流路とに流体接続する。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、射出昇圧及び昇圧後の加圧保持を電動で行うダイカストマシンのハイブリッドタイプ射出装置の油圧回路において、加圧保持時において、例えば、射出シリンダヘッド室の圧力をブースタロッド室に連絡させることの出来る切換弁を設けることにより、ブースタピストンロッドを駆動するサーボモータの必要最大トルクを小さくして、加圧保持時に大電流を流しておく必要を回避し、大きな電力ロスの発生を防止可能で且つモータサイズを小さくできる。これにより、射出装置自体のサイズを小さく出来ると共に、射出装置の製造コストを低減できる。
【0035】
また、射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)の圧力であるヘッド圧を検出するための圧力検出センサ(37)を更に具備することにより、ヘッド圧を検知して、ヘッド圧を所定の値になるように、電動モータ(1)のトルクを制御することできるので、安定的で正確な射出成形が可能になる。さらには、ヘッド圧に基いて、昇圧運転から加圧保持運転への切り替え制御を実施することにより、射出圧力の過剰な上昇等の不適切な運転を防止可能である。
【0036】
更には、第2の形態により、ピストンアキュムレータからの圧油の漏れを防ぐために設けられていたアキュムレータ(ACC)出口のロジックバルブを削除でき、管路抵抗を大幅に削減でき、要求される射出性能を達成することが容易になると共に、コストの削減が実施できる。
【0037】
上記の本発明の説明において、カッコ()内の記号又は数字は、以下に示す実施の形態との対応を示すために添付される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のダイカストマシン用射出装置を詳細に説明する。図1及び図2a〜2fは、本発明に係るダイカストマシン用射出装置の第1の実施の形態を示しており、図1は、ダイカストマシン用射出装置の第1の実施の形態の油圧回路の概要構成を示す説明図であり、図2a〜図2fは、図1のダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図である。図7,図8a〜図8eに示される従来例の要素部分と同じ又は同様である図1及び図2a〜図2fの要素部分は、同じ参照符号により指定されている。
【0039】
本実施の形態の射出装置10は、図7,図8a〜図8eに示される従来例の射出装置50と同様にハイブリッドタイプであって、サーボモータ1によりブースタピストンロッド5を駆動して射出ピストン(プランジャ)15を作動させ、金型にアルミニウム(AL)溶湯を射出する。
【0040】
本実施の形態における射出装置10の油圧回路において、電動式駆動部としてサーボモータ1が具備されており、サーボモータ1は駆動ギア2に連結してこれを回転駆動し、駆動ギア2は、外側が歯車で内側がネジ切られたボールナットギア3に噛合し、ボールナットギア3は、外面がネジ切られたボールネジ軸4に係合するが、ボールネジ軸4はボールナットギア3の中心を通る開口を貫通している。ボールネジ軸4の上端部は、トッププレート7の一方の端部に連結しており、トッププレート7のもう一方の端部は、ブースタピストンロッド5の上端部に連結する。この様な構成により、サーボモータ1の回転動により、ボールネジ軸4が上下方向に往復直線動し、更にブースタピストンロッド5が上下方向に往復直線動する。
【0041】
ブースタピストンロッド5の下端部には、ブースタピストン6が備えられており、ブースタピストンロッド5の上下動により、ブースタピストン6は、シリンダ状のブースタ8内において往復動し、ブースタ(シリンダ)8内の作動油を圧送・吸引する。ブースタ8のブースタヘッド室8H側の先端部は、図1に示されるように、射出シリンダ16の射出シリンダヘッド室16Hと流体連絡している。本実施の形態においては、図1に示すように、射出シリンダ16は水平に設置されるのに対して、ブースタ8はそれに直交するように、垂直に設置されており、この構成を一般的に縦型と呼んでいる。本実施の形態の射出装置10は、縦型の構成で説明されるが、これとは別に本発明の射出装置が、ブースタ8が水平に設置されて、射出シリンダ16に平行に接続する、横型であっても良い。
【0042】
射出シリンダ16内には、射出ピストン15が収容され、射出ピストン15には、その左方向先端にプランジャチップ(図示されない)が取り付けられており、プランジャチップは、ダイカストマシンの固定金型内に貫通するプランジャスリーブ(図示されない)内に収容されており、プランジャスリーブは金型に流体連絡する。この様な構成は前述の従来例と同様である。本実施の形態の射出装置10は、図7に示す従来例の射出装置50と同様に、射出用ピストンアキュムレータ(ACC)31及びこれを加圧駆動するためのガスボトル32と、バルブA21と、バルブB22と、バルブC23と、バルブM24と、作動油を貯めるためのタンク35とを具備する。
【0043】
本実施の形態において、射出装置10はその油圧回路において、図1に示すように、射出シリンダ16のヘッド室16H及びシリンダ状のブースタ8のロッド室8Rとタンク35との間を繋ぐ配管ライン45,44,43に設けられた、バルブD25及びバルブE26と、ブースタ8のヘッド室側の端面に設けられた圧力検出センサ37とを具備しており、この点が前記の従来例と異なっている。
【0044】
次に、本実施の形態における射出装置の作動について説明する。
図2aは、従来例の図8aに相当する低速射出時の油圧回路の状態を示している。図2aの低速射出時において図8aの従来例と同様に、サーボモータ1によりブースターピストンロッド5は、下向きに(前進)駆動されて、ブースタヘッド8H内の作動油を低速で押して射出シリンダ室16Hに流入させ、更に射出シリンダ16内の射出ピストン15を左方向(AL溶湯が貯められたプランジャスリーブ方向)に押圧する。この際、本実施の形態のブースターピストンロッド5は、図8aのブースターピストンロッドより径が小さいので、ブースタ8のロッド室8Rが形成されており、ブースタロッド室8Rは図2aに示すごとく、タンク35にバルブE26を介して流体連絡する配管ライン44,43が接続する。従って、ブースターピストンロッド5が下降する際、バルブE26は開放されるので、タンク35からライン43,44及びバルブE26を介してブースタロッド室8Rに作動油が流入する。この際、タンク35は、ブースタロッド室8Rより高い位置に設置されて、作動油が重力によりブースタロッド室8Rに流れ込んでも良いが、ポンプ等の別の手段により作動油がブースタロッド室8Rに供給されても良い。射出ピストン15の左方向先端にプランジャチップ(図示されない)が取り付けられ、プランジャチップは、ダイカストマシンの固定金型内に貫通するプランジャスリーブ(図示されない)内に収容されており、アルミニウム(AL)溶湯を押圧して、溶湯を金型(図示されない)内のキャビティに充填することは従来例と同様である。また低速射出時において、バルブB22が開でバルブC23は閉であり、射出ピストン15の左方向への移動により、射出シリンダロッド室16R内の作動油は、配管ライン42及び開放されたバルブB22を通りタンク35へ流れる。やはりこの低速射出時は、図3及び図4(図3において低速射出領域等を説明する図)において時間t0からt1までに相当する。低速射出時において、サーボモータ1の回転制御を行うことにより、スタート時の衝撃を緩和するショックレス制御、低速射出速度多段制御及び速度リアルタイム制御を行うことができる。
【0045】
図2bは、高速射出時の油圧回路を示しており、従来例の図8bに対応する。次の図2bの高速射出時においては、引き続きブースタピストンロッド5を下降(前進)させながら(図2a状態から更に)、バルブM24を開方向に作動させて射出用ピストンアキュムレータ(ACC)31の圧油を配管ライン41を介して射出シリンダ16のヘッド室16Hに導入して、2つの動力源から大流量の作動油を導入することにより、射出ピストン15を高速で駆動する。この時、バルブE26が開でバルブD25は閉で且つバルブB22が開でバルブC23は閉のままであり、バルブA21も閉である。ここで、バルブM24の開度をコントロールすることにより、高速速度を制御しながら高速射出を完了させる(この間、ブースタピストンロッド5は前進し続けている)。この高速射出時は、図3及び4において時間t1からt2までに相当する。
【0046】
図2cは、昇圧時の油圧回路を示しており、従来例の図8cに対応する。図2cの昇圧時においては、図2bの状態からバルブM24を閉じて、射出用ピストンアキュムレータ(ACC)31からの油圧を遮断した状態で、ブースタピストンロッド5を更に前進(下降)させて射出シリンダヘッド室16Hの圧力を加圧していく。この時、バルブE26が開でバルブD25は閉で且つバルブB22が開でバルブC23は閉のままであり、バルブA21も閉である。この昇圧時は、図3及び4において時間t2からt3までに相当しており、金型キャビティ内のAL溶湯は昇圧される。
【0047】
そして圧力検出センサ37によりブースタ8による加圧圧力を計測し、その圧力が目的の80〜90%になった時、図2dに示す加圧保持時の油圧回路に切り替える。図2dの加圧保持時の油圧回路において、ブースタピストンロッド5がサーボモータ1により前進(下降)させられながら、バルブE26は閉でバルブD25が開に切り替えられる。これにより、ブースタピストン6により押される作動油の圧力は、ブースタ8のロッド室8Rに伝達されるので、サーボモータ1の発揮するべき力は、ブースタピストンロッド5の直径に相当する面積と圧力の積の力で、従来例の射出ピストン15を押圧する力と同じ力が発揮できる。この工程において、バルブB22が開でバルブC23は閉のままであり、バルブA21及びバルブM24も閉である。この加圧保持時は、図3及び4において時間t3からt4までに相当する。
【0048】
その後、従来例の図8dに相当する図2eの示す突き出し工程が実施されるが、この工程においては、サーボモータ1によりブースタピストンロッド5を前進(下降)させて射出ピストン15を左方向に押すことにより、金型が開かれ、ダイカスト製品を取り出すことができる。更に、従来例の図8eに相当する図2fの射出戻り工程が実施されて、ポンプ供給口36から、ライン42を介して射出シリンダロッド室16Rに作動油が供給されて、射出ピストン15は、射出シリンダ16内でヘッド側に(右方向)に移動させられると同時に、ブースタピストンロッド5は、サーボモータ1により上昇駆動される。射出シリンダヘッド室16H及びブースタロッド室8Rの作動油は、バルブA21及びバルブE26が共に開けられることにより、タンク35へ戻される。図2eの示す突き出し工程において、バルブE26が開でバルブD25は閉で且つバルブB22が開でバルブC23は閉のままであり、バルブA21及びバルブM24も閉である。図2fの示す射出戻り工程において、バルブE26が開でバルブD25は閉で且つバルブB22が閉でバルブC23は開に設定され、バルブA21は開でバルブM24は閉である。
【0049】
図2cの昇圧工程の油圧回路(昇圧時のブースタ回路)と、図2dの加圧保持工程の油圧回路(加圧保持回路)の相違(即ち、図2c及び2dにおいて、バルブE26を開から閉に、バルブD25を閉から開に切換えた場合の相違)を図5及び図6に示す。昇圧時は時間短縮のため、ブースタピストンの面積ABHで圧油を押し込む。この時の必要ブースタ力F1は
F1 = ABH × P
そのときにモータが出すトルクT1は
T1 = C × F1
T1 = C × ABH × P
加圧保持時はブースタのヘッド室とロッド室を同じ圧力にする。すると必要トルクT2は
F2 = ABR × P
T2 = C × ABR × P
ロッド面積ABRをヘッド面積ABHの1/3にすれば、必要トルクは同じ割合で下がり、トルクと比例状態になるモータ電流値も同じ割合で下がり、エネルギロスや、モータトリップ等の問題が解決される。この場合注意することは、トルクT1を維持したまま、回路を切り替えると、圧力Pはロッド面積とヘッド面積の比だけ高くなり射出シリンダの加圧力が大きくオーバーする問題が発生する。従って、ロッド室に圧力が伝わるにつれPが上昇していくので、この圧力を、圧力センサで検出し、目的値に対し、同じかまたは数%UPしたことを感知し、サーボモータトルクを徐々に下げる自動制御を行う必要がある。
本実施の形態においては、昇圧工程までは、前述の従来例と同様の過程を行っていくが、加圧保持工程で、回路を切り替え、ブースタの加圧面積をかえる方法を組み込んでいる。加圧保持時はピストンはほとんど動かず、10〜20L/min の油量を送ればよいことに着眼し、かつ、モータの発生必要トルクTは ブースタ加圧の面積Aとヘッド圧Pの積に比例するので、面積Aの方を変え必要発生トルクTを下げ電流値を下げる(射出ピストンの加圧力保持の為、P は一定)方法である。
T = C × A × P
【0050】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態のダイカストマシン用射出装置100を説明する。図9及び図10a〜10gは、本発明の第2の実施の形態に係るダイカストマシン用射出装置100を示しており、図9は、ダイカストマシン用射出装置の第2の実施の形態の油圧回路の概要構成を示す説明図であり、図10a〜図10gは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図である。図1、図2a〜図2fに示される第1の実施の形態の要素部分と同じ又は同様である図9及び図10a〜図10gの要素部分は、同じ参照符号により指定されている。
【0051】
第1の実施の形態において、射出用ピストンアキュムレータ31からの圧油の漏れ(即ち、バルブM24からの漏れ)については記載されず、射出用ピストンアキュムレータ31の充填のタイミングに関しても説明されていない。第2の実施の形態において、電動ブースタ8周りの構成及び射出シリンダ16周りの構成については、第1の実施の形態と同じであるので説明は省略する。第2の実施の形態の油圧回路は、射出用ピストンアキュムレータ31をブースタ8によって充填(チャージ)する方式であって、第1の実施の形態の油圧回路とは異なったものとなっており、油圧方式の図12の従来例の油圧回路とは、対比が明確になっている。
【0052】
第2の実施の形態の図9の油圧回路において、開閉を高速で実施可能なモータバルブであるバルブM24は射出用ピストンアキュムレータ31の出口側に設置されている(第1の実施の形態と同様)が、バルブA21は、射出用ピストンアキュムレータ31とバルブM24との間のラインから分岐するラインに設けられている(第1の実施の形態とは異なり、図12の従来例と同様)。また、ブースタ8のブースタヘッド室8Hと射出シリンダ16の射出シリンダヘッド室16Hとを結ぶラインには、バルブD(切り替え弁)25が備えられ、ブースタロッド室8RとバルブM24を結ぶラインには、図9に示すように、開閉を高速で実施可能なモータバルブ62が備えられることが好ましい。
【0053】
次に、本実施の形態における射出装置100の作動について説明する。本実施の形態における各工程の作動は、第1の実施の形態における同じ工程における作動と基本的に同様であるので、第1の実施の形態において説明した作動の詳細、バルブの状態等については、図から明らかであるので本明細書では基本的に説明を省略する。
【0054】
図10aは、第1の実施の形態では説明されていない射出用ピストンアキュムレータ31の充填(チャージ)工程である。本実施の形態において、この充填工程は、射出工程の直前に実施される。即ち、実施されるのは、図11における給湯工程である。この際、図10aに示されるように、射出ピストン15は、射出シリンダヘッド室側端部付近に戻っている。サーボモータ1によりブースターピストンロッド5は、下向きに(前進)駆動されて、ブースタヘッド室8H内の作動油を低速で押すが、この際バルブD25は、作動油をライン61に導くように設定されるので、作動油はバルブD25と逆止弁64を通り射出用ピストンアキュムレータ31に充填される。ライン61のタンク35へ分岐するラインには逆止弁65が備えられており、タンク35への作動油の流れを阻止する。本工程において、充填の完了は、射出用ピストンアキュムレータ31とバルブA21とを繋ぐライン等に圧力センサ(図示されない)を設けて、このラインの圧力を計測し、所定の圧力に到達したことを検知して、充填を完了しても良い。これとは別に、射出用ピストンアキュムレータ31内にピストンの位置を検出するセンサ(図示されない)を設け、これによりピストンが所定の位置に到達したことを検知して、充填を完了しても良い。図10aにおいて、ブースタロッド室8Rへの作動油の供給は、タンク35からモータバルブ62を介して重力により実施されるが、これとは別に第1の実施の形態において記載されているのと同様に、ポンプにより実施されても良い。
【0055】
充填工程の後に低速射出工程が実施される。図10bは、第1の実施の形態の図2aに相当する低速射出時(工程)の油圧回路の状態を示している。低速射出時において、ブースタヘッド室8Hと射出シリンダヘッド室16Hとが連絡するようにバルブD25が切り替えられて、ブースタピストンロッド5が更に下降して、第1の実施の形態と同様に、作動油を射出シリンダヘッド室16Hに供給する。この際、射出の低速前進速度は、サーボモータ1の回転数制御によって行う。
【0056】
図10cは、第1の実施の形態の図2bに相当する高速射出時(工程)の油圧回路の状態を示している。高速射出時において、バルブD25は引き続き、ブースタヘッド室8Hと射出シリンダヘッド室16Hとが連絡するように設定されており、バルブM24が開けられて射出用ピストンアキュムレータ31の作動油も射出シリンダヘッド室16Hに導入される。これは、第1の実施の形態と同じである。射出シリンダロッド室16Rの作動油は図10cに示されるように、バルブM24を介してタンク35へ戻されると共に、別のライン68を通り、絞り28及び開状態のバルブB(切り替え弁)22をこの順で介してタンク35へ戻される。低速射出工程から高速射出工程への切り替えは、射出ピストン15の位置検出センサ(図示されない)を設けることにより、射出ピストン15が予め設定された位置に到達したことを検出して実施される。
【0057】
図10dは、第1の実施の形態の図2cに相当する昇圧時の油圧回路の状態を示している。昇圧時(工程)において、バルブD25は引き続き、ブースタヘッド室8Hと射出シリンダヘッド室16Hとが連絡するように設定されるが、バルブM24は切り替えられて流量調整可能なように設定されるので、射出シリンダヘッド室16H内の作動油の一部は、バルブM24及びバルブA21(バルブA21は開)を介してタンク35へ戻される。射出シリンダロッド室16Rの作動油は図10dに示されるように、絞り28及びバルブB22(開状態)を介してタンク35へ戻される。その際、射出シリンダヘッド室16Hの圧力はバルブM24にて予め設定された昇圧パターンに従ってリアルタイムフィードバックされ、その昇圧上限値はサーボモータのトルク制御で決まる。そして絞り28の絞り量は一定に設定されている。このようにして昇圧圧力が適切な値に保持される。高速射出工程から昇圧工程への切り替えは、射出ピストン15が予め設定された位置に到達したことを検出して実施されるか又は、その位置に到達し且つ射出シリンダヘッド圧(PH)の圧力検出センサ(図示されない)で検出した値が予め設定された値に到達したことを検出して実施される。昇圧のフィードバック制御をサーボモータ1のみで行わない(バルブM24も使用する)理由は、サーボモータ1の軸換算の慣性力が大きく、制御応答性が悪いため、応答性の良いバルブM24を制御することによりフィードバック制御を実現している。圧力最高値は、サーボモータ1のトルク制御で行う。
【0058】
図10eは、第1の実施の形態の図2dに相当する加圧保持時の油圧回路の状態を示している。加圧保持時(工程)において、バルブD25は引き続き、ブースタヘッド室8Hと射出シリンダヘッド室16Hとが連絡するように設定されるが、モータバルブ62が切り替えられて、射出シリンダヘッド室16H内の作動油の一部は、モータバルブ62を介してブースタロッド室8Rへ戻される。射出シリンダロッド室16Rの作動油は図10eに示されるように、絞り28及びバルブB22を介してタンク35へ戻される。
【0059】
図10f及び10gは、第1の実施の形態の図2e及び2fにそれぞれ相当する突き出し動作時(工程)及び後退動作時(工程)の油圧回路の状態を示している。これらの動作時の油圧回路は、図10f及び10gに示すごとく、基本的に第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。但し、図10gに示す後退動作時においては、サーボモータ1によりブースタピストンロッド5を上昇させて、ブースタロッド室8Rの作動油を押し出し、この作動油を射出シリンダロッド室16Rに供給することにより、図10g中の射出ピストン15を右方向に駆動して戻す。この際、モータバルブ62とバルブD25が操作されており、射出シリンダヘッド室16Hの作動油は、図10gに示すように、モータバルブ62とバルブD25と逆止弁65を介して、ブースタヘッド室8Hに供給される。
【0060】
上記の第2の実施の形態で説明したように、電動ブースタタイプの射出装置の場合、射出低速は電動ブースタで動作させ、高速射出はアキュムレータ(ACC)にて動作させる。図12に示す従来機は、前述のように、射出ピストン15の低速・高速全ストロークをピストンアキュムレータ31の圧油で射出を実施している。一方本実施の形態では、電動ブースタの供給油量能力が大きなことと、アキュムレータにチャージする溶湯量が従来機の約半分になることにより、射出工程直前の給湯工程時間でアキュムレータ(ACC)チャージを実施することが、充分出来る。
【0061】
上記の説明について、実際の実機についてのアキュムレータチャージ(充填)時間と最短給湯時間を比較する表を示す、図13を参照して、給湯工程において、アキュムレータのチャージ(充填)が可能なことを説明する。図13は、型締力375tから4000t機で、給湯時間内で充分アキュムレータ(ACC)チャージが完了することを示す。低速射出で要求される速度最高値は0.5m/sec以上(実際は、0.8m/sec 又は1.0m/secに設定される)であり、射出スリーブ内に供給する最大溶湯量は最大でスリーブ内容積の70%である。従って、高速射出に使用させるアキュムレータ(ACC)の必要容積の最大値は、全ストローク × シリンダ面積の70%となる。
【0062】
図13に示す、アキュムレータチャージ時間(t)は下記の計算式により求められる。
V = A × L × 0.7×10−4 (リットル) ・・・[式1]
Q = A × 500×10−4(リットル/sec) ・・・[式2]
t = V/Q = (L × 0.7)/500 ・・・[式3]
ここで、V;高速用に射出シリンダへ供給する必要油量(リットル)、A;射出シリンダ面積(cm2)、L;射出全ストローク(mm)、Q;電動ブースタ供給油量能力(リットル/sec)、t;ACCチャージ時間(sec)である。
【0063】
次に上記実施の形態の射出装置による効果及び作用について説明する。本発明の第1の実施の形態により下記の効果が発揮できる。
・射出昇圧及び昇圧後の加圧保持を電動で行うダイカストマシンのハイブリッドタイプ射出装置の場合、加圧保持時において、切換弁を射出装置の油圧回路に設けて、射出シリンダヘッド室の圧力をブースタピストンロッド室に連絡させることにより、ブースタピストンロッドを駆動するサーボモータの必要最大トルクを小さくして、加圧保持時に大電流を流しておく必要を回避し、大きな電力ロスの発生を防止可能で且つモータサイズを小さくできる。
・これにより、射出装置自体のサイズを小さく出来ると共に、射出装置の製造コストを低減できる。
【0064】
本発明の第2の実施の形態により下記の作用及び効果が発揮できる。
・この実施の形態においては、電動ブースタの供給油量能力が大きなことと、アキュムレータ(ACC)にチャージ(充填)する溶湯量が従来機の約半分になる為射出工程直前の給湯工程時間でアキュムレータチャージを実施することが充分出来る。すなわち、チャージ完了から射出高速スタートまでの時間を短縮して、回路からのリーク量を削減し、アキュムレータ圧が許容値以内にいる内に射出高速させることが出来る。
・これにより、アキュムレータ(ACC)出口のロジックバルブを削除でき、管路抵抗を大幅に削減でき、要求される射出性能を達成することが容易になると共に、コストの削減が実施できる。
【0065】
上記の説明において、ブースタピストンロッド5が、駆動源であるサーボモータ1により、ボールナットギア3やボールネジ軸4等により構成される伝達機構とを介して駆動される、構成として説明されたが、本発明はこれに限定されず、サーボモータが、例えばインバータ制御のACモータ等の当業者に既知の別の電気的な駆動源により置換されても良く、また伝達機構についても、例えばラック−ピニオンタイプ等の当業者に既知の別の伝達機構であっても良い。
【0066】
また、上記において記載した、あるいは添付図面に示した実施の形態において、射出装置の油圧回路を特定したが、本発明はこれに限定されず、加圧保持時にブースタピストンロッドの面積と圧力の積に対応する力でブースタピストンロッドを駆動することができる油圧回路であれば全て本発明の範囲内に含まれる。
【0067】
上記の実施の形態は本発明の例であり、本発明は、該実施の形態により制限されるものではなく、請求項に記載される事項によってのみ規定されており、上記以外の実施の形態も実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本発明に係るダイカストマシン用射出装置の一実施の形態の油圧回路の概要構成を示す説明図である。
【図2a】図2aは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、低速射出時の回路を示す。
【図2b】図2bは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、高速射出時の回路を示す。
【図2c】図2cは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、昇圧時の回路を示す。
【図2d】図2dは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、加圧保持時の回路を示す。
【図2e】図2eは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、突き出し時の回路を示す。
【図2f】図2fは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、後退時の回路を示す。
【図3】図3は、ダイカストマシンの作動工程の射出時間(又は、射出ストローク)に対する射出ピストンの射出速度及びシリンダヘッド圧の変化を示すグラフ(射出特性図)である。
【図4】図4は、図3のグラフに昇圧時、加圧保持時等の各工程(領域)を分かり易く書き込んだグラフである。
【図5】図5は、図2cの昇圧工程の油圧回路(昇圧時のブースタ回路)と、図2dの加圧保持工程の油圧回路(加圧保持回路)の相違の説明図であり、昇圧時のブースタ回路を示す。
【図6】図6は、図2cの昇圧工程の油圧回路(昇圧時のブースタ回路)と、図2dの加圧保持工程の油圧回路(加圧保持回路)の相違の説明図であり、加圧保持時のブースタ回路を示す。
【図7】図7は、従来例のダイカストマシン用射出装置の油圧回路の概要構成を示す説明図である。
【図8a】図8aは、従来例のダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、低速射出時の回路を示す。
【図8b】図8bは、従来例のダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、高速射出時の回路を示す。
【図8c】図8cは、従来例のダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、加圧時の回路を示す。
【図8d】図8dは、従来例のダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、突き出し時の回路を示す。
【図8e】図8eは、従来例のダイカストマシンにおける種々の作業工程における油圧回路の状態を示す説明図であり、射出戻り(後退)時の回路を示す。
【図9】図9は、本発明に係るダイカストマシン用射出装置の第2の実施の形態の油圧回路の概要構成を示す説明図である。
【図10a】図10aは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における図9の油圧回路の状態を示す説明図であり、アキュムレータの充填(チャージ)時の回路を示す。
【図10b】図10bは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における図9の油圧回路の状態を示す説明図であり、低速射出時の回路を示す。
【図10c】図10cは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における図9の油圧回路の状態を示す説明図であり、高速射出時の回路を示す。
【図10d】図10dは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における図9の油圧回路の状態を示す説明図であり、昇圧時の回路を示す。
【図10e】図10eは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における図9の油圧回路の状態を示す説明図であり、加圧保持時の回路を示す。
【図10f】図10fは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における図9の油圧回路の状態を示す説明図であり、突き出し時の回路を示す。
【図10g】図10gは、ダイカストマシンにおける種々の作業工程における図9の油圧回路の状態を示す説明図であり、後退時の回路を示す。
【図11】図11は、一般的な射出成形における、射出スタート前の工程のフローを示す説明図であり、各工程の所要時間が同時に示されている。
【図12】図12は、従来例の油圧式のダイカストマシン用射出装置の油圧回路の概要構成を示す説明図である。
【図13】図13は、実際の実機(型締力375tから4000t機)についてのアキュムレータチャージ時間と最短給湯時間を比較する表を示す。
【符号の説明】
【0069】
1 サーボモータ
2 駆動ギア
3 ボールナットギア
4 ボールネジ軸
5 ブースタピストンロッド
6 ブースタピストン
7 トッププレート
8 (電動)ブースタ
10 射出装置
15 射出ピストン
16 射出シリンダ
21 バルブA
22 バルブB
23 バルブC
24 バルブM
25 バルブD
26 バルブE
31 射出用ピストンアキュムレータ(ACC)
32 ガスボトル
35 タンク
36 ポンプ供給口
37 圧力検出センサ
62 モータバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイカストマシンの金型にアルミニウム等の溶湯を射出するための射出ピストン(15)を収容する射出シリンダ(16)と、
前記射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に圧油を供給して前記射出ピストン(15)を押圧して移動させることにより、射出成形を実施するためのブースタピストンロッド(5)を収容する油圧シリンダ形式の電動ブースタ(8)と、
を具備するダイカストマシンの射出装置(10)において、
前記電動ブースタ(8)のヘッド室(8H)は、前記射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)と流体連絡しており、
射出成形工程において前記電動ブースタ(8)は、昇圧時において前記電動ブースタ(8)のヘッド面積で加圧し、加圧保持時においては前記電動ブースタ(8)のロッド面積で加圧する構造を有することを特徴とする射出装置。
【請求項2】
前記射出シリンダの前記ヘッド室(16H)と前記ブースタ(8)のロッド室(8R)を流体連絡させる連絡配管(41,43,44,45)が設けられており、前記連絡配管には作動油の流れを断続させる止め弁(25)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の射出装置。
【請求項3】
前記ブースタピストンロッド(5)は、電動モータ(1)により往復駆動させられることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出装置。
【請求項4】
前記電動モータ(1)はサーボモータであることを特徴とする請求項3に記載の射出装置。
【請求項5】
前記射出シリンダの前記ヘッド室(16H)に圧油を供給するための射出用ピストンアキュムレータ(31)を更に具備することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項6】
前記ブースタの前記ロッド室(8R)は、タンク(35)に流体連絡しており、前記ブースタの前記ロッド室(8R)と前記タンク(35)とを流体連絡させる配管(43)には止め弁(26)が設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項7】
前記射出シリンダ(16)の前記ロッド室(16R)は、タンク(35)及びポンプ等からの圧油供給口(36)に流体連絡することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項8】
前記ブースタ(8)において、前記射出シリンダ(16)の前記ヘッド室(16H)の圧力であるヘッド圧を検出するための圧力検出センサ(37)が更に具備されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項9】
ダイカストマシンの金型にアルミニウム等の溶湯を射出するための射出ピストン(15)を収容する射出シリンダ(16)と、
前記射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に圧油を供給して前記射出ピストン(15)を押圧して移動させることにより、射出成形を実施するためのブースタピストンロッド(5)を収容する油圧シリンダ形式の電動ブースタ(8)と、
所定量の作動油を所定の最大圧力で貯蔵可能であって且つやはり前記射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に圧油を供給して前記射出ピストン(15)を押圧して移動させることができるように形成されるピストンアキュムレータ(31)であって、前記電動ブースタ(8)と協働して射出成形を実施するピストンアキュムレータ(31)と、
前記ピストンアキュムレータ(31)の出口側に設けられていて且つその出口からの圧油の流路を開閉可能である第1の切替バルブ(24)と、
を具備するダイカストマシンの射出装置(100)において、
射出開始直前に、前記ピストンアキュムレータ(31)への圧油の供給を行うことで、前記第1の切替バルブ(24)からの圧油の漏れを防止するために前記ピストンアキュムレータ(31)の出口に設けられるはずのロジックバルブを削除可能にすることを特徴とする射出装置。
【請求項10】
前記電動ブースタ(8)のヘッド室(8H)は、前記射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)と流体連絡し、且つ前記ピストンアキュムレータ(31)の出口とも流体連絡しており、
前記電動ブースタヘッド室(8H)と前記射出シリンダヘッド室(16H)とを流体連絡させる流路には、第2の切替バルブ(25)が設けられており、
前記第2の切替バルブ(25)は、一方の流路接続側において、前記電動ブースタヘッド室(8H)に連絡する流路と、作動油が貯蔵される前記タンク(35)に連絡する流路とに流体接続し、もう一方の流路接続側において、前記射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に連絡する流路と、前記ピストンアキュムレータ(31)に連絡する流路とに流体接続することを特徴とする請求項9に記載の射出装置。
【請求項11】
前記ピストンアキュムレータ(31)への圧油の供給は、前記電動ブースタ(8)によって実施され、前記電動ブースタ(8)の前記ヘッド室(8H)の圧油が押圧されて供給されることを特徴とする請求項9又は10に記載の射出装置。
【請求項12】
射出動作終了後に、前記射出ピストン(15)を前記射出シリンダ(16)のヘッド側端部へ戻すために、前記ブースタ(8)を駆動して圧油を前記射出シリンダ(16)のロッド室(16R)に供給することを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項13】
前記電動ブースタロッド室(8R)と前記射出シリンダヘッド室(16H)とを流体連絡させる流路に設けられた第3の切替バルブ(62)を更に具備しており、
前記第1の切替バルブ(24)は、一方の流路接続側において、前記ピストンアキュムレータ(31)に連絡する流路と、作動油が貯蔵されるタンク(35)に連絡する流路とに流体接続し、もう一方の流路接続側において、前記射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に連絡する流路と、前記射出シリンダ(16)のロッド室(16R)に連絡する流路とに流体接続しており、
前記第3の切替バルブ(62)は、一方の流路接続側において、前記タンク(35)に連絡する流路と、前記電動ブースタロッド室(8R)に連絡する流路とに流体接続し、もう一方の流路接続側において、前記射出シリンダ(16)のロッド室(16R)に連絡する流路と、前記射出シリンダ(16)のヘッド室(16H)に連絡する流路とに流体接続することを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項14】
射出開始直前には、給湯工程が実施され、給湯工程中に前記ピストンアキュムレータ(31)への圧油の供給は完了していることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項15】
前記ブースタピストンロッド(5)は、電動モータ(1)により往復駆動させられることを特徴とする請求項9から14のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項16】
前記電動モータ(1)はサーボモータであることを特徴とする請求項15に記載の射出装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図10f】
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【図10g】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−155280(P2008−155280A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143347(P2007−143347)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(300041192)宇部興産機械株式会社 (268)