説明

ダイカストマシンの昇圧アキュムレータ用ブースタ及び制御方法

【課題】 近年のダイカスト鋳造業界では、鋳造品の高品質化のため、高速射出と高い昇圧圧力が実現できるコンパクトな射出装置が要望されている。
【解決手段】 射出ピストンの動作により溶湯を金型キャビティへ射出充填する充填工程中に、射出ピストンのヘッド側へ作動油を供給する充填用アキュムレータと、充填工程完了後の昇圧工程中に射出ピストンのヘッド側へ蓄圧された高圧の作動油を供給する昇圧用アキュムレータと、昇圧用アキュムレータに高圧作動油を畜圧するためのブースタと、ブースタを動作させるための昇圧用アキュムレータ畜圧弁とを備えたダイカストマシンの射出装置であって、ブースタは1つのヘッド室と2つのロッド室からなるブースタ本体と、両ロッド式のブースタピストンとから構成され、ブースタピストンの往復運動にともない2つのロッド室から交互にかつ連続的に高圧の作動油を吐出可能である構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウムなどの溶湯を金型キャビティ内に射出充填し、金属製の部品を鋳造するダイカストマシンの射出装置に係り、昇圧用アキュムレータを畜圧するためのブースタ装置及びその制御方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、横型のダイカストマシンによる一般的なダイカスト鋳造装置及び方法を、図4を用いて説明する。
ダイカストマシン(鋳造装置)200は、金型装置201と、射出シリンダー202とを具備しており、金型装置201においては、対向する一対の固定プラテン220と可動プラテン221との間に、固定金型218と可動金型219が設けられている。固定金型218と可動金型219は、固定プラテン220と可動プラテン221などで構成される型締装置により閉じられることにより、その間にキャビティ(空洞)222を形成し、キャビティ222内にアルミニウム(AL)などの溶湯が射出充填されて、鋳造成形品が製造される。アルミ溶湯を射出充填するために、射出シリンダー202が設けられており、固定プラテン220には、アルミ溶湯が貯められるプランジャースリーブ217が設けられて、プランジャースリーブ217は、固定プラテン220及び固定金型218を貫通して、キャビティ222に流体連絡する。
【0003】
射出シリンダー202は、アルミ溶湯を射出するための油圧駆動の往復動ピストン/シリンダーである。射出シリンダー202は、射出シリンダー本体216とピストン203とを具備する。ピストン203は、プランジャースリーブ217に係合する。ピストン203は、図4において左端にシリンダーピストンヘッド215を具備し、そのシリンダーピストンヘッド215と一体化しているピストンロッド214に射出カップリング213でプランジャーロッド212が連結され、その先にプランジャーチップ211が取り付けられている。プランジャーチップ211は、プランジャースリーブ217内に嵌合し、プランジャースリーブ217内で往復運動して、プランジャースリーブ217内のアルミ溶湯を圧送することにより、アルミ溶湯をキャビティ222内に射出充填する。
本実施の形態において、射出シリンダー202は、油圧式であるので、作動油をシリンダー本体216のヘッド側に供給して、シリンダーピストンヘッド215及びピストンロッド214を駆動し、プランジャースリーブ217に貯められたアルミ(AL)溶湯をプランジャーチップ211で押して、固定金型218、可動金型219から形成されるキャビティ(空洞)222に射出充填して鋳造成形する。
【0004】
ここで、溶湯をキャビティ内に射出充填する際の射出速度や射出圧力を、適切に設定し制御することが、良品を鋳造するためには極めて重要である。
一般的な鋳造の射出速度と射出圧力のパターンを、図5を用いて説明する。図5の射出圧力は、射出シリンダーのヘッド室の圧力である。
射出充填が開始される前の給湯工程において、図示せぬ給湯装置により溶湯が射出スリーブ217内に注湯され、射出開始状態となる。(図4参照)
【0005】
この状態から、図5に示すように、まず低速の射出速度でプランジャーチップ211を前進させ、射出スリーブ217の内部で溶湯が波立ち空気を巻き込まないようにする。プランジャーチップ211が前進し、溶湯が射出スリーブ217の上壁まで達し更に湯面がキャビティ222の入り口近傍まで上昇すると、高速射出に切替えられる。(射出ストロークセンサの位置検知による)
高速射出工程では、プランジャーチップ211等を一気に加速し、高速でキャビティ222内に溶湯を射出充填する。これは、溶湯が低温であるキャビティ222の表面に接触すると瞬時に凝固するためであり、できるだけ高速で凝固する前に充填することが、良品の鋳造のためには望ましい。
そして、キャビティ222内に溶湯が完全に充填する直前なると、サージ圧によるバリの発生を防止するため射出速度は下げられる。
キャビティ222内に溶湯が完全に充填すると、射出圧力(射出シリンダーのヘッド側圧力)が上昇するので、圧力センサの測定値が設定切替圧力以上になった時に、次の昇圧工程に切替える。
昇圧工程では、あまり早く圧力を上昇させるとバリが発生し、また遅いと引け巣が発生するので、適切な昇圧速度で上昇させる。また、空気の巻き込みによる空洞や引け巣を押し潰すため高い圧力まで昇圧することが必要である。そして、高い昇圧圧力で一定時間保持し、溶湯が凝固冷却して収縮する分、プランジャーチップ211を前進させる。
【0006】
このような高速射出と高い昇圧圧力を実現するため、射出用と昇圧用の2つのアキュムレータを備えた射出装置が考案されている。さらに、鋳造品品質の向上を目的に昇圧圧力をより高くするため、昇圧用のアキュムレータを高圧に畜圧する装置および方法も考案されている。
【0007】
例えば、特許文献1では、油圧ポンプから吐出された作動油を、片ロッド式の増圧(昇圧)用ブースタの大径側油室に導入し、小径側油室から高圧にブーストされた作動油を吐出し増圧(昇圧)用ピストンアキュムレータを畜圧する方法が開示されている。
また、特許文献2では、射出シリンダーのヘッド側とロッド側の面積差を利用し増圧(昇圧)用アキュムレータに高圧の作動油を畜圧する方法が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開平08−71725号公報
【特許文献2】特許第3662001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の射出装置では、増圧(昇圧)用ピストンアキュムレータを畜圧するためのブースタが片ロッド式であるため、ピストンが作動油を吸い込みながら戻る動作が必要であり、高圧の作動油を吐出する動作が一時中断することになり畜圧に時間がかかっていた。そのため大型のブースタが必要になり装置が大きくなっていた。
また、先行文献2に記載の射出装置では、射出シリンダーのロッド側室において増圧された高圧油を発生させるため、ロッド側室及びパッキン類を高圧に耐える構造に設計する必要があった。
【0010】
本発明では、こうした従来の射出装置、油圧回路の欠点を解決し、コンパクトで短時間での畜圧が可能なブースタ装置を提供することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するために、第1の本発明では、射出ピストンの動作により溶湯を金型キャビティへ射出充填する充填工程中に、射出ピストンのヘッド側へ作動油を供給する充填用アキュムレータと、充填工程完了後の昇圧工程中に射出ピストンのヘッド側へ蓄圧された高圧の作動油を供給する昇圧用アキュムレータと、昇圧用アキュムレータに高圧作動油を畜圧するためのブースタと、ブースタを動作させるための昇圧用アキュムレータ畜圧弁とを備えたダイカストマシンの射出装置において、ブースタは1つのヘッド室と2つのロッド室からなるブースタ本体と、両ロッド式のブースタピストンとから構成され、ブースタピストンの往復運動にともない2つのロッド室から交互にかつ連続的に高圧の作動油を吐出可能である構造とした。
【0012】
また、第2の本発明では、第1の発明による射出装置を用いた昇圧用アキュムレータの畜圧工程制御方法であって、昇圧用アキュムレータ畜圧弁の励磁と消磁を繰り返すことにより、ブースタピストンを往復運動させ連続的に高圧の作動油を吐出して、昇圧用アキュムレータを畜圧するとともに、昇圧用アキュムレータの圧力を圧力センサで測定し、測定圧力が設定畜圧値に達すると畜圧工程を終了する制御方法とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、下記のような優れた効果を発揮する。
(1)ブースタピストンの往復運動中において高圧の作動油を連続的に吐出できるので、短時間で昇圧用アキュムレータの畜圧が可能となる。
(2)ブースタの小型化が可能となり、射出用油圧装置がコンパクトになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明に係るダイカストマシンの射出装置、油圧装置及びその制御方法に関する実施例を詳細に説明する。図1〜図3はいずれも本発明の実施例に係り、図1は射出装置の油圧回路図、図2及び図3は昇圧用アキュムレータを畜圧するための油圧回路を示し、畜圧中における作動油の流れ等の状態を表す図である。
【実施例】
【0015】
本実施の形態においても、金型装置、射出プランジャー、射出シリンダー等は図4に示す一般的なダイカストマシンと同様であるが、射出装置の油圧回路、油圧装置、及び制御方法に特徴を有する。
【0016】
図1は、射出装置の油圧回路を示しており、射出シリンダー1のヘッド側には、射出用及び昇圧用の回路と、射出ピストン2を前後進させるための回路が連絡している。
まず、射出用回路は、射出シリンダー1のヘッド室からチェック弁を介して射出前進用開閉弁8、射出用アキュムレータ5とガスボトル7が直列的に回路接続している。射出用アキュムレータ5を畜圧するための射出用畜圧弁15、チェック弁とポンプAが途中で分岐して回路接続されている。
昇圧用の回路には、昇圧時間制御弁14と昇圧用開閉弁9と昇圧用アキュムレータ6が接続されており、途中で分岐して、チェック弁、ブースタ3、昇圧用畜圧弁16及びポンプBに回路接続されている。
さらに、射出ピストン前後進用回路は、射出前後進切替弁11及びチェック弁を経由してポンプBと接続されている。
【0017】
一方、射出シリンダー1のロッド側は、射出速度用開閉弁10、射出速度制御弁13を経由してタンクに接続するとともに、途中で分岐して射出前後進切替弁11を経由して、チェック弁及びポンプBに接続されている。
【0018】
射出速度制御弁13と昇圧時間制御弁14は、モータの回転角度を制御することにより、弁の開度を調整できる構造になっている。
また、射出用アキュムレータ5の圧力を測定するために射出用アキュムレータ圧力センサ17、昇圧用アキュムレータの圧力を測定するために昇圧用アキュムレータ圧力センサ18、射出シリンダーのヘッド室の圧力を測定するために射出圧力センサ19がそれぞれの回路に接続されている。
【0019】
次に、昇圧用アキュムレータ6を畜圧するための回路及び畜圧方法を、図2と図3を用いて詳細に説明する。図2において昇圧用畜圧弁16は励磁中であり、図3において消磁中である。また、矢印は、作動油の流れる方向等を示す。
図2に示すよう、ブースタ3においてのブースタ本体3aにブースタピストン4が組み込まれており、ブースタピストン4はピストンヘッド4aとその両端面に固接される左ピストンロッド4bと右ピストンロッド4cから構成される。ブースタ本体3aは、ブースタピストン4aにより仕切られた左ヘッド室3bと右ヘッド室3cからなるヘッド室と、左ピストンロッド4bが挿入されている左ロッド室3d、右ピストンロッド4cが挿入されている右ロッド室3eから構成される。
ポンプB、タンク、昇圧用畜圧弁16、ブースタ3、4つのチェック弁、昇圧用アキュムレータ6及び昇圧用アキュムレータ圧力センサ18の回路の繋がりは、図2に示すとおりである。
【0020】
図2の状態では、昇圧用畜圧弁16は励磁中で、PポートとBポート、TポートとAポートがつながっており、ポンプBから吐出された作動油はPポート、Bポートを経て途中で分岐し、一方は右ヘッド室3cへ、他方はチェック弁を経由して右ロッド室3eにそれぞれ流入する。各室に流入した作動油の圧力により、ブースタピストン4は左側に押されて移動する。この時、左ヘッド室3bの作動油は昇圧用畜圧弁16を経由してタンクに落ち、左ロッド室3dの作動油は増圧され各チェック弁の作用を受けて昇圧用アキュムレータ6に流入する。
【0021】
次に図3の状態は、昇圧用畜圧弁16は消磁中で、PポートとAポート、TポートとBポートがつながっており、ポンプBから吐出された作動油はPポート、Aポートを経て途中で分岐し、一方は左ヘッド室3bへ、他方はチェック弁を経由して左ロッド室3dにそれぞれ流入する。各室に流入した作動油の圧力によりブースタピストン4は右側に押されて移動する。この時、右ヘッド室3cの作動油は昇圧用畜圧弁16を経由してタンクに落ち、右ロッド室3eの作動油は増圧され各チェック弁の作用を受けて昇圧用アキュムレータ6に流入する。
【0022】
このように、昇圧用アキュムレータ6の畜圧工程では、昇圧用畜圧弁16の励磁と消磁を繰り返し、ブースタピストン4を往復運動させ、連続的に高圧の作動油を吐出し、昇圧用アキュムレータ6の圧力を高める。励磁と消磁の切替え時間は、ポンプBから吐出される作動油の量とブースタ本体3aの内容積の関係から決まり、ブースタピストン4がストロークエンドに到達するタイミングで行われる。
【0023】
ここで、ピストンヘッド4aの直径をD(mm)、各ピストンロッド4b、4cの直径をd(mm)とし、ポンプBから吐出される作動油の圧力をP(MPa)、ブースタ3から吐出される圧力をP(MPa)とすると、ブースタピストン4に作用する力の釣り合いより、
・(Π・D/4)=P・(Π・d/4)
となり、
=(D/d)・P
となる。
よって、ブースタ3によりポンプBから吐出された作動油の圧力は(D/d)倍になり、昇圧用アキュムレータ6に畜圧される。
【0024】
次に、このように構成された射出用の油圧回路及び油圧装置を用いて、充填工程、昇圧工程の動作及び本発明に係る畜圧工程を制御する方法について、説明する。
【0025】
まず、充填工程に入る前は、射出用アキュムレータ5及び昇圧用アキュムレータ6は、それぞれ畜圧が完了された状態である。
また、射出前進用開閉弁8、昇圧用開閉弁9、射出速度用開閉弁10、射出前後進切替弁11は、それぞれ閉じられ(消磁され)ている。射出速度制御弁13も閉じられているが、昇圧時間制御弁14は所望の昇圧速度になる開度に保たれている。
【0026】
充填工程では、射出前進用開閉弁8と射出速度用開閉弁が10開かれ射出シリンダー1の射出ピストン2が前進を始める。この時、射出速度制御弁13の開度を操作することにより、ロッド側油室からタンクに戻る油量を調整し、設定された低速射出速度になるよう制御される。
そして図示せぬ射出ストロークセンサが高速射出領域に達したことを検知すると、射出速度制御弁13の開度が大きくなり、所望の高速射出速度になるよう開き量が制御される。
【0027】
キャビティの中に溶湯が充満する瞬間にサージ圧が発生しバリが出ることを防ぐため、高速射出領域の終盤においては速度が下げられ滑らかに昇圧工程へと移行する。
昇圧工程に移行するタイミングは、射出圧力センサ19で射出圧力の測定値を監視しながら、設定切替圧力に達した瞬間行われ、射出前進用開閉弁8が閉じられるとともに昇圧用開閉弁9が開かれる。
【0028】
この時、所望の昇圧速度になるよう昇圧時間制御弁14の開き量が調整されている。そして、昇圧用アキュムレータ6の畜圧圧力値より少し下がった圧力で保持される。
凝固収縮のための圧力保持時間が経過すれば、昇圧用開閉弁9及び射出速度用開閉弁10が閉じられ、昇圧工程は終了する。
【0029】
その後、型開きとともに射出前後進切替弁11のaソレノイドを励磁して、射出ピストン2を前進し、製品を突き出す。さらに、射出前後進切替弁11のbソレノイドを励磁して、射出ピストン2を射出開始位置まで戻す。
【0030】
射出用アキュムレータ5を畜圧するには、射出前進用開閉弁8を閉じた状態で射出用畜圧弁15を開き、ポンプAから作動油を吐出し、圧力を射出用アキュムレータ圧力センサ17で検知しながら所望の射出畜圧設定値になるまで作動油を送り込む。
また、昇圧用アキュムレータ6を畜圧するには、昇圧用開閉弁9を閉じた(消磁した)状態で、ポンプBより作動油を吐出する。そして昇圧用畜圧弁16の励磁と消磁を繰り返し、昇圧用アキュムレータ圧力センサ18で圧力を測定しながら予め設定された昇圧畜圧設定値になるまで高圧の作動油を送り込む。そして昇圧用畜圧弁16を消磁して畜圧工程を終了する。
これで、次の給湯工程及び充填工程への準備が完了する。
【0031】
上記において記載した、あるいは添付図面に示した実施の形態の油圧回路において、説明を分かり易くするために、基本的に最低限の構成要素だけが記載されているが、装置の機能、制御、配置等に応じて必要な、弁、フィルター、センサ等の構成要素が追加されても良い。
さらに、上記の実施の形態は本発明の例であり、本発明は、該実施の形態により制限されるものではなく、請求項に記載される事項によってのみ規定されており、上記以外の実施の形態も実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例に係る射出装置の油圧回路図である。
【図2】本発明の実施例に係り、ブースタにより昇圧用アキュムレータを畜圧中で、昇圧用畜圧弁を励磁している時の作動油の流れを説明する図である。
【図3】本発明の実施例に係り、ブースタにより昇圧用アキュムレータを畜圧中で、昇圧用畜圧弁を消磁している時の作動油の流れを説明する図である。
【図4】ダイカストマシンの射出装置及び金型周辺の構成を示す図である。
【図5】ダイカストマシンの射出充填時の射出速度・射出圧力を表すグラフである。
【符号の説明】
【0033】
1 射出シリンダー
2 射出ピストン
3 ブースタ
3a ブースタ本体
3b 左ヘッド室
3c 右ヘッド室
3d 左ロッド室
3e 右ロッド室
4 ブースタピストン
4a ピストンヘッド
4b 左ピストンロッド
4c 右ピストンロッド
5 射出用キュムレータ
6 昇圧用キュムレータ
7 ガスボトル
8 射出前進用開閉弁
9 昇圧用開閉弁弁
10 射出速度用開閉弁
11 射出前後進切替弁
13 射出速度制御弁
14 昇圧時間制御弁
15 射出用畜圧弁
16 昇圧用畜圧弁
17 射出用アキュムレータ圧力センサ
18 昇圧用アキュムレータ圧力センサ
19 射出圧力センサ
200 横型のダイカストマシンの要部
201 金型装置
202 射出シリンダー
203 ピストン
211 プランジャーチップ
212 プランジャーロッド
213 カップリング
214 ピストンロッド
215 シリンダーピストンヘッド
216 射出シリンダー本体
217 射出スリーブ
218 固定金型
219 可動金型
220 固定プラテン
221 可動プラテン
222 キャビティ(空洞)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出ピストンの動作により溶湯を金型キャビティへ射出充填する充填工程中に、前記射出ピストンのヘッド側へ作動油を供給する充填用アキュムレータと、充填工程完了後の昇圧工程中に前記射出ピストンのヘッド側へ蓄圧された高圧の作動油を供給する昇圧用アキュムレータと、前記昇圧用アキュムレータに高圧の作動油を畜圧するためのブースタと、前記ブースタを動作させるための昇圧用アキュムレータ畜圧弁とを備えたダイカストマシンの射出装置において、
前記ブースタは、1つのヘッド室と2つのロッド室からなるブースタ本体と、両ロッド式のブースタピストンとから構成され、前記ブースタピストンの往復運動にともない前記2つのロッド室から交互にかつ連続的に高圧の作動油を吐出可能であることを特徴とする、
ダイカストマシンの射出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダイカストマシンの射出装置を用いた前記昇圧用アキュムレータの畜圧工程制御方法であって、
前記昇圧用アキュムレータ畜圧弁の励磁と消磁を繰り返すことにより、前記ブースタピストンを往復運動させ連続的に高圧の作動油を吐出して、前記昇圧用アキュムレータを畜圧するとともに、前記昇圧用アキュムレータの圧力を圧力センサーで測定し、測定圧力が設定畜圧値に達すると畜圧工程を終了することを特徴とする、
ダイカストマシンの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−131868(P2009−131868A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308955(P2007−308955)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(300041192)宇部興産機械株式会社 (268)