説明

ダイカストマシンの電動射出装置

【課題】小型の電動サーボモータを用いて所要の高速射出工程を実行可能なダイカストマシンの電動射出装置を提供する。
【解決手段】低速射出及び増圧に用いる第1射出用電動モータ1と、高速射出に用いる第2射出用電動モータ2と、射出用電動モータ1,2の回転運動をねじ軸3aに伝達する第1及び第2の動力伝達機構4,5と、動力伝達機構4,5中に備えられた第1及び第2のクラッチ機構6,7と、ねじ軸3aに螺合されたナット体3bと一体に前後進される射出プランジャ9と、射出用電動モータ1,2及びクラッチ機構6,7の駆動を制御するコントローラ11を備える。コントローラ11は、高速射出工程の開始タイミング以前に第2射出用電動モータ2を停止状態から起動し、高速射出工程の開始タイミング又はそれ以前の所要のタイミングで、第2クラッチ機構7を切断状態から接続状態に切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシンに備えられる電動射出装置に係り、特に、金型キャビティ内への溶融金属材料の射出・充填工程における射出プランジャの駆動制御手段に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカストマシンは、1ショット毎に射出プランジャを前進駆動することにより、一定量のAl合金やMg合金などの溶融金属材料を金型キャビティ内に射出・充填して、所要形状の製品を成形する成形機である。ダイカストマシンもプラスチック材料を金型キャビティ内に射出・充填して所要形状の製品を成形する射出成型機と同様に、低速射出工程、高速射出工程及び増圧工程(射出成形機にあっては、保圧工程)を経て成形材料を金型キャビティ内に射出・充填するが、ダイカストマシンは射出成形機に比べて高速射出工程における射出速度が1ケタ程度高速であるという特徴がある。このため、従来においては、射出プランジャを油圧により駆動する油圧式のダイカストマシンが主流であった。
【0003】
しかしながら、油圧式のダイカストマシンは、成形工場内が油で汚れやすく、作業環境が悪くなるため、近年、このような欠点のない電動式のダイカストマシンが提案されるに至っている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0004】
特許文献1に記載の電動射出装置は、図5に示すように、2つの射出用電動サーボモータ101a,101bを備え、これら2つの射出用電動サーボモータ101a,101bの回転力を、ナット体102a,102bとこれに螺合されたねじ軸103a,103bからなるボールねじ機構104a,104bによってナット体102a,102bの直進力に変換し、ナット体102a,102bが一体に取り付けられた移動部材105を介して、射出プランジャ106を前後進するようになっている。また、移動部材105と射出プランジャ106との間には、サージ圧防止装置(油圧シリンダ107)が設けられており、高速射出工程の完了時に、金型キャビティ内の溶融金属材料に過大なサージ圧が作用しないようになっている。この電動射出装置は、2つの射出用電動サーボモータ101a,101bの合力によって射出プランジャ106を駆動するので、高い射出速度が得られる。また、移動部材105と射出プランジャ106との間にサージ圧防止装置107を備えるので、バリ等の外観不良がない良品を成形できると共に、サージ圧による金型等の破損を防止することができる。
【0005】
また、特許文献2に記載の電動射出装置は、図6に示すように、射出用電動サーボモータ201の回転力を減速機202及び摩擦クラッチ203を介してボールねじ機構204のねじ軸204aに伝達し、ねじ軸204aに螺合されたボールねじ機構204のナット体204bを介して、射出プランジャ205を前後進するようになっている。この電動射出装置は、減速機202の出力軸とボールねじ機構204のねじ軸204aとの間に摩擦クラッチ203を介したので、高速射出工程の完了時に金型キャビティ内の溶融金属材料に過大なサージ圧が作用せず、バリ等の外観不良がない良品を成形できると共に、サージ圧による金型等の破損を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−260070号公報
【特許文献2】特開2007−296550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、電動サーボモータは、起動時の加速性能がさほど高くないため、特許文献1,2に記載の電動射出装置によっては、所要の高速射出工程を実行することが不可能であるか、著しく困難である。即ち、所要の高速射出工程を実行するためには、停止状態にある射出プランジャを所定の前進速度まで短時間のうちに加速する必要があるが、そのためには推力が大きな大型の電動サーボモータを使用しなければならず、ダイカストマシンが大型化及び高コスト化するので、事実上採用することが難しい。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の問題を解消するためになされたものであり、その目的は、小型の電動サーボモータを用いて所要の高速射出工程を実行可能なダイカストマシンの電動射出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するため、低速射出及び増圧に用いる第1射出用電動モータと、高速射出に用いる第2射出用電動モータと、前記第1射出用電動モータの回転運動をボールねじ機構のねじ軸に伝達する第1動力伝達機構、及び前記第2射出用電動モータの回転運動を前記ねじ軸に伝達する第2動力伝達機構と、前記第1動力伝達機構中に備えられた第1クラッチ機構、及び前記第2動力伝達機構中に備えられた第2クラッチ機構と、前記ねじ軸に螺合されたナット体と、該ナット体を保持する直動体と、該直動体に一端が連結された射出プランジャと、前記第1及び第2の射出用電動モータの起動・停止並びに前記第1及び第2のクラッチ機構の断続を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、低速射出工程、高速射出工程及び増圧工程の開始タイミングを記憶しており、前記高速射出工程の開始タイミング以前に前記第2射出用電動モータを停止状態から起動し、前記高速射出工程の開始タイミング又はそれ以前の前記第2射出用電動モータの起動タイミング以後に、前記第2クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によると、高速射出工程の開始タイミング以前に高速射出用の第2射出用電動モータを停止状態から起動し、当該高速射出工程の開始タイミング又はそれ以前において高速射出用の第2クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えるので、第2クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えて、高速射出用の第2射出用電動モータの駆動力をボールねじ機構のねじ軸に伝達する段階においては、高速射出用の第2射出用電動モータの回転数を高めておくことができる。よって、第2クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えた後に、ボールねじ機構及び直動体を介して駆動される射出プランジャの加速度を大きくすることができ、比較的低出力の射出用モータを用いて、所要の射出工程を実行することができる。
【0011】
また本発明は、前記構成のダイカストマシンの電動射出装置において、前記コントローラは、前記増圧工程の開始タイミング以前に前記第1射出用電動モータを停止状態から起動し、前記増圧工程の開始タイミング又はそれ以前の前記第1射出用電動モータの起動タイミング以後に、前記第1クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によると、高速射出工程の開始タイミング以前に低速射出・増速用の第1射出用電動モータを停止状態から起動し、当該増圧工程の開始タイミング又はそれ以前において低速射出・増速用の第1クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えるので、第1クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えて、低速射出・増速用の第1射出用電動モータの駆動力をボールねじ機構のねじ軸に伝達する段階においては、低速射出・増速用の第1射出用電動モータの回転数を高めておくことができる。よって、第1クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えた後に、ボールねじ機構及び直動体を介して駆動される射出プランジャの加速度を大きくすることができ、比較的低出力の射出用モータを用いて、所要の増圧工程を実行することができる。
【0013】
また本発明は、前記構成のダイカストマシンの電動射出装置において、前記コントローラは、高速射出工程の終期において、前記第2クラッチ機構の滑り速度を急速に高め、その後、該滑り速度を徐々に低下させることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によると、高速射出工程の終期において、前記第2クラッチ機構の滑り速度を急速に高め、その後、該滑り速度を徐々に低下させるので、増圧工程の初期にあらわれるサージ圧を抑制することができ、バリ等の製品不良及び金型等の破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、高速射出工程の開始タイミング以前に高速射出用の第2射出用電動モータを停止状態から起動し、当該高速射出工程の開始タイミング又はそれ以前において高速射出用の第2クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えるので、第2クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えて、高速射出用の第2射出用電動モータの駆動力をボールねじ機構のねじ軸に伝達する段階においては、高速射出用の第2射出用電動モータの回転数を高めておくことができる。よって、第2クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えた後に、ボールねじ機構及び直動体を介して駆動される射出プランジャの加速度を大きくすることができ、比較的低出力の射出用モータを用いて、所要の射出工程を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係る射出装置の構成図である。
【図2】実施形態に係る射出装置に備えられるクラッチ機構の構成図である。
【図3】実施形態に係る射出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】実施形態に係る射出装置の効果を示すグラフである。
【図5】第1従来例に係る射出装置の構成図である。
【図6】第1従来例に係る射出装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る電動射出装置の一実施形態を、図を用いて説明する。
【0018】
図1に示すように、実施形態に係る電動射出装置は、低速射出工程及び増圧工程において駆動される第1射出用電動モータ1と、高速射出工程において駆動される2つの第2射出用電動モータ2と、第1射出用電動モータ1の回転運動をボールねじ機構のねじ軸3aに伝達するプーリ4a,4b及びこれに輪掛けされるベルト4cから構成される第1動力伝達機構4と、第2射出用電動モータ2の回転運動をねじ軸3aに伝達するプーリ5a,5b及びこれに輪掛けされるベルト5cから構成される第2動力伝達機構5と、プーリ4bと一体に構成された第1クラッチ機構6と、プーリ5bと一体に構成された第2クラッチ機構7と、ねじ軸3aに螺合され、ねじ軸3aと共にボールねじ機構3を構成するナット体3bと、ナット体3bを保持する直動体8と、該直動体8に一端が連結された射出プランジャ9と、ねじ軸3aの回転位置ひいては射出プランジャの前後進位置及び速度を検出するロータリエンコーダ等の位置センサ10と、第1及び第2の射出用電動モータ1,2の起動・停止並びに第1及び第2のクラッチ機構6,7の断続を制御するコントローラ11とから主に構成されている。
【0019】
第1射出用電動モータ1としては、所要の低速射出工程及び増圧工程を実施可能であるように、例えば120KN程度の高い推力を有する電動サーボモータが用いられる。これに対して、第2射出用電動モータ2としては、所要の高速射出工程を実施可能であるように、第1射出用電動モータ1よりも低推力(例えば、50KN)であるが、高速回転が可能な電動サーボモータが用いられる。これらの各射出用電動モータ1,2は、コントローラ11によって起動・停止及び回転数等が制御される。
【0020】
第1動力伝達機構4を構成するベルト4c、及び第2動力伝達機構5を構成するベルト5cとしては、プーリ4a,4b,5a,5bとの間で滑りが発生せず、各電動モータ1,2の回転をねじ軸3に正確に伝達できることから、タイミングベルトが好適に用いられる。また、これに伴い、プーリ4a,4b,5a,5bとしても、タイミングベルト4c,5cを輪掛け可能な溝付きのプーリが用いられる。
【0021】
第1クラッチ機構6及び第2クラッチ機構7としては、高い推力を伝達可能であり、かつ耐久性にも優れることから、湿式の多板クラッチが好適に用いられる。これら第1及び第2のクラッチ機構6,7を構成する多板クラッチは、例えば図2に示すように、ねじ軸3aと一体に取り付けられた複数枚の回転側クラッチ板12aと、ケーシング12c内に一体に取り付けられ、回転側クラッチ板12aとそれぞれ対向に配置された複数枚の固定側クラッチ板12bと、ケーシング12cをねじ軸3aの軸方向に沿ってスライドさせ、回転側クラッチ板12aと固定側クラッチ板12bとの間の滑り速度を変更するクラッチ切換用電動モータ13と、クラッチ切換用電動モータ13の回転運動をケーシング12cの直進運動に変換する図示しないボールねじ機構とから構成される。これらの各クラッチ機構6,7も、コントローラ11によって断続及び滑り速度等が制御される。
【0022】
コントローラ11は、内蔵されたメモリ内に、型締め工程、低速射出工程、高速射出工程、増圧工程、型開き工程及び製品取り出し工程の各開始タイミング及び完了タイミングを記憶しており、所定のタイミングで各可動部の駆動を制御する。
【0023】
射出装置については、図3(a)に示すように、低速射出工程の開始タイミング又はそれより以前に第1クラッチ機構6を接続状態(滑り速度がゼロとなる状態又は最小となる状態)に切り換えると共に、図3(c)に示すように、低速射出工程の開始タイミングで第1射出用電動モータ1を停止状態から起動する。このとき、図3(d)に示すように、第2射出用電動モータ2は停止状態に保たれ、かつ図3(b)に示すように、第2クラッチ機構7は切断状態(クラッチ板12a,12bが空転する状態又は滑り速度が最大となる状態)に保たれる。これにより、第1射出用電動モータ1の回転運動がボールねじ機構3及び直動体8を介して射出プランジャ9に伝達され、射出プランジャ9が所要の低速度で前進して、金型キャビティ内への溶融金属材料の射出・充填が開始される。射出プランジャ9の前進位置及び低速射出工程の完了タイミングは、コントローラ11内に取り込まれる位置センサ10の出力信号に基づいて、コントローラ11が判定する。
【0024】
射出プランジャ9の前進位置が、低速射出工程の完了タイミングよりも以前の所定位置に至ったとき、図3(d)に示すように、第2射出用電動モータ2を停止状態から起動する。第2射出用電動モータ2の起動タイミングは、当該第2射出用電動モータ2の加速性能を考慮し、高速射出工程の開始タイミングで第2射出用電動モータ2の回転速度が高速射出工程を実施するために設定された所要の高速度となるタイミングに設定される。そして、高速射出工程の開始タイミングに至ったとき、図3(b)に示すように、第2クラッチ機構7を接続状態に切り換えと共に、図3(a)に示すように、第1クラッチ機構6を接続状態から切断状態に切り換え、かつ、図3(c)に破線で示すように、第1射出用電動モータ1を低速駆動状態から増圧工程の回転数まで低下するか、又は図3(c)に実線で示すように、第1射出用電動モータ1を停止状態に切り換える。これにより、図3(e)に示すように、高速射出工程における射出プランジャ9の前進速度の立上りを急峻なものにすることができ、比較的小型の第2射出用電動モータ2を用いて良好な高速射出を実現できる。なお、第2クラッチ機構7が切断状態から接続状態に至るまでの遅れを考慮し、高速射出工程の開始タイミング以前に、第2クラッチ機構7の切断状態から接続状態への切り換えを開始する構成とすることもできる。
【0025】
射出プランジャ9の前進位置が、高速射出工程の完了タイミングよりも以前の所定位置に至ったとき、図3(c)に示すように、第1射出用電動モータ1を停止状態から起動する。第1射出用電動モータ1の起動タイミングは、当該第1射出用電動モータ1の加速性能を考慮し、増圧工程の開始タイミング前に第1射出用電動モータ1の回転速度が増圧工程を実施するために設定された所要の低速度となるタイミングに設定される。また、そのタイミングで、図3(f)に示すように、第1クラッチ機構6を切断状態からクラッチ板12a,12bどうしが摺動する滑り回転状態に切り換え、クラッチ板12a,12bの滑り速度が徐々に小さくなる(接続状態に近づける)ようにクラッチ切換用電動モータ13の駆動を制御する。そして、増圧工程の開始タイミングに至ったとき、図3(b)に示すように、第2クラッチ機構7を接続状態から切断状態に切り換えると共に、図3(d)に1点鎖線で示すように、第2射出用電動モータ2を高速駆動状態から増圧工程の回転数まで低下するか、又は図3(d)に実線で示すように、第2射出用電動モータ2を駆動状態から停止状態に切り換える。また、図3(a)に示すように、第2クラッチ機構7が完全に切断状態に至った後に、第1クラッチ機構6を切断状態から接続状態に切り換える。これにより、図4に示すように、増圧工程の初期に発生するサージ圧を、第1クラッチ機構6の滑り速度を調整することによって適宜低減することができる。よって、バリ等の製品不良及び金型等の破損を有効に防止することができる。
【0026】
なお、本発明は、比較的小型の第2射出用電動モータ2を用いて高速射出工程における射出プランジャ9の前進速度の立上りを急峻なものとすることを要旨とする発明であり、余の点については必要に応じて適宜取捨選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、ダイカストマシンに備えられる電動射出装置に利用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 第1射出用電動モータ
2 第2射出用電動モータ
3 ボールねじ機構
3a ねじ軸
3b ナット体
4 第1動力伝達機構
4a,4b プーリ
4c ベルト
5 第2動力伝達機構
5a,5b プーリ
5c ベルト
6 第1クラッチ機構
7 第2クラッチ機構
8 直動体
9 射出プランジャ
10 位置センサ
11 コントローラ
12a 回転側クラッチ板
12b 固定側クラッチ板
12c ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低速射出及び増圧に用いる第1射出用電動モータと、高速射出に用いる第2射出用電動モータと、前記第1射出用電動モータの回転運動をボールねじ機構のねじ軸に伝達する第1動力伝達機構、及び前記第2射出用電動モータの回転運動を前記ねじ軸に伝達する第2動力伝達機構と、前記第1動力伝達機構中に備えられた第1クラッチ機構、及び前記第2動力伝達機構中に備えられた第2クラッチ機構と、前記ねじ軸に螺合されたナット体と、該ナット体を保持する直動体と、該直動体に一端が連結された射出プランジャと、前記第1及び第2の射出用電動モータの起動・停止並びに前記第1及び第2のクラッチ機構の断続を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、低速射出工程、高速射出工程及び増圧工程の開始タイミングを記憶しており、前記高速射出工程の開始タイミング以前に前記第2射出用電動モータを停止状態から起動し、前記高速射出工程の開始タイミング又はそれ以前の前記第2射出用電動モータの起動タイミング以後に、前記第2クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えることを特徴とするダイカストマシンの電動射出装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記増圧工程の開始タイミング以前に前記第1射出用電動モータを停止状態から起動し、前記増圧工程の開始タイミング又はそれ以前の前記第1射出用電動モータの起動タイミング以後に、前記第1クラッチ機構を切断状態から接続状態に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のダイカストマシンの電動射出装置。
【請求項3】
前記コントローラは、高速射出工程の終期において、前記第2クラッチ機構の滑り速度を急速に高め、次いで、該滑り速度を徐々に低下させることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載のダイカストマシンの電動射出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−187609(P2012−187609A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53292(P2011−53292)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)