説明

ダイカスト装置

【課題】簡易な構成で、製品の品質、射出スリーブへの給湯精度、及び、耐久性を維持するとともに、射出時の摩耗や振動の影響を低減させることができる、ダイカスト装置を提案する。
【解決手段】ダイカスト装置30において、その一端である上端が電磁ポンプ40に接続されて、他端である下端が給湯口6に対向する箇所に位置する給湯管41・42が、振動吸収部である蛇腹構造のベローズ61cを備えた中継管61を介して、射出スリーブ2に連結され、電磁ポンプ40により溶湯保持炉50から給湯管41・42を介して射出スリーブ2の内部に供給した溶湯5を、射出チップ3により押し出してキャビティ4内へ射出する射出動作を行うことにより、鋳造を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカスト装置に関し、具体的には、金型のキャビティ内を減圧して行うダイカスト鋳造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダイカスト鋳造においては、給湯口を有する射出スリーブ内に、給湯口を通して溶湯を定量給湯し、この給湯終了後、所定のタイミングで駆動手段により射出チップを前進させ、射出スリーブから金型のキャビティへ溶湯を高圧で射出する技術が用いられている(例えば、特許文献1から特許文献4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−245768号公報
【特許文献2】特開平4−258357号公報
【特許文献3】特開2002−239708号公報
【特許文献4】特開2004−167499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1で開示されるダイカスト装置においては、溶湯保持炉からラドルで溶湯を汲み上げ、このラドルによって射出スリーブの給湯口に給湯するように構成されている。
【0005】
しかし、特許文献1に開示される構成では、ラドルで汲み上げる溶湯の量を調節することが困難であるため、給湯精度を高めることが難しかった。また、ラドルから射出スリーブに給湯する際に溶湯が大気に触れるため、溶湯の温度が低下したり、溶湯に発生する酸化膜や溶解水素などのガスによって製品の品質が低下したりするという問題があった。
【0006】
一方、前記特許文献2及び特許文献3で開示されるダイカスト装置においては、溶湯管と射出スリーブの給湯口とを直接接合し、この給湯管を介して給湯することにより、溶湯が大気に触れないように構成されている。
【0007】
しかし、射出スリーブは高温の溶湯が給湯されるため、使用によって熱による変形が生じ、この変形により射出時に振動が発生しやすくなる。特許文献2及び特許文献3に開示される構成では、射出スリーブに直接接合されている給湯管やその接合部が、射出時の摩耗や振動によって破損するという問題があった。
【0008】
また、前記特許文献4で開示されるダイカスト装置においては、溶湯管と射出スリーブの給湯口との間にカバーを設け、給湯する際に溶湯が大気に触れないように構成されている。
【0009】
しかし、特許文献4に開示される技術によれば、給湯管は射出スリーブに対して直接連結されていないため、給湯管を別途支持する構成が必要となる。また、給湯時における溶湯の熱や、キャビティの減圧時における圧力に対して、カバーの強度が不足し、破損する可能性があった。
【0010】
本発明は上記の問題を鑑み、簡易な構成で、製品の品質、射出スリーブへの給湯精度、及び、耐久性を維持するとともに、射出時の摩耗や振動の影響を低減させることができる、ダイカスト装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
即ち、請求項1においては、キャビティが形成された金型と、給湯口が形成され、前記キャビティに連通された射出スリーブと、支持軸の先端部に配設されて、該支持軸を前記射出スリーブに挿通することにより、前記射出スリーブの内部を軸心方向に摺動可能に構成された、射出チップと、前記キャビティ内に連通された、減圧手段と、溶湯を内部に貯溜する溶湯保持炉と、前記溶湯保持炉から溶湯を汲み上げるポンプと、その一端が前記ポンプに接続されて、他端が前記給湯口に対向する箇所に位置する給湯管と、を具備し、前記給湯管は、振動吸収部を備えた中継管を介して、前記射出スリーブに連結され、前記ポンプにより前記溶湯保持炉から前記給湯管を介して前記射出スリーブ内に供給した溶湯を前記射出チップにより押し出して、前記減圧手段で減圧した前記キャビティ内へ射出する射出動作を行うことにより鋳造を行うものである。
【0013】
また、請求項2においては、前記中継管における前記給湯管側の端部は、前記給湯管の中途部に連結され、前記給湯管の他端部は、前記給湯口近傍に位置するものである。
【0014】
また、請求項3においては、前記給湯管の他端部は、溶湯の射出方向に向かって屈曲するものである。
【0015】
また、請求項4においては、前記中継管は、断熱部材を介して前記射出スリーブに配設されるものである。
【0016】
また、請求項5においては、前記溶湯保持炉は、溶湯を大気から遮断した状態で溶湯を貯溜するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
本発明により、ダイカスト装置において、簡易な構成で、製品の品質、射出スリーブへの給湯精度、及び、耐久性を維持するとともに、射出時の摩耗や振動の影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一実施形態に係るダイカスト装置を示す概略断面図。
【図2】同じくダイカスト装置の給湯口部分を示す拡大断面図。
【図3】(a)、(b)、(c)はそれぞれ給湯時、減圧時、射出時におけるダイカスト装置を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【0021】
[ダイカスト装置30の構成]
本発明の一実施形態に係るダイカスト装置30について、図1を用いて説明する。本明細書では便宜上、図1における右側をダイカスト装置30の右側方、左側をダイカスト装置30の左側方として説明する。
【0022】
図1に示すごとく、ダイカスト装置30における金型1にはキャビティ4が形成され、該キャビティ4に連通された略円筒形状の射出スリーブ2が左側方に突出して付設されている。そして、該射出スリーブ2内にて短円柱状の射出チップ3を右側方に摺動させ、射出スリーブ2内に供給されたアルミニウムなどの溶湯5を押し出してキャビティ4内に射出する構造としている。
【0023】
射出スリーブ2には、給湯口6が形成されており、この給湯口6から溶湯5が後述する給湯管41・42を介して射出スリーブ2内に供給される。
支持軸9は射出スリーブ2に挿通され、エアシリンダや油圧シリンダ等からなる図示せぬアクチュエータによって進退するように制御されている。そして、支持軸9の先端部に配設された射出チップ3が射出スリーブ2の内部を軸心方向に摺動する構造となっている。
【0024】
金型1には、キャビティ4内に通じ、キャビティ4内の空気を吸引するための吸引口16が設けられている。また、キャビティ4と吸引口16を結ぶ経路には、シャットバルブ17が設けられている。吸引口16が減圧手段(本実施例では減圧タンク21及び真空ポンプ22)に接続されることにより、減圧手段はキャビティ4内と連通される。減圧タンク21と吸引口16との接続経路上には該接続経路を開閉する開閉バルブ23が設けられている。そして、その接続経路上の開閉バルブ23を射出制御と連動して開くことよって、キャビティ4の減圧が開始されるようになっている。
【0025】
ダイカスト装置30は、溶湯5を内部に貯溜する溶湯保持炉50と、この溶湯保持炉50内の溶湯5に約45度の角度でその一端が挿入されて、溶湯保持炉50から溶湯5を汲み上げる電磁ポンプ40と、を備える。電磁ポンプ40は内周部がセラミックで形成され、射出制御と連動して内蔵するコイルに電圧を加えることにより電磁力で溶湯5を汲み上げる。なお、本実施形態においてはポンプとして電磁ポンプ40を用いるが、回転子を使うターボ形ポンプや容積ポンプなどの他のポンプを用いる構成とすることも可能である。また、本実施形態において溶湯保持炉50は、溶湯5を大気から遮断した状態で溶湯を貯溜している。
【0026】
また、ダイカスト装置30は、その一端である上端が電磁ポンプ40に接続されて、他端である下端が給湯口6に対向する箇所に位置する、セラミック製の給湯管41・42を備える。詳細には、給湯管41・42は上側給湯管41及び下側給湯管42が連結されることにより構成されている(以下、上側給湯管41と下側給湯管42とを総称して給湯管41・42と記載する)。そして、上側給湯管41はその上端部が電磁ポンプ40の上端部に接続され、射出スリーブ2の側に向かって傾斜するように配置される。さらに、下側給湯管42の上端部が上側給湯管41の下端部に接続され、給湯口6に対して直交するように配置される。
【0027】
そして、給湯管41・42は、振動吸収部である蛇腹構造のベローズ61cを備えた中継管61を介して、射出スリーブ2に連結される。具体的には、射出スリーブ2の給湯口6に連通する管状に形成された、金属製又はセラミック製の断熱部材71を、射出スリーブ2に配設する。つまり、中継管61は、断熱部材71を介して射出スリーブ2に配設される。
【0028】
さらに、断熱部材71の上側に中継管61を配設し、この中継管61で上側給湯管41と下側給湯管42の接続部分を支持する。即ち、中継管61における給湯管41・42の側である上端部は、給湯管41・42の中途部である、上側給湯管41と下側給湯管42の接続部分に連結され、給湯管41・42の他端部である下側給湯管42の下端部は、給湯口6の近傍に位置するのである。
【0029】
中継管61による給湯管41・42の支持構造について、図2を用いてより詳細に説明する。
断熱部材71は、本体部分である管状部71bよりも下側が、管状部71bに対して直交する筒状部分である固定筒71cとして形成されており、この固定筒71cの内周部に射出スリーブ2の開放端部2a(図2における左側端部)を挿入可能に構成されている。また、固定筒71cの一端である左端部には、固定突起部71dが内側に突出して形成されている。そして、この固定突起部71dが開放端部2aの左端面に当接するまで、射出スリーブ2の左端部を固定筒71cの内部に挿入することにより、断熱部材71の位置が固定され、断熱部材71の管状部71bの位置が給湯口6と一致するのである。また、管状部71bの上端には、外側に向かってフランジ部71aが形成されている。
【0030】
中継管61は、管状の蛇腹構造であるベローズ61cと、その上端で外側に向かって形成された上側フランジ部61aと、その下端で外側に向かって形成された下側フランジ部61bと、を備える。ベローズ61cは伸縮可能及び屈曲可能に形成されており、中継管61における上端部又は下端部における変形や振動を吸収するように形成されている。
【0031】
そして、下側フランジ部61bが断熱部材71のフランジ部71aと接続されることにより、中継管61と断熱部材71とが連結される。本実施形態においては、下側フランジ部61bと断熱部材71のフランジ部71aとをボルトとナットによって締結する構成としている。ただし、これらの接続方法については限定されるものではなく、他の接続治具を用いて接続する構成としても差し支えない。また、中継管61の下端部を断熱性の高い素材で形成することにより、断熱部材71を配置しない構成とすることも可能である。
【0032】
一方、上側給湯管41の下端部には外側に突出する接続フランジ部41aが形成され、下側給湯管42の上端部には外側に突出する接続フランジ部42aが形成されている。そして、接続フランジ部41a及び接続フランジ部42aが対向して当接した状態で、中継管61の上側フランジ部61aにボルト・ナット等の接続治具で接続されることにより、中継管61で上側給湯管41と下側給湯管42の接続部分が支持されるのである。なお、本実施形態においては、給湯管41・42の他端部である下側給湯管42の下端部42bは、溶湯5の射出方向である右側方に向かって屈曲して形成されている。
【0033】
また、本実施形態においては各部位におけるシール性を確保するために、接続フランジ部41aと接続フランジ部42aとの間、接続フランジ部42aと上側フランジ部61aとの間、下側フランジ部61bとフランジ部71aとの間、管状部71bの内周面と射出スリーブ2の外周面との間、のそれぞれに、黒鉛系素材で形成されたパッキン81、82、83、84a・84bが介挿されている。
【0034】
本実施形態に係るダイカスト装置30は上記の如く構成されて、減圧手段により、キャビティ4の内部を減圧した状態で、電磁ポンプ40により溶湯保持炉50から給湯管41・42を介して射出スリーブ2の内部に供給した溶湯5を、射出チップ3により右側方に押し出してキャビティ4内へ射出する射出動作を行うことにより、鋳造を行うのである。
【0035】
[ダイカスト装置30による減圧鋳造方法]
次に、図3を用いて、上記のダイカスト装置30による減圧鋳造プロセスについて説明する。
まず図3(a)に示す如く、ダイカスト装置30における溶湯の給湯時では、電磁ポンプ40の電磁力により溶湯5が汲み上げられ、給湯管41・42を介して給湯口6から射出スリーブ2内に溶湯5が供給される。
また、射出チップ3の射出方向側先端部は、給湯口6よりも手前の位置に配置されるようにして、給湯口6が完全に開放された状態とする。また、開閉バルブ23は閉じた状態とし、減圧は行われない状態とする。
【0036】
次に図3(b)に示す如く、ダイカスト装置30における減圧時では、開閉バルブ23が開かれ、キャビティ4の減圧が開始される。
【0037】
そして、図3(c)に示す如く、ダイカスト装置30における射出時には、射出チップ3の射出動作により、溶湯5が所定の減圧度が確保されたキャビティ4内へと射出される。この射出が行われる間も、開閉バルブ23が開かれることにより、キャビティ4の空気の吸引が継続される。
【0038】
このように、減圧工程において減圧手段によりキャビティ4内の空気を吸引した状態で、射出工程として溶湯5がキャビティ4内へ射出される。その後、射出チップ3が射出側に移動しきった後に、開閉バルブ23が閉じられて、減圧が終了した状態となる。さらに、キャビティ4内の製品が凝固したら、型開きをして製品の取り出しが行われる。
【0039】
また、射出完了後は、射出チップ3は図1に示す状態に引き戻されるが、この際に、射出スリーブ2内にゴミや溶湯5の欠片等が存在する場合には、これらが射出チップ3の背面によって押し戻されるようにして除去され、射出スリーブ2の開放端部2aから掻き出される。
【0040】
このように、射出チップ3の後退動作によって、射出スリーブ2内の内周面を清浄な状態とすることができる。そして、ゴミ等の除去により、次回の射出時においては不純物の混在を抑制することが可能となり、ひいては品質の向上を図ることができることとなる。
【0041】
本実施形態に係るダイカスト装置30においては、溶湯5の給湯量を電磁ポンプ40で制御するため、給湯精度を高めることが可能となる。具体的には、ラドルで汲み上げる溶湯の量を調節する構成と比較して、給湯誤差率を2%程度向上させることができたのである。
【0042】
また、本実施形態に係るダイカスト装置30においては、溶湯5が溶湯保持炉50から電磁ポンプ40及び給湯管41・42を介して射出スリーブ2内に給湯され、給湯時に溶湯5が大気に触れないように構成されている。このため、溶湯5の温度が低下することや、溶湯5に発生する酸化膜や溶解水素などのガスによって製品の品質が低下することを防止できる。具体的には、溶湯保持炉50における溶湯5の温度と給湯口6における溶湯5の温度との差を数度少なくすることができた。また、鋳造後の製品内におけるガス(水素系ガス及び窒素系ガス)の量を数分の一に低減させることができたのである。
【0043】
さらに、本実施形態に係るダイカスト装置30においては、給湯管41・42が、伸縮可能及び屈曲可能に形成された振動吸収部であるベローズ61cを備えた中継管61を介して、射出スリーブ2に連結される。これにより、ベローズ61cで射出スリーブ2における変形や振動を吸収するように構成されている。
【0044】
上記の如く、射出スリーブ2が使用によって熱による変形が生じたり、この変形により射出時に振動が発生したりしても、射出スリーブ2における変形や振動をベローズ61cで吸収する構成としているのである。即ち、給湯管41・42やその接合部が、射出時の摩耗や振動によって破損することを防止できるのである。
【0045】
さらに、本実施形態に係るダイカスト装置30においては、給湯管41・42は射出スリーブ2に対して直接連結されているため、給湯管41・42を別途支持する構成が不要となる。また、ベローズ61cを備えた中継管61は、給湯時における溶湯5の熱や、キャビティ4の減圧時における圧力に対して、充分な強度を有しており、それらによって破損することがないのである。
【0046】
即ち、本実施形態に係るダイカスト装置30によれば、簡易な構成で、製品の品質、射出スリーブ2への給湯精度、及び、耐久性を維持するとともに、射出時の摩耗や振動の影響を低減させることができるのである。
【0047】
また、本実施形態においては、中継管61における給湯管41・42の側である上端部は、給湯管41・42の中途部である、上側給湯管41と下側給湯管42の接続部分に連結され、給湯管41・42の他端部である下側給湯管42の下端部42bは、給湯口6の近傍に位置している。
【0048】
このように、給湯管41・42の下端部が射出スリーブ2の給湯口6の近傍にまで延びているため、射出スリーブ2内に給湯された際の溶湯5の飛散を防止することができる。また、中継管61は直接溶湯5に触れることがないため、中継管61を溶湯5の高熱から保護することができる。
【0049】
また、本実施形態においては、給湯管41・42の他端部である下側給湯管42の下端部42bは、溶湯5の射出方向である右側方に向かって屈曲して形成されている。これにより、溶湯5を射出スリーブ2の内部において射出方向と同じ方向(図1中の右側)に給湯することができ、溶湯5の飛散を防止できる。
【0050】
また、本実施形態においては、中継管61は、断熱部材71を介して射出スリーブ2に配設される。これにより、中継管61が射出スリーブ2の高熱にさらされることを防止することができ、中継管61の耐久性を向上させることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態においては、溶湯保持炉50は、溶湯5を大気から遮断した状態で溶湯を貯溜している。これにより、ダイカスト装置30の全体で溶湯5が大気にさらされることを防止し、鋳造製品の品質低下を防止できる。
【符号の説明】
【0052】
1 金型
2 射出スリーブ
3 射出チップ
4 キャビティ
6 給湯口
30 ダイカスト装置
40 電磁ポンプ
41 第一給湯管
42 第二給湯管
61 中継管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティが形成された金型と、
給湯口が形成され、前記キャビティに連通された射出スリーブと、
支持軸の先端部に配設されて、該支持軸を前記射出スリーブに挿通することにより、前記射出スリーブの内部を軸心方向に摺動可能に構成された、射出チップと、
前記キャビティ内に連通された、減圧手段と、
溶湯を内部に貯溜する溶湯保持炉と、
前記溶湯保持炉から溶湯を汲み上げるポンプと、
その一端が前記ポンプに接続されて、他端が前記給湯口に対向する箇所に位置する給湯管と、を具備し、
前記給湯管は、振動吸収部を備えた中継管を介して、前記射出スリーブに連結され、
前記ポンプにより前記溶湯保持炉から前記給湯管を介して前記射出スリーブ内に供給した溶湯を前記射出チップにより押し出して、前記減圧手段で減圧した前記キャビティ内へ射出する射出動作を行うことにより鋳造を行う、
ことを特徴とする、ダイカスト装置。
【請求項2】
前記中継管における前記給湯管側の端部は、前記給湯管の中途部に連結され、
前記給湯管の他端部は、前記給湯口近傍に位置する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のダイカスト装置。
【請求項3】
前記給湯管の他端部は、溶湯の射出方向に向かって屈曲する、
ことを特徴とする、請求項2に記載のダイカスト装置。
【請求項4】
前記中継管は、断熱部材を介して前記射出スリーブに配設される、
ことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のダイカスト装置。
【請求項5】
前記溶湯保持炉は、溶湯を大気から遮断した状態で溶湯を貯溜する、
ことを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のダイカスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−66896(P2013−66896A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205377(P2011−205377)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)