説明

ダイニング用LED照明ユニット

【課題】 ダイニングテーブル5における照明ユニットであって、料理を最も美味しく演出することができ、また時間帯、シチュエーション、用途によって、最適な照明環境を実現できるダイニング用LED照明ユニット1を提供する。
【解決手段】 ダイニング用LED照明ユニット1は、複数のライン照明用LED16を一列に配設した色温度の異なる少なくとも2のLEDライン照明12と、前記LEDライン照明12と比較して狭い範囲を照射する1又は複数の高輝度LED18からなるLEDスポット照明13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダイニング用LED照明ユニットに関し、特に、様々なシーンに合わせて適切な照明環境を作り出すことができるダイニング用LED照明ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅のダイニングテーブルでは、和洋中などの様々なジャンルの食事が提供される。また、朝食、昼食、夕食、ホームパーティーなどの様々なシチュエーションで食事がなされる。さらに、食事以外でも例えば子供の勉強や読書その他の趣味の作業台として用いられる場合もある。このようにダイニングテーブルは多様なシチュエーションで多様な用途に用いられるものである。したがって、ダイニングテーブルの照明は、シチュエーションに応じて、異なる好適な種類の光が求められる。
【0003】
2以上の異なる種類の光を発光可能な照明装置の一例としては、例えば、下向きに反射させる下側反射板101と、この下側反射板101の下方に配置され下側反射板101で反射光を生じさせる第1の光源102と、上記下側反射板101の上方に配置された上側反射板103と、これら下側反射板101と上側反射板103の間に配置され上側反射板103で反射光を生じさせる第2の光源104と、第1の光源102のみが点灯する第1の点灯状態、および第1の点灯状態における第1の光源102の光度よりも低い光度で第1の光源102が点灯しかつ第2の光源104が点灯する第2の点灯状態の間で点灯状態を切換可能な点灯状態切換手段とを備える照明装置100が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
この発明によると、点灯状態切換手段により第1の光源102のみが点灯する第1の点灯状態とすると、第1の光源102の放射光を、下側反射板で反射させた反射光でダイニングテーブル上に照射することになる。このため、ダイニングテーブル上の料理や食器に陰影を得ることができ、食感を増加させることができる。点灯状態切換手段により第2の点灯状態とすると、第1の点灯状態における第1の光源102の光度よりも低い光度で第1の光源102を点灯させ、かつ第2の光源104も点灯させる状態となる。このため、第1の光源102の放射光を弱めて下側反射板で反射させた光と、第2の光源104の放射光を、上側反射板103で反射させた光とをダイニングテーブル上に拡散して照射することになり、手くらがりになることもなく、学習用の照明として好適なものとなる。その結果、ダイニングテーブルを食事に用いる場合でも、学習に利用する場合でも、それぞれの利用に適切な照明条件でダイニングテーブル上を照明できる。
【0005】
また、2以上の異なる種類の光を発光可能な照明装置の別の例としては、例えば、蛍光ランプ201を有する照明装置本体202と、照明装置本体202の周縁にあって、照明装置本体202を取り付ける取付面203に垂直な方向を照射する下向き発光ダイオード204と、照明装置本体202の周縁にあって、照明装置本体202の周縁から外側の取付面203を照射する斜め上向き発光ダイオード205と、を備えることを特徴とする直付け照明装置200が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
この発明によると、蛍光ランプ201に加えて下向き発光ダイオード204と斜め上向き発光ダイオード205の光の組み合わせにより、多様な演出効果を発揮させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−59502号公報
【特許文献2】特開2009−16054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような照明装置100,200は、複数の種類の光を発することができ、いくつかのシチュエーションにおいては、好適な照明演出をすることができるが、上述したダイニングテーブルのように、食事のジャンル、時間帯やシチュエーション、用途などが多数ある場合には、上述の照明装置でも十分とはいえない。
【0009】
そこで、本発明はダイニングテーブルにおける照明ユニットであって、料理を最も美味しく演出することができ、また時間帯、シチュエーション、用途によって、最適な照明環境を実現できるダイニング用LED照明ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載のダイニング用LED照明ユニットは、複数のLEDを一列に配設した色温度の異なる少なくとも2のLEDライン照明と、前記LEDライン照明と比較して狭い範囲を照射する1又は複数のLEDからなるLEDスポット照明と、を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載のダイニング用LED照明ユニットは、前記LEDスポット照明は所定範囲内で照射角度を変更可能であることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載のダイニング用LED照明ユニットは、前記LEDスポット照明は平均演色評価数Raが80以上の高演色であることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載のダイニング用LED照明ユニットは、前記2のLEDライン照明が互いに平行に配設されるとともに、当該LEDライン照明の両端側にそれぞれ1以上の前記LEDスポット照明が配設されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載のダイニング用LED照明ユニットによると、LEDを一列に配設したLEDライン照明を備えるので、長寿命、省エネ、光源があまり発熱せず、廃棄する際にも環境負荷が小さい、小型高輝度、紫外線が含まれないなどのLEDの長所はそのまま生かしつつ、ムラのない、均斉度の高い照明を実現することができる。また、このダイニング用LED照明ユニットは、色温度の異なるLEDライン照明が少なくとも2つ配設されているので、これらのLEDライン照明を全て点灯する、いずれか一方を点灯する、いずれも点灯しない等の点灯パターンを変えることにより色温度や照度の異なる複数の光を提供することができる。
【0015】
さらに、請求項1に記載のダイニング用LED照明ユニットは、LEDライン照明と比較して狭い範囲を照射する1又は複数のLEDからなるLEDスポット照明を備えるので、ダイニングテーブルに載置された料理などを強い陰影のある光で照明することができ、料理を最も美味しく見せることができる照明を選択することができる。また、広い範囲を照明する必要がない場合は、例えば、1つのLEDスポット照明のみを点灯するなどして、消費電力を節約することもできる。
【0016】
請求項2に記載のダイニング用LED照明ユニットによると、LEDスポット照明が所定範囲内で照射角度を変更可能であるので、適切な角度でダイニングテーブルに載置された料理などに照明を当てることができる。
【0017】
請求項3に記載のダイニング用LED照明ユニットによると、LEDスポット照明の平均演色評価数Raが80以上の高演色であるので、ダイニングテーブルに載置された料理などの色をはっきり見せることができる。
【0018】
請求項4に記載のダイニング用LED照明ユニットによると、2つのLEDライン照明が互いに平行に配設されるとともに、これらLEDライン照明の両端にそれぞれ1以上のLEDスポット照明が配設されるので、LEDライン照明はダイニングテーブルの上方中央で広い範囲をムラなく照明することができ、両端に設けられたLEDスポット照明で、例えばダイニングテーブルに載置された料理を両側から照らすことができ、又は、両側のLEDスポット照明で2つ以上の別の料理をそれぞれ照らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ダイニング用LED照明ユニットを下側から見た図。
【図2】ダイニング用LED照明ユニットを側方から見た図。
【図3】ダイニング用LED照明ユニットのLEDスポット照明を説明する一部省略拡大図。
【図4】LEDスポット照明を照射したダイニング用LED照明ユニットの状態を説明する図。
【図5】LEDライン照明を照射したダイニング用LED照明ユニットの状態を説明する図。
【図6】従来の照明装置の一例を示す図。
【図7】従来の照明装置の別の実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、ダイニング用LED照明ユニット1の最良の実施形態について、各図を参照しつつ説明する。このダイニング用LED照明ユニット1は、図4及び図5によく表れているように、主に住宅のダイニングテーブル5上の天井2から吊下げられて設置されるものであるが、これに限られずリビングその他の多種多様な照明演出を必要とする場所に設置することができる。
【0021】
ダイニング用LED照明ユニット1は、図1及び図2に示すように、ダイニングの天井2に設けられたローゼット3に固定された2本の支持コード10と、この2本の支持コード10によって吊下げられる長手形状の枠体11と、この枠体11の中央部分に平行に埋め込まれる2本のLEDライン照明12と、このLEDライン照明12の両端側にそれぞれ2つずつ設置されるLEDスポット照明13と、外部から所定の信号の入力を受付ける赤外線センサ14と、外部から入力された所定の信号に基づいてこれらのLEDライン照明12及びLEDスポット照明13の点灯消灯を制御する制御部15と、により構成されている。
【0022】
2本の支持コード10は、一端がローゼット3に引っ掛けて固定可能な形状に形成されており、吊下げられた枠体11と、この枠体11に固定されるLEDライン照明12及びLEDスポット照明13とを支持できる強度を持った線状体である。この支持コード10は住宅の電気配線に接続されており、電力をこのダイニングLED用照明ユニット1に供給する役割も果たしている。枠体11は、樹脂又は金属で形成された直方体である。この枠体11の中央は下方に向かって開口されており、2本のLEDライン照明12が平行に収納されて例えば図示しないネジにより固定されている。
【0023】
LEDライン照明12は、長手形状の棒状基板19に多数のライン照明用LED16を一列に配設して構成されている。ダイニング用LED照明ユニット1は、色温度の異なる2本のLEDライン照明12が設けられている。高色温度LEDライン照明12aは例えば5000ケルビン程度の高い色温度の光を発光可能なライン照明用LED16が用いられており、低色温度LEDライン照明12bは例えば3000ケルビン程度の低い色温度の光を発光可能なライン照明用LED16が用いられている。このように高色温度LEDライン照明12aを昼間の太陽光に近い5000ケルビンとし、低色温度LEDライン照明12bをハロゲン電球に近い3000ケルビンとすることで、様々な用途、シチュエーションなどで適切な色温度の照明を提供することができるが、LEDライン照明12の発光色温度は上述のものに限定されるものではない。
【0024】
また、LEDライン照明12の数は、2本に限定されるものではなく、色温度の異なる3本以上のLEDライン照明12を用いれば、ダイニング用LED照明ユニット1をより多様な色温度に発光させることができる。なお、本実施形態においては、高色温度LEDライン照明12aと低色温度LEDライン照明12bとで、異なる色温度に発光するライン照明用LED16を用いたが、例えばライン照明用LED16自体は同じものを使用しつつ、このLEDライン照明12の照射面に異なる色温度に変換できるフィルムを貼付して、所望の色温度のLEDライン照明12を実現してもよい。
【0025】
LEDスポット照明13は、金属製の円筒体13aと、この円筒体13a内部に収納されて下方を照らす発光体13bと、この発光体13bを支持する支持アーム13cと、により構成されている。円筒体13aは、内部に収納された発光体13bの発光を下方に集光して、グレアの発生を抑制するものである。また、発光体13bは、円筒体13aに挿入されてこの円筒体13aを固定する円形基板17の下面に5個の高輝度LED18を環状に配置して構成されるものである。また、支持アーム13cは、上端が枠体11に固定されて枠体11から垂下されつつ発光体13bを支持するものである。この支持アーム13cには、図3に示すように、ユニバーサルジョイントが形成されており、円筒体13a及び発光体13bは所定範囲で揺動自在となっている。
【0026】
このLEDスポット照明13に用いられる高輝度LED18は、平均演色評価数Raが例えば80以上の高演色のものが用いられる。これによりこのLEDスポット照明13に照射されたものの色がより明確にわかる。なお、より好ましくは、この高輝度LED18の平均演色評価数Raが90以上の超高演色であることである。
【0027】
赤外線センサ14は、赤外線リモートコントローラであるシーンコントローラ4からの赤外線信号の入力を受付けるものである。シーンコントローラ4は、居住者の入力に基づいて、ダイニング用LED照明ユニット1の2本のLEDライン照明12、及び4個のLEDスポット照明13のそれぞれの点灯及び消灯のコマンドを赤外線センサ14に対して送信する。なお、このシーンコントローラ4は住宅に設置されている他の照明の点灯や消灯をも制御できるものである。
【0028】
制御部15は、赤外線センサ14が受信した赤外線信号に基づいて、ダイニング用LED照明ユニット1の2本のLEDライン照明12、及び4個のLEDスポット照明13のそれぞれの点灯及び消灯を制御するマイクロコンピュータである。なお、この制御部15は例えば2本のLEDライン照明12、及び4個のLEDスポット照明13に供給する電圧をコントロール可能なインバータ基盤で構成することができ、供給する電圧を増減させることにより、これらLEDライン照明12、及びLEDスポット照明13の光度を変化させ調光する機能を有していてもよい。
【0029】
以上のように構成されるダイニング用LED照明ユニット1は、上方からダイニングテーブル5を照射する。例えばフランス料理などのように立体的な料理を食べる時には、図4に示すように、LEDスポット照明13を点灯して、ダイニングテーブル5に載置した料理の陰影をより際立たせることができる。またこのLEDスポット照明13は、高輝度且つ高演色であるので、食材やソースの色をより明確に見せることができる。なお、本実施形態においてはLEDスポット照明13は片側2個ずつの計4個配設されているので、例えば4人で食事をする際には、それぞれの料理に1つずつのLEDスポット照明13が光を照射することができるが、このLEDスポット照明13の数は1以上の何個であってもよい。
【0030】
一方、和食などのように落ち着いた雰囲気が似合う料理を食べる時には、図5に示すように、LEDスポット照明13を消灯して、低色温度LEDライン照明12bを点灯することで、より柔らかい、ムラのない光で料理を照らすことができる。このようにダイニング用LED照明ユニット1を用いると、料理のジャンルに合わせて最適な照明方法を選択することができるので、料理をより美味しく演出することができる。
【0031】
また、例えば、朝食や昼食などには太陽光に近い高色温度LEDライン照明12aを用い、夕食には低色温度LEDライン照明12bを用いることで、朝昼にはよりさわやかな照明で交感神経を刺激して日中の活動に集中できるようにし、夕食はよりやわらかな照明で副交感神経を刺激してリラックスすることができるようにすることができる。
【0032】
さらに、上述のようなLEDスポット照明13とLEDライン照明12とを組み合わせることで、華やかな明かりを演出することができ、例えばホームパーティーなどにおいても、より好ましい照明環境を作ることができる。
【0033】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るダイニング用LED照明ユニット1は、例えば住宅のダイニングテーブル5を照射する照明として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 ダイニング用LED照明ユニット
12 LEDライン照明
13 LEDスポット照明
16 ライン照明用LED(LED)
18 高輝度LED(LED)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDを一列に配設した色温度の異なる少なくとも2のLEDライン照明と、
前記LEDライン照明と比較して狭い範囲を照射する1又は複数のLEDからなるLEDスポット照明と、を備えることを特徴とするダイニング用LED照明ユニット。
【請求項2】
前記LEDスポット照明は所定範囲内で照射角度を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載のダイニング用LED照明ユニット。
【請求項3】
前記LEDスポット照明は平均演色評価数Raが80以上の高演色であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイニング用LED照明ユニット。
【請求項4】
前記2のLEDライン照明が互いに平行に配設されるとともに、
当該LEDライン照明の両端にそれぞれ1以上の前記LEDスポット照明が配設されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のダイニング用LED照明ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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