説明

ダイヤル操作機構及び装置

【課題】 ダイヤル操作機構の占有面積を小さく抑えながら、誤操作が生じにくい構成とし、また操作対象の選択を容易にする。
【解決手段】 操作パネル10に中空のダイヤルリング12が回転可能に取付けられる。このダイヤルリング12の回転による操作対象として複数の操作対象が設定されており、その操作対象を選択するための複数の指定ボタン14A,14B,14C,14Dが前記ダイヤルリング12の径方向内側の領域に配設される。いずれかの指定ボタンが押圧操作されるとその指定ボタンに対応する操作対象が選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の操作パネルに設けられるダイヤル操作機構及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のインストゥルメントパネル等に設けられる操作機構として、回転操作可能なダイヤルノブを備え、このダイヤルノブを回すことによって特定の操作対象(例えばエアコンディショナーの風量やオーディオ機器の音量)を操作できるようにしたものが知られている。
【0003】
しかしながら、このようなダイヤル操作機構は、簡単かつ迅速に操作を行うことができるという利点を有する反面、例えば押しボタン式の操作機構に比べて占有面積が大きいという欠点がある。従って、複数の操作対象が存在する場合、その操作対象ごとに前記ダイヤル操作機構を操作パネルに設けることはスペース上困難となる場合が多い。
【0004】
そこで下記特許文献1には、前記ダイヤルノブを回転操作のみならず押圧操作も可能となるようにパネルに取付け、その押圧操作により、前記ダイヤルノブの回転による操作対象が切換わるように構成した装置が提案されている。この装置によれば、共通のダイヤルノブを複数の操作対象に利用することが可能になる。
【特許文献1】特開2003−54290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載される装置では、ダイヤルノブに対して回転操作と押圧操作の双方がなされるので、誤操作を招き易いという不都合がある。具体的には、ダイヤルノブを回転操作する際に誤って押圧してしまうことにより不用意に操作対象を切換えてしまったり、逆に押圧操作する際に誤ってダイヤルノブを回してしまうおそれがある。
【0006】
また、この装置はダイヤルノブを押圧操作する度に操作対象が順に切換わるものであるため、次の押圧操作によってどの操作対象を選択できるのかを把握しづらい。特に、切換可能な操作対象が多い場合には、所望の操作対象を選択するのに何度もダイヤルノブを押圧操作しなければならない不便も生じ得る。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、占有面積が小さい上に誤操作が生じにくく、かつ、操作対象の選択も容易なダイヤル操作機構及び当該ダイヤル操作機構を用いたダイヤル操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、操作パネルと、この操作パネルに回転可能に取付けられる中空のダイヤルリングとを備えるとともに、このダイヤルリングの径方向内側の領域に、当該ダイヤルリングの回転により操作される操作対象として予め設定されている複数の操作対象の中から所望のものを選択するために押圧操作を受ける複数の指定ボタンが当該操作対象ごとに設けられているものである。
【0009】
前記構成によれば、ダイヤルリングの内側にある指定ボタンのうち所望の操作対象に対応する指定ボタンを押圧操作するだけで当該操作対象を選択することができ、その状態で前記指定ボタンとは個別にダイヤルリングを回すことにより、その選択した操作対象の操作を行うことができる。従って、従来のように回転操作式のダイヤルノブを押圧操作することによって操作対象を切換えるものに比べて誤操作は生じにくく、またその操作対象の選択も容易である。しかも、前記各指定ボタンは中空のダイヤルリングの径方向内側の領域に設けられているので、操作機構全体の占有面積は小さい。
【0010】
本発明では、前記操作パネルに、前記ダイヤルリングの回転操作による操作内容を表示するための表示部が当該ダイヤルリングの外周面に沿って設けられていることが、より好ましい。この構成によれば、ダイヤルリングの回転操作角度に対応する操作内容の変化を使用者に分かり易く伝えることが可能になる。
【0011】
その場合、各指定ボタンの押圧操作により指定される操作対象の操作内容を表示するための表示部がその指定ボタンのダイヤルリング径方向外側の位置にそれぞれ設けられている配置とすれば、各指定ボタンにより選択される操作対象とその操作内容との関係をより明確に表示することが可能になる。
【0012】
また本発明は、前記ダイヤル操作機構と、前記ダイヤルリングの回転操作角度を検出する回転操作検出手段と、前記指定ボタンの押圧操作により選択される操作対象を検出する操作対象検出手段と、この操作対象検出手段により検出された操作対象について前記ダイヤルリングの回転操作角度に対応する制御信号を出力する信号出力手段とを備えたダイヤル操作装置である。
【0013】
この装置によれば、押圧操作を受けた指定ボタンに対応する操作対象について、前記ダイヤルリングの回転操作角度に対応する制御信号が信号出力手段からその制御対象に出力されることにより、当該操作対象についてのダイヤル操作が実現される。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、ダイヤル操作機構の占有面積を小さく抑えながら、誤操作が生じにくく、また操作対象の選択が容易な構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好ましい実施の形態を図1〜図4を参照しながら説明する。
【0016】
ここに示すダイヤル操作装置は、自動車用エアコンディショナーの風向モード、風量、及び設定温度を調節するためのものであり、そのダイヤル操作機構として、操作パネル10に設けられる中空のダイヤルリング12及び複数個(図例では4個)の指定ボタン(指定ボタン)14A,14B,14C,14Dを備えている。
【0017】
前記ダイヤルリング12は、略円筒状のリング本体16を有し、このリング本体16の後端外周面に外歯歯車18が形成されている。そして、前記リング本体16がその中心軸回りに回転可能となるように前記操作パネル10に取付けられている。詳しくは、前記操作パネル10に前方に開口するリング状の溝20が形成され、この溝20の内周壁22の外側に前記リング本体16が嵌め込まれることにより、当該リング本体16が操作パネル10側に回転可能に保持されている。
【0018】
なお、前記リング本体16の外周面と前記溝20の内周面との間にはリングカバー19が装着されている。また、リング本体16の外周面には回転操作を容易にするための滑り止め用凹凸16a(図3)が形成されている。
【0019】
前記内周壁22は中空円筒状をなしており、その径方向内側の領域すなわち前記ダイヤルリング12の径方向内側の領域に、前記各指定ボタン14A〜14Dがパネル前方から押圧操作可能となるように嵌め込まれている。
【0020】
これらの指定ボタン14A〜14Dは、3つの操作対象、すなわち、前記風向モード、風量、及び、設定温度のうち、前記ダイヤルリング12の回転により操作されるものを指定するためのものである。具体的に、指定ボタン14Bは、前記風向モードを指定するためのものであり、同様に前記指定ボタン14C,14Dはそれぞれ前記風量及び設定温度を指定するためのものである。また、指定ボタン14Aは、ダイヤル操作に関係なく各種操作対象を自動制御するモードを選択するためのものであり、換言すれば、ダイヤルリング12の回転操作により制御量が調節される操作対象を無しとするモードを選択するためのものである。
【0021】
これら指定ボタン14A〜14Dのうち、指定ボタン14Aは正面からみて円形状をなし、前記ダイヤルリング内側領域の中央部分に配設される。また、指定ボタン14B〜14Dは前記指定ボタン14Aとダイヤルリング12との間に残されたドーナツ状の領域を周方向に3等分した領域にそれぞれ配設されており、具体的には、指定ボタン14Bが中央上側領域に、指定ボタン14Cが左下領域に、指定ボタン14Dが右下領域に、それぞれ配設されている。すなわち、これらの指定ボタン14B〜14Dはダイヤルリング12の周方向に並ぶように配設されている。
【0022】
前記各指定ボタン14A〜14Dの裏面からは後方に一対の軸部14aが突設されている。一方、前記操作パネル10の溝内周壁22の内側部分には前記各指定ボタン14A〜14Dに対応して筒部24A,24B,24C,24Dが設けられており、これらの筒部24A〜24Dにそれぞれ前記軸部14aが前方から挿入されることにより、各操作パネル10が前記ダイヤルリング16の軸方向と平行な方向に移動可能となるように、換言すればパネル前方から押圧操作可能となるように当該操作パネル10に取付けられている。
【0023】
前記操作パネル10には、風向モード表示部26B、風量表示部26C、及び設定温度表示部26Dが設けられている。これらの表示部26B〜26Dは、前記ダイヤルリング12の周辺に位置し、当該ダイヤルリング12の外周面に沿って設けられている。具体的に、風向モード表示部26Bは当該風向モードを指定するための指定ボタン14Bのダイヤルリング径方向外側の位置(中央上側位置)に設けられ、同様に、風量表示部26Cは当該風量を指定するための指定ボタン14Cのダイヤルリング径方向外側の位置(左下位置)に設けられ、設定温度表示部26Dは当該設定温度を指定するための指定ボタン14Dのダイヤルリング径方向外側の位置(右下位置)に設けられている。
【0024】
各表示部26B〜26Dは、前記ダイヤルリング12の周方向に並ぶ複数個のランプ点灯窓27を有し、これらランプ点灯窓27のうちいずれの窓27から後述のようなランプ点灯を行うかによって現在の操作内容を表示するように構成されている。
【0025】
一方、前記操作パネル10の裏側には、図1に示すようなプリント回路基板30が配設されている。
【0026】
このプリント回路基板30には、前記各指定ボタン14A,14B,14C,14Dに対応して指定スイッチ34A,34B,34C,34Dが実装されている。これらの指定スイッチ34A〜34Dは、これに対応する指定ボタンが押圧操作されたときに当該指定ボタンの一方の軸部14aによって押圧される位置に配設されており、その押圧時にオン信号を出力するように構成されている。
【0027】
また、このプリント回路基板30において、前記各指定ボタン14A,14B,14C,14Dの裏側の位置には、それぞれ指定表示ランプ38A,38B,38C,38Dが設けられている。これらの指定表示ランプ38A,38B,38C,38Dは、前記各指定ボタン14A,14B,14C,14Dに対応して前記操作パネル10に設けられた導光筒部24A,24B,24C,24D(図1)を通じてそれぞれ対応する指定ボタンの照明を行う。
【0028】
また、このプリント回路基板30には、前記風向モード表示部26Bの各ランプ表示窓27に対応する位置にそれぞれ風向モード表示ランプ36Bが設けられている。同様に、前記風量モード表示部26Cの各ランプ表示窓27に対応する位置にそれぞれ風量表示ランプ36Cが設けられ、前記設定温度表示部26Dの各ランプ表示窓27に対応する位置にそれぞれ設定温度表示ランプ36Dが設けられている。
【0029】
さらに、プリント回路基板30には、前記ダイヤルリング12の回転操作角度を検出するためのロータリエンコーダ32が設けられ、このロータリエンコーダ32と前記ダイヤルリング12との間に当該ダイヤルリング12の回転を前記ロータリエンコーダ32の入力軸33に伝える回転伝達機構40が設けられている。
【0030】
この回転伝達機構40は、図例では、大歯車41及び小歯車42を一体に有するダイヤル側歯車44と、平歯車からなるエンコーダ側歯車46とを備えている。このうち、ダイヤル側歯車44は、その大歯車41が前記ダイヤルリング12の歯車18と噛合する位置で操作パネル10側の軸支部48(図2(b)参照)により回転可能に軸支されており、エンコーダ側歯車46は前記ダイヤル側歯車44の小歯車42と噛合する状態で前記ロータリエンコーダ32の入力軸33にこれと一体に回転するように結合されている。
【0031】
従って、前記ダイヤルリング12が回転操作されると、その回転がダイヤル側歯車44及びエンコーダ側歯車46を介して減速されながらロータリエンコーダ32の入力軸33に伝達され、当該入力軸33が回転するようになっている。
【0032】
前記プリント回路基板30には、さらに、図4に示すようなマイクロコンピュータ50が実装されている。このマイクロコンピュータ50は、同図に示すような指定判別部52、記憶部54、制御信号出力部56、及び表示制御部58を有している。
【0033】
前記指定判別部52は、前記各指定スイッチ34A〜34Dのうちのいずれの指定スイッチが操作されたか、換言すれば、前記各指定ボタン14A〜14Dのうちのいずれの指定ボタンが押圧操作されたかを判別する。
【0034】
記憶部54は、予め用意されている前記の3つの操作対象(風向モード、風量、設定温度)について、前記ダイヤルリング12の回転操作角度と操作内容との関係についての情報を記憶しており、当該情報を適宜制御信号出力部56に出力する。
【0035】
制御信号出力部56は、前記指定判別部52により判別された指定操作対象に関し、前記ロータリエンコーダ32により検出されるダイヤルリング12の回転操作角度に対応する制御信号を前記記憶部54の記憶情報を元に作成し、エアコンディショナーに出力する。
【0036】
表示制御部58は、前記各指定表示ランプ38A〜38Dのうち現在指定されている操作対象に対応するものを点灯させるとともに、その操作対象として風向モードが指定されている場合には現在選択されている風向モードを表示すべく風向モード表示ランプ36Bのうちの適当なものを点灯させ、前記操作対象として風量が指定されている場合には現在設定されている風量を表示すべく風量表示ランプ36Cのうちの適当なものを点灯させ、前記操作対象として設定温度が指定されている場合には現在の設定温度を表示すべく設定温度表示ランプ36Dのうちの適当なものを点灯させる。
【0037】
次に、このダイヤル操作装置の作用を説明する。
【0038】
まず、使用者により指定ボタン14A〜14Dのうちのいずれかが押圧操作されることにより、ダイヤルリング12の回転による操作対象が選択される。
【0039】
具体的に、指定ボタン14Bが押圧操作された場合には、これに対応する指定スイッチ34Bが操作されてオンに切換えられ、その信号がマイクロコンピュータ50に入力される。これにより、マイクロコンピュータ50は前記操作対象として風向モードが指定されたと判別し、指定表示ランプ38Bを点灯させて前記指定ボタン14Bを照明する。
【0040】
そして、この状態でダイヤルリング12が回転操作されると、その回転操作角度がロータリエンコーダ32により検出されて前記マイクロコンピュータ50に入力され、当該マイクロコンピュータ50はその回転操作角度に対応する風向モードに切換えるための制御信号をエアコンディショナーに出力するとともに、風向モード表示ランプ36Bのうち前記風向モードに対応するものを点灯させる。この風向モード表示ランプ36Bの位置は、前記ダイヤルリング12の回転操作方向と風向モードの切換順序とが整合するように設定することにより、使用者にとってより分かり易い表示を実現することができる。例えば、ダイヤルリング12を時計回り方向に回転させることにより風向モードが第1モード、第2モード、第3モード、…の順に切換えられる場合には、その時計回り方向に順に、第1モードに対応する表示ランプ、第2モードに対応する表示ランプ、第3モードに対応する表示ランプ、…を配列すればよい。
【0041】
一方、指定ボタン14Cが押圧操作された場合には、これに対応する指定スイッチ34Cが操作されてオンに切換えられ、その信号がマイクロコンピュータ50に入力される。これにより、マイクロコンピュータ50は前記操作対象として風量が指定されたと判別し、指定表示ランプ38Cを点灯させて前記指定ボタン14Cを照明する。
【0042】
このときは、前記マイクロコンピュータ50は前記ダイヤルリング12の回転操作角度に対応する風量を目標風量に設定するための制御信号をエアコンディショナーに出力するとともに、風量表示ランプ36Cのうち前記風量の大きさに対応するものを点灯させる。この風量表示ランプ36Cの位置も、前記ダイヤルリング12の回転操作方向と風量の増減とが対応するように設定しておくことが、より好ましい。例えば、ダイヤルリング12を反時計回り方向に回転させることにより風量が大きくなるように構成されている場合には、その反時計回り方向の上流側に小風量に対応するランプが位置し、下流側に大風量に対応するランプが位置するように配列すればよい。
【0043】
同様に、指定ボタン14Dが押圧操作された場合には、これに対応する指定スイッチ34Dが操作されてオンに切換えられ、その信号がマイクロコンピュータ50に入力される。これにより、マイクロコンピュータ50は前記操作対象として設定温度が指定されたと判別し、指定表示ランプ38Dを点灯させて前記指定ボタン14Dを照明する。
【0044】
このときは、前記マイクロコンピュータ50は前記ダイヤルリング12の回転操作角度に対応する目標温度を設定するための制御信号をエアコンディショナーに出力するとともに、風量表示ランプ36Dのうち前記設定温度に対応するものを点灯させる。この風量表示ランプ36Dの位置も、前記ダイヤルリング12の回転操作方向と設定温度の上下とが対応するように設定しておくことが、より好ましい。例えば、ダイヤルリング12を時計回り方向に回転させることにより設定温度が高くなるように構成されている場合には、その時計回り方向の上流側に低い設定温度に対応するランプが位置し、下流側に高い設定温度に対応するランプが位置するように配列すればよい。
【0045】
同様に、指定ボタン14Aが押圧された場合には、これに対応する指定スイッチ34Aが操作されてオンに切換えられ、その信号がマイクロコンピュータ50に入力されるが、これによりマイクロコンピュータ50は、自動制御モード(すなわち前記操作対象が無しのモード)が指定されたと判別し、指定表示ランプ38Aを点灯させて前記指定ボタン14Aを照明するとともに、前記ダイヤルリング12の回転操作角度に関係なく前記エアコンディショナーを自動制御モードに切換えるための制御信号を当該エアコンディショナーに出力する。このときは、表示ランプ36B〜36Dのいずれも点灯させない。
【0046】
このようなダイヤル操作装置によれば、ダイヤルリング12の径方向内側の領域に指定ボタン14A〜14Dを配設したコンパクトなレイアウトで、当該ダイヤルリング12を複数の操作対象に利用することができ、その操作性を高めることができる。しかも、各指定ボタン14A〜14Dは回転操作を受けるダイヤルリング12とは別に押圧操作されるものであって、誤操作は生じにくく、また、所望の操作対象に対応する指定ボタンを押すだけで当該操作対象を容易に選択することができる。
【0047】
なお、本発明では、ダイヤルリングや指定ボタンの具体的な形状や構造を問わず、種々の設定が可能である。その変形例を図5に示す。
【0048】
この例では、ダイヤルリング60が薄板状に形成され、その表面に多数の操作用凹部62が周方向に並設されており、いずれかの操作用凹部62に指等を押し当ててダイヤルリング60を回転操作することが可能となっている。また、このダイヤルリング60の径方向内側の領域には指定ボタン14A〜14Dが周方向に並ぶ4つの領域にそれぞれ設けられ、これら指定ボタン14A〜14Dのさらに径方向内側の領域(中央領域)に、表示部64が設けられている。
【0049】
また、本発明では必ずしも自動制御モードを含める必要はなく、必ずいずれかの操作対象が選択されるようにしてもよい。操作される機器も前記のようなエアコンディショナーに限られず、例えば、CDプレーヤー及びラジオを併有するオーディオ機器について、そのトラック選択、選局、音量調節等を共通のダイヤル操作機構で操作するといった場合にも本発明を有効に適用することができる。
【0050】
また本発明は、パネル上のダイヤルリング12を用いた直接手動操作と、リモコン装置を用いた遠隔操作とが選択的に行われる場合にも適用できることはいうまでもない。その場合、前記リモコン装置からマイクロコンピュータ50に送信される遠隔操作信号に基づいて当該マイクロコンピュータ50が直接制御信号を作成し、出力するようにしてもよいが、例えば前記ダイヤルリング12を回転させるモータを装備し、前記遠隔操作信号に対応する角度だけ前記ダイヤルリング12を回転駆動するように前記マイクロコンピュータ50が前記モータを作動させ、そのダイヤルリング12の回転角度に基づいて当該マイクロコンピュータ50が制御信号を作成するように構成すれば、使用者は、前記リモコン装置によって操作がなされていることを前記ダイヤルリング12の回転によって視覚的に確認することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係るダイヤル操作装置の分解斜視図である。
【図2】(a)は前記ダイヤル操作装置の正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図3】前記ダイヤル操作装置の組立斜視図である。
【図4】前記ダイヤル操作装置に設けられるマイクロコンピュータの機能構成及び入出力信号を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るダイヤル操作機構の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
10 操作パネル
12 ダイヤルリング
14A〜14D 指定ボタン
26B 風向モード表示部
26C 風量表示部
26D 設定温度表示部
30 プリント回路基板
32 ロータリエンコーダ(回転操作検出手段)
34B〜34D 指定スイッチ(操作対象検出手段)
50 マイクロコンピュータ(信号出力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルと、この操作パネルに回転可能に取付けられる中空のダイヤルリングとを備えるとともに、このダイヤルリングの径方向内側の領域に、当該ダイヤルリングの回転により操作される操作対象として予め設定されている複数の操作対象の中から所望のものを選択するために押圧操作を受ける複数の指定ボタンが当該操作対象ごとに設けられていることを特徴とするダイヤル操作機構。
【請求項2】
請求項1記載のダイヤル操作機構において、前記操作パネルに、前記ダイヤルリングの回転操作による操作内容を表示するための表示部が当該ダイヤルリングの外周面に沿って設けられていることを特徴とするダイヤル操作機構。
【請求項3】
請求項2記載のダイヤル操作機構において、前記ダイヤルリングの径方向内側の領域に複数の指定ボタンが当該ダイヤルリングの周方向に並ぶように配設されるとともに、各指定ボタンの押圧操作により指定される操作対象の操作内容を表示するための表示部がその指定ボタンのダイヤルリング径方向の外側の位置に設けられていることを特徴とするダイヤル操作機構。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤル操作機構と、前記ダイヤルリングの回転操作角度を検出する回転操作検出手段と、前記指定ボタンの押圧操作により選択される操作対象を検出する操作対象検出手段と、この操作対象検出手段により検出された操作対象について前記ダイヤルリングの回転操作角度に対応する制御信号を出力する信号出力手段とを備えたことを特徴とするダイヤル操作装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−59642(P2006−59642A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239551(P2004−239551)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】