説明

ダイヤ作成支援方法及びダイヤ作成支援システム

【課題】簡単な汎用システムによってダイヤ作成を可能とするダイヤ作成支援方法及びシステムを提供する。
【解決手段】駅間の運転時間と駅における停車時間とを規定する運行パターンデータを複数用意するステップと、列車の発車時刻及び到着時刻に関する採時を行う駅、又は、列車の発車時刻又は発車時刻に関する採時を行う駅を規定する採時パターンデータを複数用意するステップと、ユーザーに対して1つの運行パターンデータの選択を促すステップ(S102)と、ユーザーに対して1つの採時パターンデータの選択を促すステップ(S103)と、ユーザーに対して始発駅の発車時間の入力を促すステップ(S104)と、ユーザーによって選択された運行パターンデータと、ユーザーによって入力された始発駅発車時間とから時刻表を生成するステップ(S105)と、選択された採時パターンデータに基づいて時刻表示記号を描画するステップ(S106)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車運行に用いるダイヤ作成の支援を行うためのダイヤ作成支援方法、及びそのようなダイヤ作成支援方法に基づいて動作するダイヤ作成支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、列車ダイヤグラムの作成は、数値データ形式で別途蓄積された各列車の着発時刻等を含むダイヤグラムの時間管理データを参照しながら、ダイヤグラムの作成に熟練した者が、一つ一つの路線毎に一本一本手書きで行っていた。そして、手書きされたダイヤグラムの原稿を手作業で間違いが無いかを確認した後、各所に配布して利用していた。
【0003】
そこで、このような列車ダイヤグラムの作成支援をコンピューターに実行させるための技術が、種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2006−123747号公報)には、実施列車ダイヤの計画を支援または出力するシステムであって、複数日のダイヤデータを取得し、表示装置に取得した日付の列車情報を表示するともに、表示した列車情報の内で操作したい日付の指定を受付けることにより、運転実日での実施列車ダイヤ作成を支援する、実施列車ダイヤ計画支援・出力システムが開示されている。
【特許文献1】特開2006−123747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、列車ダイヤグラムを手作業で作成する場合には、ダイヤグラムの作成に熟練した者でないと作成できない、といった問題があった。また、人手による労力が中心であるため人為的なミスが発生し易い、という問題もあった。
【0006】
また、従来のコンピューターシステムによるダイヤ作成では、特定の路線に特化した大規模なシステムが必要となり、汎用性がない、などの問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、列車運行に用いるダイヤ作成の支援を行うダイヤ作成支援方法であって、駅間の運転時間と駅における停車時間とを規定する運行パターンデータを複数用意するステップと、列車の発車時刻及び到着時刻に関して採時を行う駅、又は、列車の発車時刻又は発車時刻に関して採時を行う駅を規定する採時パターンデータを複数用意するステップと、ユーザーに対して1つの運行パターンデータの選択を促すステップと、ユーザーに対して1つの採時パターンデータの選択を促すステップと、ユーザーに対して始発駅の発車時間の入力を促すステップと、ユーザーによって選択された運行パターンデータと、ユーザーによって入力された始発駅発車時間とから時刻表を生成するステップと、生成された時刻表に基づいて列車ダイヤを描画するステップと、ユーザーによって選択された採時パターンデータに基づいて時刻表示記号を描画するステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のダイヤ作成支援方法において、ユーザーに対して、1分目ダイヤ描画又は2分目ダイヤ描画のいずれの描画を行うかに係る選択を促すステップをさらに有し、前記生成された時刻表に基づいて列車ダイヤを描画するステップでは、ユーザーによる1分目ダイヤ描画又は2分目ダイヤ描画のいずれかの選択に対応した描画を行うことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の方法を用いたことを特徴とするダイヤ作成支援システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るダイヤ作成支援方法及びダイヤ作成支援システムによれば、人手によることがなく、簡便にダイヤ作成を行うことが可能となる。また、本発明に係るダイヤ作成支援方法及びダイヤ作成支援システムによれば、特定の路線に特化した専用のコンピューターシステムを用いることなく、簡単な汎用システムによって、ダイヤ作成を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムを実行させるシステム構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムで用いられる運行パターンデータ210のデータ構造を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムで用いられる採時パターンデータ220のデータ構造を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムの利用方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおける時刻表生成処理を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムによるダイヤ描画例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおける描画処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおける駅線の描画処理例を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおける駅線の描画処理例を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムによって描画される時刻表示記号(2分目ダイヤ用)を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムによって描画される時刻表示記号(1分目ダイヤ用)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムを実行させるシステム構成の一例を示す図である。図1において、10はシステムバス、11はCPU(Central Processing Unit)、12はRAM(Random Access Memory)、13はROM(Read Only Memory)、14は外部情報機器との通信を司る通信制御部、15はキーボードコントローラなどの入力制御部、16はディスプレイコントローラなどの出力制御部、17は外部記憶装置制御部、18はキーボード、ポインティングデバイス、マウスなどの入力機器からなる入力部、19はLCDディスプレイなどの表示装置や印刷装置からなる出力部、20はHDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置である。
【0013】
図1において、CPU11は、ROM13内のプログラム用ROM、或いは、大容量の外部記憶装置20に記憶されたプログラム等に応じて、外部機器と通信することでデータを検索・取得したり、また、図形、イメージ、文字、表等が混在した出力データの処理を
実行したり、更に、外部記憶装置20に格納されているデータベースの管理を実行したり、などといった演算処理を行うものである。
【0014】
また、CPU11は、システムバス10に接続される各デバイスを統括的に制御する。ROM13内のプログラム用ROMあるいは外部記憶装置20には、CPU11の制御用の基本プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)等が記憶されている。また、ROM13あるいは外部記憶装置20には出力データ処理等を行う際に使用される各種データが記憶されている。RAM12は、CPU11の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0015】
入力制御部15は、キーボードや不図示のポインティングデバイスからの入力部18を制御する。また、出力制御部16は、LCDディスプレイ等の表示装置やプリンタなどの印刷装置の出力制御を行う。
【0016】
外部記憶装置制御部17は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタドライバ等を記憶するHHD(Hard
Disk Drive)や、或いは場合によってはフレキシブルディスク(FD)等の外部記憶装置20へのアクセスを制御する
また、通信制御部14は、ネットワークを介して、外部機器と通信を制御するものであり、これによりシステムが必要とするデータを、インターネットやイントラネット上の外部機器が保有するデータベースから取得したり、外部機器に情報を送信したりすることができるように構成される。
【0017】
外部記憶装置20には、CPU11の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)以外に、本発明のダイヤ作成支援方法をCPU11上で動作させるシステムプログラム、及びこのシステムプログラムで用いるデータなどがインストールされ保存・記憶されている。本実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおいては、アプリケーションプログラムとして外部記憶装置20に表計算ソフトウエア(マイクロソフト社製のエクセルなど)がインストールされ、同ソフトウエアが提供する機能を利用している。
【0018】
本発明のダイヤ作成支援方法を実現するシステムプログラムで利用される特有のデータとしては、運行パターンデータ210、採時パターンデータ220があり、これらデータが外部記憶装置20に保存されていることが想定されているが、場合によっては、これらのデータを通信制御部14を介してインターネットやイントラネット上の外部機器から取得するように構成することも可能である。
【0019】
次に、以上のように構成される本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムの構成において、外部記憶装置20に記憶される運行パターンデータ210、採時パターンデータ220についてより詳しく説明する。
【0020】
運行パターンデータ210は、駅間の運転時間と、駅における停車時間とを規定するものであり、本実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおいては、この運行パターンデータ210が複数用意されている点に特徴を有している。すなわち、本実施形態に係るダイヤ作成支援システムでは、複数用意されている運行パターンデータ210から1つを選択して、ダイヤ描画に供するようにしている。以下、運行パターンデータ210として、3つ用いられる場合について説明するが、設ける運行パターンデータ210の数に特段の制限はない。
【0021】
図2は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムで用いられる運行パターンデー
タ210のデータ構造を示す図である。本実施形態に係るダイヤ作成支援システムでは、運行パターンデータ210として、第1運行パターン、第2運行パターン、第3運行パターンの3つを有している。
【0022】
図2(A)に示される第1運行パターンは、朝ラッシュ帯・夕ラッシュ帯以外の時間帯における運行パターンであり、列車の混雑度は高くなく、停車時間などが比較的短い場合に適用されるものである。また、図2(B)に示される第2運行パターンは、朝ラッシュ帯における運行パターンであり、列車の混雑度が非常に高く、停車時間などが特に長い場合に適用されるものである。また、図2(C)に示される第3運行パターンは、夕ラッシュ帯における運行パターンであり、列車の混雑度がある程度高く、停車時間などが長い場合に適用されるものである。
【0023】
図2(A)を例にとり、運行パターンデータ210のデータ構造について説明する。本実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおける運行パターンデータ210では、仮想的な路線の下り線を想定している。より具体的には、運行パターンデータ210は、始発駅であるA駅から終着駅であるH駅までの計8つの駅を列車が運行する場合のパターンを規定するものである。なお、本実施形態では、このような下り線についての運行パターンデータ210について説明するが、上り線についても同様の考え方を適用することが可能である。
【0024】
運行パターンデータ210では、A駅〜H駅における駅間の運転時間を規定する「運転時分」、A駅〜H駅のそれぞれの駅における停車時間を規定する「停車時分」、ある駅を出発してから次の駅を出発するまでの時間である「表定時分」、ある駅に到着するまでの積算時間である「累計時間」、A駅〜H駅における「キロ程」が記憶されるものとなっている。
【0025】
「表定時分」は、「運転時分」と「停車時分」との和として表すことができ(例えば、A駅の行における2:35は運転時分2:15と停車時分0:20との和として表すことができる)、「累計時間」も「運転時分」と「停車時分」とから計算することができるので、運行パターンデータ210において、実質的に独立的に規定される時間は「運転時分」と「停車時分」である。
【0026】
次に、本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムの構成において、外部記憶装置20に記憶される採時パターンデータ220について説明する。図3は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムで用いられる採時パターンデータ220のデータ構造を示す図である。採時パターンデータ220は、列車の発車時刻及び到着時刻に関する採時を行う駅、又は、列車の発車時刻(又は到着時刻)に関する採時を行う駅を規定するものである。本実施形態にダイヤ作成支援システムにおいては、このような採時パターンデータ220を複数用意しておき、複数の採時パターンから1つを選択して、ダイヤ描画のために利用するようにしていることを特徴点として挙げることができる。図3に示される採時パターンデータ220においては、採時パターンが予め3つ用意されている例について説明しているが、設ける採時パターンの数に特段の制限はない。
【0027】
本実施形態にダイヤ作成支援システムにおいては、採時パターンデータ220における採時パターンとして、第1採時パターン、第2採時パターン、第3採時パターンの3つを有している。採時パターンデータ220は、より詳しくは、どの駅のどのタイミング(発車のタイミング、又は到着のタイミング)で、採時を行うかを規定するものである。
【0028】
図3の第1採時パターンでは、A駅における発車時の採時、D駅における発車時のみの採時、H駅における到着時の採時を規定している。また、図3の第2採時パターンでは、
A駅における発車時の採時、D駅における発車時及び到着時の採時、H駅における到着時の採時を規定している。また、図3の第3採時パターンでは、A駅における発車時の採時、D駅における発車時及び到着時の採時、F駅における発車時及び到着時の採時、H駅における到着時の採時を規定している。上記のような採時パターンデータ220は、ダイヤグラムを描画する際に、時刻表示記号を付する駅を特定するために利用される。
【0029】
次に、以上のように構成されるダイヤ作成支援システムの利用方法を説明する。図4は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムの利用方法を説明するためのフローチャートを示す図である。図4において、ステップS100で、ダイヤ作成支援システムのプログラムが開始されると、続く、ステップS101では、ユーザーはシステムにより、1分目表記又は2分目表記(1分目ダイヤ描画又は2分目ダイヤ描画)のいずれかを選択するように促される。ここでは、ユーザーによって、選択がなされたものとしてフローを継続する。
【0030】
なお、1分目ダイヤとは時刻線が1分刻みであるダイヤグラムであり、2分目ダイヤとは時刻線が2分刻みであるダイヤグラムである。
【0031】
次のステップS102においては、ユーザーに対して、ダイヤグラムの作成時、適用すべき運行パターンデータの選択を行うように促す。このステップでは、ユーザーは、運行パターンデータ210に記憶されている3つの運行パターンデータのうちから、1つを選択する。ここでは、ユーザーによって、運行パターンデータの選択がなされたものとしてフローを継続する。
【0032】
次のステップS103においては、ユーザーに対して、ダイヤグラムの作成時、適用すべき採時パターンの選択を行うように促す。このステップでは、ユーザーは、採時パターンデータ220に記憶されている3つの採時パターンのうちから、1つを選択する。ここでは、ユーザーによって、採時パターンの選択がなされたものとしてフローを継続する。
【0033】
ステップS104では、始発駅の発車時刻を入力するようにユーザーに対して促す。ユーザーは、始発駅であるA駅を何時に出発させるダイヤを作成したいかを勘案して、このステップにおいて発車時刻を入力する。ここでは、ユーザーによって、発車時刻の入力がなされたものとしてフローを継続する。
【0034】
次のステップS105では、選択された運行パターンデータと、入力された始発駅の発車時刻から時刻表を生成する処理が実行される。ここで、このステップで時刻表生成処理をどのように行うかについて具体的な例示をもとに説明する。図5は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおける時刻表生成処理を説明する図である。なお、以下の具体例では、運行パターンデータとして、第1運行パターンが選択され、採時パターンデータとして、第1採時パターンが選択され、始発駅の発車時刻として、5:02:00が入力された例に基づいて説明する。
【0035】
時刻表生成処理では、始発のA駅における発車時刻5:02:00に、第1運行パターンにおける運転時分2:15を加算することによって、B駅到着時刻5:04:15を得る。さらに、この駅到着時刻5:04:15に到着時刻に、停車時分0:20を加算することで、B駅発車時刻5:04:35を得る。ステップS105においては、以下、同様の計算を繰り返すことによって、運行パターンデータと始発駅発車時刻とから、図5に示すような時刻表を生成する。
【0036】
続くステップS106においては、生成した時刻表に基づいて、出力部19(表示装置)に列車線を描画する処理のサブルーチンを実行する。このようなサブルーチンに基づい
た描画例が図6に示すものである。図6は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムによるダイヤ描画例を示す図である。なお、描画処理サブルーチンの詳細については後に説明する。
【0037】
次のステップS107においては、さらに追加の列車線を描画するか否かが判定される。ユーザーが、さらに列車線をダイヤに追加描画したいような場合には、当該ステップの判定はYESとされて、ステップS102に戻り、これまで説明した一連のステップを繰り返すことで、新たな列車線を追加描画する。
【0038】
ステップS107における判定がNOである場合には、例えば、ステップS108に進み、出力部19(印刷装置)を用いて、ダイヤを印刷出力する処理を実行し、ステップS109に進み、フローを終了する。
【0039】
次に、本実施形態に係るダイヤ作成支援システムによる描画処理サブルーチンについて説明する。図7は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおける描画処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。以下、フローチャートと共に、実際のダイヤ描画の手順を説明するが、図5の時刻表に基づいて、図6のダイヤを作成する場合を例にとり説明する。
【0040】
図7において、ステップS200において、描画処理サブルーチンが開始されると、続いてステップS201に進み、時刻線、駅線が既に描画済みであるか否かが判定される。
【0041】
ステップS201における判定がNOであるときにはステップS202に進み、時刻線、駅線も含めて描画を行うステップS202乃至ステップS208を実行する。一方、ステップS201における判定がYESであるときにはステップS209に進み、時刻線、駅線の描画は省略されるステップS209乃至ステップS213を実行する。なお、ステップS209乃至ステップS213の処理については、ステップS202乃至ステップS208の処理の一部を省略した処理であるので、詳しい説明を省略する。
【0042】
ステップS202におけるユーザー選択に応じて、1分目ダイヤ又は2分目ダイヤのいずれかの時刻線を描画する。なお、本例においては、ユーザーが1分目ダイヤを選択したものとする。
【0043】
続くステップS203においては、始発駅(始点;5:02:00のポイント)と始発駅の駅線aを描画する。
【0044】
次のステップS204においては、終着駅(終点;5:16:10のポイント)と終着駅の駅線hを描画する。
【0045】
次のステップS205においては、始点(5:02:00のポイント)と終点(5:16:10のポイント)との間に列車線を描画する。
【0046】
次のステップS206においては、描画された列車線に合わせて、始発駅、終着駅以外の駅線の上下間隔を調整し描画する。ここで、駅線をどのように調整して描画するかについて、図面を参照して説明する。図8及び図9は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムにおける駅線の描画処理例を説明する図である。ステップS206を実行する前段階では、既に時刻線と列車線とが描画されており、既定のものとなっている。ここで、例えば、5:06:00にX駅を通過することが、ステップS105で生成した時刻表から分かっているものとすると、5:06の時刻線と、列車線との交点を通るようにX駅の駅線を描画する(図8に示す描画例を参照のこと)。
【0047】
一方、例えば、5:07:30にY駅を通過することが、ステップS105で生成した時刻表から分かっているものとすると、5:07の時刻線と5:08の時刻線との間の中間線と、列車線との交点を通るようにX駅の駅線を描画する(図9に示す描画例を参照のこと)。
【0048】
次のステップS207においては、ユーザーによって選択された採時パターンに合わせて、時刻表示記号を描画する。例えば、採時パターンデータとして、第1採時パターンが選択された場合には、A駅の駅線、D駅の駅線、H駅の駅線に時刻表示記号が描画されることとなる。ここで、時刻表示記号とは、ダイヤグラム上において、2分目ダイヤにおいては15秒単位を、また、1分目ダイヤにおいては10秒単位を明示するために利用される記号であり、採時駅においては、このような15秒単位、10秒単位などの細かい単位での表記が要求されるために利用されるものである。以下、ステップS207において、ダイヤ作成支援システムによって描画される時刻表示記号について説明する。
【0049】
図10は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムによって描画される時刻表示記号であり、2分目ダイヤに利用される時刻表示記号を説明する図である。時刻表示記号は列車線と駅線との交点から延びるようにして表記されるものである。
【0050】
図10(A)は「00秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0051】
図10(B)は「15秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0052】
図10(C)は「30秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0053】
図10(D)は「45秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0054】
図10(E)は「00秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0055】
図10(F)は「15秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0056】
図10(G)は「30秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0057】
図10(H)は「45秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0058】
また、図11は本発明の実施形態に係るダイヤ作成支援システムによって描画される時刻表示記号であり、1分目ダイヤに利用される時刻表示記号を説明する図である。
【0059】
図11(A)は「00秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0060】
図11(B)は「10秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0061】
図11(C)は「20秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0062】
図11(D)は「30秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0063】
図11(E)は「40秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0064】
図11(F)は「50秒」を明示するために利用される時刻表示記号である。
【0065】
サブルーチンに戻り、ステップS208においては、必要に応じて、列車番号等の情報をダイヤグラム中に追記し、ステップS214で、元のルーチンにリターンする。
【0066】
以上のような本発明に係るダイヤ作成支援方法及びダイヤ作成支援システムによれば、人手によることがなく、簡便にダイヤ作成を行うことが可能となる。また、本発明に係るダイヤ作成支援方法及びダイヤ作成支援システムによれば、特定の路線に特化した専用のコンピューターシステムを用いることなく、簡単な汎用システムによって、ダイヤ作成を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0067】
10・・・システムバス、11・・・CPU(Central Processing Unit)、12・・・RAM(Random Access Memory)、13・・・ROM(Read Only Memory)、14・・・通信制御部、15・・・入力制御部、16・・・出力制御部、17・・・外部記憶装置制御部、18・・・入力部、19・・・出力部、20・・・外部記憶装置、210・・・運行パターンデータ、220・・・採時パターンデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車運行に用いるダイヤ作成の支援を行うダイヤ作成支援方法であって、
駅間の運転時間と駅における停車時間とを規定する運行パターンデータを複数用意するステップと、
列車の発車時刻及び到着時刻に関して採時を行う駅、又は、列車の発車時刻又は発車時刻に関して採時を行う駅を規定する採時パターンデータを複数用意するステップと、
ユーザーに対して1つの運行パターンデータの選択を促すステップと、
ユーザーに対して1つの採時パターンデータの選択を促すステップと、
ユーザーに対して始発駅の発車時間の入力を促すステップと、
ユーザーによって選択された運行パターンデータと、ユーザーによって入力された始発駅発車時間とから時刻表を生成するステップと、
生成された時刻表に基づいて列車ダイヤを描画するステップと、
ユーザーによって選択された採時パターンデータに基づいて時刻表示記号を描画するステップと、を有することを特徴とするダイヤ作成支援方法。
【請求項2】
ユーザーに対して、1分目ダイヤ描画又は2分目ダイヤ描画のいずれの描画を行うかに係る選択を促すステップをさらに有し、
前記生成された時刻表に基づいて列車ダイヤを描画するステップでは、ユーザーによる1分目ダイヤ描画又は2分目ダイヤ描画のいずれかの選択に対応した描画を行うことを特徴とする請求項1に記載のダイヤ作成支援方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の方法を用いたことを特徴とするダイヤ作成支援システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−140273(P2011−140273A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2224(P2010−2224)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(592145268)ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 (53)
【Fターム(参考)】