説明

ダニ駆除装置

【課題】蜜蜂を傷つけることなく巣箱内のダニを減少させることができるダニ駆除装置を提供する。
【解決手段】本発明は、巣脾枠を収容する巣箱本体内の底板上に配されるダニ駆除装置11において、ダニを通過可能な網13a及び該網13aを底板上面から所定高さで配するための柱体13cからなる網本体13、並びに前記網13aの下に離間して配される粘着シート12からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容易に蜜蜂の巣箱内のダニを駆除することができるダニ駆除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、蜜蜂を利用して蜂蜜を得る養蜂は、女王蜂を中心とする数千〜数万匹の蜜蜂の群を用いて行われている。蜜蜂の飼育は、内部に複数の巣脾枠を有する巣箱が使用されている。そして、近年は、採蜜以外に、果物、野菜等のハウス栽培において、植物の交配のために蜜蜂を利用して行われることが多くなってきている。
【0003】
ところで、蜜蜂に特有の疾病として、ミツバチに寄生するダニによって引き起こされるミツバチへギイタダニ感染症(バロア病:Varroa disease)が知られている。かかる感染症により、蜜蜂の幼虫・成虫の発育障害が生じ、場合により死亡を引き起こす。ミツバチへギイタダニを駆除するための駆除剤として、ピレスロイド系の殺ダニ剤としてフルバリネートを主成分とする駆除剤(商品名アピスタン)及びアミジン化合物系の殺ダニ剤としてアミトラズを主成分とする駆除剤(商品名アピバール)が知られている。しかしながら、それらの駆除剤は、安全性の観点から、例えば採蜜時期に用いることができない等、用法・用量が厳しく制限され、容易に散布することができないという問題があった。また、ダニが薬剤に対し耐性を獲得するという問題も生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−290809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば、特許文献1に開示される天然成分からなる駆除剤も知られている。しかしながら、特許文献1の駆除剤は、天然成分からなるため安全性は高いが、殺虫能力が弱く、また、香気成分が養蜂物に移る可能性があるという問題があった。一方、ダニの大きさは、2mm程度であるため直接蜜蜂の体からダニを捕獲することは蜜蜂を傷つけるおそれもあり困難である。
【0006】
本発明は、簡易な装置により、蜜蜂を傷つけることなく巣箱内のダニを減少させることができることを発見したことに基づく発明である。
本発明の目的とするところは、蜜蜂を傷つけることなく巣箱内のダニを減少させることができるダニ駆除装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、巣脾枠を収容する巣箱本体内の底板上に配されるダニ駆除装置において、ダニを通過可能な網部及び該網部を底板上面から所定高さで配するための柱部からなる網本体、並びに前記網部の下に離間して配される粘着シートからなることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のダニ駆除装置において、前記網部は、1.8mmを超え、且つ4.5mm以下の網目で構成されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のダニ駆除装置において、前記網本体の側部に前記粘着シートを出し入れするためのシート挿入口が設けられている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のダニ駆除装置において、前記シート挿入口の高さ方向の長さは、2.5〜4.5mmである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のダニ駆除装置において、前記網本体上面における巣箱本体の底板上面からの高さは、5〜8.5mmである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蜜蜂を傷つけることなく巣箱内のダニを減少させることができるダニ駆除装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態のダニ駆除装置の斜視図。
【図2】(a)本実施形態のダニ駆除装置の平面図、(b)本実施形態のダニ駆除装置の正面図、(c)本実施形態のダニ駆除装置のA−A断面図。
【図3】巣箱本体の斜視図。
【図4】巣箱本体、並びに巣箱本体内に収容される巣脾枠及びダニ駆除装置の斜視図。
【図5】巣箱本体のB−B断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のダニ駆除装置を具体化した実施形態を説明する。
本発明のダニ駆除装置11は、図1,2に示されるようにダニを捕獲するための粘着シート12、及び粘着シート12を上からカバーするための網本体13から構成される。粘着シート12の形状は、特に限定されないが、好ましくは、後述する巣箱本体の底板上面に配することができる形状に構成される。より好ましくは、巣箱本体内に配される巣脾枠の真下全てを覆う大きさの長方形状に構成される。粘着シート12の上面には、ダニを捕獲することができる粘着性を有する粘着面12aと粘着性を有しない把持部としての非粘着面12bが形成されている。粘着面12aは、空気接触下において、経時的に粘着性が急速に低下しない構成であれば、公知の構成、例えば市販のシール類、ステッカー類、及びテープ類の接着面を適宜採用することができる。また、粘着面12aは、市販の接着剤、並びに粘度の高い液体、例えば油性成分、界面活性剤及び増粘剤含有溶液をシート上に塗布することにより構成してもよい。粘度の高い液体を用いた場合であっても、ダニが粘着面12aから容易に脱出することはできず、蜜蜂への再付着を防止することができる。非粘着面12bは、シート交換の際、把持するために粘着シート12の上面一端側に形成される。粘着シート12の材質は、特に限定されず、例えば紙類、プラスチックフィルム、及び金属箔等のいずれも採用することができる。
【0013】
網本体13は、図2に示されるように蜜蜂が粘着シート12に接触しないように粘着シート12の粘着面12aを上からカバーする。網本体13は、網部としての網13aと該網13aの周辺部を保持する枠体13b、及び枠体13bの下部に固定される平板U字状の柱部としての柱体13cから構成される。網13aは、ダニを通過可能な所定の網目13dから構成される。網13aの網目13dの形状は特に限定されないが、例えば図2(a)の拡大図に示されるように平織を用いることにより、網目の強度及び網目の形状の保持性を向上させることができる。網目13dの大きさは、ダニが通過する大きさが採用される。しかしながら、網目13dが大きすぎると、蜜蜂が誤侵入するおそれがある。正方形状の網目13dが用いられる場合、網目13dの開口部一辺の大きさ(W)は、1.8mmを超え、且つ4.5mm以下の範囲が好ましい。また、ダニの通過を確実にするとともに、蜜蜂の歩行に影響を与えない観点から、1.9〜4mmの範囲がより好ましい。また、ダニの通過を確実にするとともに、巣脾から落下する破片(ゴミ)の侵入を防止する観点から、1.9〜2.5mmの範囲がさらに好ましい。網13aの材質は、特に限定されず、金属線から構成される金網、合成繊維から構成されるネットのいずれで構成されてもよい。
【0014】
枠体13bは、網13aの端縁部を保持することにより、網13aの強度を向上させる。枠体13bの形状は、網13aの強度を向上させる形状であれば特に限定されないが、好ましくは図2(a)に示されるように網13aの端縁部全てを保持するように平板四角枠状に形成される。枠体13bの上面と網13aの端縁部は、公知の固定手段、例えば接着剤及びテープ類を用いて接着固定される。また、金属同士の接着であれば、例えばはんだ及び溶接を用いて固定することもできる。
【0015】
柱体13cは、網本体13が巣箱本体の底板上面に置かれた際、網13aと粘着シート12が接触しないように、網13aを底板上面から所定高さに配する役割を有する。柱体13cは、平板U字状に構成され、枠体13bの下面に沿って固定される。固定方法は、枠体13bと網13aの固定方法を適宜採用することができる。図1,2に示されるように、網本体13の側部には、柱体13cの一側面の開口部により、シート挿入口13eが形成される。本実施形態において、シート挿入口13eは、柱体13cの両端部間によって幅方向が形成され、柱体13cの一側面の開口部における枠体13bの下面と巣箱本体の底板上面によって高さ方向が形成される。シート挿入口13eの高さ方向の長さ(h)は、粘着シート12の取り換えを容易にするとともに、シート挿入口13eからの蜜蜂の侵入を防止する観点から、好ましくは2.5〜4.5mm、より好ましくは3〜4.3mm、さらに好ましくは3.5〜4.1mmの範囲に規定される。枠体13b及び柱体13cの材質は特に限定されず、合成樹脂製でも金属製のいずれで構成されてもよい。
【0016】
前記網本体13の高さ(t)(巣箱本体の底板上面から網13a上面までの高さ)は、好ましくは5〜8.5mm、より好ましくは5.5〜8mm、さらに好ましくは5.8〜7mmである。網本体13の高さが5mm未満であると、網13aと粘着シート12が接触しやすくなる。一方、網本体13の高さ8.5mmを超えると網本体13が巣箱本体内に配された際、巣枠の下面に接近し、蜜蜂の巣箱本体内の移動が制限されるおそれがある。
【0017】
上記のように構成されたダニ駆除装置11は、図3〜5に示されるように、巣箱本体14内に配されることにより使用される。
図3〜5に示されるように、木製の巣箱本体14は、一対の相対向する長壁14aと一対の相対向する短壁14bとそれらの下端部を閉塞する底板14cとにより四角箱状に形成され、一対の長壁14a及び一対の短壁14bの上端縁により上面開口部が構成されている。四角板状をなす一対の支持板15は一対の短壁14b側の底板14cの裏面に取り付けられている。当接板16は巣箱本体14の上面開口部よりやや下方位置に、巣箱本体14の全周にわたって突設され、一対の係止板17は前記一対の短壁14bの内側面の対向位置に接合されている。
【0018】
図4に示されるように、通気口18は短壁14bの中央位置にそれを貫通して四角形状に形成され、その貫通部分には蜜蜂が巣箱本体14から外へ逃げ出せない程度の大きさの網目を有する網が張着されている。尚、通気口18は、一対の短壁14bの両方に形成されても、片方に形成されてもいずれでもよい。そして、その通気口18から巣箱本体14内の通気を行うことができるようになっている。尚、通気口18の下部に図示しない巣門が形成され、そこから蜜蜂が巣箱本体14から出入りするようになっている。
【0019】
図4に示されるように、巣脾枠19は四角枠状の木製の巣枠20に、ミツバチの巣穴の元となるハニカム構造が薄く圧印された蜜蝋を主原料とするシート状の巣礎を張り付けたもの(巣礎枠)に、ミツバチが自ら分泌する蜜蝋でハニカム構造の巣穴を盛り上げていった巣房21で構成されている。一対の係止片22は巣脾枠19の巣枠20の上端部両側に突出形成され、巣脾枠19が巣箱本体14内に収容されたとき、係止片22が巣箱本体14内の一対の係止板17にそれぞれ係合して巣脾枠19を巣箱本体14内の所定位置に保持するようになっている。一対の突片23は、巣枠20の上部側面の対角線上に位置するように設けられている。そして、複数枚の巣脾枠19を巣箱本体14内に収容したとき、突片23が隣接する巣脾枠19の上部側面に当接して巣脾枠19間に所定間隔を保持するようになっている。巣脾枠19の枚数は、特に限定されず、巣箱本体14の大きさ及び蜜蜂の群の大きさにより適宜決定される。
【0020】
本実施形態のダニ駆除装置11は、図5に示されるように、粘着シート12及び網本体13が巣箱本体14の底板14c上に配される。また、図4,5に示されるように、網本体13のシート挿入口13eの幅方向と巣脾枠19の長さ方向は、略平行になるように配される。それにより、巣脾枠19全てを取り出すことなく、底板14c上の粘着シート12を取り出すことができる。網本体13の下に粘着シート12が配された際、図2に示されるように粘着シート12の非粘着面12bは、シート挿入口13eからその一部がはみ出すように配されることが好ましい。それにより、粘着シート12を取り出す際、網本体13を動かすことなく、非粘着面12bを把持し、粘着シート12を取り出すことができる。
【0021】
図4に示されるように、巣箱本体14内にダニ駆除装置11及び巣脾枠19がそれぞれ収容された後、四角形状の木製の蓋体24の下端縁が、巣箱本体14の当接板16の上面に当接して、嵌合することにより巣箱本体14の上部開口部を閉塞する。図5に示されるように、粘着シート12及び網本体13が巣箱本体14の底板14c上に配され、その上に巣脾枠19が配された際、巣脾枠19の下面と網本体13の上面との距離Sは、蜜蜂の歩行を妨げない観点から好ましくは6mm以上、より好ましくは7mm以上、さらに好ましくは9mm以上である。
【0022】
上記のように構成された本実施形態のダニ駆除装置11の作用について説明する。
巣箱本体14内に収容されたダニ駆除装置11は、蜜蜂の飼育中に所定期間放置される。蜜蜂の体にバロア病の原因となるミツバチへギイタダニが付着している場合、ダニは、蜜蜂の翅のはばたき等により蜜蜂から落下することがある。蜜蜂から落下したダニは、捕獲されることがなければ、巣箱本体14内を移動し、蜜蜂に再付着する。本実施形態のダニ駆除装置11は、蜜蜂の体から落下したダニを捕獲する。粘着シート12の粘着面12aによって、ダニは捕獲されるため、ダニが蜜蜂に再付着するおそれがない。それにより、蜜蜂の体に付着するダニの数を減少させることができる。本実施形態のダニ駆除装置11が巣箱本体14内においてダニを捕獲する際、粘着シート12には、上から網本体13がカバーされるため、蜜蜂自身が粘着シート12に付着することはない。ダニが付着した粘着シートは定期的に交換される。新しい粘着シート12は、図1の矢印に示されるように、シート挿入口13e内へ挿入される。
【0023】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態のダニ駆除装置11は、巣脾枠19を収容する巣箱本体14内の底板14c上に配され、粘着シート12及び該粘着シート12を上からカバーする網本体13から構成される。網本体13は、ダニを通過可能な網13a及び該網13aを底板14c上面から所定高さで配するための柱体13cから構成される。したがって、ダニ駆除装置11を巣箱本体14内に配置するのみで、蜜蜂を傷つけることなく巣箱内のダニを捕獲し、減少させることができる。
【0024】
(2)本実施形態のダニ駆除装置11は、網本体13の側部にシート挿入口13eが形成されている。したがって、網本体13を移動させることなく、粘着シート12を容易に取り換えることができる。
【0025】
(3)本実施形態のダニ駆除装置11は、駆除剤を使用することなく、蜜蜂に付着するダニの数を減少させることができる。したがって、安全性を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0026】
・上記実施形態において、柱体13cは、平板U字状に構成される。しかしながら、柱体13cの形状は、網本体13が巣箱本体14の底板14c上面に置かれた際、網13aと粘着シート12が接触しないように、網13aを底板14c上面から所定高さに配することができれば、いかなる形状であってもよい。例えば、直線板状・棒状に構成してもよく、枠体13bの下面に突起状に設けてもよい。
【0027】
・上記実施形態において、柱体13cは、網13aの下面に対して固定してもよい。
・上記実施形態において、粘着シート12は、分割して複数枚に構成してもよい。
・上記実施形態のダニ駆除装置11は、枠体13b及びシート挿入口13eを設けずに構成してもよい。
【0028】
・上記実施形態のダニ駆除装置11が配される巣箱は、特に限定されず、ダニ駆除装置11を配置可能な底板を有するタイプであれば、いかなる種類・大きさの巣箱に対しても使用することができる。
【実施例】
【0029】
以下に実施例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験例1:ダニ駆除装置11の網目13dの大きさの検討>
図1〜5に示されるダニ駆除装置11及び巣箱本体14を使用した。ダニ駆除装置11の網本体13は全て金属で構成するとともに、粘着シート12は、上面一端側に把持部としての非粘着面12bを設けたシールを使用した。網13aにおける網目13dの開口部一辺の大きさ(W)を下記表1に示されるように変えて構成し、巣箱本体14内に収容して一定期間使用した。その際、蜜蜂の網目13d通過の有無、ダニの網目13d通過の有無、及び巣脾枠19からの破片(ゴミ)の網目13dにおける通過量について観察した。
【0030】
【表1】

表1に示されるように、網目13dの開口部一辺の大きさ(W)は2mm程度が最も好ましいことが分かった。
【0031】
<試験例2:ダニ駆除装置11のシート挿入口13eの大きさの検討>
図1〜5に示されるダニ駆除装置11及び巣箱本体14を使用した。シート挿入口13eにおける高さ方向の長さ(h)を下記表2に示されるように変えて構成し、巣箱本体14内に収容して一定期間使用した。その際、蜜蜂のシート挿入口13eからの侵入の有無、及び網本体13を移動させずにシート挿入口13eから粘着シート12を出し入れする際の容易性について評価した。
【0032】
【表2】

表2に示されるように、シート挿入口13eにおける高さ方向の長さ(h)は4mm程度が最も好ましいことが分かった。
【0033】
<試験例3:ダニ駆除装置11の高さの検討>
図1〜5に示されるダニ駆除装置11及び巣箱本体14を使用した。網本体13の高さ(t)(巣箱本体14の底板14c上面から網13a上面までの高さ)を下記表3に示されるように変えて構成し、巣箱本体14内に収容して一定期間使用した。その際、巣脾枠19の下面と網本体13の上面との間における蜜蜂の歩行の容易性、及び網本体13を移動させずにシート挿入口13eから粘着シート12を出し入れする際の容易性について評価した。
【0034】
【表3】

表3に示されるように、網本体13の高さ(t)は6mm程度が最も好ましいことが分かった。また、巣脾枠19の下面と網本体13の上面との距離(S)はより好ましくは9mm以上あれば蜜蜂の移動を妨げないことが分かった。
【0035】
<試験例4:ダニ駆除装置11の使用によるダニ捕獲数>
図1〜5に示されるダニ駆除装置11を巣箱本体14内で使用し、ダニの捕獲数を毎日調べた。粘着シートはダニをカウント後、新しいものに取り換えた。ダニ駆除装置11において、網目13dの開口部一辺の大きさ(W)は2mm、シート挿入口13eにおける高さ方向の長さ(h)は4mm、網本体13の高さ(t)は6mm、巣脾枠19の下面と網本体13の上面との距離(S)は9mmとした。結果を表4に示す。
【0036】
【表4】

表4に示されるように、ダニ駆除装置を使用した試験番号14〜16の群は、使用日数が経過するに従いダニの捕獲数が減少していくことが確認された。併せて、蜜蜂自身に付着しているダニの減少も確認された。一方、ダニ駆除装置を使用しない試験番号17,18の群は、感染症により群の消滅又は減少が確認された。ダニ駆除装置を使用することにより、殺虫剤を使用することなくダニの繁殖の抑制、防除、及び蜂の群維持効果が期待できることが確認された。
【0037】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。(a)前記ダニ駆除装置が巣箱本体内の底板上に配された際、巣脾枠の下面と網本体の上面との距離Sは、6mm以上である前記ダニ駆除装置。
【符号の説明】
【0038】
11…ダニ駆除装置、12…粘着シート、13…網本体、13a…網、13b…枠体、13c…柱体、13d…網目、13e…シート挿入口、14…巣箱本体、14c…底板、19…巣脾枠。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巣脾枠を収容する巣箱本体内の底板上に配されるダニ駆除装置において、
ダニを通過可能な網部及び該網部を底板上面から所定高さで配するための柱部からなる網本体、並びに前記網部の下に離間して配される粘着シートからなることを特徴とするダニ駆除装置。
【請求項2】
前記網部は、1.8mmを超え、且つ4.5mm以下の網目で構成されている請求項1に記載のダニ駆除装置。
【請求項3】
前記網本体の側部に前記粘着シートを出し入れするためのシート挿入口が設けられている請求項1又は請求項2に記載のダニ駆除装置。
【請求項4】
前記シート挿入口の高さ方向の長さは、2.5〜4.5mmである請求項3に記載のダニ駆除装置。
【請求項5】
前記網本体上面における巣箱本体の底板上面からの高さは、5〜8.5mmである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のダニ駆除装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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