説明

ダンボール紙筒及びその製造方法

【課題】 強い強度を持ちながら軽量で衝撃吸収力、防音性、断熱性に優れ、100%再資源化が可能なダンボールの長所を生かしたを連続生産することにより、安価に製造出来また長さを自由に調整できる製造できるダンボール紙筒とその製造方法を提供する。
【解決手段】 内側に螺旋状に巻かれたライナー紙3と、フルート面1に塗布された接着剤により接着され外側に螺旋状に巻かれた片面ダンボール2から構成され、回転する中心棒6にライナー紙3を螺旋状に巻巻き取り、その外側にライナー紙3と片面ダンボール2の接合部の位置をずらして片面ダンボール2を巻き取りフルート1面に塗布された接着剤で接着される、接着されたダンボール紙筒は中心棒から連続的に押し出され完成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は100%再資源化が可能なダンボール紙を使用し、強い強度を持ちながら軽量で衝撃吸収力、防音性、断熱性に優れ、ダンボール特徴である2重構造を有しながら円形、3角形、4角形、5角形、楕円など多様な断面を持つダンボール紙筒に関し、またそのダンボール紙筒を連続的に製造することにより安価で長さも自由に調整できる製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化問題などにより、再資源化が可能で環境負荷の少ない材料を使用した製品が求められている、そこでダンボールなどの100%再利用が可能な材料を使用し、また出来るだけ使用量を少なくしながら十分な機能を有した製品の開発が急務である。
【0003】
また、ダンボールの主な使用例として、箱型ケースなど多種多様な形状のダンボールはあるが、連続的に製造することにより安価に製造でき、ダンボール特徴である2重構造を有しながら円形、3角形、4角形、5角形、楕円など多様な断面を持つダンボールはなかった。
【0004】
また、近年ダンボール価格の低下と競争の激化などにより、他社のダンボール製品とデザイン面の差別化が必要となっている、しかしながら箱型ケース以外の形状を安価に製造することは難しかった。
【0005】
そこで紙を貼り合わせて作る紙筒があるが、高い強度を得る為には重量がかなり重くなり、材料も大量に必要であり、なおかつダンボールの特徴である2重構造である為に強い強度を持ちながら軽量で衝撃吸収力、防音性、断熱性に優れるという性能もないか劣っている。
【0006】
上述した問題の解決を図るため、以下に示すような「ダンボール紙筒及びその製造方法」が提案されている。
【0007】
特開平11−277644号公報には、片面ダンボールを使用し円筒形を形成しスプールやボビン用の素材として「片面ダンボール製紙筒及びその製造方法」が開示されている。(特許文献1)
【0008】
【特許文献1】特開平11−277644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明品は、上述した従来技術とは異なる独自の構造と、製造方法を採用することにより強い強度を持ちながら軽量で衝撃吸収力、防音性、断熱性に優れ、ダンボール特徴である2重構造を有しながら円形、3角形、4角形、5角形、楕円など多様な断面を持つことにより高いデザイン性を有したダンボール紙筒を提供することを目的とする。更には連続して製造することにより安価に製造することを可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は内側に螺旋状に巻かれたライナー紙とライナー紙の外側に螺旋状に巻かれた片面ダンボールから構成され、ライナー紙の接合部と片面ダンボールの接合部の位置をずらしてフルート面に塗られた接着剤により接着され、ダンボール特有の2重構造を有しながら高い強度を持つ構成を採用した物である。ただし外側の片面ダンボールは強度を増加する為に2重3重と増やしていくことも出来る、また内側のライナー紙と外側の片面ダンボールの構成を逆にして内側に片面ダンボール外側にライナー紙とする事も可能である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、回転する中心棒にライナー紙を接合部に隙間ができない様に螺旋状に巻き取り、その外側にライナー紙の結合部と片面ダンボールの結合部の位置がずれる様にフルート面に接着剤を塗布された片面ダンボールを接合部に隙間ができない様に螺旋状に巻き取り接着する、また外側の片面ダンボールを2重の構成にする時は1重目の片面ダンボールの接合部と2重目片面ダンボールの接合部の位置をずらして螺旋状に巻き取り接着する、3重4重も同じ手順とする。その様に接着され構成されたダンボール紙筒は中心棒より押し出されて完成する。これらの製造工程が連続して行われる為に安価に製造できまたダンボール紙筒の長さも自由に設定する製造方法を採用する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、ダンボールを巻きつける中心棒を、断面が円形、3角形、4角形、5角形、楕円などに交換することにより、中心棒の断面に合わせた多様な断面を有すダンボール紙筒製造する製造方法を特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、ダンボール紙筒に使用される片面ダンボールはダンボール紙を波型に成型したフルートの波の頂点のラインに接着剤を塗りライナー紙に接着した物であり、そのフルートの波の頂点のラインと同方向には滑らかに曲げることは出来ない、しかし波の頂点のラインと直角の方向には滑らかに曲げることが出来る、そこで片面ダンボールを中心棒に螺旋状に巻き取った時にダンボール紙筒の表面が滑らかな曲面になる様に中心棒の長辺と螺旋状に巻き取られた片面ダンボールのフルートの波の頂点のラインが平行になるよう、あらかじめ片面ダンボールを製造する時点でライナー紙にフルートを接着する時、フルートの波の頂点のラインとライナー紙に適切な角度を付けて片面ダンボールを製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上の様に、請求項1に記載の発明によれば、内側に螺旋状に巻かれたライナー紙とフルート面に接着剤を塗布された片面ダンボールを接着し構成されたダンボール紙筒は断面が円形、3角形、4角形、5角形、楕円などの形状になっているにもかかわらずダンボールの特徴である2重構造を保持したまま強い強度を持ち軽量で衝撃吸収力、防音性、断熱性に優れ、再生可能な資源である為環境負荷の非常に少ないという顕著な効果を奏する。
【0015】
また請求項2に記載の発明によれば、回転する中心棒にライナー紙を接合部に隙間ができない様に螺旋状に巻き取り、その外側にライナー紙の結合部と片面ダンボールの結合部の位置がずれる様にフルート面に接着剤を塗布された片面ダンボールを接合部に隙間ができない様に螺旋状に巻き取り接着する、接着したダンボール紙筒を中心棒から押しだして完成する。その製造工程が連続して行われることによりダンボール紙筒を安価に製造する事ができ、また自由な長さに調整する事が出来るという顕著な効果を奏する。
【0016】
また請求項3に記載の発明によれば、ダンボールを巻きつける中心棒を、断面が円形、3角形、4角形、5角形、楕円などに交換することにより、中心棒の断面に合わせた多様な断面を有すダンボール紙筒を製造する事ができる、その為従来にはないデザイン性の高いケースや、また内部に梱包される収納対象物品の形状に合わせた紙筒、ケースを安価に提供できるという顕著な効果を奏する。
【0017】
ダンボール紙筒に使用される片面ダンボールのフルート部は波の頂点のラインと同方向には滑らかに曲げることは出来ない、しかし波の頂点のラインと直角の方向には容易に滑らかに曲げることが出来る、そこでライナー紙の上に片面ダンボールを螺旋状に巻いたときフルート部の波の頂点のラインと中心棒の頂点のラインが平行になるように、あらかじめ片面ダンボールのフルート部の波の頂点のラインに角度を付けておく、このことにより断面が円形、3角形、4角形、5角形、楕円など多様な断面のダンボール紙筒の表面は非常に滑らかになるという顕著な効果を奏する。
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参酌しながら説明する。
【0019】
図1は、円形断面ダンボール紙筒の実施形態である、内側に螺旋状にまかれたライナー紙3とフルート1面に接着剤が塗布され螺旋状に巻かれ接着された片面ダンボール2から構成されておりフルート1により、内側のライナー紙3と外側の片面ダンボール2の間には均一幅の空気層を有している、またライナー紙3と片面ダンボール2は滑らかな曲線を持ち円形断面を形成するダンボール紙筒を示している。
【0020】
図2は、円形断面ダンボール紙筒の断面図であり、内側のライナー紙3と外側の片面ダンボール2の間にはフルート1により均一幅の空気層を有している、またライナー紙3と片面ダンボール2は滑らかな曲線を持ち円形断面を形成している。
【0021】
図3は円形断面ダンボール紙筒の第1製造工程として、回転する中心棒6にライナー紙3をライナー紙の接合部5に隙間が発生しない様に螺旋状に巻き取る製造工程を示している。
【0022】
図4は円形断面ダンボール紙筒の第2製造工程として、回転する中心棒6に螺旋状に巻きつけられたライナー紙3にライナー紙3の接合部5と片面ダンボール2の接合部4の位置をずらして、フルート部1の面に接着剤が塗布された片面ダンボール2を接合部4に隙間が派生しない様に螺旋状に巻きつけ接着する。接着されたダンボール紙筒は中心棒6から連続的に押し出され完成する製造工程を示している。ただし内側のライナー紙3と外側の片面ダンボール2が入れ替わって内側に片面ダンボール2と外側にライナー紙3の構成となっても良い。
【0023】
図5はダンボール紙筒に使用される片面ダンボール2のフルート面1から見た平面図である、フルート1はダンボール紙を波状に成型しライナー紙3に接着剤で貼り付けた物であり断面から見た波の頂点のライン8と直角方向にしか滑らかに曲げることが出来ない、その為に片面ダンボール2を中心棒6に螺旋状に巻き取った時に表面が滑らかな曲面になるように螺旋状に巻き取られた片面ダンボール2のフルート1の頂点のライン8と中心棒6の長辺が平行になるように片面ダンボール2を構成するライナー紙に対してフルート1の頂点のライン8を適切な角度に接着しておく片面ダンボール2を示している。
【0024】
図6は3角形断面ダンボール紙筒の製造工程の斜視図である、円形断面の中心棒6を3角形断面の中心棒7に交換し図3、図4と同様の製造工程を経て3角形断面のダンボール紙筒を製造する事が可能である。また3角形断面の中心棒7を4角形、5角形、楕円などの中心棒に交換することによりデザイン性に優れ、収納対象物品に合わせた形状のダンボール紙筒を製造することができる製造方法を示している。
【0025】
図7は第2実施形態として図4で示した様に内側のライナー紙3と同一方向に外側に片面ダンボール2を螺旋状に巻きつけるとは逆方向に内側のライナー紙3と片面ダンボール2が交差する様に片面ダンボール2を巻きつけて接着する実施形態を示している。図7の実施形態は連続的に製造することは出来ないが、より強度の高いダンボール紙筒を製造することが出来る。
【0026】
図8はダンボール紙筒の外側の片面ダンボール2を2重にすることにでより強度の高いダンボール紙筒を製造する製造方法の斜視図である。図3、図4で製造されたダンボール紙筒の片面ダンボール2の外側に2重目の片面ダンボール8を片面ダンボール2の接合部4と2重目の型面ダンボール8の接合部9との位置をずらして2重目の型面ダンボール8を螺旋状に巻き取り接着し2重のダンボール紙管となる製造方法を示している。更に3重、4重のダンボール紙筒を製造するには同じ製造工程を繰り返す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 円形断面ダンボール紙筒の実施形態を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す円形断面ダンボール紙筒の実施形態を示す断面図である。
【図3】 図1に示す円形断面ダンボール紙筒の第1工程を示す斜視図である。
【図4】 図1に示す円形断面ダンボール紙筒の第2工程を示す斜視図である。
【図5】 ダンボール紙筒に使用する片面ダンボールを示すフルート面から見た平面図である。
【図6】 3角形断面ダンボール紙筒の第2工程を示す斜視図である。
【図7】 円形断面ダンボール紙筒の第二実施形態を示す斜視図である
【図8】 2重ダンボール紙筒の製造方法の斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 フルート
2 片面ダンボール
3 ライナー紙
4 片面ダンボール接合部
5 ライナー紙接合部
6 円形断面中心棒
7 3角形断面中心棒
8 2重目片面ダンボール
9 2重目片面ダンボール接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンボール紙筒は、内側の螺旋状に巻かれたライナー紙とライナー紙の外側に螺旋状に巻かれた片面ダンボールを片面ダンボールのフルート面に塗られた接着剤によって接着されたダンボール紙筒。ただし断面が円形の円管が基本であるが3角形、4角形、楕円などの多様な断面を持つ構成にする事も可能なダンボール紙筒。
【請求項2】
ダンボール紙筒の製造方法は、回転する断面が円形の中心棒にライナー紙を螺旋状に巻き取り、次にその外側にフルート面に接着剤を塗った片面ダンボールをライナー紙の接合部と片面ダンボールの接合部の位置がずれる様に螺旋状に巻き取り接着する、接着された片面ダンボールを連続的に中心棒から押し出して完成する。ただし。内側のライナー紙と外側の片面ダンボールが入れ替わり内側に片面ダンボール外側にライナー紙になっても良い。
【請求項3】
ダンボール紙筒の第二製造方法として製造時にライナー紙と片面ダンボールを巻き取る中心棒を3角形、4角形、楕円などの多様な断面を持つ中心棒に交換することにより、その中心棒の断面の形状に合わせた多様な断面のダンボール紙筒を製造する事ができる。
【請求項4】
ダンボール紙筒に使用される片面ダンボールはダンボール紙を波型に成型したフルートの波の頂点のラインに接着剤を塗りライナー紙に接着した物であり、そのフルートの波の頂点のラインと同方向には滑らかに曲げることは出来ない、しかし波の頂点のラインと直角の方向には滑らかに曲げることが出来る、そこで片面ダンボールを中心棒に螺旋状に巻き取った時にダンボール紙筒の表面が滑らかな曲面になる様に中心棒の長辺と螺旋状に巻き取られた片面ダンボールのフルートの波の頂点のラインが平行になるよう、あらかじめ片面ダンボールを製造する時点でライナー紙にフルートを接着する時、フルートの波の頂点のラインとライナー紙に適切な角度を付けて片面ダンボールを製造する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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