説明

チェーンコンポーネントをアセンブルしてチェーンにするためのデバイス及びシステム

【課題】放射線源チェーンを連結するためのデバイス及びシステムを提供する。
【解決手段】少なくとも2つのチェーンコンポーネントは、放射性放射線源19を含む。デバイスは、筐体と、この筐体の第1軸に沿って延びるワーキングチャネルと、このワーキングチャネルに接続され且つチェーンコンポーネントマガジン用の少なくとも2つの収容デバイスと、収容されたマガジンからチェーンコンポーネントをイジェクトする少なくとも1つの手段とを含むローディングユニットと、チェーンコンポーネントを連結するための連結ユニットを備え、少なくとも1つの収容デバイスは、放射線源マガジンを収容するように構成される。少なくとも2つの収容デバイスは、そこに収容されるチェーンコンポーネント用マガジンが第1軸に沿って間隔が空けられ且つ前記ワーキングチャネル上方に垂直に配置されるように、配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年2月12日に出願された欧州特許出願No. 10153447.7からの優先権を主張し、その全体がここに参照取り込みされる。
【0002】
本発明は、チェーンコンポーネントをアセンブルして、放射線源を含むチェーンにするためのデバイス及びシステムに関する。このデバイスの用途は、放射線源及びスペーサーから作られる、前立腺癌の治療のためのチェーンの製造に向けられている。
【背景技術】
【0003】
癌患者、特に前立腺癌患者内に放射線源から作られるチェーン、すなわちいわゆるシードをインプラントすることが知られている。この目的では、単一の放射線源が使われたり、例えば放射線源と非アクティブスペーサーを交互に並べることによって予め構成されたシードチェーンが使われたりする。単一の放射線源をインプラントすることにより、単一の放射線源を適切な手段を用いて個別に配置することが可能になる。インプランテーションの後の前立腺の炎症性拡大や、その後の腫れにより、放射線源の位置が移動又はシフトする場合がある。放射性チェーンは、この位置シフトを防ぐ。なぜなら、放射性チェーンは、個別のインプラントを互いに連結するからである。
【0004】
新たな医療検査は、腫瘍を治療する際に、患者に個別に合わせた放射線治療を続けることが最高の結果に繋がるということを示している。こうするためには、個別の放射線源の位置は、各患者に対して正確に調節しなければならない。
【0005】
WO 2009/005528 A1は、隣接したインプラントを有する5つの異なるマガジンから自由に構成可能なシード-スペーサーチェーンを連結するためのデバイスを開示する。チェーンは、個別のインプラントを順にはめ込むことにによって連結される。マガジンは、スライダーを横方向にワーキングチャネルに向けて移動させることによって選択される。このスライダーは、個別のマガジンを収容するために使用される。しかしながら、スライダーを用いることによるこのような選択は、非常に複雑である。なぜなら、マガジンを有するスライダー及び選択されたチェーンコンポーネントを収容するためのワーキングチャネルは、常に位置合わせをやり直さなければならない。これは、デバイス内でのコンポーネント詰まりに容易に繋がりうる。さらに、マガジンは、透明ポリマーで形成されるので、パッケージの状態又はローディングデバイス内への挿入後にのみ、耐放射線性を有する。このため、マガジンの内容量は、約20の放射線源に制限される。
【0006】
US 7,025,717 B2は、2つの隣接したインプラントを有する2つのマガジンを有し、放射線源及びスペーサーの自由に構成可能なアセンブリを可能にするデバイスについて説明する。しかしながら、インプラントは、固定されるチェーンに接続されていない。
【0007】
US 6,454,696 B1は、連続配置される円形マガジンについて説明する。ここでは、放射線源及びスペーサーは、マガジン回転軸の周りに同心円状に配置される。しかしながら、この配置は、この発明のデザインのために、後側のマガジンからの個別のインプラントが前側のマガジンを通じて押されなければならないという不利点を有する。種々のマガジンを通じて押すことは、デバイスの詰まりを引き起こす。これは、手で直さなければならない。種々のマガジンを通じてチェーンコンポーネントを押しこむことは、6,358,195B1から知られている。
【発明の概要】
【0008】
従って、放射線源チェーンを連結するためのデバイス及びシステムを提供し、個別の放射線治療にこだわりつつ、ユーザーフレンドリーな方法でシードをインプラントする機会を担当の手術スタッフに与えることが本発明の目的である。ユーザーフレンドリーは、ここではユーザーためのデバイス操作及び最適な放射線防護に関連するものと理解される。従って、チェーンコンポーネントをアセンブルしてチェーンにするデバイスが提案され、少なくとも1つのチェーンコンポーネントは、少なくとも1つの放射線源からなる。このデバイスは、筐体及びその第1軸に沿って延びるワーキングチャネルを含む。このデバイスは、前記ワーキングチャネルと連結され且つチェーンコンポーネントマガジン用の少なくとも2つの収容デバイスを有するローディングユニットも含む。少なくとも1つの収容デバイスは、放射線源マガジンを収容するように構成され、前記の収容されたマガジンからチェーンコンポーネントをイジェクトする少なくとも1つの手段を有する。このデバイスは、チェーンコンポーネントを連結するためのアセンブリデバイスも含む。少なくとも2つの収容デバイスは、そこに収容されるチェーンコンポーネント用マガジンが第1軸に沿って間隔が空けられ且つワーキングチャネル上方に垂直に設けられるように、配置される。言い換えると、収容デバイス自体が第1軸に沿って間隔が空けられ、且つワーキングチャネル上方に垂直に設けられる。
【0009】
記載された発明は、提供された放射線源マガジン及び/又はスペーサーマガジンを用いることによってほぼ無限の構成で、チェーンセグメントとしての放射線源及びスペーサー(以下、集合的にインプラントと称する)をユーザーが結合及び連結することを可能する。これによって、従来技術から知られている制限は、かなり回避可能である。デバイスの操作は、シンプル且つ直感的である。記載されたデバイスは、中央ワーキングチャネルを有する。ここには、インプラントは、マガジンから上方から配置される。上方からインプラントを中央ワーキングチャネル内に配置することは、デバイスの縦軸に沿ってマガジンの位置合わせを行うことを可能にする。このように、後側のマガジンからのインプラントは、前側のマガジンを通じて押される必要がなく、詰まりに繋がらない。マガジンのこの配置は、マガジン選択の間にマガジン収容部を垂直にさらにシフトしたり又は縦軸に対して別の角度にしたりすることを防ぐ。さらに、2つのマガジンのみを用いることによって、インプラントを放出するときに、マガジンをより混同しにくくなる。
【0010】
イジェクション機構は、好ましくは、マガジンのイジェクションレバーがインプラント放出後、開始位置に戻ることを可能にするレバー機構であるが、以前にリリースされたインプラントが取り外された後にのみ再配置を可能にする。
【0011】
好ましくは、第2収容センターは、スペーサーを有するスペーサーマガジンを収容するように構成されている。
【0012】
ある例示的な実施形態では、連結ユニットは、連結領域及び観察ユニットを含み、従って、チェーンアセンブリは、外側から視認可能である。
【0013】
有利なことに、個別のインプラントの構成は、カバーフラップを開くことによって、視覚的に追跡可能であり、簡単に修正可能である(チェーンリンクの最終連結まで可能である。)。
【0014】
好ましくは、観察ユニットは、間接的な観察ユニットであり、チェーンは、間接的に視認可能である。観察ユニットがミラー-レンズユニットを有することが特に好ましい。
【0015】
さらに、デバイス連結ユニットの連結領域において筐体を開くためのフラップを含んでもよい。
【0016】
好ましくは、ニードルホルダーは、ワーキングチャネルの端に配置され、第1ブロッキングエレメントは、ニードルホルダーと連結ユニットの間に配置される。
【0017】
連結ユニットは、ワーキングチャネル内で第1軸に沿って変位可能であるマンドレルも含む。マンドレルは、好ましくは筐体上にある移動可能な外部グリップを用いて変位可能である。
【0018】
マガジンの下方にあるワーキングチャネルと、このワーキングチャネル内にマンドレルを有するデバイス構成は、マンドレルが誤った操作によって曲げられることを防ぐ。
【0019】
連結ユニットは、磁気結合を含んでもよく、これによって、閾値を超える力が働いた場合に、外部グリップとマンドレルが互いに分離可能になる。
【0020】
マンドレルと、チェーンコンポーネントをイジェクトする少なくとも1つの手段は、好ましくは第2固定エレメントによって互いに結合され、これによってイジェクション手段の一度の作動の後、イジェクション手段は、マンドレルが変位されるまで作動可能でない。
【0021】
収容デバイスは、好ましくは、チェーンコンポーネントを有するマガジンをラッチ、固定、及び解放する安全機構を含む。
【0022】
デバイスは、第3ブロッキングエレメントを含んでもよい。第3ブロッキングエレメントは、ロックされた状態では、マンドレルがワーキングチャネル内でチェーンコンポーネントがまだアセンブルされていない地点にまでのみ動かされることを可能にする。第3ブロッキングエレメントは、好ましくは、ニードルホルダーと連結ユニットの間で第1ブロッキングエレメントと連結される。ニードルホルダー内の第1ブロッキングエレメントは第3ブロッキングエレメントがロック解除された後にのみ、ロック解除可能になる。収容デバイスは、マガジンの対応するエンコーディングエレメントと協働するように構成されるエンコーディングエレメントを含んでもよく、これによって、収容デバイスは、特定のタイプのマガジンと共にのみ使用可能になる。
【0023】
チェーンコンポーネントを連結して放射線源を有するチェーンにするためのシステムが提案される。このシステムは、筐体と、筐体の第1軸に沿って延びるワーキングチャネルと、前記ワーキングチャネルと連結されたローディングユニットとを有し、チェーンコンポーネントマガジン用の少なくとも2つの収容デバイスと、前記の収容されたマガジンからのチェーンコンポーネントをイジェクトする少なくとも1つの手段を含む。このシステムは、前記の少なくとも2つの収容デバイスの一方に配置された放射線源用第1マガジンと、放射線源と異なり且つ前記の少なくとも2つの収容デバイスの他方に配置された追加のチェーンコンポーネント用の第2マガジンも含む。デバイスは、チェーンコンポーネントをアセンブルする連結ユニットも含む。ワーキングチャネルは、マガジンを通過しない。放射線源用第1マガジン及び追加のチェーンコンポーネント用の第2マガジンは、第1軸に沿って間隔が空けられ且つ前記ワーキングチャネル上方に垂直に配置される。これは、チェーンコンポーネントが下側にあるワーキングチャネル内にイジェクトされることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の例示的実施形態は、図面及び次の記述において説明される。
【図1】放射線源を有するチェーンのチェーンコンポーネント用の本発明によるマガジンの上面図
【図2】カバーを有さない、放射線源を有するチェーンのチェーンコンポーネント用の本発明によるマガジンの上面図
【図3】カバーを有さず、チェーンコンポーネント用の収容デバイスを有さず、スプロケットを有さない、放射線源を有するチェーンのチェーンコンポーネント用の本発明によるマガジンの上面図
【図4】筐体を有さないコアマガジンコンポーネント
【図5】図1のマガジンを通る垂直断面
【図6−11】種々のステップでの本発明によるイジェクション機構
【図12】マガジン内の本発明によるブロッキング機構
【図13】連結可能なスペーサー及び放射線源
【図14】放射線源を含むチェーンを連結及びアセンブルするための本発明のデバイスの斜視図
【図15】図14の、チェーンを連結及びアセンブルするための本発明のデバイスの側面図
【図16】図15中の矢印と反対方向で見た場合の、図15中の直線A-Aに沿った、本発明のデバイスの斜視断面
【図17】図15中の矢印の方向で見た場合の、図15中の直線A-Aに沿った本発明のデバイスを通る断面
【図18】筐体無しの本発明のデバイスの第1図
【図19】筐体無しの本発明のデバイスの第2図
【図20】スペーサーマガジンを通る連結デバイスの断面
【図21】スペーサーマガジンの下部セクションでの図20の拡大
【図22】ニードルホルダー領域内で本発明の連結デバイスのフロントセクションを通る縦断面
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、チェーンコンポーネントをアセンブルして、放射線源を含むチェーンにするためのデバイス及びシステムについてのものである。このデバイスは、放射線源及びスペーサーから作られる、前立腺癌の治療のためのチェーンの製造において使用される。このデバイスは、乳癌を治療するための放射線源を有するチェーンを製造するためにも使用可能である。このニードルには、チタンシードを搭載することもできる。以下において、スペーサー及び放射線源は、結合エレメントを有し、チェーンは、機械的結合によって製造可能である。
【0026】
図1は、放射線源を有するチェーンのチェーンコンポーネント用の、本発明によるマガジン(1)の上面図を示す。図2は、カバー(7a)無しのマガジンを示す。図3では、チェーンコンポーネント用収容デバイス(2)及びスプロケット(13)が省略されている。図4は、筐体(7)無しのマガジンのコアコンポーネントを示し、図5は、図1のマガジンを通る垂直断面を示す。
【0027】
図1及び2に示すように、本発明のマガジン(1)は、カバー(7a)及び筐体シェル(7b)からなる筐体(7)を含む。このカバーは、マーキング(15)と連動してマガジンの充填レベルを表示するための表示(14)を含む。このマーキングは、好ましくは、チェーンコンポーネントを収容するために使用される内部ベアリングリング手段(2)上に配置される。
【0028】
エンコーディング穴(11)、イジェクター(10)及び第1開口部(12)は、マガジン(1)の周囲、好ましくは筐体(7)の下側の側壁に配置される。好ましくは、一つだけのイジェクター、すなわちイジェクター開口部(10)が提供される。これによって、チェーンコンポーネントとして放射線源を用いる場合に、放射線露出を最小に保つことができる。このように、イジェクションは、チェーンコンポーネントを収容する手段が回転する面と同一又は平行面で起こる。チェーンコンポーネントは、マガジンからイジェクトされる。チェーンコンポーネントがイジェクターを離れた後、マガジンとチェーンコンポーネントの間のこれ以上の接触がない。エンコーディング穴(11)及び/又はイジェクター(10)及び/又は第1開口部(12)は、好ましくは、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)から分離されて且つこれの下側に、同一面に又は平行面に配置される。
【0029】
好ましい例示的な実施形態では、マガジンは、放射線源又はスペーサーの何れかの、正確に一つのタイプのチェーンコンポーネント用に構成されている。これによって、イジェクトされたチェーンコンポーネントを混同することが不可能である。
【0030】
筐体(7)内に回転可能にマウントされているイジェクションレバー(4)は、第1開口部(12)と関連して配置される。イジェクションレバー(4)は、第1開口部(12)を通じて外側から作動される。静止位置では、イジェクションレバー(4)は、内側からイジェクター(10)を閉じる。イジェクター(10)は、第2引張バネ(21)の力によって外側に対してイジェクター(10)を閉じるロッキングスライダー(5)とも連結されている。ロッキングスライダー(5)は、並進に変位可能であり、ロッキングスライダー(5)が作動されると、イジェクター(10)は、ブロック解除される。ロッキングスライダー(5)は、開口部(11)又はエンコーディング穴(11)を介して作動され、これによって、イジェクター(10)がブロック解除される。さらに、マガジンは、好ましくは、中央開口部(17)を有するが、これに限定されない。
【0031】
図2に示すように、円形のチェーンコンポーネントを収容する手段(2)(放射線源用マガジンのことをいうときは「シードデポ」(2)とも称される)は、リア筐体シェル(7b)内に挿入され、回転可能に支持される。チェーンコンポーネントを収容する手段(2)は、チェーンコンポーネント(例:放射線源(19)又はスペーサー(18))を収容するようにデザインされている半径方向に配置された凹部(6)を含み、これらが脱落するのを防ぐ。凹部(6)は、好ましくは、チェーンコンポーネントの形状に合うようにデザインされている。凹部(6)は、半円形状を有し、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の周囲に沿った円形エッジ上に設けられることが特に好ましい。言い換えると、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)は、歯車に似ているが、歯の代わりに外側のエッジ上に凹部(6)を有する。引張バネ(3)(好ましくは一定力バネ(3))は、中心に対して同心円状にチェーンコンポーネントを収容する手段(2)を前進させることを可能にする。このように、チェーンコンポーネントをイジェクトするために、マガジンの外からの駆動力が必要とされない。マガジンは、完全に滅菌可能である。チェーンコンポーネントをイジェクトするためには、イジェクターレバーへの外部インパルスのみが必要とされ、その駆動は内部で独立して行われる。
筐体(7)からの材料壁は、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)用の内部ベアリングリング(8)の形態でベアリング面として働く。内部ベアリングリング(8)は、好ましくは、開口部(17)の周りに形成される。さらに、好ましくはチェーンコンポーネントを収容する手段(2)より小さい直径を有するスプロケット(13)は、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)上に配置される。スプロケット(13)は、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)に作動的に接続されるか、又は一定力バネ(3)に直接接続されており、筐体(7)内に回転可能に支持される。スプロケット(13)は、回転ロックを有するように、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)と連結されている。回転ロックは、イジェクションの間に一定力バネ(3)の前進を制限するようにデザインされており、これによって、単一のチェーンコンポーネントのみが一度にイジェクト可能である。好ましくは、スプロケット(13)及びチェーンコンポーネントを収容する手段は、1ピースで形成される。
【0032】
マガジン(1)の中央から外側に向かって、マガジン(1)は、中央開口部(17)、内部ベアリングリング(8)、スプロケット(13)、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)及びチェーンコンポーネントを収容する手段(2)の境界(16)からなる。現在の例示的な実施形態では、スプロケット(13)と、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)は、リア筐体シェル(7b)の凹部内に埋め込まれる。
【0033】
凹部の内壁(16)(図3を参照)は、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)を制限する役割を有する。凹部の壁(16)、すなわちより一般的には、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の境界(16)とチェーンコンポーネントを収容する手段(2)自体の間の距離は、チェーンコンポーネントが凹部(6)内でガイド及び捕捉可能なようなサイズになっている。これによって、チェーンコンポーネントは、イジェクター(10)に向かって円形の経路上でガイドされる。図3に示すように、引張バネ(3)は、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の下に支持される。
【0034】
後述するように、イジェクションレバー(4)は、バネ(3)及びチェーンコンポーネントを収容する手段(2)を抑止する。バネ(3)及びチェーンコンポーネントを収容する手段(2)の抑止は、マガジンが作動する度に、マガジンから単一のインプラント、すなわちチェーンコンポーネントのみが放出されることが可能にする。抑止は、一方では、イジェクターレバー(4)上での第1インプラントのポジティブロッキングによって起こり、他方では、上側にあるスプロケット(13)の周期的噛み合いによって起こる。イジェクターレバー(4)は、ワーキングチャネル内にインプラントを積極的に押し出すことによってインプラントの放出をサポートする。イジェクターレバー(4)は、好ましくはバネ支持されており、後述するローディングデバイス(101)中での対応するレバー機構を用いて作動される。インプラントは、マガジンベースにおいて開口部(10)からワーキングチャネル内に放出される。マガジン(1)は、好ましくは、機械的コーディング及びカラーコーディングされる。カラーコーディングは、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)を着色することによって実行可能であり、スケールの移動可能なコンポーネントを表す。使用済みの放射線源及びスペーサーの数は、マガジン上で直接読むことができる。
【0035】
以下、放射線源マガジンを例として用いてマガジンの説明を行うが、これに限定されず、ここでの議論は、スペーサーマガジンに適用されないということが明示されない限り、スペーサーマガジンにも当てはまる。
【0036】
マガジン(1)をアセンブルするために、引張バネ(3)が筐体の後ろ半分に最初にマウントされ、次にチェーンコンポーネントを収容する手段(2)と共にリア筐体シェル(7b)内に挿入される。次に、図3に示すように、イジェクターレバー(4)及びロッキングスライダー(5)が用いられ、好ましくは引張バネ20及び21を用いて付勢する。ここで、イジェクターレバー(4)は、ピンによって回転可能にマウントされており、ロッキングスライダー(5)は、筐体シェル(7b)内の溝内で並進変位可能である。
【0037】
カバー(7a)なしのマガジン(1)をアセンブルした後、放射線源(19)(又はスペーサー(18))は、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の前面側で半円形凹部(6)内に、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の軸に平行に配置される。チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の充填の前に、好ましくは一定力バネ(3)を用いて、引張バネ(3)に張力をかけなければならない。これは、引張バネ(3)の張力をかける方向に、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)を回転させることによって行われる。第1放射線源(19)を挿入することによって、引張バネ(3)の緩和が妨げられる。次に、追加の放射線源(19)が挿入される。マガジン(1)の次の操作では、個別の第1放射線源(19)は、(放出前に)ブロッキングエレメントすなわち引張バネ(3)の緩和を防ぐ手段として役立つ。マガジン(1)が充填された後、カバー(7a)が取り付けられる。チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の内側のベアリングリング(8)は、広げられ、マーキング(15)が設けられた場合には、マガジンカバー(7a)と連動して、マガジン内に残っている放射線源(19)又はスペーサー(18)用の容量インジケーターとし働く。
【0038】
ロッキングスライド(5)及びリア筐体シェル(7b)中での対応する切削部を除いて、スペーサー(18)を格納するためのマガジン(1)は、放射線源マガジンと同一である。従って、両方のタイプのマガジンのアセンブル及び充填は、同様に行われる。ロッキングスライダー(5)は、スペーサーマガジン内にも配置可能である。しかしながら、これは、全く必要ではない。なぜなら、スペーサーは、放射性でないからである。放射線源マガジンからのロッキングスライダー(5)は、充填のためにデバイス(101)内にマガジンを挿入する前に、外側に向かう放射線をシールドするのに役立つ。
【0039】
マガジン(1)の狭い側面の少なくとも1つ、好ましくは両方は、固定溝(9)と共に提供される。これらは、放射線源をアセンブルするためのデバイス(101)内にマガジン(1)を設置した後、それをデバイス内に捕捉するためと、デバイス(101)内のワーキングチャネルに対する位置決め支援に役立つ。
【0040】
放射線源マガジンの底面の中央領域には、インプラントをイジェクトするための開口部(10)がある。この開口部(10)の一側面には、エンコーディング穴(11)が設けられている。放射線源チェーンを連結するデバイス(101)内に放射線源マガジンを設置すると、ロッキングスライダー(5)がデバイス(101)内のエンコーディングボルトによって変位され、イジェクション開口部(10)が解放される。この機能は、好ましくはスペーサーマガジンでは実装されない。なぜなら、ロッキングスライド(5)は、放射線源(19)からの放射性放射線へのオペレーターの露出を防ぐためのものであるからである。これは、スペーサー(18)には必要ではない。なぜなら、スペーサーは放射性でないからである。当然のことながら、スライダー(5)を設けてもよい。
【0041】
イジェクターレバー(4)は、デバイス(101)内の対応するレバー機構(113)によって、イジェクション開口部(10)の他方の側面上にある第2開口部(12)を通じて作動可能である。イジェクション機構は、図6〜11中での個別のステップで示される。最初に、イジェクション開口部(10)は、図6に示すように、イジェクターレバー(4)によって物理的にブロックされる。この位置では、イジェクターレバー(4)は、スプロケット(13)と噛み合わない。単一の放射線源(19)又はスペーサー(18)は、イジェクターレバー(4)の外面を操作することによってマガジン(1)からイジェクトされる。この操作によって、イジェクターレバー(4)は、最初の放射線源(19)又は最初のスペーサー(18)に向かって持ち上がる(図7)。最初の放射線源(19)又はスペーサー(18)は、図6に示すブロッキング機能を失い、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)は、引張バネ(3)によって駆動されて、中央開口部(17)又はマガジン(1)の中央に対して同心円状に移動する。しかしながら、このモーションは、さらなる動きの間、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の上側のスプロケット(13)の歯車とイジェクターレバー(4)との噛み合いによってブロックされる(図8、9)。チェーンコンポーネントを収容する手段(2)の回転によって、最初の放射線源(又はスペーサー)のみが押されて、イジェクション開口部(10)の上方に配置された位置へ動かされる(図9)。最初の放射線源は、次に、チェーンコンポーネントをアセンブルするために、イジェクターレバー(4)によって後部に向かって下側に、好ましくは、イジェクション開口部(10)の下方にあるワーキングチャネル内に(図示せず)放出される(図10及び11)。
【0042】
イジェクターレバー(4)を作動させた後、イジェクターレバーは、図6に示すように、以前の位置に戻り、イジェクション開口部(10)を再びブロックする。これによって、その次の第1放射線源(19)又はその次の第1スペーサー(18)がイジェクターレバー(4)に当接することによって、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)のさらなる回転が再び妨げられる(図11)。この機構は、チェーンコンポーネントを収容する手段(2)を漸次回転させ、ワーキングチャネル内に単一の放射線源(19)又はスペーサー(18)がイジェクトされることを可能にする。空のマガジン(1)のマガジン操作に対してレバー4をリリースすることは起こりえない。これは、図12において示される。矢印は、チェーンコンポーネントを収容する手段(3)の回転方向を示す。最後のマガジンインプラントが円で示した位置に配置される。最後のインプラントがマガジンからイジェクトされた後、レバー(4)は、引張バネ(3)及びレバーバネ、及び第1圧縮バネ(20)によって付勢されてブロッキングエレメント(22)の丸で囲った谷部内に落ちる。ブロッキングエレメント(22)は、レバー(4)の動きの余地を与えない。チェーンコンポーネントをイジェクトするためのレバー機構(113)のボタン(113a)の操作(図18を参照)によって、レバー(4)の脱線が起こる。しかしながら、この動きがブロックされるので、空のマガジンについてもボタン(113a)の操作がブロックされる。
【0043】
図13は、アセンブリ用に構成されているスペーサー(18)及び放射線源(19)を示す。図13aは、スペーサー(18)及び放射線源(19)の外側の、縦断面を示す。放射線源(19)は、図13aで長方形として示される内部放射性コアを有する。放射線源(19)及びスペーサー(18)は、連結又はアセンブリによりチェーンにするように構成されている端部を有する。2つのスペーサー(18)又は2つの放射線源(19)を連結することもできる。スペーサー(18)又は放射線源(19)は、好ましくは、それぞれ、雄端部(右)及び雌端部(左)を有する。チェーンは、放射線源(19)及びスペーサー(18)のデザインにより自由にアセンブルすることができる。
【0044】
図14は、放射性放射線源を有する放射線チェーンを連結及びアセンブルするための、好ましくは上記のマガジン1と共に動作する、本発明によるデバイス(101)の斜視図を示す。
【0045】
図15は、図14中の放射線チェーンを連結及びアセンブルするための本発明によるデバイスの側面図を示す。図16は、図15中の矢印の反対の方向で見た場合の、図15の直線A-Aに沿った本発明によるデバイスの斜視断面図を示す。図17は、図15中の矢印と同じ方向で見た場合の、図15の直線A-Aに沿った本発明によるデバイスの断面を示す。図18は、本発明によるデバイスの筐体無しの第1図である。図19は、本発明によるデバイスの筐体無しの第2図である。図20は、連結用デバイスの、スペーサーマガジンを通る断面を示す。図21は、スペーサーマガジンの下部領域での図20の拡大図を示す。図22は、本発明によるデバイスの、ニードルホルダーの領域中での連結のためのフロント領域を通る縦断面を示す。
【0046】
本発明によるデバイス(101)は、図14に示すように、筐体(102)、ニードルホルダー(103)、連結及び観察ユニット(104)及びローディングユニット(105)からなる。チェーンコンポーネント用のマガジン(114)は、ローディングユニット内に設置される。連結及び観察ユニット(104)は、好ましくは、チェーンコンポーネントが連結される連結領域(104a)及びチェーンコンポーネントの配置を確認するための観察領域(104b)を含む。好ましい例示的な実施形態では、連結領域(104a)は、フラップ(111)を介して外側から到達可能である。後述するように、ニードルホルダー(103)は、デバイスの一端に配置され、ハンドル(108)は、その他端に配置される。ボタンエレメントとして構成されたロック(119)は、ハンドル(108)上に配置される。マガジン(114)及び連結及び/又は観察領域(104a、104b)は、ハンドル(108)とニードルホルダー(103)の間に配置される。
【0047】
放射性放射線源(115)及び不活性スペーサー(117)を対応するマガジン(114)から放出し、プラグ接続を含むインプラント(図13を参照)すなわちチェーンコンポーネント(115、117)を連結してチェーンの形態にし、これをデバイス(101)へ取り付けられたニードル(124)内に充填する(図22を参照)のを助けることがデバイス(101)の目的である。
【0048】
上記のデバイス(101)の中央エレメントは、図15、17、19、及び20に示すように、X軸、すなわちデバイスの縦軸(101)に沿って延びるワーキングチャネル(106)である。ワーキングチャネル(106)は、ハンドルから見て、好ましくは、マガジンホルダーのすぐ手前又は、別の実施形態では、ハンドルに最も近いマガジン(114)のイジェクション開口部の真下から始まり、ニードルホルダー(113)で終える。ブラケットマガジンのすぐ手前のワーキングチャネル(106)の開始は、後述するように、マンドレル(107)のより良い操作を可能にする。種々のユニットは、ワーキングチャネル(106)の辺りに配置され、筐体(102)によって支持される。筐体(102)は、デバイス(101)の他の機能ユニットを支持及び保護する。図14及び15は、右から左へ、ハンドル(108)、ローディングユニット(105)を有するマガジン(114)、連結及び観察領域(104a、104b)、及びニードルホルダー(103)を示す。
【0049】
連結及び観察ユニット(104)は、ワーキングチャネル(106)を含み、外部ハンドル(108)によってワーキングチャネル(106)において直線的にガイドされるマンドレル(107)(図18又は19を参照)、及び連結領域(104a)においてインプラントを見るためのミラー-レンズユニット(109)(図17を参照)を有する。マンドレル(107)は、ユーザーが横方向に変位可能なハンドル(108)によって、マガジンから放出される放射線源(115)又はスペーサー(117)をマガジン(114)の下方にあるワーキングチャネル(106)のセクションから連結領域(104a)内に輸送する。連結領域(104a)内の構成は、有利なことに、観察ユニット(104b)によって確認可能である。インプラントの所望の構成が確立された後、マンドレル(107)の助けでインプラントが押されて連結領域(104a)で一体化され、連結されてシード-スペーサーチェーンを形成する。土台として、ボタン(110)を含む第1ロック(110)は、連結プロセスの間、ワーキングチャネル(106)からニードルホルダー(103)へ遷移をブロックする。連結後に、第1ロック(110)が開かれ、これによって、連結されたインプラントチェーンをニードルホルダー(103)を介してニードル(124)内にイジェクションすることが可能になる(図22を参照)。第1ロック(110)は、好ましくは、ニードルホルダー(103)の前であって観察領域(104b)の後ろに配置されるが、ニードルホルダー(103)と同じ場所にあってもよい。
【0050】
手動で作動可能なニードルホルダー(103)は、固定デバイスと、連結されたインプラントチェーンを取り付けられたニードル(124)内にガイドするニードルアダプターからなる。ニードルホルダーの固定デバイスは、充填の間、ニードル(124)を保持及び固定する。
【0051】
レンズ-ミラーシステム(109)により、インプラント又はチェーンコンポーネントとの間接的な及びこれによって放射線-防護された視覚的接触が可能になる。観察ユニット(104b)内のフラップ(111)を介して、ワーキングチャネル(106)への直接アクセスが可能になり、シード-スペーサー構成への修正が可能になる。放射線源又はスペーサーの、修正の間の短期間の一時的な貯蔵ために放射線-防護されたバルブ(111)の下方にある2つの谷-形状の貯蔵場所が利用可能である。
【0052】
両方のマガジン(114)は、図20に示すように、デバイス(101)の操作の間、安全機構(123)によってラッチ固定され、捕捉される。安全機構(123)は、スペーサーマガジン(118)の固定溝(9)に噛み合う突起を含む。しかしながら、マガジン(114)は、対応する放出レバーを作動させることによってロック解除及び取り外し可能である。指定された場所においてはマガジン(114)の取り違えは、メカニカルエンコーディングによって、起こりえない。好ましくは、放射線源マガジン(116)は、スペーサーマガジン(118)のエンコーディングと異なるエンコーディングを有する。エンコーディングは、マガジンの対応するエンコーディング開口部(11)と噛み合うエンコーディングボルトによって実行可能である。放射線源マガジン(116)のエンコーディングは、マガジン(116)が挿入されたときに、上記のロッキングスライダー(5)に追加の変位を生じさせる。これは、デバイス(101)内に設置する前のマガジン(116)のハンドリングの間及び輸送の間に、放射線露出からの追加の防護を提供する。放射線源マガジン(116)の取り外しの後、ロッキングスライダー(5)は、再び閉じる。
【0053】
過大な力からのインプラントへのダメージを防ぐために、インプラントを連結するときに、フランジユニット(104)が磁気結合(122)で提供される。ハンドル(108)及びマンドレル(107)をガイドするキャリッジ(112)は、図18及び19に示すように、2つの部品で構成される。磁力の保持力を超えると、両方の部品が分離され、レバー(119)のさらなる操作ができなくなる。
【0054】
チャージングユニット(105)は、スペーサーマガジン及び放射線源マガジン(118、116)用のスロットと、インプラントを放出するためのメカニカルレバー機構(113)を含む。マガジン(114)を挿入し、レバー機構(113)内の対応するボタン(113a)を作動させた後、インプラントがマガジンから、下方にあるチャネル(106)内に放出される。各マガジン(114)用のレバー機構(113)は、好ましくはスライド可能に支持されたレバー機構ボタン(113a)及び横方向の溝を有するボタンロッド(113b)を有し、ボタンロッド(113b)は、好ましくは、バネ支持され及び第1圧縮バネピース(113d)に向かう一面が傾斜している。さらに、レバー機構(113)は、筐体内で第1圧縮バネピース(113d)で回転可能にバネ支持されたレバー(113c)と、対応する第2圧縮バネピース(113f)でボタンロッド(113b)に対して横方向に並進にガイドされるプッシュロッド(113e)を各レバー機構に含み、プッシュロッドの第1エクステンション(113g)及びプッシュロッドの第2エクステンション(113h)も含む。
【0055】
ここで、図18-20を参照して、レバー機構(113)をより詳しく説明する。ボタン(113a)を押すことによって、好ましくは両側でスライド可能にガイドされたボタンロッド(113b)が下側に動かされ(図20を参照)、この自由端が第1圧縮バネピース(113d)のバネ支持されたピンを押す。これによって、圧縮バネピース(113d)が下側に押される。この圧縮バネピース(113d)は、筐体内で回転可能に支持されたレバー(113c)に直接接続されているので、ボタンロッド(113b)のモーションは、レバー(113c)へ直接伝わる。これによって、レバー(113c)は、圧縮バネピース(113d)に対向する端部を持ち上げ、上方に配置されたマガジンと噛み合い、これによってインプラントの放出が開始される。
【0056】
作動後、下方位置にレバー機構ボタン(113a)を固定するために、プッシュロッド(113e)の第2圧縮バネピース(113f)が傾斜しているボタンロッド(113b)の横方向の溝内にラッチする。同時に、レバー(113c)の第1圧縮バネピース(113d)のバネピンが傾斜しているボタンロッド(113b)に沿ってスライドする。レバー(113c)は、バネ支持されているので、元の位置に戻る。安全上の理由ために、作動後、ボタン(113a)を一時的に押圧された位置で固定し、マガジン(114)を作動させた後、レバー(113c)が初期位置に戻ることを可能にすることがこの機構の目的である。
【0057】
図18及び19に示すように、プッシュロッド(113e)は、レバー機構(113)の両側に延びる第1エクステンション(113g)及び第2エクステンション(113h)を有する。プッシュロッド(113b)の第1エクステンション(113g)は、マガジン(114)と第1ロック(110)の間に配置され、第1ロック(110)の開口部(110b)に噛み合い、第1ロック(110)のロックボタン(110a)を開く。プッシュロッド(113b)の第2エクステンション(113h)は、マガジンとハンドル(108)の間に配置され、第3ロック(119)の開口部(119b)内に噛み合う。
【0058】
インプラント(115、117)がマガジン(114)の下に放出され、ボタン(113a)が下方位置にあると、ハンドル(108)は、最初にX方向に押されなければならない。ハンドルがX方向に押され、第3ロック(119)が閉じると、ユーザーは、ハンドル(108)を用いて第2エクステンション(113h)に逆らって、従ってプッシュロッド(113e)に逆らって第3ロック(119)を押す。この状態で、第2エクステンション(107)は、第3ロック(119)の開口部(119b)内で固定され、ハンドル(108)を用いて変位される。プッシュロッド(113e)の第2圧縮バネピース(113f)は、ボタンロッド(113b)の横方向の溝の外に押され、これによって、ボタン(113a)がロック解除される。ハンドル(108)の動きによりマンドレル(107)も移動するので、ボタン(113a)をロック解除すると、自動的に、マガジンの下方にあるスペースからインプラントが変位される。
【0059】
第3ロック(119)が開くと、ハンドル(108)及びマンドレル(107)は、第3ロック(119)及び第2プッシュロッドエクステンション(113h)によって範囲が定められることなくX方向に変位可能になる。この位置は、インプラントチェーンを連結し、その後に、ニードル(123)内に押しこむために使用される。しかしながら、第3ロック(119)がこの位置では、ボタン(113a)は、ロック解除可能でない。
【0060】
第1ロック(110)が開かれ、連結後に、ニードル(123)内にインプラントチェーンを押しこむ場合、インプラントチェーンは、ロック(110)が戻るときにチェーンへダメージが加わることを防ぐためにこの位置に固定される。第1ロック(110)は、第3ロック(119)を有するキャリッジが第2エクステンション(113h)を変位させるときに、プッシュロッド(113e)の第1エクステンション(113g)からの開口部(110b)を介したインパルスによってのみ再び閉じる。閉じた状態では、第1ロック(110)は、個別のインプラントからインプラントチェーンを連結するための土台として役立つ。
【0061】
レバー機構(113)を用いて、2つのチェーンコンポーネントが重なってイジェクトされることが防止可能である。しかしながら、異なるマガジン(114)のボタン(113a)は、同時にリリース可能である。なぜなら、これらは、ワーキングチャネル(106)の上方で水平に間隔を空けて配置されているからである。有利なことに、これは、同時に(又は短い時間以内に)放射線源マガジン及びスペーサーマガジンのボタン(113a)を押すことによってより素早いアセンブリを可能にする。
【0062】
図20は、本発明によるデバイス(101)を通る、スペーサーマガジン(118)の高さでの断面を示す。ハンドル(108)は、スペーサーマガジン(118)の後ろに視認可能である。デバイスマガジン(101)用収容機構の安全機構(123)は、スペーサーマガジン(118)の高さに配置される。安全機構(123)は、例えば図20では右上側に配置される突起(123)を備える。この突起(123)は、スペーサーマガジン(118)の固定溝(9)に噛み合い、デバイス(101)中でマガジン(118)を捕捉する。安全機構(123)は、上側の領域にボタン(123b)をさらに含む。ボタン(123b)を押すことによって、安全機構の突起(123a)が旋回して固定溝(9)から外れ、マガジン(118)が解放される。図20では、安全機構(123)は、スペーサーマガジン(118)の一側面上に配置され、イジェクションレバー機構(113)が他方の側面上に配置される。イジェクションレバー機構(113)は、マガジン(118)のイジェクターレバー(4)と作動的に接続されているボタン(113a)を含む。レバー機構(113)のボタン(113a)を押すことによって、イジェクターレバー(4)が上側に回転され、スペーサー(119)が下側にあるワーキングチャネル(106)内に放出される。図21は、図20のワーキングチャネル(106)を拡大図で示す。ワーキングチャネル(106)は、好ましくはV-形状を有し、チェーンコンポーネントがVの最深部に配置及びガイドされる。
【0063】
図22は、デバイス(101)のニードルホルダー(103)内に挿入されるニードル(124)を示す。チェーンコンポーネントは、マンドレル(107)によって、連結及び観察ユニットからニードル(124)内に押される。
【0064】
次に、チェーンコンポーネントを連結するためのデバイス(101)のエレメントの操作の順序を簡単に要約する。
-レバー機構(113)を作動させて、チェーンコンポーネントをイジェクトする。作動したマガジンのレバー機構(113)をブロックする。
-ハンドル(108)の移動させて、デバイスの縦軸に沿ってワーキングチャネル(106)内でマンドレル(107)を動かし、イジェクトされたチェーンコンポーネントを連結領域及び観察領域(104a、104b)内に動かす。以前にブロックされたレバー機構(113)を解放する。
-必要とされるチェーンコンポーネントが放出されるまでステップ1及び2を繰り返す。
-ハンドル(108)上の第3ロック(119)のボタン(119)を押してロックし、第1ロック(110)に逆らってマンドレル(107)を用いてチェーンコンポーネントを押すことによってチェーンコンポーネントを連結する。
-ボタン(110a)を押すことによって第1ロック(110)を解放する。
-マンドレル(107)を変位させて、連結されたチェーンコンポーネントをニードル(124)内に動かす。
-バネによる負荷又は手動によりハンドル(108)を元の位置に戻し、マンドレル(107)の新たな移動の後にのみ、好ましくは第1ロック(110)の第1開口部(110b)中での第1エクステンション(113g)の噛み合いによって、第1ロック(110)を閉じる。要約すると、この発明は、完全に無菌状態にすることができる、放射線源-スペーサーチェーンの生産用のデバイス(101)を示す。
【0065】
デバイス(101)は、電気機械部品を必要としない。チェーン内での放射線源及びスペーサー(115、117)の配置は、患者指向の治療プランと整合するように、個別に及び可変的に構成可能である。
【0066】
放射線源-スペーサーチェーンの生産には、記載されたデバイス(101)は、2つのマガジン(116、118)のみを必要とし、チェーンのアセンブリの間の混同を最小化することができる。マガジン(116、118)は、デバイスの縦軸に沿って一列に配置される。これは、オペレーターにとってクリアーでユーザーフレンドリーな概観を形成する。
【0067】
上記のデバイス(101)及びマガジン(116、118)のエンコーディングを用いると、デバイス(101)内への挿入の間に、放射線源マガジン又はスペーサーマガジンを取り違えることが不可能になる。
【0068】
両方のマガジン(116、118)は、マガジンの下に配置され且つ上側が開いているワーキングチャネル(106)内に格納されたインプラントを輸送する。このチャネル(105)では、インプラントは、デバイス(101)の前側へ押され、そこで連結されて、いわゆるストランドになる。この概念は、インプラントが後側のマガジン(118)から前側のマガジン(116)へ動かされること(これは、詰まりの原因になり得る。)を防ぐ。さらに、この概念は、マガジン(116、118)があまりにも早く全体の構成からの偶然に取り外された場合にマンドレル(107)がダメージを受けることを防ぐ。単一のワーキングチャネル(106)内へインプラントのイジェクションを行ってチェーンリンクの取り外しと連結の両方を行うことは、マンドレル(107)を曲げるというリスクを最小化する。
【0069】
ワーキングチャネル(106)に対するマガジン(116、118)のこの配置のために、デバイスの縦軸に対して角度をつけてマガジン(116、118)を動かして、イジェクトされるインプラントを変更する必要がない。
【0070】
マガジンは、好ましくは、省スペースのカルーセルデバイス内に格納された、50超100以下のチェーンコンポーネントを含む。しかしながら、100より多くのチェーンコンポーネントがマガジン内に格納されていてもよい。好ましい約100の放射線源又は100のスペーサーの内容のため、大部分の放射線源治療は、マガジン(116、118)をそれぞれ一つだけで実行可能である。
【0071】
インターロックのため、放射線源ストック又はストックスペーサーが使い終わったときに、マガジン(116、118)は、リリースされない。
【0072】
マガジン(116、118)は、常に同じ力を提供する一定力バネ(3)で駆動される。この一定力バネ(3)のブロッキングは、外部駆動固定システム(4)によって生成される。
【0073】
マガジン(116、118)は、治療後に再使用可能である。これらは、電気機械部品を含まない。
【0074】
マガジン内に残っている放射線源及びスペーサー(115、117)の数は、マガジン(116、118)上でいつでも読み取り可能である。このことは、治療の間及び後に、使用済みの放射線源及びスペーサー(115、117)の数を数える必要性をなくす。
【0075】
マガジン(116、118)は、最適な放射線防護を提示する。なぜなら、筐体(102)は、全ての側面でシールドされているからである。放射線源マガジン(116)の開口部(10)は、活性な放射線源(115)を含むマガジン(116)が挿入された後にのみ、リリースされる。マガジン(116)の取り外し後、開口部(10)は、再び閉じる。従って、放射線防護が、使用及び輸送の間の全期間(つまり、デバイスの外側でさえ)、保証される。この機能的詳細は、非アクティブスペーサー(117)を有するマガジンについては省略可能である。
【0076】
予め作製した放射線源-スペーサーチェーンとは違って、各患者に応じて個別に作成された放射線源-スペーサーチェーン構成は、放出される放射線源廃棄物を減少させる。未使用の放射線源(115)及びスペーサー(117)は、対応するマガジン(116、118)に残っている。従って、放射線露出は、起こりえない。
【0077】
さらに、ワーキングチャネル(106)内に放出された放射線源による放射線露出は、シールド及びミラーによる間接的観察によって妨げられる。
【符号の説明】
【0078】
1 マガジン
2 チェーンコンポーネントを収容する手段、すなわちシードリポジトリ
3 第1引張バネ-一定力バネ
4 イジェクションレバー
5 スライディングシャッター
6 凹部
7 マガジン筐体
7a 筐体カバー
7b 筐体シェル
8 内部ベアリングリング
9 固定溝
10 イジェクション
11 エンコーディング穴
12 開口部
13 上側のスプロケット
14 表示
15 マーキング
16 内壁
17 中央開口部
18 スペーサー
19 放射線源
20 イジェクションレバー4用の第1圧縮バネ
21 スライディングシャッター5用の第2圧縮バネ
22 空のマガジンの場合のリリースブロッキングエレメント
101 放射線源用のアセンブリデバイス
102 筐体
103 ニードルホルダー
104 連結領域及び観察ユニット
104a 連結領域
104b 観察ユニット
105 ローディングユニット
106 ワーキングチャネル
107 マンドレル
108 外部ハンドル
109 ミラー-レンズユニット
109a ミラー
109b レンズ
110 第1ロック-チェーンコンポーネントをアセンブルするためのワーキングチャネル内のロック
110a 第1ロックボタン
110b プッシュロッド113gの第1エクステンション用の収容アパーチャー
111 フラップ
112 キャリッジ
113 レバー機構
113a レバー機構ボタン
113b レバー機構ボタンのロッド
113c レバー
113d 第1圧縮バネピース
113e プッシュロッド
113f 第2圧縮バネピース
113g 第1プッシュロッドエクステンション
113h 第2プッシュロッドエクステンション
114 マガジン
115 放射線源
116 放射線源マガジン
117 スペーサー
118 スペーサーマガジン
119 第3ロック-ハンドル内のロック
119a 第3ロックボタン
119b プッシュロッド113hの第2エクステンション用の収容アパーチャー
120 照明用の設置スペース
121 ワーキングチャネルへのローディングユニットの開口部
122 磁気結合
123 マガジン安全機構
123a 安全機構123用の突起
123b 安全機構123用のボタン
124 ニードル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンコンポーネントをアセンブルしてチェーンにするためのデバイスであって、少なくとも1つのチェーンコンポーネントは、放射性放射線源を備え、
前記デバイスは、
筐体と、
前記筐体の第1軸に沿って延びるワーキングチャネルと、
前記ワーキングチャネルに接続され且つチェーンコンポーネントを有するマガジンを収容するための少なくとも2つの収容デバイスと、前記の収容されたマガジンから前記チェーンコンポーネントをイジェクトする少なくとも1つの手段とを含むローディングユニットと、
チェーンコンポーネントを連結するための連結ユニットを備え、
少なくとも1つの収容デバイスは、放射線源マガジンを収容するように構成され、
前記の少なくとも2つの収容デバイスは、そこに収容されるチェーンコンポーネント用の前記マガジンが第1軸に沿って間隔が空けられ且つ前記ワーキングチャネル上方に垂直に配置されるように、配置される、デバイス
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスであって、第2収容デバイスは、スペーサーを有するスペーサーマガジンを収容するように構成されている、デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスであって、前記連結ユニットは、前記チェーンのアセンブリが外側から視認可能なように、連結領域及び観察ユニットを備える、デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載のデバイスであって、前記観察ユニットは、前記チェーンが間接的に視認可能なように間接的な観察ユニットであり、好ましくは、ミラー-レンズユニットを備える、デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスであって、前記連結ユニットの前記連結領域において前記筐体を開くためのフラップを備える、デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のデバイスであって、ニードルホルダーが前記ワーキングチャネルの一端に配置され、第1ロックは、前記ニードルホルダーと前記連結ユニットの間に配置される、デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスであって、前記連結ユニットは、第1軸に沿ったワーキングチャネル中での移動用に構成されたマンドレルをさらに含む、デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載のデバイスであって、前記マンドレルは、前記筐体上に移動可能に配置された外部ハンドルによって移動可能に構成される、デバイス。
【請求項9】
請求項7に記載のデバイスであって、前記連結ユニットは、閾値を超える力が働いた場合に前記外部ハンドル及び前記マンドレルが互いに分離可能であるように、磁気結合をさらに含む、デバイス。
【請求項10】
請求項7に記載のデバイスであって、前記マンドレルと、チェーンコンポーネントをイジェクトする少なくとも1つの手段は、前記イジェクション手段の一度の作動の後に、マンドレルが変位されるまでは、前記イジェクション手段の第2の作動が妨げられるように、第2ロックによって互いに結合される、デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のデバイスであって、収容デバイスは、チェーンコンポーネントを有するマガジンを前記筐体内で/前記筐体からラッチし、固定し、取り外すための2つの安全機構を備える、デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載のデバイスであって、第3ロックをさらに備え、第3ロックは、ロックされた状態では、前記ワーキングチャネル中での前記チェーンコンポーネントのアセンブリがまだ起こっていない場所にまでのみマンドレルの変位を可能にする、デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載のデバイスであって、第3ロックは、前記ニードルホルダーと前記連結ユニットの間で第1ロックとリンクされており、第1ロックは、第3ロックが解放されたときにのみ、前記ニードルホルダーにおいてロック解除可能である、デバイス。
【請求項14】
請求項1に記載のデバイスであって、前記収容デバイスは、特別なタイプのマガジンに対してのみ使用可能であるように、マガジンの前記対応するエンコーディングエレメントと協働するように構成されるエンコーディング用エレメントを備える、デバイス。
【請求項15】
放射性放射線源を有するチェーンを形成するために、チェーンコンポーネントをアセンブルするためのシステムであって、
筐体と、
前記筐体の第1軸に沿って延びるワーキングチャネルと、
前記ワーキングチャネルと連結され且つチェーンコンポーネントを有するマガジンを収容するための少なくとも2つの収容デバイスと、前記の収容されたマガジンからチェーンコンポーネントをイジェクトする少なくとも1つの手段を備えるローディングユニットと、
前記の少なくとも2つの収容デバイスの一方に配置される放射性放射線源用の第1マガジンと、
前記放射線源と異なり且つ前記の少なくとも2つの収容デバイスの他方に配置される、追加のチェーンコンポーネント用の第2マガジンと、
前記チェーンコンポーネントを連結するための連結ユニットとを備え、
前記ワーキングチャネルは、前記マガジンを通過せず、
放射性放射線源用の第1マガジン及び追加のチェーンコンポーネント用の第2マガジンは、第1軸に沿って間隔が空けられ、且つ前記チェーンコンポーネントが下側にある前記ワーキングチャネル内にイジェクトされるように、ワーキングチャネル上方に垂直に配置されている、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−161237(P2011−161237A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−28153(P2011−28153)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(511031722)エッカート アンド ジーグラー ベービヒ ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】