説明

チェーン摩耗監視装置

コンベヤシステム及びチェーン摩耗を測定する方法は、第1の感知装置及び第2の感知装置を備える。これらは、コンベヤライン又はコンベヤ経路に位置し、コンベヤ経路に沿って移動可能なコンベヤチェーンの方を向いている。第1の感知装置は、コンベヤチェーンがコンベヤラインに沿って移動する際にコンベヤチェーンの第1のチェーン部分が所定場所に存在することを感知する。第2の感知装置は、コンベヤチェーンがコンベヤラインに沿って移動する際にコンベヤチェーンの第2のチェーン部分を感知する。第2の感知装置は、第2のチェーン部分の場所又は第2のチェーン部分の距離を感知するように動作可能である。又は、第2の感知装置は第2の部分の画像を取り込んでもよい。コントローラは、第2の感知装置に応答して、第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分の間に延在するチェーンセクションの摩耗度を決定するように動作可能であることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して搬送システムに関し、特に倉庫若しくは組み立て工場若しくは処理工場等の施設の搬送経路又はトラック周りに材料を搬送する搬送システム及びチェーンに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2006年8月24日に出願された米国特許仮出願第60/839,980号の利益を主張し、その仮出願は全体的に参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
動力伝達用又は材料管理及び処理システム用のチェーン、例えば処理工場、倉庫等で経路又はコンベヤラインに沿って複数のトロリー等を移動させるように機能するチェーンは、通常、ピン又はボルト、例えばIピン若しくは他の連結要素によって、互いに結合された多数のセクション又はリンクを含む。チェーンが搬送経路に沿って移動する際に、チェーンのリンク及びセクションは、連続した搬送経路又はチェーンループに沿って曲がり及びターンを生じる。チェーンセクションが曲がる際に、ピンはセンターリンク及び/又はサイドリンク内の開口内で回転し、これは結果的に、ピンとセンターリンク及び/又はサイドリンクとの両方に摩耗を生じさせる。ピン及びリンク間にギャップが生じるであろうから、摩耗は、チェーン又はチェーンセクションの有効長さの増加をもたらすと共に、チェーンのピッチも変化させる。チェーンの過度の摩耗は一般的に望ましくない。というのも、チェーンの緩み、及び/又はチェーンピッチの変化、及び/又は処理中の製品間の距離の変化の原因になるである。又はさらには騒音及びチェーンのさらなる摩耗又は脆弱化の原因にもなることもあるからである。通常、最初は10フィートのチェーンセクションであるチェーンセクションの長さが、チェーンの摩耗によって、約4インチ〜約6インチ増加した場合、チェーンを交換しなければならない。
【0004】
通常、チェーン又はチェーンセクションの長さは、チェーンが搬送経路に沿って移動する際にチェーン特徴部、例えば鍛造ピン又は鍛造チェーンリンクを検出することによって測定される。そのような既知の測定装置は、チェーンの初期基準読み取り値に基づいたコンベヤチェーンの相対摩耗を測定するであろう。したがって、そのような既知の測定装置は、チェーン全体における摩耗度の測定又は複数のチェーンセクション全体における摩耗度の測定を行う。チェーンセクションの長さは、選択されたセンターリンクの先導端を検出し、搬送経路に沿ったチェーンの速度を知ることによって決定されるであろう。次に、チェーンの速度及び検出の間の時間を使用して、チェーンセクションの距離又は長さを計算することができる。この長さを監視し、ピン及び/又はチェーンセクションのリンクの摩耗を概算することができる。しかしながら、センターリンクは通常、鍛造部材であり、センターリンクの製造公差及びリンクの表面むらに起因して、さまざまな長さを有するであろう。さらに、チェーンがコンベヤ経路に沿って移動する際に、チェーンの速度は公称速度から変化するであろう。このようなチェーン特性及び速度変化は、チェーンリンク又はチェーンセクションの測定された長さに大きな変動をもたらす原因になるであろう。
【0005】
したがって、当該技術において従来技術の短所を克服するコンベヤシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、チェーンの隣接するピン(例えば一般的なセンターリンクの両端部又は1対のサイドリンクのピン)のピン間距離を直接的に測定することにより、チェーンのピッチを測定するコンベヤシステムを提供する。測定装置は、2つの感知装置、例えばレーザ感知装置等を利用する。一方の感知装置は、所定場所で、チェーンのある部分、例えばそのチェーンのピン又は他の部分の存在を感知するように動作可能であり、且つ他方の感知装置を起動又は作動させる出力信号を発生し、他方の感知装置が次の、若しくは後続のチェーンの部分又はピン等の場所までの距離の測定又はその場所の決定を行うように動作可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、コンベヤシステムは、コンベヤライン又はコンベヤ経路、例えばトロリー用のIビームトラックと、コンベヤラインに沿って移動可能なコンベヤチェーンと、第1の感知装置及び第2の感知装置と、コントローラとを備える。コンベヤチェーンは、複数のセンターリンクと、複数のサイドリンクと、それぞれのサイドリンク及びセンターリンクを互いに連結する複数のチェーンピンとを有する。第1の感知装置は、コンベヤラインに位置付けられて、コンベヤチェーンの方に向けられる。第1の感知装置は、コンベヤチェーンがコンベヤラインに沿って移動する際に、コンベヤチェーンの第1のチェーン部分が特定場所(例えば第1の感知装置に対して所定の場所)に存在することを感知する。第2の感知装置は、コンベヤラインに位置付けられて、実質的にコンベヤチェーンの方に向けられる。第2の感知装置は、コンベヤチェーンがコンベヤラインに沿って移動する際に、コンベヤチェーンの第2のチェーン部分を感知する。コントローラは、第2の感知装置がチェーンの第2のチェーン部分を感知することを表す、第2の感知装置の出力に応答して、第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間に延在するチェーンセクションの摩耗度を決定するように動作可能である。
【0008】
第2の感知装置は、第1の感知装置が第1のチェーン部分の存在を感知するのに応答して、第2のチェーンの場所又は第2のチェーンまでの距離を感知することができる。第1の感知装置は、コンベヤラインに沿った所定場所に第1のチェーン部分が存在することを検出する近接センサを含んでもよい。第1の感知装置は、第1のチェーン部分が所定場所に存在することを第1の感知装置が検出したときに出力信号を発生し、第2の感知装置は、その出力信号に応答して第2のチェーン部分を感知する。第2の感知装置は、その出力に応答して、第2の感知装置から第2の部分までの距離の検出又は感知又は決定を行うことができる。コントローラは、第2の感知装置がチェーンの第2のチェーン部分を感知したことを表す第2の感知装置の出力に応答して、第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間の距離を決定してもよい。
【0009】
第1の感知装置及び第2の感知装置は、所定の間隔距離を空けて配置される。コントローラは、その所定の間隔距離及び第2の感知装置から第2のチェーン部分までの感知された距離の関数として、第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間の距離を決定してもよい。
【0010】
任意選択で、第2の感知装置は、第1の感知装置が第1のチェーン部分を感知したことに応答して、第2のチェーン部分の画像を取り込む画像形成センサを含んでもよい。コントローラは、取り込まれた画像データを処理し、例えば第2のチェーン部分の取り込まれた画像を基準画像又はパラメータ又は特有部(characteristic)と比較することによってチェーンセクションの摩耗度を決定することができる。
【0011】
任意選択で、コンベヤラインに位置付けられて、実質的にコンベヤチェーンの方に向けられ、コンベヤチェーンがコンベヤラインに沿って移動する際に、コンベヤチェーンの第2のチェーン部分を感知する第3の感知装置をコンベヤシステムに設けてもよい。コントローラは、第2の感知装置及び第3の感知装置の標的領域の分離距離と、第2の感知装置及び第3の感知装置によって第2のチェーン部分を検出する間の時間経過とに応答して、コンベヤチェーンの速度を決定してもよい。コントローラは、決定されたコンベヤチェーン速度、第1の感知装置が第1のチェーン部分を感知したことを表す第1の感知装置の出力及び第2の感知装置が第2のチェーン部分を感知したことを表す第2の感知装置の出力に応答して、チェーンセクションの摩耗度並びに/又は第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間の距離を決定してもよい。
【0012】
本発明の別の態様によれば、コンベヤラインに沿って移動するコンベヤチェーンセクションのチェーン摩耗を測定する方法は、第1の感知装置及び第2の感知装置を設けること、及びコンベヤチェーンの第1のチェーン部分を第1の感知装置で感知すること、及び第1のチェーン部分の感知時に出力信号を発生することを含む。第2の感知装置は、コンベヤチェーンの第2のチェーン部分を感知し、第1の感知装置の出力信号に応答して第2のチェーン部分を感知するように作動させられてもよい。第1の感知装置が第1のチェーン部分を感知したことを表す第1の感知装置の出力及び第2の感知装置が第2のチェーン部分を感知したことを表す第2の感知装置の出力に応答して、コンベヤチェーンの第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間に延在するチェーンセクションの摩耗度が決定される。
【0013】
したがって、本発明は、チェーンセクションの摩耗度、及び/又はチェーンの部分若しくはチェーンセクションの部分間、例えば2つの隣接又は連続したチェーンピン等の間の距離を決定するように動作可能であるコンベヤシステム及び/又は方法を提供する。第1の感知装置は、第1の部分又はピンの存在を検出して、第1の感知装置が発生した出力信号は、コントローラを起動するか、又はコントローラによって第2の感知装置を作動させ、第2のチェーン部分又はピンの場所を(例えば第2の感知装置から第2の部分までの距離決定により)決定する。第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間の距離は、第1の感知装置に対する第1のチェーン部分の場所が既知である特定時点又はそれに非常に近い時点での感知装置の既知の分離距離及び第2の感知装置と第2のチェーン部分との間の感知された距離の関数として決定されてもよい。任意選択で、システムは、チェーンの速度を決定し、チェーンのその決定速度及び感知装置間の既知の分離距離に基づいて、チェーンセクションの摩耗度及び/又は感知したチェーン特徴部間の距離を決定してもよい。したがって、本発明の測定装置又はシステム又は方法は、連続若しくは隣接したチェーンピン又は他のチェーン部分又は特徴部間の距離測定を行い、チェーンのリンクのセクションの少なくとも一部、任意選択ですべてについて、チェーンのピッチを決定してもよい。
【0014】
本発明の上記及び他の目的、利点、目的及び特徴は、図面に関連させて以下の明細書を検討することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に従ったチェーンセクション及びチェーン摩耗測定装置の側面図である。
【図2】本発明に従ったチェーンセクション及び別のチェーン摩耗測定装置の側面図である。
【図3】本発明に従ったチェーンセクション及び別のチェーン摩耗測定装置の平面図である。
【図4】図3のチェーン摩耗測定装置の画像形成センサによって取り込まれた画像である。
【図5】本発明に従ったチェーンセクション及び別のチェーン摩耗測定装置の平面図である。
【図6】図5のチェーン摩耗測定装置の画像形成によって取り込まれた画像である。
【図7】本発明に従ったチェーンセクション及び別のチェーン摩耗測定装置の平面図である。
【図8】本発明に従ったチェーンセクション及び別のチェーン摩耗測定装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面及びそれに描かれている例示的な実施形態を参照すると、コンベヤシステム10は、例えば倉庫、組み立て工場及び/又は同様物のような施設に、又はその内部にあるで搬送経路に沿って設けられて駆動されるコンベヤチェーン12を備える(図1)。コンベヤラインは、所望のルート若しくはレイアウトに設置された連続ループ又は経路又はトラックを有し、それに沿って複数のトロリー等が搬送される。トロリーは、連続駆動チェーン、例えば複数のチェーンピン18(例えばIピン又はボルト式ピン等)によって互いに連結された複数のチェーンリンク(例えばセンターリンク14及びサイドリンク16)を有するチェーンを介して互いに連結される。コンベヤシステムは、摩耗測定若しくはピッチ測定装置又はシステム20を備え、これは、第1のセンサ又は検出装置又は感知装置22と、第2のセンサ又は検出装置又は感知装置24とを有する。摩耗測定装置20はコンベヤ経路に沿って配置され、チェーンがコンベヤ経路に沿って移動して摩耗測定装置を通過する際に、感知装置22、24はチェーンの方に向けられている。摩耗測定装置20は、チェーンの連続又は隣接した、又は間隔を空けたピン(又は他の要素又は特徴部)の間の距離の測定又は決定又は計算又は概算を行い、後述するように、チェーン又はチェーンセクションのチェーンピッチ及び摩耗度を決定することができる。摩耗測定装置20のコントローラ又はプロセッサ26が、感知装置22、24によって発生した出力を受け取ってもよく、やはり後述するように、感知装置の出力に応答して、感知装置を制御してチェーン摩耗及び/又はチェーンピッチを決定してもよい。
【0017】
コンベヤチェーンは、当該技術において既知のように、互いに連結されて搬送システム周りの連続ループにされた多数のリンク又はリンク機構を含む。チェーンリンク及びピンは、任意のタイプのチェーンリンク又はピンを有してもよく、これは本発明の範囲に影響を与えるものではない。例えば、チェーンリンク又はピンは、米国ミシガン州のFrost Links, Inc.によって製造販売されているFrost Smooth link及びFrost Sani-link chainsとして市販されているタイプ等のチェーンの態様を用いてもよく、或いは米国特許第6,991,094号及び/又は同第7,246,699号に記載されている原理を用いて形成されてもよく、これらの特許は全体的に参照によって本明細書に援用される。チェーンピンは、例えば米国特許第6,862,939号及び同第6,993,978号に記載されているチェーンピン及び摩耗測定システムの態様を用いることによって、ピンのヘッド部又は複数部分にピン延長部分を含んでもよく、これらの特許は全体的に参照によって本明細書に援用される。チェーンは、チェーン及び駆動装置又はモータ等で搬送トラック(例えばIビームトラック等)周りを駆動されるトロリー等に連結されてもよい。
【0018】
図1に示すように、第1の感知装置22及び第2の感知装置24は、感知装置22、24が所定の既知の間隔距離Dだけ離して配置される(それにより、感知装置が標的とするチェーンに沿った領域又は点又は場所も所定の既知の間隔距離Dだけ離して配置される)ように、取り付け構造部又はプレート28に取り付けられてもよい。取り付け構造部又はプレート28は、チェーンがコンベヤ経路に沿って移動する際に、第1の感知装置22及び第2の感知装置24がコンベヤチェーンの方に実質的に向いているように、コンベヤライン又は経路に取り付けられるか、又はそれに沿って位置付けられる。任意選択で、感知装置を搬送ラインに他の方法で、例えば個別の取り付けプレート又はブラケット又は要素で取り付けられるか、又は位置付けられてもよく、取り付けられた感知装置間の間隔距離は、設定されるか、又は既知であってもよく、これは本発明の範囲に影響を与えるものではない。感知装置をチェーンの上方に取り付けてチェーンの上部分に向けて下向きにしてもよく、又はチェーンが搬送ラインに沿って移動する際にチェーン部分を検出するために、それらをチェーンの下方又はいずれかの側に取り付けてもよく、これは本発明の範囲に影響を与えるものではない。
【0019】
図示の実施形態において、第1の感知装置22は、チェーンがコンベヤ経路に沿って移動する際に第1のチェーン部分30、例えばチェーンピンのヘッド部の縁部(図1に示す)が所定場所に存在することを感知又は検出するように機能する近接センサである。好ましくは、第1の感知装置22は、コンベヤ経路に沿った所定場所で(例えば、第1の感知装置22に対する特定場所で)第1のチェーン部分の存在を検出するためにレーザビームを放出し且つ受け取るレーザ近接感知装置を有する。したがって、第1の感知装置22は、実質的に直接的にコンベヤチェーンの方に、例えばコンベヤチェーンの上方からチェーンの上部分の方に(図1に示す)向けられてもよい。第1のチェーン部分(すなわちチェーンピン等のヘッド部の前縁又は後縁)の存在が第1の感知装置22によって感知されると、第1の感知装置22は、ピン又は第1のチェーン部分の存在を表す出力信号を発生する。出力信号は、コントローラ28によって受け取られるか、又は第2の感知装置24によって受け取られてもよく、それにより、第1の感知装置22の出力信号に応答して、第2の感知装置24が作動又は起動され、第2の感知装置24から第2のチェーン部分までの距離を測定することができる。
【0020】
第2の感知装置24は好ましくは、距離測定装置、例えばレーザ距離測定装置を有する。図示の実施形態において、第2の感知装置24は、例えばレーザビームを所定方向に放出する送信要素24aと、例えば送信要素24aによって放出されたレーザビームがコンベヤ経路に沿って移動しているチェーンから反射された際に反射ビームを受け取る受信要素24bとを有する。これによって第2の感知装置24が作動又は起動され、第1の感知装置が特定又は所定場所での第1のチェーン部分30の存在を感知する特定の時点又はそれに非常に近い時点での第2の感知装置24及びチェーンの第2の部分32間の距離を測定又は決定することができる。第2の感知装置24は、第2の感知装置24及びチェーンの第2の部分32間の検出された、又は測定された距離を表す出力信号を発生してもよい。
【0021】
コントローラ26はまた、取り付け構造部28に取り付けられてもよく(又は感知装置から離して位置付けられてもよく)、第2の感知装置24から出力信号を受け取る。任意選択で、コントローラ26はまた、第1の感知装置22から出力信号を受け取ってもよく、第1の感知装置からの出力信号に応答して、第2の感知装置24を制御又は作動又は起動するように機能してもよい。コントローラ26は、第2の感知装置24からの出力信号に応答して、第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間の距離を決定する。第1の感知装置及び第2の感知装置間の間隔距離Dは既知の値であり、且つ第2の感知装置24から第2のチェーン部分までの距離は、第1の感知装置22に対する第1のチェーン部分の場所が既知である時点又は実質的にその時点で決定されるので、コントローラは、第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間の距離を既知の間隔距離及び第2の感知装置及び第2のチェーン部分間の測定距離の関数として決定又は計算又は概算又は推定することができる。任意選択で、コントローラは、第2の感知装置及び第2のチェーン部分間で決定された距離を基準若しくは予想距離又は長さ(未摩耗又は新しいチェーンセクションの第1のチェーン部分が第1の感知装置によって検出された時点において未摩耗又は新しいチェーンセクションについて予想されるもの)と比較することができる。
【0022】
望ましくは、感知装置22、24は、それぞれのチェーンピン(例えば隣接若しくは連続したチェーンピン、又は所定数のリンク等の間隔を空けて配置されたチェーンピン)のヘッド部の前縁又は後縁を検出するように機能する。図1に示すように、感知装置22、24は、チェーンが矢印Aの方向に移動する際にコンベヤチェーン12の隣接ピン18のヘッド部の後縁を検出してもよい。任意選択であって図2に示すように、感知装置22、24は、コンベヤチェーン12’の隣接ピン18’の突起又は先端30’、32’(例えば米国特許第6,862,939号及び同第6,993,978号に記載されているような突起であり、これらの特許は全体的に参照によって本明細書に援用される)を検出してもよい。第1の感知装置すなわち近接感知装置が前チェーン部分を検出し、第2の感知装置すなわち距離感知装置が後チェーン部分(チェーンがコンベヤ経路に沿って移動する際に前チェーン部分に追従する)を感知するものとして図示して記載しているが、第1の感知装置すなわち近接移感知装置が後チェーン部分の存在を感知してもよく(例えばチェーンが図1と逆の方向に移動している場合等)、それにより、第1の感知装置すなわち近接感知装置による後チェーン部分の存在の検出に応答して、第2の感知装置すなわち距離感知装置が起動して、前チェーン部分(チェーンがコンベヤ経路に沿って移動方向に移動する際に後チェーン部分の前方を移動している)を感知してもよく、これは本発明の範囲に影響を与えるものではない。
【0023】
次に図3及び図4を参照すると、コンベヤシステム110は、駆動チェーン112と、摩耗測定若しくはピッチ測定装置又はシステム120とを備え、摩耗測定若しくはピッチ測定装置又はシステム120は、近接センサ又は検出装置又は感知装置122と、画像形成センサ又はカメラ124とを有する。摩耗測定装置120は、コンベヤ経路に沿って、またチェーンがコンベヤ経路に沿って移動して摩耗測定装置を通過する際にセンサ122、124がチェーンの方に向くようにして設置される。摩耗測定装置120は、チェーンの連続又は隣接した、又は間隔を空けたピン間の距離を測定又は決定又は計算又は概算し、チェーンのチェーンセクションでのチェーンピッチ及び摩耗を決定することができる。摩耗測定装置120のコントローラ又はプロセッサ126が、画像形成センサ124によって発生した出力を受け取ることができ、画像形成センサ124によって取り込まれた画像を処理し、後述するように、チェーンの摩耗及び/又はチェーンピッチを決定することができる。
【0024】
上記したように、コンベヤチェーン112は、所望のルート又はレイアウトに設置された連続ループ又は経路又はトラックに沿って移動し、複数のトロリー等に連結される。チェーン112は、複数のチェーンピン118(例えばIピン又はボルト式ピン等)によって互いに連結された複数のチェーンリンク(例えばセンターリンク114及びサイドリンク116)を有する。
【0025】
近接センサ122は、搬送経路に沿って位置付けられ、チェーン112の特定の又は標的となる特有部、例えばピン118のヘッド部、例えば、図3に示すように、ピンのヘッド部の前縁又は後縁を検出することができる。画像形成センサ124は、近接センサ122から所定距離を置いて配置され(或いは、画像形成センサ124は、近接センサ122が標的とする場所又は領域から所定距離にある場所又は領域を標的にするように配置され)、それにより、近接センサ122がチェーン122の標的となる部分(例えばピンのヘッド部の前縁若しくは後縁、又は例えばピン若しくはチェーンリンクの任意の他の決定可能な特徴部)を感知したとき、別のピンのヘッド部が画像形成センサ124の視野の位置又は視野内に位置付けられる。近接センサによって感知するためのチェーンの標的特有部は、チェーン又はチェーンリンク又はピンの任意の適当な特有部又は特徴部であってもよく、画像形成センサで、又はその付近で感知されてもよい(例えば、図3に示すように隣接ピンのヘッド部又はチェーンの別のピンのヘッド部、又はチェーンに沿った任意の他の特徴部若しくは特有部)。画像形成センサ124は、任意の適当なセンサ又は画像取り込み装置又はカメラ、例えばピクセル化画像形成アレイセンサ(pixelated imaging array sensor)、例えば電荷結合素子(CCD)センサ又は相補形金属酸化膜半導体(CMOS)センサ等を含むことができ、これは本発明の範囲に影響を与えるものではない。
【0026】
摩耗測定装置又はシステム120は、近接センサ122から出力信号を受け取って、近接センサ122からの出力がチェーン112の標的特有部の検出を表すとき、画像形成センサ124を制御又は作動させて画像を取り込むことができる。したがって、画像形成センサ124は、コントローラ126に応答してピンのヘッド部の画像を取り込む。このように、図4に示すように、ピンのヘッド部が画像形成センサ124の視野内にある適当な時点で画像が取り込まれる。
【0027】
コントローラ126は、取り込まれた画像データを処理し、ピンのヘッド部の場所を決定すると共に、その場所を基準又は初期又は未摩耗のピン及びチェーンのものと比較するように動作可能である。したがって、コントローラは、チェーンの別のピン又は他の特有部(近接センサによって感知される)に対するピンの現在場所(画像形成センサによって取り込まれ、未摩耗チェーンのピンの基準又は既知又は予想場所と比較されたもの)に基づいて、チェーン及びピンの摩耗度を決定することができる。例えば、コントローラは、取り込まれた画像128(図4)を処理し、ピンの中心及びピンの角度を(例えばヘッド部の側部を検出して中心を計算することにより、また例えばピンのヘッド部の上面の角度を決定することにより)決定することができ、これらの特徴部をピンの基準中心(ピンの中心は、新しい、すなわち未摩耗チェーンのものである)及びヘッド部の上面の基準角度と比較してもよい。コントローラは、ヘッド部の縁部と未摩耗チェーンの縁部の既知又は予想場所との間の距離を決定又は計算してもよい。取り込まれた画像と基準パラメータ又は未摩耗のチェーンセクションにおける第2のチェーン部分の予想場所との間の変化又は差異を計算又は決定し、そのチェーンセクション(近接センサ及び画像形成センサ間のセクション)の摩耗度を得ることができる。ピン若しくはチェーンの検出縁部又は特徴部は、既知の画像処理技法、例えば縁部検出アルゴリズム等を使用して画像形成センサ及びコントローラによって検出されてもよい。摩耗検出システムの特定の用途によっては、近接センサ及び画像形成センサは、隣接又は連続したピン(例えば図3に示すようなセンターリンクの両端部のピン)又は間隔を空けた若しくは遠隔のピン(例えば駆動チェーンの異なったセクション又は部分のピン)、又はチェーンの他の間隔を空けた特有部又は特徴部(例えば、連続した、又は間隔を空けた又は遠隔のチェーンリンク等の特有部)の感知又は画像形成を行うように位置付けられてもよい。
【0028】
任意選択であって図5及び図6に示すように、コンベヤシステム110’のチェーン112’は、ヘッド部に突起又は延長部分119’を設けたピン118を有してもよい。その場合、摩耗検出システム120’は、チェーンセクションの摩耗を感知された特徴部又は特有部(近接センサ122’によって感知されるようなもの)で決定してもよく、且つ/又は画像化特徴部又は特有部(画像形成センサ124’によって画像化されるようなもの)は、ピン118’のヘッド部に突起又は延長部分119’を有してもよい。そのような実施形態において、プロセッサ126’は取り込まれた画像128’を処理し、突起119’の場所を決定すると共に、その場所を基準場所(チェーン又はチェーンセクションが新しい、すなわち摩耗していない場合に突起が位置すると予想される場所)と比較することができる。その場合、コントローラ126’は、チェーン又はチェーンセクションの摩耗度、又はコンベヤシステムのチェーンピッチを決定することができる。摩耗検出システムの特定の用途によっては、近接センサ及び画像形成センサは、隣接又は連続したピン(例えば図5に示すようにセンターリンクの両端部のピン)又は間隔を空けた若しくは遠隔のピン(例えば駆動チェーンの異なったセクション又は部分のピン)、又はチェーンの他の間隔を空けた特有部又は特徴部(例えば、連続した、又は間隔を空けた又は遠隔のチェーンリンク等の特有部)の感知又は画像形成を行うように位置付けられてもよく、それにより、コントローラは、検出又は感知又は画像化されたチェーン部分間に延在するチェーンセクションの摩耗度を決定する。
【0029】
このように、コントローラ126、126’及びチェーン摩耗検出システム110、110’は、感知されたチェーン特有部及び画像化ピン間のチェーンの摩耗度又はチェーンピッチを決定することができる。取り込まれた画像データが処理され、未摩耗すなわち新しいチェーン又はチェーンセクションの同様な特有部の予想又は所定又は既知の場所に対する取り込み画像のずれ又は変動量を決定してもよい。したがって、チェーンセクションの摩耗度は容易に決定されるであろう。画像化されたピン及び感知されたピン(又は他のチェーン特有部又は特徴部)間の距離又はチェーンセクションのピッチも、検出されたずれ並びに/又は近接センサ及び画像形成センサ間の既知の分離距離並びに/又は近接センサ及び画像形成センサが標的とする領域若しくは区域間の既知の分離距離に基づいて決定されてもよい。摩耗検出システムは、チェーンのさまざまな部分又はセクションの多数の画像を取り込み、コンベヤシステムの異なったすなわちさまざまなチェーンセクションの摩耗度又はチェーンピッチを決定又は監視することができる。
【0030】
次に図7を参照すると、コンベヤシステム210は、駆動チェーン212と、摩耗測定若しくはピッチ測定装置又はシステム220とを備え、摩耗測定若しくはピッチ測定装置又はシステム220は、近接センサ又は検出装置又は感知装置222と、画像形成センサ又はカメラ224とを有する。上記の摩耗測定装置又はシステムと同様に、摩耗測定装置220は、コンベヤ経路に沿って、またチェーンがコンベヤ経路に沿って移動して摩耗測定装置を通過する際にセンサ222、224がチェーンの方に向くようにして設置される。摩耗測定装置220は、チェーンの連続又は隣接した、又は間隔を空けたピン間の距離を測定又は決定又は計算又は概算し、チェーンのチェーンセクション内でのチェーンピッチ及び摩耗を決定する。摩耗測定装置220のコントローラ又はプロセッサ226が、画像形成センサ224によって発生した出力を受け取ってもよく、画像形成センサ124によって取り込まれた画像を処理し、チェーンの摩耗及び/又はチェーンピッチを決定してもよい。
【0031】
上記したように、コンベヤチェーン212は、所望のルート又はレイアウトに設置された連続ループ又は経路又はトラックに沿って移動し、複数のトロリー等に連結される。チェーン212は、複数のチェーンピン218(例えばIピン又はボルト式ピン等)によって互いに連結された複数のチェーンリンク(例えばセンターリンク214及びサイドリンク216)を有する。図7で分かるように、サイドリンクを通るピン218を受け取るために、サイドリンク216には開口又はアパーチャ216aが貫設されている(例えば2つの開口又はアパーチャが貫設されて、サイドリンク216のセンター連結部分216bによって分離されている)。任意選択であるが好ましくは、開口216aはサイドリンク216aに打ち抜かれ、それにより、打ち抜き処理は、開口又はアパーチャ216aをサイドリンク216に実質的に一定に貫設する、実質的に制御されていると共に繰り返し可能な処理を提供する。
【0032】
近接センサ222は搬送経路に沿って位置付けられ、チェーン212の特定の、又は標的特有部、例えば、図7に示すようにサイドリンク216の連結部分216bの前縁又は後縁を検出するようになっている。画像形成センサ224は、近接センサ222から所定距離の間隔を空けて配置され、それにより、近接センサ222が連結部分216bの前縁又は後縁を感知するとき、別のサイドリンクの連結部分が、画像形成センサ224の視野の位置及び視野内に位置付けられる。打ち抜きアパーチャの縁部、例えばサイドリンクの連結部分216bに沿った縁部は、システムの縁部検出及び処理能力を高めるために画像形成センサが画像化するための、非常に繰り返し精度が高い角形縁部を与える矩形に区切られた縁部である。
【0033】
摩耗測定装置又はシステム220は、近接センサ222から出力信号を受け取るコントローラ又はプロセッサ226であって、近接センサ222からの出力がチェーン212の標的特有部の検出を表すとき、画像形成センサ224を制御又は作動させて画像を取り込むことができるコントローラ又はプロセッサ226を有する。したがって、画像形成センサ224は、コントローラ226に応答してサイドリンク216の連結部分216bの実質的に矩形に区切られた前縁の画像を取り込む。このように、サイドリンクの連結部分216bが画像形成センサ224の視野内にある適当な時点で画像が取り込まれる。図7には、近接センサ222及び画像形成センサ224がチェーンセクションの側部からチェーンセクションの方に向けられて(それにより、ピンの側部の方に向けられて)いるように示されているが、これは、センサとサイドリンクのアパーチャ及び連結部分とを明瞭に示すためである。センサを他の角度でチェーンセクションの方に、好ましくは下向きにサイドリンク上へ向けてもよく、それにより、チェーンが搬送経路に沿って移動する際にサイドリンクの打ち抜きアパーチャの切断縁を実質的に画像化することができることは明らかであり、これは本発明の精神及び範囲内にある。
【0034】
コントローラ226は、取り込まれた画像データを処理し、サイドリンクの連結部分の前縁又は後縁の場所を決定すると共に、その場所を基準若しくは初期若しくは未摩耗サイドリンク及びチェーン又はチェーンセクションのものと比較するように動作可能である。したがって、コントローラは、チェーンの別のサイドリンクの連結部分(近接センサによって感知されるもの)に対するサイドリンクの連結部分の現在場所(画像形成センサによって取り込まれ、基準場所又は未摩耗チェーンの既知場所と比較されたもの)に基づいて、チェーンの(例えばチェーンのピン及び/又はサイドリンク及び/又はセンターリンク)の摩耗度を決定してもよい。サイドリンクの検出縁部又は特徴部は、既知の画像処理技法、例えば縁部検出アルゴリズム等を使用して画像形成センサ及びコントローラによって検出されてもよい。摩耗検出システムの特定の用途によっては、近接センサ及び画像形成センサは、隣接又は連続したサイドリンク(例えば図7に示すようなセンターリンクの両端部に連結されたサイドリンク)又は間隔を空けた若しくは遠隔のサイドリンク(例えば駆動チェーンの異なったセクション又は部分のサイドリンク)、又はチェーンの他の間隔を空けた特有部若しくは特徴部(例えば、連続した、若しくは間隔を空けた若しくは遠隔のチェーンリンク等の他の特有部又は特徴部)の感知又は画像形成を行うように位置付けられてもよい。
【0035】
このように、コントローラ226及びチェーン摩耗検出システム210は、感知されたチェーン特有部及び画像化されたサイドリンク間のチェーンの摩耗度又はチェーンピッチを決定してもよい。取り込まれた画像データが処理され、未摩耗すなわち新しいチェーン又はチェーンセクションの同様な特有部の予想又は所定又は既知又は基準場所に対する取り込み画像のずれ又は変動量を決定することができる。したがって、チェーンセクションの摩耗度は容易に決定されるであろう。画像化されたサイドリンク及び感知されたサイドリンク間の距離又はチェーンセクションのピッチも、検出されたずれ及び近接センサと画像形成センサとの間の既知の分離距離に基づいて決定されてもよい。摩耗検出システムは、チェーンのさまざまな部分又はセクションの多数の画像を取り込み、コンベヤシステムのチェーンの異なったすなわちさまざまなセクションの摩耗度又はチェーンピッチを決定することができる。
【0036】
任意選択であって図8を参照すると、コンベヤシステム310は、複数のチェーンピン318(例えばIピン又はボルト式ピン等)によって互いに連結された複数のチェーンリンク(例えばセンターリンク314及びサイドリンク316)を有するコンベヤチェーン312を備える。コンベヤシステムは、摩耗測定若しくはピッチ測定装置又はシステム320を備え、これは、第1のセンサ又は検出装置又は感知装置322と、第2のセンサ又は検出装置又は感知装置323と、第3のセンサ又は検出装置又は感知装置324とを備える。摩耗測定装置320は、コンベヤ経路に沿って、またチェーンがコンベヤ経路に沿って移動して摩耗測定装置を通過する際に感知装置322、323、324がチェーンの方に向くようにして設置される。摩耗測定装置320は、感知装置323、324によって発生した出力信号に応答してチェーンの速度を測定又は決定又は計算又は概算し、また、連続又は隣接した、又は間隔を空けたチェーン要素(例えばセンターリンク若しくはサイドリンクの端部、又はピン)の間の距離を測定又は決定又は計算又は概算し、チェーンのチェーンセクション内でのチェーンピッチ及び摩耗度を決定する。摩耗測定装置320のコントローラ又はプロセッサ326が、感知センサ322、323、324によって発生した出力を受け取ってもよく、例えば上述したようにして、感知装置の出力に応答して感知装置を制御してチェーンの摩耗及び/又はチェーンピッチを決定してもよい。
【0037】
図示の実施形態において、感知装置322、323、324は、センターリンク及びチェーンが搬送経路に沿って移動する際にセンターリンクの端部又は縁部を包含するそれぞれの領域の方に向けられたレーザセンサ(しかし、他の感知手段を用いてもよい)を含む。感知装置323及び324は既知の距離の間隔を空けて配置されて(且つ/又は既知の距離の間隔を空けて配置された特定の領域又は区域又は場所を標的にするように配置されて)、チェーン部分又は要素又は特有部、例えばセンターリング314の前端又は前縁314a(又は他のチェーン要素又は構成部分)を検出するように機能する。残りの感知装置322は、感知装置323、324からさらに間隔を空けて配置されて、チェーン要素、例えばセンターリング314の前端又は前縁314a(又は他のチェーン要素又は構成部分)を検出するように機能する。感知装置322と感知装置323及び/又は324との間の分離距離(及び/又は感知装置によって標的にされるか又は包含されている領域又は区域又は場所の間の距離)も既知である。感知装置322は、感知装置323及び324の上流側又は下流側でもよく、これは本発明の精神及び範囲内にある。
【0038】
感知装置323及び324間の分離距離は既知である(センサは、図8に示すより互いに接近しているか、又はさらに離れていてもよい)ため、プロセッサ326は、感知装置によって感知される領域に沿って進んで通過する際にセンターリンクの端部の存在を検出したことを表す、感知装置323、324によって発生した出力信号に応答して、任意の特定の時点でのチェーン速度を容易に計算することができる。感知装置323及び324の感知領域又は場所の分離距離が十分に短く、それにより、コンベヤ経路の相当な長さにわたって速度が安定しないことがあるコンベヤチェーンのギャップ若しくはむらによる変動又は誤差を制限又は低減させてチェーンの速度を実質的に正確に決定できるようにすることが望ましい。
【0039】
感知装置322、323、324はプロセッサ326によって個別に監視され(又は感知装置によって発生した信号が個別に処理され)、プロセッサ326は信号を処理し、特定の検出時点でのチェーン速度を(例えばチェーン要素又は特徴部が感知装置323及び324又は感知装置の標的領域間の既知距離を移動する際の経過時間を決定することによって速度を計算することにより)決定することができる。チェーンの決定速度に基づき、第1の感知装置322及び第2の感知装置323の出力信号(又は第1の感知装置322及び第3の感知装置324の出力信号)に応答して、プロセッサは2つの検出チェーン要素又は特徴部(例えば2つの連続した、又は間隔を空けたセンターリンクの前縁)の間の距離を決定してもよい。
【0040】
例えば、感知装置322は、センターリンクの前縁を検出し、それにより、別のセンターリンクのそれぞれの前縁を検出するために、そのような検出が残りの感知装置を起動して作動させてもよく、且つ/又はプロセッサを起動して残りの感知装置の出力信号を処理することができるようにしてもよい。プロセッサは次に、感知装置323及び324によって第2の前縁を検出する間の経過時間に応答してその時点でのチェーンの速度を決定することができ、また、感知装置322及び323(又は感知装置の特定の配置によっては、感知装置322及び324)によってそれぞれの前縁を検出する間の経過時間に応答して2つの離れたセンターリンクの検出前縁間の距離を決定することができる。
【0041】
したがって、感知装置322によるチェーン特徴部又は特有部の検出時に、感知装置323及び324を起動又は作動させ、チェーン特徴部又は特有部を感知して、その時点でのチェーンの速度を決定してもよい。コントローラは次に、感知装置322によって検出されたチェーン特徴部と感知装置323(又は感知装置324)によって検出されたチェーン特徴部との間の距離を決定して、その決定された距離を基準又は予想チェーンセクション長さと比較し、その特定のチェーンセクション内における摩耗度を決定してもよい。任意選択で、コントローラは、感知装置323、324の一方が第2のチェーン部分を検出する時点(第1のチェーン部分の検出より後又は前)を予想時間値と比較することができ、予想比較時間値は、未摩耗チェーンセクションが計算速度で移動している場合に未摩耗チェーンセクションについて予想される検出の間の時間である。測定時間(例えば、プロセッサのタイミング装置によって測定された時間)と予想時間又は基準時間との差を、チェーンセクション内における摩耗度の計算に容易に使用することができる。
【0042】
連続したセンターリンクの前縁を感知する感知装置を有するものとして図示しているが、それ以外にも、間隔を空けたセンターリンク及び/又は他のチェーン要素若しくは特徴部を検出するように、感知装置を設置してもよく、これは本発明の範囲に影響を与えるものではない。例えば、感知装置は、チェーンピン又はチェーンピンの突起を検出するように構成されてもよい(例えば、米国特許第6,862,939号及び第6,993,978号に記載されている検出システムの態様を利用し、これらの米国特許は全体的に参照によって本明細書に援用される)。例えば、感知装置は、チェーンピンの少なくともいくつかの端部から長手方向に延出した突起又は延長部分、例えばコンベヤチェーンのピンの少なくとも一部の端部から長手方向に延出又は突出したピラミッド形延長部分、円筒形延長部分、くさび形延長部分又は円錐形延長部分を検出してもよい。感知装置は、第1の感知装置322が先頭のセンターリンクの前縁を検出し、第2の感知装置及び第3の感知装置が後続のセンターリンクの前縁を検出するように示されているが、感知装置をそれ以外の配置にして、搬送経路に沿った異なる場所のチェーン特徴部を検出するようにしてもよく、これは本発明の精神及び範囲内にある。
【0043】
したがって、本発明は、チェーン又はチェーンセクションの部分間、例えば2つの隣接若しくは連続したチェーンピン(又は間隔を空けた非連続ピン)の間、又は隣接若しくは連続したチェーンリンク、又は間隔を空けた非連続チェーンリンク等の間のチェーンピッチ又は距離を決定するように動作可能であるコンベヤシステム及び/又は方法を提供する。第1の感知装置は、第1の感知装置に対して特定場所に第1の部分又はピンが存在することを検出し、第1の感知装置によって発生した出力信号がコントローラを起動し、又はコントローラによって第2の感知装置を作動させ、第2のチェーン部分又はピンの場所を(例えば第2の感知装置から第2の部分までの距離の決定により)決定することができる。したがって、第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間の距離は、第1の感知装置に対する第1のチェーン部分の既知の場所、2つの感知装置間の既知の距離、及びその時点でのチェーンの速度、及び/又は第1のチェーン部分の相対場所が既知である時点若しくは実質的にその時点での第2の感知装置と第2のチェーン部分との間の決定若しくは測定距離の関数として決定することができる。任意選択で、近接センサから既知の距離のチェーン特徴部又は特有部の画像を取り込み、その取り込み画像を基準特徴部と比較することにより、摩耗又はチェーンピッチを決定してもよい。したがって、本発明の測定装置又はシステム又は方法は、連続した若しくは隣接したチェーンピン又は他のチェーン部分間の距離の測定を行ってもよく、又はチェーン構成部分の実際の位置及び向きを基準位置及び向きと比較し、チェーンのリンクのセクションの少なくとも一部、任意選択ですべてについてチェーンのピッチを決定することができる。したがって、本発明の測定装置又はシステム又は方法は、既知のすなわち従来のシステムによって与えられる相対摩耗パターンではなく、チェーンセクションの直接的なピッチ測定を行うことができる。
【0044】
具体的に説明した実施形態の変更及び修正を本発明の原理から逸脱せずに行うことができ、本発明は、特許法の原則に従って解釈されるように、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤシステムであって、
コンベヤラインと、
前記コンベヤラインに沿って移動可能であるコンベヤチェーンであって、複数のセンターリンク、複数のサイドリンク、及びそれぞれのサイドリンク及びセンターリンクを互いに連結する複数のチェーンピンを有する、コンベヤチェーンと、
前記コンベヤラインに位置付けられて前記コンベヤチェーンの方に向けられた第1の感知装置であって、該第1の感知装置は、前記コンベヤチェーンが前記コンベヤラインに沿って移動する際に前記コンベヤチェーンの第1のチェーン部分の存在を感知する、第1の感知装置と、
前記コンベヤラインに位置付けられて実質的に前記コンベヤチェーンの方に向けられた第2の感知装置であって、該第2の感知装置は、前記コンベヤチェーンが前記コンベヤラインに沿って移動する際に前記コンベヤチェーンの第2のチェーン部分を感知する、第2の感知装置と、
前記第1の感知装置が前記コンベヤチェーンの前記第1のチェーン部分を感知したことを表す前記第1の感知装置の出力、及び前記第2の感知装置が前記コンベヤチェーンの前記第2のチェーン部分を感知したことを表す前記第2の感知装置の出力に応答して、前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間に延在するチェーンセクションにおける摩耗度を決定するように動作可能であるコントローラと、
を備える、コンベヤシステム。
【請求項2】
前記第2の感知装置は、前記第1の感知装置が前記第1のチェーン部分を感知することに応答して前記第2のチェーン部分を感知する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項3】
前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分は、前記コンベヤチェーンの第1のチェーンピン及び第2のチェーンピンのヘッド部を有する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項4】
前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分は、前記コンベヤチェーンの第1のチェーンピン及び第2のチェーンピンのヘッド部に突起を有する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項5】
前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分は、前記サイドリンク又は前記センターリンクのそれぞれ1つの一部分の縁部を有する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項6】
前記第1の感知装置は、前記第1のチェーン部分が前記第1の感知装置に対して前記コンベヤラインに沿った所定場所に存在することを検出する近接センサを含む、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項7】
前記第1の感知装置は、所定位置に前記第1のチェーン部分の存在を検出したときに出力信号を発生し、
前記第2の感知装置は、前記出力信号に応答して前記第2のチェーン部分を感知する、請求項6に記載のコンベヤシステム。
【請求項8】
前記第2の感知装置は、前記出力信号に応答して、該第2の感知装置から前記第2のチェーン部分までの距離を感知する、請求項7に記載のコンベヤシステム。
【請求項9】
前記第1の感知装置及び前記第2の感知装置は、所定の間隔距離を空けて配置されており、
前記コントローラは、前記コンベヤチェーンの前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の距離を、前記所定の間隔距離及び前記第2の感知装置から前記第2のチェーン部分までの前記感知された距離の関数として決定するように動作可能である、請求項8に記載のコンベヤシステム。
【請求項10】
前記第1の感知装置及び前記第2の感知装置は、前記コンベヤラインに位置する共通の取り付けプレートに取り付けられる、請求項9に記載のコンベヤシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の距離を監視することによって前記チェーンのセクションにおける摩耗度を監視する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の決定された距離を基準距離と比較し、チェーンセクションにおける前記摩耗度を決定する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項13】
前記第2の感知装置は、前記第1の感知装置が前記第1のチェーン部分を感知するのに応答して、前記第2のチェーン部分を表す画像データを取り込む画像形成センサを含む、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記取り込まれている画像データを処理し、前記チェーンセクションにおける前記摩耗度を決定する、請求項13に記載のコンベヤシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記取り込まれた画像データを処理して、前記第2のチェーン部分の取り込まれた現在の画像を基準パラメータと比較し、前記チェーンセクションにおける前記摩耗度を決定する、請求項14に記載のコンベヤシステム。
【請求項16】
前記コンベヤシステムは、前記コンベヤラインに位置して、実質的に前記コンベヤチェーンの方に向けられた第3の感知装置をさらに備えており、
該第3の感知装置は、前記コンベヤチェーンが前記コンベヤラインに沿って移動する際に前記コンベヤチェーンの前記第2のチェーン部分を感知し、
前記コントローラは、
前記第2の感知装置及び前記第3の感知装置の標的領域の分離距離、及び
前記第2の感知装置及び前記第3の感知装置によって前記第2のチェーン部分を検出する間の経過時間に
応答して、前記コンベヤチェーンの速度を決定する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、
前記コンベヤチェーンの前記決定速度、
前記第1の感知装置が前記コンベヤチェーンの前記第1のチェーン部分を感知したことを表す前記第1の感知装置の出力、及び
前記第2の感知装置が前記コンベヤチェーンの前記第2のチェーン部分を感知したことを表す前記第2の感知装置の出力
に応答して、前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の距離を決定する、請求項16に記載のコンベヤシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の前記決定された距離を基準距離と比較し、前記チェーンセクションにおける前記摩耗度を決定する、請求項17に記載のコンベヤシステム。
【請求項19】
コンベヤラインに沿って移動中のコンベヤチェーンセクションにおけるチェーン摩耗を測定する方法であって、
第1の感知装置及び第2の感知装置を所定の間隔距離を空けて設けること、
前記コンベヤチェーンの第1のチェーン部分が前記第1の感知装置に対して所定場所にあるとき、前記コンベヤチェーンの前記第1のチェーン部分の存在を前記第1の感知装置で感知して、前記第1のチェーン部分の感知時に出力信号を発生すること、
前記コンベヤチェーンの第2のチェーン部分を前記第2の感知装置で感知すること、及び
前記第1の感知装置が前記コンベヤチェーンの前記第1のチェーン部分を感知したことを表す前記第1の感知装置の出力、及び前記第2の感知装置が前記チェーンの前記第2のチェーン部分を感知したことを表す前記第2の感知装置の出力に応答して、前記コンベヤチェーンの前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間に延在するチェーンセクションの摩耗度を決定すること、
を含む、方法。
【請求項20】
前記第1の感知装置の前記出力信号に応答して、前記第2の感知装置を作動させ、前記第2のチェーン部分を感知する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の感知装置は、前記第1のチェーン部分が前記コンベヤラインに沿った前記所定場所に存在することを検出する近接センサを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の感知装置は、前記出力信号に応答して、前記第2の感知装置から前記第2のチェーン部分までの距離を感知する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記チェーンセクションの摩耗度の決定は、実質的に前記第1のチェーン部分が前記第1の感知装置によって感知された時点で、前記コンベヤチェーンの前記第1のチェーン部分及び第2のチェーン部分間の距離を、前記所定の間隔距離及び前記第2の感知装置から前記第2のチェーン部分までの所定の前記感知された距離の関数として決定することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の距離を監視することにより、前記チェーンセクションにおける摩耗度を監視することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の決定された距離を基準距離と比較して、前記チェーンセクションにおける前記摩耗度を決定することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の感知装置で前記コンベヤチェーンの第2のチェーン部分を感知することは、前記コンベヤチェーンの第2のチェーン部分の画像を取り込むことを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記チェーンセクションの摩耗度を決定することは、取り込まれた画像データを処理して、前記チェーンセクションの前記摩耗度を決定することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記取り込まれた画像データを処理し、前記第2のチェーン部分の取り込まれた画像を基準パラメータと比較して、前記チェーンセクションにおける前記摩耗度を決定することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の感知装置から所定の間隔距離を空けて第3の感知装置を設けること、
前記コンベヤチェーンの第2のチェーン部分を前記第3の感知装置で感知すること、及び
前記第2の感知装置及び前記第3の感知装置間の前記所定の間隔距離、及び前記第2の感知装置及び前記第3の感知装置によって前記第2のチェーン部分を検出する間の経過時間に応答して、前記コンベヤチェーンの速度を決定すること、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記チェーンセクションの摩耗度を決定することは、前記コンベヤチェーンの前記決定速度、前記第1の感知装置が前記コンベヤチェーンの前記第1のチェーン部分を感知したことを表す前記第1の感知装置の出力、及び前記第2の感知装置が前記コンベヤチェーンの前記第2のチェーン部分を感知したことを表す前記第2の感知装置の出力に応答して、前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の距離を決定することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記チェーンセクションの摩耗度を決定することは、前記第1のチェーン部分及び前記第2のチェーン部分間の決定された距離を基準パラメータと比較することを含む、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−501446(P2010−501446A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525705(P2009−525705)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/076227
【国際公開番号】WO2008/024685
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(504341612)フロスト・リンクス・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】FROST LINKS, INC.
【住所又は居所原語表記】2900 Northridge Drive, N.W., Grand Rapids, MI 49544, United States of America
【Fターム(参考)】