説明

チクングニヤウィルスタンパク質の共通配列、これをコードする核酸分子、並びにこれを使用する組成物および方法

共通CHIKV−E1タンパク質、共通CHIKV−E2タンパク質、共通CHIKV−カプシドタンパク質、およびそれらのフラグメントと、これらをコードする核酸分子を開示する。CHIKV−E1共通タンパク質、CHIKV−E2共通タンパク質、CHIKVE3共通タンパク質、およびそれらのフラグメントを含む共通CHIKVのEnvタンパク質と、これらをコードする核酸分子も同様に開示する。CHIKV共通タンパク質を含む組成物および組み換えワクチンと、それらを使用する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チクングニヤウィルスに対して、個体を予防的および/または治療的に免疫化するためのワクチンおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国仮出願第61/042,661号の優先権を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
免疫療法とは、望ましい治療効果を与えるために、ヒトの免疫反応を調節することを言う。免疫治療薬とは、個体に投与された場合、望ましい免疫反応を高めることにより、望ましくない免疫反応に伴う症状を最終的に軽減させるまたは最終的に症状を緩和させるのに十分な、個体の免疫システムを調節する組成物のことを言う。いくつかの例では、免疫療法とは、個体が個体を免疫原に暴露するためのワクチンを投与された場合、個体が当該免疫原に対して免疫反応を生じさせるというワクチンプロトコルの一部であり、免疫治療薬とは、免疫反応を高める、および/または、特定の病気、感染症、もしくは疾患を治療もしくは予防するための望ましい免疫反応(細胞アームまたは体液アームなど)の一部を選択的に強化する、ものである。
【0004】
ワクチンプロトコルは、増強した免疫反応を誘導するようにヒトの免疫反応を調節する薬剤の送達により改善され得る。個体が個体を免疫原に暴露するためのワクチンを投与された場合、個体が当該免疫原に対して免疫反応を生じさせる、といういくつかのワクチンプロトコルにおいては、免疫反応を高める、および/または、特定の病気、感染症または疾患を治療または予防するための望ましい免疫反応(細胞アームまたは体液アームなど)の一部を選択的に強化する薬剤が提供される。
【0005】
ワクチンは、アレルゲン、病原体の抗原、またはヒトの疾患に関わる細胞に関連する抗原のような標的抗原に対して、個体を免疫化することに役立つ。ヒトの疾患に関わる細胞に関連する抗原は、ガン関連腫瘍の抗原および自己免疫疾患に関わる細胞に関連する抗原を含む。
【0006】
そのようなワクチン設計において、ワクチン接種された個体の細胞に標的抗原を産生させるワクチンは、免疫システムの細胞アームを誘導するのに効果的であると認識されている。具体的には、弱毒生ワクチン、非病原性ベクターを使用する組み換えワクチン、およびDNAワクチンは、それぞれがワクチン接種された個体の細胞に抗原を産生させ、結果として免疫システムの細胞アームを誘導する。一方、死ワクチンまたは不活化ワクチン、およびタンパク質のみを含むサブユニットワクチンは、効果的な体液性の反応を誘導するが、優れた細胞性の免疫反応は誘導しない。
【0007】
細胞性の免疫反応は、病原体感染、ガンまたは自己免疫疾患の治療のために、病原体感染に対する防御を提供するため、および、効果的な免疫介在性治療を提供するためにしばしば必要とされる。従って、弱毒生ワクチン、非病原性ベクターを使用する組み換えワクチン、およびDNAワクチンのように、ワクチン接種された個体の細胞に標的抗原を産生させるワクチンがしばしば好まれる。
【0008】
チクングニヤウィルス(CHIKV)は、熱帯のアフリカおよびアジアに常在するアルファウィルスであり、当該ウィルスは、通常はヤブカ属の感染した蚊が咬傷することによりヒトに感染する[1(非特許文献1)]。CHIKVにより引き起こされる疾患であるチクングニヤ熱は、1952〜1953年の間に、東アフリカにおいて、伝染病の形で最初に認められた[2(非特許文献2)]。CHIKVによるヒトの感染では、発熱、頭痛、発疹、倦怠感、吐き気、嘔吐、筋肉痛、重度の関節痛、そして時には急性の四肢の衰弱のような神経学的兆候、という特徴を持つシンドロームが引き起こされ得る。致命的な出血状態が伴うこともある。他の症状は、筋肉痛および後眼窩痛を含む。チクングニヤ疾患は、死に至ることは滅多にないが、かなりの羅患率を伴う。チクングニヤ病は、およそ1〜2週間の潜伏期間を有する。「チクングニヤ」という言葉は、この疾患に伴う重度の関節痛を患った患者の、身をよじった姿勢、という地域方言の表現に由来するものと考えられている[1〜3(非特許文献1〜3)]。
【0009】
チクングニヤには、急激に衰弱させるような疾患をもたらし得るという伝染性の可能性があるため、その継続的な蔓延に基づき、発展途上国、先進国にとっての潜在的な脅威となっており、また新しく出現した流行地域の紛争地帯に兵士が配置されることによる軍事的な脅威を考慮すべきである。CHIKVの感染は、従業員におけるこの感染症の身体機能を奪うような症状が原因で、流行地域において常習的欠勤が起こり地元企業が影響を受ける、というように、経済的に著しい影響を与える。この経済的影響は、何週間または何ヶ月間も働くことができない個々の家族構成員において最も高い。衰弱させるような感染の後遺症という要因を背景にして、疾患を予防するための特効性の抗ウィルス治療薬、および現在入手可能などんなワクチンもないということは、新しいCHIKVの発生を扱う、または制御するのに深刻な障害となっている。
【0010】
CHIKVは、感染した蚊の咬傷により蔓延する。蚊は、CHIKVに感染した個体を食したときに感染するようになる。サル、および場合によっては他の野生動物も感染し得るが、それらのCHIKVの保有宿主としての役割はまだ実証されていない。感染した蚊は、次に、咬傷するときに他のヒトにウィルスを撒き散らし得る。家庭用容器で繁殖し、ヒトに誘引される、攻撃的な日中性の噛み付き屋であるネッタイシマカ(黄熱蚊)は、ヒトに対するCHIKVの最初のベクターである。ヒトスジシマカ(ヤブカ)もまた、アジアにおいてヒトに感染させる役割を果たし得るし、アフリカにおいては森林を住処とするさまざまな蚊の種類がウィルスに感染していることが確認されている[11〜17]。CHIK熱の流行は、ヒト―蚊―ヒトという伝染によって持続し、流行のサイクルは、デング熱および都市黄熱のサイクルと類似する。CHIK熱の大規模な発生が、インド洋のいくつかの島々およびインドにおいて最近報告されている[4〜7]。
【0011】
2004年の終わりから、チクングニヤウィルスは世界のさまざまな地域、大部分はインド洋の島々において、大規模な発生とともに再び姿を現し始めた。2006年の初めに、冬期の低感染率の期間が過ぎて南半球の夏が到来すると、レユニオン島は爆発的な発生を被った。推定266,000人の居住者(人口770,000人)がCHIKVに感染したことが報告され、248の死亡証明書は、CHIKVが死因となり得ることを示した[10、12]。妊娠中の女性における子宮内感染および垂直感染のエビデンスが報告されている[12、13、17]。配列分析では、ウィルスの地理的にクラスター化された系統の存在が明らかになっている。部分的E1配列に基づいた系統発生分析では、CHIKVの3つの異なる系統群の存在が明らかとなった。1つは西アフリカの分離株、1つはアジアの分離株を含む別の分離株、そしてもう1つは東、中央、南アフリカの分離株のグループである[15、17]。
【0012】
2006年には、発生したと分かっている地域からヨーロッパ、カナダ、カリブ諸島(マルティニーク)、および南アメリカ(フランス領ギアナ)へ帰国する旅行者についても、CHIK熱の症例が報告されている[5〜9]。2005年〜2006年の間に、CHIK熱が流行しているまたは風土病であると分かっている地域からアメリカに到着した旅行者について、CHIK熱の12の症例が、CDC(疾病対策センター(米国))において、血清学的およびウィルス学的に診断された[10]。
【0013】
こうした感染は、公衆衛生に危機を招き、世界中の研究者達の注目を集めた。重要なことに、ほとんどのチクングニヤウィルス感染は、数週間または数ヶ月内に完全に解消される。しかし、CHIKVで誘導された関節痛が、慢性的な関節の疾患を発症させながら数年間続くという、実証された症例もある。長期間の後に感染が解消するという事実は、免疫システムが、最終的にこの感染を制御するために回復し得ることを裏付けている。さらに、このようなクリアランス表現型は、T細胞反応のクリアランスにおける役割を裏付ける。ホルマリン処理死ワクチン、Tween ether不活化ウィルスワクチンおよび弱毒生ワクチンのようなチクングニヤに対するワクチンを開発する初期の試みはある程度成功したが、種々の理由で中止された[3(非特許文献3)]。加えて、これら全てのワクチンは、有益な細胞免疫を誘導せず、血清学的反応しか起こさないことが報告された。
【0014】
インド洋およびレユニオン島における最近の流行の頻度は、そこでネッタイシマカが確認されていないため、恐らく新しいベクターがウィルスを運んでいることを示唆している。事実、近い種であるヤブカ、ヒトスジシマカがその犯人かもしれず、CHIKウィルスの大流行の可能性について、世界の衛生コミュニティにおいて関心が高まっている。
【0015】
従って、CHIKVを抑制する方法を開発するための手段が取られるべきである。残念ながら、これまでのところ、チクングニヤウィルスに対する特効性の治療法はなく、現在入手できるワクチンもない。最近の研究では、エンベロープE1−A226の突然変異が、ヒトスジシマカのCHIKVの感染率の著しい増加に直接関与していることが証明され、さらに1アミノ酸置換がベクターの特異性に影響し得ることが確認されている。この研究結果は、いかにしてこの突然変異ウィルスが、一般的な昆虫ベクターのいない地域での流行を引き起こしているかについて、もっともらしい説明をしている[18]。チクングニヤに対する特効性のワクチンまたは特効性の抗ウィルス治療法はない。弱毒生ワクチンの試験が2000年に実行されたが、プロジェクトに対する財政的支援が中止され、現在入手できるワクチンはない。しかし、この先行のワクチンに伴ういくつかの有害事象は十分に実証されており、従って、新しいワクチン戦略が開発されなければならない[3(非特許文献3)、5]。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Strauss,J.H.およびStrauss,E.G.、Microbiol(1994年)第58版、491〜562頁
【非特許文献2】Robinson,M.C.、Trans R Soc Trop Med Hyg(1955年)49、28〜32頁
【非特許文献3】Powers,A.M.およびLogue,C.H.、Journal of General Virology(2007年)第88巻、9部、2363〜2377頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
2005年〜2007年の圧倒的な規模によると、チクングニヤの発生は、CHIKVに対する、安全で効果的なワクチンの必要性を浮き彫りにしている[6]。依然として、個体がCHIKV感染により感染することを防ぎ得るワクチンが必要である。依然として、CHIKVに感染した個体を治療するための効果的な治療法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、CHIKVタンパク質E1、またはその免疫原性共通フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む組成物に関する。
【0019】
本発明は、CHIKVタンパク質E2、またはその免疫原性フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む組成物に関する。
【0020】
本発明は、CHIKVタンパク質カプシド、またはその免疫原性共通フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む組成物に関する。
【0021】
本発明は、CHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2、およびCHIKVタンパク質E3の共通配列、もしくはその相同配列、又はCHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2、およびCHIKVタンパク質E3の各々に対して免疫反応を誘導する免疫原性アミノ酸配列をコードする、免疫原性共通フラグメントもしくはその相同配列、を含むキメラ遺伝子をコードする、単離された核酸分子を含む組成物に関する。
【0022】
本発明は、CHIKVタンパク質E1、またはその免疫原性共通フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む、注射可能な医薬組成物に関する。
【0023】
本発明は、CHIKVタンパク質E2、またはその免疫原性共通フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む、注射可能な医薬組成物に関する。
【0024】
本発明は、CHIKVタンパク質カプシド、またはその免疫原性共通フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む、注射可能な医薬組成物に関する。
【0025】
本発明は、CHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2、およびCHIKVタンパク質E3の共通配列、もしくはその相同配列、又はCHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2、およびCHIKVタンパク質E3の各々に対して、免疫反応を誘導する免疫原性アミノ酸配列をコードする、免疫原性共通フラグメント、もしくはその相同配列、を含むキメラ遺伝子をコードする、単離された核酸分子を含む、注射可能な医薬組成物に関する。
【0026】
本発明はさらに、CHIKVに対して個体に免疫反応を誘導する方法に関連し、当該方法は、CHIKVタンパク質E1、またはその免疫原性共通フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む組成物を個体に投与することを含む。
【0027】
本発明はさらに、CHIKVに対して個体に免疫反応を誘導する方法に関連し、当該方法は、CHIKVタンパク質E2、またはその免疫原性共通フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む組成物を個体に投与することを含む。
【0028】
本発明はさらに、CHIKVに対して個体に免疫反応を誘導する方法に関連し、当該方法は、CHIKVタンパク質カプシド、またはその免疫原性共通フラグメントの共通配列をコードする、単離された核酸分子を含む組成物を個体に投与することを含む。
【0029】
本発明はさらに、CHIKVに対して個体に免疫反応を誘導する方法に関連し、当該方法は、CHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2、およびCHIKVタンパク質E3の共通配列、もしくはその相同配列、又はCHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2、およびCHIKVタンパク質E3の各々に対して、免疫反応を誘導する免疫原性アミノ酸配列をコードする、免疫原性共通フラグメント、もしくはその相同配列をコードする、単離された核酸分子を含む組成物を個体に投与することを含む。
【0030】
本発明はさらに、CHIKVタンパク質カプシド、CHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2の共通配列、もしくはその免疫原性共通フラグメントをコードするヌクレオチド配列、又はCHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2、およびCHIKVタンパク質E3の共通配列、もしくはその相同配列、あるいはCHIKVタンパク質E1、CHIKVタンパク質E2、およびCHIKVタンパク質E3の各々に対して、免疫反応を誘導する免疫原性アミノ酸配列をコードする、免疫原性共通フラグメント、もしくはその相同配列をコードする、単離された核酸分子を含む組み換えワクチンに関連し、またCHIKVに対して個体に免疫反応を誘導する方法に関連し、当該方法は、そのような組み換えワクチンを個体に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(A)IgE−リーダーCHIKV融合遺伝子を、pVax1ベクターにクローニングするストラテジーの概略図である。(B)Kpn1およびNot1の二重消化を行い、それぞれ1403bp、1355bp、および869bpサイズの大きさを生じたことが示される、CHIKVプラスミド(エンベロープE1、E2、およびカプシド)のリニアで特異的なバンドを示すアガロースゲルの写真である。
【図2】CHIKV構築物の特徴の図である。(A)合成された構築物の、S35標識されたインビトロ翻訳を示す。抗原CHIKV−E1、CHIKV−E2、およびCHIKV−カプシドは、翻訳し、特異的なE1、E2、およびカプシドの抗体を使用してそれぞれ免疫沈降し、12%SDSゲルに流し、そしてX線撮影に供した。抗原は、発現を裏付けながら予測された分子量で流れている。(B)BHK−21細胞におけるCHIKV−E1およびCHIKV−カプシドの構築物のウェスタンブロット分析の図である。トランスフェクション2日後、トランスフェクトされた細胞の溶解物を調製し、多クローン性CHIKV−E1抗血清を用いて免疫ブロットを行った。これはマウスでの産生において、52kDaのE1タンパク質および36kDaのカプシドタンパク質の発現を示している。
【図3】抗体ELISAを用いた図である。(A)、(B)、および(C)C57BL/6マウスは、示されるように25μgのpVax1ベクターまたはCHIKVプラスミドを用いて、2週間あけて2回免疫し、一週間後に屠殺した。血清を集め、CHIKV−E1、CHIKV−E2、またはCHIKV−カプシドに対するIgGの総産生量の分析に供した。血清は、それぞれのCHIKVペプチドを2μg/mlでコーティングした96ウェルプレートで37℃で1時間インキュベートし、抗体は、抗マウスIgG−HRPを使用して検出した。値は二組のウェルの平均値(±標準偏差)を示す。
【図4】エリスポットで測定されたインターフェロンγのエンベロープE1に対する反応の図である。C57BL/6マウスは、25μgのpVax1ベクターまたはpCHIKV−E1を用いて、2週間あけて2回免疫し、一週間後に屠殺した。(A)脾細胞を採取し、R10(ネガティブコントロール)の存在下、または、9アミノ酸が重複する15merのペプチドであって、E1タンパク質の長さにわたる、4つのペプチドプールのうちの1つの10μg/mlの存在下で一晩培養した。CHIKV−E1に対する反応は、積み重ねたグループの平均反応として示される。(B)脾細胞を採取し、R10(ネガティブコントロール)の存在下、または、9アミノ酸が重複する15merのペプチドであって、E1タンパク質の長さにわたる、18個のペプチドプールのうちの1つの10μg/mlの存在下で一晩培養した。スポット形成単位(SFU)は、自動エリスポットリーダーにより計測され、生データは、百万個の脾細胞ごとのSFUに標準化した。値は、3組のウェルの平均値を示す。
【図5】エリスポットにより測定されたインターフェロンγのCHIKVエンベロープE2に対する反応の図である。C57BL/6マウスは、25μgのpVax1ベクターまたはpCHIKV−E2を用いて、2週間あけて2回免疫され、一週間後に屠殺した。(A)脾細胞を採取し、R10(ネガティブコントロール)の存在下、または、9アミノ酸が重複する15merのペプチドであって、E2タンパク質の長さにわたる、4つのペプチドプールのうちの1つの10μg/mlの存在下で一晩培養した。CHIKV−E2に対する反応は、積み重ねたグループの平均反応として示される。(B)脾細胞を採取し、R10(ネガティブコントロール)の存在下、または、9アミノ酸が重複する15merのペプチドであって、E2タンパク質の長さにわたる、18個のペプチドプールのうちの1つの10μg/mlの存在下で一晩培養した。スポット形成単位(SFU)は、自動エリスポットリーダーにより計測し、生データは百万個の脾細胞ごとのSFUに標準化した。値は、3組のウェルの平均値を示す。
【図6】エリスポットにより測定されたインターフェロンγのCHIKV−カプシドに対する反応の図である。C57BL/6マウスは、25μgのpVax1ベクターまたはpCHIKV−カプシドを用いて、2週間あけて2回免疫し、一週間後に屠殺した。(A)脾細胞を採取し、R10(ネガティブコントロール)の存在下、または、9アミノ酸が重複する15merのペプチドであって、カプシドタンパク質の長さにわたる、4つのペプチドプールのうちの1つの10μg/mlの存在下で一晩培養した。CHIKV−カプシドに対する反応を、積み重ねたグループの平均反応として示す。(B)脾細胞を採取し、R10(ネガティブコントロール)の存在下、または、9アミノ酸が重複する15merのペプチドであって、マトリックスカプシドタンパク質の長さにわたる、18個のペプチドプールのうちの1つの10μg/mlの存在下で一晩培養した。スポット形成単位(SFU)は、自動エリスポットリーダーにより計測し、生データは百万個の脾細胞ごとのSFUに標準化した。値は、3組のウェルの平均値を示す。
【図7】実施例2で説明される評価法を使用して測定された、チクングニヤウィルスに対する患者および健常な個体の(ナイーブ)血清の中和抗体価を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書で使用されるとき、「免疫原性共通フラグメント」は、2つ以上のCHIKV株に対して、交差防御を与えるのに十分な共通配列を含む、共通のCHIKVタンパク質のフラグメントを意味し、当該交差防御は、対応する天然型の配列を使用しても起こらない。フラグメントは、一般的に10以上のアミノ酸長である。CHIKV−E1のいくつかの好ましい長さは、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも105、少なくとも110、少なくとも115、少なくとも120、少なくとも125、少なくとも130、少なくとも135、少なくとも140、少なくとも145、少なくとも150、少なくとも155、少なくとも160、少なくとも165、少なくとも170、少なくとも175、少なくとも180、少なくとも185、少なくとも190、少なくとも195、少なくとも200、少なくとも205、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、少なくとも235、少なくとも240、少なくとも245、少なくとも250、少なくとも255、少なくとも260、少なくとも265、少なくとも270、少なくとも275、少なくとも280、少なくとも285、少なくとも290、少なくとも295、少なくとも300、少なくとも305、少なくとも310、少なくとも315、少なくとも320、少なくとも325、少なくとも330、少なくとも335、少なくとも340、少なくとも345、少なくとも350、少なくとも355、少なくとも360、少なくとも365、少なくとも370、少なくとも375、少なくとも380、少なくとも385、少なくとも390、少なくとも395、少なくとも400、少なくとも405、少なくとも410、少なくとも415、少なくとも420、少なくとも425、または少なくとも430である。CHIKV−E1のいくつかの好ましい長さは、15以下、20以下、25以下、30以下、35以下、40以下、45以下、50以下、55以下、60以下、65以下、70以下、75以下、80以下、85以下、90以下、95以下、100以下、105以下、110以下、115以下、120以下、125以下、130以下、135以下、140以下、145以下、150以下、155以下、160以下、165以下、170以下、175以下、180以下、185以下、190以下、195以下、200以下、205以下、210以下、215以下、220以下、225以下、230以下、235以下、240以下、245以下、250以下、255以下、260以下、265以下、270以下、275以下、280以下、285以下、290以下、295以下、300以下、305以下、310以下、315以下、320以下、325以下、330以下、335以下、340以下、345以下、350以下、355以下、360以下、365以下、370以下、375以下、380以下、385以下、390以下、395以下、400以下、415以下、420以下、425以下、430以下、または435以下である。CHIKV−E2のいくつかの好ましい長さは、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも105、少なくとも110、少なくとも115、少なくとも120、少なくとも125、少なくとも130、少なくとも135、少なくとも140、少なくとも145、少なくとも150、少なくとも155、少なくとも160、少なくとも165、少なくとも170、少なくとも175、少なくとも180、少なくとも185、少なくとも190、少なくとも195、少なくとも200、少なくとも205、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、少なくとも235、少なくとも240、少なくとも245、少なくとも250、少なくとも255、少なくとも260、少なくとも265、少なくとも270、少なくとも275、少なくとも280、少なくとも285、少なくとも290、少なくとも295、少なくとも300、少なくとも305、少なくとも310、少なくとも315、少なくとも320、少なくとも325、少なくとも330、少なくとも335、少なくとも340、少なくとも345、少なくとも350、少なくとも355、少なくとも360、少なくとも365、少なくとも370、少なくとも375、少なくとも380、少なくとも385、少なくとも390、少なくとも395、少なくとも400、少なくとも405、少なくとも410、少なくとも415、または少なくとも420である。CHIKV−E2のいくつかの好ましい長さは、15以下、20以下、25以下、30以下、35以下、40以下、45以下、50以下、55以下、60以下、65以下、70以下、75以下、80以下、85以下、90以下、95以下、100以下、105以下、110以下、115以下、120以下、125以下、130以下、135以下、140以下、145以下、150以下、155以下、160以下、165以下、170以下、175以下、180以下、185以下、190以下、195以下、200以下、205以下、210以下、215以下、220以下、225以下、230以下、235以下、240以下、245以下、250以下、255以下、260以下、265以下、270以下、275以下、280以下、285以下、290以下、295以下、300以下、305以下、310以下、315以下、320以下、325以下、330以下、335以下、340以下、345以下、350以下、355以下、360以下、365以下、370以下、375以下、380以下、385以下、390以下、395以下、400以下、415以下、422以下である。CHIKV−カプシドのいくつかの好ましい長さは、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも105、少なくとも110、少なくとも115、少なくとも120、少なくとも125、少なくとも130、少なくとも135、少なくとも140、少なくとも145、少なくとも150、少なくとも155、少なくとも160、少なくとも165、少なくとも170、少なくとも175、少なくとも180、少なくとも185、少なくとも190、少なくとも195、少なくとも200、少なくとも205、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、少なくとも235、少なくとも240、少なくとも245、少なくとも250、または少なくとも255である。CHIKV−カプシドのいくつかの好ましい長さは、15以下、20以下、25以下、30以下、35以下、40以下、45以下、50以下、55以下、60以下、65以下、70以下、75以下、80以下、85以下、90以下、95以下、100以下、105以下、110以下、115以下、120以下、125以下、130以下、135以下、140以下、145以下、150以下、155以下、160以下、165以下、170以下、175以下、180以下、185以下、190以下、195以下、200以下、205以下、210以下、215以下、220以下、225以下、230以下、235以下、240以下、245以下、250以下、255以下、または260以下である。本明細書の段落で使用されるように、好ましいフラグメントの大きさは、20〜400、20〜30、40〜100などの大きさの範囲を与えるために、例えば、「少なくとも」の大きさとして説明される任意の数から「t未満」の大きさとして説明される任意の数の範囲のような、「少なくとも」と「未満」との間の範囲のあらゆる順列を指すことを意図する。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「遺伝子構築物」という用語は、標的タンパク質または免疫調節タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むDNA分子またはRNA分子を指す。コード配列は、核酸分子が投与された個体の細胞で発現を導くことができる、プロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む調節エレメントに、動作可能に連結された開始シグナルおよび終結シグナルを含む。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「発現可能な形態」という用語は、標的タンパク質または免疫調節タンパク質をコードするコード配列に、動作可能に連結された必須の調節エレメントを含む遺伝子構築物を指し、それにより、個体の細胞に存在する場合、コード配列が発現される。
【0035】
本明細書で使用されるとき、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」または「ストリンジェントな条件」という表現は、核酸分子が別の核酸分子にハイブリダイズするが、その他の配列にはハイブリダイズしない条件を指す。ストリンジェントな条件は、配列に依存しており、異なる環境においては異なる。より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。一般的に、ストリンジェントな条件は、規定したイオン強度およびpHにおいて、特異的な配列のために熱融解点(Tm)よりも約5℃低く選択される。Tmは、標的配列と相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列とハイブリダイズする温度(規定したイオン強度、pH、および核酸濃度)である。標的配列は、一般的に過度に存在するため、Tmにおいてプローブの50%は平衡状態で使われる。典型的には、ストリンジェントな条件とは、pH7.0〜pH8.3で、塩濃度が約1.0M未満のナトリウムイオン、典型的には約0.01〜1.0Mのナトリウムイオン(または他の塩)であり、温度が、短いプローブ、プライマー、またはオリゴヌクレオチド(例えば、10〜50のヌクレオチド)については少なくとも約30℃、およびより長いプローブ、プライマー、またはオリゴヌクレオチドについては少なくとも約60℃の条件である。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドのような不安定化試薬を添加することで達成されてもよい。
【0036】
本明細書で使用されるとき、「相同」とは、2つの核酸配列間、または2つのアミノ酸配列間の配列相同性を指す。免疫原性の機能を保持するために十分に相同している、2つの核酸配列または2つのアミノ酸配列は「相同」である。ヌクレオチドおよびアミノ酸についての配列相同性は、FASTA、BLAST、およびGapped BLAST(Altschulら、Nuc. Acids Res., 1997, 25, 3389,当該内容の全体は、参照により本明細書に組み込まれる)、およびPAUP*4.0b10ソフトウェア(D.L. Swofford, Sinauer Associates, Massachusetts)を使用して決定されてもよい。「類似性の割合」は、PAUP*4.0b10ソフトウェア(D.L. Swofford, Sinauer Associates, Massachusetts)を使用して算出される。共通配列の平均類似性は、系統樹の全ての配列と比較して算出される。手短に言えば、Basic Local Alignment Search Toolを表すBLASTアルゴリズムは、配列類似性を決定するのに適している(Altschulら、J.Mol. Biol., 1990, 215, 403-410,当該内容の全体は、参照により本明細書に組み込まれる)。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、国立生物工学情報センターから公的に入手できる(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。このアルゴリズムは、まず、クエリ配列にある長さWの短いワードを同定することにより、データベース配列にある、同じ長さのワードと並んだときに、ある正の値の閾値スコアTと適合するか、または満たす、高いスコアリング配列ペア(HSPs)を同定することを含む。Tは、近傍ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら、上記参照)。この最初の近傍ワードヒットは、それらを含むHSPを見つけるために、サーチ開始のための種として作用する。累積アラインメントスコアが増加し得る限り、ワードヒットは各配列に沿って両方向に伸ばされる。各方向におけるワードヒットの伸長は、1)累積アラインメントスコアがその最大到達値から量Xだけ低下するとき、2)1個以上のネガティブスコアリング残基アラインメントに起因し、累積スコアがゼロ以下になるとき、または3)またはいずれかの配列の末端に到達するとき、に停止される。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、およびXは、アライメントの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、11のワード長(W)、BLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoffら、Proc.Natl. Acad. Sci. USA, 1992, 89, 10915-10919を参照、当該内容の全体は、参照により本明細書に組み込まれる)の50のアライメント(B)、10の期待値(E)(M=5、N=4、および両鎖の比較)を使用する。BLASTアルゴリズム(Karlinら、Proc.Natl. Acad. Sci. USA, 1993, 90, 5873-5787,当該内容の全体は、参照により本明細書に組み込まれる)、およびGapped BLASTは、2つの配列間の類似性の統計的分析を行う。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの測定は、最小合計確率(P(N))であり、これは2つのヌクレオチド配列間の一致が偶然発生する確率の指標を提供するものである。例えば、試験核酸を他の核酸と比較したときにおける最小合計確率が、約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は他の核酸と類似しているとみなされる。
【0037】
いくつかの実施形態では、個体を免疫化するために使用され得るCHIKVに対するDNAワクチンが提供される。ワクチンは、体液性免疫および細胞性免疫の両方をin vivoで誘導する。
【0038】
いくつかの実施形態により、チクングニヤウィルス(CHIKV)に対して交差反応性の免疫反応を誘導する能力を備えた免疫原を作製するため、CHIKVウィルスエンベロープE1、E2、およびコアタンパク質カプシドに対する共通構築物を設計した。これらの構築物について、ヒトに感染および死を引き起こした、1952年〜2006年の間に単離されたチクングニヤウィルスから21配列が選択された。各遺伝子について選択されたDNA配列は、サンプリングバイアスを避けるために、S27株(最初の分離株)、およびレユニオン島で発生した分離株を含む、様々な国に及ぶ株の配列であった。DNA配列は整列され、各位置にある最も共通するヌクレオチドが、合成配列のために選択された。推定されたアミノ酸配列は、アライメントのギャップの導入を導くために使用され、それにより、それらは読み枠を維持するコドン間に導入された。共通配列の作製後、IgEリーダー配列は、発現および分泌を高めるためにN末端に付加され、構築物は、コドンの至適化、および存在するコザック配列をより強い配列(GCCGCCACC)に置換することにより至適化された(図1A−配列番号18)。分析について、発現の検証のために、ヒスチジンタグがE1およびカプシドの両方のC末端に付加された。次いで、これらの構築物は、分析、発現、および免疫原性の研究のため、先に説明したように細菌内で産生され、そして精製された[21]。図1Bは、エンベロープE1、E2、およびカプシドのDNAをコードする構築物の、アガロースゲル電気泳動を描写している。
【0039】
別の実施形態により、CHIKVのウィルスエンベロープE1、E2、およびE3の各々に対するキメラの共通構築物を設計した。これらの構築物のために、E1、E2、およびE3の各々の共通配列が作製され、各共通配列が別の配列、好ましくはプロテアーゼ切断部位をコードする配列に連結された。加えて、IgEリーダー配列は、発現および分泌を強化するため、N末端に付加された。
【0040】
好ましい実施形態では、構築物は、IgEリーダー配列に連結されたCHIKVのコード配列を含む。しかし、いくつかの実施形態では、CHIKVのコード配列は、IgEリーダー配列に連結されないが、任意に異なるリーダー配列に連結されてもよい。
配列番号1は、IgEリーダー配列に連結された共通CHIKV−E1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を指す。
【0041】
配列番号2は、IgEリーダー配列に連結された共通CHIKV−E2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を指す。
【0042】
配列番号3は、IgEリーダー配列に連結された共通CHIKV−カプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を指す。
【0043】
配列番号4は、配列番号1に相当する共通CHIKV−E1タンパク質をコードするが、IgEリーダー配列のコード配列を持たないヌクレオチド配列を指す。
【0044】
配列番号5は、配列番号2に相当する共通CHIKV−E2タンパク質をコードするが、IgEリーダー配列のコード配列を持たないヌクレオチド配列を指す。
【0045】
配列番号6は、配列番号13に相当する共通CHIKV−カプシドタンパク質をコードするが、IgEリーダー配列のコード配列を持たないヌクレオチド配列を指す。
【0046】
配列番号7は、IgEリーダー配列を持つ共通CHIKV−E1タンパク質である、配列番号1によりコードされたアミノ酸配列を指す。
【0047】
配列番号8は、IgEリーダー配列を持つ共通CHIKV−E2タンパク質である、配列番号2によりコードされたアミノ酸配列を指す。
【0048】
配列番号9は、IgEリーダー配列を持つ共通CHIKV−カプシドタンパク質である、配列番号3によりコードされたアミノ酸配列を指す。
【0049】
配列番号10は、IgEリーダー配列を持たない共通CHIKV−E1タンパク質である、配列番号4によりコードされたアミノ酸配列を指す。
配列番号11は、IgEリーダー配列を持たない共通CHIKV−E2タンパク質である、配列番号5によりコードされたアミノ酸配列を指す。
【0050】
配列番号12は、IgEリーダー配列を持たない共通CHIKV−カプシドタンパク質である、配列番号6によりコードされたアミノ酸配列を指す。
【0051】
配列番号13は、コザック配列-IgEリーダー配列-CHIKV−E3コード配列-切断部位-CHIKV−E2コード配列-切断部位-CHIKV−E1コード配列-ストップシグナル-ストップシグナルである、共通Envをコードするヌクレオチド配列を指す。
配列番号14は、IgEリーダー配列-CHIKV−E3-切断部位-CHIKV−E2-切断部位-CHIKV−E1コード配列である、共通Envタンパク質配列である、配列番号13によりコードされたアミノ酸配列を指す。
【0052】
配列番号15は、IgEリーダー配列を持たずに、配列番号13に相当する共通Envをコードするヌクレオチド配列を指す。例えば、CHIKV-E3コード配列-切断部位-CHIKV−E2コード配列-切断部位-CHIKV−E1コード配列-ストップシグナル-ストップシグナル、である。
【0053】
配列番号16は、IgEリーダー配列を持たない共通Envタンパク質配列である、配列番号15によりコードされたアミノ酸配列を指す。例えば、CHIKV-E3-切断部位-CHIKV−E2-切断部位-CHIKV−E1コード配列、である。
【0054】
配列番号17は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列を指す。
配列番号18は、好ましいコザック配列を指す。
【0055】
共通タンパク質をコードする核酸分子が個体の細胞に取り込まれると、共通タンパク質をコードするヌクレオチド配列が細胞で発現され、それによりタンパク質は個体に送達される。本発明の態様は、プラスミド上の共通タンパク質のコード配列、またはそれを組み換えワクチンの一部としておよび弱毒化ワクチンの一部として送達する方法、を提供する。
本発明のいくつかの態様により、病原体、または異常な疾患関連の細胞に対して、予防的および/または治療的に個体を免疫化する組成物および方法が提供される。ワクチンは、弱毒生ワクチン、組み換えワクチン、又は核酸もしくはDNAワクチンのような、任意の種類のワクチンでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、ワクチンは、1つ、2つ、または3つ全ての共通タンパク質を含有する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、同じ核酸分子に、2つの共通タンパク質のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、2つの異なる核酸分子に、2つの共通タンパク質のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、同じ核酸分子に、3つの共通タンパク質のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、2つのコード配列が同じ核酸分子にあり、3番目のコード配列が2番目の核酸分子にある3つの共通タンパク質のコード配列を含む。例えば、一つの核酸分子はE1およびE2のコード配列を含有し、もう一つはカプシドのコード配列を含む;一つの核酸分子はE1およびカプシドのコード配列を含有し、もう一つはE2のコード配列を含む、又は、一つの核酸分子はE2およびカプシドのコード配列を含有し、もう一つはE1のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、3つの異なる核酸分子があり、各々が異なるコード配列を含む、3つの共通タンパク質のコード配列を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、IgEリーダーを含む共通E1を含むコード配列は、配列番号1である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持たない共通E1のコード配列は、配列番号4である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持つ共通E1タンパク質は、配列番号7またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態では、共通E1タンパク質は、配列番号10またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持つ共通E1タンパク質は、配列番号7に対して80%、90%、95%、98%、または99%相同である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持たない共通E1タンパク質は、配列番号10に対して80%、90%、95%、98%、または99%相同である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを含む共通E2を含むコード配列は、配列番号2である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持たない共通E2を含むコード配列は、配列番号5である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持つ共通E2タンパク質は、配列番号8またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態では、共通E2タンパク質は、配列番号11またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持つ共通E2タンパク質は、配列番号7に対して80%、90%、95%、98%、または99%相同である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持たない共通E1タンパク質は、配列番号11に対して80%、90%、95%、98%、または99%相同である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを含む共通カプシドを含むコード配列は、配列番号3である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持たない共通E1のコード配列は、配列番号6である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持つ共通E1タンパク質は、配列番号9またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態では、共通E1タンパク質は、配列番号12またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持つ共通E1タンパク質は、配列番号9に対して80%、90%、95%、98%、または99%相同である。いくつかの実施形態では、IgEリーダーを持たない共通E1タンパク質は、配列番号12に対して80%、90%、95%、98%、または99%相同である。
【0058】
重複した遺伝子が、単一の核酸分子または重複した核酸分子にあってもよい。例えば、一つの核酸分子はE1およびE2のコード配列を含有し、もう一つはカプシドのコード配列を含む;一つの核酸分子は、E1およびカプシドのコード配列を含有し、もう一つはE2のコード配列を含む、又は、一つの核酸分子は、E2およびカプシドのコード配列を含有し、もう一つはE1のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、3つの異なる核酸分子があり、各々が異なるコード配列を含む、3つの共通タンパク質のコード配列を含む。ワクチンは、E1、E2、およびカプシドについて、2つ以上の共通配列の組み合わせを含有してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、ワクチンは、単一のキメラ遺伝子として共に連結されたE1、E2、およびE3を含む、共通のCHIKV Envを含む。いくつかの実施形態では、個々の共通配列は、プロテアーゼの切断部位をコードする配列とともに互いに連結される。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるキメラ遺伝子の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように、E1、E2、およびE3の各々のフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号13またはそのフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号13またはそのフラグメントに対して、少なくとも85%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号13またはそのフラグメントに対して、少なくとも90%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号13またはそのフラグメントに対して、少なくとも95%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号13またはそのフラグメントに対して、少なくとも98%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号13またはそのフラグメントに対して、少なくとも99%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号15またはそのフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号15またはそのフラグメントに対して、少なくとも85%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号15またはそのフラグメントに対して、少なくとも90%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号15またはそのフラグメントに対して、少なくとも95%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号15またはそのフラグメントに対して、少なくとも98%相同の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、個体におけるタンパク質の発現が、結果としてE1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を生じさせるように十分な配列を含む、配列番号15またはそのフラグメントに対して、少なくとも99%相同の核酸配列を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、ワクチンは、共に連結されたE1、E2、およびE3の共通アミノ酸配列をコードする、共通のCHIKV Envを含む。いくつかの実施形態では、個々の共通配列は、プロテアーゼの切断部位をコードする配列とともに互いに連結される。いくつかの実施形態では、キメラ遺伝子は、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導するE1、E2、およびE3の各々のフラグメントをコードする。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導するのに十分な配列を含む、配列番号14またはそのフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号14またはそのフラグメントに対して、少なくとも85%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号14またはそのフラグメントに対して、少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号14またはそのフラグメントに対して、少なくとも95%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号14またはそのフラグメントに対して、少なくとも98%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号14またはそのフラグメントに対して、少なくとも99%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号16またはそのフラグメントに対して、少なくとも85%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号16またはそのフラグメントに対して、少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号16またはそのフラグメントに対して、少なくとも95%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号16またはそのフラグメントに対して、少なくとも98%相同のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、共通タンパク質CHIKV Envは、それによりコードされたアミノ酸配列が免疫原性であり、また、E1、E2、およびE3の各々に対して免疫反応を誘導する配列番号14またはそのフラグメントに対して、少なくとも99%相同のアミノ酸配列を含む。
【0061】
核酸分子は、DNA注入(DNAワクチン接種とも呼ばれる)、組み換えアデノウィルス、組み換えアデノウィルスに関連したウィルス、および組み換えワクシニアウィルスのような、組み換えベクターを含む、いくつかの周知の技術のうち任意の技術を使用して送達されてもよい。
【0062】
DNAワクチンは、米国特許第5,593,972号、米国特許第5,739,118号、米国特許第5,817,637号、米国特許第5,830,876号、米国特許第5,962,428号、米国特許第5,981,505号、米国特許第5,580,859号、米国特許第5,703,055号、米国特許第5,676,594に説明されており、そこに記載された優先出願は、各々が参照により本明細書に組み込まれる。これらの出願に説明された送達プロトコルに加え、DNAを送達する代替的な方法が、米国特許第4,945,050号、および米国特許第5,036,006号に説明されており、この両方は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
投与法は、限定されないが、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、皮内、皮下、静脈内、動脈内、眼内への投与および経口投与を含み、同様に、吸入剤または坐剤により局所的、経皮的に投与することも含み、又は、洗浄によって膣、直腸、尿道、口および舌下の組織のような粘膜組織に投与することを含む。好ましい投与法は、粘膜組織、筋肉内、腹腔内、皮内、および皮下への注入を含む。遺伝子構築物は、従来の注射器、無針注入装置、または「微粒子銃、遺伝子銃」を含む手段により投与され得るが、これらに限定されるものではない。
【0064】
別の投与法は、米国特許第5,273,525号、米国特許第5,439,440号、米国特許第5,702,359号、米国特許第5,810,762号、米国特許第5,993,434号、米国特許第6,014,584号、米国特許第6,055,453号、米国特許第6,068,650号、米国特許第6,110,161号、米国特許第6,120,493号、米国特許第6,135,990号、米国特許第6,181,964号、米国特許第6,216,034号、米国特許第6,233,482号、米国特許第6,241,701号、米国特許第6,347,247号、米国特許第6,418,341号、米国特許第6,451,002号、米国特許第6,516,223号、米国特許第6,567,694号、米国特許第6,569,149号、米国特許第6,610,044号、米国特許第6,654,636号、米国特許第6,678,556号、米国特許第6,697,669号、米国特許第6,763,264号、米国特許第6,778,853号、米国特許第6,865,416号、米国特許第6,939,862号、および米国特許第6,958,060号に説明されるような、遺伝子構築物を送達するために電気穿孔法を使用することを含み、当該内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
DNAワクチンの送達を容易にするための好ましい電気穿孔装置および電気穿孔方法の例は、Draghia-Akliらによる米国特許第7,245,963号、Smithらにより提出された米国特許公報第2005/0052630号に説明されるDNAワクチンを含み、当該内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。同様に、好ましくは、DNAワクチンの送達を容易にするための電気穿孔装置および電気穿孔方法は、2006年10月17日に出願された米国仮出願第60/852,149号、および2007年10月10日に出願された60/978,982に対し、合衆国法典35第119条(e)に基づき優先権を主張する、同時係属中であり共有の、2007年10月17日に出願された米国特許出願第11/874072において提供され、これら全ては、全体で本明細書に組み込まれる。
【0066】
以下は、電気穿孔技術を使用した実施形態の例であり、先に論じた特許の引用例において、より詳細に論じられている。電気穿孔装置は、ユーザにより入力されたプリセット電流と同様の定電流を作り出すパルスエネルギーを、哺乳類の所望の組織に送達するように構成され得る。電気穿孔装置は、電気穿孔コンポーネント、および電極アセンブリまたはハンドルアセンブリを含む。電気穿孔コンポーネントは、制御器、電流波形発生器、インピーダンス試験器、波形ロガー、入力素子、ステータス報告素子、通信ポート、メモリーコンポーネント、電源、および電源スイッチを含む電気穿孔装置の1つ以上の種々の要素を含み、また組み込むことができる。電気穿孔コンポーネントは電気穿孔装置の1つの要素として機能し得、他の要素は電気穿孔コンポーネントと通信する分離した要素(またはコンポーネント)である。いくつかの実施形態では、電気穿孔コンポーネントは、電気穿孔装置の2つ以上の要素として機能し得、これは電気穿孔コンポーネントと分離した電気穿孔装置のさらに他の要素と通信できる。ワクチンを送達する電気穿孔技術の使用は、要素が1つのデバイスとして、または、お互いに通信する分離した要素として機能できるように、1つの電気機械装置または機械装置の部品として存在する電気穿孔装置の要素によって限定されない。電気穿孔コンポーネントは、所望の組織に定電流を作り出すパルスエネルギーを送達することができ、フィードバック機構を含む。電極アセンブリは、空間配置において複数の電極を有する電極アレイを含み、電極アセンブリは、電気穿孔コンポーネントからパルスエネルギーを受け取り、電極を介して当該エネルギーを所望の組織に送達する。複数の電極の少なくとも1つは、パルスエネルギーを送達する間に中性であり、所望の組織におけるインピーダンスを測定し、電気穿孔コンポーネントにインピーダンスを伝える。フィードバック機構は、測定されたインピーダンスを受け取ることができ、電気穿孔コンポーネントにより送達されたパルスエネルギーを調節して定電流を維持する。
【0067】
いくつかの実施形態では、複数の電極は、分散パターンでエネルギーのパルスを送達することができる。いくつかの実施形態では、複数の電極は、プログラムされた配列のもと、電極の制御を介して、分散パターンでエネルギーのパルスを送達することができ、プログラムされた配列は、ユーザにより電気穿孔コンポーネントに入力される。いくつかの実施形態では、プログラムされた配列は、配列時に送達される複数のパルスを含み、ここで複数のパルスの各パルスは、インピーダンスを測定する1つの中性電極を備えた少なくとも2つの活性電極により送達され、複数のパルスに続くパルスは、インピーダンスを測定する1つの中性電極を備えた少なくとも2つの活性電極のうち、異なる1つにより送達される。
【0068】
いくつかの実施形態では、フィードバック機構は、ハードウェアまたはソフトウェアのどちらかにより実行される。好ましくは、フィードバック機構は、アナログ閉ループ回路により実行される。好ましくは、このフィードバックは、50μs、20μs、10μs、または1μs毎に生じるが、好ましくは、リアルタイム・フィードバックまたは瞬時的(例えば、応答時間を決定するために利用できる技術により決定されるように、実質的に瞬時的)である。いくつかの実施形態では、中性電極は、所望の組織のインピーダンスを測定し、インピーダンスをフィードバック機構に通信し、そしてフィードバック機構がインピーダンスに応答し、プリセット電流と同様な値で定電流を維持するようにエネルギーのパルスを適合させる。いくつかの実施形態では、フィードバック機構は、エネルギーのパルスの送達の間、定電流を継続的、瞬間的に維持する。
【0069】
細胞に取り込まれると、遺伝子構築物(単数または複数)は、機能する染色体外分子として細胞で存在し続けることができる。DNAが細胞内に導入されてもよく、当該DNAは、一過性であることを原則に、プラスミド(単数または複数)の形態で存在する。代替的に、RNAが細胞に投与されてもよい。同様に、セントロメア、テロメア、および複製開始点を含む、線状のミニ染色体として遺伝子構築物を提供することを検討してもよい。遺伝子構築物は、対象に投与される、弱毒化生微生物または組み換え微生物ベクターにおける遺伝物質の一部を構成してもよい。遺伝子構築物は、遺伝物質が染色体外に残る、組み換えウィルスワクチンのゲノムの一部であってもよい。遺伝子構築物は、核酸分子の遺伝子発現に必要な調節エレメントを含む。エレメントは、プロモーター、開始コドン、終止コドン、およびポリアデニル化シグナルを含む。加えて、標的タンパク質または免疫調節タンパク質をコードする配列の遺伝子発現のために、しばしばエンハンサーが必要とされる。これらのエレメントが所望のタンパク質をコードし、調節エレメントが、投与される個体で操作できる配列に、操作可能に連結されることが必要である。
【0070】
開始コドンおよび終止コドンは、一般的に、所望のタンパク質をコードするヌクレオチド配列の一部であるとみなされている。しかし、これらのエレメントが、遺伝子構築物が投与される個体で機能することが必要である。開始コドンおよび終止コドンは、コード配列とインフレームでなければならない。
【0071】
使用されるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルは、個体の細胞内で機能しなければならない。
【0072】
特にヒトのための遺伝子ワクチンの生産において、本発明を実施するための有利なプロモーターの例は、シミアンウィルス40(SV40)由来のプロモーター、マウス乳腺腫瘍ウィルス(MMTV)のプロモーター、BIV長末端反復(LTR)プロモーターのようなヒト免疫不全ウィルス(MV)のプロモーター、モロニウィルス、ALV、例えば、サイトメガロウィルス即時型初期プロモーターのようなサイトメガロウィルスのプロモーター(CMV)、エプスタイン・バールウィルス(EBV)、ラオス肉腫ウィルス(RSV)由来のプロモーターと同様に、ヒトのアクチン、ヒトのミオシン、ヒトのヘモグロビン、ヒト筋肉のクレアチン、およびヒトのメタロチオネインのような、ヒト遺伝子由来のプロモーターを含むが、これらに限定されるものではない。
【0073】
特にヒトのための遺伝子ワクチンの生産において、本発明を実施するために有利なポリアデニル化シグナルの例は、SV40ポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモンのポリアデニル化(bgh−ポリA)シグナル、およびLTRポリアデニル化シグナルを含むが、これらに限定されるものではない。詳細には、SV40ポリアデニル化シグナルと呼ばれる、pCEP4プラスミド(InvitrogenSan Diego, Calif)にあるSV40ポリアデニル化シグナルを使用する。
【0074】
DNA発現に求められる調節エレメントに加え、別のエレメントがDNA分子に含められてもよい。そのような付加的なエレメントは、エンハンサーを含む。エンハンサーは、ヒトのアクチン、ヒトのミオシン、ヒトのヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、並びにCMV、RSV、およびEBV由来のエンハンサーのような、ウィルスのエンハンサーを含む群から選択されてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0075】
遺伝子構築物は、細胞において染色体外でコンストラクトを維持し、複数のコンストラクトの複製物を産生させるため、哺乳類の複製開始点に備えることができる。Invitrogen(San Diego, Calif)のプラスミドpVAX1、pCEP4、およびpREP4は、組み込みなしのエピソーム複製の大量の複製物を産生させる、エプスタイン・バールウィルスの複製開始点および核抗原EBNA−1コーディング領域を含んでいる。
【0076】
免疫化の適用に関連するいくつかの好ましい実施形態では、核酸分子(単数または複数)が送達され、当該核酸分子は、共通タンパク質、および付加的に、そのような標的タンパク質に対して免疫反応をさらに強化するタンパク質の遺伝子をコードするヌクレオチド配列を含む。そのような遺伝子の例は、α−インターフェロン、γ−インターフェロン、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNF、GM−CSF、上皮細胞成長因子(EGF)、IL−1、IL−2、II−4、IL−6、IL−10、IL−12、IL−15、および欠失したシグナル配列を有し、IgE由来のシグナルペプチドを付加的に含むIL−15を含むIL−28のような、別のサイトカインおよびリンホカインをコードする遺伝子である。
【0077】
方法で使用される組成物はさらに、米国特許公報第20030176378号に対応する米国特許出願第10/139,423号で説明されるように、そのようなタンパク質をコードする以下のタンパク質および/または核酸分子を1つ以上含有してもよく、当該内容は、参照により本明細書に組み込まれる。主要組織適合遺伝子複合体クラスI抗原、または主要組織適合遺伝子複合体クラスII抗原を含む主要組織適合遺伝子複合体抗原;Apo−1、Fas、TNFR−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、およびDR6を含むがこれらに限定されないデスドメイン受容体;FADD、FAP−1、TRADD、RIP、FLICE、およびRAIDDを含むがこれらに限定されない、デスドメイン受容体と相互作用するタンパク質などのデスシグナル;またはFAS−LおよびTNFを含むがこれらに限定されない、デスドメイン受容体と結合し、アポトーシスを惹起するリガンドを含むデスシグナル;FADD、MORT1、およびMyD88を含むがこれらに限定されない、デスドメイン受容体と相互作用するメディエータ;昆虫およびヘビ毒、シュードモナス(Pseudomonas)毒素のような菌体内毒素、単鎖のトキシンを含むリシンのようにタンパク質を失活化させる二重鎖リボソーム、並びにゲロニンに限定されないが、これらのような細胞を死滅させるタンパク質を含むトキシン。
【0078】
方法で使用される組成物はさらに、米国特許公報第20070041941に一致する米国特許出願第10/560,650号で説明されるように、そのようなタンパク質をコードする以下のタンパク質および/または核酸分子を1つ以上含有してもよく、当該内容は、参照により本明細書に組み込まれる。IL−15タンパク質配列に連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質のように、IL−15タンパク質配列に連結された非IL−15シグナルペプチドを含む融合タンパク質を含むIL−15、CD40L、TRAIL;TRAILrecDRC5、TRAIL−R2、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANKリガンド、Ox40、Ox40リガンド、NKG2D、F461811、またはMICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、CD30、CD153(CD30L)、Fos、c−jun、Sp−1、Ap1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、NIK、SAPK、SAP1、JNK2、JNK1B2、JNK1B1、JNK2B2、JNK2B1、JNK1A2、JNK2A1、JNK3A1、JNK3A2、NF−kappa−B2、p49スプライシングフォーム、NF−kappa−B2、p100スプライシングフォーム、NF−kappa−B2、p105スプライシングフォーム、NF−kappa−B50K鎖前駆物質、NFkBp50、ヒトIL−1α、ヒトIL−2、ヒトIL−4、マウスIL−4、ヒトIL−5、ヒトIL−10、ヒトIL−15、ヒトIL−18、ヒトTNF−α、ヒトTNF−β、ヒトインターロイキン12、MadCAM−1、NGFIL−7、VEGF、TNF−R、Fas、CD40L、IL−4、CSF、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、LFA−3、ICAM−3、ICAM−2、ICAM−1、PECAM、P150.95、Mac−1、LFA−1、CD34、RANTES、IL−8、MIP−1α、E−セレクチン、CD2、MCP−1、L−セレクチン、P−セレクチン、FLT、Apo−1、Fas、TNFR−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4(TRAIL)、DR5、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、DR6、ICE、VLA−1、およびCD86(B7.2)。
【0079】
方法で使用される組成物はさらに、米国特許公報第20070104686号に対応する米国特許出願第10/560,653号に説明されるように、そのようなタンパク質をコードする以下のタンパク質および/または核酸分子を1つ以上含んでもよく、当該内容は、参照により本明細書に組み込まれる。Fos、c−jun、Sp−1、Ap−1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAPK、SAP−1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANKリガンド、Ox40、Ox40リガンド、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、およびTAP2。
【0080】
なんらかの理由により遺伝子構築物を受入れる細胞を除去することが望ましい場合、細胞破壊の標的として役割を果たす、追加のエレメントが付加されてもよい。発現できる形態でヘルペスチミジンキナーゼ(tk)遺伝子を遺伝子構築物に含めることができる。薬剤ガングシクロビル(gangcyclovir)を個体に投与することもでき、この薬剤は、tkを産生する任意の細胞を選択的に死滅させ、それにより、遺伝子構築物とともに選択的な細胞を破壊する手段を提供する。
【0081】
タンパク質の産生を最大化させるために、コンストラクトが投与される細胞における遺伝子の発現に適した調節配列を選択することができる。さらに、細胞で最も効率的に転写されるコドンが選択されてもよい。当業者は、細胞で機能するDNAコンストラクトを作製することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、遺伝子構築物は、本明細書で説明される免疫調節タンパク質のためのIgEシグナルペプチドが連結されたコード配列を作るように提供されてもよい。
【0083】
本発明の1つの方法は、核酸分子を筋肉内、鼻腔内、腹腔内、皮下、皮内、もしくは局所へ投与すること、または吸入、膣、直腸、尿道、頬側、および舌下からなる群から選択された粘膜組織の洗浄により投与することを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、ポリヌクレオチドの機能的エンハンサー、または遺伝子ワクチン促進剤の投与と併せて細胞に送達される。ポリヌクレオチドの機能的エンハンサーは、米国特許第5,593,972号および米国特許第5,962,428号に説明され、当該各内容は参照により本明細書に組み込まれる。遺伝子ワクチンの促進剤は、米国特許第5,739,118号に説明されており、当該内容は、参照により本明細書に組み込まれる。核酸分子と併せて投与される共作用剤は、核酸分子との混合物として投与されてもよく、または核酸分子を投与する前か後に、混合せずに同時に投与されてもよい。加えて、トランスフェクション試薬、および/または複製剤、および/または炎症剤として機能し得、ポリヌクレオチドの機能的エンハンサーと一緒に投与され得る他の薬剤には、α−インターフェロン、γ−インターフェロン、GM−CSF、血小板由来成長因子(PDGF)、TNF、上皮増殖因子(EGF)、IL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−10、IL−12、およびIL−15のような、成長因子、サイトカイン、およびリンホカインが含まれ、同様に、線維芽細胞増殖因子、免疫刺激複合体(ISCOMS)のような界面活性剤、モノホスホリルリピドA(WL)を含むLPSアナログ、ムラミルペプチド、キノン類似体およびスクアレンのようなベシクルが含まれる。ヒアルロン酸も当該遺伝子構築物と共に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、免疫調節タンパク質を、ポリヌクレオチドの機能的エンハンサーとして使用することができる。いくつかの実施形態では、核酸分子は送達/取り込みを強化するために、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLG)を伴って提供される。
【0085】
本発明による医薬組成物は、約1ng〜約2000μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、本発明による医薬組成物は、約5ng〜約1000μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、医薬組成物は、約10ng〜約800μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、医薬組成物は、約0.1μg〜約500μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、医薬組成物は、約1μg〜約350μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、医薬組成物は、約25μg〜約250μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、医薬組成物は、約100μg〜約200μgのDNAを含む。
【0086】
本発明による医薬組成物は、使用される投与法に応じて処方される。医薬組成物が注射可能な医薬組成物である場合、当該組成物は無菌であり、発熱物質を含まず、粒子を含まない。好ましくは等張性の製剤が使用される。一般的に、等張性のための添加物は、塩化ナトリウム、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、およびラクトースを含むことができる。いくつかの事例では、リン酸緩衝した生理食塩水のような等張液が好ましい。安定剤は、ゼラチンおよびアルブミンを含む。いくつかの実施形態では、血管収縮剤が製剤に追加される。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態によると、チクングニヤウィルスに対して免疫反応を誘導する方法が提供される。ワクチンは、弱毒生ワクチン、組み換えワクチン、または核酸もしくはDNAワクチンでもよい。
【0088】
核酸分子(単数または複数)が、プラスミドDNA、組み換えベクターの核酸分子として、または弱毒化ワクチンに提供した遺伝物質の一部として提供されてもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、共通タンパク質はそれらをコードする核酸分子に加えて、またはそれらをコードする核酸分子の代わりに、タンパク質として送達されてもよい。
【0089】
遺伝子構築物は、遺伝子発現に必要とされる調節エレメントに、操作可能に連結された標的タンパク質、または免疫調節タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。本発明による、標的タンパク質をコードするヌクレオチド配列の発現可能な形態を含む1つの構築物、および免疫調節タンパク質をコードするヌクレオチド配列の発現可能な形態を含む1つの構築物を含む、遺伝子構築物の組み合わせが提供される。遺伝子構築物の組み合わせを含むDNA分子またはRNA分子(単数または複数)の生細胞への送達により、DNAまたはRNA、並びに標的タンパク質および1つ以上の免疫調節タンパク質の産物が発現する。標的タンパク質に対して強化された免疫反応が生じる。
【0090】
遺伝子ワクチンを改善するため、免疫調節タンパク質のコード配列の発現できる形態を使用することに加え、本発明は、抗原をコードする外来性遺伝子を送達するため、改善された弱毒化生ワクチン、および組み換えベクターを使用する、改善されたワクチンに関する。外来性抗原を送達するための弱毒化生ワクチン、および組み換えベクターを使用するワクチンの例は、米国特許第4,722,848号、米国特許第5,017,487号、米国特許第5,077,044号、米国特許第5,110,587号、米国特許第5,112,749号、米国特許第5,174,993号、米国特許第5,223,424号、米国特許第5,225,336号、米国特許第5,240,703号、米国特許第5,242,829号、米国特許第5,294,441号、米国特許第5,294,548号、米国特許第5,310,668号、米国特許第5,387,744号、米国特許第5,389,368号、米国特許第5,424,065号、米国特許第5,451,499号、米国特許第5,453,364号、米国特許第5,462,734号、米国特許第5,470,734、および米国特許第5,482,713号に説明されており、当該内容の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。共通タンパク質、またはその免疫原性共通フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物が提供され、当該ヌクレオチド配列は、発現を生じさせるようにワクチンにおいて機能できる調節配列に動作可能に連結される。遺伝子構築物は、本発明により改善されたワクチンを生産するため、弱毒化生ワクチンおよび組み換えワクチンに取り込まれる。
【0091】
本発明は、DNAワクチン、弱毒化生ワクチン、および組み換えワクチンを含むワクチン組成物の一部分として個体の細胞に遺伝子構築物を送達することを含む、個体を免疫化する改善された方法を提供する。遺伝子構築物は、発現を生じさせるようにワクチンにおいて機能できる調節配列に動作可能に連結される共通タンパク質、またはその免疫原性共通フラグメントコードするヌクレオチド配列を含む。ワクチンは、異なる株に対して交差防御を生じさせる。
【0092】
実施例1
これよりDNAワクチン・ストラテジーを用いて、CHIKVのワクチン設計のため、新しい共通性に基づいたアプローチのデータを提示する。ワクチンカセットは、いくつかの組み換えを備えたCHIKVカプシド、およびエンベロープ特異的共通配列に基づき設計した。カプシド、エンベロープE1、およびE1の発現は、T7−coupled転写/翻訳法、および免疫ブロット法を使用して評価した。CHIK-カプシド、E1およびE2をコードするプラスミドの筋肉注射を用いて、C57BL/6マウスを免疫化するために、適応する定電流の電気穿孔技術を使用した。エピトープマッピングを含む細胞性免疫反応の分析では、これらの構築物の電気穿孔が、強力な細胞性免疫および広範な細胞性免疫の両方を誘導することを実証している。加えて、抗体ELISAは、これらの合成免疫原が未変性の抗原を識別できる、抗体価の高い抗体を誘導することができることを実証している。総合すると、これらのデータは、ワクチンカクテルの可能性における共通CHIK抗原の使用の研究をさらに裏付けている。
【0093】
この研究では、ワクチンカセットは、コドン最適化、RNA最適化、コザック配列の追加、および置換した免疫ブログリンEリーダー配列を含む、いくつかの修飾を備えたカプシド(Cap)、エンベロープ(E1)およびエンベロープ(E2)の特異的共通配列に基づき設計した。ワクチンカセットは、特異的部位でDNAワクチンベクターpVax1内に導入した。ワクチンの構築物は、特異的な制限消化を使用し、またT7プロモーターのプライマーを用いてシーケンシングすることにより、インサートを調べた。最終的な構築物は、インビトロでの発現と同様にインビボにおけるウェスタンブロット法の使用の両方に基づき、効果的に発現した。このことは、ウィルスの構築物が正確に発現し、さらに免疫原性の研究が進んだことを裏付けている。
【0094】
最近では、DNAワクチンの送達のためにEPを使用することが大いに関心を引いている。小動物モデル、および非ヒト霊長類におけるIM免疫化+EPの最近の研究によると、細胞性、特に抗体反応の増強が相次いで報告されている[20〜22]。
【0095】
物質および方法
細胞および動物
ATCCから入手したBHK−21細胞株を、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地で増殖させ維持した。哺乳類のプラスミド発現ベクターpVax1は、Invitrogen(Carlsbad, CA)から購入した。3〜4週齢のメスのC57BL/6マウス(Jacksonlaboratories, Indianapolis, IN)をこれらの実験に使用し、3つの実験群に分けた(n4)。全ての動物は、アメリカ国立衛生研究所(BethesdaMD, USA,)、ペンシルバニア大学(Philadelphia, PA, USA)、および研究機関の動物管理使用委員会(IACUC)のガイドラインに従い、温度管理された光サイクルのある設備に収容した。
【0096】
CHIKVのDNA構築物および合成
CHIKVコアおよびエンベロープ遺伝子は、CHIKVウィルス全てについてNCBIデータベースから集めた配列のうち予測される共通株を使用して、合成プライマーの合成、次いでDNA-PCR増幅により設計した。共通配列は、コドンの最適化およびRNAの最適化(GeneArt, Regensburg, Germany)を含め、発現のために最適化し、pVax1発現ベクター(Invitrogen)に挿入した。
【0097】
インビトロおよびインビボにおける発現
構築物の発現は、pVax1バックボーンのT7プロモーター、およびS35標識されたメチオニンCHIKV遺伝子を含むT7−based coupled転写/翻訳システム(Promega, Madison, WI)を使用して確認した。合成したタンパク質は、抗E1抗体、抗E2抗体、または抗Cap抗体を使用して免疫沈降させた。免疫沈降したタンパク質は、12%NuPage SDS−PAGEゲル(Invitrogen,CA)で電気泳動させ、続いて固定し、乾燥させた。取り込まれたS35標識された遺伝子産物を検出するため、オートラジオグラフィーを行った。インビボ発現では、BHK−21細胞(1×10)はCHIKV構築物を用い、Fugeneトランスフェクション方法(Roche,NJ)を使用してトランスフェクトした。トランスフェクションの72時間後、タンパク質(50μg)をSDS-PAGE(12%)で分画し、PVDFメンブレン(Bio-Rad,Hercules, CA)に移した。免疫ブロット分析は、マウスで生じた特異的な抗血清を用いて行い、発現したタンパク質は、ホースラディッシュ・ペルオキシターゼと複合化したヤギ抗マウスIgGを用い、ECL検出システム(AmershamPharmacia Biotech, Piscataway, NJ)を使用して視覚化した[19]。
【0098】
免疫化および電気穿孔
プラスミドDNAを用いて刺激する動物に、標準的なプロトコルを使用した[20]。4匹のマウスの群は、2〜3回、pCHIKV遺伝子(25μg)を用いて、2週間あけて2回免疫化し、最後に免疫化した1週間後、屠殺した。全ての免疫処置は、インビボ電気穿孔(EP)(VGXPharmaceuticals Inc, Blue Bell, PA)により、総量100μlを大腿四頭筋に送達させた。動物は、最後の免疫化の7日後に屠殺し、免疫分析のため、その後すぐに血清および脾臓を集めた。2回目の免疫化および3回目の免疫化のそれぞれ1週間後に、コントロールマウスおよび免疫化したマウスの両方の血液を得た。方形波パルスを全ての実験に使用し、出願人の研究室で設計され試験された定電流EKDを用いて送達した[20〜22]。3つの電極アレイ(3−EA)をマウス実験で使用した。3−EAは、長い2辺が長さ0.5mmで、底辺が長さ0.3mmであり、非導電性プラスチックで共に保持された二等辺三角形構造の、3つのE26−ゲージ固体ステンレス鋼に基づく電極でできている。マウス実験のための特異的なEP条件では、定電流、0.1アンプ、3つのパルス(52ミリ秒/パルス、パルス間4秒)を使用した。プラスミド注射とEPとの時間差は約20秒であった。プラスミド投与/EPについてイベントの順は以下の通りであった。使い捨ての電極アセンブリをハンドルのレセプタクルに設置し、ハンドルの開始ボタンを押して動物実験群の数を入力し、インシュリン注射器を使用して50μlのDNA構築物(総量25μgのDNA)プラスミドを注射し、すぐに注射部位を囲む区域に針を置き、ハンドルの開始ボタンを押し、4秒数えた後、パルスが送達される。電気穿孔に続いて5秒後、筋肉から静かにアレイを取り出す。全処置の間、全ての電極を完全に筋肉に挿入した[21、22]。全てのDNAは、内毒素を含まないQiagenカラムを使用して作った。全ての動物は、ペンシルバニア大学の温度管理した光サイクルのある設備に収容し、動物の世話は、アメリカ国立衛生研究所およびペンシルバニア大学のガイドラインに従った。
【0099】
細胞性反応:エリスポット分析
エリスポット分析は、先に説明したように行った[23]。手短にいえば、エリスポット96ウェルプレート(Millipore)は、抗マウスIFN−γ capture Abでコートし、4℃で24時間インキュベートした(R&DSystems)。翌日にプレートを洗浄し、1%BSAを用いて2時間ブロックした。免疫化したマウスから20万個の脾細胞を各プレートに添加し、RPMI1640(ネガティブコントロール)、Con A(ポジティブコントロール)、または特異的なペプチドAgs(10μg/ml;Invitrogen)の存在下、5%CO、37℃で一晩刺激した。ペプチドプールは、11アミノ酸で重複した15merでできている。シミュレーション24時間後、細胞を洗浄し、ビオチン化した抗マウスIFN−γ Ab(R&DSystems)を用いて、4℃で24時間インキュベートした。プレートを洗浄し、ストレプトアビジン結合アルカリホスファターゼ(R&D Systems)を各ウェルに添加し、室温で2時間インキュベートした。プレートを洗浄し、5−ブロモ−4−クロロ−3′インドリルホスファート p-トルイジン塩、およびニトロブルーテトラゾリウムクロリド(色元素の色試薬;R&DSystems)を各ウェルに添加した。次いで蒸留水を用いてプレートをリンスし、室温で乾燥させた。スポットは自動エリスポットリーダー(CTL Limited)[21〜23]で数えた。
【0100】
体液性免疫反応:抗体ELISA
CHIKVの各DNA構築物に対し、各DNAの最初の注射後の抗体レベル、およびワクチン接種への体液性免疫反応を特定した。手短にいえば、96ウェルの高結合性のポリスチレンプレート(Corning, NY)のプレートを、PBSで希釈した合成した特異的なペプチド(2μg/ml)を用いて、4℃で一晩コートした。翌日、プレートをPBST(PBS,0.05% Tween 20)で洗浄し、PBSTで、3%BSAを用いて1時間ブロックし、1:100で希釈した、免疫化したマウスおよびナイーブマウスの血清を用いて、37℃で1時間インキュベートした。結合したIgGは、1:5,000の希釈で、ヤギ抗マウスIgG−HRP(ResearchDiagnostics, NJ)を使用して検出した。結合した酵素は、色素原基質溶液TMB(R&D Systems)の添加により検出し、Biotek EL312e Bio−Kineticsリーダーで、450nmで読み取った。全ての血清サンプルは二重に試験した[22]。
【0101】
結果
共通構築物の発現
3つのCHIKV共通構築物の発現は、複数の技術を使用して検証した。S35標識されたインビトロ翻訳で産生したタンパク質を視覚化するため、T7−coupled転写および翻訳分析をインビトロで行った。翻訳産物は、ヒスチジンタグ抗体を使用して免疫沈降し、ゲル分析を行った。SDS−PAGEおよびX線写真分析は、各構築物(エンベロープE1、E2、およびカプシド)が理論的に予測した分子量で流れることを示した(図2A)。次に哺乳類の細胞内におけるこれらの構築物の発現の試験に努めた。BHK−21細胞へのトランスフェクションの後、3日後にタンパク質を抽出し、発現は特異的な多クローン性の抗体を使用してウェスタンブロット分析により検出した(図2B)。特異的な抗体を用いた免疫ブロットの結果、エンベロープE1構築物でトランスフェクトした細胞には52kDaのタンパク質を、カプシド構築物でトランスフェクトした細胞には36kDaのタンパク質を観察した。
【0102】
体液免疫性
本出願人は、致死性のCHIKウィルスから防御するための出願人の共通免疫原の強さは、免疫システムの細胞アームにあると仮説を立てている。さらに、非中和性抗体ではなく、交差反応性が疾患の重症度に対してある程度防御を提供できる。出願人の構築物が抗体反応を誘導するか決定するために、DNA免疫がELISAによる抗体反応に対して試験された後に、得られた血清から抗体価を決定するように、CHIKで免疫化したマウスの血清に抗体ELISAを行った。エンベロープE1構築物で免疫化したマウスの血清における抗E1特異的IgG抗体は、ベクターコントロールで免疫化したマウスの血清における抗体よりも著しく高かった(図3A)。同様に、エンベロープE2構築物およびカプシド構築物のそれぞれで免疫化したマウスの血清における、抗E2特異的IgG抗体および抗カプシド特異的IgG抗体は、ベクターコントロールで免疫化したマウスの血清における抗体よりも著しく高かった(図3Bおよび図3C)。これらの結果はさらに、プラスミド送達の代替的な手段、具体的には電気穿孔がDNAワクチンの免疫原への抗体産物の反応を高めていることを裏付けた。
【0103】
細胞性免疫原性
CD8+CTL反応を誘導するE1、E2、およびカプシドの構築物の能力は、次にIFN−γのエリスポット分析により特定した。共通エンベロープの構築物E1、E2と同様に、カプシドワクチンは、3回の免疫化の後、C57BL/6マウスにおいて強いIFN−γ反応を誘導することができた(図4A、図5A、および図6A)。細胞性免疫反応の分子的特徴は、エンベロープE1により誘導され、エンベロープE1全長にわたるペプチドのライブラリに対してエリスポット分析を行った。間に9アミノ酸が重複する74個の15merペプチドであって、E1タンパク質の1〜435残基にわたるペプチド、およびE2タンパク質の1〜423残基にわたるペプチドを使用した。エンベロープは、E1タンパク質(図4B)で優性エピトープHSMTNAVTIを、およびE2タンパク質(図5B)でIILYYYELYを誘導した。カプシドタンパク質についても同様に、カプシドタンパク質全長にわたるペプチドのライブラリに対してエリスポット分析を行った。間に9アミノ酸が重複する、カプシドタンパク質の1〜261残基にわたる、45個の15merペプチドを使用した。優性エピトープACLVGDKVMが、構築物のカプシド(図5B)により誘導された。興味深いことに、226A−V突然変異体を保因する構築物CHIKV−E1により誘導される優性エピトープは、新たに出現した突然変異ウィルスに対しても効果的に免疫反応を誘導できることを示唆している。この研究結果は、細胞選出過程を通して、免疫反応がウィルスの発生を見つけることができることを示唆しているかもしれない。
【0104】
考察
C57BL/6マウスで誘導された免疫反応の評価は、構築物が高度な免疫原性であり、IFN−γ反応および増殖の期間、T細胞の免疫反応を誘発したことを示した。この研究で得たエリスポットのデータは、得られたスポットの数の観点に基づき、IFN−γ反応の規模が広大であったことを示唆している。他の近い種であるアルファウィルスのエンベロープタンパク質およびカプシドが免疫原性であることは分かっているが、チクングニヤのエンベロープおよびカプシドタンパク質の免疫原性については、ほとんど情報がない。エンベロープE1およびカプシドの異なる領域に由来するマトリックスペプチドプールを用いた、脾細胞由来のIFN−γ産物の誘発により、E1およびカプシドタンパク質において、それぞれ、T細胞の優性エピトープHSMTNAVTIおよびACLVGDKVMを同定した。ワクチン接種したマウスにおける総IgGレベルは、ワクチン接種せず抑制したマウスと比較して高まったことが判明し、これは強い体液性免疫反応の誘導を示唆している。誘導された抗体反応の種類、加えて、広範囲のチクングニヤウィルス攻撃に対する防御を促進するためのこれらのワクチンの能力をさらに分析するという、次の研究が現在進行中である。
【0105】
この研究は、これらの構築物が、ワクチン候補としてさらに研究され得ることを示唆している。しかしながら、この研究は、効果的な発現、および、マウスにおいてその後の電気穿孔を伴うワクチン構築物の筋肉注射後の免疫原性の実証に限定されているため、非ヒト霊長類モデルを含むもっと多くのモデルにおいて、その免疫原性を入念に評価することが重要である。前述の合成カセットの構築物は、チクングニヤウィルスの免疫生物学をさらに調査するのに便利なツールであろう。
【0106】
実施例2
評価は、臨床におけるヒトのCHIKVの感染から、実行可能な迅速な診断を提供する中和抗体価を測定するように、および感染しやすい脊椎動物宿主の前臨床における血清調査への適用にむけて設計した。
【0107】
CHIKVは、RT−PCRにより同定した。RNAは、QIAamp Viral RNAミニキットを使用して患者の血清から抽出した。1ステップRT−PCR試験は、Quiagen One step RT−PCRキットを使用して行った。増幅産物は、ウィルスのエンベロープタンパク質E2をコードする遺伝子内で305bpであった。細胞を観察すると、CHIKVが泡沫状の細胞変性効果(CPE)を生じさせ、円形の細胞が感染後(Pi)24〜48時間に見受けられる。
【0108】
マイクロ中和分析は以下の通り設計される。中和試験は、抗原および抗体の反応に基づく。既知のウィルス価を阻止する患者の血清に、CHIKVウィルスに関し、相同の抗体の存在を観察する。血清は連続して希釈し(典型的には、例えば、1:10〜1:640)、血清中の抗体がウィルスを阻止するのに十分な環境および時間量のもと、既知の体価のCHIKVを用いてインキュベートした。インキュベーション後、ウィルスが血清の抗体により中和されていない場合、細胞のウィルス感染に至る条件のもと、許容的な細胞に混合物を添加する。ウィルスの増殖を阻止する血清の最も高い希釈率が抗体価となる。細胞におけるウィルスの増殖の測定法として、CPE(細胞変性効果)を使用してもよい。
【0109】
CHIKV中和試験は、患者のサンプルを使用して行った。図7は、事前に免疫化し、DNA免疫化したマウス血清の中和抗体価を示すグラフである。マウスは、E1、E2、カプシド、E1+E2、またはベクターpVaxをコードする構築物を用いて免疫化した。血清を連続して希釈し(1:10〜1:640)、CHIKV(100TCID50)を用いて、37℃で90分間インキュベートした。インキュベーション後、混合物を96ウェルの平底プレートのVero細胞(15,000細胞/ウェル)に添加し、5%CO雰囲気下で、37℃で5日間インキュベートした。CPE(細胞変性効果)が1つも見受けられなかった最も高い体価を中和抗体価として記録した。
【0110】
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(非特許文献24)「日本脳炎ウィルス由来のBeijing−1株のEタンパク質をコードするDNAワクチンにより誘導された免疫学的分析」Intervirology、50(2):93−8、Feng GH、Liu N、Zhou Y、ZhaiYZ、Li XM、Dou XG(2007年)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
E1共通タンパク質、またはCHIKV E1共通タンパク質の免疫原性共通フラグメント、CHIKV E2共通タンパク質、またはCHIKV E2共通タンパク質の免疫原性共通フラグメント、およびCHIKV E3共通タンパク質、またはCHIKV E3共通タンパク質の免疫原性共通フラグメントを含む共通CHIKV Envと、
共通CHIKV E1タンパク質と、
共通CHIKV E1タンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
共通CHIKV E2タンパク質と、
共通CHIKV E2タンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
共通CHIKVカプシドタンパク質と、
共通CHIKVカプシドタンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
それらの相同物と、からなる群から選択される、1つ以上のタンパク質をコードする核酸分子。
【請求項2】
請求項1に記載の核酸分子を含む組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の2つの以上の核酸分子であって、前記組成物が2つ以上の異なる核酸分子を含む組成物。
【請求項4】
共通CHIKV E1タンパク質、または共通CHIKV E1タンパク質の免疫原性共通フラグメント、および共通CHIKV E2タンパク質、または共通CHIKV E2タンパク質免疫原性共通フラグメントと、
共通CHIKV E1タンパク質、または共通CHIKV E1タンパク質の免疫原性共通フラグメント、および共通CHIKVカプシドタンパク質、または共通CHIKVカプシドタンパク免疫原性共通フラグメントと、
共通CHIKV E2タンパク質、または共通CHIKV E2タンパク質免疫原性共通フラグメント、およびCHIKVEカプシドタンパク質、またはCHIKVカプシドタンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
共通CHIKV E1タンパク質、または共通CHIKV E1タンパク質の免疫原性共通フラグメント、共通CHIKV E2タンパク質、または共通CHIKV E2タンパク質免疫原性共通フラグメント、およびCHIKVカプシドタンパク質、またはCHIKVカプシドタンパク質の免疫原性共通フラグメントと、をコードする核酸分子を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
単離された核酸分子が、CHIKV E1共通タンパク質をコードする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記単離された核酸分子が、配列番号1または配列番号3を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記単離された核酸分子が、配列番号7もしくはその相同するタンパク質、または配列番号10もしくはその相同するタンパク質をコードする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
単離された核酸分子が、CHIKV E2共通タンパク質をコードする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記単離された核酸分子が、配列番号2または配列番号5を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記単離された核酸分子が、配列番号8もしくはその相同するタンパク質、または配列番号11もしくはその相同するタンパク質をコードする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記単離された核酸分子が、CHIKVカプシド共通タンパク質をコードする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記単離された核酸分子が、配列番号3または配列番号6を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記単離された核酸分子が、配列番号9もしくはその相同するタンパク質、または配列番号12もしくはその相同するタンパク質をコードする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
単離された核酸分子が、共通CHIKV Envタンパク質をコードする、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記単離された核酸分子が、配列番号14または配列番号16をコードする、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
単離された核酸分子が、配列番号13または配列番号15を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記単離された核酸分子が、IgEリーダー配列をコードする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記核酸分子がプラスミドである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物を含む、注射可能な医薬組成物。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物を、個体に投与することを含む、CHIKVに対して前記個体に免疫反応を誘導する方法。
【請求項21】
前記組成物が電気穿孔を使用して投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
CHIKV E1共通タンパク質、またはCHIKV E1共通タンパク質の免疫原性共通フラグメント、CHIKV E2共通タンパク質、またはCHIKV E2共通タンパク質の免疫原性共通フラグメント、およびCHIKV E3共通タンパク質、またはCHIKV E3共通タンパク質の免疫原性共通フラグメントを含む共通CHIKVのEnvタンパク質と、
CHIKV E1共通タンパク質と、
CHIKV E1共通タンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
CHIKV E2共通タンパク質と、
CHIKV E2共通タンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
CHIKVカプシド共通タンパク質と、
CHIKV E1共通タンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
それらの相同物と、からなる群から選択される1つ以上のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えワクチン。
【請求項23】
前記組み換えワクチンが、組み換えワクチンである、請求項24に記載の組み換えワクチン。
【請求項24】
請求項22に記載の組み換えワクチを個体に投与すること含む、CHIKVに対して前記個体に免疫反応を誘導する方法。
【請求項24】
CHIKV E1共通タンパク質、またはCHIKV E1共通タンパク質の免疫原性共通フラグメント、CHIKV E2共通タンパク質、またはCHIKV E2共通タンパク質免疫原性共通フラグメント、およびCHIKV E3共通タンパク質、またはCHIKV E3共通タンパク質の免疫原性共通フラグメント、を含む共通CHIKV Envタンパク質と、
CHIKV E1共通タンパク質、またはCHIKV E1共通タンパク質の免疫原性共通フラグメント、CHIKV E2共通タンパク質、またはCHIKV E2共通タンパク質免疫原性共通フラグメント、およびCHIKV E3共通タンパク質、またはCHIKV E3共通タンパク質の免疫原性共通フラグメント、を含む共通CHIKVのEnvタンパク質に相同するタンパク質と、
CHIKV E1共通タンパク質と、
CHIKV E1共通タンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
CHIKV E2共通タンパク質と、
CHIKV E2共通タンパク質免疫原性共通フラグメントと、
CHIKVカプシド共通タンパク質と、
CHIKVカプシド共通タンパク質の免疫原性共通フラグメントと、
それらの相同物と、からなる群から選択される1つ以上のタンパク質を含む組成物。
【請求項25】
請求項24に記載の組成物を含む、注射可能な医薬組成物。
【請求項26】
請求項24または請求項25に記載の組成物を個体に投与することを含む、CHIKVに対して個体に免疫反応を誘導する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−516070(P2011−516070A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503242(P2011−503242)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/039656
【国際公開番号】WO2009/124312
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(504074710)ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア (20)
【Fターム(参考)】