説明

チクングニヤウイルスを検出するための方法

チクングニヤウイルスの核酸を検出するための組成物、方法およびキット。核酸増幅を用いて非常に低いレベルのウイルス核酸を検出するための方法が、特に記載される。具体的には、本発明の一態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。先ず、試験試料の核酸を1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかを検出する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2008年4月21日に出願された米国仮出願第61/046,734号の利益を主張する。この関連出願の全体の開示は、参考として本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、バイオテクノロジーの分野に関する。より具体的には、本発明は、チクングニヤウイルスの核酸を検出するための診断アッセイに関する。
【背景技術】
【0003】
1952年の南タンザニアでの大発生時に初記載されたチクングニヤ熱は、カによって伝播するウイルス性疾患である。疾患の症状には、発熱および重度の関節痛が含まれ、筋肉痛、頭痛、吐き気、倦怠および発疹がしばしば付随する。疾患の名称は、衰弱性関節痛で苦しむ患者の外観を指して、「くねらせる」を意味するKimakonde語の動詞に由来する。場合によっては、関節痛は、数カ月または数年も持続することがある。治療法がないので、疾患の処置は症状の軽減に集中する。(WHO Fact sheet 327号、2008年3月を参照)
ウイルスは、感染した雌のカの咬創によって、ヒトからヒトに媒介される。最も一般的なベクターは、Aedes aegyptiおよびAedes albopictusであり、これら2つのベクターは、デング熱を含む、カによって媒介される他のウイルスも媒介する。アジアのタイガーモスキート(Aedes albopictus)も、チクングニヤ熱の媒介のための有効なベクターであることが示されている。この後者の種は、ヒトの間で。それにもかかわらず、2005年および2006年のLa Reunion島での大発生時に、785,000人の人口のほぼ40%が感染したことが明示するように、昆虫に基づく伝播様式は非常に効率的である。(WHO Fact sheet 327号(2008年3月)、非特許文献1および「Information on Aedes albopictus」CDC、Division of Vector−Borne Infectious Diseasesを参照)
チクングニヤウイルスは、Togaviridae科Alphavirus属に分類される。一般的に、アルファウイルスは、約12kbの一本鎖、正のセンスRNA分子からなるゲノムを含む、外被付き粒子である。5’末端は7−メチルグアノシンでキャップされ、3’末端はポリアデニル化される。非構造タンパク質は、ゲノムRNAの5’末端の2/3から直接翻訳される。ゲノムRNAの3’末端の1/3に同じである26S RNAと呼ばれるサブゲノムのプラス鎖のRNAは、マイナス鎖のRNA中間体から転写される。この後者のRNAは、ウイルスの構造タンパク質の合成のためのmRNAの役目を果たす。(非特許文献2)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Science(2007年12月)318巻:1860〜61頁
【非特許文献2】J. Gen Virol(2002年)83巻:3075〜84頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。先ず、試験試料の核酸を1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。オリゴヌクレオチドセットの第一のメンバーは、長さが100塩基数までで、配列番号14に含まれる少なくとも15個の連続した塩基に相補的である。配列番号14からなるポリヌクレオチドが鋳型依存性プライマー伸長反応の鋳型である場合、オリゴヌクレオチドセットの第二のメンバーは長さが100塩基数までで、オリゴヌクレオチドセットの第一のメンバーの伸長生成物の少なくとも15個の連続した塩基に相補的である。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかを検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。好ましい実施形態では、本方法で検出される増幅生成物は、増幅オリゴヌクレオチドセットの1メンバーの17個の連続した塩基、さらに増幅オリゴヌクレオチドセットの他のメンバーの17個の連続した塩基の相補体を含む一本鎖核酸である。異なる好ましい実施形態では、第一の増幅オリゴヌクレオチドは長さが55塩基数までで、第二の増幅オリゴヌクレオチドは配列番号68の19個の連続した塩基を含む。非常に好ましい一実施形態では、第一の増幅オリゴヌクレオチドの3’末端配列は配列番号108である。別の好ましい実施形態では、第二の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号148、配列番号170、配列番号172および配列番号173からなる群から選択される。さらに別の好ましい実施形態では、検出工程は、ハイブリダイゼーションプローブを用いて増幅生成物を検出することを含む。そのような場合、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号164、配列番号184および配列番号185のいずれでもよい。さらに別の好ましい実施形態では、検出工程はハイブリダイゼーションプローブを用いて増幅生成物を検出することを含み、試験試料中のCHIKV核酸配列の濃度が26コピー数/ml〜約3,400コピー数/mlの範囲である場合、カットオフ値より多い量の増幅生成物を検出する確率は少なくとも95%である。さらに別の好ましい実施形態では、検出工程はハイブリダイゼーションプローブを用いて増幅生成物を検出することを含み、試験試料中のCHIKV核酸配列の濃度が26コピー数/ml〜約200コピー数/mlの範囲である場合、カットオフ値より多い量の増幅生成物を検出する確率は少なくとも95%である。さらに別の好ましい実施形態では、検出工程はハイブリダイゼーションプローブを用いて増幅生成物を検出することを含み、試験試料中のCHIKV核酸配列の濃度が約100コピー数/ml〜3,400コピー数/mlである場合だけ、カットオフ値より多い量の増幅生成物を検出する確率は少なくとも95%である。本発明の方法の一般的な実施形態では、第一の増幅オリゴヌクレオチドの3’末端塩基配列は配列番号108であり、検出工程はハイブリダイゼーションプローブを用いて増幅生成物を検出することを含み、試験試料中のCHIKV核酸配列の濃度が26コピー数/ml〜約200コピー数/mlの範囲である場合、カットオフ値より多い量の増幅生成物を検出する確率は少なくとも95%である。このような場合、第一の増幅プライマーは、配列番号108の上流に位置するファージT7プロモーター配列を含むことができる。別の好ましい実施形態では、第二の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号68の19個の連続した塩基または配列番号84の17個の連続した塩基を含む。さらに別の好ましい実施形態では、第二の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号148、配列番号174および配列番号176のいずれかである。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号164である。さらに別の実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号183である。本発明の方法の別の一般的な実施形態では、第一の増幅オリゴヌクレオチドは長さが55塩基数までで、第二の増幅オリゴヌクレオチドは配列番号84の17個の連続した塩基を含む。このような場合、第二の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号174、配列番号175および配列番号176のいずれでもよい。本発明の方法の別の一般的な実施形態では、増幅オリゴヌクレオチドセットの第二のメンバーは、配列番号186の配列に含まれる17〜20個の連続した塩基を含む。より好ましくは、増幅オリゴヌクレオチドセットの第二のメンバーは、配列番号148、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175および配列番号176のいずれかである。本発明の方法の別の一般的な実施形態では、塩濃度が0.6〜0.9Mの範囲にある場合、42℃のストリンジェントな条件下で、増幅オリゴヌクレオチドセットの第一のメンバーは、配列番号14からなるポリヌクレオチドにハイブリダイズし、増幅オリゴヌクレオチドセットの第二のメンバーは、同じストリンジェントな条件下で伸長生成物にハイブリダイズする。本発明の方法の別の一般的な実施形態では、カットオフ値は、(i)CHIKV核酸配列の既知の濃度を用いて実施される複数の増幅反応、および(ii)CHIKV核酸配列の不在下で実施される複数の陰性対照増幅反応で得られる結果の統計分析によって決定される。本発明の方法の別の一般的な実施形態では、カットオフ値は、CHIKV核酸配列を含まない陰性対照反応の平均ハイブリダイゼーションシグナル読取値、加えてCHIKV核酸配列を含まない陰性対照反応の3つの標準偏差を用いる統計分析によって決定される。
【0006】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ(packaged combination))に関する。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号48の15〜48個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。この第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号48の配列中に完全に含まれる。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列(すなわち、上流配列)を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号186の15〜47個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーも含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号186の配列中に完全に含まれる。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列(すなわち、上流配列)を任意選択で含むことができる。一般に、キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、(i)長さが15〜47塩基数で、配列番号187の配列中に完全に含まれるか、(ii)長さが15〜39塩基数で、配列番号68の配列中に完全に含まれるか、または(iii)長さが15〜40塩基数で、配列番号84の配列中に完全に含まれる。別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが40塩基数までで、配列番号84の15〜40個の連続した塩基を含む。異なる好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号108である。より好ましくは、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号187の配列中に完全に含まれてもよい。このような場合、ハイブリダイゼーションプローブは長さが40塩基数までで、配列番号84の15〜40個の連続した塩基を含むことができる。あるいは、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号68の配列中に完全に含まれてもよい。さらに異なる代替形態の下では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号148、配列番号170、配列番号171、配列番号172および配列番号173のいずれでもよい。より好ましくは、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号164からなる。別の一般的に好ましい実施形態に従って、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列が配列番号108である場合、第一のプライマーは任意選択の第一プライマー5’配列を含み、それはファージT7プロモーター配列を含む。異なる好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列が配列番号108である場合、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号84の配列中に完全に含まれる。より好ましくは、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号174、配列番号175および配列番号176のいずれかである。さらにより好ましくは、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号184および配列番号185のいずれかである。本発明のキットの一般的な実施形態に従って、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号68中に完全に含まれる。本発明のキットの別の一般的な実施形態に従って、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号84中に完全に含まれる。本発明のキットのさらに別の一般的な実施形態に従って、長さが100塩基数までで、配列番号186の15〜47個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーがさらに含まれる。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号186の配列中に完全に含まれてもよい。同様に、第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマーの5’配列を任意選択で含むことができる。注目すべきことに、第三のプライマーは、キットの第二のプライマーと異なる。より好ましくは、互いに異なる第二および第三の各プライマーは、配列番号187の15〜47個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む。このような場合、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号148でもよい。より好ましくは、第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173のいずれかである。配列番号187で見られる連続塩基配列を有する第二および第三のプライマーを含む代わりに、第二および第三の各プライマーは、配列番号84の15〜40個の連続した塩基である標的相補的3’末端配列を含むことができる。
【0007】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号46の15〜44個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号46の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号65の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号65の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号66の15〜43個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含む。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号66の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。最後に、キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号106である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号145である。さらに別の好ましい実施形態では、第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号146である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが39塩基数までで、配列番号82の15〜39個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号162を含むことができる。
【0008】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、3つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号46の15〜44個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号46の配列中に完全に含まれる。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号65の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号65の配列中に完全に含まれる。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む。最後に、長さが100塩基数までで、配列番号66の15〜43個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーがある。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号66の配列中に完全に含まれる。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含む。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0009】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号50の15〜47個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号50の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号69の15〜39個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号69の配列中に完全に含まれる。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。最後に、キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号110である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号149である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが40塩基数までで、配列番号85の15〜40個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号165を含むことができる。
【0010】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、2つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号50の15〜47個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号50の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号69の15〜39個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号69の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0011】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号31の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号31の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマーの5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号51の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号51の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号52の15〜38個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含む。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号52の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。最後に、キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブ組成物をさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号91である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号131である。さらに別の好ましい実施形態では、第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号132である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブ組成物は、長さが39塩基数までで配列番号70の15〜39個の連続した塩基を含む第一のハイブリダイゼーションプローブ、および長さが39塩基数までで配列番号71の15〜39個の連続した塩基を含む第二のハイブリダイゼーションプローブを含む。例えば、第一のハイブリダイゼーションプローブは配列番号150を含むことができ、第二のハイブリダイゼーションプローブは配列番号151を含むことができる。
【0012】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、3つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号31の15〜44個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号31の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号51の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号51の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。最後に、長さが100塩基数までで、配列番号52の15〜38個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーがある。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号52の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0013】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号32の15〜46個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号32の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号53の15〜44個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号53の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。最後に、キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号92である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号133である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが42塩基数までで、配列番号72の15〜42個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号152を含むことができる。
【0014】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、2つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号32の15〜46個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号32の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号53の15〜44個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号53の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0015】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号36の15〜51個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号36の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号57の15〜44個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号57の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号96である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号137である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが37塩基数までで、配列番号75の15〜37個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号155を含むことができる。
【0016】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、2つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号36の15〜51個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号36の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号57の15〜44個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号57の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0017】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号37の15〜37個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号37の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号58の15〜38個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号58の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号97である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号138である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが44塩基数までで、配列番号76の15〜44個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号156を含むことができる。
【0018】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、2つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号37の15〜37個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号37の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号58の15〜38個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号58の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0019】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号33の15〜43個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号33の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号34の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号34の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号54の15〜39個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含む。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号54の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号55の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第四のプライマーをさらに含む。第四のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号55の配列中に完全に含まれてもよい。第四のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第四のプライマーの5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号93である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号94である。別の好ましい実施形態では、第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号134である。別の好ましい実施形態では、第四のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号135である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが44塩基数までで、配列番号73の15〜44個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号153を含むことができる。
【0020】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、4つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号33の15〜43個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号33の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号34の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号34の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号54の15〜39個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含む。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号54の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号55の15〜44個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第四のプライマーをさらに含む。第四のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号55の配列中に完全に含まれてもよい。第四のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第四プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0021】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号40の15〜40個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号40の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号41の15〜45個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号41の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号61の15〜38個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含む。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号61の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号100である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号101である。別の好ましい実施形態では、第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号141である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが38塩基数までで、配列番号79の15〜38個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号159を含むことができる。
【0022】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、3つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号40の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号40の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号41の15〜45個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号41の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号61の15〜38個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含む。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号61の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0023】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号42の15〜42個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号42の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号43の15〜47個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号43の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号62の15〜43個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含む。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号62の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号102である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号103である。別の好ましい実施形態では、第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号142である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが38塩基数までで、配列番号80の15〜38個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号160を含むことができる。
【0024】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、3つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号42の15〜42個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号42の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号43の15〜47個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号43の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号62の15〜43個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含む。第三のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号62の配列中に完全に含まれてもよい。第三のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0025】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号47の15〜46個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号47の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号67の15〜37個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号67の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号107である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号147である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが38塩基数までで、配列番号83の15〜38個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号163を含むことができる。
【0026】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、2つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号47の15〜46個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号47の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号67の15〜37個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号67の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0027】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号38の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号38の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号59の15〜39個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号59の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号98である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号139である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが38塩基数までで、配列番号77の15〜38個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号157を含むことができる。
【0028】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、2つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号38の15〜40個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号38の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号59の15〜39個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号59の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0029】
本発明の別の態様は、チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅、検出するためのキット(すなわち、一括した組合せ)に関する。一般的に、キットは、長さが100塩基数までで、配列番号35の15〜43個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーを含む。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号35の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、長さが100塩基数までで、配列番号56の15〜41個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号56の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。キットは、前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号95である。別の好ましい実施形態では、第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は配列番号136である。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションプローブは長さが40塩基数までで、配列番号74の15〜40個の連続した塩基を含む。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号154を含むことができる。
【0030】
本発明の別の態様は、核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法に関する。本方法に従って、先ず、試験試料の核酸を、2つのプライマーを含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程がある。長さが100塩基数までで、配列番号35の15〜43個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーがある。第一のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号35の配列中に完全に含まれてもよい。第一のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。オリゴヌクレオチドセットは、長さが100塩基数までで、配列番号56の15〜41個の連続した塩基の標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーをさらに含む。第二のプライマーの標的相補的3’末端配列は、配列番号56の配列中に完全に含まれてもよい。第二のプライマーは、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含むことができる。次に、増幅オリゴヌクレオチドセットと一緒に試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程がある。試験試料がCHIKV核酸配列を含むならば、増幅生成物が生成される。最後に、本発明の方法は、インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程を含む。増幅生成物がカットオフ値より多い量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在することを示す。あるいは、増幅生成物がカットオフ値より少ない量で検出される場合、このことは、CHIKV核酸配列が試験試料に存在しないことを示す。
【0031】
定義
本明細書で明示的に否定されていなければ、以下の用語は、本開示において以下の意味を有する。
【0032】
本明細書で用いるように、「生体試料」は、ヒト、動物または環境試料から得られる任意の組織またはポリヌクレオチド含有物質である。本発明に従う生体試料には、末梢血、血漿、血清または他の体液、骨髄または他の器官、生検組織または生物起源の他の物質が含まれる。生体試料を処理して組織または細胞構造を破壊し、それによって、酵素、緩衝剤、塩、界面活性剤などを含むことができる溶液の中へ細胞内成分を放出することができる。
【0033】
本明細書で用いるように、「ポリヌクレオチド」は、RNAまたはDNAに加えて、配列中に存在することができ、相補的配列を有する第二の分子とのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションを阻止しない任意の合成ヌクレオチド類似体または他の分子を意味する。
【0034】
本明細書で用いるように、「検出可能な標識」は、検出することができるか、検出可能な応答をもたらすことができる化学種である。本発明に従う検出可能な標識は、直接または間接にポリヌクレオチドプローブに連結することができ、その例には、放射性同位体、酵素、ハプテン、発色団、例えば検出可能な色を付与する色素または粒子(例えば、ラテックスビーズまたは金属粒子)、発光化合物(例えば、生物発光性、リン光性または化学発光性部分)および蛍光化合物が含まれる。
【0035】
「均一な検出可能な標識」は、標的配列とハイブリダイズしたプローブ上に標識があるかどうか判定することによって、均一的な方法で検出することができる標識を指す。すなわち、均一な検出可能な標識は、標識または標識されたプローブのハイブリダイズした形態をハイブリダイズしていない形態から物理的に除去することなく検出することができる。CHIKV核酸を検出するための標識されたプローブを用いる場合、均一な検出可能な標識が好ましい。均一な標識の例が、Arnoldら、米国特許第5,283,174号、Woodheadら、米国特許第5,656,207号およびNelsonら、米国特許第5,658,737号に詳述されている。均一アッセイで用いるのに好ましい標識には、化学発光化合物が含まれる(例えば、Woodheadら、米国特許第5,656,207号、Nelsonら、米国特許第5,658,737号およびArnold, Jr.ら、米国特許第5,639,604号を参照)。好ましい化学発光標識は、アクリジニウムエステル(「AE」)化合物、例えば標準のAEまたはその誘導体(例えば、ナフチル−AE、オルソ−AE、1−または3−メチル−AE、2,7−ジメチル−AE、4,5−ジメチル−AE、オルソ−ジブロモ−AE、オルソ−ジメチル−AE、メタ−ジメチル−AE、オルソ−メトキシ−AE、オルソ−メトキシ(シンナミル)−AE、オルソ−メチル−AE、オルソ−フルオロ−AE、1−または3−メチル−オルソ−フルオロ−AE、1−または3−メチル−メタ−ジフルオロ−AEおよび2−メチル−AE)である。
【0036】
「均一アッセイ」は、特異的プローブハイブリダイゼーションの程度を判定する前に、ハイブリダイズしていないプローブからのハイブリダイズしたプローブの物理的分離を必要としない検出方法を指す。本明細書に記載のものなどの例示的な均一アッセイは、適当な標的とハイブリダイズしたときに蛍光シグナルを放射する分子ビーコンまたは他の自己報告プローブ、ハイブリッド二重鎖で存在しない限り化学手段によって選択的に破壊することができる化学発光アクリジニウムエステル標識、および当分野の技術者が熟知している他の均一的に検出可能な(homogeneously detectable)標識を利用することができる。
【0037】
本明細書で用いるように、「増幅」は標的核酸配列、その相補体またはその断片の複数のコピーを得るための、インビトロの方法を指す。1ラウンドの逆転写、または逆転写とそれに続く第二鎖cDNA合成およびクローニングは、インビトロ増幅とみなされない。従来は、増幅は、開始鋳型鎖の少なくとも4つの合成コピーの生成を包含するものとされる。好ましくは、合成コピーは、配列特異的ポリヌクレオチド合成の以降のラウンドのために、鋳型の役目を果たす。
【0038】
「標的核酸」または「標的」は、標的核酸配列を含む核酸を意味する。一般に、増幅される標的核酸配列は、2つの逆配置されたプライマーの間に位置し、プライマーの各々に完全に相補的である標的核酸部分を含む。
【0039】
「標的核酸配列」または「標的配列」または「標的領域」は、一本鎖核酸分子のヌクレオチド配列のすべてまたは一部、およびそれに相補的であるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド配列を含む、特異的デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド配列を意味する。
【0040】
「転写関連増幅」は、核酸鋳型から複数のRNA転写産物を生成するためにRNAポリメラーゼを用いる、任意の種類の核酸増幅を意味する。「転写媒介増幅」(TMA)と呼ばれる転写関連増幅方法の一例は、一般にRNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸およびプロモーター−鋳型相補的オリゴヌクレオチドを使用し、任意選択で1つまたは複数の類似したオリゴヌクレオチドを含むことができる。Burgら、米国特許第5,437,990号;Kacianら、米国特許第5,399,491号および第5,554,516号;Kacianら、PCT国際公開第93/22461号;Gingerasら、PCT国際公開第88/01302号;Gingerasら、PCT国際公開第88/10315号;Malekら、米国特許第5,130,238号;Urdeaら、米国特許第4,868,105号および第5,124,246号;McDonoughら、PCT国際公開第94/03472号;およびRyderら、PCT国際公開第95/03430号で詳細に開示されているように、TMAの変形形態は当技術分野で周知である。本明細書で開示される種類の核酸増幅手順を行うために、Kacianらの方法が好ましい。
【0041】
本明細書で用いるように、「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、少なくとも2つ、一般に約5〜約100個の化学サブユニットのポリマー鎖であり、各サブユニットは、ヌクレオチド塩基部分、糖部分、および線状空間配置でサブユニットを結合する連結部分を含む。一般的なヌクレオチド塩基部分はグアニン(G)、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)であるが、水素結合が可能な他の稀であるか改変されたヌクレオチド塩基が当分野の技術者に周知である。オリゴヌクレオチドは、糖部分、塩基部分および骨格構成要素のいずれかの類似体を任意選択で含むことができる。本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、約10〜約100個の残基のサイズ範囲内である。オリゴヌクレオチドは天然に存在する原料から精製することができるが、様々な周知の酵素的または化学的方法のいずれかを使用して好ましくは合成される。
【0042】
本明細書で用いるように、「プローブ」は、核酸、好ましくは増幅された核酸の標的配列と、ハイブリダイゼーションを促進する条件下で特異的にハイブリダイズして、検出可能なハイブリッドを形成するオリゴヌクレオチドである。プローブは、プローブの末端(複数可)に結合することができるか、内部にあることができる、検出可能な部分を任意選択で含むことができる。プローブの配列の内部にある検出可能な部分がそうであるように、標的ポリヌクレオチドと結合するプローブのヌクレオチドは、厳密に連続する必要はない。検出は、直接でもよく(すなわち、標的配列または増幅核酸と直接にハイブリダイズするプローブから生じる)、間接でもよい(すなわち、プローブを標的配列または増幅核酸に連結する中間分子構造とハイブリダイズするプローブから生じる)。プローブの「標的」は、標準の水素結合(すなわち、塩基対形成)を用いてプローブオリゴヌクレオチドの少なくとも一部と特異的にハイブリダイズする増幅核酸配列の中に含まれる配列を一般に指す。プローブは、標的特異的配列、および任意選択で、検出される予定の標的配列に非相補的である他の配列を含むことができる。これらの非相補的配列は、プロモーター配列、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、またはプローブの三次元立体構造に寄与する配列を含むことができる(例えば、Lizardiら、米国特許第5,118,801号および第5,312,728号に記載のように)。「十分に相補的である」配列は、プローブの標的特異的配列に完全には相補的でない標的配列との、プローブオリゴヌクレオチドの安定したハイブリダイゼーションを可能にする。
【0043】
本明細書で用いるように、「増幅オリゴヌクレオチド」は、標的核酸またはその相補体とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであり、核酸増幅反応に関与する。増幅オリゴヌクレオチドの例には、増幅プライマー、またはより単純に「プライマー」が含まれる。プライマーは、鋳型核酸とハイブリダイズすることができ、DNAポリメラーゼ活性で延長することができる3’末端を有する、任意選択で改変されたオリゴヌクレオチドである。プライマーは、下流側CHIKV相補的配列、および任意選択で、CHIKV核酸に相補的でない上流側配列を有する。任意選択の上流側配列は、例えば、RNAポリメラーゼプロモーターの役目を果たすことができるか、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含むことができる。一般的に言って、増幅オリゴマー(例えば、プライマー)は、標的核酸配列に相補的な少なくとも12個の連続した塩基、またはより好ましくは、増幅または検出する予定の標的核酸配列に相補的な少なくとも15個の連続した塩基を有する。同様に、特定の非常に好ましい増幅オリゴマーは、本明細書で示す例示のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸配列とハイブリダイズすることができる。
【0044】
「実質的に相同」、「実質的に対応性の」または「実質的に対応する」は、対象オリゴヌクレオチドが、参照塩基配列(RNAおよびDNA同等物を除外する)に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に、少なくとも70%相同、好ましくは少なくとも80%相同、より好ましくは少なくとも90%相同、最も好ましくは100%相同である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む塩基配列を有することを意味する。当分野の技術者は、許容されないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを予防しつつ、標的配列とのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする様々な割合の相同性で、ハイブリダイゼーションアッセイ条件に加えることができるであろう改変を容易に理解する。類似性の程度は2つの配列を占める核酸塩基の順序を比較することで決定され、構造的な差が相補的塩基との水素結合を阻止しないならば、2つの配列の間に存在することができる他の構造的な差を考慮しない。2つの配列間の相同性の程度は、比較されている少なくとも10個の連続した塩基の各セットに存在する塩基ミスマッチの数で表すこともでき、それは0〜2個の塩基の差であってもよい。
【0045】
「実質的に相補的」は、対象オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列(RNAおよびDNA同等物を除外する)に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に、少なくとも70%相補的、好ましくは少なくとも80%相補的、より好ましくは少なくとも90%相補的、最も好ましくは100%相補的である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む塩基配列を有することを意味する。(当分野の技術者は、許容されないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを予防しつつ、標的配列とのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする様々な割合の相補性で、ハイブリダイゼーションアッセイ条件に加えることができるであろう改変を容易に理解する。)相補性の程度は2つの配列を占める核酸塩基の順序を比較することで決定され、構造的な差が相補的塩基との水素結合を阻止しないならば、2つの配列の間に存在することができる他の構造的な差を考慮しない。2つの配列間の相補性の程度は、比較されている少なくとも10個の連続した塩基の各セットに存在する塩基ミスマッチの数で表すこともでき、それは0〜2個の塩基ミスマッチであってもよい。
【0046】
「十分に相補的」は、一連の相補的塩基の間の水素結合によって別の塩基配列とハイブリダイズすることができる、連続した核酸塩基配列を意味する。相補的塩基配列は、標準の塩基対(例えば、G:C、A:TまたはA:U対合)を用いてオリゴヌクレオチドの塩基配列の各位置で相補的であってもよく、または標準の水素結合(無塩基「ヌクレオチド」を含む)を用いて相補的でないが、全体の相補的塩基配列が適当なハイブリダイゼーション条件下で別の塩基配列と特異的にハイブリダイズすることができる、1つまたは複数の残基を含むことができる。連続した塩基は、オリゴヌクレオチドが特異的にハイブリダイズする予定の配列に、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは約100%相補的である。適当なハイブリダイゼーション条件は当分野の技術者に周知であるか、塩基配列組成に基づいて容易に予測することができるか、通常の試験を用いて経験的に決定することができる(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989年)の§§1.90〜1.91、7.37〜7.57、9.47〜9.51および11.47〜11.57、特に§§9.50〜9.51、11.12〜11.13、11.45〜11.47および11.55〜11.57を参照)。
【0047】
「捕捉オリゴヌクレオチド」は、標的配列および固定化オリゴヌクレオチドを塩基対ハイブリダイゼーションによって特異的に結合するための手段を提供する、少なくとも1つの核酸オリゴヌクレオチドを意味する。捕捉オリゴヌクレオチドは、好ましくは2つの結合性領域、すなわち、通常同じオリゴヌクレオチドの上で連続している標的配列結合性領域および固定化プローブ結合性領域を含むことができるが、捕捉オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数のリンカーによって結合される2つの異なるオリゴヌクレオチドの上に存在する標的配列結合性領域および固定化プローブ結合性領域を含むことができる。例えば、固定化プローブ結合性領域は、第一のオリゴヌクレオチドの上に存在することができ、標的配列結合性領域は第二のオリゴヌクレオチドの上に存在することができ、これら2つの異なるオリゴヌクレオチドは、第一および第二のオリゴヌクレオチドの配列と特異的にハイブリダイズする配列を含む第三のオリゴヌクレオチドであるリンカーによる水素結合によって結合される。
【0048】
「固定化プローブ」または「固定化核酸」は、捕捉オリゴヌクレオチドを固定化支持体に直接または間接に結合する核酸を意味する。固定化プローブは、試料中の未結合の物質からの結合した標的配列の分離を促進する、固体支持体に結合されるオリゴヌクレオチドである。
【0049】
「分離」または「精製」は、生体試料の1つまたは複数の成分が、試料の1つまたは複数の他の成分から切り離されることを意味する。試料成分は、一般に水性液相中の核酸を含み、それは、タンパク質、炭水化物、脂質および標識プローブなどの物質を含むこともできる。好ましくは、分離または精製工程は、試料中に存在する他の成分の少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも約95%を除去する。
【0050】
「RNAおよびDNA同等物」または「RNAおよびDNA同等塩基」は、同じ相補的塩基対ハイブリダイゼーション特性を有する、RNAおよびDNAなどの分子を意味する。RNAおよびDNA同等物は異なる糖部分(すなわち、リボース対デオキシリボース)を有し、RNAではウラシルが存在し、DNAではチミンが存在することによって異なることができる。それらの同等物は特定の配列に対して同じ程度の相補性を有するので、RNAとDNA同等物間の差は、相同性の差に寄与しない。
【0051】
「から本質的になる」は、本発明の基本特性および新規特性を大きく変化させない追加の成分(複数可)、組成物(複数可)または方法工程(複数可)が、本発明の組成物またはキットまたは方法に含まれてもよいことを意味する。そのような特性には、全血または血漿などの生体試料中のCHIKV核酸を選択的に検出する能力が含まれる。本発明の基本特性および新規特性に大きな影響を及ぼす任意の成分(複数可)、組成物(複数可)または方法工程(複数可)は、この用語から外れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、チクングニヤ熱ウイルス核酸(太い水平線によって表す)内の標的領域を検出するために用いることができる様々なポリヌクレオチドを例示する概要図である。以下の核酸の位置を、標的領域と比較して示す:「捕捉オリゴヌクレオチド」は、増幅の前に標的核酸とハイブリダイズさせ、それを捕捉するために用いられる核酸を指し、そこで「T」は、相補的配列(示されない)を有する固定化オリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせるために用いられるテール配列を指す;「非T7プライマー」および「T7プロモーター−プライマー」は、TMAを行うために用いられる2つの増幅プライマーを表し、そこで「P」は、T7プロモーター−プライマーのプロモーター配列を示す;および「プローブ」は、増幅された核酸を検出するために用いられるプローブを指す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
ウイルス溶解物、血液、血清、血漿または他の体液もしくは組織などの生体試料中のチクングニヤ熱ウイルス(CHIKV)の核酸を選択的に検出するための組成物、方法およびキットが本明細書で開示される。本発明のプローブ、プライマーおよび方法は、環境試験のために、もしくは診断用途で、または感染性粒子を含む可能性のある献血血液および血液製品もしくは他の組織のスクリーニングのために用いることができる。さらに別の用途には、カのプールなどの環境試料の、ウイルスの存在についてのスクリーニングが含まれる。
【0054】
序論および概要
本発明は、生体試料中のCHIKV核酸を検出するために特に有用である組成物(核酸捕捉オリゴヌクレオチド、増幅オリゴヌクレオチドおよびプローブ)、方法およびキットを含む。そのような用途に適当なオリゴヌクレオチド配列を設計するために、公知のCHIKV核酸配列を先ず比較して、診断アッセイで試薬の役目を果たすことができるウイルスゲノムの候補領域を同定した。これらの比較の結果、図1に図式的に示す捕捉オリゴヌクレオチド、プライマーおよびプローブを用いる検出のための標的として、CHIKVゲノムの異なる領域を選択した。比較した配列の間の比較的少数の変異体を含む配列の部分を、増幅された配列の捕捉、増幅および検出で使用するために適する合成オリゴヌクレオチドの設計の出発点として選択した。
【0055】
これらの分析に基づいて、下に示す捕捉オリゴヌクレオチド、増幅プライマーおよびプローブ配列を設計した。当分野の技術者は、CHIKVまたは他の標的に特異的である、T7プロモーター配列を有するか有しない任意のプライマー配列を、下記の様々なプライマーベースのインビトロ増幅方法においてプライマーとして用いることができることを理解する。本明細書で開示される配列を有するオリゴヌクレオチドが、CHIKV核酸を検出するアッセイにおいて代替機能の役目を果たすことができることも想定される。例えば、本明細書で開示される捕捉オリゴヌクレオチドはハイブリダイゼーションプローブの役目を果たすことができ、本明細書で開示されるハイブリダイゼーションプローブは増幅プライマーとして用いることができ、本明細書で開示される増幅プライマーは代替検出アッセイでハイブリダイゼーションプローブとして用いることができよう。
【0056】
さらに、詳細に開示されているプローブ配列をプライマーとして用いることができ、詳細に開示されているプライマーをプローブとして用いることができるが、開示されているプローブドメインおよびプライマードメインについても同じである。本明細書で開示されるプローブドメインは、プライマードメインとしての使用も意図される(例えば、同定されたプローブドメインの少なくとも15個の連続した塩基、またはより好ましくは17個の連続した塩基がプライマーとして機能することができる)。同様に、本明細書で開示されるプライマードメインは、プローブドメインとしての使用も意図される(例えば、同定されたプライマードメインの少なくとも15個の連続した塩基、またはより好ましくは17個の連続した塩基がプローブとして機能することができる)。本明細書の実施例2は、この機能的互換性の証拠を提示する。
【0057】
2つの異なる開示された系からのオリゴヌクレオチドの併用も、本発明の範囲内であることが想定される。例えば、1つの系からのプローブ配列は、インビトロの増幅方法において、異なる系からの反対鎖のオリゴヌクレオチドと合わせて用いることができるプライマーとして使用することができる。
【0058】
本明細書で開示される増幅プライマーは、いくつかのアンプリコン種を標的特異的プライマーの組合せから生成することができる多重増幅反応の成分としてさらに想定される。例えば、それらのアッセイの感度を実質的に損なうことなく無関係なウイルスのポリヌクレオチドを増幅することができる多重増幅反応で、本明細書で開示される特定の好ましいCHIKV特異的プライマーを用いることができることが想定される。これらの無関係なウイルスの特定の例には、西ナイルウイルスおよびデングウイルスが含まれる。同様に、本明細書で開示される増幅系の2つ以上を組み合わせて、標的検出のためのその能力が頑健および広範である多重アッセイをもたらすことができる。
【0059】
有用な増幅方法
本発明に関連して有用な増幅方法には、以下のものが含まれる。転写媒介増幅(TMA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換増幅(SDA)、および自己複製型のポリヌクレオチド分子および複製酵素、例えばMDV−1 RNAおよびQ−β酵素を用いる増幅方法。これらの様々な増幅技術をそれぞれ実施する方法は、米国特許第5,399,491号、欧州特許出願公開第0 525 882号、米国特許第4,965,188号、米国特許第5,455,166号、米国特許第5,472,840号およびLizardiら、BioTechnology 6巻:1197頁(1988年)で見ることができる。核酸増幅反応を実施する方法を記載するこれらの文書の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
本発明の非常に好ましい実施形態では、CHIKV核酸配列は、TMAプロトコルを用いて増幅される。このプロトコルによると、DNAポリメラーゼ活性を提供する逆転写酵素は、内因性RNアーゼH活性も有する。この方法で用いられるプライマーの1つは、増幅される標的核酸の1つの鎖に相補的である配列の上流に位置するプロモーター配列を含む。増幅の第一段階では、プロモーター−プライマーは、規定部位でCHIKV標的RNAとハイブリダイズする。逆転写酵素は、プロモーター−プライマーの3’末端からの伸長によって標的RNAの相補的DNAコピーを作製する。新しく合成されたDNA鎖との反対側鎖のプライマーの相互作用の後、逆転写酵素によってDNAの第二鎖がプライマーの末端から合成され、それによって二本鎖のDNA分子を形成する。RNAポリメラーゼはこの二本鎖のDNA鋳型のプロモーター配列を認識して、転写を開始する。新しく合成されたRNAアンプリコンの各々は、TMA過程に再突入し、新ラウンドの複製のための鋳型の役目を果たし、それによってRNAアンプリコンの指数関数的な増殖をもたらす。DNA鋳型の各々はRNAアンプリコンの100〜1000個のコピーを作製することができるので、この増殖は1時間未満で10,000,000,000個のアンプリコンの生成をもたらすことができる。全過程は自触媒的であり、一定の温度で実施される。
【0061】
プライマーの構造的な特徴
上で示すように、「プライマー」は、核酸増幅反応に関与することができる任意選択で改変されたオリゴヌクレオチドを指す。好ましいプライマーは、鋳型核酸とハイブリダイズすることができ、DNAポリメラーゼ活性で延長することができる3’末端を有する。プライマーの5’領域は、標的核酸に非相補的であってもよい。5’非相補的領域がプロモーター配列を含む場合、それは「プロモーター−プライマー」と呼ばれる。当分野の技術者は、プライマーとして機能することができる任意のオリゴヌクレオチド(すなわち、標的配列と特異的にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼ活性によって伸長が可能な3’末端を有するオリゴヌクレオチド)を改変して、5’プロモーター配列を含むようにすることができ、したがってプロモーター−プライマーとして機能することができるであろうことを理解する。同様に、任意のプロモーター−プライマーは、プロモーター配列の除去、またはそれなしの合成によって改変し、しかもプライマーとして機能することができる。
【0062】
プライマーのヌクレオチド塩基部分は、改変された塩基部分がG、A、C、TまたはUと非共有結合を形成する能力を保持する限り、および少なくとも1つの改変されたヌクレオチド塩基部分または類似体を含むオリゴヌクレオチドが、一本鎖核酸とハイブリダイズすることを立体配置的に阻止されない限り、改変されてもよい(例えば、プロピン基の付加によって)。有用なプローブの化学組成に関連して下に示すように、本発明に従うプライマーの窒素性塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、その公知の類似体(例えば、その塩基部分としてヒポキサンチンを有するイノシンまたは「I」;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5〜36頁、Adamsら編、第11版、1992年を参照)、プリンまたはピリミジン塩基の公知の誘導体(例えば、N−メチルデオキシガウノシン(deoxygaunosine)、デアザ−もしくはアザ−プリンおよびデアザ−もしくはアザ−ピリミジン、5または6の位置に置換基を有するピリミジン塩基、2、6または8の位置に改変または交替された置換基を有するプリン塩基、2−アミノ−6−メチルアミノプリン、O−メチルグアニン、4−チオ−ピリミジン、4−アミノ−ピリミジン、4−ジメチルヒドラジン−ピリミジンおよびO−アルキル−ピリミジン(Cook、PCT国際公開第93/13121号を参照)ならびにポリマーの1つまたは複数の残基のために骨格が窒素性塩基を含まない「無塩基」残基(Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照)でもよい。プライマー骨格を含む一般的な糖部分は、リボースおよびデオキシリボースを含むが、2’−O−メチルリボース(OMe)、ハロゲン化糖および他の改変糖部分を用いることもできる。通常、プライマー骨格の連結基はリン含有部分、最も一般的にはホスホジエステル結合であるが、他の結合、例えばホスホロチオエート、メチルホスホネートおよびリン非含有結合、例えば「ペプチド核酸」(PNA)で見られるペプチド様結合も、本明細書で開示されるアッセイでの使用が意図される。
【0063】
有用なプローブ標識系および検出可能な部分
特異的核酸ハイブリダイゼーションを監視するために用いることができる本質的にいかなる標識系および検出系も、本発明と組み合わせて用いることができる。一群の有用な標識には、放射性標識、酵素、ハプテン、連結オリゴヌクレオチド、化学発光分子、蛍光部分(単独でまたは「消光剤」部分との併用で)、および電子的検出方法に適合する酸化還元活性部分が含まれる。好ましい化学発光分子には、均一保護アッセイと一緒に用いられる、米国特許第5,283,174号でArnoldらが開示する種のアクリジニウムエステル、および単一反応で複数の標的を定量化するアッセイと一緒に用いられる、米国特許第5,656,207号でWoodheadらが開示する種のものが含まれる。これらの特許文書に含まれる開示は、参照により本明細書に組み込まれる。好ましい電子的標識および検出手法は、米国特許第5,591,578号および第5,770,369号ならびに国際特許出願公開第98/57158号に開示され、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明での標識として有用な酸化還元活性部分には、Cd、Mg、Cu、Co、Pd、Zn、FeおよびRuなどの遷移金属が含まれる。
【0064】
本発明に従うプローブのための特に好ましい検出可能な標識は、均一アッセイ系で検出可能である(すなわち、混合物において、未結合の標識プローブと比較して、結合した標識プローブが安定性または差別的分解などの検出可能な変化を示す)。蛍光標識および電子的に検出可能な標識などの他の均一に検出可能な標識を本発明の実施で使用することが意図されるが、均一アッセイに用いられる好ましい標識は化学発光化合物である(例えば、米国特許第5,656,207号でWoodheadらが;米国特許第5,658,737号でNelsonらが;または米国特許第5,639,604号でArnoldらが記載のように)。特に好ましい化学発光標識には、アクリジニウムエステル(「AE」)化合物、例えば標準のAEまたはその誘導体、例えば、ナフチル−AE、オルソ−AE、1−または3−メチル−AE、2,7−ジメチル−AE、4,5−ジメチル−AE、オルソ−ジブロモ−AE、オルソ−ジメチル−AE、メタ−ジメチル−AE、オルソ−メトキシ−AE、オルソ−メトキシ(シンナミル)−AE、オルソ−メチル−AE、オルソ−フルオロ−AE、1−または3−メチル−オルソ−フルオロ−AE、1−または3−メチル−メタ−ジフルオロ−AEおよび2−メチル−AEが含まれる。
【0065】
一部の適用では、検出前のハイブリダイズしていないプローブの除去を最初に必要とせずに試験試料中のプローブ:標的二重鎖の検出を促進するために、少なくともある程度の自己相補性を示すプローブが望ましい。例として、「分子トーチ」と呼ばれる構造は、連結領域によって連結され、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件の下でお互いとハイブリダイズする自己相補性の異なる領域(「標的結合ドメイン」および「標的クロージングドメイン」と命名)を含むように設計されている。変性条件に曝露されると、分子トーチの2つの相補的領域(完全または部分的に相補的でもよい)は溶解し、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件が回復するときに、標的結合ドメインを標的配列とのハイブリダイゼーションのために利用可能な状態にする。分子トーチは、標的結合ドメインが標的クロージングドメインよりも標的配列とのハイブリダイゼーションを有利にするように設計される。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的クロージングドメインは、分子トーチが標的核酸とハイブリダイズする場合と反対に分子トーチが自己ハイブリダイズする場合に異なるシグナルが生成され、それによって、それに関連する生存可能な標識を有するハイブリダイズしていないプローブの存在下で試験試料中のプローブ:標的二重鎖の検出を可能にするように置かれる相互作用標識(例えば、蛍光/消光剤)を含む。分子トーチは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,361,945号に完全に記載されている。
【0066】
本発明と一緒に用いることができる自己相補的ハイブリダイゼーションアッセイプローブの別の例は、一般に「分子ビーコン」と呼ばれる構造である。分子ビーコンは、標的相補的配列を有する核酸分子、標的核酸配列不在下で閉じた立体構造のプローブを保持する親和性対(または核酸アーム)、およびプローブが閉じた立体構造のときに相互作用する標識対を含む。標的核酸および標的相補的配列のハイブリダイゼーションは親和性対のメンバーを分離し、それによってプローブを開いた立体構造へ移行させる。開いた立体構造への移行は、例えば蛍光団および消光剤(例えば、DABCYLおよびEDANS)であってもよい標識対の相互作用の減少のために検出可能である。分子ビーコンは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,925,517号に完全に記載される。CHIKV特異的核酸配列の検出に有用な分子ビーコンは、本明細書で開示されるプローブ配列の1つのいずれかの末端に、蛍光団を含む第一の核酸アームおよび消光剤部分を含む第二の核酸アームを追加することによって作製することができる。この配置では、本明細書で開示されるCHIKV特異的プローブ配列は、生じた分子ビーコンの標的相補的「ループ」部分の役目を果たす。
【0067】
分子ビーコンは、好ましくは検出可能な相互作用的標識対で標識される。相互作用的標識対のメンバーとして好ましい検出可能な標識の例は、FRETまたは非FRETエネルギー転移機構によって相互作用する。蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)は、熱エネルギーへの変換がなく、供与体および受容体が動態学的衝突に陥らない、原子間距離よりかなり大きな距離にわたる、発色団間の共鳴相互作用による、吸収部位から分子または分子系内でのその利用の部位へのエネルギー量子の無放射性伝達を含む。「供与体」は、最初にエネルギーを吸収する部分であり、「受容体」は、エネルギーがその後伝達される部分である。FRETに加えて、励起エネルギーを供与体から受容体分子へ移すことができる他の少なくとも3つの「非FRET」エネルギー転移過程がある。
【0068】
2つの標識が十分に近くに保持され、FRETまたは非FRET機構によって、1つの標識が放射するエネルギーを第二の標識が受け取るか吸収することができる場合、2つの標識は互いに「エネルギー転移関係」にあると言われる。例えば、分子ビーコンがステム二重鎖の形成によって閉じられた状態で維持される場合がそうであり、プローブの1つのアームに結合している蛍光団からの蛍光発光は、反対側アームの上の消光剤部分によって失活する。
【0069】
発明の分子ビーコンのための非常に好ましい標識部分は、蛍光団および蛍光消光特性(すなわち、「消光剤」)を有する第二の部分を含む。この実施形態では、特徴的なシグナルは特定の波長の蛍光のようであるが、あるいは可視光シグナルであるかもしれない。蛍光が含まれる場合、発光の変化は好ましくはFRETによるものであるか、または放射エネルギー転移もしくは非FRET様式によるものである。閉じられた状態の相互作用標識の対を有する分子ビーコンが、適当な周波数の光によって刺激される場合、蛍光シグナルは第一のレベルで生成され、それは非常に低くてもよい。この同じプローブが開いた状態にあり、適当な周波数の光によって刺激される場合、蛍光団および消光剤部分は互いに十分に分離され、それらの間のエネルギー転移は実質的に妨げられる。その状態の下で、消光剤部分は、蛍光団部分からの蛍光を失活させることができない。蛍光団が適当な波長の光エネルギーによって刺激される場合、第一のレベルより高い第二のレベルの蛍光シグナルが生成される。2つのレベルの蛍光の間の差は、検出および測定可能である。蛍光団および消光剤部分をこのように用いると、分子ビーコンは「開いた」立体構造でのみ「オン」であり、プローブは容易に検出可能なシグナルを発散させることによって標的に結合されることを示す。プローブの立体配置的状態は、標識部分の間の相互作用を調節することによってプローブから生成されるシグナルを変化させる。
【0070】
FRETと非FRET対とを区別することなく、本発明に関連して用いることができる供与体/受容体標識対の例には、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、IAEDANS/フルオロレセイン(fluororescein)、EDANS/DABCYL、クマリン/DABCYL、フルオレセイン/フルオレセイン、BODIPY FL/BODIPY FL、フルオレセイン/DABCYL、ルシファーイエロー/DABCYL、BODIPY/DABCYL、エオシン/DABCYL、エリスロシン/DABCYL、テトラメチルローダミン/DABCYL、テキサスレッド/DABCYL、CY5/BH1、CY5/BH2、CY3/BH1、CY3/BH2およびフルオレセイン/QSY7色素が含まれる。当分野の技術者は、供与体および受容体色素が異なる場合、受容体の増感蛍光の出現によって、または供与体蛍光の消光によってエネルギー転移を検出することができることを理解する。供与体および受容体の種類が同じ場合、エネルギーは生じる蛍光偏光解消によって検出することができる。DABCYLなどの非蛍光受容体およびQSY7色素は、直接(すなわち、非増感)受容体励起から生じるバックグラウンド蛍光の潜在的問題を有利に除去する。供与体−受容体対の1メンバーとして用いることができる好ましい蛍光団部分には、フルオレセイン、ROXおよびCY色素(CY5など)が含まれる。供与体−受容体対の別のメンバーとして用いることができる非常に好ましい消光剤部分には、Biosearch Technologies,Inc.(Novato、CA)から入手可能であるDABCYLおよびBLACK HOLE QUENCHER部分が含まれる。
【0071】
合成技術および核酸に標識を結合して標識を検出する方法は、当技術分野で周知である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989年)、第10章;Nelsonら、米国特許第5,658,737号;Woodheadら、米国特許第5,656,207号;Hoganら、米国特許第5,547,842号;Arnoldら、米国特許第5,283,174号;Kourilskyら、米国特許第4,581,333号、およびBeckerら、欧州特許出願第0747706号を参照)。
【0072】
プローブの化学組成
本発明に従うプローブは、ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド類似体を含み、任意選択で、それに共有結合される検出可能な標識を含むことができる。プローブのヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体は、窒素性複素環塩基または塩基類似体を含み、そこにおいてヌクレオシドは、例えばリン酸ジエステル(phospohdiester)結合によって連結されてポリヌクレオチドを形成する。したがって、プローブは従来のリボ核酸(RNA)および/またはデオキシリボ核酸(DNA)を含むことができるが、これらの分子の化学類似体を含むこともできる。プローブの「骨格」は、1つまたは複数の糖−リン酸ジエステル結合、ペプチド−核酸結合(Hyldig−Nielsenら、PCT国際公開第95/32305号によって記載されるように「ペプチド核酸」と呼ばれることもある)、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合またはそれらの組合せを含む、当技術分野で公知である様々な結合で作製することができる。プローブの糖部分はリボースもしくはデオキシリボース、または公知の置換、例えば2’−O−メチルリボースおよび2’ハライド置換(例えば、2’−F)を有する類似した化合物であってもよい。窒素性塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、それらの公知の類似体(例えば、イノシンまたは「I」;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5〜36頁、Adamsら編、第11版、1992年を参照)、プリンまたはピリミジンの公知の類似体(例えば、N−メチルデオキシガウノシン、デアザ−もしくはアザ−プリンおよびデアザ−もしくはアザ−ピリミジン、5または6の位置に置換基を有するピリミジン塩基、2、6または8の位置に改変または交替された置換基を有するプリン塩基、2−アミノ−6−メチルアミノプリン、O−メチルグアニン、4−チオ−ピリミジン、4−アミノ−ピリミジン、4−ジメチルヒドラジン−ピリミジン、およびO−アルキル−ピリミジン(Cook、PCT国際公開第93/13121号を参照)、ならびに、骨格が、ポリマーの1つまたは複数の残基のための窒素性塩基を含まない「無塩基」残基(Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照)であってもよい。プローブは、RNAおよびDNAでは見られる従来の糖、塩基および結合だけを含むことができるか、または従来の成分および置換(例えば、メトキシ骨格を通して連結される従来の塩基または従来の塩基および1つまたは複数の塩基類似体を含む核酸)の両方を含むことができる。
【0073】
CHIKV核酸の検出のために異なる長さおよび塩基組成のオリゴヌクレオチドプローブを用いることができるが、本発明で好ましいプローブは、最高100個のヌクレオチドの長さを有し、より好ましくは最高60個のヌクレオチドの長さを有する。発明のオリゴヌクレオチドの好ましい長さ範囲は、10〜100個の塩基の長さ、より好ましくは15〜50個の塩基の長さ、さらにより好ましくは15〜30個の塩基の長さである。しかし、下で記載される特異的プローブ配列は、核酸クローニングベクターもしくは転写産物または他のより長い核酸で提供することもでき、しかも、CHIKV核酸を検出するために用いることができる。
【0074】
CHIKV特異的増幅プライマーおよび検出プローブの選択
所望の特性を有する増幅プライマーおよびプローブを設計するための有用なガイドラインが、本明細書で記載される。CHIKV核酸の増幅およびプロービングのための最適部位は、長さがそれぞれ約15個を超える塩基、好ましくは約200個以内の塩基の連続した配列である、2つ、好ましくは3つの保存されている領域を含む。1セットのプライマーまたはプロモーター−プライマーで観察される増幅の程度は、それらの相補的配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの能力、および酵素的に伸長されるそれらの能力を含むいくつかの因子によって決まる。ハイブリダイゼーション反応の程度および特異性はいくつかの因子の影響を受けるので、それらの因子の操作は、その標的に完全に相補的であろうがなかろうが特定のオリゴヌクレオチドの正確な感受性および特異性を決定する。異なるアッセイ条件の影響は当分野の技術者に公知であり、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,840,488号でHoganらによって記載されている。
【0075】
標的核酸配列の長さ、したがってプライマー配列またはプローブ配列の長さが重要のことがある。場合によっては、特定の標的領域から、所望のハイブリダイゼーション特性を有するプライマーまたはプローブを与える、場所および長さが異なるいくつかの配列があることがある。完全には相補的でない核酸がハイブリダイズすることは可能であるが、通常、完全に相同な塩基配列の最長の一続きが主にハイブリッド安定性を決定する。
【0076】
増幅プライマーおよびプローブは、オリゴヌクレオチド:非標的(すなわち、標的核酸に類似した配列を有する核酸)核酸ハイブリッドの安定性を最小にするように置かれるべきである。増幅プライマーおよび検出プローブが、標的と非標的配列とを区別することができることが好ましい。プライマーおよびプローブの設計において、これらのTm値の差は可能な限り大きくすべきである(例えば、少なくとも2℃、好ましくは5℃)。
【0077】
非特異的伸長(プライマー−二量体または非標的複製)の程度も、増幅効率に影響を及ぼすことがある。この理由から、プライマーは、特に配列の3’末端に低い自己または交差相補性を有するように選択される。偽のプライマー伸長を減少させるために、長いホモポリマー領域および高いGC含量は回避される。設計のこの側面に、市販のコンピュータソフトウェアを援用することができる。利用可能なコンピュータプログラムには、MacDNASIS(商標)2.0(Hitachi Software Engineering American Ltd.)およびOLIGOバージョン6.6(Molecular Biology Insights;Cascade、CO)が含まれる。
【0078】
当分野の技術者は、水素結合した二本鎖を形成するために、ハイブリダイゼーションが2本の単一鎖の相補的核酸の結合を含むことを理解する。2本の鎖の1つがハイブリッドに完全に、または部分的に含まれる場合、その鎖は、新しいハイブリッドの形成に関与する能力が低くなることは既定である。関心のある配列の実質的な部分が一本鎖であるようにプライマーおよびプローブを設計することによって、ハイブリダイゼーションの速度および程度を大きく増大させることができる。標的が組み込まれたゲノム配列である場合、それは当然二本鎖形で存在する(ポリメラーゼ連鎖反応の生成物と同様に)。これらの二本鎖の標的は、プローブとのハイブリダイゼーションに当然阻害的で、ハイブリダイゼーション工程の前に変性を必要とする。
【0079】
ポリヌクレオチドがその標的とハイブリダイズする速度は、標的結合性領域の標的二次構造の熱安定性の尺度である。ハイブリダイゼーション速度の標準測定値は、リットルあたりのヌクレオチドのモル数に秒数をかけたものとして測定される、C1/2である。したがって、それは、プローブの濃度に、その濃度で最大ハイブリダイゼーションの50%が起こる時間をかけたものである。この値は、一定時間に様々な量のポリヌクレオチドを一定量の標的とハイブリダイズさせることによって決定される。C1/2は、当分野の技術者が精通している標準手順によって、グラフを用いて得られる。
【0080】
増幅オリゴヌクレオチドおよびハイブリダイゼーションプローブのための好ましいドメイン
表1に示すゲノム配列は、CHIKV核酸を増幅および検出するための、本明細書で開示される様々な増幅および検出系の標的ドメインを表す。より具体的には、表1の記載事項は、CHIKV核酸を増幅および検出することができる配列を表す。これは、例えば、第一のプライマーの標的相補的3’末端配列(すなわち、DNAポリメラーゼによる伸長のための基質)が、表の配列の少なくとも15個の連続した塩基に相補的な配列からなる、2つのプライマーの対向セットを用いて達成することができる。当然、当業者は、異なる長さの範囲も実行可能であることを理解する。例えば、好ましい長さ範囲には、表の配列の15〜48個の連続した塩基、より好ましくは15〜40個の連続した塩基、より好ましくは17〜40個の連続した塩基、より好ましくは28〜40個の連続した塩基、または18〜31個の塩基が含まれる。鋳型として表の配列の1つを用いる第一のプライマーの伸長生成物は、第二のプライマーの標的を定義する。したがって、第二のプライマーの標的相補的配列は、鋳型として表の配列を用いる場合、第一のプライマーの伸長生成物に相補的な配列からなることができる。第二のプライマーのための好ましい長さ範囲は、第一のプライマーで用いるものに一般に類似している。同じく、第二のプライマーは、その標的鎖と少なくとも15個の連続した塩基の相補性を一般に有する。27〜34個の連続した塩基の範囲の第二のプライマー、および17〜24個の連続した塩基の相補性を用いて良好な結果が得られたので、それらも好ましい。同じく、すべてのプライマーの標的相補的3’末端配列(すなわち、DNAポリメラーゼによる伸長のための基質)は、少なくとも15個の連続した塩基の配列をそれらの標的配列に一致させることが一般に好ましい。標的配列は、本明細書で開示される配列によって、またはそれらの相補体(示すように)によって定義することができる。当然、いずれのプライマーも、その5’末端にCHIKV標的配列に相補的でない追加の塩基(例えば、ファージプロモーター配列)を含むことができる。特定の適用において、表の配列は、下に記載の方法によって合成されるアンプリコンの配列に対応する。好ましい実施形態では、2つの対立するプライマーのためのプライマー結合部位は、CHIKV標的核酸またはその相補体に沿っていかなる位置も共有しない。換言すると、増幅がプライマーの伸長によって達成される(すなわち、リガーゼ媒介反応と区別される)実施形態では、CHIKV標的核酸の配列に沿った塩基位置(またはその相補体)のいずれも、対向する両プライマーによって共通されない。
【0081】
表1の記載事項はDNA配列として示されるが、増幅されるCHIKVゲノム配列はRNA配列であることを理解すべきである。本明細書で記載される組成物および方法は、RNAおよびDNA同等物(すなわち、お互いにUおよびT塩基が置換されるポリヌクレオチド)を包含するものとする。
【0082】
【表1−1】

【0083】
【表1−2】

表2は、CHIKV核酸を増幅および検出するための、本明細書で開示される様々な増幅および検出系の非常に好ましい標的ドメインを表す。表2の配列は、表1の標的ドメインの中に完全に含まれる。表2の記載事項は、CHIKV核酸を増幅および検出することができる配列を表す。同じく、これは、例えば2つのプライマーの対向セットを用いて達成することができる。長さ範囲が本明細書で与えられるが、第一のプライマーの標的相補的配列が、表の配列の約15〜40個、より好ましくは15〜30個、より好ましくは17〜30個、または18〜31個の連続した塩基に相補的な配列からなる状況を包含する。非常に好ましい実施形態では、第一のプライマーの標的相補的配列は、表の配列の3’末端に完全に相補的である18〜31個の塩基からなる。第二のプライマーの標的相補的配列は、鋳型として表の配列を用いる場合、第一のプライマーの伸長生成物の約18〜31個の塩基に完全に相補的な配列からなることができる。この記載は、第一のプライマーの標的相補的配列の5’末端が、表の配列の3’末端塩基に対応することができる(すなわち、相補的である)ことを意味する。さらに、第二のプライマーの標的相補的配列の5’末端は、表に示す配列の5’末端塩基に対応することができる(すなわち、相同である)。当然、いずれのプライマーも、その5’末端にCHIKV標的配列に相補的でない追加の塩基(例えば、ファージプロモーター配列)を含むことができる。特定の適用において、表の配列は、下に記載の方法によって合成されるアンプリコンの配列に対応する。
【0084】
表2の記載事項はDNA配列として示されるが、増幅されるCHIKVゲノム配列、およびそれから合成される増幅生成物は、RNA配列であってもよいことを理解すべきである。本明細書で記載される組成物および方法は、RNAおよびDNA同等物(すなわち、お互いにUおよびT塩基が置換されるポリヌクレオチド)を包含するものとする。
【0085】
【表2】

表3は、第一鎖の増幅オリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)の標的相補的配列のための好ましいドメインの配列を示す。実際、CHIKV核酸を増幅するために用いられる第一鎖の増幅オリゴヌクレオチドは、表3の配列内に完全に含まれる標的相補的配列を好ましくは有する。当然、第一鎖のプライマーは、その5’末端にCHIKV標的配列に相補的でない追加の塩基(例えば、ファージプロモーター配列)を含むことができる。好ましい第一鎖の増幅オリゴヌクレオチドまたはプライマーは、表3に示す配列に含まれる18〜31個の連続した塩基からなる標的相補的配列を有する。
【0086】
【表3】

表4は、第二鎖の増幅オリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)の標的相補的配列のための好ましいドメインの配列を示す。CHIKV核酸を増幅するために用いられる第二鎖の増幅オリゴヌクレオチドは、表4の配列内に完全に含まれる標的相補的配列を好ましくは有する。当然、第二鎖のプライマーは、その5’末端にCHIKV標的配列に相補的でない追加の塩基(例えば、ファージプロモーター配列)を含むことができる。さらに、単一の伸長可能なプライマーの使用に基づく特定の増幅手順の実施のために用いられる場合、増幅オリゴヌクレオチドは、DNA重合酵素による伸長を阻止する化学部分をその3’末端に配置しているものでもよい。好ましい第二鎖の増幅オリゴヌクレオチドまたはプライマーは、表4に示す配列に含まれる15〜34個、より好ましくは17〜34個の連続した塩基からなる標的相補的配列を有する。
【0087】
【表4】

表5は、ハイブリダイゼーション検出プローブのための好ましいドメインの配列を示す。2つの相補鎖のいずれかを用いてCHIKV核酸増幅生成物を検出することが可能であるので、表の配列の相補体もハイブリダイゼーション検出プローブのための好ましいドメインである。非常に好ましいプローブは、表5の配列またはその相補体に完全に含まれる11〜24個の連続した塩基、より好ましくは15〜24個の連続した塩基、さらにより好ましくは16〜24個の連続した塩基の標的相補的配列を有する。15個の連続した塩基より短い長さが一般に好まれる。
【0088】
表5の記載事項はDNA配列として示されるが、増幅されるCHIKVゲノム配列はRNA配列であり、プローブは、RNAおよびDNA同等物(すなわち、お互いにUおよびT塩基が置換されるポリヌクレオチド)を含むことができることを理解すべきである。
【0089】
【表5】

表6は、捕捉オリゴヌクレオチドの標的相補的配列のための好ましいドメインの配列を示す。好ましい標的捕捉オリゴヌクレオチドは、表6の配列に完全に含まれる28〜51個の連続した塩基からなる標的相補的配列を有する。非常に好ましい標的捕捉オリゴヌクレオチドは、SID識別番号188〜191の配列またはその相補体を有する。これらの配列はハイブリダイゼーションプローブとして、ならびにプライマーとして用いるのにも好ましい。これらのポリヌクレオチド配列のRNAおよびDNA同等物バージョン、ならびに2’−OmeおよびPNA(タンパク質核酸)を組み込む類似体も本発明に包含される。
【0090】
【表6】

好ましい増幅プライマー
増幅反応を行うために有用なプライマーは、標的結合に関与せず、増幅または検出手順に実質的に影響を及ぼすことができない無関係な配列の存在を受け入れるために、異なる長さを有することができる。例えば、本発明に従って増幅反応を実施するために有用なプロモーター−プライマーは、CHIKV標的核酸とハイブリダイズする最小限の配列、およびその最小限の配列の上流に置かれたプロモーター配列を少なくとも有する。しかし、標的結合性配列とプロモーター配列との間への配列の挿入は、増幅反応でその有用性を損なうことなく、プライマーの長さを変えることができるであろう。さらに、増幅プライマーおよび検出プローブの長さは、これらのオリゴヌクレオチドの配列が所望の相補的配列をハイブリダイズさせるための最小限の必須要件に適合する限り、選択の問題である。
【0091】
表7、8および9は、CHIKV核酸の増幅のための好ましいプライマー配列の具体例を示す。表7および8は、核酸の1つの鎖の上のCHIKV配列に相補的なプライマー配列を示す。表7は好ましいCHIKV標的相補的プライマー配列を示し、表8は、本発明の開発中に用いたプロモーター−プライマーの完全配列を示す。特に、表7および8の増幅オリゴヌクレオチドならびに表9の増幅オリゴヌクレオチドは、CHIKV核酸の反対側鎖に相補的である。上に示すように、すべてのプロモーター−プライマーは、CHIKV標的配列に相補的な配列をそれらの3’末端に、およびT7プロモーター配列をそれらの5’末端に含んでいた。したがって、表8のオリゴヌクレオチドは、CHIKV標的核酸に存在しない上流プロモーター配列をさらに含む、表7のオリゴヌクレオチドに対応する。すべてのプロモーター−プライマーは、標的相補的配列の上流に、T7プロモーター配列AATTTAATACGACTCACTATAGGGAGA(配列番号90)を含んでいた。
【0092】
本明細書で述べるように、CHIKV核酸の増幅に有用な増幅オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体を含むこともできる。例えば、増幅オリゴヌクレオチドは、アデニン塩基の代わりにヒポキサンチン塩基類似体の置換を含むことができる。
【0093】
【表7】

表8のT7プロモーター配列の配列は、小文字によって示す。表8のプライマーの標的相補的部分は、大文字によって示す。好ましいプライマーには、表に示すCHIKV標的相補的配列が含まれる。
【0094】
【表8】

表9は、CHIKV核酸配列の増幅のために用いたCHIKV標的相補的オリゴヌクレオチド配列を示す。表9に示す増幅オリゴヌクレオチドは、表7および8に記載の増幅オリゴヌクレオチドの伸長生成物とハイブリダイズすることができる標的相補的配列を含む。
【0095】
【表9】

CHIKV配列の増幅のためのプライマーの好ましいセットには、CHIKV標的配列(表8に記載のプライマーの1つなど)とハイブリダイズする第一のプライマー、および第一のプライマー(表9に記載のプライマー配列の1つなど)の伸長生成物の配列に相補的である第二のプライマーが含まれる。非常に好ましい実施形態では、第一のプライマーは、その5’末端にT7プロモーター配列を含むプロモーター−プライマーである。
【0096】
好ましい検出プローブ
本発明の別の態様は、CHIKV核酸の検出のためのハイブリダイゼーションプローブとして用いることができる、オリゴヌクレオチドに関する。CHIKVの核酸に存在する標的核酸配列を増幅する方法は、アンプリコンを検出するための任意選択のさらなる工程を含むことができる。この方法は、標的核酸配列またはその相補体と優先的にハイブリダイズするハイブリダイゼーションアッセイプローブと試験試料とをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で接触させ、それによって、検出のために安定しているプローブ:標的二重鎖を形成する工程を好ましくは含む。次に、試験試料中のCHIKV核酸の有無の指標として試験試料中にハイブリッドが存在するかどうかについて判定する工程がある。これは、プローブ:標的二重鎖を検出することを含むことができ、好ましくは均一アッセイ系を含むことができる。
【0097】
CHIKV核酸配列の検出に有用なハイブリダイゼーションアッセイプローブは、CHIKV標的核酸配列に実質的に相補的である塩基配列を含む。したがって、本発明のプローブは、CHIKV標的核酸配列の1つの鎖またはその相補体とハイブリダイズする。これらのプローブは、CHIKV核酸に相補的であっても相補的でなくてもよい、標的核酸領域の外部の追加の塩基を任意選択で有することができる。
【0098】
好ましいプローブは、塩濃度が0.6〜0.9Mの範囲である場合に約42℃、より好ましくは約60℃に対応するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下でハイブリダイズするために、標的核酸に十分に相同である。好ましい塩には塩化リチウムが含まれるが、塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムなどの他の塩もハイブリダイゼーション溶液で用いることができる。例示的な高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、約42℃、より好ましくは約60℃、ならびに0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、ならびにそれぞれ1mMのEDTAおよびEGTAによって、または、0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム、60mMコハク酸リチウムならびにそれぞれ10mMのEDTAおよびEGTAによって代わりに提供される。
【0099】
本発明に従うプローブは、CHIKVゲノムの異なるドメインに相補的であるか対応する配列を有する。CHIKV核酸配列の検出に好ましい特定のプローブは、10〜100個のヌクレオチドの長さ範囲の、検出される核酸に相補的でない任意の塩基配列と一緒に標的相補的塩基配列を含むプローブ配列を有する。CHIKV核酸配列の検出に好ましい特定の特異的プローブは、15〜30個、16〜24個、18〜22個、または18〜20個のヌクレオチドの長さ範囲の標的相補的配列を有する。当然、これらの標的相補的配列は線状配列であることができるか、または検出されるCHIKV標的配列に非相補的である1つまたは複数の任意選択の核酸配列を有する分子ビーコンまたは他の構築物の構造に含まれてもよい。上で示すように、プローブは、DNA、RNA、DNAおよびRNAの組合せ、核酸類似体から作製することができるか、1つまたは複数の改変ヌクレオシド(例えば、リボフラノシル部分に2’−O−メチル置換を有するリボヌクレオシド)を含むことができる。
【0100】
簡潔には、本発明に関連して関心のある標的核酸を検出するのに好ましいプローブは、いくつかの既定のプローブドメインまたはその相補体の1つまたは複数に含まれる配列を含み、RNAおよびDNA同等物、ヌクレオチド類似体、最高10%のミスマッチ塩基、およびさらに最高20%のミスマッチ塩基の存在を可能にする。
【0101】
本発明に従う特定の好ましいプローブは、検出可能な標識を含む。一実施形態では、この標識は、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合されるアクリジニウムエステルである。例えば、検出プローブは、米国特許第5,585,481号、および米国特許第5,639,604号に実質的に記載のように、特にカラム10第6行からカラム11第3行にかけて、および実施例8に記載されるように、リンカーを通して結合される化学発光アクリジニウムエステル化合物で標識することができる。これらの特許文書に含まれる開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
表10は、CHIKVアンプリコンの検出のために用いたハイブリダイゼーションプローブのいくつかの塩基配列を示す。CHIKV核酸配列を検出するための代替プローブはCHIKVの反対側のセンス鎖とハイブリダイズすることができるので、本発明は、表に示す配列に相補的であるオリゴヌクレオチドも含む。さらに、RNAおよびDNA同等物塩基(すなわち、UおよびT塩基がお互いに置換される)を含むオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを用いて、本発明を実施することができることを理解すべきである。
【0103】
【表10】

上に示すように、発明のハイブリダイゼーションプローブの核酸塩基配列のための足場として、任意数の異なる骨格構造を用いることができる。特定の非常に好ましい実施形態では、CHIKVアンプリコンの検出のために用いられるプローブ配列は、メトキシ骨格、または少なくとも1つのメトキシ結合を核酸骨格に含む。
【0104】
捕捉オリゴヌクレオチドの選択および使用
好ましい捕捉オリゴヌクレオチドは、固体支持体上での固定化のための標的の役目を果たす第二の配列(すなわち、「テール」配列)に共有結合されるCHIKV配列(すなわち、「CHIKV標的配列」)に相補的である第一の配列を含む。捕捉オリゴヌクレオチドの塩基配列を連結する任意の骨格を用いることができる。特定の好ましい実施形態では、捕捉オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのメトキシ結合を骨格に含む。好ましくは捕捉オリゴヌクレオチドの3’末端にあるテール配列は、相補的塩基配列とハイブリダイズして、生体試料中の他の成分に優先してハイブリダイズされた標的CHIKV核酸を捕捉するための手段を提供するために用いられる。
【0105】
相補的塩基配列とハイブリダイズする任意の塩基配列をテール配列で用いることができるが、ハイブリダイズする配列が約5〜50個のヌクレオチド残基の長さにわたることが好ましい。特に好ましいテール配列は実質的にホモポリマーであり、約10〜約40個のヌクレオチド残基、より好ましくは約14〜約30個の残基を含む。本発明による捕捉オリゴヌクレオチドは、CHIKV標的ポリヌクレオチドに特異的に結合する第一の配列、および固体支持体に固定されるオリゴ(dT)索に特異的に結合する第二の配列を含むことができる。
【0106】
図1に例示する成分を用いて、生体試料中のCHIKV配列を検出するための1つのアッセイは、捕捉オリゴヌクレオチドを用いて標的核酸を捕捉する工程、少なくとも2つのプライマーを用いて捕捉された標的領域を増幅する工程、および増幅核酸に含まれる配列に最初に標識プローブをハイブリダイズさせ、結合した標識プローブから生じるシグナルを次に検出することによって増幅核酸を検出する工程を含む。
【0107】
捕捉工程は、好ましくは捕捉オリゴヌクレオチドを用い、そこにおいて、ハイブリダイズする条件下で、捕捉オリゴヌクレオチドの1つの部分が標的核酸中の配列と特異的にハイブリダイズし、テール部分は、試料の他の成分から標的領域を分離させる、リガンド(例えば、ビオチン−アビジン結合対)などの結合対の1つの構成成分の役目を果たす。好ましくは、捕捉オリゴヌクレオチドのテール部分は、固体支持体粒子に固定される相補的配列とハイブリダイズする配列である。好ましくは、液相ハイブリダイゼーション動態を利用するために、最初、捕捉オリゴヌクレオチドおよび標的核酸は液状である。ハイブリダイゼーションは、捕捉オリゴヌクレオチドのテール部分と相補的固定化配列とのハイブリダイゼーションを通して固定化プローブに結合することができる、捕捉オリゴヌクレオチド:標的核酸複合体を生成する。したがって、標的核酸、捕捉オリゴヌクレオチドおよび固定化プローブを含む複合体は、ハイブリダイゼーション条件下で形成される。好ましくは、固定化プローブは反復配列であり、より好ましくは、テール配列に相補的であり固体支持体に結合するホモポリマー配列(例えば、ポリA、ポリT、ポリCまたはポリG)である。例えば、捕捉オリゴヌクレオチドのテール部分がポリA配列を含む場合、固定化プローブはポリT配列を含むことになるが、相補的配列の任意の組合せを用いることができる。捕捉オリゴヌクレオチドは、標的とハイブリダイズする塩基配列と固定化プローブとハイブリダイズするテールの塩基配列との間に位置する1つまたは複数の塩基である、「スペーサー」残基を含むこともできる。標的核酸:捕捉オリゴヌクレオチド複合体に結合するために、任意の固体支持体を用いることができる。有用な支持体は、溶液中で遊離のマトリックスまたは粒子(例えば、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シランポリプロピレンおよび、好ましくは、磁気誘引粒子)であることができる。固体支持体に固定化プローブを結合する方法は、周知である。支持体は、好ましくは、標準の方法(例えば、遠心分離、磁性粒子の磁気誘引など)を用いて溶液から回収することができる粒子である。好ましい支持体は、常磁性の単分散粒子(すなわち、均一サイズ±約5%)である。
【0108】
標的核酸:捕捉オリゴヌクレオチド:固定化プローブ複合体を回収することは、標的核酸を(生体試料中のその濃度と比較して)効果的に濃縮し、生体試料に存在することがある増幅阻害剤から標的核酸を精製する。捕捉された標的核酸を1回または複数回洗浄し、例えば、結合した標的核酸:捕捉オリゴヌクレオチド:固定化プローブ複合体と一緒に粒子を洗浄液に再懸濁し、上に述べたように洗浄液から結合した複合体と一緒に粒子を次に回収することによって、標的をさらに精製することができる。好ましい実施形態では、捕捉工程は、捕捉オリゴヌクレオチドを標的核酸と逐次的にハイブリダイズさせ、次に、固定化相補的配列との捕捉オリゴヌクレオチドのテール部分のハイブリダイゼーションを可能にするハイブリダイゼーション条件を調節することによって起こる(例えば、PCT国際公開第98/50583号に記載のように)。捕捉工程および任意選択の洗浄工程が完了した後、標的核酸を次に増幅することができる。取扱い工程数を制限するために、任意選択で、標的核酸は、捕捉オリゴヌクレオチドから遊離させることなく増幅させることができる。
【0109】
有用な捕捉オリゴヌクレオチドは、増幅する配列を含むCHIKV核酸とそのミスマッチ配列がハイブリダイズする限り、上に示す配列とのミスマッチを含むことができる。本明細書で記載される各捕捉オリゴヌクレオチドは、その3’末端でポリ−(dA)テールに連結される表11に示すCHIKV相補的配列の1つを含んでいた。捕捉オリゴヌクレオチドのすべては、CHIKV相補的配列とポリ−(dA)テールとの間に挿入される3つの任意選択のチミジンヌクレオチドを含んでもいた。ポリ−(dA)テールおよび3つのチミジンヌクレオチドは小文字で示し、CHIKV相補的配列は大文字で示す。これらのチミジンヌクレオチドの存在は、捕捉方法の成功に必須であるとは考えられていない。3つのチミジンヌクレオチドおよびポリ−(dA)テールはDNA前駆体を用いて合成し、オリゴヌクレオチドのCHIKV相補的部分は2’−OMeヌクレオチド類似体を用いて合成した。
【0110】
【表11】

CHIKVポリヌクレオチド配列を増幅および検出するための好ましい方法
本発明の好ましい方法は、下に示す実施例によって記載および例示する。図1は、CHIKVゲノム(水平の太い実線によって示す)の標的領域を検出するために用いることができる1つの系を模式的に図示する。この系は、4つのオリゴヌクレオチド(より短い実線によって示す)を含む:標的領域中のCHIKV配列と特異的にハイブリダイズする配列、および生体試料に存在する標的領域を捕捉する、固体支持体上に固定される相補的配列とハイブリダイズするテール(「T」)を含む1つの捕捉オリゴヌクレオチド;標的領域中のCHIKV配列と特異的にハイブリダイズする配列、および、二本鎖の場合T7 RNAポリメラーゼのための機能的プロモーターの役目を果たすT7プロモーター配列(「P」)を含む1つのT7プロモーター−プライマー;T7プロモーター−プライマーを用いて標的領域配列から作製される第一鎖のcDNAと特異的にハイブリダイズする配列を含む1つの非T7プライマー;ならびに、2つのプライマーを用いて増幅される標的領域の部分と特異的にハイブリダイズする配列を含む1つの標識プローブ。
【0111】
上に示すように、2つのプライマーを用いて捕捉標的領域を増幅することは、当分野の技術者によく知られているであろう様々な公知の核酸増幅反応のいずれかによって達成することができる。好ましい実施形態では、転写関連の増幅反応、例えばTMAが使用される。そのような実施形態では、多くの核酸鎖が標的核酸の単一コピーから生成され、このように、増幅配列に結合するプローブを検出することによる標的の検出を可能にする。好ましくは、転写関連増幅は、2種類のプライマー(1つは、図1で「P」と表示されるRNAポリメラーゼのためのプロモーター配列を含むのでプロモーター−プライマーと呼ばれる)、2つの酵素(逆転写酵素およびRNAポリメラーゼ)、ならびに基質(デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸)を溶液中の適当な塩および緩衝剤と用いて、核酸鋳型から複数のRNA転写産物を生成する。
【0112】
図1については、転写媒介増幅の間、捕捉された標的核酸は、T7プロモーター−プライマーとして示す第一のプライマーとハイブリダイズさせられる。逆転写酵素を用いて、相補的DNA鎖は、標的DNAを鋳型として用いてT7プロモーター−プライマーから合成される。非T7プライマーとして示す第二のプライマーは、新しく合成されたDNA鎖とハイブリダイズし、逆転写酵素の作用で伸長してDNA二重鎖を形成し、それによって二本鎖のT7プロモーター領域を形成する。T7 RNAポリメラーゼは、この機能的T7プロモーターを用いることによって複数のRNA転写産物を次に生成する。TMAの自己触媒的機構は、追加の転写産物を生成する鋳型としてRNA転写産物を用い、それによって標的領域特異的核酸配列を増幅するcDNA合成工程に続いて、反復ハイブリダイゼーションおよび重合工程を使用する。
【0113】
検出工程は、それが上記の増幅されたRNA転写産物またはアンプリコンに特異的に結合する少なくとも1つの検出プローブを用いる。好ましくは、検出プローブは、均一検出系を用いて検出することができる標識で標識される。例えば、標識プローブは、上に述べたように化学発光シグナルを生成することができ、それを検出することができるアクリジニウムエステル化合物で標識することができる。あるいは、標識プローブは、蛍光団または蛍光団および消光剤部分を含むことができる。分子ビーコンは、均一検出系で用いることができるそのような標識プローブの一実施形態である。
【0114】
CHIKV核酸を検出するためのキット
本発明は、ウイルス核酸鋳型を用いてポリヌクレオチド増幅反応を実施するためのキットも包含する。特定の好ましいキットは、塩基の標的相補的配列、および任意選択で、検出される標的を増幅するためのプライマーまたは他の補助的オリゴヌクレオチドを含む、ハイブリダイゼーションアッセイプローブを含む。他の好ましいキットは、インビトロの増幅反応で標的核酸を増幅するために用いることができる、一対のオリゴヌクレオチドプライマーを含む。例示的なキットは、増幅されるCHIKV核酸配列の反対鎖に相補的である第一および第二の増幅オリゴヌクレオチドを含む。キットは、1つまたは複数のオリゴヌクレオチド検出プローブをさらに含むことができる。本発明に従うさらに他のキットは、増幅の前に他の種からCHIKV鋳型核酸を分離精製するための、捕捉オリゴヌクレオチドをさらに含むことができる。
【0115】
本発明の一般原理は、以下のそれには限定されない実施例を参照してより完全に理解することができる。
【0116】
CHIKV核酸を増幅および検出するための好ましいプライマーおよびプローブの組合せは、核酸鋳型の原料としてウイルス溶解物を使用した一連の方法で特定された。溶解物は、Centers for Disease Control,National Center for Infectious Disease,Division of Vector−Borne Infectious Diseaseから得られ、2006年にインド旅行から米国に帰国した旅行者から単離された株である。溶解物が調製されたウイルス株の力価は、10プラーク形成単位(PFU)/mlであると推定された。0〜10PFU/mlの範囲の希釈溶液系を調製して、この方法で用いた。ウイルスRNAのコピー数は、当初、約200コピー数/PFUであると推定された。下記方法を用いて、プロモーター−プライマーおよび反対鎖プライマーを組み合わせてスクリーニングした。転写媒介増幅(TMA)プロトコルを用いてこれらの方法を特に実施したが、当分野の技術者によく知られているであろう代替のインビトロの核酸増幅方法によってアンプリコンを生成するために、本明細書で開示されるプライマーを用いることができる。
【0117】
実施例1は、CHIKV核酸の増幅および検出に有用なプライマーおよびプローブを同定した方法を記載する。
【実施例】
【0118】
(実施例1)
CHIKV核酸の増幅
高力価ウイルス溶解物は、反対セットのプライマーを用いた増幅反応で、CHIKV鋳型配列の原料の役目を果たした。ウイルス陰性緩衝液を用いて、0〜10PFU/mlに等しい核酸に対応する希釈溶液系を調製した。上に示した配列を有するCHIKV標的捕捉オリゴヌクレオチドを用いて鋳型を捕捉したことを除き、国際特許出願公開第PCT/US2000/18685号に開示されている手順に基本的に従う増幅の前に、核酸を試料処理および標的捕捉にかけた。特に、捕捉オリゴヌクレオチドは、アッセイの増幅または検出工程に関与しない。磁気ビーズ上のオリゴヌクレオチドを捕捉するために、核酸放出およびハイブリダイゼーションを促進するために、0.5mlの量のウイルス含有試料を標的−捕捉試薬と合わせた。TMA反応は、米国特許第5,399,491号にKacianらによって記載されるように基本的に実施し、この米国特許の開示は参照により上で本明細書に組み込まれている。100μlの反応緩衝液中の約10ピコモルの各プライマーを用いて、様々なプライマー組合せについて増幅反応を実施した。単離した標的核酸を標準の核酸増幅緩衝液中でプライマーと合わせ、60℃に10分間加熱し、次に42℃に冷却してプライマーアニーリングを促進した。次に、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素(5,600単位/反応)およびT7 RNAポリメラーゼ(3,500単位/反応)を混合液に加えた。当分野の技術者がよく知るように、KCl、デオキシリボヌクレオシド5’−三リン酸、リボヌクレオシド5’−三リン酸、N−アセチル−L−システインおよび5%(w/v)グリセロールを含むトリス緩衝液(pH8.2〜8.5)で増幅反応を実施した。
【0119】
42℃で1時間のインキュベーションの後、100μlの増幅反応全体を、2’−Omeヌクレオチド類似体を用いて調製したプローブを使用するハイブリダイゼーションアッセイにかけた。すべてのプローブを約2×10RLU/pmolの比活性にアクリジニウムエステルで標識し、次に、各プローブについて約5×10RLUに相当する量をハイブリダイゼーション反応で用いた。米国特許第5,585,481号および第5,639,604号に記載される方法に従って、内部の非ヌクレオチドリンカーによってオリゴヌクレオチド構造に連結されたAE部分でプローブを各々標識したが、これらの特許の開示は参照により組み込まれている。ハイブリダイゼーション反応に続いて、0.15M四ホウ酸ナトリウム(pH8.5)の一定分量、および1%トリトンX−100(Union Carbide Corporation;Danbury、CT)を加えた。これらの混合液を60℃で10分間先ずインキュベートして、ハイブリダイズしていないプローブに連結された化学発光標識を不活性化し、4℃に短時間冷却した後にハイブリダイゼーションシグナルを読み取った。各試料のハイブリダイズしたプローブによる化学発光は、1mM硝酸および0.1%(v/v)過酸化水素の自動注入、続いて1N水酸化ナトリウム含有溶液の注入の構成にしたLUMISTAR GALAXY発光マイクロプレートリーダー(BMG Labtechnologies Inc.;Durham、NC)を用いて分析した。化学発光反応の結果は、相対光単位(RLU)で測定した。この方法では、シグナル/ノイズ値は、特異的にハイブリダイズしたプローブに結合している標識によって生成された化学発光シグナル(RLUで測定)を、標的核酸の不在下で測定したバックグラウンドシグナルで割ったものに対応した。試験は、トリプリケートで行った。正の結果と判断されるためには、プローブハイブリダイゼーションを示す化学発光シグナルがアッセイで50,000RLUを超えなければならなかったか、またはSN比(バックグラウンドノイズは陰性増幅対照反応で測定)が少なくとも10でなければならなかった。表12〜26は、陽性結果だけを用いて計算した平均SN値を示す。
【0120】
これらの方法からの代表的な結果を、表12〜26に要約する。
【0121】
【表12】

【0122】
【表13】

【0123】
【表14】

【0124】
【表15】

特に、系4で用いたハイブリダイゼーションプローブは、表5に示す標的相補的配列、および検出する標的配列に相補的でなかった3’末端G残基を含んでいた。無関係な塩基の存在は、CHIKV核酸の検出に実質的な影響を及ぼさないと考えられた。
【0125】
【表16】

【0126】
【表17】

【0127】
【表18】

【0128】
【表19】

【0129】
【表20】

【0130】
【表21】

【0131】
【表22】

【0132】
【表23】

【0133】
【表24】

【0134】
【表25】

【0135】
【表26】

上の表の結果に基づき、特定の増幅および検出系(すなわち、対向するプライマーおよびプローブ(複数可)を含む)が他より良好な結果を与えた。特に好ましい増幅および検出系には、系1、系2、系4、系5、系6、系12、系14および系15が含まれた。
CHIKV核酸の増幅および検出のための好ましいドメイン内の代替アッセイ設計
前の実施例は、異なるレベルの感受性のCHIKV核酸を増幅および検出するために用いることができる多数の異なる系を証明した。以下の実施例は、例示目的のために系14によって増幅した標的領域を用いた個々のアッセイの設計の柔軟性を例示する。
【0136】
一般に、特定の好ましい増幅アッセイは、鋳型として表1か表2に示すCHIKV配列の1つを有するインビトロ合成転写産物を用いるオリゴヌクレオチドの1つの伸長生成物が、他のプライマーとハイブリダイズすることができるように配置された、増幅オリゴヌクレオチドの対のセットを使用する。したがって、2つの増幅オリゴヌクレオチドは、増幅するCHIKV標的核酸の反対鎖に相補的であった。増幅反応生成物は、表1または表2に示す配列の長さまでで、表2に示す配列またはその相補体の1つからなるかそれに含まれる核酸標的配列とハイブリダイズすることができる配列を有する核酸鎖を含む。好ましいハイブリダイゼーション条件には、本明細書に記載のものが含まれる。特定のアンプリコンがこのハイブリダイゼーションが可能かどうかは、当分野の技術者は容易に証明することができる。
【0137】
上に示すように、本明細書に示す異なるオリゴヌクレオチド配列は、複数の目的を果たすことができる。例えば、表10に示すプローブ配列(RNAおよびDNA同等塩基も可能)はプライマーの役目を果たすことができ、また、例えば表8に示すプライマー、またはこれらの配列に含まれる標的相補的配列を有するプライマー(例えば、表7に示す配列)と組み合わせて用いることができる。例示すると、配列番号164の系14プローブの配列(置換またはRNAおよびDNA同等塩基を可能にする)は、表1に示す好ましい系14ドメインの鋳型配列中に含まれるCHIKV核酸配列を増幅するための、配列番号128に含まれる標的相補的配列(例えば、配列番号108)を有する第二のオリゴヌクレオチドと一緒に、増幅オリゴヌクレオチド(すなわち、配列番号174)として用いることができる。同様に、表10に示すプローブ配列の相補体(RNAおよびDNA同等塩基も可能)はプライマーの役目を果たすことができ、また、例えば表9に示す対応する増幅系のプライマーと組み合わせて用いることができる。同様に、プライマー用として本明細書で開示される標的相補的配列は、ハイブリダイゼーションプローブの役目を果たすことができる。ハイブリダイゼーションプローブとして用いる場合、オリゴヌクレオチド配列は増幅オリゴヌクレオチドまたはプライマーとして本明細書で開示される配列よりも短くてもよいことが特に想定される。例えば、配列番号128の系14増幅オリゴヌクレオチドに含まれるが、少なくとも17個の塩基の長さのCHIKV標的相補的配列は、CHIKV核酸の検出のためのハイブリダイゼーションプローブの役目を果たすことができよう。
【0138】
CHIKV核酸配列を増幅および/または検出するために用いたさらなるオリゴヌクレオチドを、表27〜29に示す。
【0139】
【表27】

【0140】
【表28】

あらゆる場合、配列番号14からなるCHIKV鋳型配列と接触する場合、表28のプライマーは、鋳型依存性DNAポリメラーゼによって伸長させて伸長生成物を形成することができる。その伸長生成物は、表27に記載のプライマー配列だけでなく、表29に記載のプライマーとして機能することができるプローブ配列(RNAおよびDNA同等塩基の置換も可能)にも相補的な配列を含む。前の表の配列に関し、配列番号109の標的結合性配列は、配列番号90のT7プロモーター配列の下流に置かれ、結果として配列番号129のT7プロモーター−プライマー配列がもたらされた。配列番号108の標的結合性配列は、配列番号90のT7プロモーター配列の下流に置かれ、結果として配列番号128のT7プロモーター−プライマー配列がもたらされた。プロモーター配列中の偶然の塩基は、プロモーター−プライマーが配列番号177の標的相補的配列を含んでいたことを意味した。配列番号178の標的結合性配列は、配列番号90のT7プロモーター配列の下流に置かれ、結果として配列番号182のT7プロモーター−プライマー配列がもたらされた。プロモーター配列中の偶然の塩基(a fortuitous base)は、プロモーター−プライマーが配列番号179の標的相補的配列を含んでいたことを意味した。単一の塩基ミスマッチを可能にすると、配列番号182の配列は、配列番号180の標的相補的配列を含んでいた(すなわち、配列番号180の位置2は、配列番号14の標的配列の対応する位置に相補的でない)。2つの塩基ミスマッチを可能にすると、配列番号182の配列は、配列番号181の標的相補的配列を含んでいた(すなわち、配列番号181の位置2および4は、配列番号14の標的配列の対応する位置に相補的でない)。本発明は、試験試料中のCHIKV核酸を増幅および/または検出するための、標的結合性配列、完全T7プロモーター−プライマー配列、またはT7プロモーター−プライマーに含まれるCHIKV相補的配列のいずれかの使用を包含する。
【0141】
【表29】

実施例2は、系14(すなわち、表1を参照)のCHIKV核酸標的領域を増幅し、次に検出するために用いたオリゴヌクレオチドの多数の組合せを記載する。ファージプロモーターの下流の配列番号14(位置50、56および116は、それぞれT、CおよびCによって占められる)によって与えられるDNA配列を含んでいた線状化プラスミドベクターから合成したウイルス溶解物またはインビトロ転写産物を用いて方法を実施した。増幅反応で用いる前に、インビトロ転写産物を精製、定量化した。本実施例でのインビトロ転写産物の使用は、反応割合を測定することによってアッセイ感度を正確に定量化するための方法を有利に提供した。
【0142】
(実施例2)
アッセイ設計の柔軟性
以下の方法は、上に示す配列番号14によって例示される標的領域に含まれるCHIKV核酸配列を増幅および検出するための代替戦略を証明した。すべての例で、陰性対照反応の平均RLU読取値に加えて3つの標準偏差を用いてカットオフを確立することによって、反応割合を判定した。2の値の下の読取値は、陰性と評価した。表に示すデータは、このカットオフに基づく。表のシグナル値は、化学発光シグナル読取値を示す。
【0143】
表30は、T7プロモーター−プライマーを組合せではなく別々に用いたこと以外は、基本的に実施例1の系14について記載したように実施した方法で得られた結果を示す。同様に、方法で試験したウイルス溶解物の最も高い投入レベル(すなわち、0.01PFU/ml)は、表25に示す方法の最も低い投入レベルに対応した。これらの結果は、個々のT7プロモーター−プライマーに関するアッセイ感度に対する洞察を提供した。より具体的には、配列番号128と同定されたプライマー(すなわち、配列番号108のCHIKV標的結合性配列を含む)が、この方法で試験した投入鋳型の非常に低いレベルでの効果的な増幅の役割を主に担ったことを結果は示した。
【0144】
【表30】

既知の量のインビトロ合成転写産物をウイルス溶解物の代わりに置換したこと以外は、基本的に実施例1に記載されるように以下の手順を実施した。RNA鋳型は、配列番号14(上に示す)によって与えられるDNA配列に対応する配列を含み、増幅生成物は、増幅反応を実施するために用いた条件、または本明細書で開示される他のハイブリダイゼーション条件の下で、この配列からなる核酸鎖とハイブリダイズすることができた。すべての方法は、CHIKV鋳型核酸を指示濃度で含む0.5mlの試料量を用いて実施した。したがって、例えば、50コピー数/mlのインビトロ転写産物から作製された試料の0.5mlを用いて実施された反応は、25コピー数の鋳型核酸を含むことになる。
【0145】
表31は、表25に示す系14の増幅および検出オリゴヌクレオチドを用いたが、増幅可能な鋳型の原料としてウイルス溶解物の代わりにインビトロ合成CHIKV転写産物を置換して得られた結果を示す。これらの結果は、代替増幅および検出フォーマットの感度パラメータを比較するためのベースラインを確立した。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、111コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の9コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0146】
【表31】

表32は、前の表に記載の2つのプロモーター−プライマーの1つだけを用いて実施した増幅および検出反応の結果を示す。示すように、これらの結果は、配列番号128によって同定されたプライマーが、CHIKV鋳型核酸を300コピー数/ml以下で用いて実施した増幅アッセイにおいて非常に活性であることを示した。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、74コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の8コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0147】
【表32】

表33は、基本的に前の表で例示した方法であるが、増幅反応にさらなるT7プロモーター−プライマーを含む方法で得られた結果を示す。反応割合の傾向で観察された変動は、方法で用いた非常に低い鋳型レベルによると考えられた。この例での2つのT7プロモーター−プライマーの組合せは、実質的な利点を提供すると考えられなかった。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、378コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の10コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0148】
【表33】

表34は、前の表に記載の2つのプロモーター−プライマーの1つだけを用いて実施した増幅および検出反応の結果を示す。示すように、これらの結果は、配列番号182のT7プロモーター−プライマーが増幅反応で活性であったが、全体のシグナル/ノイズ比はより低く、アッセイ感度は本明細書で開示される他のアッセイよりもいくらか低かったことを示した。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、3334コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の302コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0149】
【表34】

表35は、単一のT7プロモーター−プライマーと一緒に2つの非T7プライマーを用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、52コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の7コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0150】
【表35】

表36は、単一のT7プロモーター−プライマーと一緒に2つの非T7プライマーを用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、90コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の16コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0151】
【表36】

表37は、単一のT7プロモーター−プライマーと一緒に2つの非T7プライマーを用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、160コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の11コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0152】
【表37】

表38は、高感度の増幅および検出反応からの結果を示す。完全性のために、分析に含まれる試験数を示す欄を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、26コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の4コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0153】
【表38】

表39は、ハイブリダイゼーションプローブとして前に用いたオリゴヌクレオチド配列(RNAおよびDNA同等塩基も可能)を非T7プライマーとして用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。方法での成功は、プローブおよびプライマー配列が代替機能を果たすことができることを確認した。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、88コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の11コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0154】
【表39】

表40は、ハイブリダイゼーションプローブとして前に用いたオリゴヌクレオチドと十分な配列同一性(substantial sequence identity)を共有するオリゴヌクレオチド配列(RNAおよびDNA同等塩基も可能)を非T7プライマーとして用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、254コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の19コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0155】
【表40】

表41は、ハイブリダイゼーションプローブとして前に用いたオリゴヌクレオチドと十分な配列同一性を共有するオリゴヌクレオチド配列(RNAおよびDNA同等塩基も可能)を非T7プライマーとして用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、45コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の11コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0156】
【表41】

表42は、ハイブリダイゼーションプローブとして前に用いた1つのオリゴヌクレオチド配列(RNAおよびDNA同等塩基も可能)およびハイブリダイゼーションプローブとして前に用いたオリゴヌクレオチドと十分な配列同一性を共有する第二のオリゴヌクレオチドを非T7プライマーとして用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、125コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の25コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0157】
【表42】

表43は、ハイブリダイゼーションプローブとして前に用いた1つのオリゴヌクレオチド配列(RNAおよびDNA同等塩基も可能)およびハイブリダイゼーションプローブとして前に用いたオリゴヌクレオチドと十分な配列同一性を共有する第二のオリゴヌクレオチドを非T7プライマーとして用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、88コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の11コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。
【0158】
【表43】

表44は、ハイブリダイゼーションプローブとして前に用いたオリゴヌクレオチドと十分な配列同一性を共有する2つのオリゴヌクレオチド配列(RNAおよびDNA同等塩基も可能)を非T7プライマーとして用いて実施した増幅および検出反応からの結果を示す。結果の統計分析に基づいて、このアッセイは、48コピー数/mlでの確率95%の検出、およびCHIKV核酸標的の8コピー数/mlでの確率50%の検出によって特徴づけられた。このアッセイは、非常に高かったシグナル/ノイズ値によって有利に特徴づけられた。
【0159】
【表44】

実施例3は、鋳型の原料としてウイルス溶解物を用いて実施した増幅反応で得られたデータの分析を記載する。
【0160】
(実施例3)
異なる増幅系の感度の定量化
配列番号128、配列番号129および配列番号148を増幅オリゴヌクレオチドとして用い、配列番号164をハイブリダイゼーション検出プローブ(すなわち、元の系14アッセイからのオリゴヌクレオチド)として用いて実施したアッセイからの結果を用いて、ウイルス溶解物の核酸標的濃度を確立することができた。簡潔には、溶解物試料(すなわち、PFU/mlで測定)およびインビトロ転写産物(すなわち、コピー数/mlで測定)の確率95%の検出を相関させることによってこれは達成された。特に、この方法で用いたインビトロ転写産物は、用いたウイルス溶解物を原料鋳型として用いて合成された。したがって、溶解物中の標的の配列は、インビトロ転写産物の配列と一致した。この手法によって、1PFUがCHIKV核酸標的の約7,000コピー数に対応すると推定することが可能であった。
【0161】
アッセイスクリーニングのための鋳型原料としてウイルスの溶解物を用いて得たオリジナルデータを処理し、実施例2で使用した陽性反応の同じ基準を用いて反応割合を判定したが、これらの方法の結果を表12〜26に示す。次に、SAS(登録商標)システムソフトウェア(バージョン9.1.3)(Cary、NC)のプロビット関数を用いる回帰分析を用いて、95%および50%の検出レベルを計算した。以下の表は、表12〜26に示す結果を与えた様々なアッセイ系についてのこの感度分析の結果を示す。特に、記載事項は、最も感度の高いアッセイの群から下に向けてランクづけされている。系のすべては高感度のアッセイを作製する目的で設計されたが、表45および46に示す結果は驚くべき範囲の感度を示した。これらの表は、確率95%の検出(表45)または確率50%の検出(表46)を達成するために必要とされる、PFU/mlで表したCHIKVの濃度、および対応するコピー数/mlを特定する。例えば、系1〜2、5〜6、12および14のすべては、確率95%の検出を達成するために、有利なことに約0.01PFU/ml以下のCHIKV溶解物、または約70コピー数/ml以下のCHIKV標的核酸を必要としたにすぎない。対照的に、系8は、同じ確率の検出を達成するために、約7,400倍多くのCHIKV標的を必要とした。これは、増幅系のすべてが同等であったわけではないことを例示する。
【0162】
【表45】

【0163】
【表46】

本発明は、いくつかの具体的な実施例およびその実施形態に関して記載された。当然、上記の詳細な説明の精査により、本発明のいくつかの異なる実施形態が当分野の技術者に思いつくであろう。したがって、本発明の真の範囲は、添付の請求項への参照によって決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法であって、
(a)前記試験試料の核酸を1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、
前記セットの第一のメンバーは、長さが100個までの塩基であり、配列番号14に含まれる少なくとも15個の連続した塩基に相補的であり、
配列番号14からなるポリヌクレオチドが鋳型依存性プライマー伸長反応の鋳型である場合、前記セットの第二のメンバーは長さが100個までの塩基であり、増幅オリゴヌクレオチドの前記セットの第一のメンバーの伸長生成物の少なくとも15個の連続した塩基に相補的である、工程と、
(b)増幅オリゴヌクレオチドの前記セットと一緒に前記試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程であって、それによって、前記試験試料が前記CHIKV核酸配列を含む場合、増幅生成物が生成される工程と、
(c)前記インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある前記増幅生成物のいずれかを検出する工程であって、
前記増幅生成物をカットオフ値より多い量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在することを示し、
前記増幅生成物を前記カットオフ値より少ない量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在しないことを示す、工程と
を含む方法。
【請求項2】
工程(c)で検出される前記増幅生成物が、増幅オリゴヌクレオチドの前記セットの1メンバーの17個の連続した塩基、および増幅オリゴヌクレオチドの前記セットの他のメンバーの17個の連続した塩基の相補体を含む一本鎖核酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一の増幅オリゴヌクレオチドが、長さが55個までの塩基であり、前記第二の増幅オリゴヌクレオチドが配列番号68の19個の連続した塩基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の増幅オリゴヌクレオチドの3’末端配列が配列番号108である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第二の増幅オリゴヌクレオチドが、配列番号148、配列番号170、配列番号172および配列番号173からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記検出工程が、ハイブリダイゼーションプローブを用いて前記増幅生成物を検出することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、配列番号164、配列番号184および配列番号185からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(c)が、ハイブリダイゼーションプローブを用いて前記増幅生成物を検出することを含み、前記試験試料中の前記CHIKV核酸配列の濃度が26コピー数/ml〜約3,400コピー数/mlの範囲である場合、前記カットオフ値より多い量の前記増幅生成物を検出する確率は少なくとも95%である、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
工程(c)が、ハイブリダイゼーションプローブを用いて前記増幅生成物を検出することを含み、前記試験試料中の前記CHIKV核酸配列の濃度が26コピー数/ml〜約200コピー数/mlの範囲である場合、前記カットオフ値より多い量の前記増幅生成物を検出する確率は少なくとも95%である、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
工程(c)が、ハイブリダイゼーションプローブを用いて前記増幅生成物を検出することを含み、前記試験試料中の前記CHIKV核酸配列の濃度が約100コピー数/mlと約3,400コピー数/mlとの間である場合、前記カットオフ値より多い量の前記増幅生成物を検出する確率は、少なくともほんの95%である、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
第一の増幅オリゴヌクレオチドの3’末端塩基配列が配列番号108であり、工程(c)が、ハイブリダイゼーションプローブを用いて前記増幅生成物を検出することを含み、前記試験試料中の前記CHIKV核酸配列の濃度が26コピー数/ml〜約200コピー数/mlの範囲である場合、前記カットオフ値より多い量の前記増幅生成物を検出する確率は少なくとも95%である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第一の増幅プライマーが、配列番号108の上流に位置するファージT7プロモーター配列を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第二の増幅オリゴヌクレオチドが、配列番号68の19個の連続した塩基または配列番号84の17個の連続した塩基を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第二の増幅オリゴヌクレオチドが、配列番号148、配列番号174および配列番号176からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ハイブリダイゼーションプローブが配列番号164である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ハイブリダイゼーションプローブが配列番号183である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第一の増幅オリゴヌクレオチドが、長さが55個までの塩基であり、前記第二の増幅オリゴヌクレオチドが配列番号84の17個の連続した塩基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第二の増幅オリゴヌクレオチドが、配列番号174、配列番号175および配列番号176からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
増幅オリゴヌクレオチドの前記セットの前記第二のメンバーが、配列番号186の配列に含まれる17〜20個の連続した塩基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
増幅オリゴヌクレオチドの前記セットの前記第二のメンバーが、配列番号148、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175および配列番号176からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
塩濃度が0.6〜0.9Mの範囲にある場合、42℃のストリンジェントな条件下で、増幅オリゴヌクレオチドの前記セットの前記第一のメンバーが、配列番号14からなるポリヌクレオチドとハイブリダイズし、増幅オリゴヌクレオチドの前記セットの前記第二のメンバーが、同じストリンジェントな条件下で前記伸長生成物とハイブリダイズする、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記カットオフ値が、(i)前記CHIKV核酸配列の既知の濃度を用いて実施される複数の増幅反応、および(ii)前記CHIKV核酸配列の不在下で実施される複数の陰性対照増幅反応で得られる結果の統計分析によって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記カットオフ値が、前記CHIKV核酸配列を含まない陰性対照反応の平均ハイブリダイゼーションシグナル読取値、加えて前記CHIKV核酸配列を含まない陰性対照反応の3つの標準偏差を用いる統計分析によって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅および検出するためのキットであって、
(a)長さが100塩基数までで、配列番号48の15〜48個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号48の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(b)長さが100塩基数までで、配列番号186の15〜47個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号186の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(c)前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブと
を含み、
前記プライマーおよび前記ハイブリダイゼーションプローブが互いに一括した組み合わせ中にある、キット。
【請求項25】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、
(i)長さが15〜47塩基数であって、配列番号187の配列中に完全に含まれるか、
(ii)長さが15〜39塩基数であって、配列番号68の配列中に完全に含まれるか、または
(iii)長さが15〜40塩基数であって、配列番号84の配列中に完全に含まれるかのいずれかである、請求項24に記載のキット。
【請求項26】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、長さが40塩基数までであって、配列番号84の15〜40個の連続した塩基を含む、請求項24に記載のキット。
【請求項27】
前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号108である、請求項24に記載のキット。
【請求項28】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号187の配列中に完全に含まれる、請求項27に記載のキット。
【請求項29】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、長さが40塩基数までであって、配列番号84の15〜40個の連続した塩基を含む、請求項28に記載のキット。
【請求項30】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号68の配列中に完全に含まれる、請求項28に記載のキット。
【請求項31】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号148、配列番号170、配列番号171、配列番号172および配列番号173からなる群から選択される、請求項28に記載のキット。
【請求項32】
前記ハイブリダイゼーションプローブが配列番号164からなる、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
前記第一のプライマーが前記任意選択の第一プライマー5’配列を含み、前記第一プライマー5’配列がファージT7プロモーター配列を含む、請求項27に記載のキット。
【請求項34】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号84の配列中に完全に含まれる、請求項27に記載のキット。
【請求項35】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号174、配列番号175および配列番号176からなる群から選択される、請求項34に記載のキット。
【請求項36】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、配列番号184および配列番号185からなる群から選択される、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号68に完全に含まれる、請求項24に記載のキット。
【請求項38】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号84に完全に含まれる、請求項24に記載のキット。
【請求項39】
長さが100塩基数までであって、配列番号186の15〜47個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーをさらに含み、前記第三のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号186の配列に完全に含まれ、前記第三のプライマーが、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含み、前記第三のプライマーが前記第二のプライマーと異なる、請求項24に記載のキット。
【請求項40】
互いに異なる前記第二および第三の各プライマーが、配列番号187の15〜47個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号148である、請求項40に記載のキット。
【請求項42】
前記第三のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173からなる群から選択される、請求項41に記載のキット。
【請求項43】
互いに異なる前記第二および第三の各プライマーが、配列番号84の15〜40個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む、請求項39に記載のキット。
【請求項44】
チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅および検出するためのキットであって、
(a)長さが100塩基数までで、配列番号31の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号31の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(b)長さが100塩基数までで、配列番号51の15〜40個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号51の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(c)長さが100塩基数までで、配列番号52の15〜38個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーであって、前記第三のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号52の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含む第三のプライマーと、
(d)前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブ組成物と
を含み、
前記プライマーおよび前記ハイブリダイゼーションプローブが互いに一括した組み合わせ中にある、キット。
【請求項45】
前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号91である、請求項44に記載のキット。
【請求項46】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号131である、請求項44に記載のキット。
【請求項47】
前記第三のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号132である、請求項44に記載のキット。
【請求項48】
前記ハイブリダイゼーションプローブ組成物が、長さが39塩基数までで配列番号70の15〜39個の連続した塩基を含む第一のハイブリダイゼーションプローブ、および長さが39塩基数までで配列番号71の15〜39個の連続した塩基を含む第二のハイブリダイゼーションプローブを含む、請求項44に記載のキット。
【請求項49】
前記第一のハイブリダイゼーションプローブが配列番号150を含み、前記第二のハイブリダイゼーションプローブが配列番号151を含む、請求項48に記載のキット。
【請求項50】
核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法であって、
(a)前記試験試料の核酸を、
(i)長さが100塩基数までで、配列番号31の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号31の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(ii)長さが100塩基数までで、配列番号51の15〜40個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号51の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(iii)長さが100塩基数までで、配列番号52の15〜38個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーであって、前記第三のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号52の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含む第三のプライマーと
を含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程と、
(b)増幅オリゴヌクレオチドの前記セットと一緒に前記試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程であって、それによって、前記試験試料が前記CHIKV核酸配列を含む場合、増幅生成物が生成される工程と、
(c)前記インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある前記増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程であって、
前記増幅生成物をカットオフ値より多い量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在することを示し、
前記増幅生成物を前記カットオフ値より少ない量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在しないことを示す工程と
を含む方法。
【請求項51】
チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅および検出するためのキットであって、
(a)長さが100塩基数までで、配列番号32の15〜46個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号32の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(b)長さが100塩基数までで、配列番号53の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号53の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(c)前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブと
を含み、
前記プライマーおよび前記ハイブリダイゼーションプローブが互いに一括した組み合わせ中にある、キット。
【請求項52】
前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号92である、請求項51に記載のキット。
【請求項53】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号133である、請求項51に記載のキット。
【請求項54】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、長さが42塩基数までであって、配列番号72の15〜42個の連続した塩基を含む、請求項51に記載のキット。
【請求項55】
前記ハイブリダイゼーションプローブが配列番号152を含む、請求項54に記載のキット。
【請求項56】
核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法であって、
(a)前記試験試料の核酸を、
(i)長さが100塩基数までで、配列番号32の15〜46個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号32の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(ii)長さが100塩基数までで、配列番号53の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号53の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと
を含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程と、
(b)増幅オリゴヌクレオチドの前記セットと一緒に前記試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程であって、それによって、前記試験試料が前記CHIKV核酸配列を含む場合、増幅生成物が生成される工程と、
(c)前記インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある前記増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程であって、
前記増幅生成物をカットオフ値より多い量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在することを示し、
前記増幅生成物を前記カットオフ値より少ない量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在しないことを示す、工程と
を含む、方法。
【請求項57】
チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅および検出するためのキットであって、
(a)長さが100塩基数までで、配列番号36の15〜51個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号36の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(b)長さが100塩基数までで、配列番号57の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号57の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(c)前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブと
を含み、
前記プライマーおよび前記ハイブリダイゼーションプローブが互いに一括した組み合わせ中にある、キット。
【請求項58】
前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号96である、請求項57に記載のキット。
【請求項59】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号137である、請求項57に記載のキット。
【請求項60】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、長さが37塩基数までであって、配列番号75の15〜37個の連続した塩基を含む、請求項57に記載のキット。
【請求項61】
前記ハイブリダイゼーションプローブが配列番号155を含む、請求項60に記載のキット。
【請求項62】
核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法であって、
(a)前記試験試料の核酸を、
(i)長さが100塩基数までで、配列番号36の15〜51個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号36の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(ii)長さが100塩基数までで、配列番号57の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号57の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと
を含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程と、
(b)増幅オリゴヌクレオチドの前記セットと一緒に前記試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程であって、それによって、前記試験試料が前記CHIKV核酸配列を含む場合、増幅生成物が生成される工程と、
(c)前記インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある前記増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程であって、
前記増幅生成物をカットオフ値より多い量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在することを示し、
前記増幅生成物を前記カットオフ値より少ない量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在しないことを示す工程と
を含む方法。
【請求項63】
チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅および検出するためのキットであって、
(a)長さが100塩基数までで、配列番号37の15〜37個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号37の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(b)長さが100塩基数までで、配列番号58の15〜38個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号58の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(c)前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブと
を含み、
前記プライマーおよび前記ハイブリダイゼーションプローブが互いに一括した組み合わせ中にある、キット。
【請求項64】
前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号97である、請求項63に記載のキット。
【請求項65】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号138である、請求項63に記載のキット。
【請求項66】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、長さが44塩基数までであって、配列番号76の15〜44個の連続した塩基を含む、請求項63に記載のキット。
【請求項67】
前記ハイブリダイゼーションプローブが配列番号156を含む、請求項66に記載のキット。
【請求項68】
核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法であって、
(a)前記試験試料の核酸を、
(i)長さが100塩基数までで、配列番号37の15〜37個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号37の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(ii)長さが100塩基数までで、配列番号58の15〜38個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号58の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと
を含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程と、
(b)増幅オリゴヌクレオチドの前記セットと一緒に前記試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程であって、それによって、前記試験試料が前記CHIKV核酸配列を含む場合、増幅生成物が生成される工程と、
(c)前記インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある前記増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程であって、
前記増幅生成物をカットオフ値より多い量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在することを示し、
前記増幅生成物を前記カットオフ値より少ない量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在しないことを示す工程と
を含む方法。
【請求項69】
チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅および検出するためのキットであって、
(a)長さが100塩基数までで、配列番号46の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号46の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(b)長さが100塩基数までで、配列番号65の15〜40個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号65の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(c)長さが100塩基数までで、配列番号66の15〜43個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーであって、前記第三のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号66の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含む第三のプライマーと、
(d)前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブと
を含み、
前記プライマーおよび前記ハイブリダイゼーションプローブが互いに一括した組み合わせ中にある、キット。
【請求項70】
前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号106である、請求項69に記載のキット。
【請求項71】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号145である、請求項69に記載のキット。
【請求項72】
前記第三のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号146である、請求項69に記載のキット。
【請求項73】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、長さが39塩基数までであって、配列番号82の15〜39個の連続した塩基を含む、請求項69に記載のキット。
【請求項74】
前記ハイブリダイゼーションプローブが配列番号162を含む、請求項73に記載のキット。
【請求項75】
核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法であって、
(a)前記試験試料の核酸を、
(i)長さが100塩基数までで、配列番号46の15〜44個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号46の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(ii)長さが100塩基数までで、配列番号65の15〜40個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号65の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(iii)長さが100塩基数までで、配列番号66の15〜43個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第三のプライマーであって、前記第三のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号66の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第三プライマー5’配列を任意選択で含む第三のプライマーと
を含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程と、
(b)増幅オリゴヌクレオチドの前記セットと一緒に前記試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程であって、それによって、前記試験試料が前記CHIKV核酸配列を含む場合、増幅生成物が生成される工程と、
(c)前記インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある前記増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程であって、
前記増幅生成物をカットオフ値より多い量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在することを示し、
前記増幅生成物を前記カットオフ値より少ない量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在しないことを示す工程と
を含む方法。
【請求項76】
チクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列を増幅および検出するためのキットであって、
(a)長さが100塩基数までで、配列番号50の15〜47個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号50の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(b)長さが100塩基数までで、配列番号69の15〜39個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号69の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと、
(c)前記プライマーを用いて合成される核酸増幅生成物を検出するためのハイブリダイゼーションプローブと
を含み、
前記プライマーおよび前記ハイブリダイゼーションプローブが互いに一括した組み合わせ中にある、キット。
【請求項77】
前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号110である、請求項76に記載のキット。
【請求項78】
前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号149である、請求項76に記載のキット。
【請求項79】
前記ハイブリダイゼーションプローブが、長さが40塩基数までであって、配列番号85の15〜40個の連続した塩基を含む、請求項76に記載のキット。
【請求項80】
前記ハイブリダイゼーションプローブが配列番号165を含む、請求項79に記載のキット。
【請求項81】
核酸を含む試験試料中にチクングニヤウイルス(CHIKV)核酸配列が存在するかどうかを決定するための方法であって、
(a)前記試験試料の核酸を、
(i)長さが100塩基数までで、配列番号50の15〜47個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第一のプライマーであって、前記第一のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号50の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第一プライマー5’配列を任意選択で含む第一のプライマーと、
(ii)長さが100塩基数までで、配列番号69の15〜39個の連続した塩基からなる標的相補的3’末端配列を含む第二のプライマーであって、前記第二のプライマーの前記標的相補的3’末端配列が配列番号69の配列に完全に含まれ、CHIKV核酸に相補的でない第二プライマー5’配列を任意選択で含む第二のプライマーと
を含む1セットの増幅オリゴヌクレオチドと接触させる工程と、
(b)増幅オリゴヌクレオチドの前記セットと一緒に前記試験試料の核酸を鋳型として用いて、インビトロの核酸増幅反応を実施する工程であって、それによって、前記試験試料が前記CHIKV核酸配列を含む場合、増幅生成物が生成される工程と、
(c)前記インビトロの核酸増幅反応で生成されている可能性のある前記増幅生成物のいずれかをハイブリダイゼーションプローブで検出する工程であって、
前記増幅生成物をカットオフ値より多い量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在することを示し、
前記増幅生成物を前記カットオフ値より少ない量で検出することは、前記CHIKV核酸配列が前記試験試料に存在しないことを示す工程と
を含む方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−517959(P2011−517959A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506292(P2011−506292)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/002504
【国際公開番号】WO2009/131683
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(500506530)ジェン−プロウブ インコーポレイテッド (58)
【Fターム(参考)】