説明

チップ電源モデル生成装置および方法

【課題】低周波成分を有する電流波形データを容易に生成することのできるチップ電源モデル生成装置および方法を提供する。
【解決手段】実施形態のチップ電源モデル生成装置1は、簡易モデル生成部11が、チップを格子状に分割した矩形領域ごとに、レイアウトデータ1000から抽出した電源RCネットワークの簡略化および電流源の配置を行い、チップの電源系の簡易モデルを生成する。単周期分電流波形生成部12が、チップに集積された回路の動作モードごとに、上述の矩形領域ごとの1クロック周期分の電流波形を単周期分電流波形IWVとして生成する。パッド波形生成部13が、単周期分電流波形IWVを各電源パッドに分散させ、電源パッドごとのパッド波形PWVを生成する。波形結合部14が、指定されたモード変化およびクロック数の分、パッド波形PWVを結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チップ電源モデル生成装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の動作速度の向上に伴い、電子機器から放射される電磁雑音の増大が問題になっている。そのため、電子機器の基板設計の段階で、電源系雑音の解析が行われる。この解析の手法の1つとして、基板に搭載されるLSIチップの電源供給網をモデル化し、基板に実装した状態を想定したシミュレーションが行われる。このとき、チップの電源供給網モデル(チップ電源モデル)は、電源供給網のSPICEのRLC等価回路と、電源パッドにおける電流波形(電流の時間変化)と、で表される。
【0003】
このうち、電源パッドにおける電流波形は、チップ内部をRCモデル化して、波形シミュレーションを行うことによって生成される。
【0004】
一方、LSIには、例えば携帯電話機用のアプリケーションプロセッサなどを例にとると、ビデオ再生モードや音楽再生モード、通話モード、待機状態モードといったさまざまな動作モードがある。動作モードが異なると、LSIに流れる電流の大きさも大きく異なる。したがって、動作モードを周期的に変化させたときの電流の変化を解析すると、その電流成分には、例えば10kHzオーダーの低周波成分が含まれていることがある。
【0005】
このような低周波成分をモデル化するには、100μSオーダーの電流波形が必要になる。高速動作のチップでは、1サイクルが10nS程度であるので、100μSオーダーの電流波形を得るには、1000サイクル程度の波形シミュレーションが必要となる。
【0006】
しかし、従来の波形シミュレーションは、チップ内を詳細に解析するため、1サイクルの実行にも相当の時間を要する。そのため、1000サイクルのシミュレーションは、現実的には実行が非常に困難である。すなわち、従来は、チップ電源モデルとして、低周波成分を有する電流波形を生成することが難しい、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−120214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、低周波成分を有する電流波形データを容易に生成することのできるチップ電源モデル生成装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態のチップ電源モデル生成装置は、簡易モデル生成部が、チップを格子状に分割した矩形領域ごとに、レイアウトデータから抽出した電源RCネットワークの簡略化および電流源の配置を行い、前記チップの電源系の簡易モデルを生成する。単周期分電流波形生成部が、チップに集積された回路の動作モードごとに、前記矩形領域ごとの1クロック周期分の電流波形を単周期分電流波形として生成する。パッド波形生成部が、前記単周期分電流波形を各電源パッドに分散させ、電源パッドごとのパッド波形を生成する。波形結合部が、指定されたモード変化およびクロック数の分、前記パッド波形を結合する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態のチップ電源モデル生成装置の構成の例を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態のチップ電源モデル生成装置の処理の流れの例を示すフロー図。
【図3】チップ内の電源配線と矩形領域を模式的に示した概念図。
【図4】電源系簡易モデルの矩形領域内の構成の例を示す回路図。
【図5】単周期分シナリオと矩形領域内電流源の電流波形の例を示す図。
【図6】パッド波形の結合例を示す図。
【図7】電流波形データの出力例を示す図。
【図8】第2の実施形態のチップ電源モデル生成装置の構成の例を示すブロック図。
【図9】第2の実施形態のチップ電源モデル生成装置の単周期分電流波形生成部の処理の流れの例を示すフロー図。
【図10】平均電流と単周期分電流波形の想定例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のチップ電源モデル生成装置の構成の例を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態のチップ電源モデル生成装置1は、チップを格子状に分割した矩形領域ごとに、レイアウトデータ1000から抽出した電源RCネットワークの簡略化および電流源の配置を行い、チップの電源系の簡易モデルを生成する簡易モデル生成部11と、チップに集積された回路の動作モードごとに、上述の矩形領域ごとの1クロック周期分の電流波形を単周期分電流波形として生成する単周期分電流波形生成部12と、上述の単周期分電流波形を各電源パッドに分散させ、電源パッドごとのパッド波形を生成するパッド波形生成部13と、指定されたモード変化およびクロック数の分、上述のパッド波形を結合する波形結合部14と、を備える。
【0014】
ここで、本実施形態の単周期分電流波形生成部12は、チップ内の各インスタンスの動作状態が記録されたVCDデータ(論理シミュレーション結果データ)2000から、動作モードごとに1クロック周期分の信号変化を切り出し、各動作モードの単周期分シナリオSNRとする単周期分シナリオ生成部121と、単周期分シナリオSNR中で動作するインスタンスの消費電流をセルのスイッチング電流波形データ300から算出して、上述の矩形領域ごとに加算し、各領域に配置された電流源の電流波形として設定する電流波形設定部122と、上述の簡易モデルを用いて単周期分シナリオSNRの電流解析を実行する単周期分電流解析部123と、を有する。
【0015】
次に、本実施形態のチップ電源モデル生成装置1の処理の流れについて、図2に示す負フロー図を用いて、説明する。なお、ここでは、処理対象のチップは、図3に示すように、チップ内の電源配線が、水平方向配線と垂直方向配線により構成され、周辺に配置された複数の電源パッドに接続されているものとする。
【0016】
図2のフローにおいて、処理が開始されると、まず、簡易モデル生成部11が、レイアウトデータ1000から電源配線のネットワーク構造を解析し、そのネットワークを構成する要素の抵抗成分(R)および容量成分(C)の値をレイアウトデータ1000から算出し、チップ内のRCネットワークを抽出する(ステップS11)。
【0017】
続いて、簡易モデル生成部11は、チップ内を、例えば水平方向にm分割、垂直方向にn分割した、m×nの矩形領域(図3参照)に分割し(ステップS12)、その領域ごとに、先に抽出したRCネットワークを簡略化し、また、各領域に電流源を配置して、チップの電源系の簡易モデルを作成する(ステップS13)。
【0018】
図4に、この簡易モデルにおける各領域内の回路構成の例を示す。
【0019】
例えば、水平方向i番目、垂直方向j番目の領域(i,j)の場合、水平方向に抵抗Ri1、Ri2が直列に接続され、その直列接続点に垂直方向の抵抗Rj1およびRj2が接続され、また、その直列接続点に容量Cijおよび電流源Iijが接続される構成をとる。
【0020】
図2のフローに戻って、次に、単周期分シナリオ生成部121が、チップ内の各インスタンスの動作状態が記録されたVCDデータ2000から、図5(a)に示すように、動作モードごとに1クロック周期分の信号変化を切り出し、各動作モードの単周期分シナリオSNRを生成する(ステップS14)。
【0021】
例えば、動作モードがモード1〜モードkまでのk種類あった場合、モード1シナリオ〜モードkシナリオまでの、k個の単周期分シナリオSNRが生成される。
【0022】
次に、電流波形設定部122が、単周期分シナリオSNR中で動作するインスタンスを抽出し(ステップS15)、その動作するインスタンスの消費電流をセルのスイッチング電流波形データ300から算出して、上述の矩形領域ごとに加算し、各領域に配置された電流源の電流波形として設定する(ステップS16)。
【0023】
図5(b)に、電流源の電流波形の設定例を示す。
【0024】
ここでは、m×n個の矩形領域を領域(1,1)〜領域(m,n)とし、それぞれの領域の電流源をI11〜Imnと表わした場合の、各モードの単周期分シナリオSNRに対する電流源I11〜Imnの電流波形の例を示す。
【0025】
図2のフローに戻って、次に、単周期分電流解析部123が、簡易モデル生成部11により生成された簡易モデルを用いて単周期分シナリオSNRの電流解析を実行し、各モードの単周期分電流波形IWVを生成する(ステップS17)。
【0026】
すなわち、モード1〜モードkまでのk種類の動作モードに対して、モード1電流波形〜モードk電流波形までの、k個の単周期分電流波形IWVが生成される。
【0027】
次に、パッド波形生成部13が、単周期分電流波形IWVを各電源パッドへ分散させて電源パッドごとのパッド波形PWVを生成する(ステップS18)。
【0028】
これにより、電源パッドごとに、単周期分電流波形IWVとして、モード1パッド波形〜モードkパッド波形が生成される。
【0029】
このとき、パッド波形生成部13は、各電源パッドのチップ内での配置位置に応じて、パッド波形PWVをそれぞれの電源パッドへ分散させる。すなわち、各矩形領域の電流源I11〜Imnからそれぞれの電源パッドへ電源ネットワークを介して伝搬する電流の変化を演算し、その電流変化を重畳させた波形が、各電源パッドのパッド波形PWVとなる。
【0030】
最後に、波形結合部14が、指定されたモード変化およびクロック数の分、各電源パッドのパッド波形PWVを、電源パッドごとに結合する(ステップS19)。
【0031】
図6に、波形結合部14による結合結果の例を示す。ここでは、各モードのクロック数の合計が1000サイクル分となるモード変化が指定されている。
【0032】
本実施例では、モードの指定が変化するごとに、指定されたモードのパッド波形PWVが呼び出され、指定のクロック数分、結合される。
【0033】
そのため、例えば1000サイクルなど、サイクル数が多くても、予め生成されたパッド波形PWVを呼び出すだけでよいので、短時間で電流解析を行うことができる。
【0034】
このとき、図6に示すように、サイクル数を多くし、電流値のピークの変動が大きくなるように動作モードを変化させれば、電流変化に含まれる低周波成分を捕捉することが可能となる。
【0035】
図7に、波形結合部14から出力される電流波形データ100の記述例を示す。電流波形データ100には、各電源パッドの、時刻ごとの電流値が、記述されている。
【0036】
このような本実施形態によれば、電源ネットワークを簡略化すること、および電流源の数を矩形領域ごとに1個とすることにより、電流解析に要する実行時間を短縮することができる。また、多サイクル数の電流解析を行う場合も、動作モード数分の単周期分電流波形を生成するだけでよいので、電流解析に要する実行時間を大幅に短縮することができる。
【0037】
これにより、多サイクル数の電流解析を容易に行うことができ、低周波成分を有する電流波形データを容易に生成することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、単周期分電流波形を生成するために各モード1サイクル分のシミュレーションが必要であり、その分の実行時間が必要となる。そこで、本実施形態では、シミュレーションを必要とせず、実行時間をさらに短縮することのできるチップ電源モデル生成装置の例を示す。
【0039】
図8は、第2の実施形態のチップ電源モデル生成装置の構成の例を示すブロック図である。
【0040】
本実施形態のチップ電源モデル生成装置2が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態の単周期分電流波形生成部12の代わりに単周期分電流波形生成部22を備える点である。また、本実施形態のパッド波形生成部13Aは、各電源パッドへの電流の分散を、ユーザからの分散割合の指定に従って行う。
【0041】
本実施形態の単周期分電流波形生成部22は、各矩形領域の動作モードごとの平均消費電力AVPを電力計算ツール実行結果4000から算出する平均消費電力算出部221と、平均消費電力AVPの値をもとに各矩形領域の動作モードごとの単周期分電流波形IWVaを想定する電流波形想定部222と、を有する。
【0042】
図9は、この電流波形生成部22の処理の流れの例を示すフロー図である。このフロー図を用いて、電流波形生成部22の動作について説明する。
【0043】
電流波形生成部22における処理では、まず、平均消費電力算出部221が、電力計算ツール実行結果4000のデータを利用して、m×n個の矩形領域それぞれの動作モードごとの平均消費電力AVPを算出する(ステップS21)。
【0044】
すなわち、モード1〜モードkまでのk種類の動作モードに対して、モード1平均消費電力〜モードk平均消費電力までの、k個の平均消費電力AVPが算出される。
【0045】
次に、電流波形想定部222が、平均消費電力AVPの値から、各領域のモードごとの平均電流αを算出する(ステップS22)。
【0046】
この平均電流αは、図10(a)に示すように、時間tに対して変化しない電流である。
【0047】
続いて、電流波形想定部222は、クロック周期をTとして、各領域の動作モードごとの単周期分電流波形IWVaを、
IWVa=|√2αsin(t/2T×π)|
と想定して生成する(ステップS22)。
【0048】
すなわち、モード1〜モードkまでのk種類の動作モードに対して、モード1電流波形〜モードk電流波形までの、k個の単周期分電流波形IWVaが生成される。
【0049】
図10(b)に、この単周期分電流波形IWVの波形の例を示す。
【0050】
このように、本実施形態では、各領域の動作モードごとの単周期分電流波形IWVaを、周期2Tの正弦波を半波整流した波形と想定する。
【0051】
このように、本実施形態では、シミュレーションを実行することなく、各領域の動作モードごとの単周期分電流波形IWVaを生成することができる。
【0052】
本実施形態では、この単周期分電流波形IWVaが、パッド波形生成部13Aにより各電源パッドへ分散される。
【0053】
このとき、パッド波形生成部13Aは、各電源パッドへの電流の分散を、ユーザからの分散割合の指定に従って行う。これにより、本実施形態では、電源パッドへの電流分散に関する演算の実行も必要なく、実行時間をより短縮することができる。
【0054】
波形結合部14は、指定されたモード変化およびクロック数の分、パッド波形生成部13Aから出力されたパッド波形PWVを結合する。
【0055】
このような本実施形態によれば、電力計算ツール実行結果4000から各領域の動作モードごとの単周期分電流波形IWVaを想定するので、シミュレーションの実行が不要であり、単周期分電流波形の生成に要する時間を短縮することができる。
【0056】
また、各電源パッドへの電流の分散を、ユーザからの分散割合の指定に従って行うので、電源パッドへの電流分散に関する実行時間も短縮することができる。
【0057】
以上説明した少なくとも1つの実施形態のチップ電源モデル生成装置および方法によれば、低周波成分を有する電流波形データを容易に生成することができる。
【0058】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1、2 チップ電源モデル生成装置
11 簡易モデル生成部
12、22 単周期分電流波形生成部
13、13A パッド波形生成部
14 波形結合部
121 単周期分シナリオ生成部
122 電流波形設定部
123 単周期分電流解析部
221 平均消費電力算出部
222 電流波形想定部
100 電流波形データ
1000 レイアウトデータ
2000 VCDデータ
3000 セルのスイッチング電流波形データ
4000 電力計算ツール実行結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップを格子状に分割した矩形領域ごとに、レイアウトデータから抽出した電源RCネットワークの簡略化および電流源の配置を行い、前記チップの電源系の簡易モデルを生成する簡易モデル生成部と、
チップに集積された回路の動作モードごとに、前記矩形領域ごとの1クロック周期分の電流波形を単周期分電流波形として生成する単周期分電流波形生成部と、
前記単周期分電流波形を各電源パッドに分散させ、電源パッドごとのパッド波形を生成するパッド波形生成部と、
指定されたモード変化およびクロック数の分、前記パッド波形を結合する波形結合部と
を備えることを特徴とするチップ電源モデル生成装置。
【請求項2】
前記単周期分電流波形生成部が、
前記チップ内の各インスタンスの動作状態が記録された論理シミュレーション結果データから、動作モードごとに1クロック周期分の信号変化を切り出し、各動作モードの単周期分シナリオとする単周期分シナリオ生成部と、
前記単周期分シナリオ中で動作するインスタンスの消費電流をセルのスイッチング電流波形データから算出して、前記矩形領域ごとに加算し、前記電流源の電流波形として設定する電流波形設定部と、
前記簡易モデルを用いて前記単周期分シナリオの電流解析を実行する単周期分電流解析部と
を有することを特徴とする請求項1に記載のチップ電源モデル生成装置。
【請求項3】
前記パッド波形生成部が、
各電源パッドの前記チップ内の配置位置に応じて前記単周期分電流波形をそれぞれの電源パッドへ分散させる
ことを特徴とする請求項2に記載のチップ電源モデル生成装置。
【請求項4】
前記単周期分電流波形生成部が、
前記矩形領域の動作モードごとの平均消費電力を電力計算ツールの実行結果から算出する平均消費電力算出部と、
前記平均消費電力の値をもとに前記矩形領域の動作モードごとの単周期分電流波形を想定する電流波形想定部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のチップ電源モデル生成装置。
【請求項5】
前記パッド波形生成部が、
ユーザの指定に従って前記単周期分電流波形をそれぞれの電源パッドへ分散させる
ことを特徴とする請求項4に記載のチップ電源モデル生成装置。
【請求項6】
チップを格子状に分割した矩形領域ごとに、レイアウトデータから抽出した電源RCネットワークの簡略化および電流源の配置を行い、前記チップの電源系の簡易モデルを生成する工程と、
チップに集積された回路の動作モードごとに、前記矩形領域ごとの1クロック周期分の電流波形を単周期分電流波形として生成する工程と、
前記単周期分電流波形を各電源パッドに分散させ、電源パッドごとのパッド波形を生成する工程と、
指定されたモード変化およびクロック数の分、前記パッド波形を結合する工程と
を備えることを特徴とするチップ電源モデル生成方法。
【請求項7】
前記単周期分電流波形を生成する工程が、
前記チップ内の各インスタンスの動作状態が記録された論理シミュレーション結果データから、動作モードごとに1クロック周期分の信号変化を切り出し、各動作モードの単周期分シナリオとする工程と、
前記単周期分シナリオ中で動作するインスタンスの消費電流をセルのスイッチング電流波形データから算出して、前記矩形領域ごとに加算し、前記電流源の電流波形として設定する工程と
前記簡易モデルを用いて前記単周期分シナリオの電流解析を実行する工程と
を有することを特徴とする請求項6に記載のチップ電源モデル生成方法。
【請求項8】
前記パッド波形を生成する工程が、
各電源パッドの前記チップ内の配置位置に応じて前記単周期分電流波形をそれぞれの電源パッドへ分散させる
ことを特徴とする請求項7に記載のチップ電源モデル生成方法。
【請求項9】
前記単周期分電流波形を生成する工程が、
前記矩形領域の動作モードごとの平均消費電力を電力計算ツールの実行結果から算出する工程と、
前記平均消費電力の値をもとに前記矩形領域の動作モードごとの単周期分電流波形を想定する工程と
を有することを特徴とする請求項6に記載のチップ電源モデル生成方法。
【請求項10】
前記パッド波形を生成する工程が、
ユーザの指定に従って前記単周期分電流波形をそれぞれの電源パッドへ分散させる
ことを特徴とする請求項9に記載のチップ電源モデル生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−109703(P2013−109703A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256058(P2011−256058)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】