説明

チャック

容器の予備成型品(30)又はプラスチック材の容器を、素早く固締し動かすためのチャック(40)であって、前記予備成型品(30)又は容器のコンベアチェーン(4)で用いられる。本願発明のチャック(40)には、特定の手段が備わっており、その手段によって、例えば、コンベアラインに予備成型品を積載するステップから、ブロー機械(9)で容器をブロー成型するステップまでの間、単純で費用効率の良い方法で、予備成型品を正しい角度に配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック材の容器、とりわけ予備成型品を素早く固締したり(fastening)動かしたり(actuating)するために、前記容器のコンベアチェーン(conveying chain)で用いられるチャック(chuck)に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ブロー成型による、PETやその他のプラスチック材を用いた容器の生産において、予備成型品が、それが得られる射出成型ステーションから、容器が形作られるブロー成型ステーションに移送される必要がある際など、生産プロセス中にあらかじめ定められた角度に予備成型品を並べる必要が存在する。
【0003】
特定の種類の容器――例えば、ディスペンサー(dispenser)やスプレーとして機能するキャップのついた洗剤容器、庭用のスプレー、そして、より一般的には、回転体ではない形状をしたキャップのついたボトルや容器――にとって、キャップは、ブロー成型された容器のねじ山のついた首部にねじ込まれると、容器それ自身に対して正確な角度に位置しなければならず、ブロー成型の金型それ自身に対して、ねじ山が、正確な、乱雑ではない位置となるように、予備成型品がブロー成型の金型に挿入される必要がある。
【0004】
そのため、仮に、予備成型品が、例えば、加熱炉の中で、ブロー機械に送り込まれる際、自由に回転する必要があるなら、前記予備成型品が金型に挿入される前にあらかじめ決められた位置に来るように、前記予備成型品を位置づけるシステムが含まれる。
【0005】
例えば、非対称の容器に、ラベルや印刷された文字及び/又はロゴを貼り付けるプロセスにおいて、前もってブロー成型された容器を、あらかじめ決められた角度に並べる必要が存在する。
【0006】
予備成型品や容器を位置づける色々なシステムが知られているが、これらは、最善の解決方法ではない。
【0007】
例えば、レーザー測距装置や光電セルによって、予備成型品や容器の首部に存在する刻み目を識別する解決方法が知られている。正確な位置づけを可能とするには、この方法は不利である:すなわち、この装置が必要とするのは、最大限の安定性、ひいては振動が存在しないことであり、0.1mm単位に近い測定の分野で機能している。刻み目は、複雑でとても高価な電子機器によって、やっと識別される。
【0008】
二つ目の解決方法には、首部にチャックをねじ込むことが含まれる。チャックはキャップとしての機能を提供する。しかし、その方法が導入された機械は、とても複雑で、特注生産のコストも高い。複雑な構造と「遅い」動作のおかげで、その機械の生産性は、なおさら減退する。
【0009】
他の解決方法に含まれるのは、運搬の最終ステップのみ、すなわち、ブロー成型の金型に予備成型品を挿入する直前に、予備成型品を正しく位置づけすることである。この方法では、不利なことに、とても高度に精密な構造が必要とされ、「遅い」動作と、ひいては低い生産性によって特徴づけられる。そして、動作の幅、すなわち、位置づけされる首部の種類が、大幅に限定される。
【0010】
さらに、運搬の最終ステップのみ予備成型品や容器を正しく位置づけるための、他の解決方法では、予備成型品及び容器を、金型や、ラベルや印刷された文字及び/又はロゴを貼り付ける区域、それぞれに運搬する間、正しい位置にあることが保証されない。
【0011】
従って、コンベアシステムにおいて、予備成型品や容器を正しい角度に位置づけることを簡略化するような、新しいチャックと、複数の該チャックの備わったコンベアチェーンを提供する必要性があるものと思料される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の第一の目的は、プラスチック材の容器、とりわけ予備成型品をすばやく固締し、動かすチャックを提供することであり、該チャックは、前記容器のコンベアチェーンで用いられる。そして、例えば、予備成型品をコンベアラインに載せるステップから、ブロー成型機械で容器をブロー成型するステップまで予備成型品を正しく位置づけること、あるいは例えば、前もってブロー成型された非対称的な容器を、ラベルや印刷された文字及び/又はロゴを貼り付ける区域に運搬するため、該容器を正しく位置づけることを、単純に、かつ、コストの面でも有利に可能とするような特定の装置を、該チャックは備える。
【0013】
本発明のさらなる目的は、容器、とりわけ予備成型品のコンベアチェーンを提供することであり、該コンベアチェーンは、前記チャックを備えるために適合され、該チャックを正確な角度で位置づけする手段を備えるリンク(link)を備える。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明が提案するのは、本願請求項1によって規定されるチャックを提供することによって、前記目的を達成することである。すなわち、本願請求項1によって規定されるチャックとは、コンベアラインに沿って並ぶプラスチック材の容器、とりわけ予備成型品を動かすためのチャックであって、
――コンベアチェーンのリンクに固定できる構造、
――長手方向の軸を規定する本体であって、前記構造の長手方向に貫通する穴に挿入され、軸方向にスライドし、及び/又は、前記軸を中心に回転し、容器の首部を把持するために、第一端に把持手段を備えた本体、
を備え、
前記構造は、あらかじめ定められた角度に前記本体を固定する固定手段を備えることを特徴とするチャックである。
【0015】
本発明の更なる態様に含まれるのは、本願請求項10で規定されるコンベアチェーンである。すなわち、プラスチック材の容器、とりわけ予備成型品のためのコンベアチェーンであって、複数のリンクを備え、先行する請求項のうち任意の一つで規定されるそれぞれのチャックが、前記リンクのうち少なくとも複数に固定されていることを特徴とする、コンベアチェーンである。
【0016】
容器、とりわけ予備成型品を把持するチャックは、本発明の目的であるが、コンベアチェーンの少なくとも複数のリンクに収容されている。
【0017】
前記チャックは、コンベアチェーンのリンクの本体に対して動くことのできる、相互にかつ一体となって固定された複数の要素を備える。これらの要素は、回転ピニオン(rotation pinion)、持ち上げプレート(lifting plate)、回転ピン(rotation pin)、予備成型品の首部の高速固締端部(quick fastening end)を備える。
【0018】
回転ピニオンが提供するのは、二つの固有な機能である。すなわち:
――熱工程のステップ全体、すなわち、例えば加熱炉を横断する間中、予備成型品を回転させることを可能にする;
――そして、自身の側面に設けられた刻み目によって、自身を正しい角度で位置づけすることが可能となる。刻み目の機能は、ピニオンと回転ピンの正確な位置を特定することであり、それによって、運搬の最初のステップで運ばれているプラスチック容器の正確な位置も特定される。
【0019】
持ち上げプレートが提供するのは、三つの固有な機能である。すなわち:
――特定の機械的なカムシステムによって、予備成型品が解放されたのち、回転ピンが持ち上がることが可能となる。それによって、予備成型品がチャックから取り出された後、予備成型品の首部との間におけるいかなる障害も避けられる。
――積載ドラム(loading drum)と連携する領域に、予備成型品が運搬される間、予備成型品を解放した後、もしピニオンと持ち上げプレートとピンそれ自身から成るセットが持ち上げられた位置にあるなら、回転ピンの回転を可能とする。
――側面に設けられた刻み目によって、自身を正しい角度で位置づけすることが可能となる。後者の刻み目の機能は、チャックの正確な位置を特定し、それによって、そのすぐ後に、予備成型品が解放される前に、運搬の第二ステップにおいて、予備成型品全体の正確な位置を特定することである。
【0020】
回転ピンは、機械的にピニオンと持ち上げプレートにしっかりと固定されているが、回転ピンが提供するのは、高速固締端部とそこに機械的に連結したすべてを回転させ、昇降させる機能である。
【0021】
高速固締端部とチェーンリンクの本体の間に配置されたバネは、回転ピンを持ち上げる際に圧縮され、それによって、積載ドラムと連携した領域の近くで持ち上げプレートが解放されると、後者の急速な下降が可能となる。
【0022】
本願で規定されるチャックを用いることによる有利な点には、以下の点が含まれる。すなわち:
――角度の位置づけを簡単に変化できる可能性;
――ほとんど全ての位置づけの制御は機構部分において行われ、予備成型品に対しては実行されないため、より良い位置づけの制御が可能であり、予備成型品にはダメージが全くないことによる、安定性とロバスト性;
――予備成型品は、いったん正しく位置決めされたら、「確実に」把持され、それによって予備成型品は回転することも最終的に位置決めされた位置を失うこともないために、運搬の間、完全に正しい位置にあり続けること。
【0023】
独立請求項が述べているのは、好適な実施形態である。
【発明の効果】
【0024】
以下で記述する配置システムにおいて、本願発明のチャックとコンベアチェーンによって、ブロー機械の金型に挿入される予備成型品の正確な位置づけが、低いコストで、複雑で大変高価な機械的制御システムの必要なく、可能となる。
【0025】
さらなる有利な点は、回転ピニオン12の、正確な位置づけのための刻み目19の備わった平滑な領域18’を持ち上げプレート13に固定するような固定手段、例えばネジを修正することにより、簡単に配置の角度を変えることができる、ということである。
【0026】
本発明のより多くの特徴と長所は、非限定例によって説明される、チャックとそれに対応する複数のチャックを含むコンベアチェーンの、排他的ではない好適実施例の詳細な記述を踏まえると明白であるが、それには、以下の付随する図面が用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】予備成型品のコンベアシステムの一部のダイアグラムによるレイアウトである。
【図2a】図1で示されるシステムのコンベアラインの積載ドラムの上面図である。
【図2b】図1で示されるシステムのコンベアラインの積載ドラムの下面図である。
【図3】図2で示された部分の拡大図である。
【図4】図2で示された部分の拡大図である。
【図5a】第一ポジションにある、図2で示される積載ドラムにおける予備成型品の上面図である。
【図5b】第二ポジションにある、図2で示される積載ドラムにおける予備成型品の上面図である。
【図6】図1で示されるシステムのコンベアラインのホイール(wheel)の上面図である。
【図7】図6の一部の拡大図である。
【図8】図6で示されるホイールの異なった部分の不等角投影図である。
【図9】図6で示されるホイールの異なった部分の不等角投影図である。
【図10】予備成型品を最終的に位置づけする領域におけるコンベアチェーンリンクの不等角投影図である。
【図11】本願発明によるコンベアチェーンのリンクにある位置づけ手段の図である。
【図12】本願発明によるチャックを備えたコンベアチェーンのリンクの側面図である。
【図13】図12におけるリンクの断面図である。
【図14】チャックに固締された予備成型品を伴うリンクの不等角投影図である。
【図15】チェーンリンクの本体の不等角投影図である。
【図16】本願発明によるチャックの構成部品の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図12から14が示しているのは、本願発明によるチャック40の実施例であって、以下の構成要件を備える:
――コンベアチェーンのリンクに固締されてもよく、完全にプラスチック材から作られた、図15に示される本体11;
――本体11の上に配置された回転ピニオン12;
――ピニオン12と、本体11の上部接平面との間に配置された持ち上げプレート13;
――本体11を通って軸方向にスライドし、ピニオン12の第一端部とプレート13に機械的に固定された回転ピン14;
――ピン14の第二端部に機械的に固定された、容器、例えば予備成型品の高速固締端部17;
――高速固締端部17と、本体11の下部接平面との間に配置されたバネ15。
【0029】
ピニオン12と、プレート13と、ピン14と高速固締端部17は、一体化するようにお互いに固定されており、共通軸の周りを回転し、及び/又は前記共通軸に沿って平行移動してもよい。
【0030】
回転ピニオン12には、歯あるいはギザギザのついた領域18及び正確な位置づけのための刻み目19を備える平滑な領域18’を備える。
【0031】
歯あるいはギザギザのついた領域18は、コンベアラインの少なくとも一つの領域に含まれる歯のついたベルト、あるいは、他の適切な動きを伝える手段と結び付けられ、前記コンベアラインにおいて、チャック、およびそれに固締された予備成型品や容器は、例えば、ブロー成型の第一ステップや、容器へのコーティングや塗装の前に、予備成型品の熱処理を最適化するために回転させられる。
【0032】
正確な位置づけのための刻み目19によって、移送される予備成型品や容器を把持する前に、コンベアラインのコンベアホイール(conveying wheel)にあるチャックの角度位置が定められる。
【0033】
図で示される好適実施例においては、歯のついた領域18は、ピニオン12の下部であり、一方で、平滑な領域18’は、上部である。
【0034】
他の変形例では、その代わりに、ピニオンの上部に歯のついた領域18が、下部に平滑な領域が配置されてもよい。あるいは、ピニオンの中央部に歯のついた領域が配置され、平滑な領域は、前記中央部によって、間隔の開いた二つの領域(上方の領域と下方の領域)に分割されてもよく、前記二つの領域の少なくとも一つに、正確な位置づけのための刻み目が備わる。
【0035】
持ち上げプレート13は、二つの平たい円筒部(上部と下部)を備え、それらは共通軸を持ち、かつ、直径が異なる。下部の円筒部は、より小さい直径を持つが、図11で示されるように、正確な位置づけのための刻み目20を備える。正確な位置づけのための刻み目20は、運搬のあらかじめ決められたステップにおいて、チャックを、あらかじめ決められた角度に固定するために備わっている。
【0036】
そのようなプレート13は、予備成型品や容器を解放した後、上部の円筒部を、コンベアラインの一部に存在する特定の固定されたカムガイド(cam guide)又はトラック(track)に噛みあわせることにより、チャック全体を、コンベアサーキット(conveying circuit)及び、コンベアチェーンのリンクが並んでいる平面に対して持ち上げる。
【0037】
プレート13は、また、ピニオン12の歯のついた領域18において摩擦が存在しない場合には、プレート13の上部円筒部のベース面あるいは側面と、コンベアホイールの外側に配置された固定されたカムトラックとの間の摩擦によって、チャックを自身の軸の周りに回転させてもよい。この回転は、正確な位置づけのための刻み目20にボルトをそれぞれ挿入することにより、前記コンベアホイールにチャックを正しく配置するために、利用される。
【0038】
回転ピン14は、ピニオン12と持ち上げプレート13に機械的に連結しているが、高速固締端部17とそれに機械的に連結する全てを回転させたり、昇降させたりする機能を提供する。回転ピン14と、それに伴って高速固締端部17を、コンベアチェーンの動く平面に対して持ち上げることには、バネ15の圧縮が含まれる。この圧縮されたバネの弾性力によって、特定の固定したカムガイドあるいはトラックの端部で持ち上げプレート13を解放した後、容器あるいは予備成型品が固締される領域で、チャックは素早く降下する。
【0039】
最後に、高速固締端部17には、一つ以上の機械的部品が備わり、それらは、固締や移送される予備成型品や容器の首部の種類に応じて、ケースバイケースで特注生産される。
【0040】
本発明の更なる態様によれば、コンベアチェーンが有利に含まれ、該コンベアチェーンは、チャックの本体11によってチャック40が固締される複数のリンクを備える。
【0041】
チャックの本体11にしっかりと連結した、バネ16’と位置づけレバー16’’のシステムが有利に備わり、それは運搬ステップにおいて、チャックと、それに固締した予備成型品や容器の正確な位置づけが可能となるように適応している。位置づけレバー16’’は、本体11に固定され、バネ16’が配置されたピンの上でヒンジで動き、持ち上げプレート13に備わっている正確な位置づけのための刻み目20に挿入されるように適応した、例えばボルトのように形成された突起27を、第一端に備える。レバー16’’の第二端には、その代わりに、タペット要素(tappet element)としての機能を果たす曲線部が備わり、それは、コンベアチェーンのトラック部に沿って備わるカムの輪郭をたどるが、刻み目20を含むプレート13の下部の円筒部に突起27を接触させることにより、レバー16’’を操作する。この接触の間、プレート13の上部の円筒部と、前記トラック部の接触領域との間の摩擦によって、チャックは自身の軸の周りを有利に回転する。この回転は最大360度回り続けるが、それによって、突起27は、刻み目20に挿入される。
【0042】
バネ16’は、レバー16’’が操作されると、突起27を刻み目又は溝20に挿入するために必要な圧力を提供する。
【0043】
刻み目又は溝19及び20は、通常は相互にオフセットの位置にあるが、相互に並ぶことも可能である。
【0044】
チャックの本体11には、コンベアサーキットのトラックに沿ったチェーンのより大きな送出安定性を与えるためのローラーが存在する。
【0045】
また別の変形例においては、回転ピニオンあるいは持ち上げプレートに備わったチャック40に、一つの正確な位置づけのための刻み目が備わっていてもよい。
【実施例】
【0046】
図1が示しているのは、プラスチック材の容器の予備成型品のためのコンベアシステムのレイアウトであって、コンベアラインと直線タイプのブロー機械9を備える。
【0047】
予備成型品のコンベアラインは以下の構成要素を備える:
――積載シュート(loading chute)10;
――予備成型品の積載ドラム又はホイール1;
――閉じたサーキットを規定するコンベアチェーン4であって、そのリンクの少なくとも複数は予備成型品のそれぞれを把持したり取り出したりする発明によるチャックを含む;
――その上をコンベアチェーンが走行するコンベアホイール7、7’;
――予備成型品が送り込まれると自由に回転する少なくとも一つの通過ゾーンであって、例えば、少なくとも一つの予備成型品の加熱炉5を備える;
――予備成型品の位置づけ領域6であって、ピッチ(pitch)を変えることができる;
――ブロー機械9に向かう正確に位置づけされた予備成型品の送出領域8であって、ピッチを変えることができる。
【0048】
図1で示されるシステムの実施例において、コンベアチェーン4は、ホイール7から出発し、加熱炉5と位置づけ領域6を横切り、それに引き続いて再びホイール7に到達するサーキットをたどる。
【0049】
予備成型品は、ホイール7と積載ドラム1の連携領域において、チャック40によってチェーン4に固締され、一方で、予備成型品は、同一のホイール7と予備成型品の位置づけ領域6の連携領域においてチェーン4から取り出される。予備成型品は、それ以降、送出装置によって、ブロー機械9に移送されるが、ピッチは変えることができる。
【0050】
固定されたカムガイド又はトラック24は、平面図において、ホイール7と実質的に同心の半円形の形をしており、ホイール7の外側にあるが、これらの二つの連携領域の間に配置されている。そして、閉じたコンベアサーキットの平面、すなわち、チェーンリンクが走行する平面に対して上昇する輪郭を持つ。そのような固定されたカムガイド又はトラックによって、第一端部において、ホイール7にあるチャックの入口ゾーンにおいて、第一シュートによって、チャックは持ち上がる事ができる。また、第二端部において、積載ドラムの上で回転する新しい予備成型品を固締するために、前記ホイール7から出たチャックの出口ゾーンにおいて、第二シュートにより、前記チャックは降下することができる。
【0051】
積載ドラム上の予備成型品の第一配置システム及び/又はホイール7のチャックの第二配置システムが、有利に備えられている。
【0052】
積載ドラム1に備えられた予備成型品の配置システムは、積載ドラムの下方に配置され、予備成型品のための挿入部2’の位置を合わせたり、正しい位置に配置したりする操作を行うように適応したカム2と、積載ドラムの外側に配置され、予備成型品をその軸の周りに摩擦で回転させる運動を発生させるために構成されるガイド又は固定カム3を備える。この挿入部2’は、予備成型品を送り出す時に、いったん操作されると、その首部と直接連携することが出来るように、積載ドラム1に備えられた特定の隙間から突き出ている。
【0053】
予備成型品30は、積載シュート10に沿って降下すると、積載ドラム1に入る。そのステップの間、カム2は、予備成型品の外部回転ガイド3(external rotation guide 3)に対して、対応する位置にある挿入部2’を後退させる(図3及び5a)。
【0054】
予備成型品の首部の自身の軸の周りの回転を自動的に生み出す、積載ドラムの回転の間、予備成型品30と外部ガイド3との間に摩擦が生じる。このように予備成型品は回転するのと同時に、送り込まれる。同時に、挿入部2’はカム2によって操作されるが、カム2は、予備成型品それ自身の首部の上、例えば、環状の突起あるいは首部のリング31の上に設けられた正確な位置づけのための刻み目21(図4及び図5b参照)に適合するように、予備成型品30の首部に、わずかに圧力をかける。この段階で、予備成型品は、積載ドラム1に対して完全に正しい位置に位置づけされる。正確な位置づけのための刻み目21は、キャップを締めるためのねじ山の開始点、あるいは、他のあらかじめ決められた参照点に設けられてもよい。
【0055】
図5aが示しているのは、積載ドラムに積載された予備成型品であって、対応する挿入部2’は、引っ込んだ位置にある;図5bが、その代わりに示しているのは、それに続く瞬間にある同一の予備成型品であって、挿入部2’は、刻み目21に適合している。
【0056】
積載ドラム1上で予備成型品30を正しく位置づけした後、予備成型品は、予備成型品30を固締する本発明によるチャック40によって、コンベアチェーン4の上に送られる。
【0057】
ホイール7に備えられた、チャック40のための配置システムは、以下の構成要素を備える:
――複数のレバー22であって、それぞれが突起22’を備え、それは例えば、ボルトの形状をしており、ヒンジで動き、ホイール7の外側の端部に隣接する円周に沿って配置されている;
――ホイール7上の、前記ホイールのチェーンリンクの吸い込み口の領域(chain link inlet zone)に配置されたカム23であって、チェーンの少なくとも複数のリンクに存在するチャックを正しく位置づけるためのレバー22を操作するために適応している。
【0058】
ボルト22’はそれぞれ、チェーン4がホイール7の周囲に送り込まれると、このようにチェーンの対応するリンクにある回転ピニオン12に圧力をかけ、その結果、正確な位置づけのための刻み目19に適合する。チェーン4が送り込まれると、固定カムガイド又はトラック24によって、それが自身の周りに回転するということによって、この操作は、促進される。一旦ボルト22’が刻み目19に挿入されると、チャックは、あらかじめ決められた角度位置を保ち、その結果、積載ドラムの上で回転する、それぞれに対応するあらかじめ正しく位置づけされた予備成型品を、完全に固締する。
【0059】
チャック40は、ホイール7と積載ドラム1の間の連携領域において、ホイール7上であらかじめ正しく位置づけされている。予備成型品は、固定カムトラック24の終端部において、コンベアチェーン4の降下領域(descent zone)に積載されている。
【0060】
あらかじめ正しく位置づけされたチャック40の、鉛直面における下方への動きによって、特注生産された高速固締部が、回転し、且つ、積載ドラム1の上であらかじめ正しく位置づけされた予備成型品の各々の首部に導かれる。
【0061】
予備成型品をそれぞれのチャックによって完全に固締することを確実にするために、積載ドラム1とホイール7は、有利に同期している。
【0062】
この段階において、チャックに挿入された予備成型品は、もはや積載ドラムに対してではなく、チェーン4からそれらが取り出されるコンベアサーキットに沿ったチャックそれぞれに対して、正しい位置を保つ。
【0063】
このサーキットに沿って、チェーン4の少なくとも一つのリンクに連結する、チャックと予備成型品の一体化したペアーは、前記サーキットの少なくとも一つの領域を通過する際、有利なことに、回転軸の周りを自由に回転する。このサーキットに含まれるのは、例えば、ブロー成型のステップを準備するために、首部を除く予備成型品の本体の温度を最適な状態にするための、少なくとも一つの加熱炉5である。例えば、あらかじめブロー成型された容器を運搬する異なった事例においては、チェーン4の少なくとも複数のリンクに連結した、一体化したチャックと予備成型品のペアーが、自由に回転軸の周りを回転する移送領域には、例えば、コーティングや塗装が用いられるためのシステムが含まれる。
【0064】
この回転は、回転ピニオン12それぞれの歯の付いた領域18と、加熱炉5に含まれる歯の付いたベルト又は他の適切な運動伝達手段との間の干渉によって生じる。
【0065】
ピッチを変えることができる位置づけ領域6に到達すると、チャックは、例えばボルトの形状をした突起27がそれぞれに設けられた、コンベアチェーンのリンクそれぞれに備えられた位置づけレバー16’’によって、それぞれ再び正しく位置づけられる。
【0066】
カム25は、コンベアホイール7の吸い込み領域(inlet zone)に隣接するチェーン4の送り込みトラック(feeding track)50のセクションに配置されているが、正しい位置づけのためのレバー16’’を操作し、その結果、ボルト27は、プレート13の下部の円筒部に圧力を加え、一方でプレート13の上部の円筒部と接触するトラック50の接触領域26によって、プレートそれ自身がその軸の周りに摩擦によって回転し、そのようにして、チャックを形成する、ピニオン―プレート―回転ピン―固締端部のまとまりが、その軸の周りに回転する。この回転によって、ボルト27は、プレート13の下部の円筒部のセンタリングのための刻み目20に挿入される。プレートの直近の正確な位置づけによって、予備成型品がチャックの端部17から取り出される前に、予備成型品の最終的に正確な位置が決められる。
【0067】
予備成型品は、あらかじめ決められた角度位置で、チェーン4から、取り出し装置(ejection device)によって取り出されるが、取り出し装置は、あらかじめ決められた数の予備成型品を、対応する把持装置(gripper)へと下向きに放出する。この把持装置はそれぞれ、カップの形状の輪郭を一緒に示す二つの把持部(jaw)を備えるが、予備成型品の首部のリングを掴むように適応しており、機械あるいはブロープレス(blowing press)部9に隣り合う領域8を通って、予備成型品を回転させることなく移送するような送り出し装置(feeding device)によって、作動している。
【0068】
ブロー機械9の金型どうしの中央間の距離が、コンベアチェーン4の予備成型品どうしの中央間の距離よりも大きい時、送り出し装置が、ピッチを変更できるタイプであるのは、有利なことである。
【0069】
ピッチを変更できるタイプの送り出し装置が、正しい方向を向いた予備成型品をブローのピッチで並べ、移送装置(transfer device)が、把持装置から予備成型品を抜き取り、機械又はブロープレス部9の金型にそれらを移送する。
【0070】
ホイール7の吸い込み領域において、予備成型品を取り出した後に、持ち上げプレート13によって、チャック40は持ち上がるが、持ち上げプレート13によって、前記固定カムガイド又はトラック24の形状のおかげで、回転ピン14は持ち上がる。
【0071】
回転ピン14が持ち上がることによって、バネ15は圧縮される。
【0072】
さらに、もし、ピニオン12、持ち上げプレート13、ピン14から成るセットが持ち上がった位置にあり、ピニオン12の歯の付いた領域18に何ら摩擦がないならば、プレート13によって、回転ピン14は回転する。この場合、チャックの自身の軸の周りの回転は、プレート13の上部の円筒部のベース面又は側面と、固定カムトラック24の間の摩擦によって、作動する。この回転のおかげで、ボルト22’が備えられた複数のレバー22と、固定カム23によって、チャックを積載ドラムに対して再び正しい位置に配置することができる。
【0073】
新たな予備成型品を固締するために、降下領域に到達すると、固定カムトラック24の終端部において、持ち上げプレート13を解放した後、バネ15によって、チャックの高速な降下が可能となる。
【0074】
このようにして、コンベアサイクルは、積載ドラムによる新たな予備成型品の固締から再びスタートする。
【0075】
適切な制御手段が有利に含まれるが、それは例えば、予備成型品やチャックそれぞれの正しい位置づけを特定する挿入部2’やボルト22’の位置をチェックするように適応されたストッパー装置(stopper device)を備える。それによって、予備成型品やチャックが正しく位置づけされているかどうかチェックすることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 積載ドラム又はホイール
2 カム
2’挿入部
3 固定カム
4 コンベアチェーン
5 加熱炉
6 位置づけ領域
7、7’ コンベアホイール
8 予備成型品の送出領域
9 ブロー機械
10 積載シュート
11 本体
12 回転ピニオン
13 持ち上げプレート
14 回転ピン
15 バネ
16’ バネ
16’’ 位置づけレバー
17 高速固締端部
18 歯あるいはギザギザのついた領域
18’ 平滑な領域
19、20、21 刻み目
22 レバー
22’突起
23 カム
24 トラック
25 カム
26 接触領域
27 突起部
30 予備成型品
31 リング
40 チャック
50 送り込みトラック




【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材の容器、とりわけ予備成型品を、コンベアライン(conveying line)に沿って動かすためのチャック(chuck)において、
――コンベアチェーン(conveying chain)のリンク(link)に固定することができる構造(11)、
――長手方向の軸を規定し、前記構造(11)の長手方向の穴に挿入され、軸方向にスライドし、及び/又は、前記軸を中心に回転するよう適応し、第一端に容器の首部を把持する把持手段(17)を備える本体(12、13、14)、
を備えたチャックであって、
前記構造(11)は、予め定められた角度位置で前記本体(12、13、14)を固定する固定手段(16’、16’’、27)を備え、
前記本体(12、13、14)は、前記予め定められた角度位置の指示要素(20)を、少なくとも一つ備えることを特徴とするチャック。
【請求項2】
前記固定手段は、前記指示要素(20)と連動するように適応した、バネとレバーのシステム(16’、16’’)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のチャック。
【請求項3】
前記指示要素は、前記構造(11)の上で外部に出ている、前記本体の第一部(13)の側面に備えられた溝(20)であることを特徴とする、請求項2に記載のチャック。
【請求項4】
前記レバー(16’’)は、前記溝(20)に挿入されるよう適応した突起(27)を、第一端部に備えることを特徴とする、請求項3に記載のチャック。
【請求項5】
突起(27)と前記本体の前記第一部(13)を接触させる前記レバー(16’’)を操作するために、前記コンベアチェーンのトラック(track)上にあるカムの輪郭をなぞるように適応したタペット要素(tappet element)を、前記レバー(16’’)が第二端部に備えることを特徴とする、請求項4に記載のチャック。
【請求項6】
前記レバー(16’’)が、前記構造(11)に固定され、その周りにバネ(16’)が配置されたピンに、ヒンジ付けされ、前記突起(27)を前記溝(20)に挿入するのに必要な圧力を発揮するように適合されていることを特徴とする、請求項5に記載のチャック。
【請求項7】
前記本体が、予め決められた角度位置を指示する、更なる指示要素(19)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のチャック。
【請求項8】
前記更なる指示要素が、前記第一部(13)の上に配置された前記本体の第二部(12)の円筒状の側面に備えられた溝(19)であることを特徴とする、請求項7に記載のチャック。
【請求項9】
前記本体の前記第二部(12)が、運動伝達手段に干渉するよう適応した下部領域(18)と、前記溝(19)の備わった上部領域(18’)とを備えることを特徴とする請求項8に記載のチャック。
【請求項10】
プラスチック材の容器、とりわけ予備成型品のためのコンベアチェーンにおいて、複数のリンクを含み、請求項1から9のいずれか一項に記載の複数のチャック(40)が、前記リンクの少なくとも複数に、それぞれ一つずつ固定されていることを特徴とする、コンベアチェーン。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−528306(P2011−528306A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517949(P2011−517949)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059219
【国際公開番号】WO2010/007158
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(503308405)エス.アイ.ピー.エイ.ソシエタ’インダストリアリザッジオーネ プロゲッタジオーネ エ オートマジオーネ ソシエタ ペル アチオニ (15)
【Fターム(参考)】