説明

チューブを触媒および/または他の粒子で満たす粒子充填装置および方法

スイベルコネクタと、このスイベルコネクタに接続された取付面と、この取付面上に取り付けられた幾つかの障害物とを用いる粒子充填装置および方法が開示される。その障害物は螺旋パターンを形成するように連続的に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、チューブを触媒および/または他の粒子で満たす粒子充填装置および方法に関する。
【0002】
[関連する出願への相互参照]この出願は、2005年3月25日に提出された米国仮出願番号60/665,413の利益を主張する。
【0003】
[連邦に委託された研究または開発]適用不可。
【0004】
[リスト、表またはコンパクトディスク付属物への参照]適用不可。
【背景技術】
【0005】
触媒は、改質装置(reformer)、ヒータまたは反応容器(reactor vessel)内のチューブに装填される。この装填は、そのような容器内で反応を実行することへの前兆である。その結果生じる反応の効率を改善し、かつ触媒装填および清掃プロセスを促進するために装填プロセスの効率を改善することは有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の幾つかの目的がある。チューブの内部で溶接点上で留まらないようにできる装置および技術が必要とされる。或る場合には、チューブ内の溶接衝突物が5ミリメートルもある。
【0007】
チューブが対称でない(例えば、変形され、および/または曲がっている管壁)というチューブ環境内で作動することができる装置および技術が必要とされる。
【0008】
触媒または他の粒子の破砕をすべて抑制するか回避することができる装置および技術が必要とされる。この問題は、より大きな質量をもつ大きな半径の触媒若しくは他の粒子、またはより脆いかもしれない粒子で、より深刻である。
【0009】
その装置がチューブ内で「立ち往生」になった場合にその装置を除去することを助けることができる装置および技術が必要とされる。
【0010】
特に小さい直径のチューブ内で、真空ホースが貫通するかその装置の外部(しかしチューブ内)を通過するのを許容することができる装置および技術が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
スイベルコネクタ(swivel connector)と、このスイベルコネクタに接続された取付面と、この取付面上に取り付けられた幾つかの障害物とを用いる粒子充填装置および方法が開示される。その障害物は螺旋パターン(helix-pattern)を形成するように連続的に配置されている。
【0012】
以下に用いられるように、「螺旋パターン化された」または「螺旋パターン」という用語は、螺旋(helix)の形態を持っているが、連続的な螺旋面とは対照的に、障害部材が非連続的な表面を形成する個々の障害/妨害部材によって、上記装置が構成されることを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、ばねアームとともに、断面で示されるチューブを備えた一実施形態を示す模式的な正面図である。
【0014】
充填装置10は、触媒粒子17および他の粒状物質と共に用いられてもよい。充填装置10は、概ね、供給ライン12、スイベルコネクタ14および螺旋パターン化されたフィラー20を含んでいる。螺旋パターン化されたフィラー20は、取付面30、および取付面30に取り付けられた複数の障害物(アームのような部材)40を持っている。複数の障害物40を取付面30へ取り付ける際に、障害物40は、取付面30の周りに、頂部から底部まで、螺旋パターンまたは階段状の螺旋パターン42に配置される。
【0015】
チューブ16を触媒または他の粒子17で満たすために、充填装置10はチューブ16内へ降ろされる。チューブ16は、例えばチューブ溶接および溶接衝突物18の領域、チューブの屈曲部(図示せず)など、様々な不均一性の領域を持っていてもよい。
【0016】
供給ライン12は、チューブ16が充填されながら、螺旋パターン化されたフィラー20をチューブ16の中へ降ろし(例えば遅い制御された下降)、また、チューブ16から螺旋パターン化されたフィラー20を持ち上げるのに使用される。螺旋パターン化されたフィラー20は、どのような公知の手段または技術によって、降ろされ、また、チューブ16から持ち上げられても良い。
【0017】
充填装置10は、好ましくスイベルコネクタ14(または螺旋パターン化されたフィラー20を旋回させるための公知の如何なる手段でも良い)を含んでいる。スイベルコネクタ14は、供給ライン12に沿った如何なる所望の点に接続されても良く、図示のように下端に接続されている。スイベルコネクタ14、例えば遠洋漁業の釣り糸で用いられるタイプのステンレス鋼スイベルであっても良い。ステンレス鋼チェーンリンク15a、15bが、スイベルコネクタ14を供給ライン12へ、または供給ライン12と螺旋パターン化されたフィラー20へつなぐために用いられてもよい。スイベルコネクタ14は、触媒充填操作の間に、螺旋パターン化されたフィラー20が、供給ライン12を捻らずに回転させることを可能にする。
【0018】
取付面30は、好ましくステンレス鋼ロッド32であり、螺旋パターン化されたフィラー20のための鉛直軸として働く。一実施形態では、ロッド32は、16ミリメートルの直径と、4150ミリメートルの長さをもち得る。ロッド32の直径と長さは、その質量と同様に、如何なる特定の触媒粒子または他の粒子の装填任務のパラメータに従って変更されてもよい。ロッド32は中空または中実の棒であってもよい。
【0019】
複数の障害物40の各々は、ロッド32の軸の(鉛直の)方向に対して垂直(あるいは略垂直)に取り付けられている。それらは、例えばロッド32を貫通してドリルで穴あけし、次に、障害物40を、ロッド32を貫通しかつ両端41a,bがロッド32から半径方向に等距離に突出するまで挿入し、その後、取り付けねじ(図示せず)でロッド32へ障害物40を固定することによって取り付けられる。また、障害物40は一端のみでロッド32に取り付けられてもよい。その場合、各障害物40がロッド32を貫通しない。一般的に、取付面30内の取付用の穴または開口も、取付面30の周りに螺旋パターンとして現われる。
【0020】
複数の障害物40は、ロッド32の周りに、螺旋パターン42(一例として、弾力性のある階段状の螺旋パターン)で頂部から底部まで配置される。各連続した障害物40、例えば障害物40aと障害物40bは、粒子のサイズ/半径(また幾分、質量および/または密度)によって決定された距離によって、互いに食い違わされる(staggered)。言いかえれば、スタガ距離(stagger distance)(あるいは間隙)は、上記粒子によって定められる変量である。その距離は、触媒または他の粒子が、隣接した障害物40の間を通って落ち、隣接した障害物の間に捕捉されるのを防ぐことができるのに十分小さい。
【0021】
各障害物40は、好ましくはステンレス鋼からなるコイルばねであり、略真っ直ぐで、障害物40を通って粒子が落ちるのを防ぎ、バイアスをかけ、または妨害するのに十分な堅さをもっている。従って、その堅さは、各用途のために可変で、上記粒子の質量および/または密度に依存する。例えば中実アーム40a(それは成形物であってもなくても良い)またはブラシアーム40bのような、障害物40の他の形態が、実現されてもよい(図2および図3を参照)。特定のロッド32上に取り付けられた障害物40の長さはすべて、略等しい。かかる長さは、チューブ16の内径に依存する。例えば、触媒に依存して、各障害物40の端部とチューブ16の内径との間に3〜4ミリメートルのクリアランスを有するのが望ましいかもしれない。一実施形態では、障害物40は、各々、0.8ミリメートルの直径および3ミリメートルの長さを持つステンレス鋼からなる。
【0022】
螺旋パターン42のフライトは、水平から約75度の角にあるのが好ましく(しかし65度よりも大きい如何なる傾斜角であっても良い。)、約3つのねじれを持っており、粒子をロッド32の周りに下方へ約450度導く。適切なスタガ距離、ばねの堅さおよびフライトを用いれば、粒子は階段を貫通して落ちず、螺旋形の階段(障害物40)を下って移動する。さらに、障害物40との衝撃で、粒子は、螺旋パターン化されたフィラー20を回転させながら、障害物40の下へ弾むだろう。その回転は、チューブ16を粒子でより均一な態様で充填するのを助ける。
【0023】
取付面30の周りの階段状の螺旋パターン42は、一定の傾斜角で円筒の周りを移動するパターンとして概ね述べられてきた。しかしながら、もしチューブ内に留まらないようにするために必要ならば、円錐の周りを移動するパターンを用いることができるだろう。あるいは、障害物40のパターンを、傾斜角が螺旋パターン化されたフィラー20の全体を通して一定ではないように変更することができるかもしれない。
【0024】
1つを越える螺旋パターン化されたフィラー20が、接続され、もう一つの螺旋パターン化されたフィラー20の下方に積み重ねられ得る。各連続的に下側の積み重ねは、必ずしも同じ大きさのものである必要がない。
【0025】
障害物40は、ばねであれば、コイルばねが好適である。ただし、他の弾力のある/柔軟な/可撓性のある緩衝装置を用いることができるかもしれないし、および/または、障害物40は下向きの螺旋形の階段以外のものを形成するように配置されるかもしれない(例えば、異なった回転を与えることができるジグザグの螺旋パターン(図示せず)。)。
【0026】
粒子17は触媒以外の粒子であり得る。
【0027】
螺旋パターン化されたフィラー20の設計の実施形態のための実施例は、次の通りである。
【0028】
添付図中で示されたものと同じまたは類似の充填装置10の幾つかの異なったバージョンが、テストされた。まず、45度のフライト上のピッチが実現された。その角度は、触媒がフライト内に割り込むことを許容するのに十分に急勾配ではないことが決定された。大きな直径の触媒が障害物40を通して/の間を流れないことが決定されるまで、ピッチは増加された。これは65度の角にあった。
【0029】
しかしながら、標準サイズの触媒は、フライト内で引っ掛かり続けた。75度で、触媒はすべて、フライトを通して滑らかに流れた。また、触媒が充填装置10を下って通過しながら、フライトの最大の「スピン」が決定されたのも、この角度においてであった(ほぼ毎秒1回転)。バイアスをかけることができ又は弾力性のある障害物40(例えば堅いバネ、柔軟な固体またはブラシ)からフライトを作ることによって、真空ホースが充填装置10を貫通することができる。その理由は、障害物40が道を譲って、ロッド32が管壁16に接近するように押されるからである。装填中に、フライトの角度および充填装置10を通した多数の接触に起因して、障害物40の損失はほとんどない(これは幾つかの先行のシステムとは異なる。それは略鉛直の方向を有しており、従って、触媒のエネルギをもっと吸収するに違いない。)。従って、充填装置10は、触媒がスピンすることを強いるフライトに沿った多数の接触によって、触媒を遅くする。フライトが柔軟な障害物40からなり、スイベル14がライン/ロープと合体されるので、触媒が叩くべき頑丈な鉛直部材はない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ばねアームとともに、断面で示されるチューブを備えた一実施形態を示す模式的な正面図である。
【図2】中実のアームの側面図である。
【図3】ブラシアームの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子充填装置であって、
この粒子充填装置を旋回させるための旋回手段と、
上記旋回手段に接続された取付面と、
上記取付面上に取り付けられ螺旋パターンを形成するように連続的に配置された複数の障害物とを備えた粒子充填装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記取付面は上記旋回手段の下方に取り付けられていることを特徴とする粒子充填装置。
【請求項3】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記複数の障害物は複数のステンレス鋼コイルばねを含むことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項4】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記複数の障害物は複数の中実アームを含むことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項5】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記複数の障害物は複数のステンレス鋼ブラシアームを含むことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項6】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記複数の障害物は、ステンレス鋼コイルばね、カーボン鋼コイルばね、ステンレス鋼中実アーム、カーボン鋼中実アーム、プラスチック中実アーム、ステンレス鋼ブラシアーム、カーボン鋼ブラシアームおよびプラスチックブラシアームからなる障害物の群から選択された少なくとも2つの異なったタイプの障害物を含むことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項7】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記取付面はステンレス鋼ロッドを含むことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項8】
請求項7に記載の粒子充填装置において、
上記ステンレス鋼ロッドは中空であることを特徴とする粒子充填装置。
【請求項9】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記複数の障害物の各々は取付面を貫通していることを特徴とする粒子充填装置。
【請求項10】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記複数の障害物の各々は一端で上記取付面に取り付けられていることを特徴とする粒子充填装置。
【請求項11】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記取付面上に取り付けられ螺旋パターンを形成するように連続的に配置された上記複数の障害物の各々は、さらに、この粒子充填装置で用いられるべき粒子の直径よりも小さい間隙幅を形成するように、各連続的な障害物を配する位置決めを含むことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項12】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
上記取付面上に取り付けられ螺旋パターンを形成するように連続的に配置された上記複数の障害物の各々は、さらに、障害物のフライトを約75度以上の傾斜角で有する上記螺旋パターンを含むことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項13】
請求項12に記載の粒子充填装置において、
上記障害物の上記フライトは上記取付面の周りで粒子を約450度導くことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項14】
請求項12に記載の粒子充填装置において、
上記障害物の上記フライトは約75度以上の第2の傾斜角を含み、上記第2の傾斜角は上記第1の傾斜角と異なることを特徴とする粒子充填装置。
【請求項15】
請求項1に記載の粒子充填装置において、
さらに、上記粒子充填装置の下方に接続された第2の粒子充填装置を備えたことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項16】
粒子充填装置であって、
この粒子充填装置を旋回させるための旋回手段と、
上記旋回手段の下方に接続されたステンレス鋼ロッドと、
螺旋パターンを形成するように連続的に配置され上記ステンレス鋼ロッドから水平に取り付けられた複数のステンレス鋼障害物とを備え、
螺旋パターンを形成するように連続的に配置され上記ステンレス鋼ロッドから水平に取り付けられた上記複数のステンレス鋼障害物の各々は、さらに、この粒子充填装置で用いられるべき粒子の直径よりも小さい間隙幅を形成するように、各連続的な障害物を配する位置決めを含み、
螺旋パターンを形成するように連続的に配置され上記ステンレス鋼ロッド上に取り付けられた複数の障害物の各々は、さらに、障害物のフライトを約75度以上の傾斜角で有する上記螺旋パターンを含むことを特徴とする粒子充填装置。
【請求項17】
容器内へ粒子を充填する方法であって、
充填装置の上へ粒子を落とし、
上記充填装置を旋回させ、
上記粒子が螺旋パターン内で移動している上記充填装置の下へ上記粒子を進め、
上記充填装置の下端から上記粒子を落とす方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
上記旋回させる工程は、上記充填装置の上へ粒子を落とす工程の行為によって引き起こされることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、
上記粒子が螺旋パターン内で移動している上記充填装置の下へ上記粒子を進める工程は、約75度以上の傾斜角で実行されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、
上記充填装置の下へ上記粒子を進める工程は、上記粒子がバイアスをかける障害物に付いていれば、流れの妨げを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−534259(P2008−534259A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503180(P2008−503180)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/010559
【国際公開番号】WO2006/104832
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507318392)キャタリスト・サービシーズ・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】CATALYST SERVICES, INC.
【Fターム(参考)】