説明

チューブ容器

【課題】本発明は、外側チューブと内側チューブとからなり、キャップ回転防止とセンタリング位置決め構造を有する複数室分離型のチューブ容器を提供する。
【解決手段】キャップの口部は仕切片によって複数の区画に分割されて、内側チューブの口首部は口部の一区画の内周断面形状と合致する外周断面形状を備え、内側チューブの口首部をキャップの口部の一区画に挿入係止して、内側チューブの口首部を外側チューブの口首部に位置決め固定され、さらに外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されている複数個のリブからなるキャップ回動防止ローレットを備え、キャップには外側チューブを装着する装着部に外側チューブを位置決め固定するセンタリングリブと前記ローレットと噛合可能な突条リブを備え、外側チューブが位置決め固定されると共に、前記ローレットと前記センタリングリブもしくは突条リブとが噛合するキャップ回動防止手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外側チューブと内側チューブとからなる複数室分離型のチューブ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブ容器は、内容物として例えば化粧品、日用品、接着剤等を、ペースト状、クリーム状、ゼリー状等の状態で収容するもので、容器の胴部を押圧することにより、口首部から内容物を手軽に注出させることが可能な容器である。また、異なる色調の内容物を同時に注出させて特異な色彩感覚を与える場合や、使用時に混合して用いられる内容物を各々分けて収容しておくことによって保存時に化学反応による劣化を防止する場合等に用いられる、内容物を分離した状態で各々収容しておくことが可能な2室分離型のチューブ容器も種々開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1によれば、図16(a)および(b)で示すように、口首部12にヒンジキャップ24が装着された外側チューブ11と、外側チューブ11の内側に取り付けられる内側チューブ13とからなる。そして、チューブ容器20によれば、ヒンジキャップ24の口部17は仕切片18によって断面が半円形の2つの区画に分割されており、内側チューブ13の口首部19は、分割された口部17の一方の区画39の内周断面形状と合致する半円形の外周断面形状をその先端係止部26において備えており、内側チューブ13の口首部19をヒンジキャップ24の口部17の一方の区画39に挿入係止することによって、内側チューブ13の口首部19を外側チューブ11の口首部12に位置決め固定できるようになっている。
【0004】
ヒンジキャップ24は、装着部27とこの装着部27に対してヒンジ接合された蓋部28とを一体として形成されている。装着部27は、口首部12を外側から覆って外側チューブ11の上方から嵌め込むようにして装着され、下面側に設けた筒状係止スリーブ29の先端係止突起30を、口首部12の外周面に沿って形成した係止リブ31に係止することによって、外側チューブ11の上端に固定される。
【特許文献1】特開2003−118752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、筒状係止スリーブ29の先端係止突起30を、口首部12の外周面に沿って形成した係止リブ31に係止されているだけであるので、外側チューブとそれに嵌合するキャップ内側に半円状に嵌合する内側チューブからなるチューブ容器は、キャップを故意または不用意に回転し、キャップを回転させると内側チューブが外側チューブに対して捩れて、内側チューブが嵌合しているキャップから離脱したり、内側チューブの嵌合部が割れたり、クラックが生じたりする危惧があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、外側チューブと内側チューブとからなる複数室分離型のチューブ容器において、キャップの回転防止とセンタリング位置決め構造を有する複数室分離型のチューブ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、即ち、
請求項1に係る発明は、
口首部を覆ってキャップが装着された外側チューブと、その外側チューブの内側に取り
付けられる内側チューブとからなる複数室分離型のチューブ容器であって、
前記キャップの口部は仕切片によって複数の区画に分割されており、前記内側チューブの口首部は、前記分割された口部の一区画の内周断面形状と合致する外周断面形状を備えており、前記内側チューブの口首部を前記キャップの口部の一区画に挿入係止して、前記内側チューブの口首部を前記外側チューブの口首部に位置決め固定され、さらに、前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されている複数個のリブからなるキャップ回動防止ローレットを備え、前記キャップには外側チューブを装着する装着部に前記外側チューブを位置決め固定する複数個のセンタリングリブと前記ローレットと噛合可能とする複数個の突条リブを備え、前記外側チューブが装着部のセンタリングリブにより位置決め固定されると共に、前記ローレットと前記装着部のセンタリングリブもしくは突条リブとが噛合するキャップ回動防止手段を有することを特徴とするチューブ容器である。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記センタリングリブが、前記外側チューブを装着する装着部の筒状係止スリーブの上端部内周に沿って周設されていることを特徴とする請求項1記載のチューブ容器である。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記キャップ回動防止ローレットと噛合可能とする突条リブが、前記外側チューブを装着する装着部の両側外壁内面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ容器である。
【0010】
請求項4に係る発明は、
前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、前記外側チューブ口首部の口元天面を頂点とし、口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ上端までに広がる前記外側チューブ口首部上端部の外周面に沿って周設されている山状リブからなるローレットであって、
前記ローレットが、前記センタリングリブと噛合するキャップ回動防止手段であることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ容器である。
【0011】
請求項5に係る発明は、
前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、前記外側チューブ口首部の肩部の外周面に沿って周設されて軸方向に延びる縦リブからなるローレットであって、
前記ローレットが、前記外側チューブを装着する装着部の両側外壁内面に沿って設けられている突条リブと噛合するキャップ回動防止手段であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載のチューブ容器である。
【0012】
請求項6に係る発明は、
前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、前記外側チューブ口首部の口元天面から口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ上端まで軸方向に延びる縦リブからなるローレットであって、
前記ローレットが、前記センタリングリブと噛合するキャップ回動防止手段であることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ容器である。
【0013】
請求項7に係る発明は、
前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ外周に軸方向に延びる縦リブからなるローレットであって、
前記ローレットが、前記センタリングリブと噛合するキャップ回動防止手段であることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ容器である。
【0014】
請求項8に係る発明は、
前記係止横リブ外周に軸方向に延びる縦リブからなるキャップ回動防止ローレットを、前記係止横リブの外周面に沿って30°〜120°間隔で設けること特徴とする請求項7記載のチューブ容器である。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、口首部を覆ってキャップが装着された外側チューブと、その外側チューブの内側に取り付けられる内側チューブとからなる複数室分離型のチューブ容器において、キャップ回動防止手段を備えており、キャップを故意または不用意に回動し、内側チューブが外側チューブに対して捩れて、内側チューブが嵌合しているキャップから離脱したり、内側チューブの嵌合部が割れたり、クラックが生じたりすることを防止したチューブ容器が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係るチューブ容器について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の正面図である。図2は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の断面図である。図3は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の上方から見た平面図である。図4は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器のヒンジキャップの蓋部を開いた状態の上方から見た平面図である。図5は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器のヒンジキャップに内側チューブの口首部を挿入係止状態の部分断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の要部を示す断面図である。図7、9、11、13は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブに設けるキャップ回動防止ローレットの一実施例を示す要部部分断面および上方から見た平面図である。図8は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図7のキャップ回動防止ローレットとセンタリングリブとが噛合している状態を説明する断面図である。図10は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図9のキャップ回動防止ローレットと突条リブとが噛合している状態を説明する断面図である。図12は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図11のキャップ回動防止ローレットとセンタリングリブとが噛合している状態を説明する断面図である。図14は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図13のキャップ回動防止ローレットを一本飛びに設けて、センタリングリブとが噛合している状態を説明する断面図である。図15は、本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図13のキャップ回動防止ローレットを30度間隔で設けて、センタリングリブとが噛合している状態を説明する断面図である。
【0017】
図1および図2に示す本発明の好ましい実施形態に係るチューブ容器10は、2室分離型のチューブ容器であって、口首部12にヒンジキャップ14が装着された外側チューブ11と、外側チューブ11の内側に取り付けられる内側チューブ13とからなる。
【0018】
そして、本実施形態のチューブ容器10によれば、図3、図4、図5および図6(a)、(b)にも示すように、ヒンジキャップ14の口部17は仕切片18によって断面が半円形の2つの区画に分割されており、内側チューブ13の口首部19は、分割された口部17の一方の区画20の内周断面形状と合致する半円形の外周断面形状をその先端係止部26において備えており、内側チューブ13の口首部19をヒンジキャップ14の口部17の一方の区画20に挿入係止することによって、内側チューブ13の口首部19を外側チューブ11の口首部12に位置決め固定できるようになっている。
【0019】
ヒンジキャップ14は、装着部27とこの装着部27に対してヒンジ接合された蓋部28とを一体として形成されている。装着部27は、口首部12を外側から覆って外側チューブ11の上方から嵌め込むようにして装着され、下面側に設けた筒状係止スリーブ29の先端係止突起30と、口首部12の外周面に沿って形成した係止横リブ31に係止することによって、外側チューブ11が固定され、筒状係止スリーブ29の内周上部に周設する複数個のセンタリングリブ40と、例えば、図7(a)および(b)で示すように、外側チューブ11(a)の口首部12の口元天面を頂点とし、口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ31の上端までに広がる45度のピッチで周設されてなる山状リブ41からなるキャップ回動防止ローレットが設けられており、また、上記複数個のセンタリングリブとして、例えば、図8で示すように、45度のピッチで8個のセンタリングリブ40が周設されており、上記山状リブ41からなるキャップ回動防止ローレットとセンタリングリブ40とが噛合し、外側チューブ11(a)が位置決めされると同時に、ヒンジキャップ14を故意または不用意に回動するのを防止できる。このキャップ回動防止手段によって、キャップが回動することによる内側チューブが外側チューブに対して捩れて、内側チューブが嵌合しているキャップから離脱したり、内側チューブの嵌合部が割れたり、クラックが生じたりすることを防止できる。
【0020】
そして、装着部27の中央に開口形成された円形の口部17は、口首部12の上端開口の内方において当該上端開口と同心状に開口して配置される。また、装着部27には、口部17を囲む周壁32が、その内壁面を装着部27の基板33と垂直に立設させつつ基板33の上方及び下方に亘って設けられており、また口部17にはこれを中央で2分割するように仕切片18が設けられている。なお、本実施形態によれば、ヒンジキャップ24を介して内側チューブ13の口首部19を外側チューブ11の口首部12に位置決め固定するので、外側チューブ11に内側チューブ13を係止するための特別な改良を何ら加えることなく、従来の一般的な外側チューブと同様のものを使用することが可能である。
【0021】
本実施形態によれば、外側チューブ11は、その胴部21がアルミラミネートフィルム、シリカ蒸着フィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム等のバリヤー性に優れる樹脂フィルム材料によって円筒状に形成されており、この胴部21の一端部に、肩部22と口首部12とを一体成形した円形の口頭部23を熱接合することによって容易に得ることができる。なお、外側チューブ11の口頭部23としては、チューブ容器の口頭部として一般に用いられる、ポリオレフィン系樹脂を用いた公知の各種のものを用いることができる。また、外側チューブ11の胴部21の他端部は、第1室15及び第2室16の内部に内容物が各々充填収容された後に、内側チューブ13の他端部と共に帯状に熱シールされて、各内容物を第1室15および第2室16の内部に各々封入する。
【0022】
内側チューブ13は、ポリオレフィン系樹脂からなり、ブロー成形等によって、胴部24と口頭部25とが一体として形成される。また内側チューブ13は、後述するヒンジキャップ14の材質よりも軟らかい材質を有しており、口頭部25の上方に突出する半円形の外周断面形状を備える口首部19の先端係止部26を、ヒンジキャップ14の口部17の一方の区画20に、圧縮変形させるようにしつつスムースに挿入係止できるようになっている。なお、内側チューブ13の胴部24の他端部は、第1室15及び第2室16の内部に内容物が各々充填収容された後に、外側チューブ11の他端部と共に帯状に熱シールされて、内容物を第2室16の内部に封入する。
【0023】
また、本実施形態によれば、ヒンジキャップ14の口部17の一方の区画20には、当該一方の区画20の内周方向に延設する横リブ43を、周壁32の内周面に沿って仕切片18と対向する位置に設けておき、この横リブ43に内側チューブ13の口首部19(先端係止部26)の外周面横リブ42に係止して、当該内側チューブ13の口首部19を外側チューブ11の口首部12にヒンジキャップ14を介して位置決め固定することもでき
る。
【0024】
ヒンジキャップ14の蓋部28は、ヒンジ接合部35を介して装着部27に接合され、口部17を開閉する。また、蓋部28の天井板36の内側面には、装着部27の周壁32と対応する位置に一対の円環状のリブによるリブ溝37が設けられ、また装着部27の仕切片18と対応する位置に直線状の当接リブ38が設けられている。蓋部28により口部17を閉塞した際に、周壁32の上端がリブ溝37に挿入係止されると共に、仕切片18の上端が当接リブ37に当接することにより、第1室15と第2室16はその先端部分においても確実に仕切られることになる。
【0025】
本実施形態によれば、内容物を充填収容したチューブ容器10を製造する際に、当該チューブ容器10の製造ラインにおいて、第1室15と第2室16に内容物を各々充填する工程に先立って、内側チューブ13の口首部19の先端係止部26を、ヒンジキャップ14の口部17の一方の区画20に挿入係止するだけの簡易な作業によって、内側チューブ13の口首部19を外側チューブ11の口首部12にヒンジキャップ14を介して容易に位置決めすることができる。これによって他端部が熱シールされるまでの間、外側チューブ11の内部における内側チューブ13の位置ずれを効果的に防止することが可能になる。しかる後に第1室15と第2室16に内容物を充填し、外側チューブ11の胴部21の他端部と内側チューブ13の胴部24の他端部とを重ね合わせつつ帯状に熱シールすることによって、内容物を収容したチューブ容器10が製造される。
【0026】
本実施形態のチューブ容器10によれば、筒状係止スリーブ29の内周上部に周設する複数個(例えば、8個)のセンタリングリブ40と、外側チューブ11の口首部12の口元天面を頂点とし、口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ31の上端までに広がる45度のピッチで周設されてなる複数個(例えば、8個)の山状リブ41からなるキャップ回動防止ローレットとが噛合し、外側チューブ11が位置決めされると同時に、ヒンジキャップ14を故意または不用意に回動するのを防止し、キャップの回動による内側チューブが外側チューブに対して捩れて、内側チューブが嵌合しているキャップから離脱したり、内側チューブの嵌合部が割れたり、クラックが生じたりする問題が解消される。
【0027】
また、本実施形態のチューブ容器10によれば、簡易な構成で外側チューブ11の口首部12に内側チューブ13の口首部19を容易に位置決め固定できると共に、キャップ14の天面を構成する天井板36の内側における内容物の混合を効果的に回避でき、また各チューブ11,12を十分に押圧しきって多くの残量が生じるのを効果的に回避できる。すなわち、本実施形態によれば、射出成形等の一般の成形方法によって形成されたヒンジキャップ14の口部17の一方の区画20に、ブロー成形等の一般の成形方法によって形成された内側チューブ13の口首部19の先端係止部26を挿入するだけの簡易な構成によって、ヒンジキャップ14が装着される外側チューブ11の構造に何ら変更を加えることなく、容易に内側チューブ13の口首部19を位置決め固定することが可能になる。また、本実施形態によれば、区画された口部17を開閉するキャップとしてヒンジキャップ14が用いられており、スクリューキャップを用いる場合と比較して、天井板36を回転させる必要がないので、口部17における各室15,16からの内容物のはみだしを効果的に回避できると共に、はみでた内容物の混合を確実に防止することができる。さらに、本実施形態によれば、内側チューブ13の口首部19を外側チューブ11の口首部12に接続するアダプタを必要としないので、外側チューブ11及び内側チューブ13を最後まで容易に押圧することができ、各チューブ11,13に内容物の残量が生じるのを効果的に回避することが可能になる。
【0028】
本発明のチューブ容器10の一実施形態として、筒状係止スリーブ29の内周上部に周設する複数個のセンタリングリブ40と、外側チューブ11の口首部12の口元天面を頂
点とし、口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ31の上端までに広がる45度のピッチで周設されてなる山状リブ41からなるキャップ回動防止ローレットとが噛合するキャップ回動防止手段を例示したが、本発明のチューブ容器においてはこのキャップ回動防止手段に限定されない。
【0029】
例えば、外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設したリブからなるキャップ回動防止ローレットが、前記外側チューブ口首部の肩部の外周面に沿って周設されている軸方向に延びる縦リブからなるローレットであって、このローレットが、外側チューブを装着する装着部の両側外壁内面に沿って設けられている突条リブと噛合するキャップ回動防止手段であっても良い。即ち、図9に示すように、外側チューブ11(b)の口首部の肩部22の外周面に沿って周設されている軸方向に延びる複数個の縦リブ41(b)からなるキャップ回動防止ローレットが設けられ、一方、筒状係止スリーブ29には、筒状係止スリーブ29の内周上部に周設する複数個(例えば、8個)のセンタリングリブ40とヒンジキャップ装着部27の両側外壁下部内面に沿って各々3本の前記縦リブ41(b)に噛合可能な突条リブ44を設け、図10に示すように、縦リブ41(b)のリブ溝と各々3本の突条リブ44とが噛合し、センタリングリブ40によって外側チューブ11が位置決めされると同時に、ヒンジキャップ14を故意または不用意に回動するのを防止するキャップ回動防止手段であっても良い。
【0030】
また、他のキャップ回動防止手段として、外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設したリブからなるキャップ回動防止ローレットが、外側チューブの口首部の口元天面から口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ上端まで軸方向に延びる複数個の縦リブからなるローレットであって、このローレットが、センタリングリブと噛合するキャップ回動防止手段であっても良い。即ち、図11に示すように、外側チューブ11(c)の口首部12の口元天面から口首部12の外周面に沿って形成されている係止横リブ31上端まで軸方向に延びる複数個の縦リブ41(c)からなるキャップ回動防止ローレットを設け、筒状係止スリーブ29の内周上部に周設する複数個(例えば、8個)のセンタリングリブ40が、図12に示すように、縦リブ41(c)のリブ溝とが噛合し、外側チューブ11(c)が位置決めされると同時に、ヒンジキャップ14を故意または不用意に回動するのを防止するキャップ回動防止手段であっても良い。
【0031】
さらに、別のキャップ回動防止手段として、外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、口首部の外周面に沿って形成されている係止横リブ外周に軸方向に延びる複数個の縦リブからなるローレットであって、このローレットが、センタリングリブと噛合するキャップ回動防止手段であっても良い。即ち、図13に示すように、外側チューブ11(d)の口首部12の外周面に沿って形成されている係止横リブ31外周に軸方向に延びる縦リブ41(d)を、図14(a)に示すように、一本飛びに設け、一方、外側チューブ11(d)を装着する装着部の筒状係止スリーブ29の上端内周に沿って周設されている複数個(例えば、8個)のセンタリングリブ40と、図14(b)に示すように、上記複数個の縦リブ41(d)からなるキャップ回動防止ローレットとが噛合し、外側チューブ11が位置決めされると同時に、ヒンジキャップ14を故意または不用意に回動するのを防止する構造であっても良い。
【0032】
また、上記のキャップ回動防止ローレット41(d)を30度〜120度間隔で設けることもできる。図15(a)および(b)に示すように、上記のキャップ回動防止ローレット41(d)を30度間隔でキャップ設けた場合について例示してある。
【0033】
上記で得られる本発明のチューブ容器は、キャップの口部は仕切片によって複数の区画に分割されており、前記内側チューブの口首部は、前記分割された口部の一区画の内周断
面形状と合致する外周断面形状を備えており、前記内側チューブの口首部を前記キャップの口部の一区画に挿入係止して、前記内側チューブの口首部を前記外側チューブの口首部に位置決め固定される、口首部を覆ってキャップが装着された外側チューブと、その外側チューブの内側に取り付けられる内側チューブとからなる複数室分離型のチューブ容器において、キャップを故意または不用意に回転するのを防止し、キャップが回動することにより内側チューブが外側チューブに対して捩れて、内側チューブが嵌合しているキャップから離脱したり、内側チューブの嵌合部が割れたり、クラックが生じたりすることを防止したチューブ容器が提供できる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、ヒンジキャップの口部を円形形状とする必要は必ずしもない。また、ヒンジキャップの口部を仕切片によって3区画以上に仕切ることもでき、2以上の内側チューブの口首部を挿入固定することもできる。さらに、本発明のチューブ容器は、内容物として歯磨剤化粧品、日用品、接着剤等のその他の種々の内容物を収容する容器として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の図1の図3のA−Aに沿った断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の図1を上方から見た平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の図1のヒンジキャップの蓋部を開いた状態の平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の図1のヒンジキャップに内側チューブの口首部を挿入係止状態のC−Cに沿った部分断面図である。
【図6】(a)は本発明の一実施形態に係るチューブ容器の要部を示す図3のA−Aに沿った断面図、(b)は本発明の一実施形態に係るチューブ容器の要部を示す図3のB−Bに沿った断面図である。
【図7】(a)は本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブに設けるキャップ回動防止ローレットの一実施例を示す要部部分断面、(b)は同外側チューブを上方から見た平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図7のキャップ回動防止ローレットとチューブ容器のヒンジキャップ装着部の筒状係止スリーブの内周上部に周設する複数個のセンタリングリブとが噛合している状態を説明する断面図である。
【図9】(a)は本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブに設けるキャップ回動防止ローレットの一実施例を示す要部部分断面、(b)は同外側チューブを上方から見た平面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図9のキャップ回動防止ローレットとチューブ容器のヒンジキャップ装着部の両側外壁下部の内面に沿って形成されたする複数個の突条リブとが噛合している状態を説明する断面図である。
【図11】(a)は本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブに設けるキャップ回動防止ローレットの一実施例を示す要部部分断面図、(b)は同外側チューブを上方から見た平面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図11のキャップ回動防止ローレットとチューブ容器のヒンジキャップ装着部の筒状係止スリーブの内周上部に周設する複数個のセンタリングリブとが噛合している状態を説明する断面図である。
【図13】(a)は本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブに設けるキャップ回動防止ローレットに一実施例を示す要部部分断面、(b)は同外側チューブを上方から見た平面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図13のキャップ回動防止ローレットを一本飛びに設けて、チューブ容器のヒンジキャップ装着部の筒状係止スリーブの内周上部に周設する複数個のセンタリングリブとが噛合している状態を説明する断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るチューブ容器の外側チューブの図13のキャップ回動防止ローレットを30度間隔で設けて、チューブ容器のヒンジキャップ装着部の筒状係止スリーブの内周上部に周設する複数個のセンタリングリブとが噛合している状態を説明する断面図である。
【図16】(a)は従来の一実施形態に係るチューブ容器の要部を示す図3のA−Aに沿った断面図、(b)は従来の一実施形態に係るチューブ容器の要部を示す図3のB−Bに沿った断面図である。
【符号の説明】
【0036】
10、20・・・チューブ容器
11、11(a)、11(b)、11(c)、11(d)・・・外側チューブ
12・・・外側チューブの口首部
13・・・内側チューブ
14、24・・・ヒンジキャップ
15・・・第1室
16・・・第2室
17・・・ヒンジキャップの口部
18・・・仕切板
19・・・内側チューブの口首部
20、39・・・ヒンジキャップの口部の一方の区画
21・・・胴部
22・・・肩部
23・・・円形の口頭部
25、25(a)、25(b)、25(c)、25(d)・・・キャップ回動防止ローレット
26・・・内側チューブの口首部の先端係止部
27・・・ヒンジキャップの装着部
28・・・ヒンジキャップの蓋部
29・・・筒状係止スリーブ
30・・・先端係止突起
31・・・係止リブ
32・・・口部の周壁
33・・・ヒンジキャップの装着部の基板
34・・・縦リブ
35・・・ヒンジ接合部
36・・・天井板
37・・・リブ溝
38・・・当接リブ
40・・・センタリングリブ
41、41(a)、41(b)、41(c)、41(d)・・・ローレット
42・・・内側チューブの口首部の先端係止部の2本の離間する横リブ
43・・・内側チューブの口首部の2本の離間する横リブ
44・・・突条リブ
45・・・センタリングリブに延設する係止縦リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口首部を覆ってキャップが装着された外側チューブと、その外側チューブの内側に取り付けられる内側チューブとからなる複数室分離型のチューブ容器であって、
前記キャップの口部は仕切片によって複数の区画に分割されており、前記内側チューブの口首部は、前記分割された口部の一区画の内周断面形状と合致する外周断面形状を備えており、前記内側チューブの口首部を前記キャップの口部の一区画に挿入係止して、前記内側チューブの口首部を前記外側チューブの口首部に位置決め固定され、さらに、前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されている複数個のリブからなるキャップ回動防止ローレットを備え、前記キャップには外側チューブを装着する装着部に前記外側チューブを位置決め固定する複数個のセンタリングリブと前記ローレットと噛合可能とする複数個の突条リブを備え、前記外側チューブが装着部のセンタリングリブにより位置決め固定されると共に、前記ローレットと前記装着部のセンタリングリブもしくは突条リブとが噛合するキャップ回動防止手段を有することを特徴とするチューブ容器。
【請求項2】
前記センタリングリブが、前記外側チューブを装着する装着部の筒状係止スリーブの上端部内周に沿って周設されていることを特徴とする請求項1記載のチューブ容器。
【請求項3】
前記キャップ回動防止ローレットと噛合可能とする突条リブが、前記外側チューブを装着する装着部の両側外壁内面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ容器。
【請求項4】
前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、前記外側チューブ口首部の口元天面を頂点とし、口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ上端までに広がる前記外側チューブ口首部上端部の外周面に沿って周設されている山状リブからなるローレットであって、
前記ローレットが、前記センタリングリブと噛合するキャップ回動防止手段であることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ容器。
【請求項5】
前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、前記外側チューブ口首部の肩部の外周面に沿って周設されて軸方向に延びる縦リブからなるローレットであって、
前記ローレットが、前記外側チューブを装着する装着部の両側外壁内面に沿って設けられている突条リブと噛合するキャップ回動防止手段であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載のチューブ容器。
【請求項6】
前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、前記外側チューブ口首部の口元天面から口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ上端まで軸方向に延びる縦リブからなるローレットであって、
前記ローレットが、前記センタリングリブと噛合するキャップ回動防止手段であることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ容器。
【請求項7】
前記外側チューブの口首部の所定の位置の外周面に沿って周設されているリブからなるキャップ回動防止ローレットが、口首部の外周面に沿って形成した係止横リブ外周に軸方向に延びる縦リブからなるローレットであって、
前記ローレットが、前記センタリングリブと噛合するキャップ回動防止手段であることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ容器。
【請求項8】
前記係止横リブ外周に軸方向に延びる縦リブからなるキャップ回動防止ローレットを、
前記係止横リブの外周面に沿って30°〜120°間隔で設けること特徴とする請求項7記載のチューブ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−285193(P2008−285193A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131388(P2007−131388)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】