説明

チーズ食品

【課題】風味が良好であるチーズ食品の提供。
【解決手段】オリーブオイルを配合させることにより、発酵臭や乳臭さ等のチーズの好ましくない風味を改善することにより、風味が良好なチーズ食品を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリーブオイルを配合したチーズ食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チーズは、新鮮なミルクに乳酸菌を加え、乳を固める酵素(レンネット)を加えて固形状とし、そこから余分な水分やホエー(乳清)を除いたものである。日本では、チーズとしてナチュラルチーズ、プロセスチーズ、及びチーズフードが定義されている(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号、以下乳等省令))。 ナチュラルチーズは、乳、クリーム、バターミルクまたはこれらを混合したものを凝固させたあと、乳清(ホエー)を除去して得られる生鮮のものまたは熟成したものである。プロセスチーズは、ナチュラルチーズを粉砕し、混合、加熱溶融、乳化したものである。チーズフードは、ナチュラルチーズまたはプロセスチーズを粉砕し、混合、加熱溶融、乳化したもので、製品中にチーズ分を51%以上含むものである。なお、乳に由来しない脂肪、タンパク質または炭水化物を加える場合は最終製品重量の10%以内とされている。チーズ様食品とは、本来的にチーズではないが食感、風味、物性等がチーズと同等であるもの、または一成分としてチーズを配合し加工された食品を指す。
【0003】
チーズは、吸収されやすいタンパク質、カルシウム及びビタミン類を多く含み、栄養価に優れた食品であることはよく知られており、特に、今後さらに増加する高齢者層の健康維持のためには最適な食品のひとつである。しかしながら、現在でも日本人のチーズ消費量は年間約2kg と少なく、ヨーロッパ諸国と比較すると約1/10にとどまっている。その要因の一つとして、チーズの風味や食感になじめない人々の存在や、和食と合わないと感じる層の存在も大きく、特に、高齢者ではその傾向が強い。
【0004】
このような欠点を解消するために、さまざまな試みがなされてきた。例えば、チーズにホエーを添加することで物性的機能性を付加し、食感を改善する発明もいくつかなされている。例えば、チーズにホエータンパク質を0.1〜20重量%添加することで繊維状組織を有するチーズの製造法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、チーズのタンパク質中にホエータンパク質を1重量%以上含有させることでモチ様の食感を有するチーズの製造法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、チーズのタンパク質にホエータンパク質を0.15重量%以上含有させることで剥離性と口溶け性の良好なチーズを得る方法が示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
チーズやチーズを含む食品は、酸化作用等によって保存中にその風味が変化しやすいが、このこともチーズが敬遠される要因の一つである。そのため、真空パック、窒素充填、あるいは脱酸素剤等による酸素の除去によってチーズやチーズを含む食品を保存する方法がとられている。また、それだけでは不十分なため、さらに、アスコルビン酸塩を用いてチーズやチーズを含む食品の風味を保持する方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、チーズやチーズを含む食品の保存中の酸化はショーケース等における光照射によっても起こり、特に軟質ナチュラルチーズに関しては、ホエータンパク質のうちの一つであるβ−ラクトグロブリン量を一定値以下に低減することにより、光照射による風味劣化と組織劣化を抑制し、長期間賞味に適した品質を維持する技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0006】
一方、そのような酸化作用以外にも風味の低下を引き起こす要因が存在し、各種の化学的分析指標に差が認められないにもかかわらず、風味には変化が認められるがその理由が不明である場合も多い。このような事例に関しては、例えばチーズまたはバターを使用した加工食品に対して、メカニズムは明確ではないがトコフェロールを添加することで風味を安定化させることができたという例も報告されている(例えば、特許文献6参照)。
【0007】
さらに、チーズの風味の中で好ましくないものとして、カビ臭、ムレ臭、酪酸臭、酸臭味、あるいは発酵臭や乳臭さ等がしばしば指摘される。このような問題に対してはメチオニン、アラニン、グリシン等のアミノ酸、あるいはグルコース、キシロース、フルクトース、ショ糖等の糖類を添加することで風味を改善する方法が知られている(例えば、特許文献7参照)。
また、製造されたチーズをオイルに漬け込んだ形態のものも知られている。
【特許文献1】特開平2-23830号公報
【特許文献2】特開平9-94063号公報
【特許文献3】特開平8-256686号公報
【特許文献4】特開平4-267845号公報
【特許文献5】特開2004-118号公報
【特許文献6】特開平6-217688号公報
【特許文献7】特開平7-107905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながらこれまで、チーズやチーズを含む食品にオリーブオイルを配合させることで風味が改善できることや、風味の低下が防止できることは知られていなかった。
なお、製造されたチーズをオイルに漬け込んだ形態のものは、酸化を防いだり、カビの胞子の繁殖を防ぐ等保存性を高めることを目的としている。また、オイルに浸しているのみであるため、多量のオイルが必要であるが、オイルは内部まで均一には浸透せず、よって、表面が軟らかく、もろく掴みにくく、扱いづらい。一方、本発明は、チーズ食品を製造する原料の一つとしてオリーブオイルを用いるものであり、オリーブオイルは表面も内部も均一な含有量となり、かつ、含有量を正確に調節することができ、原料に合わせた風味の調節も可能である。さらに、オイル形態とは異なり、必ずしも密封された容器は必要ではなく、紙容器等の種々の包装形態が選択できる。また、本願のチーズ食品は運搬や他食品への応用が可能である。
よって、本発明は、オリーブオイルを配合したチーズ食品、及び、発酵臭や乳臭さ等のチーズの好ましくない風味が改善されたチーズ食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、オリーブオイルにより、チーズ食品の風味が改善されることを明らかにし、本発明を完成するに至った。
【0010】
従って、本発明は下記の構成からなるものである。
(1)オリーブオイルを配合したチーズ食品。
(2)オリーブオイルを配合することを特徴とする、チーズ食品の風味改善法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、風味が良好であるオリーブオイルを配合したチーズ食品を提供でき、さらに保存中の風味の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明においてチーズ食品とは、乳等省令で定めるナチュラルチーズ、プロセスチーズのみならず、チーズを主原料とするチーズフード、チーズ様食品等のことをいう。
チーズ食品調製時に用いられる原料チーズとしては、その種類や製法に限定されず、プロセスチーズまたはチーズフード及びチーズ様食品等の製造に通常使用されているいずれのものも使用することができる。例えば、パルメザンチーズ、グリュイエールチーズ、マリボーチーズ、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、エメンタールチーズ、エダムチーズ、カマンベールチーズ、ブリーチーズ、マンステールチーズ、ポン・レヴェックチーズ、スチルトンチーズ、ダナブルーチーズ、ブルーチーズ等のナチュラルチーズ、及びこれらのナチュラルチーズを原料としたプロセスチーズ等を用いることができる。また、脂肪分が概ね4〜23%程度の範囲の中にある低脂肪チーズ(例えば、特開平11−155481号参照)を用いることもできる。さらに、一般的に軟質のナチュラルチーズといわれるものの一種で熟成していないものとして分類されるフレッシュチーズ、例えばカッテージチーズやモッツァレラチーズ、クワルクチーズ、クリームチーズ等を用いてもよい。
また、カゼイン、レンネットカゼイン、酸カゼイン、ホエータンパク質分解物等も使用することができる。
これらの原料チーズまたはカゼイン等を1種または2種以上を目的に応じて選択し、混合、粉砕して製造に用いる。原料チーズに溶融塩を加え、さらに必要に応じて乳化剤、増粘性多糖類等の組成物、水分、あるいは油脂等を添加し、加熱溶融し、乳化してもよい。
【0013】
溶融塩としては、プロセスチーズやチーズフードの製造に通常使用されているものであればいずれのものも使用することができる。例えば、モノリン酸ナトリウム、ジリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が使用でき、これらの2種類以上を組み合わせて用いてもよい。溶融塩の添加率は、原料チーズに対して0.5〜5重量%添加することが好ましい。
乳化剤としては、通常、食品添加物として食品に添加することが認められている乳化剤であればいずれのものも使用することができる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等を挙げることができ、これらの2種類以上を組み合わせて用いてもよい。乳化剤の添加率は、原料チーズに対して0.05〜3重量%添加することが好ましい。
増粘性多糖類としては、例えば、キサンタンガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、カードラン、プルラン、タラガム、カラギーナン等を挙げることができ、必要に応じてこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、これら増粘性多糖類は、チーズ食品製造において、加熱乳化後のチーズ食品の成形性及び充填適性を良好にするために通常用いられているものである。増粘性多糖類の添加率は、原料チーズに対して0.1〜10重量%添加することが好ましい。
【0014】
本発明において用いられる油脂としてのオリーブオイルは、その産地、製造法、保存法、成分、種類及び等級等に関しては特に限定されるものではなく、一般の家庭や業務用に普通に用いられるものであればいずれのものを用いても良いが、遊離脂肪酸度がオレイン酸として1%以下で風味が良好であることが好ましい。なお、オリーブの粉砕物も用いることができる。
オリーブオイルの配合方法であるが、原料チーズの乳化時に添加することも可能であるが、特に限定されるものではない。
オリーブオイルの配合量であるが、乳等省令上チーズフードには、乳に由来しない脂肪、タンパク質または炭水化物の配合は最終製品重量の10%以内とされているため、つまり0.05〜10重量%の範囲で配合することができる。チーズ様食品においては、0.05〜51重量%配合することができる。
【0015】
オリーブオイルの最適な配合量は、使用する原料チーズやタンパク質及びその他の添加物の風味によっても最適な配合量は異なるが、例えば、チーズを原料として使用する場合には、チーズに対して0.1〜2.0%、好ましくは0.5〜1.0%配合することにより、食べた時の香りが好ましく、クセがなく、コクがあり、後味のよいチーズ食品を得ることができる。また、カゼイン等を使用する場合には、カゼイン等に対して0.1〜10%配合することにより、風味の良好なチーズ食品を得ることができる。
【0016】
以下に、実施例及び試験例を示し、本発明についてより詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0017】
ゴーダチーズを1kg、チェダーチーズを1kg混合し、この原料チーズに溶融塩としてポリリン酸ナトリウムを40g 、オリーブオイル(BOSCO日清オイリオ社)を20g、及び水を180ml加えた。この混合物をケトル乳化機を用いて回転数120rpmで回転させながら、蒸気を吹き込み、85℃の温度まで昇温して乳化した。これをカルトンに充填し5℃で冷蔵し保存した。なお、この実施例におけるオリーブオイルの最終含有量は0.9%であった。
【0018】
(試験例1)
(官能評価)
実施例1で製造したチーズ食品の風味に関して、製造直後及び10℃の冷蔵庫で28日間保存したものについてパネラーによる官能試験を行なった(n=10)。官能試験は、以下に示す5項目について7点法または5点法で評価した。1)「全体的なおいしさ」は、非常においしくない(−3)〜非常においしい(+3)までの7点法、2)「食べたときの香り」は、好ましくない(−2)〜好ましい(+2)までの5点法、3)「クセの有無」は、ない(−2)〜ある(+2)までの5点法、4)「コクの有無」は、ない(−2)〜ある(+2)までの5点法、5)「後味」は、よくない(−2)〜よい(+2)までの5点法で評価した。結果はそれぞれの項目の平均値±標準偏差で表し、統計学的有意差の検定は対応のないt検定を行った。
【0019】
結果を表1(オリーブオイル配合の有無によるチーズ食品の官能検査結果)に示した。「全体的なおいしさ」は、保存後においてオリーブオイルを配合したものの方が有意に高かった。「食べたときの香り」は、製造直後でオリーブオイルを配合したものの方が有意に好ましかった。「クセの有無」は、製造直後及び保存後においてオリーブオイルを配合したものの方が有意に低かった。このように、オリーブオイルを配合することによって、クセや香りという評価項目が改善されると同時に、保存中の全体的なおいしさの低下も抑制されることがわかった。
【0020】
【表1】

【0021】
(試験例2)
オリーブオイルの配合量による風味への効果を調べた。オリーブオイルの配合量を0%、0.1%、0.5%、1%及び2%とした以外は、実施例1と同様の方法でチーズ食品を製造した。「全体的なおいしさ」に関して、非常においしくない(−3)〜非常においしい(+3)までの7点法で評価した(平均値、n=8)。
【0022】
結果を表2(オリーブオイルの配合量によるチーズ食品の官能検査結果)に示した。配合量が0.1〜2%で「全体的なおいしさ」に関する点数が高かった。ただし、配合量が2%ではオリーブオイルの風味が明らかに感じられるようになるが、オリーブオイルを嗜好する層にとっては全く問題のない風味であり、あくまで好みの問題が強い。実際、品質の良いオリーブオイルは、薬用としてそのまま内服することも可能な風味を有する。
【0023】
【表2】

【0024】
(試験例3)
トコフェロールにより、風味を安定化できるという報告がなされているため(特許文献6参照)、トコフェロール含量の高い調合油を用いて、風味改善効果の違いを確認した。
実施例1に従い、チーズ食品を製造した。さらに、オリーブオイル(BOSCO日清オイリオ社)の代わりに一般的に用いられる調合油(サラダ油、日清オイリオ社)を用いて、チーズ食品を製造した。製造したチーズ食品の「全体的なおいしさ」に関して試験例2と同様に7点法で評価した。
なお、オリーブオイルのトコフェロール含量は約9mg/100g、サラダ油は約81mg/100gである(日本食品標準成分表参照)。
【0025】
結果を表3(オイルの種類によるチーズ食品の官能検査結果)に示した(平均値、n=8)。製造直後及び製造28日後ともに、オリーブオイルを用いた場合の方が調合油に比べて、「全体的なおいしさ」が顕著に高いことが確認された。よって、風味改善効果は、オリーブオイルに含まれるトコフェロールによる効果ではなく、かつ、一般的な調合油に比べて顕著な効果を示すことが分かった。
調合油は精製された油であり、色や匂い等の不純物がほとんど除去されたものである。一方、オリーブオイルは半精製油であり、油脂の他にもステロール類や芳香族化合物等の多様な成分を多数含み、多くの微量成分が独特の風味に関与していると推察される。
【0026】
【表3】

【実施例2】
【0027】
原料乳を加熱殺菌(75℃、15秒間)した後冷却し、0.01%塩化カルシウムを添加した。さらに、市販乳酸菌スターター及び多糖産生乳酸菌のラクトバチルス・ヘルベチカス(L.helveticus)SBT2171株(FERM P-14381)、及びレンネットを添加して乳を凝固させた。このようにして得られた凝乳をカッティングし、pHが6.2〜6.1となるまで撹拌してホエーを排出し、カード粒を得た。そして、このカード粒を型詰めして圧搾し、さらに加塩して、10℃で3〜8ヶ月熟成させてゴーダチーズを製造した。このようにして製造したゴーダチーズ2kgに対して、重曹14g、溶融塩としてポリリン酸ナトリウム60g、増粘性多糖類としてグアガム20g、乳化剤として大豆レシチン2g、及びオリーブオイル(BOSCO日清オイリオ社)30gを配合し、直接蒸気吹き込み式チーズ乳化機に投入し、100rpmで撹拌しながら、約5分間で90℃に到達させるように加熱乳化を行い、均質で流動性のある乳化物を得た。これをカートンに充填して5℃の冷蔵庫で冷却し、保存した。風味はムレ臭が低減され、後味も良好であった。なお、この実施例におけるオリーブオイルの最終含有量は1.4%であった。
【実施例3】
【0028】
粉砕した低脂肪ゴーダチーズ(STN/TN=15)(蛋白質30%、脂肪分15%)4.5kgとチェダーチーズ (STN/TN=23)(蛋白質27%、脂肪分30%)1kg、レンネットカゼイン1kg、酸カゼイン1kg、オリーブオイル(BOSCO日清オイリオ社)250g、水2.2kgをケトルタイプの乳化釜に入れ、これに溶融塩としてリン酸二ナトリウム50g、乳化剤としてHLB1のポリグリセリン縮合リシノレート50gをそれぞれ添加した後、撹拌速度200rpmで80℃まで加熱溶融した。加熱溶融したチーズ食品を30×26×4cmの容器に充填し、保冷庫内で10℃まで冷却した。チーズ由来の酪酸臭及び原料として用いたレンネットカゼインや酸カゼインに特有ないわゆるカゼイン臭が低減された良好な風味であった。なお、この実施例におけるオリーブオイルの最終含有量は2.5%であった。
【実施例4】
【0029】
レンネットカゼイン1.3g、ホエータンパク質分解物300g、大豆硬化油850g、水2kg、食塩35g及びオリーブオイル(BOSCO日清オイリオ社)500gをクッカータイプの乳化釜に入れ、これに溶融塩としてクエン酸ナトリウム30g とリン酸一ナトリウム30g、ソルビタン脂肪酸エステル5gをそれぞれ添加した後、撹拌速度200rpmで80℃まで加熱し乳化した。カートンに充填した。これを充填したカートンは10℃の保冷庫内で冷却し、チーズ食品を製造した。原料として用いたホエータンパク質分解物のホエー臭が低減された良好な風味であった。なお、この実施例におけるオリーブオイルの最終含有量は9.9%であった。
【実施例5】
【0030】
レンネットカゼイン2.6kg、酸カゼイン600g、大豆硬化油1kg、オリーブオイル(BOSCO日清オイリオ社)750g、水5kg、食塩70gをカッタータイプの乳化釜に入れ、これに溶融塩としてクエン酸ナトリウム38gとリン酸二ナトリウム38g、乳化剤として大豆レシチン(HLB4)30gとHLB3のポリグリセリン縮合リシノレート30gをそれぞれ添加した後、撹拌速度400rpmで80℃まで加熱溶融した。加熱溶融したチーズ食品をカートンに充填し保冷庫内で10℃まで冷却した。原料として用いたレンネットカゼインや酸カゼインに特有ないわゆるカゼイン臭が低減された良好な風味であった。なお、この実施例におけるオリーブオイルの最終含有量は7.4%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリーブオイルを配合したチーズ食品。
【請求項2】
オリーブオイルを配合することを特徴とする、チーズ食品の風味改善法。

【公開番号】特開2009−291133(P2009−291133A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148607(P2008−148607)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000006699)雪印乳業株式会社 (155)
【Fターム(参考)】