ツボ・患部押圧用ボール支持具
【課題】硬式テニスボール等の弾力を有するボールを所望の位置に安定に支持して、ツボないしは患部等に押圧でき、ボールが人体に過度に強く押圧されることがなく、使用中に使用者が寝入った場合は、ボールが外れ、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けることがないツボ・患部押圧用ボール支持具を提供する。
【解決手段】この支持具1はゴム弾性を有するエラストマーからなり、内周面2aを下方に向かって先細のテーパー状とされた貫通穴2を有し、ボール3が貫通穴2の上下両方に突出した状態で貫通穴2に弾性的に嵌合されるようになっている。ベッド、布団8または椅子の座面13等の上に置かれ、ボール3のうちの貫通穴2から上方に突出している部分が身体のツボないしは患部Aに押圧される。
【解決手段】この支持具1はゴム弾性を有するエラストマーからなり、内周面2aを下方に向かって先細のテーパー状とされた貫通穴2を有し、ボール3が貫通穴2の上下両方に突出した状態で貫通穴2に弾性的に嵌合されるようになっている。ベッド、布団8または椅子の座面13等の上に置かれ、ボール3のうちの貫通穴2から上方に突出している部分が身体のツボないしは患部Aに押圧される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和等を図る目的で、硬式テニスボール等の弾力を有するボールを人体のツボないしは患部等に押圧する際に、そのボールを所望の位置に位置決めするためのツボ押圧用ボール支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、球面状部分を備えた押圧体を有しており、使用者がその上に寝て(横になって)、前記押圧体の球面状部分が人体のツボないしは患部を押圧するようにすることにより、病気ないしは身体的異常等の諸症状を緩和するツボ・患部押圧具は従来より知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、硬式テニスボールを人体のツボないしは患部等に押圧すると、病気ないしは身体的異常等の諸症状を緩和できることも従来より知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57−107535号公報
【非特許文献1】酒井慎太郎著「腰痛は99%完治する」株式会社幻冬舎、2009年12月10日、p.158−161
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のツボ・患部押圧具においては、押圧体が比較的に小さく、かつ硬い材料からなっていたため、テニスボールに比較し、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和の効果が小さいという問題があった。
【0006】
また、使用中に使用者が寝入ってしまうと、押圧体が使用者の体に長時間押圧され続けることになり、却って障害を引き起こす虞があった。
【0007】
さらに、押圧体と支持台との間にばねが介装された構造となっていたので、構造が複雑になるとともに、部品点数が多くなり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】
他方、硬式テニスボールをツボないしは患部等に押圧する場合は、ボールをそのままベッド、布団、ソファー、椅子の座面等の上に置くと、使用中にボールが不適切な場所へ動いてしまい易いというという問題があった。
【0009】
また、非特許文献1に示されているように、テニスボールが動かないように、ガムテープで2個のボールをくっつけることも従来行われていたが、必ずしもボールを適切な位置に十分安定に位置決めすることができないとともに、ガムテープが人体や衣服にひっつき、不快に感じ易いという問題があった。
【0010】
また、この場合も、使用中に使用者が寝入ってしまうと、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けることになり、却って障害を引き起こす虞があった。
【0011】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、硬式テニスボールまたはその他の弾力を有するボールを使用して、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和に高い効果を得ることができるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、ガムテープを用いることなく、ボールを支持することができるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、使用者が覚醒しており、ボールをツボないしは患部等に押圧しようとする意識を有している間は、ボールを所望の位置に安定に支持することができるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、ボールが外れ、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けないようにすることができ、安全であるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、ボールが人体を過度に強く押圧することがないようすることができるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、ボールが弾力を失ったり、損傷したりした場合は、簡単にボールを交換できるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、人体に接触しても、痛みや不快感を与えることのないツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、構造が簡単で部品点数が少なく、製造コストが安価なツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によるツボ・患部押圧用ボール支持具は、人体に押圧されるべき弾力を有するボールを支持するツボ・患部押圧用ボール支持具であって、
ゴム弾性を有するエラストマーからなり、内周面が下方に向かって先細となるテーパー状とされている貫通穴を有し、外力を受けていない自由な状態では前記貫通穴の最小径部の径は前記ボールの径より小さくされており、
前記ボールが前記貫通穴から上下両方に突出した状態で該貫通穴に弾性的に嵌合されるようになっているものである。
【0021】
本発明のツボ・患部押圧用ボール支持具を使用する際には、人体のツボないしは患部等に押圧されるべき硬式テニスボール等の弾力を有するボールを、貫通穴から上下両方に突出した状態になるようにして、該貫通穴に弾性的に嵌合させた上、貫通穴の小径側が下方、貫通穴の大径側が上方に来るようにして、ベッド、布団、ソファー、椅子の座面(クッション性がない座面の場合はクッション、座布団等を敷く)等の柔軟性があるものの上に置く。そして、使用者はベッド、布団、ソファー等の上に寝たり、椅子に腰掛け、ツボないしは患部等にボールが押圧されるようにする(ボールにタオル等を被せ、ボールと人体との間にタオル等が介在されるようにしてもよい)。
【0022】
本発明のツボ・患部押圧用ボール支持具によれば、硬式テニスボールまたはその他の弾力を有するボールを人体のツボないしは患部等に押圧することができるので、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和に高い効果を得ることができる。
【0023】
また、ガムテープは用いないので、ガムテープが人体や衣服にひっつき、不快に感じることがない。
【0024】
また、使用者が覚醒しており、ボールをツボないしは患部等に押圧しようとする意識を有している間は、ボールが人体により上下方向、すなわち貫通穴の大径側から小径側に押されるので、ボールが人体に押されれば押されるほどボールが貫通穴に一層強く弾性的に嵌合する。したがって、使用者が覚醒している間は、ボールが本支持具から脱落する虞がなく、ボールを所望の位置に安定に支持することができる。
【0025】
その一方、使用中に使用者が寝入ってしまうと、ツボないしは患部にボールを押圧させようとする意識を失い、使用者の身体がボールに対し自然に横にずれようとするので、ボールに横方向の力が作用し、ボールが貫通穴から外れて本支持具から脱落する。したがって、使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けないようにすることができ、安全である。
【0026】
また、もしボールが人体に過度に強く押圧されると、むしろ人体に害を及ぼすことになる虞があるが、ボールのうちの貫通穴の下方に突出した部分はベッド、布団、ソファー、椅子の座面(または座面に敷かれたクッション、座布団等)等の中に沈み込んだ状態となるので、これにより力が吸収され、ボールが人体に過度に強く押圧されるのが防止され、適度な強さで人体に押圧されるようにすることができる。
【0027】
また、ボールを簡単に取り外すことができるので、ボールが弾力を失ったり、損傷したりした場合は、簡単にボールを交換できる。
【0028】
また、このツボ・患部押圧用ボール支持具は、ゴム弾性を有するエラストマーからなるので、本支持具自体に人体が接触しても、痛みや不快感を与えることはない。
【0029】
さらに、構造が簡単で部品点数が少ないので、製造コストを安価にすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のツボ・患部押圧用ボール支持具は、
(イ)硬式テニスボールまたはその他の弾力を有するボールを人体のツボないしは患部等に押圧することができるので、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和に高い効果を得ることができる、
(ロ)ガムテープは用いないので、ガムテープが人体や衣服にひっつき、不快に感じることがない、
(ハ)使用者が覚醒している間は、ボールを所望の位置に安定に支持することができる、
(ニ)使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、ボールが本支持具から脱落し、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けないようにすることができ、安全である、
(ホ)ボールが人体に過度に強く押圧されるのを防止し、適度な強さで人体に押圧されるようにすることができる、
(ヘ)本支持具自体に人体が接触しても、痛みや不快感を与えることがない、
(ト)製造コストを安価にすることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるツボ・患部押圧用ボール支持具の一実施例を示す斜め下方から見て示す斜視図である。
【図2】前記実施例を示す正面図である。
【図3】前記実施例を示す平面図である。
【図4】前記実施例を示す底面図である。
【図5】図3のV−V線における断面図である。
【図6】前記実施例の貫通穴に硬式テニスボールを嵌合した状態を示す断面図である。
【図7】ベッドまたは布団に仰向けに寝た状態で使用する場合の前記実施例の支持具およびボールの挿入位置を示す使用説明面図である。
【図8】ベッドまたは布団に横向きに寝た状態で使用する場合の前記実施例の支持具およびボールの挿入位置を示す使用説明面図である。
【図9】椅子に座って使用する場合の前記実施例の支持具およびボールの挿入位置を示す使用説明面図である。
【図10】使用状態における前記実施例の本支持具およびボール付近の模式的な断面図である。
【図11】本発明者が開発過程で試作した試作品を本発明品との比較のために参考例として示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0033】
図1〜6は本発明によるツボ・患部押圧用ボール支持具の一実施例を示している。なお、本実施例では、ツボないしは患部等に押圧すべきボールとして、中空の弾力を有するボールである硬式テニスボールを使用する。
【0034】
ツボ・患部押圧用ボール支持具1は、ゴム弾性を有するエラストマー、具体的にはシリコーンゴムを一体的に成形してなる。前記シリコーンゴムのゴム硬度は、好ましくは20〜40、さらに好ましくは25〜35である。ゴム硬度がこのような範囲にない場合は、後述する作用効果が低下したり、得られない虞がある。
【0035】
本支持具1は、中央部に上下方向に貫通する貫通穴2を設けられており、全体に大略円環状をなしている。前記貫通穴2の内周面2aは、下方に向かって先細となるテーパー状とされている(ただし、ストレートなテーパーではなく、球面の一部をなすような凹曲面状のテーパーとされている)。支持具1が外力を受けていない自由な状態では、前記貫通穴2の最小径部の径Dminはボールの径より小さく、最大径部の径Dmaxはボールの径Dbより僅かに大きくされている(図5,6参照)。
【0036】
支持具1の上面1aは平らな面とされている。支持具1の下面側のうちの外周側の部分1bも平ら面とされているが、支持具1の下面側のうちの貫通穴2を取り囲む貫通穴囲繞部分1cは外周側の部分1bに比し下方に突出している。前記貫通穴囲繞部分1cの外周面1dは、該貫通穴囲繞部分1cが下方に向かって先細となるような凹曲面状をなしている。
【0037】
本支持具1を使用する際には、図6に示されるように、硬式テニスボール3を貫通穴2から上下両方に突出した状態になるようにして、該貫通穴2に弾性的に嵌合させた上、貫通穴2の小径側が下方、貫通穴2の大径側が上方に来るようにして、ベッド、布団、ソファー、椅子の座面(クッション性がない座面の場合はクッション、座布団等を敷く)等の柔軟性があるものの上に置く。そして、使用者はベッド、布団、ソファー等の上に寝たり、椅子に腰掛け、ツボないしは患部等にボール3が押圧されるようにする。
【0038】
本支持具1を用いると、例えば、次のような症状に特に高い効果を得ることができる(各症状の後に、押圧すべきツボないしは患部等を示している)。
【0039】
(a)目の疲れ…風池
(b)座骨神経病…座骨、足の三里、承山
(c)ぎっくり腰…承山、委中
(d)ムズムズ脚症候群…足の三里、承山
(d)寝付き…風池
(e)座りきりまたは立ちっぱなしの仕事等による足の疲労…殷門、委中、足の三里、
承筋、その他疲れている場所
(f)冷え性、血の道症…三陰交
例えば、風池4、座骨5、殷門6、委中7等を押圧したいときは、図7に示されるように、ベッド、布団、ソファー等8の上に使用者が仰向けに寝て(背臥位)、該当箇所の下に支持具1に嵌合されたボール3が位置するようにする。
【0040】
例えば、承山9、足の三里10、承筋11、三陰交12等を押圧したいときは、図8に示されるように、ベッド、布団、ソファー等8の上に使用者が横向きに寝て(側臥位)、該当箇所の下に支持具1に嵌合されたボール3が位置するようにする。
【0041】
殷門6を押圧したいときは、図9に示されるように、使用者が椅子の座面13に座って、該当箇所の下に支持具1に嵌合されたボール3が位置するようにしてもよい。
【0042】
なお、症状および使用箇所によっては、複数組の支持具1およびボール3を同時に使用することが好ましい。
【0043】
また、使用者の性別、年令、体格、あるいはツボないしは患部の場所等により、ボール3の押圧強さに対する感受性は異なって来るので、場合に応じて、ボール3にタオル等を被せ、ボール3と人体との間にタオル等が介在されるようにしてもよい(タオルを何重に折るかによってもボール3に押圧されたときに受ける感覚を調整できる)。
【0044】
図10は、使用状態における本支持具1およびボール3付近の模式的な断面図であり、この図では、使用者の身体のツボないしは患部等を符号Aで代表して示している。ボール3のうちの貫通穴2から上方に突出している部分が身体のツボないしは患部Aに押圧される一方、ボール3のうちの貫通穴2から下方に突出している部分および支持具1の貫通穴囲繞部分1cがベッド、布団、ソファー等8または椅子の座面13(または座面に敷かれたクッション、座布団等)に沈み込んだ状態となる。
【0045】
本支持具1によれば、硬式テニスボール3を人体のツボないしは患部等Aに押圧することができるので、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和に高い効果を得ることができる。
【0046】
また、本支持具1は、ガムテープは用いないので、ガムテープが人体や衣服にひっつき、不快に感じることがない。
【0047】
また、使用者が覚醒しており、ボール3をツボないしは患部等Aに押圧しようとする意識を有している間は、ボール3が人体により上下方向、すなわち貫通穴2の大径側から小径側に押されるので、ボール3が人体に押されれば押されるほどボール3が貫通穴2に一層強く弾性的に嵌合する。したがって、使用者が覚醒している間は、ボール3が本支持具1から脱落する虞がなく、ボール3を所望の位置に安定に支持することができる。
【0048】
また、使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、使用者がツボないしは患部にボール3を押圧させようとする意識を失い、使用者の身体がボール3に対し自然に横にずれようとするので、ボール3に横方向の力が作用し、ボール3が貫通穴2から外れて本支持具1から脱落する。したがって、使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、ボール3が使用者の体に長時間押圧され続けないようにすることができ、安全である。
【0049】
また、もしボール3が人体に過度に強く押圧されると、むしろ人体に害を及ぼすことになる虞があるが、本支持具1では、前述のようにボール3のうちの貫通穴2の下方に突出した部分はベッド、布団、ソファー等8または椅子の座面13(または座面に敷かれたクッション、座布団等)等の中に沈み込んだ状態となるので、これにより力が吸収され、ボール3が人体に過度に強く押圧されるのが防止され、適度な強さで人体に押圧されるようにすることができる。
【0050】
また、本実施例では、支持具1の貫通穴囲繞部分1cもベッド、布団、ソファー等8または椅子の座面13(または座面に敷かれたクッション、座布団等)に沈み込んだ状態となるので、これによっても、力が吸収され、ボール3が人体に過度に強く押圧されるのが防止され、適度な強さで人体に押圧されるようにすることができる。
【0051】
図11は、本発明者が開発過程で試作したツボ・患部押圧用ボール支持具の試作品16を、本願発明の支持具1との比較のために参考例として示したものである。ゴムからなる試作品16は、テーパー状の貫通穴17を有しているが、ボール3は貫通穴17の上方にのみ突出し、下方には突出しない状態で貫通穴17に嵌合されるようになっている。また、支持具16の下面16aは平らで本願発明の貫通穴囲繞部分1cに相当する突出部は有していない。
【0052】
このような試作品16の構成では、ボール3はベッド、布団、ソファー、椅子の座面(または座面に敷かれたクッション、座布団等)等の中に全く沈み込まず、また試作品16もベッド等に沈み込みにくいので、ボール3が人体に過度に強く押圧され、むしろ人体に害を及ぼす虞がある。
【0053】
本支持具1の作用効果に戻ってさらに述べると、本支持具1は、ボール3を簡単に取り外すことができるので、ボール3が弾力を失ったり、損傷したりした場合は、簡単にボール3を交換できる。
【0054】
また、本支持具1は、ゴム弾性を有するエラストマーからなるので、本支持具1自体に人体が接触しても、痛みや不快感を与えることはない。
【0055】
さらに、本支持具1は、構造が簡単で部品点数が少ないので、製造コストを安価にすることができる。
【0056】
なお、本発明のツボ・患部押圧用ボール支持具は、硬式テニスボール以外の、軟式テニスボール、硬式・軟式野球ボール、ソフトボール、ピンポンボール、その他の弾力を有するボール(中空でないものも含む)を支持させて、ツボないしは患部に押圧するようにすることもできる。
【0057】
また、前記実施例においては、支持具1がシリコーンゴムにより構成されているが、本発明の支持具は、シリコーンゴム以外のゴムや熱可塑性エラストマーのような、他の種のゴム弾性を有するエラストマーにより構成してもよい。
【0058】
また、前記実施例においては、貫通穴2の内周面2aが曲面状のテーパー状とされているが、ストレートなテーパー状としてもよい。
【0059】
また、前記実施例においては、支持具1が大略円環状をなしていて外周が円形をなしているが、本発明におけるツボ・患部押圧用ボール支持具の外周は必ずしも円形でなくてもよい。
【0060】
また、前記実施例においては、1つの支持具に1つの貫通穴が設けられているが、1つの支持具に2以上の貫通穴を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように本発明によるツボ・患部押圧用ボール支持具は、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和等を図る目的で、硬式テニスボール等の弾力を有するボールを人体のツボないしは患部等に押圧する際に、そのボールを位置決めするためのボール支持具として有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 ツボ・患部押圧用ボール支持具
1a 支持具の上面
1b 支持具の下面側のうちの外周側の部分
1c 貫通穴囲繞部分
1d 貫通穴囲繞部分の外周面
2 貫通穴
2a 貫通穴の内周面
3 硬式テニスボール
A 身体のツボないしは患部等
Dmin 貫通穴の最小径部の径
Dmax 貫通穴の最大径部の径
Db ボールの径
【技術分野】
【0001】
本発明は、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和等を図る目的で、硬式テニスボール等の弾力を有するボールを人体のツボないしは患部等に押圧する際に、そのボールを所望の位置に位置決めするためのツボ押圧用ボール支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、球面状部分を備えた押圧体を有しており、使用者がその上に寝て(横になって)、前記押圧体の球面状部分が人体のツボないしは患部を押圧するようにすることにより、病気ないしは身体的異常等の諸症状を緩和するツボ・患部押圧具は従来より知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、硬式テニスボールを人体のツボないしは患部等に押圧すると、病気ないしは身体的異常等の諸症状を緩和できることも従来より知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57−107535号公報
【非特許文献1】酒井慎太郎著「腰痛は99%完治する」株式会社幻冬舎、2009年12月10日、p.158−161
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のツボ・患部押圧具においては、押圧体が比較的に小さく、かつ硬い材料からなっていたため、テニスボールに比較し、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和の効果が小さいという問題があった。
【0006】
また、使用中に使用者が寝入ってしまうと、押圧体が使用者の体に長時間押圧され続けることになり、却って障害を引き起こす虞があった。
【0007】
さらに、押圧体と支持台との間にばねが介装された構造となっていたので、構造が複雑になるとともに、部品点数が多くなり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】
他方、硬式テニスボールをツボないしは患部等に押圧する場合は、ボールをそのままベッド、布団、ソファー、椅子の座面等の上に置くと、使用中にボールが不適切な場所へ動いてしまい易いというという問題があった。
【0009】
また、非特許文献1に示されているように、テニスボールが動かないように、ガムテープで2個のボールをくっつけることも従来行われていたが、必ずしもボールを適切な位置に十分安定に位置決めすることができないとともに、ガムテープが人体や衣服にひっつき、不快に感じ易いという問題があった。
【0010】
また、この場合も、使用中に使用者が寝入ってしまうと、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けることになり、却って障害を引き起こす虞があった。
【0011】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、硬式テニスボールまたはその他の弾力を有するボールを使用して、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和に高い効果を得ることができるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、ガムテープを用いることなく、ボールを支持することができるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、使用者が覚醒しており、ボールをツボないしは患部等に押圧しようとする意識を有している間は、ボールを所望の位置に安定に支持することができるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、ボールが外れ、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けないようにすることができ、安全であるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、ボールが人体を過度に強く押圧することがないようすることができるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、ボールが弾力を失ったり、損傷したりした場合は、簡単にボールを交換できるツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、人体に接触しても、痛みや不快感を与えることのないツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、構造が簡単で部品点数が少なく、製造コストが安価なツボ・患部押圧用ボール支持具を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によるツボ・患部押圧用ボール支持具は、人体に押圧されるべき弾力を有するボールを支持するツボ・患部押圧用ボール支持具であって、
ゴム弾性を有するエラストマーからなり、内周面が下方に向かって先細となるテーパー状とされている貫通穴を有し、外力を受けていない自由な状態では前記貫通穴の最小径部の径は前記ボールの径より小さくされており、
前記ボールが前記貫通穴から上下両方に突出した状態で該貫通穴に弾性的に嵌合されるようになっているものである。
【0021】
本発明のツボ・患部押圧用ボール支持具を使用する際には、人体のツボないしは患部等に押圧されるべき硬式テニスボール等の弾力を有するボールを、貫通穴から上下両方に突出した状態になるようにして、該貫通穴に弾性的に嵌合させた上、貫通穴の小径側が下方、貫通穴の大径側が上方に来るようにして、ベッド、布団、ソファー、椅子の座面(クッション性がない座面の場合はクッション、座布団等を敷く)等の柔軟性があるものの上に置く。そして、使用者はベッド、布団、ソファー等の上に寝たり、椅子に腰掛け、ツボないしは患部等にボールが押圧されるようにする(ボールにタオル等を被せ、ボールと人体との間にタオル等が介在されるようにしてもよい)。
【0022】
本発明のツボ・患部押圧用ボール支持具によれば、硬式テニスボールまたはその他の弾力を有するボールを人体のツボないしは患部等に押圧することができるので、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和に高い効果を得ることができる。
【0023】
また、ガムテープは用いないので、ガムテープが人体や衣服にひっつき、不快に感じることがない。
【0024】
また、使用者が覚醒しており、ボールをツボないしは患部等に押圧しようとする意識を有している間は、ボールが人体により上下方向、すなわち貫通穴の大径側から小径側に押されるので、ボールが人体に押されれば押されるほどボールが貫通穴に一層強く弾性的に嵌合する。したがって、使用者が覚醒している間は、ボールが本支持具から脱落する虞がなく、ボールを所望の位置に安定に支持することができる。
【0025】
その一方、使用中に使用者が寝入ってしまうと、ツボないしは患部にボールを押圧させようとする意識を失い、使用者の身体がボールに対し自然に横にずれようとするので、ボールに横方向の力が作用し、ボールが貫通穴から外れて本支持具から脱落する。したがって、使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けないようにすることができ、安全である。
【0026】
また、もしボールが人体に過度に強く押圧されると、むしろ人体に害を及ぼすことになる虞があるが、ボールのうちの貫通穴の下方に突出した部分はベッド、布団、ソファー、椅子の座面(または座面に敷かれたクッション、座布団等)等の中に沈み込んだ状態となるので、これにより力が吸収され、ボールが人体に過度に強く押圧されるのが防止され、適度な強さで人体に押圧されるようにすることができる。
【0027】
また、ボールを簡単に取り外すことができるので、ボールが弾力を失ったり、損傷したりした場合は、簡単にボールを交換できる。
【0028】
また、このツボ・患部押圧用ボール支持具は、ゴム弾性を有するエラストマーからなるので、本支持具自体に人体が接触しても、痛みや不快感を与えることはない。
【0029】
さらに、構造が簡単で部品点数が少ないので、製造コストを安価にすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のツボ・患部押圧用ボール支持具は、
(イ)硬式テニスボールまたはその他の弾力を有するボールを人体のツボないしは患部等に押圧することができるので、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和に高い効果を得ることができる、
(ロ)ガムテープは用いないので、ガムテープが人体や衣服にひっつき、不快に感じることがない、
(ハ)使用者が覚醒している間は、ボールを所望の位置に安定に支持することができる、
(ニ)使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、ボールが本支持具から脱落し、ボールが使用者の体に長時間押圧され続けないようにすることができ、安全である、
(ホ)ボールが人体に過度に強く押圧されるのを防止し、適度な強さで人体に押圧されるようにすることができる、
(ヘ)本支持具自体に人体が接触しても、痛みや不快感を与えることがない、
(ト)製造コストを安価にすることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるツボ・患部押圧用ボール支持具の一実施例を示す斜め下方から見て示す斜視図である。
【図2】前記実施例を示す正面図である。
【図3】前記実施例を示す平面図である。
【図4】前記実施例を示す底面図である。
【図5】図3のV−V線における断面図である。
【図6】前記実施例の貫通穴に硬式テニスボールを嵌合した状態を示す断面図である。
【図7】ベッドまたは布団に仰向けに寝た状態で使用する場合の前記実施例の支持具およびボールの挿入位置を示す使用説明面図である。
【図8】ベッドまたは布団に横向きに寝た状態で使用する場合の前記実施例の支持具およびボールの挿入位置を示す使用説明面図である。
【図9】椅子に座って使用する場合の前記実施例の支持具およびボールの挿入位置を示す使用説明面図である。
【図10】使用状態における前記実施例の本支持具およびボール付近の模式的な断面図である。
【図11】本発明者が開発過程で試作した試作品を本発明品との比較のために参考例として示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0033】
図1〜6は本発明によるツボ・患部押圧用ボール支持具の一実施例を示している。なお、本実施例では、ツボないしは患部等に押圧すべきボールとして、中空の弾力を有するボールである硬式テニスボールを使用する。
【0034】
ツボ・患部押圧用ボール支持具1は、ゴム弾性を有するエラストマー、具体的にはシリコーンゴムを一体的に成形してなる。前記シリコーンゴムのゴム硬度は、好ましくは20〜40、さらに好ましくは25〜35である。ゴム硬度がこのような範囲にない場合は、後述する作用効果が低下したり、得られない虞がある。
【0035】
本支持具1は、中央部に上下方向に貫通する貫通穴2を設けられており、全体に大略円環状をなしている。前記貫通穴2の内周面2aは、下方に向かって先細となるテーパー状とされている(ただし、ストレートなテーパーではなく、球面の一部をなすような凹曲面状のテーパーとされている)。支持具1が外力を受けていない自由な状態では、前記貫通穴2の最小径部の径Dminはボールの径より小さく、最大径部の径Dmaxはボールの径Dbより僅かに大きくされている(図5,6参照)。
【0036】
支持具1の上面1aは平らな面とされている。支持具1の下面側のうちの外周側の部分1bも平ら面とされているが、支持具1の下面側のうちの貫通穴2を取り囲む貫通穴囲繞部分1cは外周側の部分1bに比し下方に突出している。前記貫通穴囲繞部分1cの外周面1dは、該貫通穴囲繞部分1cが下方に向かって先細となるような凹曲面状をなしている。
【0037】
本支持具1を使用する際には、図6に示されるように、硬式テニスボール3を貫通穴2から上下両方に突出した状態になるようにして、該貫通穴2に弾性的に嵌合させた上、貫通穴2の小径側が下方、貫通穴2の大径側が上方に来るようにして、ベッド、布団、ソファー、椅子の座面(クッション性がない座面の場合はクッション、座布団等を敷く)等の柔軟性があるものの上に置く。そして、使用者はベッド、布団、ソファー等の上に寝たり、椅子に腰掛け、ツボないしは患部等にボール3が押圧されるようにする。
【0038】
本支持具1を用いると、例えば、次のような症状に特に高い効果を得ることができる(各症状の後に、押圧すべきツボないしは患部等を示している)。
【0039】
(a)目の疲れ…風池
(b)座骨神経病…座骨、足の三里、承山
(c)ぎっくり腰…承山、委中
(d)ムズムズ脚症候群…足の三里、承山
(d)寝付き…風池
(e)座りきりまたは立ちっぱなしの仕事等による足の疲労…殷門、委中、足の三里、
承筋、その他疲れている場所
(f)冷え性、血の道症…三陰交
例えば、風池4、座骨5、殷門6、委中7等を押圧したいときは、図7に示されるように、ベッド、布団、ソファー等8の上に使用者が仰向けに寝て(背臥位)、該当箇所の下に支持具1に嵌合されたボール3が位置するようにする。
【0040】
例えば、承山9、足の三里10、承筋11、三陰交12等を押圧したいときは、図8に示されるように、ベッド、布団、ソファー等8の上に使用者が横向きに寝て(側臥位)、該当箇所の下に支持具1に嵌合されたボール3が位置するようにする。
【0041】
殷門6を押圧したいときは、図9に示されるように、使用者が椅子の座面13に座って、該当箇所の下に支持具1に嵌合されたボール3が位置するようにしてもよい。
【0042】
なお、症状および使用箇所によっては、複数組の支持具1およびボール3を同時に使用することが好ましい。
【0043】
また、使用者の性別、年令、体格、あるいはツボないしは患部の場所等により、ボール3の押圧強さに対する感受性は異なって来るので、場合に応じて、ボール3にタオル等を被せ、ボール3と人体との間にタオル等が介在されるようにしてもよい(タオルを何重に折るかによってもボール3に押圧されたときに受ける感覚を調整できる)。
【0044】
図10は、使用状態における本支持具1およびボール3付近の模式的な断面図であり、この図では、使用者の身体のツボないしは患部等を符号Aで代表して示している。ボール3のうちの貫通穴2から上方に突出している部分が身体のツボないしは患部Aに押圧される一方、ボール3のうちの貫通穴2から下方に突出している部分および支持具1の貫通穴囲繞部分1cがベッド、布団、ソファー等8または椅子の座面13(または座面に敷かれたクッション、座布団等)に沈み込んだ状態となる。
【0045】
本支持具1によれば、硬式テニスボール3を人体のツボないしは患部等Aに押圧することができるので、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和に高い効果を得ることができる。
【0046】
また、本支持具1は、ガムテープは用いないので、ガムテープが人体や衣服にひっつき、不快に感じることがない。
【0047】
また、使用者が覚醒しており、ボール3をツボないしは患部等Aに押圧しようとする意識を有している間は、ボール3が人体により上下方向、すなわち貫通穴2の大径側から小径側に押されるので、ボール3が人体に押されれば押されるほどボール3が貫通穴2に一層強く弾性的に嵌合する。したがって、使用者が覚醒している間は、ボール3が本支持具1から脱落する虞がなく、ボール3を所望の位置に安定に支持することができる。
【0048】
また、使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、使用者がツボないしは患部にボール3を押圧させようとする意識を失い、使用者の身体がボール3に対し自然に横にずれようとするので、ボール3に横方向の力が作用し、ボール3が貫通穴2から外れて本支持具1から脱落する。したがって、使用中に使用者が寝入ってしまった場合は、ボール3が使用者の体に長時間押圧され続けないようにすることができ、安全である。
【0049】
また、もしボール3が人体に過度に強く押圧されると、むしろ人体に害を及ぼすことになる虞があるが、本支持具1では、前述のようにボール3のうちの貫通穴2の下方に突出した部分はベッド、布団、ソファー等8または椅子の座面13(または座面に敷かれたクッション、座布団等)等の中に沈み込んだ状態となるので、これにより力が吸収され、ボール3が人体に過度に強く押圧されるのが防止され、適度な強さで人体に押圧されるようにすることができる。
【0050】
また、本実施例では、支持具1の貫通穴囲繞部分1cもベッド、布団、ソファー等8または椅子の座面13(または座面に敷かれたクッション、座布団等)に沈み込んだ状態となるので、これによっても、力が吸収され、ボール3が人体に過度に強く押圧されるのが防止され、適度な強さで人体に押圧されるようにすることができる。
【0051】
図11は、本発明者が開発過程で試作したツボ・患部押圧用ボール支持具の試作品16を、本願発明の支持具1との比較のために参考例として示したものである。ゴムからなる試作品16は、テーパー状の貫通穴17を有しているが、ボール3は貫通穴17の上方にのみ突出し、下方には突出しない状態で貫通穴17に嵌合されるようになっている。また、支持具16の下面16aは平らで本願発明の貫通穴囲繞部分1cに相当する突出部は有していない。
【0052】
このような試作品16の構成では、ボール3はベッド、布団、ソファー、椅子の座面(または座面に敷かれたクッション、座布団等)等の中に全く沈み込まず、また試作品16もベッド等に沈み込みにくいので、ボール3が人体に過度に強く押圧され、むしろ人体に害を及ぼす虞がある。
【0053】
本支持具1の作用効果に戻ってさらに述べると、本支持具1は、ボール3を簡単に取り外すことができるので、ボール3が弾力を失ったり、損傷したりした場合は、簡単にボール3を交換できる。
【0054】
また、本支持具1は、ゴム弾性を有するエラストマーからなるので、本支持具1自体に人体が接触しても、痛みや不快感を与えることはない。
【0055】
さらに、本支持具1は、構造が簡単で部品点数が少ないので、製造コストを安価にすることができる。
【0056】
なお、本発明のツボ・患部押圧用ボール支持具は、硬式テニスボール以外の、軟式テニスボール、硬式・軟式野球ボール、ソフトボール、ピンポンボール、その他の弾力を有するボール(中空でないものも含む)を支持させて、ツボないしは患部に押圧するようにすることもできる。
【0057】
また、前記実施例においては、支持具1がシリコーンゴムにより構成されているが、本発明の支持具は、シリコーンゴム以外のゴムや熱可塑性エラストマーのような、他の種のゴム弾性を有するエラストマーにより構成してもよい。
【0058】
また、前記実施例においては、貫通穴2の内周面2aが曲面状のテーパー状とされているが、ストレートなテーパー状としてもよい。
【0059】
また、前記実施例においては、支持具1が大略円環状をなしていて外周が円形をなしているが、本発明におけるツボ・患部押圧用ボール支持具の外周は必ずしも円形でなくてもよい。
【0060】
また、前記実施例においては、1つの支持具に1つの貫通穴が設けられているが、1つの支持具に2以上の貫通穴を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように本発明によるツボ・患部押圧用ボール支持具は、病気ないしは身体的異常等の諸症状の緩和等を図る目的で、硬式テニスボール等の弾力を有するボールを人体のツボないしは患部等に押圧する際に、そのボールを位置決めするためのボール支持具として有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 ツボ・患部押圧用ボール支持具
1a 支持具の上面
1b 支持具の下面側のうちの外周側の部分
1c 貫通穴囲繞部分
1d 貫通穴囲繞部分の外周面
2 貫通穴
2a 貫通穴の内周面
3 硬式テニスボール
A 身体のツボないしは患部等
Dmin 貫通穴の最小径部の径
Dmax 貫通穴の最大径部の径
Db ボールの径
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に押圧されるべき弾力を有するボールを支持するツボ・患部押圧用ボール支持具であって、
ゴム弾性を有するエラストマーからなり、内周面が下方に向かって先細となるテーパー状とされている貫通穴を有し、外力を受けていない自由な状態では前記貫通穴の最小径部の径は前記ボールの径より小さくされており、
前記ボールが前記貫通穴から上下両方に突出した状態で該貫通穴に弾性的に嵌合されるようになっているツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項2】
下面側のうちの前記貫通穴を取り囲む貫通穴囲繞部分は、該部分より外周側の部分に比し下方に突出している請求項1記載のツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項3】
前記エラストマーのゴム硬度は20〜40である請求項1または2記載のツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項4】
前記エラストマーはシリコーンゴムである1乃至3のいずれか1項に記載のツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項5】
前記ボールは硬式テニスボールである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項1】
人体に押圧されるべき弾力を有するボールを支持するツボ・患部押圧用ボール支持具であって、
ゴム弾性を有するエラストマーからなり、内周面が下方に向かって先細となるテーパー状とされている貫通穴を有し、外力を受けていない自由な状態では前記貫通穴の最小径部の径は前記ボールの径より小さくされており、
前記ボールが前記貫通穴から上下両方に突出した状態で該貫通穴に弾性的に嵌合されるようになっているツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項2】
下面側のうちの前記貫通穴を取り囲む貫通穴囲繞部分は、該部分より外周側の部分に比し下方に突出している請求項1記載のツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項3】
前記エラストマーのゴム硬度は20〜40である請求項1または2記載のツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項4】
前記エラストマーはシリコーンゴムである1乃至3のいずれか1項に記載のツボ・患部押圧用ボール支持具。
【請求項5】
前記ボールは硬式テニスボールである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のツボ・患部押圧用ボール支持具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−217594(P2012−217594A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85914(P2011−85914)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(511089549)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(511089549)
【Fターム(参考)】
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