説明

ツマ丸め機およびツマ丸め方法

【課題】大きさが均一に揃った多数個のツマを形成するツマ丸め機を提供する。
【解決手段】予めケンをほぼ均一に敷いたトレイの上方へ、開閉可能な2つのフォーク体を有する複数のフォークユニット(3)を配置する。フォーク体を開いたままフォーク先端がトレイの底面に達するまでフォーク体を下降させ、次に各ユニットのフォーク体を閉じて、フォーク間にケンを挟んで固定する。ケンを挟んだままフォークユニット(3)を一斉に数回転させることにより、トレイ上のケンは、ほぼ同じ大きさにフォークに巻きつき塊となる。その後フォーク体を上昇させると共にフォーク体からケンを押し下げて外し、ケンが丸められた複数個のツマをトレイ上に盛る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大根などの野菜を千切りにしたケンを丸めて複数の塊に形成し、トレーに盛るツマ丸め機およびツマ丸め方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トレイに載せて販売される刺身には、大根のケンを一食分の塊に丸めたツマが添えられる。またはトレイに敷かれたツマ上へ刺身を載せて販売されている。刺身の包装作業の現場では、刺身の盛りつけに先立って、予めツマを少量に区分けしたものを多数個準備している。例えば約20グラム前後にツマを区分けし、更にツマを軽く塊に丸めて作り置きしている。ツマはトレーの大きさにより、あるいは刺身の盛り方により、丸められた塊を数個から6〜7個使用して刺身の盛りつけのベースに用いられる。
このケンを区分けしてツマに丸める作業は、現在人手によっているが、ケンを一定量にちぎって更にこれを丸めてトレイに整然と詰める作業は、手作業では効率が上がらないばかりか、この作業を長時間続けると作業者を著しく疲労させる。
スーパーからはケン製造業者に対して、ケンを一定量に区分けし且つ軽く丸めた状態で納入することを求める要望が多い。
【0003】
従来ケンを収容した容器から、1回分のケンをピンに絡ませて取り出し、取り出されたケンへ突起付き回転体を押しつけることにより、ケンを突起に巻き付かせて丸め、トレイ上へ排出する自動機が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-290832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら回転体の突起にケンを巻き付かせて丸める方法は、ツマの量が一定しない問題がある。千切りされたケンには長短があるため、長いケンに対しては、回転体はケンを巻き付けて大きなツマを作り、ケンが短いときはケンは突起に巻き付きにくく、丸められたツマの量は小さくなり、ツマの大きさが不揃いとなるからである。
【0006】
本願発明者は機械を用いてケンを丸めるための多くの方法を試みた。最も便利な方法は、ケンを敷いた厚さ中にフォークを差し込んで回転させ、スパゲッティをフォークに巻く要領でケンを丸めることである。しかし上述した従来例の装置と同様に、フォークの回転を続けるとフォークにはいくらでもケンが巻き付いて大きくなり、ツマの量は一定しない。
また複数のツマを同時に作るために複数本のフォークをケンに刺して回転させると、複数本のフォークにまたがったケンは、引張り力の強い方のフォークに引かれて弱い方のフォークから抜け出し、強い方のフォークに引き込まれるため、必然的にツマの大きさが不均一となる。同量同大の複数のツマを多量に機械的に作ることには、技術的な困難があった。
【0007】
本発明は、大きさの揃った複数のツマを機械的に形成してトレイに盛ることが出来る方法及び装置を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法は、上記問題を解決するため図10に示す如く、予めケンをほぼ均一に敷いたトレイの上方へ、開閉可能な2つのフォーク体を有する複数のフォークユニット(3)を配置して待機する(図10a)。フォーク体を開いたままフォーク先端がトレイの底面に達するまでフォーク体を下降させ(図10b)、次に各ユニットのフォーク体を閉じて、フォーク間にケンを挟んで固定する(図10c)。ケンを挟んだままフォークユニット(3)を一斉に数回転させることにより、トレイ上のケンは、ほぼ同じ大きさにフォークに巻きつき塊となる(図10d)。その後フォーク体を上昇させると共にフォーク体からケンを押し下げて外し、ケンが丸められた複数個のツマをトレイ上に列べるのである(図10e)。
【0009】
本発明のツマ丸め機は、下部にトレイ載置面を配置し、上部に支持テーブルを昇降可能に具えた基台(1)と、
2つのフォーク体を接近離間可能に具え、前記支持テーブルに支持されてフォーク体を一斉に回転、昇降、開閉させる複数本のフォークユニット(3)と、
フォークユニット(3)に連繋しフォークユニット(3)中のフォーク体をトレイ載置面に対して相対的に昇降させる昇降装置(6)と、
フォークユニット(3)に連繋しフォーク体を回転させる回転装置(5)と、
フォークユニット(3)に連繋しフォーク体を開閉させる開閉装置(7)と、
フォーク体に対し相対的に上下動し、フォーク体に巻き付いたツマをフォーク体から外す外し装置、とを具えている。
【発明の効果】
【0010】
1本のケンが2つのフォークユニット(3)に跨って絡まっていても、ケンは複数箇所でそれぞれフォーク体に挟まれ固定されているから、ケンはフォーク体から抜け出ることはない。また回転によりケンはフォーク体間で引っ張られ分断されるから、フォーク体に巻き付いて形成されるツマは不揃いにはなりにくく、ほぼ同じ大きさとなる。よって複数のフォークユニット(3)の一斉動作により、大きさの揃った複数のツマが形成され、トレイ上に配置できるのである。
【0011】
フォークユニット(3)は、フォーク体を開き、昇降装置(6)によってフォーク体下端をトレイ載置面の高さまで下降させ、開閉装置(7)によって2つのフォーク体を接近させて閉じ、トレイ載置面上のケンを挟んで把持する。フォーク体が閉じたまま回転装置(5)によってフォーク体を数回回転させて、ケンをフォーク体に巻き付ける。その後フォーク体を閉じたまま昇降装置(6)によって上昇させると共に、外し装置とフォーク体とを相対移動させ,フォーク体に巻き付いたツマをフォーク体から押し下げて外し、これによって、トレイ載置面上へ同量同大の複数個のツマを列べることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明のツマ丸め機の全体斜視図である。
【図2】図2は要部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図3は要部断面図である。
【図4】図4はフォークガイド筒(34)の一部を破断しフォーク体を収容した状態を示すフォークユニット(3)の透視図である。
【図5】図5はフォークユニット(3)の底面斜視図である。
【図6】図6はフォークガイド筒(34)の一部を破断しフォーク体を下降させた状態を示すフォークユニット(3)の斜視図である。
【図7】図7はフォークユニット(3)の中央縦断面図である。
【図8】図8はフォーク体の斜視図である。
【図9】図9はフォーク体の開閉装置(7)の概略を示すフォーク体の斜視図である。
【図10】図10a乃至eは本発明方法の概略を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を大根を千切りにしたケンを丸めて塊にするツマ丸め機に適用した例を説明するが、ツマは大根のケンに限定されるものではなく、ウド、ジャガイモ、キュウリ、人参、カブラなどの野菜を千切りにしたケンにも適用できる。また糸こんにゃく、麺等の糸状食品を一玉分量の大きさに丸めて業務用トレイに複数個並べる装置にも適用できる。
【0014】
(全体構成)
ツマ丸め機は、矩形の上下枠板(11,12)の4隅を4本のねじ軸(13)によって連結して基台(1)を構成し、該基台(1)下部には、間歇移動するコンベア(9)を水平に架設したコンベア搬送面などのトレイ載置面(17)を具える。
基台(1)上部には、複数本のフォークユニット(3)を回転自由に軸受けした支持テーブル(2)が、ねじ軸(13)に係合し、上下動装置(21)に連繋して、ねじ軸(13)に沿って昇降可能に配備されており、トレイ載置面(17)またはコンベア(9)の搬送面に対してフォークユニット(3)を適当高さに保っている。
各フォークユニット(3)は一対のフォーク体(4)を接近離間可能、昇降可能に具え、フォークユニット(3)に連繋した昇降装置、開閉装置、回転装置によってフォーク体(4)の開閉、昇降、回転をするとともに、フォーク体(4)に対応して配備した外し装置(8)によってフォーク体(4)に巻いたツマを外し、コンベア(9)上に搬送されたトレイ(91)中に複数個の均一大きさのツマを整然と列べる。
【0015】
(支持テーブル(2))
図2,図3に示すごとく、支持テーブル(2)は、ねじ軸(13)に係合した内ねじ軸受け(24)を四隅に備え、ねじ軸(13)によって水平に支持されている。支持テーブル(2)には、スプロケット付き駆動軸(22)を有する駆動モータ(23)と内ねじ軸受け(24)に取り付けたスプロケット(25)とをチェーン(26)で連繋した上下動装置(21)を備えている。支持テーブル(2)は、駆動モータ(23)の回転により、チェーン(26)を介して各内ねじ軸受け(24)のスプロケット(25)を同期回転させることにより、支持テーブル(2)は水平を保って上下動する。支持テーブル(2)には、複数本のフォークユニット(3)が、例えば20本のフォークユニット(3)が支持テーブル(2)を貫通して配置され、軸受け(31)を介して回転自由に支持されている。
【0016】
(フォークユニット(3))
フォークユニット(3)は図7に示すごとく、軸受(31)に回転自由に嵌合し端部にスプロケット(32)を備えた回転軸(33)と、一端を該回転軸(33)に取り付けて回転軸(33)と一体回転するフォークガイド筒(34)と、該フォークガイド筒(34)中へ摺動可能に配備された昇降用スライダー(35)と、一端が昇降用スライダー(35)に取り付けられた一対のフォーク体(4)(4)とから構成されている。
フォークガイド筒(34)の上部には、昇降用スライダー(35)の摺動範囲に合わせて軸方向に2つの長孔(36)を開設する。長孔(36)と昇降用スライダー(35)に昇降用ピン(61)を貫通して、昇降用スライダー(35)はフォークガイド筒(34)に対して摺動自由且つフォークガイド筒(34)と一体回転する。
2つのフォーク体(4)(4)は、図7,図9に示すごとく、それぞれ上端部は昇降用スライダー(35)に取り付けられ、中間部を交叉して交叉部(42)を形成して位置を入れ替え、下端部にフォーク面(41)を有しており、後述する昇降装置(6)、開閉装置(7)に連繋して、昇降用スライダー(35)と一体に昇降及び回転すると共に、フォーク面(41)を互いに接近離間して、ケンの把持と、把持したツマを解放する。
フォーク面(41)は、フォーク体(4)の下端に3ないし5本の爪を一列に櫛歯状に伸ばして形成したものであって、敷かれたケン(93)に差し込むと共に、フォーク体(4)が接近することにより、2つのフォーク面(41)によってケンを把持することが出来る。フォーク面(41)の形状は一対となってケンを把持できるものであれば自由であり、板面、1本の箸であっても良い。
【0017】
(回転装置(5))
フォークユニット(3)を支持テーブル(2)に軸受けして適時回転するため、回転装置(5)は、支持テーブル(2)に回転用モータ(51)を配備し、各フォークユニット(3)の回転軸(33)に取り付けた各スプロケット(32)とモータ(51)をチェーン(52)によって連繋している。回転装置(5)は、モータ(51)の回転により、チェーン(52)を介してフォークユニット(3)の回転軸(33)を一斉に回転駆動する。
【0018】
(昇降装置(6))
フォーク体(4)を上昇位置と下降位置に切り換える昇降装置(6)には様々な設計変更が可能であるが、図3及び図7にその一例を示している。支持テーブル(2)の下面には、エアシリンダー、ソレノイド等の昇降手段(62)によって昇降する昇降用テーブル(63)を配備している。昇降用テーブル(63)には、各フォークユニット(3)に対応してピン受け(61)を配備し、フォークユニット(3)の昇降用スライダー(35)とフォークガイド筒(34)の長孔(36)を貫通して側方へ突出したピン(61)の両端を上下から挟み、ピン(61)がフォークガイド筒(34)と一体に回転する事は許すが、ピン(61)及び昇降用スライダー(35)を昇降用テーブル(63)と同時に昇降すべく支持している。
昇降用テーブル(63)が上昇位置にあるとき、昇降用スライダー(35)はフォークガイド筒(34)の長孔(36)の上端にあり、フォーク面(41)の下端はフォークガイド筒(34)下端の口金(82)高さまで上昇している(図4,図7)。
昇降用テーブル(63)が下降位置にあるときは、ピン(61)はフォークガイド筒(34)の長孔(36)の下端にあり、フォーク面(41)の下端は口金(82)から突出し、下方のトレー載置面(17)まで伸びる(図6,図10c)。
【0019】
(開閉装置(7))
フォークユニット(3)の開閉はカム、電磁ソレノイド、リンク機構などを利用した様々な設計によって可能であるが、図3,図7,図9にはその一例を示す。昇降用テーブル(63)の下面には、エアシリンダー、ソレノイド等の昇降手段(7)によって、開閉用テーブル(72)を昇降可能に配備している。開閉用テーブル(72)は、各フォークユニット(3)に対応してピン受け(73)を配備している。フォーク体(4)の交叉部(42)に対応してフォークガイド筒(34)に軸方向の長孔(37)を開設し、フォークガイド筒(34)中には、交叉部を囲んで筒状の開閉用スライダー(75)を配備している。開閉用スライダー(75)の外周面には2本の駆動用ピン(76)を、フォークガイド筒(34)の長孔(37)を貫通して外方へ突設し、開閉用テーブル(72)上のピン受け(73)によって、駆動用ピン(76)を上下から挟んで支持し、ピン(76)はフォークガイド筒(34)と一体に回転し且つ開閉用スライダー(75)及び開閉用テーブル(72)と同時に上下駆動する。
開閉用スライダー(75)には交叉部(42)の上方及び下方横切って、開ピン(77)及び閉ピン(78)を直径方向に貫通して配備している。
【0020】
開閉用テーブル(72)が昇降手段(71)に引き上げられて上昇位置にあるとき、駆動用ピン(76)は開閉用長孔(37)の上端に位置し、開閉用スライダー(75)を上昇させている。従って上方の閉ピン(78)は交叉部から脱出し、下方の開ピン(77)は交叉部に下方から進入して、2つのフォーク体(4)を押し離すように作用する。また開閉用テーブル(72)が下降すると、駆動ピン(76)は開閉用長孔(74)の下端に移り、開閉用スライダー(75)を下降させるから、下方の開ピン(77)は交叉部から脱出し、上方の閉ピン(78)が上方から交叉部に進入して、2つのフォーク体(4)を近付けるように作用する。
【0021】
(外し装置(8))
外し装置(8)は、フォーク体(4)のフォーク面(41)に巻き付いたツマをフォーク面(41)から外すように構成した様々な設計が可能であるが、図5,図7はその一例を示す。フォークガイド筒(34)の下端にフォーク収容筒(81)を取り付け、該フォーク収容筒(81)の端部に口金(82)を備えたものである。口金(82)の位置はフォーク体(4)の上昇時のフォーク面(41)下端に対応しており、口金(82)にはフォーク面(41)のフォーク1本ずつに対応してフォークの数だけ並んだスリット(83)を開設している。フォークは口金(82)のスリット(83)中から出没しかつスリット(83)から突出したまま開閉が可能である。
【0022】
(その他の構成)
支持テーブル(2)は4隅にガイド軸を垂下し、ガイド軸は昇降用テーブル(63)、開閉用テーブル(72)を貫通して下端を連結枠でつなぎ、昇降用テーブル(63)、開閉用テーブル(72)を摺動可能に案内する。また連結枠からは突出長さの調節可能な調節軸を下向きに突設して、フォーク面(41)下端をトレイ載置面にそろえる。
基台(1)には計量器(18)が連結され、コンベア(9)の間歇移動、フォークユニット(3)の上下動装置、昇降装置(6)、開閉装置(7)は、制御ボックスのプログラムに従って作動する。
【0023】
(作用)
次に本発明のツマ丸め機の作動を説明する。作業者は計量器(18)にトレイを置き、ケンを計量しながらトレイ底にケンを均一厚さに均し、これをコンベア(9)に移すだけでよい。そのあとはプログラムに従って、ケンを丸めて、トレイ上へのツマの配列と基台(1)からの搬出が自動的に行われる。
(待機時)
フォーク体(4)は上昇してフォークガイド筒(34)中に収容され、フォーク面(41)は開いてその下端は口金(82)と同じ高さにある。支持テーブル(2)は上位置にあって、トレイ載置面上へ、ケンを敷いたトレイの進入に待機している(図3,図4,図7)。
【0024】
(ケン厚さ中へ差し込み)
上下動装置の駆動モータ、チェーン、スプロケットが回転して、支持テーブル(2)が下降し調節軸(16)下端がトレイ載置面高さまで下がると止まる。次に昇降装置(6)のエアシリンダーが駆動軸を伸ばして昇降用テーブル(63)を下げ、ピン受けを介して昇降用スライダー(35)を下降させる。フォーク面(41)は口金(82)のスリット(83)孔から突出して、フォーク面(41)下端はトレイの底面に敷かれたケンに差し込まれる(図6)。なお支持テーブル(2)の下降と昇降用テーブル(63)の下降は、順序の入れ替え、または同時作動しても良い。
【0025】
(ケンの把持)
次に開閉装置(7)のエアシリンダーが駆動軸を伸ばし、開閉用テーブル(72)を下げ、ピン受けを介して各フォークユニット(3)の開閉用スライダー(75)を下降させる。開ピンがフォーク体(4)の交叉部に進入して、傾斜しているフォーク体(4)の斜面を押すから、2つのフォーク体(4)の下端は接近し、フォークユニット(3)はフォーク面(41)間にあったケンをフォーク面(41)に挟んで把持する(図10c)。
【0026】
(ツマの丸め)
その後、支持テーブル(2)上の回転装置(5)のモータが回転し、チェーンを介して各フォークユニット(3)の回転軸(33)を一斉に5〜10回転させる。昇降用スライダー(35)はピン(61)が長孔(36)の側面に押されて回転し、従って昇降用スライダー(35)に取り付けた2つのフォーク体(4)を回転せしめる。2つのフォーク体(4)はフォーク面(41)がケンを把持したまま回転するから、フォーク面(41)の周りにケンが巻き付き、ツマの丸めが行われる(図10d)。1本のケンが複数のフォークユニット(3)に把持されてフォーク面(41)に巻かれることもある。その場合ケンは把持されているフォーク面(41)から抜け出ることはなく、巻き取り張力がケンの強度を超えるとケンは分断し、ほぼ均一な大きさのツマとなる。
【0027】
(ツマの整列)
昇降装置(6)のエアシリンダーが駆動軸を引き込み、昇降用テーブル(63)を引き上げて、フォーク面(41)は閉じたまま口金(82)のスリット(83)に没入する。フォーク面(41)に巻き付いていたツマは、口金(82)のスリット(83)によってフォーク面(41)から押し下げられて、外され、トレイの底に整然と並ぶ。
その後開閉装置(7)のエアシリンダー(71)も駆動軸を引き込み、開閉用テーブル(72)を引き上げて、開閉用スライダー(75)の開ピンは交叉部に進入し、フォーク体(4)を開き、丸め機は待機状態に戻る。
トレイは、発泡スチロールを素材とする食品販売用トレイを用いることにより、丸めたケンを移し替える手間が省け、丸め残りのケンがロスとなることはない。
【0028】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは特許請求の範囲を減縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。フォークユニットは、一対のフォーク体に代えて、一本の軸体下端に開閉可能なケン挟み具を設け、ケン挟み具はリンク機構によって開閉すると共に、軸体に回転装置、昇降装置を連繋して、把持具の回転と昇降を行っても良い。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、大きさの揃った多数のツマを形成するツマ丸め機として有用である。
【符号の説明】
【0030】
(1) 基台
(17)トレイ載置面
(2) 支持装置
(3) フォークユニット
(35)フォークガイド筒
(4) フォーク体
(5) 回転装置
(6) 昇降装置
(7) 開閉装置
(8) 外し装置
(93)ケン
(94)ツマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレー載置面(17)を備えた基台(1)と、
トレー載置面(17)上方にて基台(1)に回転可能に支持された複数のフォークユニット(3)と、
各フォークユニット(3)に連繋しフォークユニット(3)を回転させる回転装置(5)と、
各フォークユニット(3)を構成し、基台(1)に対する昇降及び互いに接近離間可能な一対のフォーク体(4)と、
フォーク体(4)に連繋しフォーク体(4)を昇降させる昇降装置(6)と、
フォーク体(4)にそれぞれ連繋しフォーク体(4)を開閉させる開閉装置(7)と、
フォーク体(4)に沿って相対的に移行し把持されたツマ(94)をフォーク体(4)から外す外し装置(8)と、
から成るツマ丸め機。
【請求項2】
フォークユニット(3)は、基台(1)に回転自由に支持されているフォークガイド筒(34)と、
フォークガイド筒(34)内に収容され、フォークガイド筒(34)内を上下移行可能且つフォークガイド筒(34)と同時回転する昇降用スライダー(35)とを具え、
一対のフォーク体(4)はフォークガイド筒(34)内に収容され、一端を昇降用スライダー(35)に取り付けている、請求項1に記載のツマ丸め機。
【請求項3】
昇降装置(6)は、基台(1)に支持され、フォークガイド筒(34)を回転自由に支持した支持テーブル(2)と、
支持テーブル(2)の下方へ上下動可能に配備された昇降用テーブル(63)(63)と、
該昇降用テーブル(63)(63)に連繋した昇降手段と、
昇降用スライダー(35)から突出した昇降用ピン(61)を回転自由且つ昇降用テーブル(63)と同時に昇降すべく支持しているピン受け(64)とを具えている、請求項2に記載のツマ丸め機。
【請求項4】
回転装置(5)は、基台(1)または支持テーブル(2)に配備した駆動手段(51)をフォークガイド筒(34)に連繋してフォークガイド筒(34)を回転駆動し、昇降用スライダー(35)をフォークガイド筒(34)の軸方向の移行は自由且つ、フォークガイド筒(34)と同時回転させることにより、フォーク体(4)を回転させる、請求項2または3に記載のツマ丸め機。
【請求項5】
開閉装置(7)は、フォークガイド筒(34)内に上下動可能に配備した開閉用スライダー(75)(75)と、
並置した一対のフォーク体(4)を交差させてフォーク体(4)の位置を入れ替えた交差部(42)と、
開閉用スライダー(75)から内向きに突出し交差部の上方および下方横切って挿入した一対の開閉用ピン(77)(78)と、
支持テーブル(2)の下方へ上下動可能に配備された開閉用テーブル(72)と、
該開閉用テーブル(72)に連繋した昇降手段(71)と、
開閉用スライダー(75)から外向きに突出しフォークガイド筒(34)を上下移動自由に貫通した開閉駆動用ピン(76)を、回転自由且つ開閉用テーブル(72)と同時に昇降すべく支持しているピン受け(73)、とを具えている、請求項2ないし4の何れかの項に記載のツマ丸め機。
【請求項6】
ケンを均一厚さに敷いたトレーに、複数のフォークユニット(3)を降ろしてケンを掴ませ、該フォークユニット(3)をそれぞれ短時間回転させてフォークユニット(3)下端にケンを巻き付けて丸めると共に、複数のフォークユニット(3)に跨って巻き付いたケンをフォークユニット(3)の回転により切断して、所定大のツマに丸め、フォークユニット(3)に巻き付いたツマをフォークユニット(3)から押し下げて、外し、トレー上に丸めたツマを複数個盛ることを特徴とする、ツマを丸める方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−205559(P2012−205559A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74695(P2011−74695)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(392035019)吉泉産業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】