説明

テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の製造方法

【課題】 機能性樹脂などの原料または中間体として高い利用価値を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物を、高純度で効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】 下記式(1)で表される5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物を含有する下記式(2)で表される粗テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物をアルカリ化合物と接触させる。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性樹脂などの原料または中間体として高い利用価値を有する、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物は、マレイン酸無水物または5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物とシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンとのDiels−Alder反応によって合成されることが知られている(特許文献1および2参照)。
これらの反応方法において反応生成物中に目的物であるテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の他に、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物や、シクロペンタジエンの3量体、シクロペンタジエンの4量体などが含有される。前記公知文献において反応精製物を蒸留によって精製する方法が記載されている。しかしながら、これら目的物質や共存物質は、室温で固体であり、蒸留精製を実施する際には、コンデンサー、受器、移送ラインなどを含めた装置全体を常に加温下で取り扱う必要があり、局所的に温度が低下した際には閉塞などの重大なトラブルが懸念された。また、精留を繰り返すことで高純度品を取得することは可能ではあるが、収率が低下し、工業的な製造方法としては課題があった。
【0003】
一方、反応生成物を晶析して精製する手法では、目的物であるテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物と、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の溶媒への溶解特性が類似していることから、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の存在量を低減することが困難であった。
【特許文献1】特開昭63−227544号公報
【特許文献2】特開平3−99040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように公知の技術では、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の純度が不十分であるか、または、高純度な製品を得るためには、工業的な製造においては特殊な設備を要する、収率が不十分などの課題があった。
本発明の目的は上述のように機能性樹脂などの原料または中間体として高い利用価値を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物を高純度で効率よく製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、反応後に混入する不純物である5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物と目的物であるテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物は、意外にも酸無水物でありながら容易に加水分解されない性質を有することを見出し、さらにアルカリ化合物の存在下に加水分解を行うと、目的物であるテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物のみが選択的に加水分解され、水溶性化合物として分離できることに知見して、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明の第1の要旨は、下記式(1)で表される5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物を含有する下記式(2)で表される粗テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物をアルカリ化合物と接触させることを特徴とするテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,
5−ジカルボン酸無水物の製造方法、に存する。
【0007】
【化3】

【0008】
【化4】

【0009】
本発明の第2の要旨は、前記方法により得られたテトラシクロ[6.2.1.13,6
2,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物を晶析によりさらに精製処理を行う、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の製造方法、に存する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、高純度の目的物であるテトラシクロ[6.2.1.13,6
.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物を、工業的に容易に実施可能
な方法で製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明につき、詳細に説明する。
<粗テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の調製>
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物は、公知のDiels−Alder反応によって実施される。通常、酸無水物骨格の原料としてマレイン酸無水物または、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が使用される。
【0012】
シクロペンタジエン骨格としては、シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンが用いられる。工業的には価格と取り扱いやすさから、マレイン酸無水物とジシクロペンタジエンの組み合わせや、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物とジシクロペンタジエンとの組み合わせが好適に用いられる。
マレイン酸無水物を原料とする場合、シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンの使用量は、シクロペンタジエン骨格のモル数換算で、マレイン酸無水物に対し、下限が通常1.4モル倍以上、好ましくは1.6モル倍以上、さらに好ましくは1.8モル倍以上であり、上限は通常、10モル倍以下、好ましくは、4モル倍以下、さらに好ましくは、3モル倍以下である。
【0013】
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物を原料とする場合は、シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンの使用量は、シクロペンタジエン骨格のモル数換算で、マレイン酸無水物に対し、下限が通常0.4モル倍以上、好ましくは0.6モル倍以上、さらに好ましくは0.8モル倍以上であり、上限が通常、5モル倍以下、好ましくは、4モル倍以下、更に好ましくは、1.5モル倍以下である。
【0014】
反応温度は下限が通常140℃以上、好ましくは160℃以上、さらに好ましくは170℃以上であり、上限が通常300℃以下、好ましくは270℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
反応時間は下限が通常1分以上、好ましくは5分以上であり、上限は通常10時間以下である。
【0015】
反応は適当な溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒の種類としては、原料、中間体および生成物に対して不活性であれば制限はないが、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ブチロラクトン、バレロラクトンなどのラクトン類;ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル;テトラヒドロフランなどの鎖状または環状エーテル類などが例示できる。なかでも芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類が好ましく、更に好ましくは芳香族炭化水素である。
【0016】
反応により得られた組成物には前記式(1)で示される化合物が存在する事が通常である。反応液組成は、水素炎イオン化検出器(FID検出器)が付帯されたガスクロマトグラフで分析することができる。前記式(1)で示される化合物の存在量は反応条件によって異なるが、式(2)で示された化合物のガスクロマトグラフでのピークの面積を100とした場合に、式(1)で示される化合物の面積は、5〜400程度存在する。
【0017】
<アルカリ化合物との接触処理>
本発明においては、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物を含有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物をアルカリ化合物との接触処理させることにより精製して、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物を得る。
【0018】
アルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属化合物などが挙げられる。中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの強アルカリ化合物が、化合物(1)の加水分解がし易い点で好ましい。
【0019】
上記アルカリ化合物の使用量は、反応組成物中の5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の存在量を指標に決定することが好ましい。5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の存在量は、上記したガスクロマトグラフで測定することができる。5−ノルボルネン−2,3−カルボン酸無水物としてはexo体とendo体の2つの立体異性体が存在するが、合計値を5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の存在量とする。アルカリ化合物の使用量は5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物に対し、下限が通常1モル倍以上、好ましくは2モル倍以上であり、上限が通常10モル倍以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは4倍モル倍以下である。
【0020】
この量が少なすぎると5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の除去が不十分になる傾向があり、また多すぎると、目的物の収率が低下する傾向がある。
上記アルカリ化合物は水溶液の形態で、粗テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7
ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物を含有する反応液と接触させることが好ましい。水溶液中の濃度は、下限が通常、0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上であり、上限は飽和溶解度である。
【0021】
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物とアルカリ金属水溶液とを接触させる際、水と混和しない溶媒を用いて抽出処理する方法も好ましく実施される。
水と混和しない溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジブチルエーテルなどのエーテル類が例示される。中でも、上記反応にも好適である芳香族炭化水素類や脂肪族炭化水素類を用いること事が好ましい。
【0022】
水と混和しない溶媒の使用量は目的物が水溶液との接触時に完溶する条件で行うことが好ましく、溶媒の種類、処理温度を考慮して選択されるが、一般的には、反応時に使用される溶媒も含めて、反応原料の合計の重量に対して、下限が通常0.1重量倍以上、好ましくは0.5重量倍以上であり、上限が通常100重量倍以下、好ましくは50重量倍
以下である。
【0023】
アルカリ化合物との接触処理温度は、特に制約はないが、下限が通常0℃以上、上限が通常100℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは40℃以下である。
アルカリ化合物との接触処理時間は、下限が通常0.1時間以上、好ましくは0.2時間
以上であり、上限が通常100時間以下、好ましくは80時間以下の範囲である。
以上のようなアルカリ化合物との接触処理によって、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物は加水分解し、加水分解物は水溶液層に分配される。水溶液層を分離した後、油層を純水で洗浄してもよい。このようにして得られた油層からテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物が取得される。5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の存在量は、Diels−Alder反応条件や、アルカリ処理条件によって変動するが、テトラシクロ[6.2.1.13,6
2,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物のガスクロマトグラフの面積を
100とした場合、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の面積は、通常、10以下、好ましくは5以下、更に好ましくは2以下である。
【0024】
<晶析>
本発明においては、上記処理に続いて、目的物であるテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物を晶析により精製することにより、さらに高純度の目的物を得ることができる。
晶析に用いる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジブチルエーテルなどのエーテル類が例示される。中でも芳香族炭化水素類や脂肪族炭化水素類が好ましく、これらの混合溶液も好ましく用いることができる。
【0025】
晶析による精製を行うことによって、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン3量体、シクロペンタジエン4量体の存在量を低減することができる。
【実施例】
【0026】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
<Diels−Alder反応>
反応器に、市販のendo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物115g
、ジシクロペンタジエン46g、トルエン160gを仕込んだ。系内の攪拌下、190℃に昇温し、3時間保持した。その後、反応器を25℃まで冷却した。反応液をガスクロマトグラフで分析した結果、exo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物と、endo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の合計で、34g相当残留していることがわかった。
【0027】
<アルカリ化合物との接触処理>
上記反応液320gに対して、トルエン645gをガラス容器に仕込んだ。攪拌下、室温にて、5重量%水酸化ナトリウム水溶液420gを2時間かけて滴下した。滴下後攪拌を停止し、静置した。水層を除去した後、420gの純水を加え、20分攪拌し、10分静置し、水層を除去した。かかる水洗を3回実施した。
【0028】
ガスクロマトグラフにて分析した結果、目的物の面積を100とすると、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(exo体とendo体の合計)の面積は0.98であった。
<濃縮>
この様にして得たトルエン溶液を、ロータリーエバポレーターにてトルエン濃縮した。トルエンの存在量が50重量%となった状態で濃縮を停止させた。
【0029】
<晶析>
ガラスの攪拌槽に、ヘプタン332gを仕込んだ。25℃にて上記濃縮液173gを滴下した。攪拌下、反応器の温度を5℃にして2時間攪拌下で保持した。得られたスラリーを濾過した後、新たなヘプタンで洗浄した。得られた個体を減圧乾燥させ白色の固体66gを得た。ガスクロマトグラフにて分析した結果、目的物のテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の純度は98.1面積%であった。
【0030】
比較例1(精製処理として晶析のみを実施)
実施例1記載の方法によりDiels−Alder反応を行った。
一方、ガラスの攪拌槽に、ヘプタン332gを仕込み、Diels−Alder反応後の反応液173gを滴下し、攪拌下、反応器の温度を5℃にして2時間攪拌下で保持した。得られたスラリーを濾過した後、新たなヘプタンで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させ白色の固体を得た。ガスクロマトグラフにて分析した結果、目的物の純度は77面積%であり、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(exo体とendo体の合計)は、20面積%残留していた。
【0031】
実施例2
<Diels−Alder反応>
反応器に、市販のendo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物92g、ジシクロペンタジエン30g、トルエン122gを仕込んだ。系内の攪拌下、185℃に昇温し、1時間30分保持した。その後、反応器を25℃まで冷却した。反応液をガスクロマトグラフで分析した結果、exo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物と、endo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の合計で、54g相当残留していることがわかった。
【0032】
<アルカリ化合物との接触処理>
上記反応液239gに対して、トルエン478gをガラス容器に仕込んだ。攪拌下、室温にて、5重量%水酸化ナトリウム水溶液554gを4時間かけて滴下した。滴下後攪拌を停止し、静置した。水層を除去した後、554gの純水を加え、20分攪拌し、10分静置し、水層を除去した。かかる水洗を3回実施した。
ガスクロマトグラフにて分析した結果、目的物の面積を100とすると、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(exo体とendo体の合計)の面積は0.90であった。
【0033】
<濃縮>
この様にして得たトルエン溶液を、ロータリーエバポレーターにてトルエン濃縮した。トルエンの存在量が50重量%となった状態で濃縮を停止させた。
【0034】
<晶析>
ガラスの攪拌槽に、ヘプタン259g、種晶1gを仕込んだ。25℃にて、上記濃縮液103gを滴下した。攪拌下、反応器の温度を5℃にして2時間攪拌下で保持した。得られたスラリーを濾過した後、新たなヘプタンで洗浄した。得られた個体を減圧乾燥させ白色の固体35gを得た。ガスクロマトグラフにて分析した結果、目的物のテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の純度は97.6面積%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物を含有する下記式(2)で表される粗テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物をアルカリ化合物と接触させることを特徴とするテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の製造
方法。
【化1】

【化2】

【請求項2】
アルカリ化合物との接触処理が、アルカリ化合物の水溶液および水と混和しない溶媒を用いた抽出処理である、請求項1に記載のテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2において得られたテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物を晶析によりさらに精製処理を行う、テトラシ
クロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物の製造方法。

【公開番号】特開2006−143682(P2006−143682A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338485(P2004−338485)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】