説明

テレビ会議管理システム

【課題】既に予約がなされている開催日及び開催時刻等の変更を可能とし、又は、その変更の交渉を可能とし、より優先度の高いテレビ会議の予約を可能とするテレビ会議の予約システムを得る。
【解決手段】テレビ会議の予約管理を行うテレビ会議サーバー1を、ネットワーク5に接続し、そのネットワーク5を介してテレビ会議サーバー1に、拠点Aにおける帯域制御装置21a、拠点Bにおける帯域制御装置21b、そして、拠点Cにおける帯域制御装置21cを接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ会議システムを利用する際、テレビ会議予約及び管理を実施するテレビ会議管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、会議の予約申し込みの受付時に、多地点会議制御装置のリソース量で開催可能な会議のパラメータと会議の点数の組み合わせに基づいて会議の開催の可否を判断して、予約する順番に係わらず予約登録を可能とする多地点会議予約割当方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−251716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明においては、他の者による予約済みのテレビ会議の予約内容について変更又はその変更の交渉を行うことができず、予約が既になされている場合、新規のテレビ会議の予約をすることができないという問題点があった。
また、上記のように、既に予約されている開催日及び開催時刻等の変更ができないので、優先度の高いテレビ会議の開催希望があったとしても、後から予約をすることができないという問題点もあった。
【0005】
そのため、既に予約がなされている開催日及び開催時刻等の変更を可能とし、又は、その変更の交渉を可能とし、より優先度の高いテレビ会議の予約を可能とするテレビ会議の予約システムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るテレビ会議管理システムは、テレビ会議の予約管理を実施するテレビ会議サーバーと、そのテレビ会議サーバーにネットワークを介しそれぞれ接続され、そのネットワークにパケット通信するための通信帯域の制御を実施する複数の帯域制御装置と、その複数の帯域制御装置のそれぞれに接続され、テレビ会議時に画像を表示する一つ又は複数のテレビ会議端末装置と、テレビ会議サーバーにアクセスし、テレビ会議の予約操作を実施する一つ又は複数のコンピューターとを備えるものであり、コンピューターがテレビ会議サーバーにアクセスし、予約の対象となるテレビ会議端末装置が予約済みであると確認された場合に、テレビ会議サーバーは、その予約者のコンピューターに対して、その予約済みのテレビ会議端末装置の使用見込みを確認する機能を実施するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るテレビ会議管理システムでは、相手側の拠点のテレビ会議予約者に使用見込みを確認することができるので、使用見込みがない場合は予約をすることができ、また、そのテレビ会議予約者の予約取り消し忘れを防止することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るテレビ会議管理システムの全体構成図であり、図2は、同テレビ会議管理システムのテレビ会議サーバーの機能ブロック図である。
テレビ会議の予約管理を行うテレビ会議サーバー1は、ネットワーク5に接続されており、そのネットワーク5を介してテレビ会議サーバー1に、拠点Aにおける帯域制御装置21a、拠点Bにおける帯域制御装置21b、そして、拠点Cにおける帯域制御装置21cが接続されている。また、帯域制御装置21aには、テレビ会議端末装置22a及びパソコン23aが接続されている。同様に、帯域制御装置21bには、テレビ会議端末装置22b及びパソコン23bが、そして、帯域制御装置21cには、テレビ会議端末装置22c及びパソコン23cが接続されている。
【0009】
この帯域制御装置21a、21b及び21cは、テレビ会議サーバー1からの制御信号に基づいて、ネットワーク5の回線に送信する情報のパケット量を調節する。また、テレビ会議端末装置22a、22b及び22cは、実際のテレビ会議時において画像表示用に使用される装置である。そして、パソコン23a、23b及び23cは、それぞれ帯域制御装置21a、21b及び21cを経由し、さらにネットワーク5を介してテレビ会議サーバー1にアクセスし、後述する図4で示されるテレビ会議予約画面を使用してテレビ会議を予約するための装置である。
【0010】
また、テレビ会議サーバー1は、テレビ会議端末装置予約処理部11、テレビ会議端末装置予約交渉処理部12、帯域予約処理部13及び帯域予約交渉処理部14から構成されている。
【0011】
図3は、本発明の実施の形態1におけるテレビ会議予約動作を示すフローチャートであり、図4は、同テレビ会議予約をするためのテレビ会議予約画面である。以下、図3を参照しながら、テレビ会議の予約動作について説明する。
【0012】
(S101)
テレビ会議開催希望者は、自拠点(例えば、拠点Aとする)のパソコン23aを操作して、テレビ会議サーバー1にアクセスし、図4で示されるテレビ会議予約画面を表示させ、自拠点のテレビ会議端末装置の予約状況を確認し、予約されていないテレビ会議端末装置を選択する。
(S102)
次に、テレビ会議開催希望者は、パソコン23aにおいて、その開催希望日、開始時刻及び終了時刻、参加者並びにテレビ会議の品質(高品質又は低品質)等のテレビ会議の予約情報を入力する。
【0013】
(S103)
図5は、従業員の識別番号及び拠点を示すデータテーブルである。
テレビ会議サーバー1は、ステップS102において入力されたテレビ会議の参加者の所属する拠点(例えば、拠点Bとする)を図5で示されるテーブルを参照して検索し、拠点Bにおけるテレビ会議端末装置22bの空き状況を確認する。その確認の結果、相手側の拠点である拠点Bにおけるテレビ会議端末装置22bに空きがある場合は、テレビ会議サーバー1のテレビ会議端末装置予約処理部11が、テレビ会議端末装置22bの予約登録をしてステップS105へ進む。一方、拠点Bのテレビ会議端末装置22bに空きがない場合は、ステップS104へ進む。
(S104)
拠点Bのテレビ会議端末装置22bに空きがない場合は、テレビ会議サーバー1のテレビ会議端末装置予約交渉処理部12が、テレビ会議端末装置22bの予約者に対し、実際にテレビ会議用にテレビ会議端末装置22bの使用見込みがあるかどうかを確認し、その予約者によって使用される見込みがないとされた場合は、テレビ会議サーバー1のテレビ会議端末装置予約処理部11が、その予約者によるテレビ会議端末装置22bの予約登録を取り消し、テレビ会議開催希望者によるテレビ会議端末装置22bの予約として更新し、ステップS105へ進む。このとき、その予約者によるテレビ会議端末装置22bの使用見込みの確認方法として、例えば、テレビ会議サーバー1が、その予約者に、使用見込みを確認するためのURLが記載された回答期限付きのメールを送信し、その予約者にその期限内に回答してもらい、その期限内に回答がない場合は、使用見込みがあるものと判断する。一方、その予約者によって使用見込みがあるとされた場合は、テレビ会議開催希望者が希望するテレビ会議の予約を登録することができないものとして処理が終了する。このステップS104における使用見込みの確認処理は、既に予約しているテレビ会議端末装置の予約の取り消し忘れを防止するという役割も併せ持つ。なお、上記の方法は、使用見込み確認方法の一例であり、その期限内に回答されない場合は、使用見込みがないものと判断されるものとしてもよいし、その他の方法、例えば、メールの送信と併せて該当者に電話発信し、知らせる方法等でもよい。
【0014】
(S105)
図6は、各拠点におけるテレビ会議用の通信帯域の予約状況を示すデータテーブルであり、図7は、通信帯域の設定例を示す図である。
ステップS103又はステップS104においてテレビ会議の参加者の所属する拠点Bのテレビ会議端末装置22bの予約が登録された後、テレビ会議開催希望者は、さらにテレビ会議サーバー1において、自拠点、すなわち、拠点Aの通信帯域の空き状況を確認し、空きがあれば、ステップS110へ進み、空きがなければ、ステップS106へ進む。ここで、通信帯域の空き状況を確認する方法について説明する。まず、テレビ会議を開催するには、高品質のテレビ会議の場合、上り回線においては0.4Mbps、下り回線においては0.4Mbps×(通信相手となる帯域制御装置の数)の通信帯域が必要であり、そして、低品質のテレビ会議の場合、上り回線においては0.2Mbps、下り回線においては0.2Mbps×(通信相手となる帯域制御装置の数)の通信帯域が必要であると仮定する。各拠点における予約済みのテレビ会議用の通信帯域の値は、図6で示されるように、テレビ会議予約の登録確定時に、再計算され、保存されている。図6で示される例では、yyyy年mm月dd日の予約状況として、拠点A及び拠点Bの上り回線は2Mbps予約されており、拠点A及び拠点Bの下り回線は4Mbps予約されている。図7で示されるように、図6で示される通信帯域の予約が登録される前は、拠点A〜拠点Cいずれも空き帯域として4Mbps備えており、図6で示される通信帯域の予約が登録されていると、拠点A及び拠点Bの上り回線の空き帯域は2Mbps、そして、下り回線の空き帯域は0Mbpsとなる。この状態で、テレビ会議開催希望者が新規に高品質(例えば、上り回線0.4Mbps及び下り回線0.8Mbps)のテレビ会議を予約する場合は、下り回線の通信帯域が不足するのでステップS106へ進む。
【0015】
(S106)
ステップS105において高品質なテレビ会議の予約において、通信帯域不足によって予約が登録できない場合、低品質(例えば、上り回線0.2Mbps及び下り回線0.4Mbps)のテレビ会議において、ステップS105と同様に通信帯域の予約が可能かどうかが判断される。この判断の結果、低品質のテレビ会議であれば予約が可能である場合ステップS110へ進む。ただし、上記の例においては、下り回線の空き帯域が0Mbpsなので、ステップS105と同様に下り回線の帯域が不足するのでステップS107へ進む。
【0016】
(S107)
次に、自拠点(拠点A)の他のテレビ会議端末装置(例えば、図4におけるB1)においてテレビ会議の品質を落として、新規にテレビ会議を予約できるかどうかを計算する。例えば、拠点Aにおける他のテレビ会議端末装置であるA1において、例えば、上り回線0.4Mbps及び下り回線0.8Mbpsの高品質の予約されたテレビ会議を、上り回線0.2Mbps及び下り回線0.4Mbpsの低品質のテレビ会議に変更したとすると、上り回線0.2Mbps及び下り回線0.4Mbpsの通信回線帯域が確保することができるため、新たに低品質のテレビ会議を予約することができることが分かる。
(S108)
ここで、テレビ会議サーバー1の帯域予約交渉処理部14が、拠点Aにおける他のテレビ会議端末装置であるA1のテレビ会議予約者に、例えば、テレビ会議の品質を高品質から低品質に変更できるかどうかについて確認する。その確認方法として、例えば、そのテレビ会議予約者に、テレビ会議の品質を高品質から低品質に変更できるかどうかの確認をするためのURLが記載された回答期限付きのメールを送信し、そのテレビ会議予約者にその期限内に回答してもらい、その期限内に回答がない場合は、変更できないものとして判断する。なお、上記の方法は、確認方法の一例であり、その期限内に回答されない場合は、変更できるものと判断されるものとしてもよいし、その他の方法、例えば、メールの送信と併せて該当者に電話発信し、知らせる方法等でもよい。
(S109)
ステップS108における確認の結果、そのテレビ会議予約者に承諾された場合、
テレビ会議サーバー1の帯域予約処理部13は、そのテレビ会議予約者の既に予約されている高品質の通信帯域を低品質の通信帯域の予約に変更登録し、新規に希望するテレビ会議のために低品質の通信帯域の予約登録をしてステップS110へ進む。一方、拒絶されれば、希望するテレビ会議の予約を登録することができないものとして処理が終了する。
【0017】
(S110)
次に、テレビ会議サーバー1によって、テレビ会議の参加者である相手側の拠点Bの通信帯域の空き状況を、ステップS105と同様の方法によって確認し、空きがあればステップS114へ進み、空きがなければステップS111へ進む。
【0018】
(S111)
相手側の拠点Bの他のテレビ会議端末装置(例えば、図4におけるB1)においてテレビ会議の品質を落として、新規にテレビ会議を予約できるかどうかを計算する。例えば、拠点Bにおける他のテレビ会議端末装置であるB1において、例えば、上り回線0.4Mbps及び下り回線0.8Mbpsの高品質の予約されたテレビ会議を、上り回線0.2Mbps及び下り回線0.4Mbpsの低品質のテレビ会議に変更したとすると、上り回線0.2Mbps及び下り回線0.4Mbpsの通信回線帯域が確保することができるため、新たに低品質のテレビ会議を予約することができることが分かる。
(S112)
ここで、テレビ会議サーバー1の帯域予約交渉処理部14が、拠点Bにおける他のテレビ会議端末装置であるB1のテレビ会議予約者に、例えば、テレビ会議の品質を高品質から低品質に変更できるかどうかについて確認する。その確認方法として、例えば、そのテレビ会議予約者に、テレビ会議の品質を高品質から低品質に変更できるかどうかの確認をするためのURLが記載された回答期限付きのメールを送信し、そのテレビ会議予約者にその期限内に回答してもらい、その期限内に回答がない場合は、変更できないものとして判断する。なお、上記の方法は、確認方法の一例であり、その期限内に回答されない場合は、変更できるものと判断されるものとしてもよいし、その他の方法、例えば、メールの送信と併せて該当者に電話発信し、知らせる方法等でもよい。
(S113)
ステップS112における確認の結果、そのテレビ会議予約者に承諾された場合、テレビ会議サーバー1の帯域予約処理部13は、そのテレビ会議予約者の既に予約されている高品質の通信帯域を低品質の通信帯域の予約に変更登録し、新規に希望するテレビ会議のために低品質の通信帯域の予約登録をしてステップS114へ進む。一方、拒絶されれば、希望するテレビ会議の予約を登録することができないものとして処理が終了する。
【0019】
(S114)
テレビ会議サーバー1は、テレビ会議の品質、上り回線の帯域及び下り回線の帯域等のテレビ会議の予約条件を確定し、図6で示される各拠点におけるテレビ会議用の通信帯域の予約状況を示すデータテーブルを更新する。そして、テレビ会議サーバー1の帯域予約処理部13は、確定された予約条件に基づいてテレビ会議の予約登録を確定する。
【0020】
以上の構成及び動作によって、相手側の拠点のテレビ会議予約者に使用見込みを確認することができるので、使用見込みがない場合は予約をすることができ、また、そのテレビ会議予約者の予約取り消し忘れを防止することもできる。
また、テレビ会議の予約において、高品質か低品質かを選択できるので、通信帯域の予約が混雑していても、低品質であれば予約することができる場合がある等、テレビ会議開催日の通信帯域の使用状況に見合ったテレビ会議の予約をすることができる。
そして、自拠点又は相手側の拠点のテレビ会議予約者に、テレビ会議の品質の変更を依頼できるので、テレビ会議予約の融通性及び利便性を向上させることができる。
【0021】
なお、本実施の形態において図1で示されるテレビ会議管理システムのテレビ会議の拠点として、拠点A〜拠点Cの3つの拠点が記載されているが、これに限られるものではなく、異なる数の拠点が存在するものとしてもよい。
また、各拠点に配置されるテレビ会議端末装置は、図1で示されるように単数のものに限られるものではなく、図4のテレビ会議予約画面で示されるように、拠点AであればA1、A2、・・・等のように各拠点において複数配置される構成としてもよい。
同様に、テレビ会議開催希望者が、テレビ会議を予約するために操作するパソコンも各拠点に複数配置される構成としてもよい。
また、図1おいて、パソコン23a、23b及び23cはそれぞれ、帯域制御装置21a、21b及び21cを介してネットワーク5にされているが、直接ネットワーク5に接続されテレビ会議サーバー1にアクセスできる構成としてもよく、さらに、そのパソコン23a、23b及び23cは、パソコンに限られるものではなく、ワークステーションその他のコンピューターでもよい。
また、本実施の形態においては、テレビ会議開催希望者の自拠点を拠点Aとして、通信相手の拠点を拠点Bとして説明したが、これに限られるものではなく、あくまで例を示したものであり異なる拠点としてもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態においては、2拠点間のテレビ会議として説明したが、これに限られるものではなく、3拠点以上のテレビ会議でもよいことは言うまでもない。
さらに、本実施の形態においては帯域の選択について、高品質及び低品質の2種類の帯域について説明したが、これに限られるものではなく、3種類以上の帯域品質、又は、自由に帯域を扱うことができるものとしてもよい。
【0022】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係るテレビ会議予約動作を示すフローチャートである。本実施の形態におけるテレビ会議管理システムの構成は、実施の形態1のものと同様である。
【0023】
(S201)
テレビ会議開催希望者は、自拠点(例えば、拠点Aとする)のパソコン23aを操作し、その内容は実施の形態1におけるステップS101と同様である。
(S202)
実施の形態1におけるステップS102と同様である。
(S203)
実施の形態1におけるステップS103と同様である。
(S204)
実施の形態1におけるステップS104と同様である。
【0024】
(S205)
テレビ会議開催希望者は、テレビ会議サーバー1において、自拠点、すなわち、拠点Aの通信帯域の空き状況を確認し、空きがあれば、ステップS208へ進み、空きがなければステップS206へ進む。ここで、通信帯域の空き状況を確認する方法について説明する。まず、テレビ会議を開催するには、高品質のテレビ会議の場合、上り回線においては0.4Mbps、下り回線においては0.4Mbps×(通信相手となる帯域制御装置の数)の通信帯域が必要であり、そして、低品質のテレビ会議の場合、上り回線においては0.2Mbps、下り回線においては0.2Mbps×(通信相手となる帯域制御装置の数)の通信帯域が必要であると仮定する。各拠点における予約済みのテレビ会議用の通信帯域の値は、図6で示されるように、テレビ会議予約の登録確定時に、再計算され、保存されている。図6で示される例では、yyyy年mm月dd日の予約状況として、拠点A及び拠点Bの上り回線は2Mbps予約されており、拠点A及び拠点Bの下り回線は4Mbps予約されている。図7で示されるように、図6で示される通信帯域の予約が登録される前は、拠点A〜拠点Cいずれも空き帯域として4Mbps備えており、図6で示される通信帯域の予約が登録されていると、拠点A及び拠点Bの上り回線の空き帯域は2Mbps、そして、下り回線の空き帯域は0Mbpsとなる。この状態で、テレビ会議開催希望者が新規に高品質(例えば、上り回線0.4Mbps及び下り回線0.8Mbps)のテレビ会議を予約する場合は、下り回線の通信帯域が不足するのでステップS206へ進む。
【0025】
(S206)
ステップS205において、通信帯域が不足していると判断された場合、自拠点(拠点A)におけるテレビ会議用の通信帯域をどのくらい増加させれば、予約が可能となるか計算する。
(S207)
ステップS206において計算されたテレビ会議用の通信帯域として自拠点(拠点A)のデータ用の通信帯域の一部を利用することができるかどうかについて、過去の統計データに基づいて予測して計算する。その過去の統計データの予測計算方法としては、例えば、過去1ヶ月の同じ曜日のデータ用通信帯域のトラフィックを計算し、そのトラフィックが、データ用通信帯域からステップS206において計算された通信帯域を減じた帯域の9割以内であれば、ステップS206において計算されたテレビ会議用の通信帯域として自拠点(拠点A)のデータ用の通信帯域の一部を利用することが可能であると判断する。そして、テレビ会議サーバー1の帯域予約処理部13は、データ用通信帯域のうちステップS206において計算されテレビ会議用として使用する分の通信帯域を加算した通信帯域を予約登録し、図6で示されるテレビ会議用の通信帯域の予約状況を示すデータテーブルを更新する。一方、9割以上であれば、データ通信に影響を与えると判断し、希望するテレビ会議の予約を登録することができないものとして処理が終了する。なお、過去の統計データの予測計算方法としては、上記に説明したものに限られるものではなく、例えば過去1ヶ月ではなくそれ以外の期間のデータ用通信帯域のトラフィックを計算するものとしてもよく、また、その他の方法によって予測して計算されるものとしてもよい。
【0026】
(S208)
テレビ会議開催希望者は、テレビ会議サーバー1において、テレビ会議の参加者である相手側の拠点Bの通信帯域の空き状況を、ステップS205と同様の方法によって確認し、空きがあればステップS211へ進み、空きがなければステップS209へ進む。
【0027】
(S209)
ステップS208において、通信帯域が不足していると判断された場合、相手側拠点(拠点B)におけるテレビ会議用の通信帯域をどのくらい増加させれば、予約が可能となるか計算する。
(S210)
ステップS209において計算されたテレビ会議用の通信帯域として相手側拠点(拠点B)のデータ用の通信帯域の一部を利用することができるかどうかについて、過去の統計データに基づいて予測して計算する。その過去の統計データの予測計算方法としては、例えば、過去1ヶ月の同じ曜日のデータ用通信帯域のトラフィックを計算し、そのトラフィックが、データ用通信帯域からステップS209において計算された通信帯域を減じた帯域の9割以内であれば、ステップS209において計算されたテレビ会議用の通信帯域として相手拠点(拠点B)のデータ用の通信帯域の一部を利用することが可能であると判断する。そして、テレビ会議サーバー1の帯域予約処理部13は、データ用通信帯域のうちステップS209において計算されテレビ会議用として使用する分の通信帯域を加算した通信帯域を予約登録し、図6で示されるテレビ会議用の通信帯域の予約状況を示すデータテーブルを更新する。一方、9割以上であれば、データ通信に影響を与えると判断し、希望するテレビ会議の予約を登録することができないものとして処理が終了する。なお、過去の統計データの予測計算方法としては、上記に説明したものに限られるものではなく、例えば過去1ヶ月ではなくそれ以外の期間のデータ用通信帯域のトラフィックを計算するものとしてもよく、また、その他の方法によって予測して計算されるものとしてもよい。
【0028】
(S211)
テレビ会議サーバー1は、テレビ会議の品質、上り回線の帯域及び下り回線の帯域等のテレビ会議の予約条件を確定し、図6で示される各拠点におけるテレビ会議用の通信帯域の予約状況を示すデータテーブルを更新し、予約されたテレビ会議の開催日における通信回線のパケット種別毎の通信帯域の割合の変更を、該当する帯域制御装置に指示する。そして、テレビ会議サーバー1の帯域予約処理部13は、確定された予約条件に基づいてテレビ会議の予約登録を確定する。
【0029】
以上の構成及び動作によって、相手側の拠点のテレビ会議予約者に使用見込みを確認することができるので、使用見込みがない場合は予約をすることができ、また、そのテレビ会議予約者の予約取り消し忘れを防止することもできる。
また、テレビ会議用の通信帯域が不足する場合、必要となる通信帯域を計算し、異なるパケット種別であるデータ用の通信帯域の一部を利用し、テレビ会議用の通信帯域の割合を増やすことによってテレビ会議の通信帯域を確保して予約が可能となり、テレビ会議予約の融通性及び利便性を向上させることができ、さらに、優先度の高いテレビ会議を後から予約登録することも可能となる。
さらに、上記のように異なるパケット種別であるデータ用の通信帯域の一部を利用する場合も、データ用の通信帯域が減少したことによってデータ通信に支障が発生するか否かを予測することが可能なので、通信回線のトラフィックの停滞等のネットワーク障害を回避することもできる。
【0030】
なお、本実施の形態においても、テレビ会議開催希望者の自拠点を拠点Aとして、通信相手の拠点を拠点Bとして説明したが、これに限られるものではなく、あくまで例を示したものであり異なる拠点としてもよいことは言うまでもない。
また、テレビ会議用の通信帯域が不足する場合に、データ用の通信帯域の一部を利用する方法について説明したが、これに限られるものではなく、図4における音声用の通信帯域の一部を利用するものとしてもよい。
また、本実施の形態においては帯域の選択について、高品質及び低品質の2種類の帯域について説明したが、これに限られるものではなく、3種類以上の帯域品質、又は、自由に帯域を扱うことができるものとしてもよい。
さらに、本実施の形態に係る自拠点又は相手側の拠点のテレビ会議用の通信帯域としてデータ通信用の通信帯域の一部を利用する機能と、実施の形態1に係る相手側の拠点の他のテレビ会議予約者に使用見込みを確認する機能、又は、自拠点若しくは相手側の拠点のテレビ会議の品質を変更できるかどうかの確認を実施する機能を組み合わせたテレビ会議予約動作を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1に係るテレビ会議管理システムの全体構成図である。
【図2】同テレビ会議管理システムのテレビ会議サーバーの機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるテレビ会議予約動作を示すフローチャートである。
【図4】同テレビ会議予約をするためのテレビ会議予約画面である。
【図5】従業員の識別番号及び拠点を示すデータテーブルである。
【図6】各拠点におけるテレビ会議用の通信帯域の予約状況を示すデータテーブルである。
【図7】通信帯域の設定例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るテレビ会議予約動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
1 テレビ会議サーバー、5 ネットワーク、11 テレビ会議端末装置予約処理部、12 テレビ会議端末装置予約交渉処理部、13 帯域予約処理部、14 帯域予約交渉処理部、21a、21b、21c 帯域制御装置、22a、22b、22c テレビ会議端末装置、23a、23b、23c パソコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ会議の予約管理を実施するテレビ会議サーバーと、
該テレビ会議サーバーにネットワークを介しそれぞれ接続され、該ネットワークにパケット通信するための通信帯域の制御を実施する複数の帯域制御装置と、
該複数の帯域制御装置のそれぞれに接続され、前記テレビ会議時に画像を表示する一つ又は複数のテレビ会議端末装置と、
前記テレビ会議サーバーにアクセスし、前記テレビ会議の予約操作を実施する一つ又は複数のコンピューターと、
を備え、
前記コンピューターが前記テレビ会議サーバーにアクセスし、予約の対象となる前記テレビ会議端末装置が予約済みであると確認された場合に、前記テレビ会議サーバーは、その予約者の前記コンピューターに対して、その予約済みの前記テレビ会議端末装置の使用見込みを確認する機能を実施する
ことを特徴とするテレビ会議管理システム。
【請求項2】
前記コンピューターは、前記テレビ会議サーバーにアクセスし、前記テレビ会議の予約操作を実施する場合において、前記テレビ会議時に使用する前記テレビ会議端末装置の通信品質の選択を可能とする
ことを特徴とする請求項1記載のテレビ会議管理システム。
【請求項3】
前記コンピューターが前記テレビ会議サーバーにアクセスし、前記テレビ会議の予約操作を実施する場合において、予約の対象となる前記テレビ会議端末装置が所属する拠点の前記通信帯域が不足する場合に、前記テレビ会議サーバーは、前記拠点における予約済みの前記テレビ会議端末装置の通信品質を変更して、前記テレビ会議の予約を可能とする
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテレビ会議管理システム。
【請求項4】
前記拠点における前記テレビ会議端末装置の予約者の前記コンピューターに対して、前記テレビ会議サーバーは、前記テレビ会議端末装置の通信品質を変更することができるかどうか確認をする機能を有する
ことを特徴とする請求項3記載のテレビ会議管理システム。
【請求項5】
前記テレビ会議サーバーが備える前記確認する機能は、前記予約者の前記コンピューターに対して回答期限付きのメールを送信し、その回答内容によって確認するものである
ことを特徴とする請求項1又は請求項4記載のテレビ会議管理システム。
【請求項6】
前記コンピューターが前記テレビ会議サーバーにアクセスし、前記テレビ会議の予約操作を実施する場合において、予約の対象となる前記テレビ会議端末装置が所属する拠点の前記通信帯域が不足する場合に、前記テレビ会議サーバーは、前記テレビ会議用以外の通信帯域の一部を前記テレビ会議用の通信帯域に割り当て、前記テレビ会議用の通信帯域の割合を増加させ、前記テレビ会議の予約を可能とする
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のテレビ会議管理システム。
【請求項7】
前記テレビ会議サーバーは、前記拠点の前記通信帯域が不足する場合に、その不足分を補うために必要となる通信帯域を計算し、前記テレビ会議用の通信帯域から前記必要となる通信帯域を減じた通信帯域と、過去の前記テレビ会議用以外の通信帯域のトラフィックを比較して判断し、前記テレビ会議用以外の通信帯域の一部から前記必要となる通信帯域を割り当てる
ことを特徴とする請求項6記載のテレビ会議管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−154206(P2010−154206A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329989(P2008−329989)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】