説明

テーブル

【課題】リンク機構を介して拡張板を天板の周囲から張り出させることで、天板の面積を拡張させることができるようにしたテーブルを提供する。
【解決手段】テーブル10は、天板40を有するテーブル本体20、テーブル本体20から垂下する脚部30を備える。テーブル本体20は、天板40の中央の下側に位置し、脚部30に支持される中央部材50、中央部材50に一端部が連結され、他端部が拡張板(60a〜60d)に固定され、当該他端部を一端部に対して収縮可能とし、短縮状態において拡張板(60a〜60d)を天板40の下側に収納させ、伸長状態において拡張板(60a〜60d)を天板40の周囲から張り出させ、天板40の面積を拡張可能なリンク機構70を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テーブルに関し、リンク機構を介して拡張板を天板の周囲から張り出させることで、天板の面積を拡張させることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天板を作る分節(可動部分)が外側に向かって開き、回転しながら拡張するテーブルが知られている(特許文献1の図1及び図4、特許文献2の図1及び図4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0194672号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0075940号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来のテーブルでは、天板を作る分節(可動部分)が外側に向かって開くに過ぎず、天板の面積を拡大できないという問題点があった。
また、従来のテーブルでは、天板の下に拡張板を収納し、天板を拡張した後、拡張板を上昇させ、開くことで、拡張した天板の隙間を拡張板により塞ぐ構造も開示されているが(特許文献2の図1〜5参照)、拡張板の収納構造が複雑で、又、拡張板の展開に手数が掛かるという問題点もあった。
【0005】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、テーブルに関し、リンク機構を介して拡張板を天板の周囲から張り出させることで、天板の面積を拡張させることができるようにしたものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0006】
すなわち、請求項2に記載の発明は、3個のリンク部材と、4個の回動部とからリンク機構を構成することができるようにしたものである。
その結果、請求項2に記載の発明によれば、リンク機構の構造を簡便化することができる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項3に記載の発明は、4個の片を有する十字架形にリンク部材を形成することができるようにしたものである。
その結果、請求項3に記載の発明によれば、リンク部材の構造を簡便化、並びに軽量化することができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項4に記載の発明は、4個の角部を有する箱形にリンク部材を形成することができるようにしたものである。
その結果、請求項3に記載の発明によれば、リンク部材の構造を簡便化、並びに軽量化することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0009】
すなわち、請求項5に記載の発明は、伸長時のリンク機構を、ジョイント部材により補強することができるようにしたものである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0010】
すなわち、請求項6に記載の発明は、リンク機構の伸長状態において拡張板を天板と面一に上昇させることで、テーブルの使い勝手を向上することができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0012】
第1に、テーブル(10)は、例えば図1〜3に示すように、次の構成を備える。
(1)テーブル本体(20)
テーブル本体(20)は、例えば図2に示すように、天板(40)を有するものである。
(2)脚部(30)
脚部(30)は、例えば図2に示すように、テーブル本体(20)から垂下するものである。
【0013】
第2に、テーブル本体(20)は、例えば図1及び図3〜6に示すように、次の構成を備える。
(3)中央部材(50)
中央部材(50)は、例えば図1及び図3〜6に示すように、天板(40)の中央の下側に位置し、脚部(30)に支持されるものである。
【0014】
(4)リンク機構(70)
リンク機構(70)は、例えば図1及び図3〜6に示すように、中央部材(50)に一端部が連結され、他端部が拡張板(60a〜60d)に固定され、当該他端部を一端部に対して収縮可能とし、短縮状態(例えば図3参照)において拡張板(60a〜60d)を天板(40)の下側に収納させ、伸長状態(例えば図5参照)において拡張板(60a〜60d)を天板(40)の周囲から張り出させ、天板(40)の面積を拡張可能なものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0015】
第1に、リンク機構(70)は、例えば図1及び図3〜6に示すように、次の構成を備える。
(1)第1リンク部材(100)
第1リンク部材(100)は、例えば図6に示すように、一端部が第1回動部(200)を介して中央部材(50)に連結されたものである。
【0016】
(2)第2リンク部材(110)
第2リンク部材(110)は、例えば図6に示すように、一端部が第2回動部(210)を介して第1リンク部材(100)に連結されたものである。
(3)第3リンク部材(120)
第3リンク部材(120)は、例えば図6に示すように、一端部が第3回動部(220)を介して第2リンク部材(110)に連結され、他端部が第4回動部(230)を介して第1リンク部材(100)に連結され、拡張板(60a〜60d)を有するものである。
【0017】
第2に、第4回動部(230)は、リンク機構(70)の短縮状態においては、例えば図3に示すように、第2回動部(210)に接近し、伸長する際に、例えば図1及び図4〜6に示すように、第2回動部(210)から徐々に離隔するものである。
第3に、第1回動部(200)、第2回動部(210)、第3回動部(220)、第4回動部(230)の4個の回動部は、リンク機構(70)が伸長する際に、例えば図1及び図4〜6に示すように、略平行四辺形に拡開するようにしている。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0018】
すなわち、第1リンク部材(100)、第2リンク部材(110)、第3リンク部材(120)の3個のリンク部材は、例えば図1及び図3〜6に示すように、4個の片を有する十字架形に形成されている。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0019】
すなわち、第1リンク部材(400)、第2リンク部材(410)、第3リンク部材(420)の3個のリンク部材は、例えば図12〜16に示すように、4個の角部を有する箱形に形成されている。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0020】
すなわち、脚部(30)とリンク機構(70)との間には、例えば図1及び図2に示すように、伸縮可能なジョイント部材(80)を連結した。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0021】
すなわち、リンク機構(70)は、例えば図5及び図9に示すように、伸長状態において拡張板(60a〜60d)を天板(40)と面一に上昇させるようにしている。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、テーブルに関し、リンク機構を介して拡張板を天板の周囲から張り出させることで、天板の面積を拡張させることができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0023】
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、3個のリンク部材と、4個の回動部とからリンク機構を構成することができる。
その結果、請求項2に記載の発明によれば、リンク機構の構造を簡便化することができる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明によれば、上記した請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0024】
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、4個の片を有する十字架形にリンク部材を形成することができる。
その結果、請求項3に記載の発明によれば、リンク部材の構造を簡便化、並びに軽量化することができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0025】
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、4個の角部を有する箱形にリンク部材を形成することができる。
その結果、請求項3に記載の発明によれば、リンク部材の構造を簡便化、並びに軽量化することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明によれば、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0026】
すなわち、請求項5に記載の発明によれば、伸長時のリンク機構を、ジョイント部材により補強することができる。
(請求項6)
請求項6に記載の発明によれば、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0027】
すなわち、請求項6に記載の発明によれば、リンク機構の伸長状態において拡張板を天板と面一に上昇させることで、テーブルの使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】テーブルの斜視図である。
【図2】テーブルの側面図である。
【図3】図1に対応し、テーブルの縮小状態の斜視図である。
【図4】図1に対応し、テーブルの展開途中の斜視図である。
【図5】図1に対応し、テーブルの展開状態の斜視図である。
【図6】図1の一部を拡大した斜視図である。
【図7】天板と拡張板との関係を説明するための斜視図である。
【図8】図7に対応し、拡張板の展開途中の斜視図である。
【図9】図7に対応し、拡張板の展開状態の斜視図である。
【図10】テーブルの使用状態を説明するための平面図である。
【図11】図10に対応し、テーブルの展開状態の平面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示し、同図はテーブルの斜視図である。
【図13】図12に示すテーブルを下側から見た斜視図である。
【図14】図12に対応し、テーブルの展開途中の斜視図である。
【図15】図12対応し、図14に示すテーブルを更に展開した状態の斜視図である。
【図16】図12に対応し、テーブルの展開状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(テーブル10)
図中、10は、テーブルを示すものである。
テーブル10は、図1〜3に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)テーブル本体20
(2)脚部30
なお、テーブル10のパーツは、上記した(1)及び(2)に限定されない。
(テーブル本体20)
テーブル本体20は、図2に示すように、天板40を有するものである。
【0030】
天板40は、平面が正方形に形成され、その中心が脚部30の、後述する支柱31の上端部に回転不能に固定されている。
なお、天板40の形状として、正方形を例示したが、これに限定されず、長方形、多角形、円形、楕円形、或いは幾何学形状に形成しても良い。
テーブル本体20は、天板40のほかに、図1及び図3〜6に示すように、次のパーツを備える。
【0031】
なお、次の(1)〜(4)については、後述する。
(1)中央部材50
(2)拡張板60a〜60d
(3)リンク機構70
(4)ジョイント部材80
なお、テーブル本体20のパーツは、上記した(1)〜(4)に限定されない。
(脚部30)
脚部30は、図2に示すように、テーブル本体20から垂下するものである。
【0032】
脚部30は、図2に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、脚部30のパーツは、次の(1)及び(2)に限定されない。
(1)支柱31
支柱31は、図2に示すように、円筒形に形成され、その上端部に天板40の中心が回転不能に固定されている。
【0033】
(2)脚片32
脚片32は、図2に示すように、支柱31の下端部から複数本、例えば4本延び、放射状に開きながら斜め下向きに傾斜している。
なお、脚片32の本数として、4本を例示したが、これに限定されず、単数、3本或いは5本以上としても良い。
(中央部材50)
中央部材50は、図1及び図3〜6に示すように、天板40の中央の下側に位置し、脚部30に支持されるものである。
【0034】
中央部材50は、図6に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、中央部材50のパーツは、次の(1)及び(2)に限定されない。
(1)中央板51
中央板51は、図1及び図3〜6に示すように、天板40と同様に、平面が正方形に形成され、天板40より小さく、例えば9分の1程度の面積に形成されている。中央板51は、天板40の中央の下側に配置され、天板40と同様に、その中心が脚部30の支柱31の上端部に回転不能に固定されている。
【0035】
なお、中央板51の形状として、天板40と同じ正方形を例示したが、これに限定されず、天板40と形状を異ならせたり、或いは長方形、多角形、円形、楕円形、幾何学形状に形成しても良い。
(2)中央枠52
中央枠52は、図1及び図3〜6に示すように、中央板51の下側に配置され、中央板51の対角方向に4個の片が延びた、平面が十字架形に形成されている。中央枠52は、その中心が脚部30の支柱31の上端部に回転不能に支持されている。
(拡張板60a〜60d)
拡張板60a〜60dは、図1及び図3〜9に示すように、計4枚有り、中央部材50の四方に配置され、平面が長方形に形成されている。拡張板60a〜60dは、後述するリンク機構70を介して、中央部材50の中央枠52の4個の辺の先端部にそれぞれに連結されている。
【0036】
拡張板60a〜60dは、図3及び図7に示すように、リンク機構70の短縮状態において天板40の下側に収納される。このとき、拡張板60a〜60dは、中央部材50の中央板51と面一に位置し、中央板51と、4枚の拡張板60a〜60dとを合わせた平面形状が、天板40と略同一面積となるようにしている。すなわち、拡張板60a〜60dは、天板40の、例えば9分の2程度の面積に形成されている。
【0037】
また、拡張板60a〜60dは、図5及び図9に示すように、リンク機構70の伸長状態において天板40の周囲から張り出し、このとき、リンク機構70を介して上昇し、天板40の面一に位置となる。
なお、拡張板60a〜60dの形状として、長方形を例示したが、これに限定されず、長方形、多角形、円形、楕円形、或いは幾何学形状に形成しても良い。また、4枚の拡張板60a
〜60dと、中央板51とを合わせた平面形状が、天板40と略同一面積となるようにしたが、これに限定されず、天板40より小さくしたり、或いは大きくし、収納状態において拡張板60a〜60dの一部が天板40の周囲から張り出すようにしても良い。
(リンク機構70)
リンク機構70は、図1及び図3〜6に示すように、中央部材50に一端部が連結され、他端部が拡張板60a〜60dに固定され、当該他端部を一端部に対して収縮可能とし、図3に示すように、短縮状態において拡張板60a〜60dを天板40の下側に収納させ、図5に示すように、伸長状態において拡張板60a〜60dを天板40の周囲から張り出させ、天板40の面積を拡張可能なものである。
【0038】
リンク機構70は、8個のリンク部材100〜170から構成されている。
リンク部材100〜170は、図1及び図3〜6に示すように、4個の片を有する十字架形に形成されている。また、4個の片は、等しい長さに設定されている。
なお、リンク部材100〜170の形状として、十字架形を例示したが、これに限定されない。
【0039】
8個のリンク部材100〜170については、次の3個の第1〜第3リンク部材100〜120を例に挙げて説明する。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)第1リンク部材100
(2)第2リンク部材110
(3)第3リンク部材120
なお、8個のリンク部材100〜170のうち、残る第4〜第8リンク部材130〜170については説明を省略するが、3個の第1〜第3リンク部材100〜120と同様の構造を有する。
【0040】
また、リンク機構70として、8個のリンク部材100〜170を例示したが、これに限定されず、リンク部材の個数を少なくしたり、或いは多くしても良い。
(第1リンク部材100)
第1リンク部材100は、図6に示すように、一端部が軸である第1回動部200を介して中央部材50に連結されたものである。
【0041】
第1リンク部材100は、等しい長さの4個の第1片100a〜100dを有する十字架形に形成されている。
4個の第1片100a〜100dのうち、一つの第1片100aの先端部は、第1回動部200を介して中央部材50の中央枠52の4個の片の一つの片の先端部に連結する。
また、4個の第1片100a〜100dのうち、他の一つの第1片100bの先端部は、軸である第4回動部230を介して、第2リンク部材110の後述する第2片110dの先端部に連結する。
(第2リンク部材110)
第2リンク部材110は、図6に示すように、一端部が軸である第2回動部210を介して第1リンク部材100に連結されたものである。
【0042】
第2リンク部材110は、第1リンク部材100と同様に、等しい長さの4個の第2片110a〜110dを有する十字架形に形成されている。
4個の第2片110a〜110dのうち、一つの第2片110aの先端部は、第2回動部210を介して中央部材50の中央枠52の4個の片の他の一つの片の先端部に連結する。
また、4個の第2片110a〜110dのうち、他の一つの第2片110dの先端部は、軸である第3回動部220を介して、第2リンク部材110の後述する他の第2片110aの先端部に連結する。
(第3リンク部材120)
第3リンク部材120は、図6に示すように、一端部が第3回動部220を介して第2リンク部材110に連結され、他端部が第4回動部230を介して第1リンク部材100に連結され、拡張板60a〜60dを有するものである。
【0043】
第3リンク部材120は、第1リンク部材100と同様に、等しい長さの4個の第3片120a〜120dを有する十字架形に形成されている。
4個の第3片120a〜120dのうち、一つの第3片120bの先端部は、リンク機構70の短縮状態(図3参照)において、第2リンク部材110の第2片110cの先端部と上下方向に重なり合う。
【0044】
4個の第3片120a〜120dのうち、一つの第3片120cの先端部は、リンク機構70の短縮状態(図3参照)において、第1リンク部材100の第1片100cの先端部と上下方向に重なり合う。
(第1〜第4回動部200〜230)
第4回動部230は、リンク機構70の短縮状態においては、図3に示すように、第2回動部210に接近し、伸長する際に、図1及び図4〜6に示すように、第2回動部210から徐々に離隔するものである。第2回動部210は、第4回動部230に最接近した状態において、上下方向に重なり合う。
【0045】
第1回動部200、第2回動部210、第3回動部220、第4回動部230の4個の回動部は、リンク機構70が伸長する際に、図1及び図4〜6に示すように、略平行四辺形に拡開するようにしている。
すなわち、4個の回動部は、リンク機構70の短縮状態(図3参照)においては、第2回動部210と第4回動部230とが上下方向に重なり合った状態で、一直線上に位置する。
【0046】
リンク機構70を徐々に伸長(図1及び図4〜6参照)すると、第2回動部210と第4回動部230とが離隔し、4個の回動部が略平行四辺形、或いは略菱形の角にそれぞれ位置する。略平行四辺形、或いは略菱形は、リンク機構70を徐々に伸長(図1及び図4〜6参照)するに伴い、第2回動部210と第4回動部230と結ぶ仮想の対角線の方向に、つぶれた略平行四辺形或いは略菱形から、開いた略平行四辺形或いは略菱形に変形する。その後、リンク機構70の伸長状態(図6参照)において、4個の回動部が正方形の4個の角部にそれぞれ位置する。
(ジョイント部材80)
ジョイント部材80は、図1及び図2に示すように、脚部30とリンク機構70との間に位置し、伸縮可能なものである。
【0047】
すなわち、ジョイント部材80は、図2に示すように、下端部が脚部30の支柱31にジョイント支持部81を介して回転可能に支持され、上端部がリンク機構70、例えば第3リンク部材120の中央の下側に回転可能に支持される。
リンク機構70の短縮状態(図3、図7及び図11参照)において短縮し、リンク機構70の伸長状態(図6参照)において、伸長し、リンク機構70、例えば第3リンク部材120を下側から支えることで、拡張状態の拡張板60a〜60dを下側から支えている。
(使用方法)
つぎに、上記した構成を有するテーブル10の使用方法について説明する。
【0048】
リンク機構70の短縮状態(図3参照)において、天板40を拡張させるには、拡張板60a〜60dを天板40から引き出せば良い。
天板40の下側に手を入れ、4枚の拡張板60a〜60dのうち、1枚を引き出すと、図1、図4〜6、図8及び図9に示すように、リンク機構70が伸長し、4枚の拡張板60a〜60dが天板40の下側から張り出す。
【0049】
4枚の拡張板60a〜60dを天板40の下側から完全に引き出すと、図5、図8、図9及び図11に示すように、4枚の拡張板60a〜60dが上昇し、天板40との間の段差が無くなり、天板40の上面と面一となり、天板40の上面が拡張される。
一方、天板40を縮小させるには、4枚の拡張板60a〜60dのうち、1枚を下降させ、その状態で天板40の下側に潜り込ませるように押し込めば良い。
【0050】
拡張板60a〜60dを押し込むと、リンク機構70が短縮し、図3、図7及び図11に示すように、4枚の拡張板60a〜60dが天板40の下側に収納される。
(第2の実施の形態)
つぎに、図12〜16を用い、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態の特徴は、リンク部材400〜470を、図12〜16に示すように、4個の角部を有する箱形に形成した点である。
【0051】
テーブル300は、図12〜16に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)テーブル本体310
(2)脚部320
なお、テーブル300のパーツは、上記した(1)及び(2)に限定されない。
(テーブル本体310)
テーブル本体310は、図12に示すように、天板330を有するものである。
【0052】
天板330は、平面が正方形に形成され、その中心が脚部320の支柱の上端部に回転不能に固定されている。
なお、天板330の形状として、正方形を例示したが、これに限定されず、長方形、多角形、円形、楕円形、或いは幾何学形状に形成しても良い。
テーブル本体310は、天板330のほかに、図12〜16に示すように、次のパーツを備える。
【0053】
なお、次の(1)〜(3)については、後述する。
(1)中央部材340
(2)拡張板350a〜350d
(3)リンク機構360
なお、テーブル本体310のパーツは、上記した(1)〜(3)に限定されない。
(脚部320)
脚部320は、図13に示すように、テーブル本体310から垂下するものであり、支柱と4本の脚片とから構成されている。
【0054】
脚片は、図12に示すように、支柱31の下端部から複数本、例えば4本延び、放射状に開きながら斜め下向きに傾斜している。
なお、脚片の本数として、4本を例示したが、これに限定されず、単数、3本或いは5本以上としても良い。
(中央部材340)
中央部材340は、4個の角部を有し、平面が正方形の箱形に形成され、その上面を天板330より小さく、例えば9分の1程度の面積に形成されている。中央部材340は、天板330の中央の下側に配置され、天板330と同様に、その中心が脚部320の支柱31の上端部に回転可能に連結されている。
【0055】
なお、中央部材340の上面の形状として、天板330と同じ正方形を例示したが、これに限定されず、天板330と形状を異ならせたり、或いは長方形、多角形、円形、楕円形、幾何学形状に形成しても良い。
(リンク機構360)
リンク機構360は、図12〜16に示すように、中央部材340に一端部が連結され、他端部が拡張板350a〜350dに固定され、当該他端部を一端部に対して収縮可能とし、図12に示すように、短縮状態において拡張板350a〜350dを天板330の下側に収納させ、図16に示すように、伸長状態において拡張板350a〜350dを天板330の周囲から張り出させ、天板330の面積を拡張可能なものである。
【0056】
リンク機構360は、8個のリンク部材400〜470から構成されている。8個のリンク部材400〜470については、次の3個の第1〜第3リンク部材400〜420を例に挙げて説明する。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)第1リンク部材400
(2)第2リンク部材410
(3)第3リンク部材420
なお、8個のリンク部材400〜470のうち、残る第4〜第8リンク部材430〜470については説明を省略するが、3個の第1〜第3リンク部材400〜420と同様の構造を有する。
【0057】
また、リンク機構360として、8個のリンク部材400〜470を例示したが、これに限定されず、リンク部材の個数を少なくしたり、或いは多くしても良い。
(第1リンク部材400)
第1リンク部材400は、図14及び図15に示すように、一端部がヒンジである第1回動部500を介して中央部材340に連結されたものである。
【0058】
第1リンク部材400は、4個の角部を有し、中央部材340と同様に、平面が正方形の箱形に形成され、例えば天板330の9分の1程度の面積に形成されている。
4個の角部のうち、一つの角部は、第1回動部500を介して中央部材340の4個の角部の一つの角部に連結する。
また、4個の角部のうち、他の一つの角部は、ヒンジである第4回動部530を介して、第2リンク部材410の後述する一つの角部に連結する。
(第2リンク部材410)
第2リンク部材410は、図14及び図15に示すように、一端部がヒンジである第2回動部510を介して第1リンク部材400に連結されたものである。
【0059】
第2リンク部材410は、第1リンク部材400と同様に、4個の角部を有し、平面が正方形の箱形に形成され、例えば天板330の9分の1程度の面積に形成されている。
4個の角部のうち、一つの角部は、第2回動部510を介して中央部材340の4個の角部の他の一つの角部に連結する。
また、4個の角部のうち、他の一つの角部は、ヒンジである第3回動部520を介して、第2リンク部材410の後述する他の一つの角部に連結する。
(第3リンク部材420)
第3リンク部材420は、図14及び図15に示すように、一端部が第3回動部520を介して第2リンク部材410に連結され、他端部が第4回動部530を介して第1リンク部材400に連結され、拡張板350a〜350dを有するものである。
【0060】
第3リンク部材420は、箱形の第1リンク部材400を収納可能で、平面が長方形の箱形に形成され、例えば天板330の9分の2程度の面積に形成されている。
(第1〜第4回動部200〜230)
第4回動部530は、リンク機構360の短縮状態においては、図12に示すように、第2回動部510に接近し、伸長する際に、図14〜16に示すように、第2回動部510から徐々に離隔するものである。第2回動部510は、第4回動部530に最接近した状態において、横方向に隣接する。
【0061】
第1回動部500、第2回動部510、第3回動部520、第4回動部530の4個の回動部は、リンク機構360が伸長する際に、図14〜16に示すように、略平行四辺形に拡開するようにしている。
すなわち、4個の回動部は、リンク機構360の短縮状態(図12及び図13参照)においては、第2回動部510と第4回動部530とが横方向に隣接した状態で、一直線上に位置する。
【0062】
リンク機構360を徐々に伸長(図14及び図15参照)すると、第2回動部510と第4回動部530とが離隔し、4個の回動部が略平行四辺形、或いは略菱形の角にそれぞれ位置する。略平行四辺形、或いは略菱形は、リンク機構360を徐々に伸長(図14及び図15参照)するに伴い、第2回動部510と第4回動部530と結ぶ仮想の対角線の方向に、つぶれた略平行四辺形或いは略菱形から、開いた略平行四辺形或いは略菱形に変形する。その後、リンク機構360の伸長状態(図16参照)において、4個の回動部が正方形の4個の角部にそれぞれ位置する。
(使用方法)
つぎに、上記した構成を有するテーブル300の使用方法について説明する。
【0063】
リンク機構360の短縮状態(図12及び図13参照)において、天板330を拡張させるには、拡張板350a〜350dを天板330から引き出せば良い。
天板330の下側に手を入れ、4枚の拡張板350a〜350dのうち、1枚を引き出すと、図14〜16に示すように、リンク機構360が伸長し、4枚の拡張板350a〜350dが天板330の下側から張り出す。
【0064】
このとき、第3リンク部材420に収納されていた第1リンク部材400が、図12〜15に示すように、第3リンク部材420の外側に突出する。
4枚の拡張板350a〜350dを天板330の下側から完全に引き出すと、図16に示すように、4枚の拡張板350a〜350dが上昇し、天板330との間の段差が無くなり、天板330の上面と面一となり、天板330の上面が拡張される。
【0065】
一方、天板330を縮小させるには、4枚の拡張板350a〜350dのうち、1枚を下降させ、その状態で天板330の下側に潜り込ませるように押し込めば良い。
拡張板350a〜350dを押し込むと、リンク機構360が短縮し、図12〜16に示すように、4枚の拡張板350a〜350dが天板330の下側に収納される。
このとき、第1リンク部材400が、図12〜16に示すように、第3リンク部材420内にはまり込み、第3リンク部材420内に収納される。
【符号の説明】
【0066】
(第1の実施の形態)
10 テーブル 20 テーブル本体
30 脚部
31 支柱 32 脚片
40 天板
50 中央部材
51 中央板 52 中央枠
60a〜60d 拡張板 70 リンク機構
80 ジョイント部材 81 ジョイント支持部
100〜170 第1〜第8リンク部材
100a〜100d 第1片 110a〜110d 第2片
120a〜120d 第3片 130a〜130d 第4片
200〜230 第1〜第4回動部
(第2の実施の形態)
300 テーブル
310 テーブル本体 320 脚部
330 天板 340 中央部材
350a〜350d 拡張板 360 リンク機構
400〜470 第1〜第8リンク部材 500〜530 第1〜第4回動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板を有するテーブル本体と、
前記テーブル本体から垂下する脚部とを備えるテーブルにおいて、
前記テーブル本体は、
前記天板の中央の下側に位置し、前記脚部に支持される中央部材と、
前記中央部材に一端部が連結され、他端部が拡張板に固定され、当該他端部を前記一端部に対して収縮可能とし、短縮状態において前記拡張板を前記天板の下側に収納させ、伸長状態において前記拡張板を前記天板の周囲から張り出させ、前記天板の面積を拡張可能なリンク機構とを備えることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
請求項1に記載のテーブルであって、
前記リンク機構は、
一端部が第1回動部を介して前記中央部材に連結された第1リンク部材と、
一端部が第2回動部を介して前記第1リンク部材に連結された第2リンク部材と、
一端部が第3回動部を介して前記第2リンク部材に連結され、他端部が第4回動部を介して前記第1リンク部材に連結され、前記拡張板を有する第3リンク部材とを備え、
前記第4回動部は、
前記リンク機構の前記短縮状態においては、前記第2回動部に接近し、
前記伸長する際に前記第2回動部から徐々に離隔し、
前記第1回動部、前記第2回動部、前記第3回動部、前記第4回動部の4個の回動部は、
前記リンク機構が伸長する際に、略平行四辺形に拡開するようにしていることを特徴とするテーブル。
【請求項3】
請求項2に記載のテーブルであって、
前記第1リンク部材、前記第2リンク部材、前記第3リンク部材の3個のリンク部材は、
4個の片を有する十字架形に形成されていることを特徴とするテーブル。
【請求項4】
請求項2に記載のテーブルであって、
前記第1リンク部材、前記第2リンク部材、前記第3リンク部材の3個のリンク部材は、
4個の角部を有する箱形に形成されていることを特徴とするテーブル。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のテーブルであって、
前記脚部と前記リンク機構との間には、
伸縮可能なジョイント部材を連結したことを特徴とするテーブル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のテーブルであって、
前記リンク機構は、
前記伸長状態において前記拡張板を前記天板と面一に上昇させるようにしていることを特徴とするテーブル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−147808(P2012−147808A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6465(P2011−6465)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(501300104)学校法人 多摩美術大学 (25)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)