ディスクドライブ支持機構、クランプ機構、およびディスクドライブキャリア
【課題】ディスクドライブを試験機ラックに開放可能に締め付けるための配置。
【解決手段】膨張式アクチュエータは、ディスク10ドライブ12をディスクドライブキャリア2を介してブロック8に締め付けるように作動する。ディスクドライブキャリア12は、ディスクドライブ12を基板に締め付けるためのクランプ機構である。ディスクドライブキャリア12は、異なる種類のディスクドライブ2と共に用いることができる。ディスクドライブ2は、ディスクドライブの下方または後方において、電気的および/またはデータ接続を設け、さらに関連する独自のプロダクトカードを備える。
【解決手段】膨張式アクチュエータは、ディスク10ドライブ12をディスクドライブキャリア2を介してブロック8に締め付けるように作動する。ディスクドライブキャリア12は、ディスクドライブ12を基板に締め付けるためのクランプ機構である。ディスクドライブキャリア12は、異なる種類のディスクドライブ2と共に用いることができる。ディスクドライブ2は、ディスクドライブの下方または後方において、電気的および/またはデータ接続を設け、さらに関連する独自のプロダクトカードを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクドライブ支持機構、クランプ機構、およびディスクドライブキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
他の装置にディスクドライブを据え付ける必要がある場合には、数々の用途がある。これらは例えば、製造工程においてディスクドライブが試験される場合、および、ディスクドライブがデータ蓄積用途に使用される場合等を含む。特定用途としては、製造工程において、サーボトラックがディスクドライブに書き込まれる場合である。サーボトラックはディスクドライブの通常の使用において、ディスクドライブの読み/書きヘッド(プロダクトヘッドとしても知られる)が上記ディスク上での位置を知ることを可能にするために用いられる。特に新しい2つのサーボトラックの書き込みの技術としては、自己サーボ書き込み工程および自己サーボフィル(fill)工程である。前者においては、全てのサーボトラックを書きこむのにプロダクトヘッドが用いられる一方、ディスクドライブはサーボ書き込み部(station)に据え付けられている。後者においては、プロダクトヘッドによっては一部のみのサーボトラックが書き込まれる一方、ディスクドライブはサーボ書き込み部にあり、残りはディスクドライブがサーボ書き込み部から取り除かれた後に(プロダクトヘッドにより再度)書き込まれる。これらのどちらのタイプにおいてもプロダクトヘッドは、ディスク上での自己の位置決めをするために用いられる。一方、より従来型のサーボトラック書き込みは、ディスクドライブの外部に設けられた別途のクロックヘッド(clock head)を用いる。
【0003】
サーボ書き込み工程におけるディスクの回転から主に生じる振動を減衰させるため、ディスクドライブは通常は、相対的に大きなブロック、通常は鋼または花崗岩(granite)に締め付けられている。一般的な配置は特許文献1に開示されている。この文書は、ディスクドライブを相対的に大きなブロックに直接締め付けるために4個のクランプの使用を開示する。ディスクドライブは手動で上記ブロック上に載せられ、ディスクドライブへの適切なデータおよび電気的な接続を築けるように手で操作される。しかしながら、上記および上記と同様な公知の配置は、ロボットやその他の自動化された機械装置を用いた、自動化されたディスクドライブの搭載および取り降ろしには向いていない。
【0004】
ディスクドライブの他の据え付け配置が特許文献2、特許文献3、および特許文献4に開示されている。しかしながら、これらの先行技術配置の第1番目では、ディスクドライブの締め付けおよび緩めは本質的に手動であり、かつ、上記配置も自動化に向くものではない、また、締め付け力を付与する楔も、互いに独立して作動するものではない。これらの先行技術配置の第2番目および第3番目では、ディスクドライブは試験機ラックやサーボトラック書き込み部等に据え付けられるまで完全には締め付けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許公開第6018437号
【特許文献2】国際公開第97/06532号
【特許文献3】国際公開第03/021597号
【特許文献4】国際公開第03/021598号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題の1つ以上を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態においては、サーボトラックがディスクドライブのディスクに書き込まれている間に、上記ディスクドライブを支持するために構成および配置されたディスクドライブ支持機構であって、ディスクドライブを運搬する、取り外し可能なディスクドライブキャリアと;相対的に大きなブロックと;ディスクドライブを上記ブロックに開放可能なように締め付けるために構成および配置されたクランプ配置とを有することを特徴とする機構を提供する。
【0008】
上記相対的に大きなブロックに直接ディスクドライブを締め付ける代わりに、個別的で取り外し可能なディスクドライブキャリアを用いることにより、上記ブッロク上へのディスクドライブの搭載および取り降ろしの自動化が促進される。自動化は、先行技術の、遅くて面倒な手動の搭載および取り降ろしを回避する。上記ディスクドライブおよびディスクドライブキャリアは、共に上記ブロックへ締め付けられている。サーボ書き込みは、ディスクドライブが上記ブロックに締め付けられている間に全てのサーボトラックがプロダクトヘッドによって書き込まれる自己サーボ書き込み形、または、ディスクドライブが上記ブロックに締め付けられている間に一部のサーボトラックのみがプロダクトヘッドによって書き込まれるサーボフィル型の例になり得る。
【0009】
好ましい態様においては、上記支持機構は第1の方向の相対的な往復動用に上記ブロックがその内部に取りつけられたカゴを有し、上記カゴは上記ディスクドライブキャリアを受け入れるための空間を有し、上記クランプ配置は、上記ディスクドライブキャリアを介して上記ブロックへ、上記ディスクドライブキャリアによって運搬されたディスクドライブを締め付けるように、上記カゴを上記ブロックと相対的に動かすことができるアクチュエータを有する。上記カゴの使用は、後に説明する態様によって、例えば単純なクランプ配置、相対的に大きなブロックの便利な据え付け、およびディスクドライブ付きのディスクドライブキャリアの搭載および取り降ろしへの簡単なアクセスを含む数々の利点を有する。
【0010】
上記カゴは、上記ブロックと相対的に上記第1の方向にのみ動けるように、上記カゴおよびブロックが配置されていることが好ましい。この態様においては、上記カゴは第1の方向以外の方向に動くことに対して制約されており、上記ディスクドライブの振動を最小限にすることに役立つ。
【0011】
上記アクチュエータが、膨張式アクチュエータの膨張が上記カゴを上記ブロックと相対的に上記第1の方向に動かすように、上記ブロックと上記カゴとの間に配置された膨張式アクチュエータを有していてもよい。上記膨張式アクチュエータは、例えば適切な制御弁を有する圧縮空気源へ接続することにより簡単に操作することができ、例えば締め付け位置の高さに変動があった場合でも上記ディスクドライブキャリアにわたって均一に締め付け荷重が広がる配置にすることができる。上記空気の圧力を変動させることにより締め付け荷重を簡単に変動させることができることが好ましい。
【0012】
上記支持機構は、上記アクチュエータの作動により上記カゴが動かされた方向とは逆の方向に上記カゴを傾けるために構成および配置された偏倚配置を有することが好ましい。この態様においては、上記アクチュエータが作動していないとき(すなわち、上記ディスクドライブおよびキャリアが開放されることを目的とする)、上記ブロックは、ディスクドライブキャリアが取り降ろされ、他のディスクドライブキャリアを搭載できるように動く。
【0013】
上記カゴは、上記ブロックが、複数の振動減衰マウントにより支持されていることが好ましい。上記振動減衰マウントは、サーボ書き込み工程におけるディスクの回転から生じる振動を減衰するように機能する。1つの好ましい態様においては、上記ブロックが、上記カゴの下に設けられたちょうど3個の振動減衰マウントにより支持されている。上記3個の振動減衰マウントを適切に配置することにより、上記ブロックの据付を相対的に強固なものにすることができ、また、上記ブロックの第1の振動モードを回転的および低周波にすることができ、上記ディスクドライブの回転から生じる振動の効果的な減衰に役立つ。
【0014】
上記ディスクドライブキャリアが、ディスクドライブを上記ディスクドライブキャリアに締め付ける、複数のクランプを有することが好ましい。好ましくは、上記複数のクランプが、上記ディスクドライブ上に設けられ、上記ディスクドライブの一方の表面から対向する表面へと貫通する、対応する複数の柱を介してディスクドライブを締め付けるように配置されている。これは、上記ディスクドライブの強固な締め付けを提供する。
【0015】
上記ディスクドライブキャリアが、上記ディスクドライブキャリアを貫通し、上記ブロックに支えられている、複数のディスクドライブキャリア柱を有していてもよい。上記ディスクドライブは上記キャリア柱の上に据え付けられ、上記キャリアにより支持されてもよく、このように、上記ブロックと接触している。これは上記ブロックの自己励磁効果を減少し、上記キャリアが存在しないかのように作用することができる。
【0016】
好ましい態様においては、ディスクドライブキャリアは複数のクランプアームおよびその間にディスクドライブを締め付け可能な、対向するディスクドライブキャリア柱を有し、上記ディスクドライブキャリア柱は上記ディスクドライブキャリアを貫通し、上記クランプ配置は、上記カゴのふたは各クランプアームの第1の面に支えられ、各クランプアームの第2の面は、上記ディスクドライブ上に設けられた複数のディスクドライブ柱の各々の第1の面に支えられるようにディスクドライブを締め付けるように構成および配置されており、上記ディスクドライブの一方の面から対向する面へ貫通し、かつ、上記各ディスクドライブ柱の第2の面は各々のディスクドライブキャリア柱の端に支えられ、上記ディスクドライブキャリア柱のもう一方の端は上記ブロックに支えられている。
【0017】
本発明は、第2の形態においてディスクドライブを基板へ締め付ける(clamping)ためのクランプ機構であって、上記クランプ機構は、クランプアームであり、第1の方向に沿って前後に移動可能であり、上記第1の方向に横向きの回転軸を軸にして回転可能であるクランプアームと;上記クランプアームを締め付け位置に向けて上記第1の方向に傾けるために構成および配置された、第1の偏倚配置と;上記クランプアームを、上記回転軸を軸に回転するように傾けるために構成および配置された、第2の偏倚配置と;クランプ開放アクチュエータを支え得るアクチュエータ表面とを有し、上記機構は、クランプアームが通常締め付け位置の方向へ傾けられ、クランプ開放アクチュエータが上記アクチュエータ表面に支えられている際、上記クランプアームが上記第1の方向へ上記締め付け位置から離れるように動き、上記回転軸を軸に回転するように配置されていることを特徴とするクランプ機構を提供する。
【0018】
上記クランプ機構は、上述したディスクドライブ支持機構におけるサーボ書き込み中の使用の特別な用途を有するが、例えばディスクドライブ試験装置、データ蓄積用途等を含む、ディスクドライブが他の物に締め付けられるいかなる用途においてももちいることができる。上記クランプ機構は、上述したように、一般的に相対的に大きなブロックへ締め付けるためにディスクドライブキャリア上に設けられてもよく、また、上記ディスクドライブが直接上記ブロックへ締め付けられるようにブロック上に直接設けられてもよい。上記クランプ機構は、上記クランプアームが上記ディスクドライブの移動道の外に回転するにつれて、上記第1の方向に平行な方向へのディスクドライブの搭載および取り降ろしを可能にする。これはディスクドライブの搭載および取り降ろしの自動化を促進する。上記クランプ開放アクチュエータは一般的には、ディスクドライブが上記基板へ搭載および取り降ろしされる上記または各ステーションに設けられている。
【0019】
上記第1の偏倚配置が、通常圧縮されている、少なくとも1個のバネを有していてもよい。上記第1の偏倚配置の上記または各バネは、コイルバネでもよい。上記または各バネは異なる強さの他のバネと相互に交換でき、状況に応じた最も適した締め付け力を容易に設定できることを意味する。
【0020】
上記第2の偏倚配置が、上記クランプアームの端に作用する板バネ(leaf spring)を有していてもよい。
【0021】
好ましい態様においては、上記クランプアームが、ハウジング内における上記第1の方向の平行移動のために据え付けられたピボットブロックに回転可能なように据え付けられている。上記ハウジングは、通常は上記第1の方向に平行な第1の表面と、上記第1の表面に対して角度を有する第2の、傾斜表面とを有し、上記第1および第2の表面は、上記クランプアームの上記平行移動および回転動を導くように作用することが好ましい。本態様のピボットブロックおよびハウジングは上記クランプアームの並進および回転動を制御し、上記クランプ機構を構成する部品の整合性も促進する。
【0022】
本発明の第3の形態においては、ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:上記基板に対して相対的に取り外し可能なクランプエレメントであり、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有し、さらにカム表面を有するクランプエレメントと;上記クランプエレメントの上記カム表面と対応するカム表面を有する基板と;上記ディスクドライブが上記基板への搭載または上記基板からの取り降ろしを可能にするために上記クランプエレメントがディスクドライブの移動道の外に引き込む、または引き込むことが可能であり、上記クランプエレメントの突起が上記ディスクドライブの開口部に入り込み、上記クランプエレメントのカム表面および基板が、上記突起と上記ディスクドライブの開口部とのかみ合いによって上記ディスクドライブを基板に締め付けるように互いにかみ合うように上記ディスクドライブが上記基板に締め付けられる際に、上記クランプエレメントが上記ディスクドライブとかみ合うように動く、または動くことが可能な配置とを有することを特徴とするクランプ機構を提供する。
【0023】
本形態のクランプ機構の突起は、慣例によりディスクドライブの側壁に設けられた固定孔の1つにかみ合う。(これらの固定孔の位置および寸法は合意された基準により決定される。)このかみ合いにより、上記ディスクドライブは上記基板の予め決められた、それ故予測可能な位置に保持され、搭載および取り降ろし工程の自動化を促進する。また、このかみ合いにより、上記ディスクドライブは水平および垂直の両方向に強固に保持される。歴史的には、ディスクドライブは水平方向のみに拘束されていた。しかしながら、手動のディスクドライブの搭載および移動の代わりに自動化の多用かに伴って、垂直方向の拘束は重要性を増している。加えて、比較的新しい小型ファクターディスクドライブ(直径2.5インチまたは約6.35cm)は比較的軽く、垂直方向に拘束されていないと、搭載/取り降ろしステーションとサーボトラック書き込みステーション等の間の移動中に据え付けられるキャリア等から飛び出し易い。これは、従来のより大きな直径のディスクドライブ(直径3.5インチ、または約8.9cm)ではそれほど問題にはならなかった。また、より重い、従来の大きな直径のディスクドライブは、ディスクドライブキャリアなどの基板に適切に納まっていたが、より新しい小型ファクターディスクドライブの重量は軽く、外部の誘導なしには適切に納まりにくい。上記カム表面は、上記クランプ機構がディスクドライブとかみ合う際の効果的な締め付けの役に立つ。この配置は上方からディスクドライブを締め付けることを回避し、ディスクドライブに過剰に高い力が付与され得る、摩擦を用いた締め付けをも回避する。
【0024】
上記クランプ機構は、その静止位置において、上記クランプエレメントを上記ディスクドライブかみ合い位置に向けて傾かせる、偏倚配置を有することが好ましい。この好ましい配置は、一般的にいかなる外部の影響も必要とせず、ディスクドライブは強固に保持されることを意味する。上記偏倚配置が、第1の端において上記基板に対して固定されており、第2の端において上記クランプエレメントとかみ合うバネを有してもよい。
【0025】
好ましい態様においては、上記クランプエレメントが、引き込み装置とのかみ合いのための、上記クランプエレメントを引き込むために作動可能であり、これにより上記クランプエレメントの突起を上記ディスクドライブの開口部から引き込む、引き込み柱を有する。
【0026】
最も好ましい態様においては、上記クランプ機構は、第1の端において上記基板に対して固定されており、第2の端において上記クランプエレメントと、その静止位置において、上記クランプエレメントを上記ディスクドライブかみ合い位置に向けて傾かせるようにかみ合うバネを有し、上記クランプエレメントが、上記バネが上記クランプエレメントを引き込むために作動可能であり、これにより上記クランプエレメントの突起を上記ディスクドライブの開口部から引き込むバネの第2の端とかみ合う引き込み柱を有する。このため、本態様のバネは、上記クランプエレメントに傾きを与える、および上記クランプエレメントを引き込むための機構の2つの役割を果す。
【0027】
その他の配置においては、その静止位置において、上記クランプエレメントを上記ディスクドライブかみ合い位置から遠ざけるように傾かせる、偏倚配置を有する。
【0028】
上記クランプエレメントが3直交方向へ移動可能であることが好ましい。これは、クランプ機構の製造上の公差、および、ディスクドライブの固定孔の位置に最も順応する。
【0029】
上記クランプ機構は、4個の上記クランプエレメントを有し、各クランプエレメントの上記突起が、上記ディスクドライブの4個の開口部のそれぞれとかみ合い可能であることが好ましい。
【0030】
本発明の第4の形態においては、ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:上記基板の壁に据え付けられており、上記バネの静止位置においては、上記基板により使用中のディスクドライブキャリアとのかみ合いのために上記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有するクランプバネと、上記ディスクドライブが上記基板への搭載または上記基板からの取り降ろしを可能にするために上記クランプバネのベアリング部を引き込むためのアクチュエータとを有することを特徴とするクランプ機構を提供する。
【0031】
本形態のクランプ機構は、望むまで、通常はディスクドライブへの電気的接続が形成された後、までディスクドライブに締め付け荷重が付与されないように配置でき、それは従来の配置と大きく異なる。上記クランプ機構は、ディスクドライブが側面のみで締め付けられるように配置することができ、これによりディスクドライブの頂部で締め付けることを防止する。上記クランプバネは、締め付け力を付与するだけでなく、上記ディスクの回転中に生じる振動を減衰するように作動するように配置することができる。上記クランプ機構は、上記アクチュエータの作動が、アクチュエータを1方向のみに前後に動かすことにより達成できるように配置することができ、単純な作動につながる。
【0032】
ある態様においては、上記アクチュエータはプッシュロッドであり、上記クランプバネに2箇所において接続されており、第1の上記接続箇所における接続は固定接続であり、第2の上記接続箇所における接続はスライディング接続であり、上記ロッドの第1の方向への動きは、上記クランプバネのベアリング部を引き込むように上記2個の接続箇所を互いに遠ざけるように動かし、上記ロッドの第2の、逆方向への動きは上記2個の接続箇所を互いに向けて動かし、上記クランプバネのベアリング部を上記基板により使用中の上記ディスクドライブキャリアとかみ合うことが可能な位置へ動かす。
【0033】
ある態様にいては、上記基板の壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、各クランプバネは、バネの静止位置においては、2個のクランプバネが上記ディスクドライブのそれとかみ合うように、上記基板により使用中のディスクドライブキャリアとのかみ合いのために上記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有する。上記アクチュエータが、上記2個のクランプバネのベアリング部を同時に引き込むために作動可能であることが好ましい。
【0034】
最も好ましい態様においては、クランプ機構は上記基板の壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、かつ、上記基板の第2の対向する壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、各クランプバネは、バネの静止位置においては、使用中に上記基板により輸送されたディスクドライブとの、2個のクランプバネは上記ディスクドライブの一方にかみ合い、上記他の2個のクランプバネは上記ディスクドライブの第2の対向する側にかみ合うための上記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有し、かつ、上記2個のクランプバネおよび上記他の2個のクランプバネ用のそれぞれのアクチュエータを有する。
【0035】
ある態様においては、上記または少なくとも1個の上記クランプバネが、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有する。
【0036】
本発明の第5の形態においては、ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:上記基板の壁に据え付けられ、ベアリング部を有するクランプエレメントを有し、上記クランプエレメントは、それと共に一体に形成された、またはそれに取りつけられたバネアームを有し、上記バネアームは上記ベアリング部が、使用中に上記基板により輸送されたディスクドライブとかみ合う締め付け位置へ、上記壁の開口部を貫通して突き出すように傾けることを特徴とするクランプ機構を提供する。
【0037】
最も便利なことに、上記クランプエレメントは上記バネアームと一体形成することができ、そのため、クランプエレメントの全体を1片部品として作ることができる。自然の「静止」位置では、クランプエレメントは締め付け位置にあり、締め付けを達成するためのいかなる外部の機構も必要としない。これは、上記基板がステーションまたはその他の固定具間を動き回っても、上記クランプ機構がディスクドライブを基板に締め付けることができることを意味する。それにもかかわらず、上記ステーションに設けられたロッドまたは突起とバネアームとが、上記バネアームがより力強くベアリング部を傾けることに起因するような機構のかみ合いによりディスクドライブが作動されるステーションまたはその他の固定具におけるより高い締め付け荷重を達成できる。
【0038】
好ましくは、上記ベアリング部は、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有する。本態様のクランプ機構の突起は、ディスクドライブの側壁に慣習的に設けられた固定孔の1個とかみ合う。このかみ合いによって、ディスクドライブは基板の予め定められた、それ故予測可能な位置に保持され、搭載および取り降ろし工程の自動化を促進する。また、このかみ合いにより、ディスクドライブは水平および垂直の両方向に強固に保持される。
【0039】
好ましい態様においては、上記バネアームは、上記バネアームの一端のみで上記クランプエレメントと一体に形成され、または取りつけられ、上記バネアームのもう一方の端は、使用中に上記基板により輸送されたディスクドライブとかみ合うための上記壁の開口部を貫通して突き出すように上記バネアームがベアリング部を傾けるように、上記基板の壁とかみ合う。
【0040】
上記クランプエレメントは、上記ベアリング部を締め付け位置から離れるように動かすためのクランプ開放アクチュエータが支えられるアクチュエータ表面を有することが好ましい。上記クランプ開放アクチュエータは、通常ディスクドライブが搭載または取り降ろされる基板である上記または各ステーションに設けられる。
【0041】
本発明の第6の形態においては、ディスクドライブを輸送するためのディスクドライブキャリアであって、上記ディスクドライブキャリアがケーシングを有し:上記ケーシングは、上記キャリア内に据え付けられたディスクドライブにデータ接続を提供する、取り外し可能なディスクドライブカードを受け入れるための第1の領域を有し;上記ケーシングは、上記キャリア内に据え付けられたディスクドライブのモーターに電気的な接続を提供する、取り外し可能なモーターカードを受け入れるための第2の領域を有し;上記ケーシングは、上記取り外し可能なモーターカードおよび取り外し可能なディスクドライブカードに接続可能な、取り外し可能なデータおよび電気コネクタを受け入れるための第3の領域を有し;それによりディスクドライブキャリアは、上記キャリアによって輸送されるディスクドライブに任意に:第1、第2、および第3の領域にそれぞれ受け入れられる取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカード、および取り外し可能なデータおよび電気コネクタを介し;または上記キャリアによって輸送されるディスクドライブのプロダクトカードを介してデータおよび電気的接続を提供するために使用できることを特徴とするディスクドライブキャリアを提供する。
【0042】
上記ディスクドライブキャリアは、ディスクドライブの下において電気的および/またはデータ接続を設けるもの、ディスクドライブの後において電気的および/またはデータ接続を設けるもの、および独自の関連するいわゆるプロダクトカードを有するものを含む異なる種類のディスクドライブと用いることができる。ディスクドライブの種類によって取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカードおよび取り外し可能なデータおよび電気コネクタを必要に応じてはめ込むまたは取り外すのみでよい。また、取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカードおよび取り外し可能なデータおよび電気コネクタは、精密なモデルのディスクドライブのよって他の種類と容易に交換することができる。上記ディスクドライブキャリアは、サーボ書き込み中に使用する、上述したディスクドライブ支持機構のディスクドライブキャリアとしての特別な用途があるが、ディスクドライブが輸送される、あるいは、例えばディスクドライブ試験装置、データ蓄積用途等を含む、他の品に締め付けられるいかなる用途において用いることができる。
【0043】
上記ディスクドライブキャリアは、上記第1の領域に受け入れられる取り外し可能なディスクドライブカードを、上記キャリアにより輸送されるディスクドライブとかみ合うように傾けるための、傾けるおよび横向きに適合した配置(a biasing and laterally compliant arrangement)を有することが好ましい。この横方向の適合性のある傾きは、接続を向上させるのに役立ち、製造中に生じる公差の変位を許容する。上記傾けるおよび横向きに適合した配置は上記キャリアから取り外し可能であることが好ましい。上記偏倚配置および横向きの適合は、上記ディスクドライブキャリアから取り外し可能なトレイ上に据え付けられていてもよい。
【0044】
上記ディスクドライブキャリアは、少なくとも1つの取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカード、および取り外し可能なデータおよび電気コネクタの挿入および取り降ろしを可能にする、取り外し可能なカバーを有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、ディスクドライブがその内部に据え付けられており、明確化のためにディスクドライブキャリアの前面の壁が取り外され手いる、本発明の1態様のディスクドライブ支持機構の例の前面からの斜視図である。
【図2】図2は、ディスクドライブ支持機構の前面からの斜視図である。
【図3】図3は、締め付けられていない状態で、明確化のために、カゴの側面および底面の一部、並びに相対的に大きなブロックの一部が取り外されている、ディスクドライブ支持機構の斜視図である。
【図4】図4は、図3に対応する図であり、ディスクドライブが締め付けられている状態である。
【図5】図5は、本発明の1態様のディスクドライブキャリアの例の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の1態様のクランプ機構の最初の例の部分を特に示す、ディスクドライブキャリアの詳細な斜視図である。
【図7】図7は、図6に対応する斜視図であり、図6のクランプ機構のクランプアームを作動しない位置へ動かしたものである。
【図8】図8は、図6のクランプ機構の拡大斜視図である。
【図9】図9は、図6のクランプ機構がディスクドライブを締め付けているものを示す部分的な横断面図である。
【図10】図10は、図6のクランプ機構がディスクドライブを締め付けていないものを示す部分的な横断面図である。
【図11】図11は、本発明の1態様のクランプ機構の2番目の例を用いた、ディスクドライブがディスクドライブキャリアに締め付けられたものを示す斜視図である。
【図12】図12は、ディスクドライブとかみ合った図11のクランプ機構のクランプを示す詳細な斜視図である。
【図13】図13は、ディスクドライブとかみ合った図11のクランプ機構のクランプの断面図である。
【図14】図14は、図11のクランプ機構のクランプを示す他の詳細な図である。
【図15】図15は、本発明の1態様のクランプ機構の3番目の例を用い、ディスクドライブキャリアを示す斜視図である。
【図16】図16は、明確化のためにキャリアの側面の壁の一部が切り取られた、図15のクランプ機構の一部を示す詳細な図である。
【図17】図17は、本発明の1態様のクランプ機構の5番目の例を用い、ディスクドライブキャリアを示す斜視図である。
【図18】図18は、図17のクランプ機構のクランプの、搭載された形態でのクランプを示す詳細な図である。
【図19】図19は、ディスクドライブカードが取り外されたディスクドライブキャリアの斜視図である。
【図20】図20は、トレイが取り外された図19のディスクドライブキャリアの斜視図である。
【図21】図21は、全ての取り外し可能な部品を取り外した図19のディスクドライブキャリアの下からの斜視図である。
【図22】図22は、カバーを示すための、図19のディスクドライブキャリアの下からの斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
次に、本発明の態様を、例を挙げ、添付の図を参照して説明する。
【0047】
まず、図1から図4を参照し、取り外し可能なように据え付けられたディスクドライブキャリア2を有するディスクドライブ支持機構1を示す。上記機構1は、2つの対向する側面4,5、ふた6、および底7を有するハウジング、または「カゴ」3を有する。上記カゴ3の下側部分には内部に、例えば鋼または花崗岩のような密度の高い材料から作られた相対的に大きなブロック8が据え付けられている。上記ディスクドライブキャリア2は、上記カゴ3の上側部分の内部に受け入れられる。
【0048】
上記相対的に大きなブロック8は、上記カゴ3の底7にある対応する開口部(図示せず)を貫通する振動減衰マウント9上に据え付けられている。上記振動減衰マウント9は、ソルボサン(Sorbothane、商標)のような、好ましくは約20%圧縮下のエラストマーから作られていることが好ましい。後述するように、複数のセルラックの中のセル内にカゴ3が据え付けられてもよい。上記据え付けは、上記振動減衰マウント9がセルの床に位置し、カゴ3の底7が上記セルの床に接触しないように行なわれる。
【0049】
好ましい態様においては、上記ブロック8の支持にちょうど3個の振動減衰マウント9が用いられ、上記マウント9は、2個のマウントが機構1の前面角部に、3番目のマウント9は機構1の背面の中心に据え付けられるように配置されている。この配置は、上記ブロック8の最初の振動モードを回転的にし、さらに、使用中のキャリア2に据え付けられたディスクドライブの回転から生じる振動の効果的な減衰に役立つ、10Hz程度の低周波数の原因となることが分かった。しかしながら、態様によっては、異なる数の振動減衰マウント9が用いられてもよく、および/または上記マウント9は他の様式で配置されてもよい。他の振動減衰機能が用いられてもよい。
【0050】
少なくとも後述する作動モードにおいて、上記ブロック8は上記カゴ3の底7に接触しない。それに対し、上記カゴ3をブロック8から持ち上げるための、1個以上の膨張式アクチュエータ10が上記カゴ3の底7と上記ブロック8との間に位置する。これらのアクチュエータ10は、使用中は制御可能な圧縮空気源に接続された、膨張式のダイヤフラムであってもよい。上記セルの床上に(上記振動減衰マウント9を介して)実際上位置しているのは上記ブロック8であることを念頭におくと、上記アクチュエータ10の膨張は、上記カゴ3の底7を動かし、その結果上記カゴ3の全体を下側へ動かす。この動作は、上記カゴ3のブロック8の上方、かつ、ふた6の下方の空間の高さを減少させる。一般的な移動は、4mm程度の規模になり得る。上記アクチュエータ10は、少なくともカゴ3の底7およびブロック8の一方に設けられたポケット11に受け入れられる。通常の、上記膨張式アクチュエータ10が膨張していない静止位置で上記ブロック8とカゴ3のふた6との間の最大の隙間が存在するように上記カゴ3を上側に傾けるための、圧縮されたコイルバネのような偏倚配置(図示せず)が上記ブロック8の上面と上記カゴ3のふた6との間に設けられている。
【0051】
基本的な動作は以下の通りである。圧縮空気の源を断つことにより上記アクチュエータ10は収縮される。これにより、カゴ3を上側に傾けているバネが上記カゴ3を上記ブロック8と相対的に上側へ押し、上記ブロック8の上方の空間が増加する。内部にディスクドライブ12が据え付けられたドライブキャリア2は、その後上記ブロック8の上方の空間へ挿入される。少なくとも上記カゴ3および上記カゴ3が据え付けられたセルの一方に適切な電気的およびデータの接続を提供するように上記キャリア2はホームへ押される。上記キャリア2の上部と上記カゴ3のふた6との間の間隙xを図3に示す。上記アクチュエータ10はその後膨張し、上記底7を押し、その結果上記カゴ3全体が下側へ押され、図4に最も明確に示されるように、上記キャリア2の上部と上記カゴ3のふた6との間の隙間は閉ざされる。それらが比較的簡単であることの他に、1個以上の膨張式アクチュエータ10を用いることの主な利点は、締め付け荷重を上記ブロック8およびカゴ3にわたって公平に均一に拡げることができるため、機構1の個々の構成部品の製造において起こり得る、これらの構成部品のサイズの変動に順応することにある。
【0052】
これまでに述べた配置は、キャリア2を用いた上記ディスクドライブの上記カゴ3内外への輸送を可能にし、このことは出し入れ工程の自動化を大幅に推進し、先行技術出のような低く、困難なディスクドライブの手動による出し入れの必要をなくす。
【0053】
図1に示すように、および以下でさらに詳細に説明するように、上記ディスクドライブキャリア2は、各角部にクランプ機構13を有し、各クランプ機構13は、上記キャリア2の内側へ突き出る突出リップ15を有するクランプアーム14を有する。上記キャリア2の底16は、対応するクランプアーム14のリップ15に対向するディスクドライブキャリア柱17を各角部に有する。上記クランプアーム14およびディスクドライブキャリア柱17は、鋼のような非圧縮性の材料から作られている。上記ディスクドライブキャリア柱17は、上記キャリア2の底16を貫通しており、上記キャリア2がカゴ3に据え付けられた際、上記ブロック8の上面と接触しているのは、上記キャリア柱17の下面のみである。
【0054】
同様に、上記キャリア2と上記カゴ3のふた6との間の接触点は、クランプアーム15の上面のみである。また、上記ディスクドライブ12には、各角にディスクドライブ柱18が設けられている。各ディスクドライブ柱18の端は上記ディスクドライブ12の上下面に位置し、上記クランプアーム14のリップ15および上記キャリア2の柱17の位置に対応するように配置されている。
【0055】
このように、図1に示すように、上記膨張式アクチュエータ10が膨張して上記カゴ3のふた6を上記キャリア2上まで押し下げた場合、上記ブロック8とカゴ3との間の締め付け力Fは上記クランプアーム14、ディスクドライブ柱18およびディスクドライブキャリア柱17の非圧縮性材料を通してのみ働き、また、これらの構成部品を通る線状に働く。これは、いかなるオフセットクランプ配置においても曲げモーメントが生じないことを意味し、また、最大の締め付け力が上記ディスクドライブ12に付加される。加えて、上記ディスクドライブ12は、効果的に上記ブロック8に締め付けられており、例えば、上記キャリア2等を介して上記ブロック8に締め付けられていない。このように、上記キャリア2の使用は、上記ブロック8による振動の減衰に悪影響を及ぼさない。上記ディスクドライブ12に付加された締め付け力Fは、上記膨張式アクチュエータ10を通じて付加された圧力に相当し、6バール(約6×105Pa)のオーダーであってもよく、上記カゴ3を上記ブロック8から離れるように上方に傾けるバネのバネ力を小さくする。全体の締め付け力は、アクチュエータ10毎に165Nオーダーでもよく、2個のアクチュエータ10が設けられる場合は、全体の締め付け力は約330Nである。必要な場合は、より多くのアクチュエータ10を用いるおよび/または一部または全てのアクチュエータ10のサイズを大きくすることにより上記締め付け力を増加させることができる。
【0056】
当然のことながら、上述したディスクドライブキャリア2は、サーボ書き込み中の振動を減衰するために、相対的に大きなブロック8にディスクドライブ12を締め付ける特定の用途がある。しかしながら、上述したように、上記キャリア2は、ロボットまたはその他の自動化された機械によって操作可能な単純な配置をキャリア2が提供するにあたって、ディスクドライブ12がある場所から他の場所へ輸送されなければならないいかなる用途において用いることができる。
【0057】
特に図5から図10を参照し、上記キャリア2および好ましいクランプ機構13をより詳細に説明する。上記クランプアーム14は、ピボットピン20を介して回転可能なように、ピボットブロック22の2つのアーム21の間に据え付けられており、上記ピボットピン20は上記クランプアーム14の回転軸を定める。上記ピボットブロック22は、ハウジングまたは「タワー」23内に据え付けられており、その内部で上記回転軸に対して横向きに上下に滑動可能である。上記ハウジング23は、上記ディスクドライブキャリア2の底にしっかりとはめ込まれ、この目的のため、上記ハウジング23の底にはペグ24が設けられている。上記ピボットブロック22は、一方の端部は上記ピボットブロック22上の位置決めペグ26を覆うように受け止められ、もう一方の端部は上記ハウジング23の対向面27上に支えられている。上記コイルネジ25は、適切なバネ力を有するように選択することができ、用途および/または上記キャリア2によって運搬される特定の種類のディスクドライブによっては、異なるバネ力の他のコイルバネと交換されてもよい。
【0058】
上記ピボットブロック上には、上記2つのアーム21間に上向きに突き出すように板バネ(leaf spring)28が、上記板バネの自由端が上記クランプアーム14の下部の最も内側に支えられるように据え付けられている。これにより、上記クランプアーム14は上記回転軸を軸として傾いて、上記クランプアーム14のリップ15をキャリア2の外側へ動かす。
【0059】
上記ピボットブロック22は、その下端にアクチュエータ表面29を有する。上記キャリア2は各角部に、上記クランプ機構13がキャリア2に固定された際に上記ピボットブロック22のアクチュエータ表面29が貫通して突き出す開口部30を有する(例えば、かなり後で説明する図21に示されるように)。
【0060】
上記クランプハウジング23は、上記クランプアーム14の移動方向に平行な平面背壁を有する。クランプハウジング23はさらに、上記平面背壁31に隣接し、上向きかつ上記キャリア2の外向きの角の、角を成す、または傾斜(ramp)部32を有する。
【0061】
静止状態では、例えば図6および図9に示すように、上記コイルネジ25がピボットブロック22を下側へ傾ける。この傾きは、クランプアーム14の背部を上記ハウジング23の平面背壁31によりかからせる。この状態では、上記クランプアーム14のリップ15は、ディスクドライブ12が上記キャリア2の各角部において上記リップ15と対応するキャリア柱17との間に締め付けられることが可能なように、上記キャリア柱17の上方に位置し、締め付け力は上記コイルネジ25によって付加される。
【0062】
上記ディスクドライブ12をキャリア2から開放するために、各クランプ機構13のアクチュエータ表面29は、上記キャリア2の下部から上方へ押し上げられる。図10に最も明確に見られるように、これはピボットブロック22の全体を上方へ、上記コイルネジ25の作用に逆らって押し上げる。この動きは、クランプアーム14を最初は上方へ動かし、この動きは上記リップ15をディスクドライブ12の上方へ動かす。いったん上記アーム14の回転中心が上記平面背壁31とハウジング23の傾斜表面32との接合点へ動くと、クランプアーム14の下端に支えられた板バネ28が、上記キャリア2の外側へ上記リップ15を動かすためにクランプアーム14を回転させる。上記傾斜表面32は、クランプアーム14の回転動の背後の止め具となる。
【0063】
よって、このような、締め付けられていない状態では、クランプアーム14が上記ディスクドライブ12の動く道の外へ動くと、上記ディスクドライブ12は、上記キャリア2から垂直に上方へ持ち上げられることが可能となる。その後他のディスクドライブ12を上記キャリア2へ搭載可能であり、上記ピボットブロック22が開放され、クランプアーム14が内側へ回転し、その後キャリア2の下側へ動き、次のディスクドライブ12キャリア2へ締め付ける。
【0064】
このように、搭載および取り降ろし時に上記クランプアーム14を単純な方法によりディスクドライブ12の好ましい移動道の外へ動かすことができ、ディスクドライブ12をキャリア2に締め付けることができる単純なクランプ機構が提供されている。最も便利なことに、本発明の配置はディスクドライブ12の自動化された搭載および取り降ろしに向いている。図9および図10に、バネの荷重が付加される、ディスクドライブプレゼンタステーション上のアクチュエータブロック33を概略的に示す。上記プレゼンタステーションは、このようなアクチュエータブロック33を4個、各クランプ機構13に1個、有する。ある態様においては、ロボットがキャリア2を上記プレゼンタステーションへ動かし、上記アクチュエータブロック33が上記ピボットブロック22のアクチュエータ表面29とかみ合って押し上げるように、それを下げ、上記クランプアーム14を開放する。上記ロボットがキャリア2を持ち上げると、上記クランプアーム14は自動的に締め付けられた状態に移動する。
【0065】
上述したクランプ機構13は、順番に、ディスクドライブ試験装置、データ蓄積装置、およびサーボ書き込み装置(サーボ書き込みが、従来の外部のクロックヘッド使用型、自己サーボ書き込み型、またはサーボフィル型のいずれでも)のような装置へ、および装置からディスクドライブを輸送する特有の用途である、ディスクドライブ12をキャリア2に締め付けるための独特の用途を有する。それでも、上記クランプ機構13は、他の用途において、ディスクドライブ12を他の装置に締め付けるためにも用いることができる。例えばクランプ機構13は、いかなるディスクドライブキャリア2も伴わずに、ディスクドライブ12を相対的に大きなブロック8に直接締め付けるために用いることができる。
【0066】
次に図11から図14を参照し、ディスクドライブ12をディスクドライブキャリア2や他の基板に締め付けるのに適したクランプ機構13の2番目の例を説明する。
【0067】
この例においては、4個のクランプエレメント120は、上記キャリア2の各溝または凹み121ないに緩く締め付けられている。クランプエレメント120は、従来いわゆる小型(small form)ファクターディスクドライブ(直径2.5インチまたは約6.35cmのもの)に設けられていた、取りつけ孔(fixing hole)毎に設けられている。これらの取りつけ孔の位置および寸法は、合意された基準に基づいて決められる。各クランプエレメント120は、上記ディスクドライブ12の各取りつけ孔122に入り込む突起123を有する。上記突起123の横断面は通常三角であり、使用中は下側かつ外側を向いており、上記取りつけ孔122の面取りした外面125の最も下部とかみ合う傾斜締め付け面124を提供する。
【0068】
上記クランプエレメント122は、通常は上記締め付け面124と対向しており、上側かつ外側を向くカム表面126をさらに有する。上記締め付け面124およびカム表面126の反対側に、上記クランプエレメント120は、クランプエレメント120の背面128から離れた、直立した収縮(retraction)柱127を有する。
【0069】
1、2、または3個のみのクランプエレメント120で十分かもしれないが、このようなクランプエレメント120が4個あることが好ましい。上述したように、クランプエレメント120はキャリア2の各溝または凹み121に緩くはめ込まれている。クランプエレメント120は、キャリア2の張り出し部分129により縦方向に緩く維持されており、クランプエレメント120の頂部と張り出し部分129との間には通常隙間があり、上記クランプエレメント120の多少の縦方向の動きを可能にしている。
【0070】
加えて、クランプエレメント120の、ディスクドライブ12を横切る(図13における左および右への)横方向の動きを抑制するため、1個以上の延長バネアーム130の形で配置を傾ける。キャリア2の各側には2個のバネアーム130があってもよく、または、キャリア2の各側に1個であるが長いバネアーム130があってもよい。以下の説明においては、キャリア2の各側には2個のバネアーム130があるものとする。キャリア2の各側の各バネアーム130の第1の端131において、上記バネアーム130はキャリア2に固定されている。各バネアーム130のもう一方の端132は、各クランプエレメント120の収縮柱127と背面128との間の空間に受け入れられる。各クランプエレメント120の背面128は、クランプアーム130の端132を支え、部分球形であり、外側を向くボタン133を有する。この部分球形は、クランプエレメント120が、締め付けにおいて適切な位置を選ぶように補助する。
【0071】
使用中キャリア2は、キャリア2にディスクドライブが搭載される場所である搭載ステーションまたはその他の固定具に搭載される。上記ステーションにおいて、アームや他の機構(図示せず)は直接バネアーム130および収縮柱127のどちらかとかみ合い、上記クランプエレメント120を引き込む(すなわち、クランプエレメント120を図13の右へ動かす)。この動きは、クランプエレメント120の突起123をディスクドライブ12の移動道の外へ動かす。ディスクドライブ12はその後キャリア2へと挿入されうる。クランプエレメント120はその後開放され、バネアーム130により傾けられ、クランプエレメント120は内側へ動く。この動きは、クランプエレメント120の突起123を、ディスクドライブ12の各固定孔122に入り込ませる。同時に、クランプエレメント120のカム表面126は、キャリア2上に設けられた各カム表面134とかみ合う。図13に最も明確に見られるように、各カム表面126,134かみ合いは、バネアーム130がクランプエレメント120を内側へ動かすにつれて、クランプエレメント120の締め付け面124を上記固定孔122の面取り面125の最下部向けて下向きに動かす楔止め動作を付与する。ディスクドライブ12は、このようにしっかりとキャリア2へ締め付けられる。
【0072】
その後キャリア2は、キャリア2に締め付けられたディスクドライブ12と共にステーションから持ち上げられる。当然のことながら、クランプエレメント120の突起123とディスクドライブ12の固定孔122とのかみ合いは、ディスクドライブ12に縦および横の両方向の抑制を加える。よって、ディスクドライブ12は、キャリア2から飛び出ることなく、キャリア2内を安全に輸送されることができる。また、キャリア2と相対的なディスクドライブ12の位置は、高い確実性で固定されており、ステーションにおけるディスクドライブ12への電気的その他の接続をし易くする(例えばサーボトラック書き込みまたは試験ラックまたは貯蔵ラック等)。
【0073】
上記バネアーム130は、減衰振動またはいわゆる拘束層型であることが好ましい。これは、単に接着剤になり得る、より柔軟な材料を間に挟んだ、2つの比較的柔軟性のない材料(例えば金属またはプラスチック)の積層体からバネアーム130を作ることによって達成される。この配置は、クランプエレメント120へ作用する、上記バネアーム130により付与される良好な締め付け力に加え、良好な振動の減衰も得られる。
【0074】
バネアーム130は、クランプエレメント120をその締め付け位置へ向けて内側へ傾けがちであると説明したが、状況によっては、バネアーム130はクランプエレメント120をその締め付け位置から離れるように外側へ傾けるように配置されてもよい。他の配置の説明では、クランプエレメント120を締め付け位置へ向けて内側へ動かす。
【0075】
次に図15および図16を参照して、ディスクドライブ12をディスクドライブキャリア2または他の基板に締め付けるのに適したクランプ機構213の3番目の例を説明する。
【0076】
この例においては、ディスクドライブキャリア2(または他の基板)は、2個の内側に向く開口部221がそれぞれにある、直立側面220を有する。クランプバネ222が各開口部221に据え付けられている。各クランプバネ222もまた、減衰振動または拘束層型であることが好ましい。これは、単に接着剤になり得る、より柔軟な材料を間に挟んだ、2つの比較的柔軟性のない材料(例えば金属またはプラスチック)の積層体からクランプバネ222を作ることによって達成される。この配置は、上記クランプバネ222により付与される良好な締め付け力に加え、良好な振動の減衰も得られる。
【0077】
以下の説明は、1個の側面220についてするが、当然のことながら、他の側面220の配置も同様である。プッシュロッド形状のアクチュエータ223は、上記側面220の端面224を上記側面220内へと貫通しており、各ピン225、226を介し、2箇所で各クランプバネ222へ接続されている。各ピン225、226はそれぞれクランプバネ222に対して固定されている。上記第1のピン225は、側面220内に、側面220に対して固定されており、上記アクチュエータ223内の短い細長スロット227を貫通する。このように、上記アクチュエータ223が上記側面220内を前後にスライドすると、上記第1のピン225は上記側面220内のその位置に固定されたままであり、アクチュエータ223内の細長スロット227に沿って相対的に動く。第2のピン226は、例えば上記第2のピン226の直径に近い直径の、アクチュエータ223内の狭い開口部228を貫通することにより、アクチュエータ223に対して固定されている。上記第2のピン226は、側面220内の短い細長スロット229のおかげで、上記壁面220と相対的にスライドできる。このように、アクチュエータ223が上記側面220内を前後に動くと、この動きは上記第2のピン226を前後に運ぶ。
【0078】
図に示されたクランプバネ222の静止位置では、上記クランプバネ222は上記キャリア2の本体の内側へたわむ。単にアクチュエータ223を内側へ、上記側面220の方へ押すことにより、上記クランプバネ222は、より平面な形状の方向へ伸びる。この動きは、上記第2のピン226をそれぞれの上記第1のピン225から離れるように押しやり、上記クランプバネ222を平らにし、クランプバネ222を上記キャリア2の本体から離れるように外側へ引っ張る。クランプバネ222が十分に引き戻されると、ディスクドライブを上記キャリア2に搭載できる。アクチュエータ223はその後開放され、クランプバネ222を、上記ディスクドライブを摩擦により締め付ける、たわんだ静止位置に落ち着かせる。上記ディスクドライブは、再びアクチュエータ223を押し、クランプバネ222を引き込むことにより開放することができる。アクチュエータ223は、プッシュロッド、またはディスクドライブが搭載および/または取り降ろしされる上記ステーションに設けられた同様のもの、もしくはその他の固定具により作動される。
【0079】
ディスクドライブが上記キャリア2へ搭載または取り降ろしのされる際は、この配置は締め付け力を付与しない。各クランプバネ222は、他のクランプバネ222とは独立して動き、これにより最適な締め付け力を付与する。アクチュエータ223の動きは、単純な一方向である。この配置はディスクドライブの自動化された搭載および取り降ろしに特に適する。
【0080】
図に示されたクランプバネ222はディスクドライブを摩擦のみで締め付けるが、1個以上、好ましくは全てのクランプバネ222が、慣習的にディスクドライブの側面に設けられた固定孔の1個以上とかみ合う突起またはボタンを有していてもよく、上記突起またはボタンは、その例を図17および図18を参照して後述する突起328と同様である。(これらの固定孔の位置および寸法は、合意された基準に基づいて決められる。)このかみ合いの結果、ディスクドライブは予め決められた、よって予測可能な基板の位置に保持され、これは自動化された搭載および取り降ろし工程を容易にする。また、このかみ合いの結果、上記ディスクドライブは水平方向および垂直方向の両方においてしっかりと保持される。上記ディスクドライブとのかみ合いは、摩擦のみによるもの、摩擦および突起とディスクドライブの固定孔との機械的なかみ合いの組合せ、または単に突起とディスクドライブの固定孔との機械的なかみ合いによるものでもよい。
【0081】
図17および図18を参照し、ディスクドライブ12をディスクドライブキャリア2または他の基板に締め付けるのに適したクランプ機構の313の第4の例を説明する。
【0082】
この例においては、4個のクランプエレメント320がキャリア2の対向する側面322に設けられた各貫通孔321内に据え付けられている。各クランプエレメント320は、通常平面であり、一端に保持タグ323を有する。保持タグ323は、キャリア側面322のスロット324(図18の幻影で示す)に、クランプエレメント320が全体として上記キャリア2に片持ちになるようにぴったりはめ込まれる。
【0083】
各クランプエレメント320は中央開口部325を有する。インテグラル片持ちバネアーム326は上記開口部325上に横たわる。開放タグ327の形状のアクチュエータ表面は、クランプエレメント320の本体の下側および外側に突き出る。上記クランプエレメント320の、端上記保持タグ323の反対側の端は、この例においては内側に対向する突起328である、軸受け部を有する。
【0084】
上述したように、各クランプエレメント320は、一端において、上記キャリア2の側面322に上記保持タグ323を介して固定されている。各バネアーム326の自由端329は、上記バネアーム326が予め荷重がかかり、相対的に外側へ(図18に示すように)たわむように配置された、側面322の部分330とかみ合う。これは、言い換えると、上記突起328をキャリア2の内側へ傾ける。上記クランプエレメント320の位置は、ディスクドライブがキャリア2にあるときに、上記突起328がそれぞれ、小型(small form)ファクターディスクドライブに設けられた固定孔に入り込んでかみ合うように配置されている。
【0085】
上記クランプエレメント320を開放するために、上記キャリア2は搭載/取り降ろしステーションに輸送される。上記ステーションにおいて、ガイドレールまたは指331等が、キャリア2の縦方向に相対的にスライドし、開放タグ327とかみ合う。上記開放タグ327は外側に角度を有するため、このかみ合いは、上記クランプエレメント320を全体的に外側へ曲げ、このようにして上記ディスクドライブから突起328を引き込む。その後ディスクドライブは除去され、他のディスクドライブが同様に搭載されて締め付けられる。
【0086】
上記クランプエレメント320もまた、減衰振動またはいわゆる拘束層バネ物質型であることが好ましい。これは、単に接着剤になり得る、より柔軟な材料を間に挟んだ、2つの比較的柔軟性のない材料(例えば金属またはプラスチック)の積層体からクランプエレメント320を作ることによって達成される。この配置は、クランプエレメント320により付与される良好な締め付け力に加え、良好な振動の減衰も得られる。
【0087】
この例は、上記ディスクドライブの強固な締め付けを提供する。上記突起328は、ディスクドライブを水平方向と共に垂直方向の抑制をする。上記クランプエレメント320は、ディスクドライブの作動中に生じる振動を減衰する。クランプエレメント320は、1枚部品として作られてもよく、例えば、単に基材を打ち抜くまたは鋳造により作られてもよい。従って、クランプエレメント320は、製造および上記キャリア2への据付が、簡単かつ安価である。
【0088】
通常ディスクドライブには主に3種類ある。1つの種類においては、電気的およびデータの接続は、上記ディスクドライブの背面においてされる。2つ目の種類においては、電気的およびデータの接続はディスクドライブの下でプロダクトカードを介してされるように、ディスクドライブは底にプロダクトカード(これらは同じ名前である)を有する。3番目の種類においては、電気的およびデータの接続は、ディスクドライブとは別に設けられた1個以上の個別の接続カードを介してディスクドライブの下でされる。観念的には、上記ディスクドライブキャリア2はこれら3(2)種類の汎用体であるべきであり、同一の基本的なキャリア2がこれらのどの種類のディスクドライブにも用いることができる。
【0089】
このようなキャリア2の例は、図19から図22に最も明確に示されている。上記キャリア2は、通常平面底40および対向する前面および背面端壁41,42を有する。
【0090】
上記キャリア2は、特に重要な3個の領域を有する。第1の領域43は比較的大きく、通常は、取り外し可能なディスクドライブカード44(図5参照)を受け止めることができる、上記底40の、正方形または長方形の開口部43である。第2の領域45は、上記ディスクドライブ12のディスクドライブモーターに電気的な接続を提供する、取り外し可能なモーターカード46を受け止めることができる、上記底40の開口部45により提供される。第3の領域47は、取り外し可能なデータおよび電気的なコネクタ48を受け止めることができる、上記背面42を通る開口部47である。
【0091】
当然ながら、取り外し可能なディスクドライブカード44、取り外し可能なモーターカード46および取り外し可能なデータおよび電気的なコネクタ48は、キャリア2によって輸送されるディスクドライブ12の特定の種類により、はめ込まれていてもはめ込まれていなくてもよい。ディスクドライブカード44およびモーターカード46がはめ込まれる場合は、上記モーターカード46およびディスクドライブカード44からデータおよび電気的なコネクタ48への電気的およびデータの接続を提供するための柔軟性のある電気コネクタ(図示せず)を用いてもよい。最後に、データおよび電気的な接続は、上記キャリア2の外部の、上記キャリア2の背面でされる。例として、上述したサーボ書き込み用途において、ライザーカードが上記相対的に大きなブロックにはめ込まれてもよい。
【0092】
ディスクドライブカード44が用いられる場合は、ディスクドライブ12の下に設けられた接続とかみ合うように、このカード44が傾けられることが好ましい。これは上記キャリア2の開口部43に受け止められたトレイ49を有する2部品カートリッジと、カードキャリア50が上下に動けるようにトレイ48にはめ込まれた、対応するカードキャリア50とを提供することにより達成できる。上記カードキャリア50を上向きに傾けるトレイ49上のペグ51上に、3個の円錐形のコイルバネ(図示せず)がはめ込まれている。ディスクドライブカード44が上記カードキャリア50に据え付けられる際、上記偏倚配置は上記カード44を上へ持ち上げ、このようにして上記ディスクドライブ12の接続との良好な接続を確実にする。この配置は、上記キャリア2上へのディスクドライブ12の自動化された搭載を容易にする、横方向の追従性も提供する。様々な取り外し可能な部品をキャリア2へ固着するために、必要に応じて上記キャリア2にカバー52がネジ留めされてもよい。
【0093】
本発明の態様を図示された特定の例を参照して説明した。しかしながら、当然ながら、説明された例についての様々なバリエーションおよび改良が本発明の範囲内において成され得る。例えば、好ましい態様においては、上記キャリアの各角部には、4個のクランプ機構が設けられている。しかしながら、3個のようなより少ない、またはより多くのクランプ機構が設けられてもよい。他の例として、ディスクドライブを上記ブロックに締め付けるために用いられる膨張式アクチュエータおよび締め付け状態から離れるように傾けるバネの代わりに、キャリアを上記ブロックに締め付けるためにバネが用いられてもよく、締め付け状態から離れるように傾けるために1個以上の膨張式アクチュエータが用いられてもよい。この配置は、必要とされる締め付け力を提供するには強いバネを必要とするが、空気の供給が途絶えた場合でも、上記ディスクドライブは上記ブロックに締め付けられたままであることを意味する。他の例として、好ましいキャリアにおいては、ディスクドライブカードの傾きは、上記2部品カートリッジの2個の部品の間のバネにより提供される。代わりとして、上記カバーと1部品カートリッジとの間にバネが設けられてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクドライブ支持機構、クランプ機構、およびディスクドライブキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
他の装置にディスクドライブを据え付ける必要がある場合には、数々の用途がある。これらは例えば、製造工程においてディスクドライブが試験される場合、および、ディスクドライブがデータ蓄積用途に使用される場合等を含む。特定用途としては、製造工程において、サーボトラックがディスクドライブに書き込まれる場合である。サーボトラックはディスクドライブの通常の使用において、ディスクドライブの読み/書きヘッド(プロダクトヘッドとしても知られる)が上記ディスク上での位置を知ることを可能にするために用いられる。特に新しい2つのサーボトラックの書き込みの技術としては、自己サーボ書き込み工程および自己サーボフィル(fill)工程である。前者においては、全てのサーボトラックを書きこむのにプロダクトヘッドが用いられる一方、ディスクドライブはサーボ書き込み部(station)に据え付けられている。後者においては、プロダクトヘッドによっては一部のみのサーボトラックが書き込まれる一方、ディスクドライブはサーボ書き込み部にあり、残りはディスクドライブがサーボ書き込み部から取り除かれた後に(プロダクトヘッドにより再度)書き込まれる。これらのどちらのタイプにおいてもプロダクトヘッドは、ディスク上での自己の位置決めをするために用いられる。一方、より従来型のサーボトラック書き込みは、ディスクドライブの外部に設けられた別途のクロックヘッド(clock head)を用いる。
【0003】
サーボ書き込み工程におけるディスクの回転から主に生じる振動を減衰させるため、ディスクドライブは通常は、相対的に大きなブロック、通常は鋼または花崗岩(granite)に締め付けられている。一般的な配置は特許文献1に開示されている。この文書は、ディスクドライブを相対的に大きなブロックに直接締め付けるために4個のクランプの使用を開示する。ディスクドライブは手動で上記ブロック上に載せられ、ディスクドライブへの適切なデータおよび電気的な接続を築けるように手で操作される。しかしながら、上記および上記と同様な公知の配置は、ロボットやその他の自動化された機械装置を用いた、自動化されたディスクドライブの搭載および取り降ろしには向いていない。
【0004】
ディスクドライブの他の据え付け配置が特許文献2、特許文献3、および特許文献4に開示されている。しかしながら、これらの先行技術配置の第1番目では、ディスクドライブの締め付けおよび緩めは本質的に手動であり、かつ、上記配置も自動化に向くものではない、また、締め付け力を付与する楔も、互いに独立して作動するものではない。これらの先行技術配置の第2番目および第3番目では、ディスクドライブは試験機ラックやサーボトラック書き込み部等に据え付けられるまで完全には締め付けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許公開第6018437号
【特許文献2】国際公開第97/06532号
【特許文献3】国際公開第03/021597号
【特許文献4】国際公開第03/021598号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題の1つ以上を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態においては、サーボトラックがディスクドライブのディスクに書き込まれている間に、上記ディスクドライブを支持するために構成および配置されたディスクドライブ支持機構であって、ディスクドライブを運搬する、取り外し可能なディスクドライブキャリアと;相対的に大きなブロックと;ディスクドライブを上記ブロックに開放可能なように締め付けるために構成および配置されたクランプ配置とを有することを特徴とする機構を提供する。
【0008】
上記相対的に大きなブロックに直接ディスクドライブを締め付ける代わりに、個別的で取り外し可能なディスクドライブキャリアを用いることにより、上記ブッロク上へのディスクドライブの搭載および取り降ろしの自動化が促進される。自動化は、先行技術の、遅くて面倒な手動の搭載および取り降ろしを回避する。上記ディスクドライブおよびディスクドライブキャリアは、共に上記ブロックへ締め付けられている。サーボ書き込みは、ディスクドライブが上記ブロックに締め付けられている間に全てのサーボトラックがプロダクトヘッドによって書き込まれる自己サーボ書き込み形、または、ディスクドライブが上記ブロックに締め付けられている間に一部のサーボトラックのみがプロダクトヘッドによって書き込まれるサーボフィル型の例になり得る。
【0009】
好ましい態様においては、上記支持機構は第1の方向の相対的な往復動用に上記ブロックがその内部に取りつけられたカゴを有し、上記カゴは上記ディスクドライブキャリアを受け入れるための空間を有し、上記クランプ配置は、上記ディスクドライブキャリアを介して上記ブロックへ、上記ディスクドライブキャリアによって運搬されたディスクドライブを締め付けるように、上記カゴを上記ブロックと相対的に動かすことができるアクチュエータを有する。上記カゴの使用は、後に説明する態様によって、例えば単純なクランプ配置、相対的に大きなブロックの便利な据え付け、およびディスクドライブ付きのディスクドライブキャリアの搭載および取り降ろしへの簡単なアクセスを含む数々の利点を有する。
【0010】
上記カゴは、上記ブロックと相対的に上記第1の方向にのみ動けるように、上記カゴおよびブロックが配置されていることが好ましい。この態様においては、上記カゴは第1の方向以外の方向に動くことに対して制約されており、上記ディスクドライブの振動を最小限にすることに役立つ。
【0011】
上記アクチュエータが、膨張式アクチュエータの膨張が上記カゴを上記ブロックと相対的に上記第1の方向に動かすように、上記ブロックと上記カゴとの間に配置された膨張式アクチュエータを有していてもよい。上記膨張式アクチュエータは、例えば適切な制御弁を有する圧縮空気源へ接続することにより簡単に操作することができ、例えば締め付け位置の高さに変動があった場合でも上記ディスクドライブキャリアにわたって均一に締め付け荷重が広がる配置にすることができる。上記空気の圧力を変動させることにより締め付け荷重を簡単に変動させることができることが好ましい。
【0012】
上記支持機構は、上記アクチュエータの作動により上記カゴが動かされた方向とは逆の方向に上記カゴを傾けるために構成および配置された偏倚配置を有することが好ましい。この態様においては、上記アクチュエータが作動していないとき(すなわち、上記ディスクドライブおよびキャリアが開放されることを目的とする)、上記ブロックは、ディスクドライブキャリアが取り降ろされ、他のディスクドライブキャリアを搭載できるように動く。
【0013】
上記カゴは、上記ブロックが、複数の振動減衰マウントにより支持されていることが好ましい。上記振動減衰マウントは、サーボ書き込み工程におけるディスクの回転から生じる振動を減衰するように機能する。1つの好ましい態様においては、上記ブロックが、上記カゴの下に設けられたちょうど3個の振動減衰マウントにより支持されている。上記3個の振動減衰マウントを適切に配置することにより、上記ブロックの据付を相対的に強固なものにすることができ、また、上記ブロックの第1の振動モードを回転的および低周波にすることができ、上記ディスクドライブの回転から生じる振動の効果的な減衰に役立つ。
【0014】
上記ディスクドライブキャリアが、ディスクドライブを上記ディスクドライブキャリアに締め付ける、複数のクランプを有することが好ましい。好ましくは、上記複数のクランプが、上記ディスクドライブ上に設けられ、上記ディスクドライブの一方の表面から対向する表面へと貫通する、対応する複数の柱を介してディスクドライブを締め付けるように配置されている。これは、上記ディスクドライブの強固な締め付けを提供する。
【0015】
上記ディスクドライブキャリアが、上記ディスクドライブキャリアを貫通し、上記ブロックに支えられている、複数のディスクドライブキャリア柱を有していてもよい。上記ディスクドライブは上記キャリア柱の上に据え付けられ、上記キャリアにより支持されてもよく、このように、上記ブロックと接触している。これは上記ブロックの自己励磁効果を減少し、上記キャリアが存在しないかのように作用することができる。
【0016】
好ましい態様においては、ディスクドライブキャリアは複数のクランプアームおよびその間にディスクドライブを締め付け可能な、対向するディスクドライブキャリア柱を有し、上記ディスクドライブキャリア柱は上記ディスクドライブキャリアを貫通し、上記クランプ配置は、上記カゴのふたは各クランプアームの第1の面に支えられ、各クランプアームの第2の面は、上記ディスクドライブ上に設けられた複数のディスクドライブ柱の各々の第1の面に支えられるようにディスクドライブを締め付けるように構成および配置されており、上記ディスクドライブの一方の面から対向する面へ貫通し、かつ、上記各ディスクドライブ柱の第2の面は各々のディスクドライブキャリア柱の端に支えられ、上記ディスクドライブキャリア柱のもう一方の端は上記ブロックに支えられている。
【0017】
本発明は、第2の形態においてディスクドライブを基板へ締め付ける(clamping)ためのクランプ機構であって、上記クランプ機構は、クランプアームであり、第1の方向に沿って前後に移動可能であり、上記第1の方向に横向きの回転軸を軸にして回転可能であるクランプアームと;上記クランプアームを締め付け位置に向けて上記第1の方向に傾けるために構成および配置された、第1の偏倚配置と;上記クランプアームを、上記回転軸を軸に回転するように傾けるために構成および配置された、第2の偏倚配置と;クランプ開放アクチュエータを支え得るアクチュエータ表面とを有し、上記機構は、クランプアームが通常締め付け位置の方向へ傾けられ、クランプ開放アクチュエータが上記アクチュエータ表面に支えられている際、上記クランプアームが上記第1の方向へ上記締め付け位置から離れるように動き、上記回転軸を軸に回転するように配置されていることを特徴とするクランプ機構を提供する。
【0018】
上記クランプ機構は、上述したディスクドライブ支持機構におけるサーボ書き込み中の使用の特別な用途を有するが、例えばディスクドライブ試験装置、データ蓄積用途等を含む、ディスクドライブが他の物に締め付けられるいかなる用途においてももちいることができる。上記クランプ機構は、上述したように、一般的に相対的に大きなブロックへ締め付けるためにディスクドライブキャリア上に設けられてもよく、また、上記ディスクドライブが直接上記ブロックへ締め付けられるようにブロック上に直接設けられてもよい。上記クランプ機構は、上記クランプアームが上記ディスクドライブの移動道の外に回転するにつれて、上記第1の方向に平行な方向へのディスクドライブの搭載および取り降ろしを可能にする。これはディスクドライブの搭載および取り降ろしの自動化を促進する。上記クランプ開放アクチュエータは一般的には、ディスクドライブが上記基板へ搭載および取り降ろしされる上記または各ステーションに設けられている。
【0019】
上記第1の偏倚配置が、通常圧縮されている、少なくとも1個のバネを有していてもよい。上記第1の偏倚配置の上記または各バネは、コイルバネでもよい。上記または各バネは異なる強さの他のバネと相互に交換でき、状況に応じた最も適した締め付け力を容易に設定できることを意味する。
【0020】
上記第2の偏倚配置が、上記クランプアームの端に作用する板バネ(leaf spring)を有していてもよい。
【0021】
好ましい態様においては、上記クランプアームが、ハウジング内における上記第1の方向の平行移動のために据え付けられたピボットブロックに回転可能なように据え付けられている。上記ハウジングは、通常は上記第1の方向に平行な第1の表面と、上記第1の表面に対して角度を有する第2の、傾斜表面とを有し、上記第1および第2の表面は、上記クランプアームの上記平行移動および回転動を導くように作用することが好ましい。本態様のピボットブロックおよびハウジングは上記クランプアームの並進および回転動を制御し、上記クランプ機構を構成する部品の整合性も促進する。
【0022】
本発明の第3の形態においては、ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:上記基板に対して相対的に取り外し可能なクランプエレメントであり、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有し、さらにカム表面を有するクランプエレメントと;上記クランプエレメントの上記カム表面と対応するカム表面を有する基板と;上記ディスクドライブが上記基板への搭載または上記基板からの取り降ろしを可能にするために上記クランプエレメントがディスクドライブの移動道の外に引き込む、または引き込むことが可能であり、上記クランプエレメントの突起が上記ディスクドライブの開口部に入り込み、上記クランプエレメントのカム表面および基板が、上記突起と上記ディスクドライブの開口部とのかみ合いによって上記ディスクドライブを基板に締め付けるように互いにかみ合うように上記ディスクドライブが上記基板に締め付けられる際に、上記クランプエレメントが上記ディスクドライブとかみ合うように動く、または動くことが可能な配置とを有することを特徴とするクランプ機構を提供する。
【0023】
本形態のクランプ機構の突起は、慣例によりディスクドライブの側壁に設けられた固定孔の1つにかみ合う。(これらの固定孔の位置および寸法は合意された基準により決定される。)このかみ合いにより、上記ディスクドライブは上記基板の予め決められた、それ故予測可能な位置に保持され、搭載および取り降ろし工程の自動化を促進する。また、このかみ合いにより、上記ディスクドライブは水平および垂直の両方向に強固に保持される。歴史的には、ディスクドライブは水平方向のみに拘束されていた。しかしながら、手動のディスクドライブの搭載および移動の代わりに自動化の多用かに伴って、垂直方向の拘束は重要性を増している。加えて、比較的新しい小型ファクターディスクドライブ(直径2.5インチまたは約6.35cm)は比較的軽く、垂直方向に拘束されていないと、搭載/取り降ろしステーションとサーボトラック書き込みステーション等の間の移動中に据え付けられるキャリア等から飛び出し易い。これは、従来のより大きな直径のディスクドライブ(直径3.5インチ、または約8.9cm)ではそれほど問題にはならなかった。また、より重い、従来の大きな直径のディスクドライブは、ディスクドライブキャリアなどの基板に適切に納まっていたが、より新しい小型ファクターディスクドライブの重量は軽く、外部の誘導なしには適切に納まりにくい。上記カム表面は、上記クランプ機構がディスクドライブとかみ合う際の効果的な締め付けの役に立つ。この配置は上方からディスクドライブを締め付けることを回避し、ディスクドライブに過剰に高い力が付与され得る、摩擦を用いた締め付けをも回避する。
【0024】
上記クランプ機構は、その静止位置において、上記クランプエレメントを上記ディスクドライブかみ合い位置に向けて傾かせる、偏倚配置を有することが好ましい。この好ましい配置は、一般的にいかなる外部の影響も必要とせず、ディスクドライブは強固に保持されることを意味する。上記偏倚配置が、第1の端において上記基板に対して固定されており、第2の端において上記クランプエレメントとかみ合うバネを有してもよい。
【0025】
好ましい態様においては、上記クランプエレメントが、引き込み装置とのかみ合いのための、上記クランプエレメントを引き込むために作動可能であり、これにより上記クランプエレメントの突起を上記ディスクドライブの開口部から引き込む、引き込み柱を有する。
【0026】
最も好ましい態様においては、上記クランプ機構は、第1の端において上記基板に対して固定されており、第2の端において上記クランプエレメントと、その静止位置において、上記クランプエレメントを上記ディスクドライブかみ合い位置に向けて傾かせるようにかみ合うバネを有し、上記クランプエレメントが、上記バネが上記クランプエレメントを引き込むために作動可能であり、これにより上記クランプエレメントの突起を上記ディスクドライブの開口部から引き込むバネの第2の端とかみ合う引き込み柱を有する。このため、本態様のバネは、上記クランプエレメントに傾きを与える、および上記クランプエレメントを引き込むための機構の2つの役割を果す。
【0027】
その他の配置においては、その静止位置において、上記クランプエレメントを上記ディスクドライブかみ合い位置から遠ざけるように傾かせる、偏倚配置を有する。
【0028】
上記クランプエレメントが3直交方向へ移動可能であることが好ましい。これは、クランプ機構の製造上の公差、および、ディスクドライブの固定孔の位置に最も順応する。
【0029】
上記クランプ機構は、4個の上記クランプエレメントを有し、各クランプエレメントの上記突起が、上記ディスクドライブの4個の開口部のそれぞれとかみ合い可能であることが好ましい。
【0030】
本発明の第4の形態においては、ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:上記基板の壁に据え付けられており、上記バネの静止位置においては、上記基板により使用中のディスクドライブキャリアとのかみ合いのために上記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有するクランプバネと、上記ディスクドライブが上記基板への搭載または上記基板からの取り降ろしを可能にするために上記クランプバネのベアリング部を引き込むためのアクチュエータとを有することを特徴とするクランプ機構を提供する。
【0031】
本形態のクランプ機構は、望むまで、通常はディスクドライブへの電気的接続が形成された後、までディスクドライブに締め付け荷重が付与されないように配置でき、それは従来の配置と大きく異なる。上記クランプ機構は、ディスクドライブが側面のみで締め付けられるように配置することができ、これによりディスクドライブの頂部で締め付けることを防止する。上記クランプバネは、締め付け力を付与するだけでなく、上記ディスクの回転中に生じる振動を減衰するように作動するように配置することができる。上記クランプ機構は、上記アクチュエータの作動が、アクチュエータを1方向のみに前後に動かすことにより達成できるように配置することができ、単純な作動につながる。
【0032】
ある態様においては、上記アクチュエータはプッシュロッドであり、上記クランプバネに2箇所において接続されており、第1の上記接続箇所における接続は固定接続であり、第2の上記接続箇所における接続はスライディング接続であり、上記ロッドの第1の方向への動きは、上記クランプバネのベアリング部を引き込むように上記2個の接続箇所を互いに遠ざけるように動かし、上記ロッドの第2の、逆方向への動きは上記2個の接続箇所を互いに向けて動かし、上記クランプバネのベアリング部を上記基板により使用中の上記ディスクドライブキャリアとかみ合うことが可能な位置へ動かす。
【0033】
ある態様にいては、上記基板の壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、各クランプバネは、バネの静止位置においては、2個のクランプバネが上記ディスクドライブのそれとかみ合うように、上記基板により使用中のディスクドライブキャリアとのかみ合いのために上記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有する。上記アクチュエータが、上記2個のクランプバネのベアリング部を同時に引き込むために作動可能であることが好ましい。
【0034】
最も好ましい態様においては、クランプ機構は上記基板の壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、かつ、上記基板の第2の対向する壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、各クランプバネは、バネの静止位置においては、使用中に上記基板により輸送されたディスクドライブとの、2個のクランプバネは上記ディスクドライブの一方にかみ合い、上記他の2個のクランプバネは上記ディスクドライブの第2の対向する側にかみ合うための上記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有し、かつ、上記2個のクランプバネおよび上記他の2個のクランプバネ用のそれぞれのアクチュエータを有する。
【0035】
ある態様においては、上記または少なくとも1個の上記クランプバネが、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有する。
【0036】
本発明の第5の形態においては、ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:上記基板の壁に据え付けられ、ベアリング部を有するクランプエレメントを有し、上記クランプエレメントは、それと共に一体に形成された、またはそれに取りつけられたバネアームを有し、上記バネアームは上記ベアリング部が、使用中に上記基板により輸送されたディスクドライブとかみ合う締め付け位置へ、上記壁の開口部を貫通して突き出すように傾けることを特徴とするクランプ機構を提供する。
【0037】
最も便利なことに、上記クランプエレメントは上記バネアームと一体形成することができ、そのため、クランプエレメントの全体を1片部品として作ることができる。自然の「静止」位置では、クランプエレメントは締め付け位置にあり、締め付けを達成するためのいかなる外部の機構も必要としない。これは、上記基板がステーションまたはその他の固定具間を動き回っても、上記クランプ機構がディスクドライブを基板に締め付けることができることを意味する。それにもかかわらず、上記ステーションに設けられたロッドまたは突起とバネアームとが、上記バネアームがより力強くベアリング部を傾けることに起因するような機構のかみ合いによりディスクドライブが作動されるステーションまたはその他の固定具におけるより高い締め付け荷重を達成できる。
【0038】
好ましくは、上記ベアリング部は、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有する。本態様のクランプ機構の突起は、ディスクドライブの側壁に慣習的に設けられた固定孔の1個とかみ合う。このかみ合いによって、ディスクドライブは基板の予め定められた、それ故予測可能な位置に保持され、搭載および取り降ろし工程の自動化を促進する。また、このかみ合いにより、ディスクドライブは水平および垂直の両方向に強固に保持される。
【0039】
好ましい態様においては、上記バネアームは、上記バネアームの一端のみで上記クランプエレメントと一体に形成され、または取りつけられ、上記バネアームのもう一方の端は、使用中に上記基板により輸送されたディスクドライブとかみ合うための上記壁の開口部を貫通して突き出すように上記バネアームがベアリング部を傾けるように、上記基板の壁とかみ合う。
【0040】
上記クランプエレメントは、上記ベアリング部を締め付け位置から離れるように動かすためのクランプ開放アクチュエータが支えられるアクチュエータ表面を有することが好ましい。上記クランプ開放アクチュエータは、通常ディスクドライブが搭載または取り降ろされる基板である上記または各ステーションに設けられる。
【0041】
本発明の第6の形態においては、ディスクドライブを輸送するためのディスクドライブキャリアであって、上記ディスクドライブキャリアがケーシングを有し:上記ケーシングは、上記キャリア内に据え付けられたディスクドライブにデータ接続を提供する、取り外し可能なディスクドライブカードを受け入れるための第1の領域を有し;上記ケーシングは、上記キャリア内に据え付けられたディスクドライブのモーターに電気的な接続を提供する、取り外し可能なモーターカードを受け入れるための第2の領域を有し;上記ケーシングは、上記取り外し可能なモーターカードおよび取り外し可能なディスクドライブカードに接続可能な、取り外し可能なデータおよび電気コネクタを受け入れるための第3の領域を有し;それによりディスクドライブキャリアは、上記キャリアによって輸送されるディスクドライブに任意に:第1、第2、および第3の領域にそれぞれ受け入れられる取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカード、および取り外し可能なデータおよび電気コネクタを介し;または上記キャリアによって輸送されるディスクドライブのプロダクトカードを介してデータおよび電気的接続を提供するために使用できることを特徴とするディスクドライブキャリアを提供する。
【0042】
上記ディスクドライブキャリアは、ディスクドライブの下において電気的および/またはデータ接続を設けるもの、ディスクドライブの後において電気的および/またはデータ接続を設けるもの、および独自の関連するいわゆるプロダクトカードを有するものを含む異なる種類のディスクドライブと用いることができる。ディスクドライブの種類によって取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカードおよび取り外し可能なデータおよび電気コネクタを必要に応じてはめ込むまたは取り外すのみでよい。また、取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカードおよび取り外し可能なデータおよび電気コネクタは、精密なモデルのディスクドライブのよって他の種類と容易に交換することができる。上記ディスクドライブキャリアは、サーボ書き込み中に使用する、上述したディスクドライブ支持機構のディスクドライブキャリアとしての特別な用途があるが、ディスクドライブが輸送される、あるいは、例えばディスクドライブ試験装置、データ蓄積用途等を含む、他の品に締め付けられるいかなる用途において用いることができる。
【0043】
上記ディスクドライブキャリアは、上記第1の領域に受け入れられる取り外し可能なディスクドライブカードを、上記キャリアにより輸送されるディスクドライブとかみ合うように傾けるための、傾けるおよび横向きに適合した配置(a biasing and laterally compliant arrangement)を有することが好ましい。この横方向の適合性のある傾きは、接続を向上させるのに役立ち、製造中に生じる公差の変位を許容する。上記傾けるおよび横向きに適合した配置は上記キャリアから取り外し可能であることが好ましい。上記偏倚配置および横向きの適合は、上記ディスクドライブキャリアから取り外し可能なトレイ上に据え付けられていてもよい。
【0044】
上記ディスクドライブキャリアは、少なくとも1つの取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカード、および取り外し可能なデータおよび電気コネクタの挿入および取り降ろしを可能にする、取り外し可能なカバーを有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、ディスクドライブがその内部に据え付けられており、明確化のためにディスクドライブキャリアの前面の壁が取り外され手いる、本発明の1態様のディスクドライブ支持機構の例の前面からの斜視図である。
【図2】図2は、ディスクドライブ支持機構の前面からの斜視図である。
【図3】図3は、締め付けられていない状態で、明確化のために、カゴの側面および底面の一部、並びに相対的に大きなブロックの一部が取り外されている、ディスクドライブ支持機構の斜視図である。
【図4】図4は、図3に対応する図であり、ディスクドライブが締め付けられている状態である。
【図5】図5は、本発明の1態様のディスクドライブキャリアの例の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の1態様のクランプ機構の最初の例の部分を特に示す、ディスクドライブキャリアの詳細な斜視図である。
【図7】図7は、図6に対応する斜視図であり、図6のクランプ機構のクランプアームを作動しない位置へ動かしたものである。
【図8】図8は、図6のクランプ機構の拡大斜視図である。
【図9】図9は、図6のクランプ機構がディスクドライブを締め付けているものを示す部分的な横断面図である。
【図10】図10は、図6のクランプ機構がディスクドライブを締め付けていないものを示す部分的な横断面図である。
【図11】図11は、本発明の1態様のクランプ機構の2番目の例を用いた、ディスクドライブがディスクドライブキャリアに締め付けられたものを示す斜視図である。
【図12】図12は、ディスクドライブとかみ合った図11のクランプ機構のクランプを示す詳細な斜視図である。
【図13】図13は、ディスクドライブとかみ合った図11のクランプ機構のクランプの断面図である。
【図14】図14は、図11のクランプ機構のクランプを示す他の詳細な図である。
【図15】図15は、本発明の1態様のクランプ機構の3番目の例を用い、ディスクドライブキャリアを示す斜視図である。
【図16】図16は、明確化のためにキャリアの側面の壁の一部が切り取られた、図15のクランプ機構の一部を示す詳細な図である。
【図17】図17は、本発明の1態様のクランプ機構の5番目の例を用い、ディスクドライブキャリアを示す斜視図である。
【図18】図18は、図17のクランプ機構のクランプの、搭載された形態でのクランプを示す詳細な図である。
【図19】図19は、ディスクドライブカードが取り外されたディスクドライブキャリアの斜視図である。
【図20】図20は、トレイが取り外された図19のディスクドライブキャリアの斜視図である。
【図21】図21は、全ての取り外し可能な部品を取り外した図19のディスクドライブキャリアの下からの斜視図である。
【図22】図22は、カバーを示すための、図19のディスクドライブキャリアの下からの斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
次に、本発明の態様を、例を挙げ、添付の図を参照して説明する。
【0047】
まず、図1から図4を参照し、取り外し可能なように据え付けられたディスクドライブキャリア2を有するディスクドライブ支持機構1を示す。上記機構1は、2つの対向する側面4,5、ふた6、および底7を有するハウジング、または「カゴ」3を有する。上記カゴ3の下側部分には内部に、例えば鋼または花崗岩のような密度の高い材料から作られた相対的に大きなブロック8が据え付けられている。上記ディスクドライブキャリア2は、上記カゴ3の上側部分の内部に受け入れられる。
【0048】
上記相対的に大きなブロック8は、上記カゴ3の底7にある対応する開口部(図示せず)を貫通する振動減衰マウント9上に据え付けられている。上記振動減衰マウント9は、ソルボサン(Sorbothane、商標)のような、好ましくは約20%圧縮下のエラストマーから作られていることが好ましい。後述するように、複数のセルラックの中のセル内にカゴ3が据え付けられてもよい。上記据え付けは、上記振動減衰マウント9がセルの床に位置し、カゴ3の底7が上記セルの床に接触しないように行なわれる。
【0049】
好ましい態様においては、上記ブロック8の支持にちょうど3個の振動減衰マウント9が用いられ、上記マウント9は、2個のマウントが機構1の前面角部に、3番目のマウント9は機構1の背面の中心に据え付けられるように配置されている。この配置は、上記ブロック8の最初の振動モードを回転的にし、さらに、使用中のキャリア2に据え付けられたディスクドライブの回転から生じる振動の効果的な減衰に役立つ、10Hz程度の低周波数の原因となることが分かった。しかしながら、態様によっては、異なる数の振動減衰マウント9が用いられてもよく、および/または上記マウント9は他の様式で配置されてもよい。他の振動減衰機能が用いられてもよい。
【0050】
少なくとも後述する作動モードにおいて、上記ブロック8は上記カゴ3の底7に接触しない。それに対し、上記カゴ3をブロック8から持ち上げるための、1個以上の膨張式アクチュエータ10が上記カゴ3の底7と上記ブロック8との間に位置する。これらのアクチュエータ10は、使用中は制御可能な圧縮空気源に接続された、膨張式のダイヤフラムであってもよい。上記セルの床上に(上記振動減衰マウント9を介して)実際上位置しているのは上記ブロック8であることを念頭におくと、上記アクチュエータ10の膨張は、上記カゴ3の底7を動かし、その結果上記カゴ3の全体を下側へ動かす。この動作は、上記カゴ3のブロック8の上方、かつ、ふた6の下方の空間の高さを減少させる。一般的な移動は、4mm程度の規模になり得る。上記アクチュエータ10は、少なくともカゴ3の底7およびブロック8の一方に設けられたポケット11に受け入れられる。通常の、上記膨張式アクチュエータ10が膨張していない静止位置で上記ブロック8とカゴ3のふた6との間の最大の隙間が存在するように上記カゴ3を上側に傾けるための、圧縮されたコイルバネのような偏倚配置(図示せず)が上記ブロック8の上面と上記カゴ3のふた6との間に設けられている。
【0051】
基本的な動作は以下の通りである。圧縮空気の源を断つことにより上記アクチュエータ10は収縮される。これにより、カゴ3を上側に傾けているバネが上記カゴ3を上記ブロック8と相対的に上側へ押し、上記ブロック8の上方の空間が増加する。内部にディスクドライブ12が据え付けられたドライブキャリア2は、その後上記ブロック8の上方の空間へ挿入される。少なくとも上記カゴ3および上記カゴ3が据え付けられたセルの一方に適切な電気的およびデータの接続を提供するように上記キャリア2はホームへ押される。上記キャリア2の上部と上記カゴ3のふた6との間の間隙xを図3に示す。上記アクチュエータ10はその後膨張し、上記底7を押し、その結果上記カゴ3全体が下側へ押され、図4に最も明確に示されるように、上記キャリア2の上部と上記カゴ3のふた6との間の隙間は閉ざされる。それらが比較的簡単であることの他に、1個以上の膨張式アクチュエータ10を用いることの主な利点は、締め付け荷重を上記ブロック8およびカゴ3にわたって公平に均一に拡げることができるため、機構1の個々の構成部品の製造において起こり得る、これらの構成部品のサイズの変動に順応することにある。
【0052】
これまでに述べた配置は、キャリア2を用いた上記ディスクドライブの上記カゴ3内外への輸送を可能にし、このことは出し入れ工程の自動化を大幅に推進し、先行技術出のような低く、困難なディスクドライブの手動による出し入れの必要をなくす。
【0053】
図1に示すように、および以下でさらに詳細に説明するように、上記ディスクドライブキャリア2は、各角部にクランプ機構13を有し、各クランプ機構13は、上記キャリア2の内側へ突き出る突出リップ15を有するクランプアーム14を有する。上記キャリア2の底16は、対応するクランプアーム14のリップ15に対向するディスクドライブキャリア柱17を各角部に有する。上記クランプアーム14およびディスクドライブキャリア柱17は、鋼のような非圧縮性の材料から作られている。上記ディスクドライブキャリア柱17は、上記キャリア2の底16を貫通しており、上記キャリア2がカゴ3に据え付けられた際、上記ブロック8の上面と接触しているのは、上記キャリア柱17の下面のみである。
【0054】
同様に、上記キャリア2と上記カゴ3のふた6との間の接触点は、クランプアーム15の上面のみである。また、上記ディスクドライブ12には、各角にディスクドライブ柱18が設けられている。各ディスクドライブ柱18の端は上記ディスクドライブ12の上下面に位置し、上記クランプアーム14のリップ15および上記キャリア2の柱17の位置に対応するように配置されている。
【0055】
このように、図1に示すように、上記膨張式アクチュエータ10が膨張して上記カゴ3のふた6を上記キャリア2上まで押し下げた場合、上記ブロック8とカゴ3との間の締め付け力Fは上記クランプアーム14、ディスクドライブ柱18およびディスクドライブキャリア柱17の非圧縮性材料を通してのみ働き、また、これらの構成部品を通る線状に働く。これは、いかなるオフセットクランプ配置においても曲げモーメントが生じないことを意味し、また、最大の締め付け力が上記ディスクドライブ12に付加される。加えて、上記ディスクドライブ12は、効果的に上記ブロック8に締め付けられており、例えば、上記キャリア2等を介して上記ブロック8に締め付けられていない。このように、上記キャリア2の使用は、上記ブロック8による振動の減衰に悪影響を及ぼさない。上記ディスクドライブ12に付加された締め付け力Fは、上記膨張式アクチュエータ10を通じて付加された圧力に相当し、6バール(約6×105Pa)のオーダーであってもよく、上記カゴ3を上記ブロック8から離れるように上方に傾けるバネのバネ力を小さくする。全体の締め付け力は、アクチュエータ10毎に165Nオーダーでもよく、2個のアクチュエータ10が設けられる場合は、全体の締め付け力は約330Nである。必要な場合は、より多くのアクチュエータ10を用いるおよび/または一部または全てのアクチュエータ10のサイズを大きくすることにより上記締め付け力を増加させることができる。
【0056】
当然のことながら、上述したディスクドライブキャリア2は、サーボ書き込み中の振動を減衰するために、相対的に大きなブロック8にディスクドライブ12を締め付ける特定の用途がある。しかしながら、上述したように、上記キャリア2は、ロボットまたはその他の自動化された機械によって操作可能な単純な配置をキャリア2が提供するにあたって、ディスクドライブ12がある場所から他の場所へ輸送されなければならないいかなる用途において用いることができる。
【0057】
特に図5から図10を参照し、上記キャリア2および好ましいクランプ機構13をより詳細に説明する。上記クランプアーム14は、ピボットピン20を介して回転可能なように、ピボットブロック22の2つのアーム21の間に据え付けられており、上記ピボットピン20は上記クランプアーム14の回転軸を定める。上記ピボットブロック22は、ハウジングまたは「タワー」23内に据え付けられており、その内部で上記回転軸に対して横向きに上下に滑動可能である。上記ハウジング23は、上記ディスクドライブキャリア2の底にしっかりとはめ込まれ、この目的のため、上記ハウジング23の底にはペグ24が設けられている。上記ピボットブロック22は、一方の端部は上記ピボットブロック22上の位置決めペグ26を覆うように受け止められ、もう一方の端部は上記ハウジング23の対向面27上に支えられている。上記コイルネジ25は、適切なバネ力を有するように選択することができ、用途および/または上記キャリア2によって運搬される特定の種類のディスクドライブによっては、異なるバネ力の他のコイルバネと交換されてもよい。
【0058】
上記ピボットブロック上には、上記2つのアーム21間に上向きに突き出すように板バネ(leaf spring)28が、上記板バネの自由端が上記クランプアーム14の下部の最も内側に支えられるように据え付けられている。これにより、上記クランプアーム14は上記回転軸を軸として傾いて、上記クランプアーム14のリップ15をキャリア2の外側へ動かす。
【0059】
上記ピボットブロック22は、その下端にアクチュエータ表面29を有する。上記キャリア2は各角部に、上記クランプ機構13がキャリア2に固定された際に上記ピボットブロック22のアクチュエータ表面29が貫通して突き出す開口部30を有する(例えば、かなり後で説明する図21に示されるように)。
【0060】
上記クランプハウジング23は、上記クランプアーム14の移動方向に平行な平面背壁を有する。クランプハウジング23はさらに、上記平面背壁31に隣接し、上向きかつ上記キャリア2の外向きの角の、角を成す、または傾斜(ramp)部32を有する。
【0061】
静止状態では、例えば図6および図9に示すように、上記コイルネジ25がピボットブロック22を下側へ傾ける。この傾きは、クランプアーム14の背部を上記ハウジング23の平面背壁31によりかからせる。この状態では、上記クランプアーム14のリップ15は、ディスクドライブ12が上記キャリア2の各角部において上記リップ15と対応するキャリア柱17との間に締め付けられることが可能なように、上記キャリア柱17の上方に位置し、締め付け力は上記コイルネジ25によって付加される。
【0062】
上記ディスクドライブ12をキャリア2から開放するために、各クランプ機構13のアクチュエータ表面29は、上記キャリア2の下部から上方へ押し上げられる。図10に最も明確に見られるように、これはピボットブロック22の全体を上方へ、上記コイルネジ25の作用に逆らって押し上げる。この動きは、クランプアーム14を最初は上方へ動かし、この動きは上記リップ15をディスクドライブ12の上方へ動かす。いったん上記アーム14の回転中心が上記平面背壁31とハウジング23の傾斜表面32との接合点へ動くと、クランプアーム14の下端に支えられた板バネ28が、上記キャリア2の外側へ上記リップ15を動かすためにクランプアーム14を回転させる。上記傾斜表面32は、クランプアーム14の回転動の背後の止め具となる。
【0063】
よって、このような、締め付けられていない状態では、クランプアーム14が上記ディスクドライブ12の動く道の外へ動くと、上記ディスクドライブ12は、上記キャリア2から垂直に上方へ持ち上げられることが可能となる。その後他のディスクドライブ12を上記キャリア2へ搭載可能であり、上記ピボットブロック22が開放され、クランプアーム14が内側へ回転し、その後キャリア2の下側へ動き、次のディスクドライブ12キャリア2へ締め付ける。
【0064】
このように、搭載および取り降ろし時に上記クランプアーム14を単純な方法によりディスクドライブ12の好ましい移動道の外へ動かすことができ、ディスクドライブ12をキャリア2に締め付けることができる単純なクランプ機構が提供されている。最も便利なことに、本発明の配置はディスクドライブ12の自動化された搭載および取り降ろしに向いている。図9および図10に、バネの荷重が付加される、ディスクドライブプレゼンタステーション上のアクチュエータブロック33を概略的に示す。上記プレゼンタステーションは、このようなアクチュエータブロック33を4個、各クランプ機構13に1個、有する。ある態様においては、ロボットがキャリア2を上記プレゼンタステーションへ動かし、上記アクチュエータブロック33が上記ピボットブロック22のアクチュエータ表面29とかみ合って押し上げるように、それを下げ、上記クランプアーム14を開放する。上記ロボットがキャリア2を持ち上げると、上記クランプアーム14は自動的に締め付けられた状態に移動する。
【0065】
上述したクランプ機構13は、順番に、ディスクドライブ試験装置、データ蓄積装置、およびサーボ書き込み装置(サーボ書き込みが、従来の外部のクロックヘッド使用型、自己サーボ書き込み型、またはサーボフィル型のいずれでも)のような装置へ、および装置からディスクドライブを輸送する特有の用途である、ディスクドライブ12をキャリア2に締め付けるための独特の用途を有する。それでも、上記クランプ機構13は、他の用途において、ディスクドライブ12を他の装置に締め付けるためにも用いることができる。例えばクランプ機構13は、いかなるディスクドライブキャリア2も伴わずに、ディスクドライブ12を相対的に大きなブロック8に直接締め付けるために用いることができる。
【0066】
次に図11から図14を参照し、ディスクドライブ12をディスクドライブキャリア2や他の基板に締め付けるのに適したクランプ機構13の2番目の例を説明する。
【0067】
この例においては、4個のクランプエレメント120は、上記キャリア2の各溝または凹み121ないに緩く締め付けられている。クランプエレメント120は、従来いわゆる小型(small form)ファクターディスクドライブ(直径2.5インチまたは約6.35cmのもの)に設けられていた、取りつけ孔(fixing hole)毎に設けられている。これらの取りつけ孔の位置および寸法は、合意された基準に基づいて決められる。各クランプエレメント120は、上記ディスクドライブ12の各取りつけ孔122に入り込む突起123を有する。上記突起123の横断面は通常三角であり、使用中は下側かつ外側を向いており、上記取りつけ孔122の面取りした外面125の最も下部とかみ合う傾斜締め付け面124を提供する。
【0068】
上記クランプエレメント122は、通常は上記締め付け面124と対向しており、上側かつ外側を向くカム表面126をさらに有する。上記締め付け面124およびカム表面126の反対側に、上記クランプエレメント120は、クランプエレメント120の背面128から離れた、直立した収縮(retraction)柱127を有する。
【0069】
1、2、または3個のみのクランプエレメント120で十分かもしれないが、このようなクランプエレメント120が4個あることが好ましい。上述したように、クランプエレメント120はキャリア2の各溝または凹み121に緩くはめ込まれている。クランプエレメント120は、キャリア2の張り出し部分129により縦方向に緩く維持されており、クランプエレメント120の頂部と張り出し部分129との間には通常隙間があり、上記クランプエレメント120の多少の縦方向の動きを可能にしている。
【0070】
加えて、クランプエレメント120の、ディスクドライブ12を横切る(図13における左および右への)横方向の動きを抑制するため、1個以上の延長バネアーム130の形で配置を傾ける。キャリア2の各側には2個のバネアーム130があってもよく、または、キャリア2の各側に1個であるが長いバネアーム130があってもよい。以下の説明においては、キャリア2の各側には2個のバネアーム130があるものとする。キャリア2の各側の各バネアーム130の第1の端131において、上記バネアーム130はキャリア2に固定されている。各バネアーム130のもう一方の端132は、各クランプエレメント120の収縮柱127と背面128との間の空間に受け入れられる。各クランプエレメント120の背面128は、クランプアーム130の端132を支え、部分球形であり、外側を向くボタン133を有する。この部分球形は、クランプエレメント120が、締め付けにおいて適切な位置を選ぶように補助する。
【0071】
使用中キャリア2は、キャリア2にディスクドライブが搭載される場所である搭載ステーションまたはその他の固定具に搭載される。上記ステーションにおいて、アームや他の機構(図示せず)は直接バネアーム130および収縮柱127のどちらかとかみ合い、上記クランプエレメント120を引き込む(すなわち、クランプエレメント120を図13の右へ動かす)。この動きは、クランプエレメント120の突起123をディスクドライブ12の移動道の外へ動かす。ディスクドライブ12はその後キャリア2へと挿入されうる。クランプエレメント120はその後開放され、バネアーム130により傾けられ、クランプエレメント120は内側へ動く。この動きは、クランプエレメント120の突起123を、ディスクドライブ12の各固定孔122に入り込ませる。同時に、クランプエレメント120のカム表面126は、キャリア2上に設けられた各カム表面134とかみ合う。図13に最も明確に見られるように、各カム表面126,134かみ合いは、バネアーム130がクランプエレメント120を内側へ動かすにつれて、クランプエレメント120の締め付け面124を上記固定孔122の面取り面125の最下部向けて下向きに動かす楔止め動作を付与する。ディスクドライブ12は、このようにしっかりとキャリア2へ締め付けられる。
【0072】
その後キャリア2は、キャリア2に締め付けられたディスクドライブ12と共にステーションから持ち上げられる。当然のことながら、クランプエレメント120の突起123とディスクドライブ12の固定孔122とのかみ合いは、ディスクドライブ12に縦および横の両方向の抑制を加える。よって、ディスクドライブ12は、キャリア2から飛び出ることなく、キャリア2内を安全に輸送されることができる。また、キャリア2と相対的なディスクドライブ12の位置は、高い確実性で固定されており、ステーションにおけるディスクドライブ12への電気的その他の接続をし易くする(例えばサーボトラック書き込みまたは試験ラックまたは貯蔵ラック等)。
【0073】
上記バネアーム130は、減衰振動またはいわゆる拘束層型であることが好ましい。これは、単に接着剤になり得る、より柔軟な材料を間に挟んだ、2つの比較的柔軟性のない材料(例えば金属またはプラスチック)の積層体からバネアーム130を作ることによって達成される。この配置は、クランプエレメント120へ作用する、上記バネアーム130により付与される良好な締め付け力に加え、良好な振動の減衰も得られる。
【0074】
バネアーム130は、クランプエレメント120をその締め付け位置へ向けて内側へ傾けがちであると説明したが、状況によっては、バネアーム130はクランプエレメント120をその締め付け位置から離れるように外側へ傾けるように配置されてもよい。他の配置の説明では、クランプエレメント120を締め付け位置へ向けて内側へ動かす。
【0075】
次に図15および図16を参照して、ディスクドライブ12をディスクドライブキャリア2または他の基板に締め付けるのに適したクランプ機構213の3番目の例を説明する。
【0076】
この例においては、ディスクドライブキャリア2(または他の基板)は、2個の内側に向く開口部221がそれぞれにある、直立側面220を有する。クランプバネ222が各開口部221に据え付けられている。各クランプバネ222もまた、減衰振動または拘束層型であることが好ましい。これは、単に接着剤になり得る、より柔軟な材料を間に挟んだ、2つの比較的柔軟性のない材料(例えば金属またはプラスチック)の積層体からクランプバネ222を作ることによって達成される。この配置は、上記クランプバネ222により付与される良好な締め付け力に加え、良好な振動の減衰も得られる。
【0077】
以下の説明は、1個の側面220についてするが、当然のことながら、他の側面220の配置も同様である。プッシュロッド形状のアクチュエータ223は、上記側面220の端面224を上記側面220内へと貫通しており、各ピン225、226を介し、2箇所で各クランプバネ222へ接続されている。各ピン225、226はそれぞれクランプバネ222に対して固定されている。上記第1のピン225は、側面220内に、側面220に対して固定されており、上記アクチュエータ223内の短い細長スロット227を貫通する。このように、上記アクチュエータ223が上記側面220内を前後にスライドすると、上記第1のピン225は上記側面220内のその位置に固定されたままであり、アクチュエータ223内の細長スロット227に沿って相対的に動く。第2のピン226は、例えば上記第2のピン226の直径に近い直径の、アクチュエータ223内の狭い開口部228を貫通することにより、アクチュエータ223に対して固定されている。上記第2のピン226は、側面220内の短い細長スロット229のおかげで、上記壁面220と相対的にスライドできる。このように、アクチュエータ223が上記側面220内を前後に動くと、この動きは上記第2のピン226を前後に運ぶ。
【0078】
図に示されたクランプバネ222の静止位置では、上記クランプバネ222は上記キャリア2の本体の内側へたわむ。単にアクチュエータ223を内側へ、上記側面220の方へ押すことにより、上記クランプバネ222は、より平面な形状の方向へ伸びる。この動きは、上記第2のピン226をそれぞれの上記第1のピン225から離れるように押しやり、上記クランプバネ222を平らにし、クランプバネ222を上記キャリア2の本体から離れるように外側へ引っ張る。クランプバネ222が十分に引き戻されると、ディスクドライブを上記キャリア2に搭載できる。アクチュエータ223はその後開放され、クランプバネ222を、上記ディスクドライブを摩擦により締め付ける、たわんだ静止位置に落ち着かせる。上記ディスクドライブは、再びアクチュエータ223を押し、クランプバネ222を引き込むことにより開放することができる。アクチュエータ223は、プッシュロッド、またはディスクドライブが搭載および/または取り降ろしされる上記ステーションに設けられた同様のもの、もしくはその他の固定具により作動される。
【0079】
ディスクドライブが上記キャリア2へ搭載または取り降ろしのされる際は、この配置は締め付け力を付与しない。各クランプバネ222は、他のクランプバネ222とは独立して動き、これにより最適な締め付け力を付与する。アクチュエータ223の動きは、単純な一方向である。この配置はディスクドライブの自動化された搭載および取り降ろしに特に適する。
【0080】
図に示されたクランプバネ222はディスクドライブを摩擦のみで締め付けるが、1個以上、好ましくは全てのクランプバネ222が、慣習的にディスクドライブの側面に設けられた固定孔の1個以上とかみ合う突起またはボタンを有していてもよく、上記突起またはボタンは、その例を図17および図18を参照して後述する突起328と同様である。(これらの固定孔の位置および寸法は、合意された基準に基づいて決められる。)このかみ合いの結果、ディスクドライブは予め決められた、よって予測可能な基板の位置に保持され、これは自動化された搭載および取り降ろし工程を容易にする。また、このかみ合いの結果、上記ディスクドライブは水平方向および垂直方向の両方においてしっかりと保持される。上記ディスクドライブとのかみ合いは、摩擦のみによるもの、摩擦および突起とディスクドライブの固定孔との機械的なかみ合いの組合せ、または単に突起とディスクドライブの固定孔との機械的なかみ合いによるものでもよい。
【0081】
図17および図18を参照し、ディスクドライブ12をディスクドライブキャリア2または他の基板に締め付けるのに適したクランプ機構の313の第4の例を説明する。
【0082】
この例においては、4個のクランプエレメント320がキャリア2の対向する側面322に設けられた各貫通孔321内に据え付けられている。各クランプエレメント320は、通常平面であり、一端に保持タグ323を有する。保持タグ323は、キャリア側面322のスロット324(図18の幻影で示す)に、クランプエレメント320が全体として上記キャリア2に片持ちになるようにぴったりはめ込まれる。
【0083】
各クランプエレメント320は中央開口部325を有する。インテグラル片持ちバネアーム326は上記開口部325上に横たわる。開放タグ327の形状のアクチュエータ表面は、クランプエレメント320の本体の下側および外側に突き出る。上記クランプエレメント320の、端上記保持タグ323の反対側の端は、この例においては内側に対向する突起328である、軸受け部を有する。
【0084】
上述したように、各クランプエレメント320は、一端において、上記キャリア2の側面322に上記保持タグ323を介して固定されている。各バネアーム326の自由端329は、上記バネアーム326が予め荷重がかかり、相対的に外側へ(図18に示すように)たわむように配置された、側面322の部分330とかみ合う。これは、言い換えると、上記突起328をキャリア2の内側へ傾ける。上記クランプエレメント320の位置は、ディスクドライブがキャリア2にあるときに、上記突起328がそれぞれ、小型(small form)ファクターディスクドライブに設けられた固定孔に入り込んでかみ合うように配置されている。
【0085】
上記クランプエレメント320を開放するために、上記キャリア2は搭載/取り降ろしステーションに輸送される。上記ステーションにおいて、ガイドレールまたは指331等が、キャリア2の縦方向に相対的にスライドし、開放タグ327とかみ合う。上記開放タグ327は外側に角度を有するため、このかみ合いは、上記クランプエレメント320を全体的に外側へ曲げ、このようにして上記ディスクドライブから突起328を引き込む。その後ディスクドライブは除去され、他のディスクドライブが同様に搭載されて締め付けられる。
【0086】
上記クランプエレメント320もまた、減衰振動またはいわゆる拘束層バネ物質型であることが好ましい。これは、単に接着剤になり得る、より柔軟な材料を間に挟んだ、2つの比較的柔軟性のない材料(例えば金属またはプラスチック)の積層体からクランプエレメント320を作ることによって達成される。この配置は、クランプエレメント320により付与される良好な締め付け力に加え、良好な振動の減衰も得られる。
【0087】
この例は、上記ディスクドライブの強固な締め付けを提供する。上記突起328は、ディスクドライブを水平方向と共に垂直方向の抑制をする。上記クランプエレメント320は、ディスクドライブの作動中に生じる振動を減衰する。クランプエレメント320は、1枚部品として作られてもよく、例えば、単に基材を打ち抜くまたは鋳造により作られてもよい。従って、クランプエレメント320は、製造および上記キャリア2への据付が、簡単かつ安価である。
【0088】
通常ディスクドライブには主に3種類ある。1つの種類においては、電気的およびデータの接続は、上記ディスクドライブの背面においてされる。2つ目の種類においては、電気的およびデータの接続はディスクドライブの下でプロダクトカードを介してされるように、ディスクドライブは底にプロダクトカード(これらは同じ名前である)を有する。3番目の種類においては、電気的およびデータの接続は、ディスクドライブとは別に設けられた1個以上の個別の接続カードを介してディスクドライブの下でされる。観念的には、上記ディスクドライブキャリア2はこれら3(2)種類の汎用体であるべきであり、同一の基本的なキャリア2がこれらのどの種類のディスクドライブにも用いることができる。
【0089】
このようなキャリア2の例は、図19から図22に最も明確に示されている。上記キャリア2は、通常平面底40および対向する前面および背面端壁41,42を有する。
【0090】
上記キャリア2は、特に重要な3個の領域を有する。第1の領域43は比較的大きく、通常は、取り外し可能なディスクドライブカード44(図5参照)を受け止めることができる、上記底40の、正方形または長方形の開口部43である。第2の領域45は、上記ディスクドライブ12のディスクドライブモーターに電気的な接続を提供する、取り外し可能なモーターカード46を受け止めることができる、上記底40の開口部45により提供される。第3の領域47は、取り外し可能なデータおよび電気的なコネクタ48を受け止めることができる、上記背面42を通る開口部47である。
【0091】
当然ながら、取り外し可能なディスクドライブカード44、取り外し可能なモーターカード46および取り外し可能なデータおよび電気的なコネクタ48は、キャリア2によって輸送されるディスクドライブ12の特定の種類により、はめ込まれていてもはめ込まれていなくてもよい。ディスクドライブカード44およびモーターカード46がはめ込まれる場合は、上記モーターカード46およびディスクドライブカード44からデータおよび電気的なコネクタ48への電気的およびデータの接続を提供するための柔軟性のある電気コネクタ(図示せず)を用いてもよい。最後に、データおよび電気的な接続は、上記キャリア2の外部の、上記キャリア2の背面でされる。例として、上述したサーボ書き込み用途において、ライザーカードが上記相対的に大きなブロックにはめ込まれてもよい。
【0092】
ディスクドライブカード44が用いられる場合は、ディスクドライブ12の下に設けられた接続とかみ合うように、このカード44が傾けられることが好ましい。これは上記キャリア2の開口部43に受け止められたトレイ49を有する2部品カートリッジと、カードキャリア50が上下に動けるようにトレイ48にはめ込まれた、対応するカードキャリア50とを提供することにより達成できる。上記カードキャリア50を上向きに傾けるトレイ49上のペグ51上に、3個の円錐形のコイルバネ(図示せず)がはめ込まれている。ディスクドライブカード44が上記カードキャリア50に据え付けられる際、上記偏倚配置は上記カード44を上へ持ち上げ、このようにして上記ディスクドライブ12の接続との良好な接続を確実にする。この配置は、上記キャリア2上へのディスクドライブ12の自動化された搭載を容易にする、横方向の追従性も提供する。様々な取り外し可能な部品をキャリア2へ固着するために、必要に応じて上記キャリア2にカバー52がネジ留めされてもよい。
【0093】
本発明の態様を図示された特定の例を参照して説明した。しかしながら、当然ながら、説明された例についての様々なバリエーションおよび改良が本発明の範囲内において成され得る。例えば、好ましい態様においては、上記キャリアの各角部には、4個のクランプ機構が設けられている。しかしながら、3個のようなより少ない、またはより多くのクランプ機構が設けられてもよい。他の例として、ディスクドライブを上記ブロックに締め付けるために用いられる膨張式アクチュエータおよび締め付け状態から離れるように傾けるバネの代わりに、キャリアを上記ブロックに締め付けるためにバネが用いられてもよく、締め付け状態から離れるように傾けるために1個以上の膨張式アクチュエータが用いられてもよい。この配置は、必要とされる締め付け力を提供するには強いバネを必要とするが、空気の供給が途絶えた場合でも、上記ディスクドライブは上記ブロックに締め付けられたままであることを意味する。他の例として、好ましいキャリアにおいては、ディスクドライブカードの傾きは、上記2部品カートリッジの2個の部品の間のバネにより提供される。代わりとして、上記カバーと1部品カートリッジとの間にバネが設けられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボトラックがディスクドライブのディスクに書き込まれている間に、前記ディスクドライブを支持するために構成および配置(arranged)されたディスクドライブ支持機構であって、
ディスクドライブを運搬する、取り外し可能なディスクドライブキャリアと;
相対的に大きなブロックと;
ディスクドライブを前記ブロックに開放可能なように締め付けるために構成および配置されたクランプ配置(arrangement)とを有することを特徴とする機構。
【請求項2】
第1の方向の相対的な往復動用に前記ブロックがその内部に取りつけられたカゴを有し、
前記カゴは前記ディスクドライブキャリアを受け入れるための空間を有し、
前記クランプ配置は、前記ディスクドライブキャリアを介して前記ブロックへ、前記ディスクドライブキャリアによって運搬されたディスクドライブを締め付けるように、前記カゴを前記ブロックと相対的に動かすことができるアクチュエータを有することを特徴とする請求項1に記載の支持機構。
【請求項3】
前記カゴが、前記ブロックと相対的に前記第1の方向にのみ動けるように、前記カゴおよびブロックが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の支持機構。
【請求項4】
前記アクチュエータが、膨張式アクチュエータの膨張が前記カゴを前記ブロックと相対的に前記第1の方向に動かすように、前記ブロックと前記カゴとの間に配置された膨張式アクチュエータを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の支持機構。
【請求項5】
前記アクチュエータの作動により前記カゴが動かされた方向とは逆の方向に前記カゴを傾けるために構成および配置された偏倚配置を有することを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項6】
前記ブロックが、複数の振動減衰マウントにより支持されていることを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項7】
前記ブロックが、前記カゴの下に設けられたちょうど3個の振動減衰マウントにより支
持されていることを特徴とする請求項6に記載の支持機構。
【請求項8】
前記ディスクドライブキャリアが、ディスクドライブを前記ディスクドライブキャリアに締め付ける、複数のクランプを有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項9】
前記複数のクランプが、前記ディスクドライブ上に設けられ、前記ディスクドライブの一方の表面から対向する表面へと貫通する、対応する複数の柱を介してディスクドライブを締め付けるように配置されていることを特徴とする請求項8に記載の支持機構。
【請求項10】
前記ディスクドライブキャリアが、前記ディスクドライブキャリアを貫通し、前記ブロックに支えられている、複数のディスクドライブキャリア柱を有することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項11】
ディスクドライブキャリアは複数のクランプアームおよびその間にディスクドライブを締め付け可能な、対向するディスクドライブキャリア柱を有し、前記ディスクドライブキャリア柱は前記ディスクドライブキャリアを貫通し、前記クランプ配置は、前記カゴのふたは各クランプアームの第1の面に支えられ、各クランプアームの第2の面は、前記ディスクドライブ上に設けられた複数のディスクドライブ柱の各々の第1の面に支えられるようにディスクドライブを締め付けるように構成および配置されており、前記ディスクドライブの一方の面から対向する面へ貫通し、かつ、前記各ディスクドライブ柱の第2の面は各々のディスクドライブキャリア柱の端に支えられ、前記ディスクドライブキャリア柱のもう一方の端は前記ブロックに支えられていることを特徴とする請求項2から請求項7までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項12】
ディスクドライブを基板へ締め付ける(clamping)ためのクランプ機構であって、前記クランプ機構は、クランプアームであり、第1の方向に沿って前後に移動可能であり、前記第1の方向に横向きの回転軸を軸にして回転可能であるクランプアームと;
前記クランプアームを締め付け位置に向けて前記第1の方向に傾けるために構成および配置された、第1の偏倚配置と;
前記クランプアームを、前記回転軸を軸に回転するように傾けるために構成および配置された、第2の偏倚配置と;
クランプ開放アクチュエータを支え得るアクチュエータ表面とを有し、
前記機構は、クランプアームが通常締め付け位置の方向へ傾けられ、クランプ開放アクチュエータが前記アクチュエータ表面に支えられている際、前記クランプアームが前記第1の方向へ前記締め付け位置から離れるように動き、前記回転軸を軸に回転するように配置されていることを特徴とするクランプ機構。
【請求項13】
前記第1の偏倚配置が、通常圧縮されている、少なくとも1個のバネを有することを特徴とする請求項12に記載のクランプ機構。
【請求項14】
前記第2の偏倚配置が、前記クランプアームの端に作用する板バネ(leaf spring)を有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載のクランプ機構。
【請求項15】
前記クランプアームが、ハウジング内における前記第1の方向の平行移動のために据え付けられたピボットブロックに回転可能なように据え付けられていることを特徴とする請求項12から請求項14までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項16】
前記ハウジングは、通常は前記第1の方向に平行な第1の表面と、前記第1の表面に対して角度を有する第2の、傾斜表面とを有し、前記第1および第2の表面は、前記クランプアームの前記平行移動および回転動を導くように作用することを特徴とする請求項15に記載のクランプ機構。
【請求項17】
ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:
前記基板に対して相対的に取り外し可能なクランプエレメントであり、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有し、さらにカム表面を有するクランプエレメントと;
前記クランプエレメントの前記カム表面と対応するカム表面を有する基板と;
前記ディスクドライブが前記基板への搭載または前記基板からの取り降ろしを可能にするために前記クランプエレメントがディスクドライブの移動道の外に引き込む、または引き込むことが可能であり、前記クランプエレメントの突起が前記ディスクドライブの開口部に入り込み、前記クランプエレメントのカム表面および基板が、前記突起と前記ディスクドライブの開口部とのかみ合いによって前記ディスクドライブを基板に締め付けるように互いにかみ合うように前記ディスクドライブが前記基板に締め付けられる際に、前記クランプエレメントが前記ディスクドライブとかみ合うように動く、または動くことが可能な配置とを有することを特徴とするクランプ機構。
【請求項18】
その静止位置において、前記クランプエレメントを前記ディスクドライブかみ合い位置に向けて傾かせる、偏倚配置を有することを特徴とする請求項17に記載のクランプ機構。
【請求項19】
前記偏倚配置が、第1の端において前記基板に対して固定されており、第2の端において前記クランプエレメントとかみ合うバネを有することを特徴とする請求項18に記載のクランプ機構。
【請求項20】
前記クランプエレメントが、引き込み装置とのかみ合いのための、前記クランプエレメントを引き込むために作動可能であり、これにより前記クランプエレメントの突起を前記ディスクドライブの開口部から引き込む、引き込み柱を有することを特徴とする請求項17から請求項19までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項21】
第1の端において前記基板に対して固定されており、第2の端において前記クランプエレメントと、その静止位置において、前記クランプエレメントを前記ディスクドライブかみ合い位置に向けて傾かせるようにかみ合うバネを有し、前記クランプエレメントが、前記バネが前記クランプエレメントを引き込むために作動可能であり、これにより前記クランプエレメントの突起を前記ディスクドライブの開口部から引き込むバネの第2の端とかみ合う引き込み柱を有する請求項17に記載のクランプ機構。
【請求項22】
その静止位置において、前記クランプエレメントを前記ディスクドライブかみ合い位置から遠ざけるように傾かせる、偏倚配置を有することを特徴とする請求項17に記載のクランプ機構。
【請求項23】
前記クランプエレメントが3直交方向へ移動可能であることを特徴とする請求項17から請求項22までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項24】
4個の前記クランプエレメントを有し、各クランプエレメントの前記突起が、前記ディスクドライブの4個の開口部のそれぞれとかみ合い可能であることを特徴とする請求項17から請求項23までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項25】
ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:
前記基板の壁に据え付けられており、前記バネの静止位置においては、前記基板により使用中のディスクドライブキャリアとのかみ合いのために前記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有するクランプバネと、
前記ディスクドライブが前記基板への搭載または前記基板からの取り降ろしを可能にするために前記クランプバネのベアリング部を引き込むためのアクチュエータとを有することを特徴とするクランプ機構。
【請求項26】
前記アクチュエータはプッシュロッドであり、前記クランプバネに2箇所において接続されており、第1の前記接続箇所における接続は固定接続であり、第2の前記接続箇所における接続はスライディング接続であり、前記ロッドの第1の方向への動きは、前記クランプバネのベアリング部を引き込むように前記2個の接続箇所を互いに遠ざけるように動かし、前記ロッドの第2の、逆方向への動きは前記2個の接続箇所を互いに向けて動かし、前記クランプバネのベアリング部を前記基板により使用中の前記ディスクドライブキャリアとかみ合うことが可能な位置へ動かすことを特徴とする請求項25に記載のクランプ機構。
【請求項27】
前記基板の壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、各クランプバネは、バネの静止位置においては、2個のクランプバネが前記ディスクドライブのそれとかみ合うように、前記基板により使用中のディスクドライブキャリアとのかみ合いのために前記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有することを特徴とする請求項25または請求項26に記載のクランプ機構。
【請求項28】
前記アクチュエータが、前記2個のクランプバネのベアリング部を同時に引き込むために作動可能であることを特徴とする請求項27のクランプ機構。
【請求項29】
前記基板の壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、かつ、前記基板の第2の対向する壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、各クランプバネは、バネの静止位置においては、使用中に前記基板により輸送されたディスクドライブとの、2個のクランプバネは前記ディスクドライブの一方にかみ合い、前記他の2個のクランプバネは前記ディスクドライブの第2の対向する側にかみ合うための前記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有し、かつ、前記2個のクランプバネおよび前記他の2個のクランプバネ用のそれぞれのアクチュエータを有することを特徴とする請求項25から請求項28までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項30】
前記または少なくとも1個の前記クランプバネが、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有することを特徴とする請求項25から請求項29までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項31】
ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:
前記基板の壁に据え付けられ、ベアリング部を有するクランプエレメントを有し、前記クランプエレメントは、それと共に一体に形成された、またはそれに取りつけられたバネアームを有し、前記バネアームは前記ベアリング部が、使用中に前記基板により輸送されたディスクドライブとかみ合う締め付け位置へ、前記壁の開口部を貫通して突き出すように傾けることを特徴とするクランプ機構。
【請求項32】
前記ベアリング部は、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有することを特徴とする請求項31に記載のクランプ機構。
【請求項33】
前記バネアームは、前記バネアームの一端のみで前記クランプエレメントと一体に形成され、または取りつけられ、前記バネアームのもう一方の端は、使用中に前記基板により輸送されたディスクドライブとかみ合うための前記壁の開口部を貫通して突き出すように前記バネアームがベアリング部を傾けるように、前記基板の壁とかみ合うことを特徴とする請求項31または請求項32に記載のクランプ機構。
【請求項34】
前記クランプエレメントは、前記ベアリング部を締め付け位置から離れるように動かすためのクランプ開放アクチュエータが支えられるアクチュエータ表面を有することを特徴とする請求項31から請求項33までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項35】
ディスクドライブを輸送するためのディスクドライブキャリアであって、前記ディスクドライブキャリアがケーシングを有し:前記ケーシングは、前記キャリア内に据え付けられたディスクドライブにデータ接続を提供する、取り外し可能なディスクドライブカードを受け入れるための第1の領域を有し;
前記ケーシングは、前記キャリア内に据え付けられたディスクドライブのモーターに電気的な接続を提供する、取り外し可能なモーターカードを受け入れるための第2の領域を有し;
前記ケーシングは、前記取り外し可能なモーターカードおよび取り外し可能なディスクドライブカードに接続可能な、取り外し可能なデータおよび電気コネクタを受け入れるための第3の領域を有し;
それによりディスクドライブキャリアは、前記キャリアによって輸送されるディスクドライブに任意に:
第1、第2、および第3の領域にそれぞれ受け入れられる取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカード、および取り外し可能なデータおよび電気コネクタを介し;または
前記キャリアによって輸送されるディスクドライブのプロダクトカードを介してデータおよび電気的接続を提供するために使用できることを特徴とするディスクドライブキャリア。
【請求項36】
前記第1の領域に受け入れられる取り外し可能なディスクドライブカードを、前記キャリアにより輸送されるディスクドライブとかみ合うように傾けるための、傾けるおよび横向きに適合した配置(a biasing and laterally compliant arrangement)を有することを特徴とする請求項35に記載のディスクドライブキャリア。
【請求項37】
前記傾けるおよび横向きに適合した配置は前記キャリアから取り外し可能であることを特徴とする請求項36に記載のディスクドライブキャリア。
【請求項38】
前記偏倚配置および横向きの適合は、前記ディスクドライブキャリアから取り外し可能なトレイ上に据え付けられていることを特徴とする請求項37に記載のディスクドライブキャリア。
【請求項39】
少なくとも1つの取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカード、および取り外し可能なデータおよび電気コネクタの挿入および取り降ろしを可能にする、取り外し可能なカバーを有することを特徴とする請求項35から請求項38までのいずれかの請求項に記載のディスクドライブキャリア。
【請求項1】
サーボトラックがディスクドライブのディスクに書き込まれている間に、前記ディスクドライブを支持するために構成および配置(arranged)されたディスクドライブ支持機構であって、
ディスクドライブを運搬する、取り外し可能なディスクドライブキャリアと;
相対的に大きなブロックと;
ディスクドライブを前記ブロックに開放可能なように締め付けるために構成および配置されたクランプ配置(arrangement)とを有することを特徴とする機構。
【請求項2】
第1の方向の相対的な往復動用に前記ブロックがその内部に取りつけられたカゴを有し、
前記カゴは前記ディスクドライブキャリアを受け入れるための空間を有し、
前記クランプ配置は、前記ディスクドライブキャリアを介して前記ブロックへ、前記ディスクドライブキャリアによって運搬されたディスクドライブを締め付けるように、前記カゴを前記ブロックと相対的に動かすことができるアクチュエータを有することを特徴とする請求項1に記載の支持機構。
【請求項3】
前記カゴが、前記ブロックと相対的に前記第1の方向にのみ動けるように、前記カゴおよびブロックが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の支持機構。
【請求項4】
前記アクチュエータが、膨張式アクチュエータの膨張が前記カゴを前記ブロックと相対的に前記第1の方向に動かすように、前記ブロックと前記カゴとの間に配置された膨張式アクチュエータを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の支持機構。
【請求項5】
前記アクチュエータの作動により前記カゴが動かされた方向とは逆の方向に前記カゴを傾けるために構成および配置された偏倚配置を有することを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項6】
前記ブロックが、複数の振動減衰マウントにより支持されていることを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項7】
前記ブロックが、前記カゴの下に設けられたちょうど3個の振動減衰マウントにより支
持されていることを特徴とする請求項6に記載の支持機構。
【請求項8】
前記ディスクドライブキャリアが、ディスクドライブを前記ディスクドライブキャリアに締め付ける、複数のクランプを有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項9】
前記複数のクランプが、前記ディスクドライブ上に設けられ、前記ディスクドライブの一方の表面から対向する表面へと貫通する、対応する複数の柱を介してディスクドライブを締め付けるように配置されていることを特徴とする請求項8に記載の支持機構。
【請求項10】
前記ディスクドライブキャリアが、前記ディスクドライブキャリアを貫通し、前記ブロックに支えられている、複数のディスクドライブキャリア柱を有することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項11】
ディスクドライブキャリアは複数のクランプアームおよびその間にディスクドライブを締め付け可能な、対向するディスクドライブキャリア柱を有し、前記ディスクドライブキャリア柱は前記ディスクドライブキャリアを貫通し、前記クランプ配置は、前記カゴのふたは各クランプアームの第1の面に支えられ、各クランプアームの第2の面は、前記ディスクドライブ上に設けられた複数のディスクドライブ柱の各々の第1の面に支えられるようにディスクドライブを締め付けるように構成および配置されており、前記ディスクドライブの一方の面から対向する面へ貫通し、かつ、前記各ディスクドライブ柱の第2の面は各々のディスクドライブキャリア柱の端に支えられ、前記ディスクドライブキャリア柱のもう一方の端は前記ブロックに支えられていることを特徴とする請求項2から請求項7までのいずれかの請求項に記載の支持機構。
【請求項12】
ディスクドライブを基板へ締め付ける(clamping)ためのクランプ機構であって、前記クランプ機構は、クランプアームであり、第1の方向に沿って前後に移動可能であり、前記第1の方向に横向きの回転軸を軸にして回転可能であるクランプアームと;
前記クランプアームを締め付け位置に向けて前記第1の方向に傾けるために構成および配置された、第1の偏倚配置と;
前記クランプアームを、前記回転軸を軸に回転するように傾けるために構成および配置された、第2の偏倚配置と;
クランプ開放アクチュエータを支え得るアクチュエータ表面とを有し、
前記機構は、クランプアームが通常締め付け位置の方向へ傾けられ、クランプ開放アクチュエータが前記アクチュエータ表面に支えられている際、前記クランプアームが前記第1の方向へ前記締め付け位置から離れるように動き、前記回転軸を軸に回転するように配置されていることを特徴とするクランプ機構。
【請求項13】
前記第1の偏倚配置が、通常圧縮されている、少なくとも1個のバネを有することを特徴とする請求項12に記載のクランプ機構。
【請求項14】
前記第2の偏倚配置が、前記クランプアームの端に作用する板バネ(leaf spring)を有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載のクランプ機構。
【請求項15】
前記クランプアームが、ハウジング内における前記第1の方向の平行移動のために据え付けられたピボットブロックに回転可能なように据え付けられていることを特徴とする請求項12から請求項14までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項16】
前記ハウジングは、通常は前記第1の方向に平行な第1の表面と、前記第1の表面に対して角度を有する第2の、傾斜表面とを有し、前記第1および第2の表面は、前記クランプアームの前記平行移動および回転動を導くように作用することを特徴とする請求項15に記載のクランプ機構。
【請求項17】
ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:
前記基板に対して相対的に取り外し可能なクランプエレメントであり、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有し、さらにカム表面を有するクランプエレメントと;
前記クランプエレメントの前記カム表面と対応するカム表面を有する基板と;
前記ディスクドライブが前記基板への搭載または前記基板からの取り降ろしを可能にするために前記クランプエレメントがディスクドライブの移動道の外に引き込む、または引き込むことが可能であり、前記クランプエレメントの突起が前記ディスクドライブの開口部に入り込み、前記クランプエレメントのカム表面および基板が、前記突起と前記ディスクドライブの開口部とのかみ合いによって前記ディスクドライブを基板に締め付けるように互いにかみ合うように前記ディスクドライブが前記基板に締め付けられる際に、前記クランプエレメントが前記ディスクドライブとかみ合うように動く、または動くことが可能な配置とを有することを特徴とするクランプ機構。
【請求項18】
その静止位置において、前記クランプエレメントを前記ディスクドライブかみ合い位置に向けて傾かせる、偏倚配置を有することを特徴とする請求項17に記載のクランプ機構。
【請求項19】
前記偏倚配置が、第1の端において前記基板に対して固定されており、第2の端において前記クランプエレメントとかみ合うバネを有することを特徴とする請求項18に記載のクランプ機構。
【請求項20】
前記クランプエレメントが、引き込み装置とのかみ合いのための、前記クランプエレメントを引き込むために作動可能であり、これにより前記クランプエレメントの突起を前記ディスクドライブの開口部から引き込む、引き込み柱を有することを特徴とする請求項17から請求項19までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項21】
第1の端において前記基板に対して固定されており、第2の端において前記クランプエレメントと、その静止位置において、前記クランプエレメントを前記ディスクドライブかみ合い位置に向けて傾かせるようにかみ合うバネを有し、前記クランプエレメントが、前記バネが前記クランプエレメントを引き込むために作動可能であり、これにより前記クランプエレメントの突起を前記ディスクドライブの開口部から引き込むバネの第2の端とかみ合う引き込み柱を有する請求項17に記載のクランプ機構。
【請求項22】
その静止位置において、前記クランプエレメントを前記ディスクドライブかみ合い位置から遠ざけるように傾かせる、偏倚配置を有することを特徴とする請求項17に記載のクランプ機構。
【請求項23】
前記クランプエレメントが3直交方向へ移動可能であることを特徴とする請求項17から請求項22までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項24】
4個の前記クランプエレメントを有し、各クランプエレメントの前記突起が、前記ディスクドライブの4個の開口部のそれぞれとかみ合い可能であることを特徴とする請求項17から請求項23までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項25】
ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:
前記基板の壁に据え付けられており、前記バネの静止位置においては、前記基板により使用中のディスクドライブキャリアとのかみ合いのために前記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有するクランプバネと、
前記ディスクドライブが前記基板への搭載または前記基板からの取り降ろしを可能にするために前記クランプバネのベアリング部を引き込むためのアクチュエータとを有することを特徴とするクランプ機構。
【請求項26】
前記アクチュエータはプッシュロッドであり、前記クランプバネに2箇所において接続されており、第1の前記接続箇所における接続は固定接続であり、第2の前記接続箇所における接続はスライディング接続であり、前記ロッドの第1の方向への動きは、前記クランプバネのベアリング部を引き込むように前記2個の接続箇所を互いに遠ざけるように動かし、前記ロッドの第2の、逆方向への動きは前記2個の接続箇所を互いに向けて動かし、前記クランプバネのベアリング部を前記基板により使用中の前記ディスクドライブキャリアとかみ合うことが可能な位置へ動かすことを特徴とする請求項25に記載のクランプ機構。
【請求項27】
前記基板の壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、各クランプバネは、バネの静止位置においては、2個のクランプバネが前記ディスクドライブのそれとかみ合うように、前記基板により使用中のディスクドライブキャリアとのかみ合いのために前記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有することを特徴とする請求項25または請求項26に記載のクランプ機構。
【請求項28】
前記アクチュエータが、前記2個のクランプバネのベアリング部を同時に引き込むために作動可能であることを特徴とする請求項27のクランプ機構。
【請求項29】
前記基板の壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、かつ、前記基板の第2の対向する壁に据え付けられた2個のクランプバネを有し、各クランプバネは、バネの静止位置においては、使用中に前記基板により輸送されたディスクドライブとの、2個のクランプバネは前記ディスクドライブの一方にかみ合い、前記他の2個のクランプバネは前記ディスクドライブの第2の対向する側にかみ合うための前記壁の開口部を貫通して突き出すベアリング部を有し、かつ、前記2個のクランプバネおよび前記他の2個のクランプバネ用のそれぞれのアクチュエータを有することを特徴とする請求項25から請求項28までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項30】
前記または少なくとも1個の前記クランプバネが、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有することを特徴とする請求項25から請求項29までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項31】
ディスクドライブを基板に締め付けるためのクランプ機構であって:
前記基板の壁に据え付けられ、ベアリング部を有するクランプエレメントを有し、前記クランプエレメントは、それと共に一体に形成された、またはそれに取りつけられたバネアームを有し、前記バネアームは前記ベアリング部が、使用中に前記基板により輸送されたディスクドライブとかみ合う締め付け位置へ、前記壁の開口部を貫通して突き出すように傾けることを特徴とするクランプ機構。
【請求項32】
前記ベアリング部は、ディスクドライブの開口部に入り込んでかみ合う突起を有することを特徴とする請求項31に記載のクランプ機構。
【請求項33】
前記バネアームは、前記バネアームの一端のみで前記クランプエレメントと一体に形成され、または取りつけられ、前記バネアームのもう一方の端は、使用中に前記基板により輸送されたディスクドライブとかみ合うための前記壁の開口部を貫通して突き出すように前記バネアームがベアリング部を傾けるように、前記基板の壁とかみ合うことを特徴とする請求項31または請求項32に記載のクランプ機構。
【請求項34】
前記クランプエレメントは、前記ベアリング部を締め付け位置から離れるように動かすためのクランプ開放アクチュエータが支えられるアクチュエータ表面を有することを特徴とする請求項31から請求項33までのいずれかの請求項に記載のクランプ機構。
【請求項35】
ディスクドライブを輸送するためのディスクドライブキャリアであって、前記ディスクドライブキャリアがケーシングを有し:前記ケーシングは、前記キャリア内に据え付けられたディスクドライブにデータ接続を提供する、取り外し可能なディスクドライブカードを受け入れるための第1の領域を有し;
前記ケーシングは、前記キャリア内に据え付けられたディスクドライブのモーターに電気的な接続を提供する、取り外し可能なモーターカードを受け入れるための第2の領域を有し;
前記ケーシングは、前記取り外し可能なモーターカードおよび取り外し可能なディスクドライブカードに接続可能な、取り外し可能なデータおよび電気コネクタを受け入れるための第3の領域を有し;
それによりディスクドライブキャリアは、前記キャリアによって輸送されるディスクドライブに任意に:
第1、第2、および第3の領域にそれぞれ受け入れられる取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカード、および取り外し可能なデータおよび電気コネクタを介し;または
前記キャリアによって輸送されるディスクドライブのプロダクトカードを介してデータおよび電気的接続を提供するために使用できることを特徴とするディスクドライブキャリア。
【請求項36】
前記第1の領域に受け入れられる取り外し可能なディスクドライブカードを、前記キャリアにより輸送されるディスクドライブとかみ合うように傾けるための、傾けるおよび横向きに適合した配置(a biasing and laterally compliant arrangement)を有することを特徴とする請求項35に記載のディスクドライブキャリア。
【請求項37】
前記傾けるおよび横向きに適合した配置は前記キャリアから取り外し可能であることを特徴とする請求項36に記載のディスクドライブキャリア。
【請求項38】
前記偏倚配置および横向きの適合は、前記ディスクドライブキャリアから取り外し可能なトレイ上に据え付けられていることを特徴とする請求項37に記載のディスクドライブキャリア。
【請求項39】
少なくとも1つの取り外し可能なディスクドライブカード、取り外し可能なモーターカード、および取り外し可能なデータおよび電気コネクタの挿入および取り降ろしを可能にする、取り外し可能なカバーを有することを特徴とする請求項35から請求項38までのいずれかの請求項に記載のディスクドライブキャリア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−210365(P2011−210365A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132274(P2011−132274)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【分割の表示】特願2006−516405(P2006−516405)の分割
【原出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【出願人】(598138198)ザイラテックス・テクノロジー・リミテッド (14)
【住所又は居所原語表記】LANGSTONE ROAD,HAVANT,HAMPSHIRE PO9 1SA,UNITED KINGDOM
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【分割の表示】特願2006−516405(P2006−516405)の分割
【原出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【出願人】(598138198)ザイラテックス・テクノロジー・リミテッド (14)
【住所又は居所原語表記】LANGSTONE ROAD,HAVANT,HAMPSHIRE PO9 1SA,UNITED KINGDOM
【Fターム(参考)】
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