ディスクローディング機構
【課題】光ディスクを確実且つ安定に搬送する。
【解決手段】ディスク挿脱口12aの左右両端側に筐体11内の奥方に向かって左右対称に固定設置され、カム溝41cと直線状ガイド溝41dとを左右対称に有する一対のガイドレール41L,41Rと、一対のガイドレール41L,41Rの各直線状ガイド溝41dに沿って駆動源45の駆動力により往復動する一対のスライダ43L,43Rと、一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cに係合し、且つ、各カム溝41cの形状に応じて光ディスク1の外周縁1gを把持するか、又は、光ディスクの外周縁の把持を解除するように一対のスライダ43L,43Rに回動自在に支持され、一対のスライダと一体に往復動する一対の光ディスク把持レバー42L,42Rと、一対の光ディスク把持レバーを光ディスクの略仮想中心Oに向かって付勢する一対のバネ44L,44Rと、を備えている。
【解決手段】ディスク挿脱口12aの左右両端側に筐体11内の奥方に向かって左右対称に固定設置され、カム溝41cと直線状ガイド溝41dとを左右対称に有する一対のガイドレール41L,41Rと、一対のガイドレール41L,41Rの各直線状ガイド溝41dに沿って駆動源45の駆動力により往復動する一対のスライダ43L,43Rと、一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cに係合し、且つ、各カム溝41cの形状に応じて光ディスク1の外周縁1gを把持するか、又は、光ディスクの外周縁の把持を解除するように一対のスライダ43L,43Rに回動自在に支持され、一対のスライダと一体に往復動する一対の光ディスク把持レバー42L,42Rと、一対の光ディスク把持レバーを光ディスクの略仮想中心Oに向かって付勢する一対のバネ44L,44Rと、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置の筐体の前面側に設けたディスク挿脱口から光ディスクを挿脱できるディスクローディング機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、円盤状の光ディスクは、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板の信号面上に形成した螺旋状又は同心円状のトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
この種の光ディスクとして、CD(Compact Disc)や、CDよりも高密度に記録再生可能なDVD(Digital Versatile Disc)の他に、最近になってDVDよりも更に超高密度に記録再生可能なBD(Blu−ray Disc)も市販されている。
【0004】
また、これらの光ディスクは、光ピックアップ内に設けた対物レンズからのレーザビームが入射するレーザビーム入射面から信号面までの厚さがBDでは0.1mm程度、DVDでは0.6mm程度、CDでは1.2mm程度と光ディスクの種類によって異なっているが、光ディスクの全体の厚さが1.2mm,光ディスクの外径が120mm,光ディスクの中心孔の径が15mmに規格化されているので、複数種(BD,DVDの2種類又はBD,DVD,CDの3種類)の光ディスクを光ディスク装置内に設けた同一のディスクローディング機構を用いて挿脱可能であり、且つ、光ディスク装置内で光ピックアップを用いて記録再生可能になっている。
【0005】
ところで、光ディスクを光ディスク装置内に搬送するためのディスクローディング機構は、大別すると、光ディスクをカートリッジ内に収納してカートリッジごと光ディスク装置内に搬送するカートリッジ方式や、裸の光ディスク(ベア型光ディスク)を光ディスク装置内に引き出し自在に設けたトレイ上に搭載して搬送するトレイ方式や、裸の光ディスクを光ディスク装置の筐体の前面側に設けたディスク挿脱口から筐体内の途中まで手動で挿入するスロットイン方式などがある。
【0006】
この際、上記した複数の方式のうちで、ディスクローディング機構を安価に提供できるスロットイン方式に注目すると、裸の光ディスクの上下の面をディスクガイドと2つのテーパローラで挟み、この2つのテーパローラを回転させることで光ディスクをローディングさせるスロットイン方式のローディング装置があり(例えば、特許文献1参照)、また、裸の光ディスクの外周縁に3つのローラを押し当てて光ディスクをローディングさせる記録媒体駆動装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
図11は従来例1のスロットイン方式のローディング装置を示した斜視図である。
【0008】
また、図12は従来例2の記録媒体駆動装置を示した平面図である。
【0009】
図11に示した従来例1のスロットイン方式のローディング装置100は、特許文献1に開示されているものであり、特許文献1を参照して簡略に説明すると、不図示の筐体の前面側に設けたディスク挿脱口よりも後方に板状のディスクガイド101が不図示の光ディスクの上面側に対向して固定されていると共に、バネ102により付勢された回動自在な送りローラ支持アーム103にテーパ円筒状(鼓状)に形成された第1,第2のテーパローラ104,105が不図示の光ディスクの下面側に対向して駆動ギア106と連結されて回転自在に支持されている。
【0010】
そして、不図示のディスク挿脱口から差し込まれた裸の光ディスクをディスクガイド101と第1,第2のテーパローラ104,105との間に挿入して、第1,第2のテーパローラ104,105を駆動ギア106を介して回転駆動することにより、光ディスクを光ディスク装置内のクランプ位置まで搬送することが記載されている。
【0011】
また、図12に示した従来例2の記録媒体駆動装置200は、特許文献2に開示されているものであり、特許文献2を参照して簡略に説明すると、不図示のディスク挿脱口よりも右後方に回動可能に設けた収容アーム201の先端に軸着させたローラ202と、不図示のディスク挿脱口よりも左後方に回動可能に設けたサブアーム203の先端に軸着させたローラ204と、装置200内の奥方に回動可能に設けた排出アーム205の先端に軸着させたローラ206とで光ディスク207の外周縁207gを把持するように構成されている。
【0012】
そして、収容アーム201を矢印ア方向に回動させ且つサブアーム203を矢印イ方向に回動させて光ディスク207を装置200内に押しみ、一方、排出アーム205を矢印ウ方向に回動させて光ディスク207を装置200の外部に排出させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−346857号公報
【特許文献2】特開2002−367261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、特許文献1に開示されたスロットイン方式のローディング装置100では、不図示の光ディスクをディスクガイド101と第1,第2のテーパローラ104,105との間に挿入した際に、光ディスクのレーベル面側となる上面側にディスクガイド101が当接しているので、光ディスクの上面側が凸状に反っている場合にディスクガイド101の摩擦により光ディスクの上面に傷が発生することがあり、また、光ディスクのレーザビーム入射面側となる下面側に第1,第2のテーパローラ104,105が圧接しているので、光ディスクの下面側が凸状に反っている場合に第1,第2のテーパローラ104,105の摩擦により光ディスクの下面に傷が発生することがあり、問題である。
【0015】
また、特許文献2に開示された記録媒体駆動装置200では、光ディスク207の外周縁207gが3つのアーム201,203,205の各先端に軸着された各ローラ202,204,206で把持されているが、光ディスク207を装置200の外部に排出する時に、光ディスク207のレーザビーム入射面側となる下面側を人手で触らないようにするために、光ディスク207の中心孔207hを不図示のディスク挿脱口よりも外側までアンローディングしなければならない。
【0016】
従って、光ディスク207の外周縁207gの後端を排出アーム205の先端に軸着させたローラ206で挟持しても光ディスク207を安定に支持することができないので光ディスク207の排出動作に問題が生じる。
【0017】
そこで、本発明では、スロットイン方式を適用して、光ディスク装置の筐体の前面側に設けたディスク挿脱口から裸の光ディスク(ベア型光ディスク)を挿脱する際に、光ディスクのレーベル面となる上面及びレーザビーム入射面側となる下面を傷つけずに光ディスクを搬送でき、且つ、光ディスクを確実且つ安定に筐体外に取り出すことができるディスクローディング機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、筐体(11)の前面側に設けたディスク挿脱口(12a)から挿入された光ディスク(1)を装着し、且つ、前記筐体(11)内に設けられたターンテーブル(21)と、
前記ターンテーブル(21)を挟んで前記ディスク挿脱口(12a)の左右両端側に前記ディスク挿脱口(12a)の後方から前記筐体(11)内の奥方に向かって左右に設置され、カム溝(41c)と直線状ガイド溝(41d)とを有する一対のガイドレール(41L.41R)と、
前記一対のガイドレール(41L.41R)の各直線状ガイド溝(41d)に沿って駆動源(45)の駆動力により往復動する一対のスライダ(43L.43R)と、
前記一対のガイドレール(41L.41R)の各カム溝(41c)に係合し、且つ、前記各カム溝(41c)の形状に応じて前記光ディスク(1)の外周縁(1g)を把持するか、又は、前記光ディスク(1)の外周縁(1g)の把持を解除するように前記一対のスライダ(43L.43R)に回動自在に支持され、前記一対のスライダ(43L.43R)と一体に往復動し、前記光ディスク(1)の挿入方向と直交して前記光ディスク(1)の仮想中心(O)を通る仮想線(KL)と交わる前記外周縁(1g)の近傍を把持する光ディスク把持部(42d)を設けた一対の光ディスク把持レバー(42L.42R)と、
を有することを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【0019】
また、第2の発明は、上記した第1の発明のディスクローディング機構(10)において、
前記一対のガイドレール(41L,41R)の各カム溝(41c)は、前記ディスク挿脱口(12a)より前記筐体(11)内の奥方に前記光ディスク(1)の挿入を待機する待機位置(Y1)が設定され、且つ、前記待機位置(Y1)よりも奥方に前記光ディスク(1)を前記ターンテーブル(21)上に装着する前記光ディスク装着位置(Y2)が設定されていると共に、前記ディスク挿脱口(12a)の近傍に前記ターンテーブル(21)に装着した前記光ディスク(1)を排出する光ディスク排出位置(Y3)が設定されており、更に、前記各カム溝(41c)は、前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を、前記待機位置(Y1)で待機させ、前記待機位置(Y1)と前記光ディスク装着位置(Y2)の手前の間で挿入された前記光ディスク(1)に対して把持状態を保つように前記一対の光ディスク把持レバー(42L.42R)を付勢する一対のバネ(44L,44R)に抗して回動させ、前記光ディスク装着位置(Y2)の近傍で把持されている前記光ディスク(1)に対して把持解除方向に回動させ、前記待機位置(Y1)と前記光ディスク排出位置(Y3)の間で排出される前記光ディスク(1)に対して前記一対のバネ(44L,44R)の付勢力で把持方向に回動させるように形成されていることを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【0020】
また、第3の発明は、上記した第2の発明のディスクローディング機構(10)において、
前記一対のガイドレール(41L,41R)の各カム溝(41c)は、前記ディスク挿脱口(12a)と前記待機位置(Y1)との間に幅広く直線状に形成され、前記ターンテーブル(21)上に装着された前記光ディスク(1)を排出方向に搬送する際に前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を前記一対のバネ(44L,44R)の付勢力により光ディスク把持方向に回動させる第1直線状カム溝部(41c1)と、
前記第1直線状カム溝部(41c1)の後端に連接してテーパカム状に形成され、前記光ディスク(1)の挿入動作に伴って前記待機位置(Y1)に待機している前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を押し込みながら前記一対のバネ(44L,44R)に抗して前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を光ディスク把持方向に回動させるテーパカム部(41c2)と、
前記テーパカム部(41c2)に連接して前記光ディスク装着位置(Y2)の手前まで前記第1直線状カム溝部(41c1)よりも幅狭く直線状に形成され、前記テーパカム部(41c2)により前記光ディスク(1)の外周縁(1g)を把持したままの状態で前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)の回動を規制する第2直線状カム溝部(41c3)と、
前記第2直線状カム溝部(41c3)の後端から前記光ディスク装着位置(Y2)までの間で前記第2直線状カム溝部(41c3)と略同じ幅でテーパカム溝状に形成され、前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を光ディスク把持解除方向に回動させるテーパカム溝部(41c4)と、
を有することを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【0021】
また、第4の発明は、上記した第1〜第3のいずれかの発明のディスクローディング機構(10)において、
前記光ディスク(1)のレーベル面側となる上面(1a)を上に向け、且つ、前記光ディスク(1)のレーザビーム入射面側となる下面(1b)を下に向けて前記光ディスク(1)を前記ディスク挿脱口(12a)から挿入する際、前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)の各光ディスク把持部(42d)は溝部(42d1)と上下のフランジ部(42d2,42d3)とによりコ字溝状に形成されており、且つ、前記光ディスク(1)の下面(1b)と接する下側のフランジ部(42d3)の幅が前記光ディスク(1)の上面(1a)と接する上側のフランジ部(42d2)の幅よりも幅広く形成されていることを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【0022】
更に、第5の発明は、上記した第1〜第4のいずれかの発明のディスクローディング機構(10)において、
前記ターンテーブル(21)上に装着された前記光ディスク(1)を前記ディスク挿脱口(12a)から排出する際、前記光ディスク装着位置(Y2)の近傍で前記光ディスク(1)の略仮想中心(O)に向かって把持した前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を前記一対のスライダ(43L,43R)と一体に前記ディスク挿脱口(12a)まで搬送させ、且つ、前記一対の光ディスク把持レバー(42L.42R)を付勢する一対のバネ(44L,44R)により前記光ディスク(1)の略仮想中心方向に向かって付勢された前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)の各光ディスク把持部(42d)を前記ディスク挿脱口(12a)内の左右両端から外部に突出させて、前記各光ディスク把持部(42d)から前記光ディスク(1)を引き抜くことを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【発明の効果】
【0023】
上記した第1の発明のディスクローディング機構によると、筐体の前面側に設けたディスク挿脱口の左右両端側にディスク挿脱口の後方から筐体の奥方に向かって一対のガイドレールを左右対称に設置し、この一対のガイドレールに沿って往復動する一対のスライダに一対の光ディスク把持レバーを回動自在に支持した際に、一対の光ディスク把持レバーは、光ディスクを把持する各光ディスク把持部が光ディスクの挿入方向と直交して光ディスクの仮想中心を通る仮想線と交わる外周縁の近傍を把持しているので、この結果、光ディスクを確実且つ安定に把持した状態で光ディスクを搬送できると共に、光ディスクのレーベル面となる上面及びレーザビーム入射面側となる下面を傷つけずに光ディスクを搬送できる。
【0024】
また、上記した第2の発明のディスクローディング機構によると、一対のガイドレールの各カム溝は、一対の光ディスク把持レバーを、待機位置で待機させ、待機位置と光ディスク装着位置の手前の間で挿入された光ディスクに対して把持状態を保つように一対の光ディスク把持レバーを付勢する一対のバネに抗して回動させ、光ディスク装着位置の近傍で把持されている光ディスクに対して把持解除方向に回動させ、待機位置と光ディスク排出位置の間で排出される光ディスクに対して一対のバネの付勢力で把持方向に回動させるように形成されているので、光ディスクの搬送及び光ディスクの排出を確実且つ安定に行なうことができる。
【0025】
また、上記した第3の発明のディスクローディング機構によると、一対のガイドレールの各カム溝は、第1直線状カム溝部と、テーパカム部と、第2直線状カム溝部と、テーパカム溝部とを有しており、とくに、第2直線状カム溝部は、テーパカム部により光ディスクの外周縁を把持したままの状態で一対の光ディスク把持レバーの回動を規制しているので、第2直線状カム溝部により光ディスクの搬送中に光ディスクが一対の光ディスク把持レバーから外れることを防止できる。
【0026】
また、上記した第4の発明のディスクローディング機構によると、一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部は溝部と上下のフランジ部とによりコ字溝状に形成されており、且つ、光ディスクの下面と接する下側のフランジ部の幅が光ディスクの上面と接する上側のフランジ部の幅よりも幅広く形成されているので、光ディスクの上下の面を傷つけることなく光ディスクを確実且つ安定に把持できる。
【0027】
更に、上記した第5の発明のディスクローディング機構によると、ターンテーブル上に装着された光ディスクをディスク挿脱口から排出する際、光ディスク装着位置の近傍で光ディスクの略仮想中心に向かって把持した一対の光ディスク把持レバーを一対のスライダと一体にディスク挿脱口まで搬送させ、且つ、一対の光ディスク把持レバーを付勢する一対のバネにより光ディスクの略仮想中心方向に向かって付勢された一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部をディスク挿脱口内の左右両端から外部に突出させて、各光ディスク把持部から光ディスクを引き抜いているので、光ディスクを確実且つ安定に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るディスクローディング機構を用いた光ディスク装置を示した外観斜視図である。
【図2】(a),(b)は本発明に係るディスクローディング機構を用いた光ディスク装置において、光ディスクを筐体内に挿入した後にこの光ディスクをターンテーブル上に装着したときの状態を示した平面図,右側面図である。
【図3】(a),(b)は本発明に係るディスクローディング機構を用いた光ディスク装置において、ターンテーブル上に装着した光ディスクを筐体内から排出するときの状態を示した平面図,右側面図である。
【図4】本発明に係るディスクローディング機構の左側を拡大して示した斜視図である。
【図5】本発明に係るディスクローディング機構の左側を拡大して示した平面図である。
【図6】本発明に係るディスクローディング機構において、左右一対の光ディスク把持レバーを回動可能に支持した左右一対のスライダが待機位置に至っている状態を示した平面図である。
【図7】本発明に係るディスクローディング機構において、左右一対の光ディスク把持レバーを回動可能に支持した左右一対のスライダが光ディスク装着位置に至っている状態を示した平面図である。
【図8】本発明に係るディスクローディング機構において、左右一対の光ディスク把持レバーを回動可能に支持した左右一対のスライダが光ディスク排出位置に至っている状態を示した平面図である。
【図9】(a).(b)は本発明に係るディスクローディング機構において、光ディスク排出位置で左右一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部による把持力が光ディスクの中心孔に向かう状態を示した斜視図である。
【図10】本発明に係るディスクローディング機構において、光ディスク排出位置で左右一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部から光ディスクを手動で引き抜く状態を示した平面図である。
【図11】従来例1のスロットイン方式のローディング装置を示した斜視図である。
【図12】従来例2の記録媒体駆動装置を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明に係るディスクローディング機構の一実施例について図1〜図10を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0030】
図1に示した如く、本発明に係るディスクローディング機構を用いた光ディスク装置10では、この装置10の外観を構成する筐体11が箱状に形成されており、この筐体11の前面11aに前面パネル12が取り付けられている。
【0031】
また、前面パネル12には、ディスク挿脱口12aが円盤状の光ディスク1の外形よりも大きく長方形状に貫通して略水平に形成されている。
【0032】
この際、円盤状の光ディスク1は、BD又はDVDもしくはCDのいずれかであり、各光ディスク規格に基づいて直径が120mmm,厚みが1.2mm,中心孔1hの孔径が15mmに形成されている。
【0033】
そして、円盤状の光ディスク1をディスク挿脱口12aから挿脱する際に、光ディスク1のレーベル面側となる上面1aを上に向け、且つ、光ディスク1のレーザビーム入射面側となる下面1bを下に向けた姿勢で、裸の光ディスク(ベア型光ディスク)1がディスク挿脱口12aから筐体11内の途中まで手動により挿入されるようになっているので、この光ディスク装置10は周知のスロットイン方式を採用している。
【0034】
この際、後述するように、光ディスク1の排出時に光ディスク1を把持した左右一対の光ディスク把持レバー42L,42R(図2)の各一部がディスク挿脱口12の左右両端から外部に向かって突出できるようにディスク挿脱口12aが光ディスク1に対して上下左右に隙間を持って形成されている。そのため、ディスク挿脱口12aに突出した左右一対の光ディスク把持レバー42L,42R(図2)から光ディスク1を手動により引き抜くようになっている。
【0035】
また、図2(a),(b)及び図3(a),(b)に示した如く、光ディスク装置10には、光ディスク1を記録再生するための複数の構成部材21〜27を取り付けたトラバース機構部20が筐体11内の下方に不図示の駆動源によって矢印Z方向(上下方向)に移動可能に設けられ、且つ、このトラバース機構部20と対向して光ディスク1をクランプするディスククランプ部30が筐体11内の上方に固定されている。更に、筐体11の前方に設けたディスク挿脱口12aから手動により差し込まれた裸の光ディスク1を筐体11内の途中からディスク装着位置まで自動的に搬送すると共に、筐体11内に装着された光ディスク1を自動的にディスク挿脱口12aの外側に排出するディスクローディング機構部40がディスク挿脱口12aの左右両端側に左右対称に設けられている。
【0036】
より具体的に説明すると、まず、トラバース機構部20は、光ディスク1を搭載して回転するターンテーブル21をモータ軸に固着したモータ22と、光ディスク1に情報信号を記録再生するために2本のガイドシャフト23に沿って光ディスク1の半径方向に移動自在な光ピックアップ24とが矩形状のトラバースベース25上に取り付けられている。
【0037】
また、トラバースベース25は、矩形状の4隅を計4個のゴム製のインシュレータ26により防振されて矩形状のメインシャーシ27上に取り付けられている。
【0038】
次に、ディスククランプ部30は、筐体11の上方にカップ状のクランパ支持材31が固着されており、このクランパ支持材31に形成した不図示の丸孔にディスククランパ32がターンテーブル21と対向して回転可能に懸架されている。
【0039】
そして、光ディスク1が筐体11内に挿入されていない初期時、又は、光ディスク1がディスクローディング機構部40によって筐体11内に挿入される時、もしくは、光ディスク1がディスクローディング機構部40によって筐体11内から排出される時には、図2(a),(b)に示したように、トラバースベース25上に取り付けたモータ22及び光ピックアップ24がメインシャーシ27と一体に矢印Zdown方向に下動して、トラバース機構部20が光ディスク1の搬送(ローディング)を許容するように退避している。
【0040】
一方、ディスクローディング機構部40によって光ディスク1の中心孔1hがターンテーブル21と対向する位置に至った時には、トラバースベース25上に取り付けたモータ22及び光ピックアップ24がメインシャーシ27と一体に矢印Zup方向に上動し、これにより、光ディスク1の中心孔1h内にターンテーブル21のチャック部21aが進入して、ディスククランパ32によって光ディスク1がターンテーブル21上に装着される。この後、モータ22によってターンテーブル21と一体に光ディスク1が回転したときに、光ディスク1の半径方向に移動自在な光ピックアップ24により光ディスク1の信号面に情報信号を記録したり、又は、記録済みの情報信号を再生するようになっている。
【0041】
そして、筐体11内で光ディスク1の記録又は再生が終了したときには、図3(a),(b)に示したように、ディスクローディング機構部40によって光ディスク1を筐体11の外に自動的に排出している。
【0042】
次に、ディスクローディング機構部40は、本発明の要部を構成するものであり、上記したディスクローディング機構部40は、左右一対のガイドレール41L,41Rと、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rと、左右一対のスライダ43L,43Rと、左右一対のネジリバネ44L,44R(図4〜図6)と、を備えている。
【0043】
即ち、左右一対のガイドレール41L,41Rは、筐体11内に設けたターンテーブル21を挟んでディスク挿脱口12aの左右両端側にこのディスク挿脱口12aの後方から筐体11内の奥方に向かって左右対称に固定設置されている。
【0044】
また、左右一対のガイドレール41L,41Rの各上面側に左右対称に形成した左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが設けられ、且つ、左右一対のガイドレール41L,41Rの各下面側に左右対称に形成した左右一対のスライダ43L,43Rが矢印Y方向に摺動自在に設けられていると共に、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは左右一対のガイドレール41L,41Rを挟んで左右一対のスライダ43L,43Rに回動可能に支持されている。
【0045】
この際、左右一対のスライダ43L,43Rは、左右一対のガイドレール41L,41Rの各下面内側に沿いながら不図示のモータによって回転駆動する駆動用プーリ45と複数の従動用プーリ46とにループ状に掛け渡されたタイミングベルト47に連結されている。そして、駆動用プーリ45が回転駆動すると、タイミングベルト47に連結された左右一対のスライダ43L,43R上に回動可能に支持した左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが同じ方向に同一速度で矢印Y方向に往復動可能になっている。
【0046】
ここで、ディスクローディング機構部40のうちで左側の構成部材を図4,図5に拡大して示し、右側は左側に対し対称に構成されているので図示を省略して左側について図1〜図5を併用して詳述する。
【0047】
図4及び図5に示した如く、左側のガイドレール41Lは、例えば樹脂材を用いて上面41aと下面41bとの間が長尺な平板状に形成されており、このガイドレール41L内の図示左側にカム溝41cが長尺に貫通して形成され、且つ、カム溝41cの右側に直線状ガイド溝41dがカム溝41cと略平行に全て同一幅で長尺に貫通して形成されている。
【0048】
この際、左側のガイドレール41L内のカム溝41cは、ディスク挿脱口12aと待機位置Y1(図5のみ図示)との間に幅広く直線状に形成され、ターンテーブル21上に装着された光ディスク1を排出方向に搬送する際に左側の光ディスク把持レバー42Lを左側のネジリバネ44Lの付勢力により光ディスク把持方向に回動させる第1直線状カム溝部41c1と、この第1直線状カム溝部41c1の後端に連接してテーパカム状に形成され、光ディスク1の挿入動作に伴って待機位置Y1に待機している左側の光ディスク把持レバー42Lを押し込みながら左側のネジリバネ44Lに抗して左側の光ディスク把持レバー42Lを光ディスク把持方向に回動させるテーパカム部41c2と、このテーパカム部41c2に連接して光ディスク装着位置Y2(図5のみ図示)の手前まで第1直線状カム溝部41c1よりも幅狭く直線状に形成され、テーパカム部41c2により光ディスク1の外周縁1gを把持したままの状態で左側の光ディスク把持レバー42Lの回動を規制する第2直線状カム溝部41c3と、この第2直線状カム溝部41c3の後端から光ディスク装着位置Y2までの間で第2直線状カム溝部41c3と略同じ幅でテーパカム溝状に形成され、左側の光ディスク把持レバー42Lを光ディスク把持解除方向に回動させるテーパカム溝部41c4と、を有している。
【0049】
また、左側の光ディスク把持レバー42Lは、樹脂材を用いて上面42aと下面42bとの間で右側面42c側に光ディスク1の外周縁1gを把持する光ディスク把持部42dが形成されている。
【0050】
この際、光ディスク把持部42dは、断面形状が溝部42d1と、上下のフランジ部42d2,42d3とによりコ字溝状に形成されており、且つ、光ディスク把持部42dは光ディスク1の下面1b(図1)と接する下側のフランジ部42d3の幅が光ディスク1の上面1a(図1)と接する上側のフランジ部42d2の幅よりも幅広く形成されていると共に、下側のランジ部42d3のうちで光ディスク挿入側にテーパ部42d4が形成されている。
【0051】
これにより、光ディスク1の上下の面1a,1bを傷つけることなく光ディスク1を確実且つ安定に把持できる。
【0052】
また、左側の光ディスク把持レバー42Lの下面42bに2つのボス部42e,42fが下方に向かって突出形成されており、一方のボス部42eは短く形成されて左側のガイドレール41Lの上面42a側からカム溝41c内に進入し、他方のボス部42fは、一方のボス部42eより長く形成されて左側のガイドレール41Lの上面41a側から直線状ガイド溝41d内を摺動可能に通り抜けて左側のスライダ43Lの上面43aに穿設した丸孔43b内に回動可能に進入している。
【0053】
また、左側のスライダ43Lは、樹脂材を用いて略直方形状に形成されており、且つ、上面43aに3つのボス部43c〜43eが上方に向かって突出形成されており、左側の光ディスク把持レバー42Lのボス部42fを支持している丸孔43aと同一のライン上に形成された2つのボス部43c,43dは短く形成されて左側のガイドレール41Lの下面41b側から直線状ガイド溝41d内に摺動可能に進入している。
【0054】
一方、2つのボス部43c,43dの右側に配置されたボス部43eは、2つのボス部43c,43dより長く形成されて左側のネジリバネ44が嵌め込まれており、このネジリバネ44のアーム部44aで左側の光ディスク把持レバー42Lの右側面42cの後端側を押して、左側の光ディスク把持レバー42Lを光ディスク1の略仮想中心O(図2,図3)の方向に付勢している。
【0055】
また、左側のスライダ43Lは、右側面43fの内側にタイミングベルト47を連結するベルト連結部43gが下面43hに向かって形成されている。
【0056】
上記の構成により、ディスクローディング機構部40は、左側の光ディスク把持レバー42Lが左側のガイドレール41Lを挟んで左側のスライダ43Lに回動可能に支持され、タイミングベルト47に連結された左側のスライダ43Lと一体に左側の光ディスク把持レバー42Lが左側のガイドレール41Lに沿って矢印Y方向に往復動可能になっている。
【0057】
勿論、図4,図5での図示を省略した右側の光ディスク把持レバー42Rも右側のガイドレール41Rを挟んで右側のスライダ43Rに回動可能に支持され、タイミングベルト47に連結された右側のスライダ43Rと一体に右側の光ディスク把持レバー42Rが右側のガイドレール41Rに沿って矢印Y方向に往復動可能になっている。
【0058】
そして、図5に示した如く、左側のガイドレール41Lのカム溝41cは、ディスク挿脱口(図1〜図3)とターンテーブル(図1,図2)との間に光ディスク1の挿入を待機する待機位置Y1が設定され、且つ、待機位置Y1よりも奥方に光ディスク1をターンテーブル21上に装着する光ディスク装着位置Y2が設定されていると共に、ディスク挿脱口12aの近傍にターンテーブル21に装着した光ディスク1を排出する光ディスク排出位置Y3が設定されている。
【0059】
そして、図5での図示を省略した右側を含めて説明すると、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cは、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rを、待機位置Y1で待機させ、待機位置Y1と光ディスク装着位置Y2の手前の間で挿入された光ディスク1に対して把持状態を保つように左右一対のネジリバネ44L,44Rに抗して回動させる。そして、光ディスク装着位置Y2の近傍で把持されている光ディスク1に対して把持解除方向に回動させ、待機位置Y1と光ディスク排出位置Y3の間で排出される光ディスク1に対して左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力で把持方向に回動させるように形成されているので、光ディスク1の搬送及び光ディスク1の排出を確実且つ安定に行なうことができるようになっている。
【0060】
この際、図5での図示を省略するものの、待機位置Y1にスイッチ1,光ディスク装着位置Y2にスイッチ2,光ディスク排出位置Y3にスイッチ3,4がそれぞれ設けられている。
【0061】
ここで、先の図2〜図5及び新たな図6〜図10を併用して本発明に係るディスクローディング機構部40の動作について説明する。
【0062】
まず、図6に示した如く、本発明に係るディスクローディング機構部40が初期状態のときには、トラバース機構部20(図2)が下動して光ディスク1の挿入を待機している。
【0063】
また、初期時には、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rを回動可能に支持した左右一対のスライダ43L,43Rの各2つのボス部43c,43dと、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42fとが、左右一対のガイドレール41L,41Rの各直線状ガイド溝部41d内に摺動可能に嵌合して、左右一対のスライダ43L,43Rがターンテーブル21よりも前方に位置し且つ左右一対のガイドレール41L,41Rの略中間部位に設定した各待機位置Y1に至って待機している。
【0064】
このときに、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eは、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅広い第1直線状カム溝部41c1内でテーパカム部41c2の手前に位置しているので、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力により各ボス部42fを中心にして左側が反時計方向,右側が時計方向に回動してそれぞれ内側に向かって対向している。
【0065】
この状態で、ディスク挿脱口12aから裸の光ディスク1を手動により挿入すると、光ディスク1の外周縁1gが左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42d内に進入し、光ディスク1の押し込み力により左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが奥方に押し込まれながら矢印Yin方向に移動する。
【0066】
これに伴って、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eが左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅広い第1直線状カム溝部41c1内からテーパカム部41c2に沿って移動するために、このテーパカム部41c2の形状に応じて左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力に抗して各ボス部42fを中心にしてそれぞれ時計方向,反時計方向に回動して外側に向かい、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dで光ディスク1の外周縁1gを把持する。
【0067】
この後、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41c内のテーパカム部41c2により光ディスク1の外周縁1gを把持したままの状態で左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eは、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cのテーパカム部41c2から幅狭い第2直線状カム溝部41c3に進入し、この幅狭い第2直線状カム溝部41c3により左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dで光ディスク1の外周縁1gを把持したまま左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの回動が規制される。
【0068】
従って、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅狭い第2直線状カム溝部41c3により光ディスク1の搬送中に光ディスク1が左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rから外れることを防止できる。
【0069】
この際、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは、図2,図3及び後述の図8に示したように、光ディスク1の挿入方向と直交して光ディスク1の仮想中心Oを通る仮想線KLと交わる外周縁1gの近傍を把持しているので、光ディスク1を確実且つ安定に把持した状態で光ディスク1を搬送できると共に、光ディスク1のレーベル面となる上面1a(図1)及びレーザビーム入射面側となる下面1b(図1)を傷つけずに光ディスク1を搬送できる。
【0070】
また、待機位置Y1で手動により左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが押されて移動すると、不図示のスイッチ1がON状態に切り替わるので、先の図2に示したように駆動用プーリ45が始動してタイミングベルト47を介して左右一対のスライダ43L,43Rが矢印Yin方向に移動し、これに伴って、光ディスク1を把持したまま左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eが左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cのテーパカム部41c2から幅狭い第2直線状カム溝部41c3内に移動する。
【0071】
次に、図7に示した如く、左右一対のスライダ43L,43Rが矢印Yin方向に更に移動して左右一対のガイドレール41L,41Rの奥方部位に設定した光ディスク装着位置Y2の近傍に至ると、トラバース機構部20(図2)が上動し、光ディスク1の中心孔1h内にトラバース機構部20(図2)内のターンテーブル21のチャック部21aが嵌合する。
【0072】
一方、光ディスク装着位置Y2の近傍では、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eが左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅狭い第2直線状カム溝部41c3からテーパカム溝部41c4に達し、このテーパカム溝部41c4の形状に応じて左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力に抗して各ボス部42fを中心にしてそれぞれ時計方向,反時計方向に回動して更に外側に向かので、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dが光ディスク1の外周縁1gから離れる。この後、ディスククランパ32(図2)によって光ディスク1がターンテーブル21上にクランプされて装着が完了する。
【0073】
また、左右一対のスライダ43L,43Rが光ディスク装着位置Y2に至ると、不図示のスイッチ2がON状態に切り替わるので、左右一対のスライダ43L,43Rが移動を停止する。
【0074】
次に、図8に示した如く、光ディスク1を筐体11(図1〜図3)の外に排出するときには、図7に示した光ディスク装着位置Y2から左右一対のスライダ43L,43Rを装着時とは逆方向となる矢印Yout方向に移動させて、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cのテーパカム部41c2によって左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dでターンテーブル21上に装着した光ディスク1を把持してトラバース機構部20(図2)を下動させた後に、左右一対のスライダ43L,43Rを図6に示した待機位置Y1を通過させて、左右一対のガイドレール41L,41Rの前方部位に設定した光ディスク排出位置Y3まで移動させている。
【0075】
そして、左右一対のスライダ43L,43Rが光ディスク排出位置Y3に至ると、不図示のスイッチ2がON状態に切り替わるので、左右一対のスライダ43L,43Rが移動を停止する。
【0076】
また、光ディスク排出位置Y3では、光ディスク1の外周縁1gを把持したまま左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eが左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅広い第1直線状カム溝部41c1内の前方部位に至り、且つ、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは幅広い第1直線状カム溝部41c1内で回動規制が解除されている。
【0077】
ここで、光ディスク装着位置Y2で左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dは、前述したように、光ディスク1の挿入方向と直交して光ディスク1の仮想中心Oを通る仮想線KLが交わる外周縁1gの近傍を把持しており、且つ、回動可能な左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力により各光ディスク把持部42dの把持力Fが光ディスク1の略仮想中心Oに向かうために光ディスク1の外周縁1gを確実且つ安定に把持できる。
【0078】
そして、左右一対のスライダ43L,43Rが光ディスク排出位置Y3まで移動すると、図9(a),(b)に示したように、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dは、光ディスク1の外周縁1gを把持したまま前面パネル12に設けたディスク挿脱口12a内の左右両端から外部に突出する。このときにも、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dからの把持力Fが光ディスク1の中心孔1hに向かっているので、各光ディスク把持部42dにより光ディスク1を確実且つ安定に支持することができる。
【0079】
次に、図10に示した如く、光ディスク排出位置Y3でディスク挿脱口12a内の左右両端から外部に突出し、且つ、左右一対のネジリバネ44L,44Rにより光ディスク1の略仮想中心方向に向かって付勢された左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dから光ディスク1を矢印Yout方向に手動により引き抜くと、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力により各ボス部42fを中心にして反時計方向,時計方向に回動してそれぞれ内側に向かって対向する。このときに、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの回動を不図示のスイッチ4で検出して、所定のタイミングを経た後に駆動用プーリ45を始動させ、上記の状態を保ったまま左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rを図6に示した待機位置まで戻して、次回の光ディスク1の挿入を待機している。
【符号の説明】
【0080】
1…光ディスク、1a…上面、1b…下面、1g…外周縁、1h…中心孔、
10…光ディスク装置、
11…筐体、11a…前面、12…前面パネル、12a…ディスク挿脱口、
20…トラバース機構部、
21…ターンテーブル、21a…チャック部、22…モータ、
23…ガイドシャフト、24…光ピックアップ、25…トラバースベース、
26…インシュレータ、27…メインシャーシ、
30…ディスククランプ部、31…クランパ支持材、32…ディスククランパ、
40…ディスクローディング機構部、
41L,41R…左右一対のガイドレール、41a…上面、41b…下面、
41c…カム溝、41c1…第1直線状カム溝部、41c2…テーパカム部、
41c3…第2直線状カム溝部、41c4…テーパカム溝部、
41d…直線状ガイド溝、
42L,42R…左右一対の光ディスク把持レバー、42a…上面、42b…下面、
42c…右側面、42d…光ディスク把持部、42d1…溝部、
42d2,42d3…上下のフランジ部、42d4…テーパ部、
42e,42f…ボス部、
43L,43R…左右一対のスライダ、43a…上面、43b…丸孔、
43c〜43e…ボス部、43f…右側面、43g…ベルト連結部、43h…下面、
44L,44R…左右一対のネジリバネ、
45…駆動用プーリ、46…従動用プーリ、47…タイミングベルト、
KL…仮想線、O…光ディスクの仮想中心。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置の筐体の前面側に設けたディスク挿脱口から光ディスクを挿脱できるディスクローディング機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、円盤状の光ディスクは、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板の信号面上に形成した螺旋状又は同心円状のトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
この種の光ディスクとして、CD(Compact Disc)や、CDよりも高密度に記録再生可能なDVD(Digital Versatile Disc)の他に、最近になってDVDよりも更に超高密度に記録再生可能なBD(Blu−ray Disc)も市販されている。
【0004】
また、これらの光ディスクは、光ピックアップ内に設けた対物レンズからのレーザビームが入射するレーザビーム入射面から信号面までの厚さがBDでは0.1mm程度、DVDでは0.6mm程度、CDでは1.2mm程度と光ディスクの種類によって異なっているが、光ディスクの全体の厚さが1.2mm,光ディスクの外径が120mm,光ディスクの中心孔の径が15mmに規格化されているので、複数種(BD,DVDの2種類又はBD,DVD,CDの3種類)の光ディスクを光ディスク装置内に設けた同一のディスクローディング機構を用いて挿脱可能であり、且つ、光ディスク装置内で光ピックアップを用いて記録再生可能になっている。
【0005】
ところで、光ディスクを光ディスク装置内に搬送するためのディスクローディング機構は、大別すると、光ディスクをカートリッジ内に収納してカートリッジごと光ディスク装置内に搬送するカートリッジ方式や、裸の光ディスク(ベア型光ディスク)を光ディスク装置内に引き出し自在に設けたトレイ上に搭載して搬送するトレイ方式や、裸の光ディスクを光ディスク装置の筐体の前面側に設けたディスク挿脱口から筐体内の途中まで手動で挿入するスロットイン方式などがある。
【0006】
この際、上記した複数の方式のうちで、ディスクローディング機構を安価に提供できるスロットイン方式に注目すると、裸の光ディスクの上下の面をディスクガイドと2つのテーパローラで挟み、この2つのテーパローラを回転させることで光ディスクをローディングさせるスロットイン方式のローディング装置があり(例えば、特許文献1参照)、また、裸の光ディスクの外周縁に3つのローラを押し当てて光ディスクをローディングさせる記録媒体駆動装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
図11は従来例1のスロットイン方式のローディング装置を示した斜視図である。
【0008】
また、図12は従来例2の記録媒体駆動装置を示した平面図である。
【0009】
図11に示した従来例1のスロットイン方式のローディング装置100は、特許文献1に開示されているものであり、特許文献1を参照して簡略に説明すると、不図示の筐体の前面側に設けたディスク挿脱口よりも後方に板状のディスクガイド101が不図示の光ディスクの上面側に対向して固定されていると共に、バネ102により付勢された回動自在な送りローラ支持アーム103にテーパ円筒状(鼓状)に形成された第1,第2のテーパローラ104,105が不図示の光ディスクの下面側に対向して駆動ギア106と連結されて回転自在に支持されている。
【0010】
そして、不図示のディスク挿脱口から差し込まれた裸の光ディスクをディスクガイド101と第1,第2のテーパローラ104,105との間に挿入して、第1,第2のテーパローラ104,105を駆動ギア106を介して回転駆動することにより、光ディスクを光ディスク装置内のクランプ位置まで搬送することが記載されている。
【0011】
また、図12に示した従来例2の記録媒体駆動装置200は、特許文献2に開示されているものであり、特許文献2を参照して簡略に説明すると、不図示のディスク挿脱口よりも右後方に回動可能に設けた収容アーム201の先端に軸着させたローラ202と、不図示のディスク挿脱口よりも左後方に回動可能に設けたサブアーム203の先端に軸着させたローラ204と、装置200内の奥方に回動可能に設けた排出アーム205の先端に軸着させたローラ206とで光ディスク207の外周縁207gを把持するように構成されている。
【0012】
そして、収容アーム201を矢印ア方向に回動させ且つサブアーム203を矢印イ方向に回動させて光ディスク207を装置200内に押しみ、一方、排出アーム205を矢印ウ方向に回動させて光ディスク207を装置200の外部に排出させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−346857号公報
【特許文献2】特開2002−367261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、特許文献1に開示されたスロットイン方式のローディング装置100では、不図示の光ディスクをディスクガイド101と第1,第2のテーパローラ104,105との間に挿入した際に、光ディスクのレーベル面側となる上面側にディスクガイド101が当接しているので、光ディスクの上面側が凸状に反っている場合にディスクガイド101の摩擦により光ディスクの上面に傷が発生することがあり、また、光ディスクのレーザビーム入射面側となる下面側に第1,第2のテーパローラ104,105が圧接しているので、光ディスクの下面側が凸状に反っている場合に第1,第2のテーパローラ104,105の摩擦により光ディスクの下面に傷が発生することがあり、問題である。
【0015】
また、特許文献2に開示された記録媒体駆動装置200では、光ディスク207の外周縁207gが3つのアーム201,203,205の各先端に軸着された各ローラ202,204,206で把持されているが、光ディスク207を装置200の外部に排出する時に、光ディスク207のレーザビーム入射面側となる下面側を人手で触らないようにするために、光ディスク207の中心孔207hを不図示のディスク挿脱口よりも外側までアンローディングしなければならない。
【0016】
従って、光ディスク207の外周縁207gの後端を排出アーム205の先端に軸着させたローラ206で挟持しても光ディスク207を安定に支持することができないので光ディスク207の排出動作に問題が生じる。
【0017】
そこで、本発明では、スロットイン方式を適用して、光ディスク装置の筐体の前面側に設けたディスク挿脱口から裸の光ディスク(ベア型光ディスク)を挿脱する際に、光ディスクのレーベル面となる上面及びレーザビーム入射面側となる下面を傷つけずに光ディスクを搬送でき、且つ、光ディスクを確実且つ安定に筐体外に取り出すことができるディスクローディング機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、筐体(11)の前面側に設けたディスク挿脱口(12a)から挿入された光ディスク(1)を装着し、且つ、前記筐体(11)内に設けられたターンテーブル(21)と、
前記ターンテーブル(21)を挟んで前記ディスク挿脱口(12a)の左右両端側に前記ディスク挿脱口(12a)の後方から前記筐体(11)内の奥方に向かって左右に設置され、カム溝(41c)と直線状ガイド溝(41d)とを有する一対のガイドレール(41L.41R)と、
前記一対のガイドレール(41L.41R)の各直線状ガイド溝(41d)に沿って駆動源(45)の駆動力により往復動する一対のスライダ(43L.43R)と、
前記一対のガイドレール(41L.41R)の各カム溝(41c)に係合し、且つ、前記各カム溝(41c)の形状に応じて前記光ディスク(1)の外周縁(1g)を把持するか、又は、前記光ディスク(1)の外周縁(1g)の把持を解除するように前記一対のスライダ(43L.43R)に回動自在に支持され、前記一対のスライダ(43L.43R)と一体に往復動し、前記光ディスク(1)の挿入方向と直交して前記光ディスク(1)の仮想中心(O)を通る仮想線(KL)と交わる前記外周縁(1g)の近傍を把持する光ディスク把持部(42d)を設けた一対の光ディスク把持レバー(42L.42R)と、
を有することを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【0019】
また、第2の発明は、上記した第1の発明のディスクローディング機構(10)において、
前記一対のガイドレール(41L,41R)の各カム溝(41c)は、前記ディスク挿脱口(12a)より前記筐体(11)内の奥方に前記光ディスク(1)の挿入を待機する待機位置(Y1)が設定され、且つ、前記待機位置(Y1)よりも奥方に前記光ディスク(1)を前記ターンテーブル(21)上に装着する前記光ディスク装着位置(Y2)が設定されていると共に、前記ディスク挿脱口(12a)の近傍に前記ターンテーブル(21)に装着した前記光ディスク(1)を排出する光ディスク排出位置(Y3)が設定されており、更に、前記各カム溝(41c)は、前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を、前記待機位置(Y1)で待機させ、前記待機位置(Y1)と前記光ディスク装着位置(Y2)の手前の間で挿入された前記光ディスク(1)に対して把持状態を保つように前記一対の光ディスク把持レバー(42L.42R)を付勢する一対のバネ(44L,44R)に抗して回動させ、前記光ディスク装着位置(Y2)の近傍で把持されている前記光ディスク(1)に対して把持解除方向に回動させ、前記待機位置(Y1)と前記光ディスク排出位置(Y3)の間で排出される前記光ディスク(1)に対して前記一対のバネ(44L,44R)の付勢力で把持方向に回動させるように形成されていることを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【0020】
また、第3の発明は、上記した第2の発明のディスクローディング機構(10)において、
前記一対のガイドレール(41L,41R)の各カム溝(41c)は、前記ディスク挿脱口(12a)と前記待機位置(Y1)との間に幅広く直線状に形成され、前記ターンテーブル(21)上に装着された前記光ディスク(1)を排出方向に搬送する際に前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を前記一対のバネ(44L,44R)の付勢力により光ディスク把持方向に回動させる第1直線状カム溝部(41c1)と、
前記第1直線状カム溝部(41c1)の後端に連接してテーパカム状に形成され、前記光ディスク(1)の挿入動作に伴って前記待機位置(Y1)に待機している前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を押し込みながら前記一対のバネ(44L,44R)に抗して前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を光ディスク把持方向に回動させるテーパカム部(41c2)と、
前記テーパカム部(41c2)に連接して前記光ディスク装着位置(Y2)の手前まで前記第1直線状カム溝部(41c1)よりも幅狭く直線状に形成され、前記テーパカム部(41c2)により前記光ディスク(1)の外周縁(1g)を把持したままの状態で前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)の回動を規制する第2直線状カム溝部(41c3)と、
前記第2直線状カム溝部(41c3)の後端から前記光ディスク装着位置(Y2)までの間で前記第2直線状カム溝部(41c3)と略同じ幅でテーパカム溝状に形成され、前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を光ディスク把持解除方向に回動させるテーパカム溝部(41c4)と、
を有することを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【0021】
また、第4の発明は、上記した第1〜第3のいずれかの発明のディスクローディング機構(10)において、
前記光ディスク(1)のレーベル面側となる上面(1a)を上に向け、且つ、前記光ディスク(1)のレーザビーム入射面側となる下面(1b)を下に向けて前記光ディスク(1)を前記ディスク挿脱口(12a)から挿入する際、前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)の各光ディスク把持部(42d)は溝部(42d1)と上下のフランジ部(42d2,42d3)とによりコ字溝状に形成されており、且つ、前記光ディスク(1)の下面(1b)と接する下側のフランジ部(42d3)の幅が前記光ディスク(1)の上面(1a)と接する上側のフランジ部(42d2)の幅よりも幅広く形成されていることを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【0022】
更に、第5の発明は、上記した第1〜第4のいずれかの発明のディスクローディング機構(10)において、
前記ターンテーブル(21)上に装着された前記光ディスク(1)を前記ディスク挿脱口(12a)から排出する際、前記光ディスク装着位置(Y2)の近傍で前記光ディスク(1)の略仮想中心(O)に向かって把持した前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)を前記一対のスライダ(43L,43R)と一体に前記ディスク挿脱口(12a)まで搬送させ、且つ、前記一対の光ディスク把持レバー(42L.42R)を付勢する一対のバネ(44L,44R)により前記光ディスク(1)の略仮想中心方向に向かって付勢された前記一対の光ディスク把持レバー(42L,42R)の各光ディスク把持部(42d)を前記ディスク挿脱口(12a)内の左右両端から外部に突出させて、前記各光ディスク把持部(42d)から前記光ディスク(1)を引き抜くことを特徴とするディスクローディング機構(10)である。
【発明の効果】
【0023】
上記した第1の発明のディスクローディング機構によると、筐体の前面側に設けたディスク挿脱口の左右両端側にディスク挿脱口の後方から筐体の奥方に向かって一対のガイドレールを左右対称に設置し、この一対のガイドレールに沿って往復動する一対のスライダに一対の光ディスク把持レバーを回動自在に支持した際に、一対の光ディスク把持レバーは、光ディスクを把持する各光ディスク把持部が光ディスクの挿入方向と直交して光ディスクの仮想中心を通る仮想線と交わる外周縁の近傍を把持しているので、この結果、光ディスクを確実且つ安定に把持した状態で光ディスクを搬送できると共に、光ディスクのレーベル面となる上面及びレーザビーム入射面側となる下面を傷つけずに光ディスクを搬送できる。
【0024】
また、上記した第2の発明のディスクローディング機構によると、一対のガイドレールの各カム溝は、一対の光ディスク把持レバーを、待機位置で待機させ、待機位置と光ディスク装着位置の手前の間で挿入された光ディスクに対して把持状態を保つように一対の光ディスク把持レバーを付勢する一対のバネに抗して回動させ、光ディスク装着位置の近傍で把持されている光ディスクに対して把持解除方向に回動させ、待機位置と光ディスク排出位置の間で排出される光ディスクに対して一対のバネの付勢力で把持方向に回動させるように形成されているので、光ディスクの搬送及び光ディスクの排出を確実且つ安定に行なうことができる。
【0025】
また、上記した第3の発明のディスクローディング機構によると、一対のガイドレールの各カム溝は、第1直線状カム溝部と、テーパカム部と、第2直線状カム溝部と、テーパカム溝部とを有しており、とくに、第2直線状カム溝部は、テーパカム部により光ディスクの外周縁を把持したままの状態で一対の光ディスク把持レバーの回動を規制しているので、第2直線状カム溝部により光ディスクの搬送中に光ディスクが一対の光ディスク把持レバーから外れることを防止できる。
【0026】
また、上記した第4の発明のディスクローディング機構によると、一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部は溝部と上下のフランジ部とによりコ字溝状に形成されており、且つ、光ディスクの下面と接する下側のフランジ部の幅が光ディスクの上面と接する上側のフランジ部の幅よりも幅広く形成されているので、光ディスクの上下の面を傷つけることなく光ディスクを確実且つ安定に把持できる。
【0027】
更に、上記した第5の発明のディスクローディング機構によると、ターンテーブル上に装着された光ディスクをディスク挿脱口から排出する際、光ディスク装着位置の近傍で光ディスクの略仮想中心に向かって把持した一対の光ディスク把持レバーを一対のスライダと一体にディスク挿脱口まで搬送させ、且つ、一対の光ディスク把持レバーを付勢する一対のバネにより光ディスクの略仮想中心方向に向かって付勢された一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部をディスク挿脱口内の左右両端から外部に突出させて、各光ディスク把持部から光ディスクを引き抜いているので、光ディスクを確実且つ安定に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るディスクローディング機構を用いた光ディスク装置を示した外観斜視図である。
【図2】(a),(b)は本発明に係るディスクローディング機構を用いた光ディスク装置において、光ディスクを筐体内に挿入した後にこの光ディスクをターンテーブル上に装着したときの状態を示した平面図,右側面図である。
【図3】(a),(b)は本発明に係るディスクローディング機構を用いた光ディスク装置において、ターンテーブル上に装着した光ディスクを筐体内から排出するときの状態を示した平面図,右側面図である。
【図4】本発明に係るディスクローディング機構の左側を拡大して示した斜視図である。
【図5】本発明に係るディスクローディング機構の左側を拡大して示した平面図である。
【図6】本発明に係るディスクローディング機構において、左右一対の光ディスク把持レバーを回動可能に支持した左右一対のスライダが待機位置に至っている状態を示した平面図である。
【図7】本発明に係るディスクローディング機構において、左右一対の光ディスク把持レバーを回動可能に支持した左右一対のスライダが光ディスク装着位置に至っている状態を示した平面図である。
【図8】本発明に係るディスクローディング機構において、左右一対の光ディスク把持レバーを回動可能に支持した左右一対のスライダが光ディスク排出位置に至っている状態を示した平面図である。
【図9】(a).(b)は本発明に係るディスクローディング機構において、光ディスク排出位置で左右一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部による把持力が光ディスクの中心孔に向かう状態を示した斜視図である。
【図10】本発明に係るディスクローディング機構において、光ディスク排出位置で左右一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部から光ディスクを手動で引き抜く状態を示した平面図である。
【図11】従来例1のスロットイン方式のローディング装置を示した斜視図である。
【図12】従来例2の記録媒体駆動装置を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明に係るディスクローディング機構の一実施例について図1〜図10を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0030】
図1に示した如く、本発明に係るディスクローディング機構を用いた光ディスク装置10では、この装置10の外観を構成する筐体11が箱状に形成されており、この筐体11の前面11aに前面パネル12が取り付けられている。
【0031】
また、前面パネル12には、ディスク挿脱口12aが円盤状の光ディスク1の外形よりも大きく長方形状に貫通して略水平に形成されている。
【0032】
この際、円盤状の光ディスク1は、BD又はDVDもしくはCDのいずれかであり、各光ディスク規格に基づいて直径が120mmm,厚みが1.2mm,中心孔1hの孔径が15mmに形成されている。
【0033】
そして、円盤状の光ディスク1をディスク挿脱口12aから挿脱する際に、光ディスク1のレーベル面側となる上面1aを上に向け、且つ、光ディスク1のレーザビーム入射面側となる下面1bを下に向けた姿勢で、裸の光ディスク(ベア型光ディスク)1がディスク挿脱口12aから筐体11内の途中まで手動により挿入されるようになっているので、この光ディスク装置10は周知のスロットイン方式を採用している。
【0034】
この際、後述するように、光ディスク1の排出時に光ディスク1を把持した左右一対の光ディスク把持レバー42L,42R(図2)の各一部がディスク挿脱口12の左右両端から外部に向かって突出できるようにディスク挿脱口12aが光ディスク1に対して上下左右に隙間を持って形成されている。そのため、ディスク挿脱口12aに突出した左右一対の光ディスク把持レバー42L,42R(図2)から光ディスク1を手動により引き抜くようになっている。
【0035】
また、図2(a),(b)及び図3(a),(b)に示した如く、光ディスク装置10には、光ディスク1を記録再生するための複数の構成部材21〜27を取り付けたトラバース機構部20が筐体11内の下方に不図示の駆動源によって矢印Z方向(上下方向)に移動可能に設けられ、且つ、このトラバース機構部20と対向して光ディスク1をクランプするディスククランプ部30が筐体11内の上方に固定されている。更に、筐体11の前方に設けたディスク挿脱口12aから手動により差し込まれた裸の光ディスク1を筐体11内の途中からディスク装着位置まで自動的に搬送すると共に、筐体11内に装着された光ディスク1を自動的にディスク挿脱口12aの外側に排出するディスクローディング機構部40がディスク挿脱口12aの左右両端側に左右対称に設けられている。
【0036】
より具体的に説明すると、まず、トラバース機構部20は、光ディスク1を搭載して回転するターンテーブル21をモータ軸に固着したモータ22と、光ディスク1に情報信号を記録再生するために2本のガイドシャフト23に沿って光ディスク1の半径方向に移動自在な光ピックアップ24とが矩形状のトラバースベース25上に取り付けられている。
【0037】
また、トラバースベース25は、矩形状の4隅を計4個のゴム製のインシュレータ26により防振されて矩形状のメインシャーシ27上に取り付けられている。
【0038】
次に、ディスククランプ部30は、筐体11の上方にカップ状のクランパ支持材31が固着されており、このクランパ支持材31に形成した不図示の丸孔にディスククランパ32がターンテーブル21と対向して回転可能に懸架されている。
【0039】
そして、光ディスク1が筐体11内に挿入されていない初期時、又は、光ディスク1がディスクローディング機構部40によって筐体11内に挿入される時、もしくは、光ディスク1がディスクローディング機構部40によって筐体11内から排出される時には、図2(a),(b)に示したように、トラバースベース25上に取り付けたモータ22及び光ピックアップ24がメインシャーシ27と一体に矢印Zdown方向に下動して、トラバース機構部20が光ディスク1の搬送(ローディング)を許容するように退避している。
【0040】
一方、ディスクローディング機構部40によって光ディスク1の中心孔1hがターンテーブル21と対向する位置に至った時には、トラバースベース25上に取り付けたモータ22及び光ピックアップ24がメインシャーシ27と一体に矢印Zup方向に上動し、これにより、光ディスク1の中心孔1h内にターンテーブル21のチャック部21aが進入して、ディスククランパ32によって光ディスク1がターンテーブル21上に装着される。この後、モータ22によってターンテーブル21と一体に光ディスク1が回転したときに、光ディスク1の半径方向に移動自在な光ピックアップ24により光ディスク1の信号面に情報信号を記録したり、又は、記録済みの情報信号を再生するようになっている。
【0041】
そして、筐体11内で光ディスク1の記録又は再生が終了したときには、図3(a),(b)に示したように、ディスクローディング機構部40によって光ディスク1を筐体11の外に自動的に排出している。
【0042】
次に、ディスクローディング機構部40は、本発明の要部を構成するものであり、上記したディスクローディング機構部40は、左右一対のガイドレール41L,41Rと、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rと、左右一対のスライダ43L,43Rと、左右一対のネジリバネ44L,44R(図4〜図6)と、を備えている。
【0043】
即ち、左右一対のガイドレール41L,41Rは、筐体11内に設けたターンテーブル21を挟んでディスク挿脱口12aの左右両端側にこのディスク挿脱口12aの後方から筐体11内の奥方に向かって左右対称に固定設置されている。
【0044】
また、左右一対のガイドレール41L,41Rの各上面側に左右対称に形成した左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが設けられ、且つ、左右一対のガイドレール41L,41Rの各下面側に左右対称に形成した左右一対のスライダ43L,43Rが矢印Y方向に摺動自在に設けられていると共に、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは左右一対のガイドレール41L,41Rを挟んで左右一対のスライダ43L,43Rに回動可能に支持されている。
【0045】
この際、左右一対のスライダ43L,43Rは、左右一対のガイドレール41L,41Rの各下面内側に沿いながら不図示のモータによって回転駆動する駆動用プーリ45と複数の従動用プーリ46とにループ状に掛け渡されたタイミングベルト47に連結されている。そして、駆動用プーリ45が回転駆動すると、タイミングベルト47に連結された左右一対のスライダ43L,43R上に回動可能に支持した左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが同じ方向に同一速度で矢印Y方向に往復動可能になっている。
【0046】
ここで、ディスクローディング機構部40のうちで左側の構成部材を図4,図5に拡大して示し、右側は左側に対し対称に構成されているので図示を省略して左側について図1〜図5を併用して詳述する。
【0047】
図4及び図5に示した如く、左側のガイドレール41Lは、例えば樹脂材を用いて上面41aと下面41bとの間が長尺な平板状に形成されており、このガイドレール41L内の図示左側にカム溝41cが長尺に貫通して形成され、且つ、カム溝41cの右側に直線状ガイド溝41dがカム溝41cと略平行に全て同一幅で長尺に貫通して形成されている。
【0048】
この際、左側のガイドレール41L内のカム溝41cは、ディスク挿脱口12aと待機位置Y1(図5のみ図示)との間に幅広く直線状に形成され、ターンテーブル21上に装着された光ディスク1を排出方向に搬送する際に左側の光ディスク把持レバー42Lを左側のネジリバネ44Lの付勢力により光ディスク把持方向に回動させる第1直線状カム溝部41c1と、この第1直線状カム溝部41c1の後端に連接してテーパカム状に形成され、光ディスク1の挿入動作に伴って待機位置Y1に待機している左側の光ディスク把持レバー42Lを押し込みながら左側のネジリバネ44Lに抗して左側の光ディスク把持レバー42Lを光ディスク把持方向に回動させるテーパカム部41c2と、このテーパカム部41c2に連接して光ディスク装着位置Y2(図5のみ図示)の手前まで第1直線状カム溝部41c1よりも幅狭く直線状に形成され、テーパカム部41c2により光ディスク1の外周縁1gを把持したままの状態で左側の光ディスク把持レバー42Lの回動を規制する第2直線状カム溝部41c3と、この第2直線状カム溝部41c3の後端から光ディスク装着位置Y2までの間で第2直線状カム溝部41c3と略同じ幅でテーパカム溝状に形成され、左側の光ディスク把持レバー42Lを光ディスク把持解除方向に回動させるテーパカム溝部41c4と、を有している。
【0049】
また、左側の光ディスク把持レバー42Lは、樹脂材を用いて上面42aと下面42bとの間で右側面42c側に光ディスク1の外周縁1gを把持する光ディスク把持部42dが形成されている。
【0050】
この際、光ディスク把持部42dは、断面形状が溝部42d1と、上下のフランジ部42d2,42d3とによりコ字溝状に形成されており、且つ、光ディスク把持部42dは光ディスク1の下面1b(図1)と接する下側のフランジ部42d3の幅が光ディスク1の上面1a(図1)と接する上側のフランジ部42d2の幅よりも幅広く形成されていると共に、下側のランジ部42d3のうちで光ディスク挿入側にテーパ部42d4が形成されている。
【0051】
これにより、光ディスク1の上下の面1a,1bを傷つけることなく光ディスク1を確実且つ安定に把持できる。
【0052】
また、左側の光ディスク把持レバー42Lの下面42bに2つのボス部42e,42fが下方に向かって突出形成されており、一方のボス部42eは短く形成されて左側のガイドレール41Lの上面42a側からカム溝41c内に進入し、他方のボス部42fは、一方のボス部42eより長く形成されて左側のガイドレール41Lの上面41a側から直線状ガイド溝41d内を摺動可能に通り抜けて左側のスライダ43Lの上面43aに穿設した丸孔43b内に回動可能に進入している。
【0053】
また、左側のスライダ43Lは、樹脂材を用いて略直方形状に形成されており、且つ、上面43aに3つのボス部43c〜43eが上方に向かって突出形成されており、左側の光ディスク把持レバー42Lのボス部42fを支持している丸孔43aと同一のライン上に形成された2つのボス部43c,43dは短く形成されて左側のガイドレール41Lの下面41b側から直線状ガイド溝41d内に摺動可能に進入している。
【0054】
一方、2つのボス部43c,43dの右側に配置されたボス部43eは、2つのボス部43c,43dより長く形成されて左側のネジリバネ44が嵌め込まれており、このネジリバネ44のアーム部44aで左側の光ディスク把持レバー42Lの右側面42cの後端側を押して、左側の光ディスク把持レバー42Lを光ディスク1の略仮想中心O(図2,図3)の方向に付勢している。
【0055】
また、左側のスライダ43Lは、右側面43fの内側にタイミングベルト47を連結するベルト連結部43gが下面43hに向かって形成されている。
【0056】
上記の構成により、ディスクローディング機構部40は、左側の光ディスク把持レバー42Lが左側のガイドレール41Lを挟んで左側のスライダ43Lに回動可能に支持され、タイミングベルト47に連結された左側のスライダ43Lと一体に左側の光ディスク把持レバー42Lが左側のガイドレール41Lに沿って矢印Y方向に往復動可能になっている。
【0057】
勿論、図4,図5での図示を省略した右側の光ディスク把持レバー42Rも右側のガイドレール41Rを挟んで右側のスライダ43Rに回動可能に支持され、タイミングベルト47に連結された右側のスライダ43Rと一体に右側の光ディスク把持レバー42Rが右側のガイドレール41Rに沿って矢印Y方向に往復動可能になっている。
【0058】
そして、図5に示した如く、左側のガイドレール41Lのカム溝41cは、ディスク挿脱口(図1〜図3)とターンテーブル(図1,図2)との間に光ディスク1の挿入を待機する待機位置Y1が設定され、且つ、待機位置Y1よりも奥方に光ディスク1をターンテーブル21上に装着する光ディスク装着位置Y2が設定されていると共に、ディスク挿脱口12aの近傍にターンテーブル21に装着した光ディスク1を排出する光ディスク排出位置Y3が設定されている。
【0059】
そして、図5での図示を省略した右側を含めて説明すると、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cは、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rを、待機位置Y1で待機させ、待機位置Y1と光ディスク装着位置Y2の手前の間で挿入された光ディスク1に対して把持状態を保つように左右一対のネジリバネ44L,44Rに抗して回動させる。そして、光ディスク装着位置Y2の近傍で把持されている光ディスク1に対して把持解除方向に回動させ、待機位置Y1と光ディスク排出位置Y3の間で排出される光ディスク1に対して左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力で把持方向に回動させるように形成されているので、光ディスク1の搬送及び光ディスク1の排出を確実且つ安定に行なうことができるようになっている。
【0060】
この際、図5での図示を省略するものの、待機位置Y1にスイッチ1,光ディスク装着位置Y2にスイッチ2,光ディスク排出位置Y3にスイッチ3,4がそれぞれ設けられている。
【0061】
ここで、先の図2〜図5及び新たな図6〜図10を併用して本発明に係るディスクローディング機構部40の動作について説明する。
【0062】
まず、図6に示した如く、本発明に係るディスクローディング機構部40が初期状態のときには、トラバース機構部20(図2)が下動して光ディスク1の挿入を待機している。
【0063】
また、初期時には、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rを回動可能に支持した左右一対のスライダ43L,43Rの各2つのボス部43c,43dと、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42fとが、左右一対のガイドレール41L,41Rの各直線状ガイド溝部41d内に摺動可能に嵌合して、左右一対のスライダ43L,43Rがターンテーブル21よりも前方に位置し且つ左右一対のガイドレール41L,41Rの略中間部位に設定した各待機位置Y1に至って待機している。
【0064】
このときに、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eは、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅広い第1直線状カム溝部41c1内でテーパカム部41c2の手前に位置しているので、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力により各ボス部42fを中心にして左側が反時計方向,右側が時計方向に回動してそれぞれ内側に向かって対向している。
【0065】
この状態で、ディスク挿脱口12aから裸の光ディスク1を手動により挿入すると、光ディスク1の外周縁1gが左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42d内に進入し、光ディスク1の押し込み力により左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが奥方に押し込まれながら矢印Yin方向に移動する。
【0066】
これに伴って、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eが左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅広い第1直線状カム溝部41c1内からテーパカム部41c2に沿って移動するために、このテーパカム部41c2の形状に応じて左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力に抗して各ボス部42fを中心にしてそれぞれ時計方向,反時計方向に回動して外側に向かい、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dで光ディスク1の外周縁1gを把持する。
【0067】
この後、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41c内のテーパカム部41c2により光ディスク1の外周縁1gを把持したままの状態で左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eは、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cのテーパカム部41c2から幅狭い第2直線状カム溝部41c3に進入し、この幅狭い第2直線状カム溝部41c3により左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dで光ディスク1の外周縁1gを把持したまま左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの回動が規制される。
【0068】
従って、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅狭い第2直線状カム溝部41c3により光ディスク1の搬送中に光ディスク1が左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rから外れることを防止できる。
【0069】
この際、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは、図2,図3及び後述の図8に示したように、光ディスク1の挿入方向と直交して光ディスク1の仮想中心Oを通る仮想線KLと交わる外周縁1gの近傍を把持しているので、光ディスク1を確実且つ安定に把持した状態で光ディスク1を搬送できると共に、光ディスク1のレーベル面となる上面1a(図1)及びレーザビーム入射面側となる下面1b(図1)を傷つけずに光ディスク1を搬送できる。
【0070】
また、待機位置Y1で手動により左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが押されて移動すると、不図示のスイッチ1がON状態に切り替わるので、先の図2に示したように駆動用プーリ45が始動してタイミングベルト47を介して左右一対のスライダ43L,43Rが矢印Yin方向に移動し、これに伴って、光ディスク1を把持したまま左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eが左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cのテーパカム部41c2から幅狭い第2直線状カム溝部41c3内に移動する。
【0071】
次に、図7に示した如く、左右一対のスライダ43L,43Rが矢印Yin方向に更に移動して左右一対のガイドレール41L,41Rの奥方部位に設定した光ディスク装着位置Y2の近傍に至ると、トラバース機構部20(図2)が上動し、光ディスク1の中心孔1h内にトラバース機構部20(図2)内のターンテーブル21のチャック部21aが嵌合する。
【0072】
一方、光ディスク装着位置Y2の近傍では、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eが左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅狭い第2直線状カム溝部41c3からテーパカム溝部41c4に達し、このテーパカム溝部41c4の形状に応じて左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rが左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力に抗して各ボス部42fを中心にしてそれぞれ時計方向,反時計方向に回動して更に外側に向かので、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dが光ディスク1の外周縁1gから離れる。この後、ディスククランパ32(図2)によって光ディスク1がターンテーブル21上にクランプされて装着が完了する。
【0073】
また、左右一対のスライダ43L,43Rが光ディスク装着位置Y2に至ると、不図示のスイッチ2がON状態に切り替わるので、左右一対のスライダ43L,43Rが移動を停止する。
【0074】
次に、図8に示した如く、光ディスク1を筐体11(図1〜図3)の外に排出するときには、図7に示した光ディスク装着位置Y2から左右一対のスライダ43L,43Rを装着時とは逆方向となる矢印Yout方向に移動させて、左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cのテーパカム部41c2によって左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dでターンテーブル21上に装着した光ディスク1を把持してトラバース機構部20(図2)を下動させた後に、左右一対のスライダ43L,43Rを図6に示した待機位置Y1を通過させて、左右一対のガイドレール41L,41Rの前方部位に設定した光ディスク排出位置Y3まで移動させている。
【0075】
そして、左右一対のスライダ43L,43Rが光ディスク排出位置Y3に至ると、不図示のスイッチ2がON状態に切り替わるので、左右一対のスライダ43L,43Rが移動を停止する。
【0076】
また、光ディスク排出位置Y3では、光ディスク1の外周縁1gを把持したまま左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各ボス部42eが左右一対のガイドレール41L,41Rの各カム溝41cの幅広い第1直線状カム溝部41c1内の前方部位に至り、且つ、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは幅広い第1直線状カム溝部41c1内で回動規制が解除されている。
【0077】
ここで、光ディスク装着位置Y2で左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dは、前述したように、光ディスク1の挿入方向と直交して光ディスク1の仮想中心Oを通る仮想線KLが交わる外周縁1gの近傍を把持しており、且つ、回動可能な左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力により各光ディスク把持部42dの把持力Fが光ディスク1の略仮想中心Oに向かうために光ディスク1の外周縁1gを確実且つ安定に把持できる。
【0078】
そして、左右一対のスライダ43L,43Rが光ディスク排出位置Y3まで移動すると、図9(a),(b)に示したように、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dは、光ディスク1の外周縁1gを把持したまま前面パネル12に設けたディスク挿脱口12a内の左右両端から外部に突出する。このときにも、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dからの把持力Fが光ディスク1の中心孔1hに向かっているので、各光ディスク把持部42dにより光ディスク1を確実且つ安定に支持することができる。
【0079】
次に、図10に示した如く、光ディスク排出位置Y3でディスク挿脱口12a内の左右両端から外部に突出し、且つ、左右一対のネジリバネ44L,44Rにより光ディスク1の略仮想中心方向に向かって付勢された左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの各光ディスク把持部42dから光ディスク1を矢印Yout方向に手動により引き抜くと、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rは左右一対のネジリバネ44L,44Rの付勢力により各ボス部42fを中心にして反時計方向,時計方向に回動してそれぞれ内側に向かって対向する。このときに、左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rの回動を不図示のスイッチ4で検出して、所定のタイミングを経た後に駆動用プーリ45を始動させ、上記の状態を保ったまま左右一対の光ディスク把持レバー42L,42Rを図6に示した待機位置まで戻して、次回の光ディスク1の挿入を待機している。
【符号の説明】
【0080】
1…光ディスク、1a…上面、1b…下面、1g…外周縁、1h…中心孔、
10…光ディスク装置、
11…筐体、11a…前面、12…前面パネル、12a…ディスク挿脱口、
20…トラバース機構部、
21…ターンテーブル、21a…チャック部、22…モータ、
23…ガイドシャフト、24…光ピックアップ、25…トラバースベース、
26…インシュレータ、27…メインシャーシ、
30…ディスククランプ部、31…クランパ支持材、32…ディスククランパ、
40…ディスクローディング機構部、
41L,41R…左右一対のガイドレール、41a…上面、41b…下面、
41c…カム溝、41c1…第1直線状カム溝部、41c2…テーパカム部、
41c3…第2直線状カム溝部、41c4…テーパカム溝部、
41d…直線状ガイド溝、
42L,42R…左右一対の光ディスク把持レバー、42a…上面、42b…下面、
42c…右側面、42d…光ディスク把持部、42d1…溝部、
42d2,42d3…上下のフランジ部、42d4…テーパ部、
42e,42f…ボス部、
43L,43R…左右一対のスライダ、43a…上面、43b…丸孔、
43c〜43e…ボス部、43f…右側面、43g…ベルト連結部、43h…下面、
44L,44R…左右一対のネジリバネ、
45…駆動用プーリ、46…従動用プーリ、47…タイミングベルト、
KL…仮想線、O…光ディスクの仮想中心。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の前面側に設けたディスク挿脱口から挿入された光ディスクを装着し、且つ、前記筐体内に設けられたターンテーブルと、
前記ターンテーブルを挟んで前記ディスク挿脱口の左右両端側に前記ディスク挿脱口の後方から前記筐体内の奥方に向かって左右に設置され、カム溝と直線状ガイド溝とを有する一対のガイドレールと、
前記一対のガイドレールの各直線状ガイド溝に沿って駆動源の駆動力により往復動する一対のスライダと、
前記一対のガイドレールの各カム溝に係合し、且つ、前記各カム溝の形状に応じて前記光ディスクの外周縁を把持するか、又は、前記光ディスクの外周縁の把持を解除するように前記一対のスライダに回動自在に支持され、前記一対のスライダと一体に往復動し、前記光ディスクの挿入方向と直交して前記光ディスクの仮想中心を通る仮想線と交わる前記外周縁の近傍を把持する光ディスク把持部を設けた一対の光ディスク把持レバーと、
を有することを特徴とするディスクローディング機構。
【請求項2】
前記一対のガイドレールの各カム溝は、前記ディスク挿脱口より前記筐体内の奥方に前記光ディスクの挿入を待機する待機位置が設定され、且つ、前記待機位置よりも奥方に前記光ディスクを前記ターンテーブル上に装着する前記光ディスク装着位置が設定されていると共に、前記ディスク挿脱口の近傍に前記ターンテーブルに装着した前記光ディスクを排出する光ディスク排出位置が設定されており、更に、前記各カム溝は、前記一対の光ディスク把持レバーを、前記待機位置で待機させ、前記待機位置と前記光ディスク装着位置の手前の間で挿入された前記光ディスクに対して把持状態を保つように前記一対の光ディスク把持レバーを付勢する一対のバネに抗して回動させ、前記光ディスク装着位置の近傍で把持されている前記光ディスクに対して把持解除方向に回動させ、前記待機位置と前記光ディスク排出位置の間で排出される前記光ディスクに対して前記一対のバネの付勢力で把持方向に回動させるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項3】
前記一対のガイドレールの各カム溝は、前記ディスク挿脱口と前記待機位置との間に幅広く直線状に形成され、前記ターンテーブル上に装着された前記光ディスクを排出方向に搬送する際に前記一対の光ディスク把持レバーを前記一対のバネの付勢力により光ディスク把持方向に回動させる第1直線状カム溝部と、
前記第1直線状カム溝部の後端に連接してテーパカム状に形成され、前記光ディスクの挿入動作に伴って前記待機位置に待機している前記一対の光ディスク把持レバーを押し込みながら前記一対のバネに抗して前記一対の光ディスク把持レバーを光ディスク把持方向に回動させるテーパカム部と、
前記テーパカム部に連接して前記光ディスク装着位置の手前まで前記第1直線状カム溝部よりも幅狭く直線状に形成され、前記テーパカム部により前記光ディスクの外周縁を把持したままの状態で前記一対の光ディスク把持レバーの回動を規制する第2直線状カム溝部と、
前記第2直線状カム溝部の後端から前記光ディスク装着位置までの間で前記第2直線状カム溝部と略同じ幅でテーパカム溝状に形成され、前記一対の光ディスク把持レバーを光ディスク把持解除方向に回動させるテーパカム溝部と、
を有することを特徴とする請求項2記載のディスクローディング機構。
【請求項4】
前記光ディスクのレーベル面側となる上面を上に向け、且つ、前記光ディスクのレーザビーム入射面側となる下面を下に向けて前記光ディスクを前記ディスク挿脱口から挿入する際、前記一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部は溝部と上下のフランジ部とによりコ字溝状に形成されており、且つ、前記光ディスクの下面と接する下側のフランジ部の幅が前記光ディスクの上面と接する上側のフランジ部の幅よりも幅広く形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のディスクローディング機構。
【請求項5】
前記ターンテーブル上に装着された前記光ディスクを前記ディスク挿脱口から排出する際、前記光ディスク装着位置の近傍で前記光ディスクの略仮想中心に向かって把持した前記一対の光ディスク把持レバーを前記一対のスライダと一体に前記ディスク挿脱口まで搬送させ、且つ、前記一対の光ディスク把持レバーを付勢する一対のバネにより前記光ディスクの略仮想中心方向に向かって付勢された前記一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部を前記ディスク挿脱口内の左右両端から外部に突出させて、前記各光ディスク把持部から前記光ディスクを引き抜くことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のディスクローディング機構。
【請求項1】
筐体の前面側に設けたディスク挿脱口から挿入された光ディスクを装着し、且つ、前記筐体内に設けられたターンテーブルと、
前記ターンテーブルを挟んで前記ディスク挿脱口の左右両端側に前記ディスク挿脱口の後方から前記筐体内の奥方に向かって左右に設置され、カム溝と直線状ガイド溝とを有する一対のガイドレールと、
前記一対のガイドレールの各直線状ガイド溝に沿って駆動源の駆動力により往復動する一対のスライダと、
前記一対のガイドレールの各カム溝に係合し、且つ、前記各カム溝の形状に応じて前記光ディスクの外周縁を把持するか、又は、前記光ディスクの外周縁の把持を解除するように前記一対のスライダに回動自在に支持され、前記一対のスライダと一体に往復動し、前記光ディスクの挿入方向と直交して前記光ディスクの仮想中心を通る仮想線と交わる前記外周縁の近傍を把持する光ディスク把持部を設けた一対の光ディスク把持レバーと、
を有することを特徴とするディスクローディング機構。
【請求項2】
前記一対のガイドレールの各カム溝は、前記ディスク挿脱口より前記筐体内の奥方に前記光ディスクの挿入を待機する待機位置が設定され、且つ、前記待機位置よりも奥方に前記光ディスクを前記ターンテーブル上に装着する前記光ディスク装着位置が設定されていると共に、前記ディスク挿脱口の近傍に前記ターンテーブルに装着した前記光ディスクを排出する光ディスク排出位置が設定されており、更に、前記各カム溝は、前記一対の光ディスク把持レバーを、前記待機位置で待機させ、前記待機位置と前記光ディスク装着位置の手前の間で挿入された前記光ディスクに対して把持状態を保つように前記一対の光ディスク把持レバーを付勢する一対のバネに抗して回動させ、前記光ディスク装着位置の近傍で把持されている前記光ディスクに対して把持解除方向に回動させ、前記待機位置と前記光ディスク排出位置の間で排出される前記光ディスクに対して前記一対のバネの付勢力で把持方向に回動させるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項3】
前記一対のガイドレールの各カム溝は、前記ディスク挿脱口と前記待機位置との間に幅広く直線状に形成され、前記ターンテーブル上に装着された前記光ディスクを排出方向に搬送する際に前記一対の光ディスク把持レバーを前記一対のバネの付勢力により光ディスク把持方向に回動させる第1直線状カム溝部と、
前記第1直線状カム溝部の後端に連接してテーパカム状に形成され、前記光ディスクの挿入動作に伴って前記待機位置に待機している前記一対の光ディスク把持レバーを押し込みながら前記一対のバネに抗して前記一対の光ディスク把持レバーを光ディスク把持方向に回動させるテーパカム部と、
前記テーパカム部に連接して前記光ディスク装着位置の手前まで前記第1直線状カム溝部よりも幅狭く直線状に形成され、前記テーパカム部により前記光ディスクの外周縁を把持したままの状態で前記一対の光ディスク把持レバーの回動を規制する第2直線状カム溝部と、
前記第2直線状カム溝部の後端から前記光ディスク装着位置までの間で前記第2直線状カム溝部と略同じ幅でテーパカム溝状に形成され、前記一対の光ディスク把持レバーを光ディスク把持解除方向に回動させるテーパカム溝部と、
を有することを特徴とする請求項2記載のディスクローディング機構。
【請求項4】
前記光ディスクのレーベル面側となる上面を上に向け、且つ、前記光ディスクのレーザビーム入射面側となる下面を下に向けて前記光ディスクを前記ディスク挿脱口から挿入する際、前記一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部は溝部と上下のフランジ部とによりコ字溝状に形成されており、且つ、前記光ディスクの下面と接する下側のフランジ部の幅が前記光ディスクの上面と接する上側のフランジ部の幅よりも幅広く形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のディスクローディング機構。
【請求項5】
前記ターンテーブル上に装着された前記光ディスクを前記ディスク挿脱口から排出する際、前記光ディスク装着位置の近傍で前記光ディスクの略仮想中心に向かって把持した前記一対の光ディスク把持レバーを前記一対のスライダと一体に前記ディスク挿脱口まで搬送させ、且つ、前記一対の光ディスク把持レバーを付勢する一対のバネにより前記光ディスクの略仮想中心方向に向かって付勢された前記一対の光ディスク把持レバーの各光ディスク把持部を前記ディスク挿脱口内の左右両端から外部に突出させて、前記各光ディスク把持部から前記光ディスクを引き抜くことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のディスクローディング機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−205369(P2010−205369A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52579(P2009−52579)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
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