説明

ディスク位置決め情報書き込み方法及び装置、情報記録再生装置、並びに記録媒体

ディスク状記録媒体に対して情報を書き込み或いはディスク状記録媒体に書き込まれた情報を読み出すためのヘッドの当該ディスク状記録媒体上の位置決めのための位置決め情報を当該ディスク状記録媒体に予め書き込む際、ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報は、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込まれる部分と一の周回のみによって書き込まれる部分とよりなる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ディスク位置決め情報書き込み方法及び装置、情報記録再生装置、並びに記録媒体に関し、特にサーボトラックライタ等のディスク位置決め情報書き込み装置における所謂非同期振動(NRRO,ノンリピータブルランアウト)によって発生するディスク位置決め情報の位置ずれに対し、当該ディスクに対する記録再生時の位置決め誤差の発生を効果的に防止し得るディスク位置決め情報書き込み方法及び装置、このようにして得られたディスクに対して情報の記録再生を行なう情報記録再生装置、並びに当該ディスクである記録媒体に関する。
【背景技術】
ディスク位置決め情報としては、磁気ディスク装置において記録再生ヘッドの位置決め制御を行なう目的で予め磁気ディスクに書き込まれる「サーボトラック」が挙げられる。
磁気ディスク装置では上記の如く磁気ディスクに予め書き込まれたサーボトラックを利用して記録再生ヘッドの位置決めを行なうが、このためのサーボ制御方法としてセクターサーボ方式が知られている。この方式はディスクに位置決め情報として書き込まれたサーボパターン(サーボバースト等)中の位置検出の方法によって以下の2種に分類できる。
その第1はバーストパターンを用いる方法であり、90°位相をずらした2組、つまり4相のバーストパターンの振幅を演算してヘッドの詳細な位置を検出する方法である。この方式にはバーストパターンを構成するバースト数が3相、6相など、上記4相以外の方法が含まれる。上記2種のうちの第2は位相パターンを用いる方法であり、トラック方向にヘッドが移動するにしたがって基準信号と位置検出用信号の位相が直線的にずれるように予めパターンを配置し、これを読取ることでヘッドの詳細な位置を検出する方法である。
上記の如くのサーボパターンを磁気ディスク等のディスク状メディア上に書き込むための手段とし所謂「サーボトラックライター」が知られている。図1は一般的なサーボトラックライターの構成例を示す。サーボトラックライタは、製品としてのハードディスク装置100が装着され、この装置100のハードディスクであるディスク状メディア100を支持、回転させるスピンドルモータ120、所定のクロック情報を予めディスク状メディア110に書き込んでおきサーボトラック書き込み時にはこのクロック情報を読み取ってサーボパターン生成器350に送るクロックヘッド360、メディアにサーボトラックを書き込む書き込みヘッド130、書き込みヘッドを回動可能に支持するアクチュエータアームアセンブリ140、アクチュエータアームアセンブリの位置を測定するレーザー測長系320、レーザー測長系からの位置情報を基にトラックライタ側アクチュエータ330を介してハードディスク装置側のアクチュエータアームアセンブリ140を位置決め制御する位置決め制御器340、スピンドルモータの駆動を制御するスピンドルモータ制御器310、クロックヘッド360から送られたクロック情報に基づいてタイミングを制御しながらディスク状メディア110に対して書き込むべきサーボ情報パターンを生成するサーボパターン生成器350よりなる。
このような構成を有するサーボトラックライタでは、所定の送りピッチで書き込みヘッドを位置決めしてメディアを回転しならがサーボトラックの書き込みを繰り返すものであり、全トラックを書きこむまでこの動作が繰り返される。
この方法によれば、書き込みヘッドはレーザー測長系に対して精密に位置決めされるが、サーボトラックを書き込む対象であるメディアに対して相対的に位置決めされるわけではない。また、1つのサーボトラックの軌跡はそのサーボトラック書き込み時の1回の軌跡で決まるため、スピンドルモータのNRROやライトヘッドの位置決め誤差等があるとそのようにして書き込まれたサーボトラックは完全な同心円とはならず、書き始めと書き終わりとの間の書き継ぎ部分でサーボトラックに段差が生じてしまう。この段差が大きいと上記サーボ制御において記録再生ヘッドが安定してトラックに追従出来なくなり様々な問題を引き起こすこととなる。
この問題を解決する手段として、例えば後述する特許文献1に開示されている方法がある。この方法では複数相のバーストを複数の周回によってトラック方向に沿って分割して書き込む。このように複数の周回で分割してサーボトラックを書き込むことでスピンドルモーターのNRROによるずれ量を平均化できる。
又、特許文献2に開示された方法ではスピンドルモータのNRROの周波数、位相を測定し、サーボトラックの書き始めと書き終わりとの間のNRROの差が大きくなるタイミングを避けてサーボトラックを書き込む構成を採る。
【特許文献1】 特開2001−14816号公報
【特許文献2】 特開2001−14818号公報
【特許文献3】 特開平10−106192号公報
【特許文献4】 特開2001−28111号公報
しかしながら上記特許文献1に開示されるような複数周回に分割して1つのサーボトラックを書き込む方法を採った場合、各サーボトラックの書き込みに要する時間が上記複数周回分倍増される。その結果サーボトラックの書き込み時間が大幅に増加してしまう。
又は上記特許文献2に開示の方法の場合、上記特許文献1に開示の方法のようにサーボトラックを複数周回に分割して書く必要はないが、上記測定の結果によりスピンドルモータのNRROの影響のが大きいと判定された時間帯ではサーボトラックを書き込むことができない。そのため待ち時間が発生し、全てのサーボトラックを書き込み終わるまでの時間が大幅に伸びてしまうということとなる。
【発明の開示】
本発明では上記問題点を解決するため、各サーボトラックの一周分のうち、所定の部分のみ複数周回の書き込みによる分割ライト法式を適用し、他の部分は従来どおり一周回の書き込みによる書き込み方法とする。即ち、ディスク状記録媒体にサーボトラックを一周分書き込んだ後、更に所定角度分のみ重複して書き込む。
従来のサーボトラック書き込み時のサーボトラックライタのスピンドルモータのNRRO等、軸振れによる問題点は、主に一周分のサーボトラックを書き込む際の書き始め部分と書き終わり部分との継ぎ目部分において発生する段差によるものであった。本発明ではこの段差を生ずる継ぎ目部分の前後の所定の限られた範囲についてのみ重複書き込みを行なうこととした。
尚上記重複書き込み部分についてはサーボ制御時のサーボパターン検出の際に各周回によって書き込まれたパターンによる検出位置の平均を取って位置誤差検出値とする。その結果上記継ぎ目に発生する段差の大きさを実質的に縮小可能である。その結果効果的にサーボ制御の安定化を図ることが出来る。又、この方法では重複書き込み部分は継ぎ目部分の前後の限られた範囲であるため、そのために余分に要される時間は限られ、ディスク製造工程に対する時間増加の割合を最小限にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明を適用可能な一般的なトラックライタの概略構成を示す図である。
図2は従来の一例のサーボトラック書き込みの際に生ずる段差を説明するための図である。
図3は上記段差による弊害を防止するための方法の一例を説明するための図である。
図4A,4Bはサーボトラックを構成するバーストパターンを書き込む方法の例を説明するための図である。
図5A,5Bは複数周回によるサーボトラック書き込みの方法の例について説明するための図である。
図6は本発明の一実施例によるサーボトラック書き込み方法を説明するための図である。
図7は本発明の他の実施例によるサーボトラック書き込み方法を説明するための図である。
図8、9,10は、夫々本発明の更に他の実施例によるサーボトラック書き込み方法を説明するための図である。
図11A、11B,11C、11Dは振幅検出方式による位置ずれ検出の原理を説明するための図である。
図12A,12Bはサーボバーストとこれを検出するためのバーストゲートパルスとを対比させて示す図(その1)である。
図13A,13Bはサーボバーストとこれを検出するためのバーストゲートパルスとを対比させて示す図(その2)である。
図14A,14B,14Cは、本発明による重複書き込み方式適用時の振幅検出方式による位置ずれ検出の原理を説明するための図である。
図15は本発明の実施例としての情報記録再生装置の例の概略構成を示すための平面図である。
図16は、図15に示す情報記録再生装置の制御系のブロック図を示す。
図17は図16に示されるサーボ復調器内部のブロック図を示す。
図18A,18B,18C,18Dは、本発明の一実施例によるサーボ復調方式について説明するための図である。
図19は図18A乃至18Dに示す方式を実施するためのサーボ復調器の構成例を示すブロック図である。
図20A,20B,20C,20Dは、本発明の他の実施例によるサーボ復調方式について説明するための図である。
図21は図20A乃至20Dに示す方式を実施するためのサーボ復調器の構成例を示すブロック図である。
図22A,22B,22C,22Dは、本発明の更に他の実施例によるサーボ復調方式について説明するための図である。
図23は図22A乃至22Dに示す方式を実施するためのサーボ復調器の構成例を示すブロック図である。
図24A,24B,24C,24Dは、本発明の更に他の実施例によるサーボ復調方式について説明するための図である。
図25は図24A乃至24Dに示す方式を実施するためのサーボ復調器の構成例を示すブロック図である。
図26は上記実施例の変形例を示すブロック図である。
図27は図26に示される復調手順テーブルの内容の一例を示す図である。
図28は上記各実施例に適用可能なサーボバースト復調器の構成例を示すブロック図である。
図29A,29Bは上記実施例を適用の際のサーボセクタの配置例を説明するための図である。
図30A、30Bはデータセクタの構成例、並びにデータセクタとサーボセクタを含むトラック内配置例を示す図である。
図31A,31Bは振幅検出方式及び位相検出方式の各々を適用した場合の本発明の実施例によるサーボトラックの重複書き込みの態様例を示す図である。
図32A,32Bは本発明の更に他の実施例によるサーボトラック書き込み方法を説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図と共に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
最初の本発明の実施の形態の原理について説明する。ディスク状記録媒体に対する記録再生用の位置決め情報としてのサーボトラックを当該媒体の工場出荷前にサーボトラックライタにて当該媒体に書き込む際、そのサーボトラックの一周の書き始めと書き終わりの一部分の数セクタに対し、後述する所謂分割ライト法式を適用する。即ち、一周分のサーボトラックを書き込む際にその書き始め部分と書き終わり部分とを重複させ、その重複部分については分割ライト法式を適用する。即ちその部分については重複する周回毎にサーボトラックを分割して部分的に書き込んでゆき、当該重複部分については最終的にこの複数周回によって完全なサーボトラックを形成する。感覚的に理解しやすいように、この方式を「のりしろ」方式とも称する。
このように、サーボトラックライタのスピンドルモータのNRROにより継ぎ目部に段差が生ずる書き始めと書き終わりの部分について、所定回転角度分重複して書き込みを行ない、その部分にのみ分割ライト法式を適用する。その結果このように書き込まれた一周分のサーボトラックは、その継ぎ目部が重複されて分割ライトされており、これを読取るサーボ制御にて重複部分のサーボ情報を平均化すれば、継ぎ目部分の段差を実質的に目立たなくすることが可能である。その結果情報記録再生装置において安定的にトラッキングサーボ制御を行なうことが可能となる。
更に本発明の実施例では、サーボトラックライタにて上記重複部分(「のりしろ」の部分)のサーボトラックを書き込む際、複数周回に分けて形成するサーボパターンの重みを徐々に変化させていくことが望ましい。即ち一周分のサーボトラックに対して記録再生ヘッドが追従する際、その継ぎ目部分で段差がある場合、一方のトラック経路から他方のトラック経路へとヘッドが乗り移る必要がある。この場合上記の如くサーボパターンの重みを徐々に変化させておくことにより、当該継ぎ目の重複部分においては、記録再生ヘッドが一のサーボトラックに追従している間徐々に当該サーボトラックを構成するサーボパターンの重みが減少してゆき、他方これと回転角度的に重複した、乗り移るべき他のサーボトラックを構成するサーボパターンの重みが逆に徐々に増加するように書き込んでおけばよい。その結果継ぎ目部分におけるヘッドの乗り換えがスムーズに行なわれるようになり、更に安定的なトラッキングサーボが可能となる。
このような構成により、サーボトラック書き込み時、サーボトラックライタのスピンドルモータのNRRO等が原因のサーボトラックの段差による影響を実質的に小さく抑えることが可能であり、且つ、上記重複部分はサーボトラック一周分のうちの一部分であるためサーボトラック書き込み時間の増加分は最小限に抑えることが可能である。その結果位置決め精度が向上し、信頼性の高い磁気ディスク装置を実現できる。
以下、本発明の各実施例の詳細について図と共に説明する。
尚、説明にあたり、従来技術との差異を明確とするため、比較の目的でまず従来技術についての説明を行なう。
図2は極一般的なサーボトラック書き込みの様子を示す。ここでサーボトラック書き込みは反時計回りになされ、点Q1で書き始めて点Q2にて書き終わる。サーボトラック書き込みは実際には磁気信号のバーストパターンPa,Pbにより行なわれる。尚、ここでは反時計回りに書き込んでゆくと述べたが、実際には周知の如く回転するのはディスク状記録媒体の方である。したがって実際にはディスク状記録媒体が時計回りに回転することにより書き込みヘッドが相対的に反時計回りにディスク状記録媒体上を移動することになる。以下同様である。
図4Aはこの場合の、書き込みヘッド1a、1bによる書き込みの様子を示す。即ち先ずヘッド1aによりヘッド進行方向右側のバーストパターンPaが書き込まれ、次にヘッド1bにて左側のバーストパターンが書き込まれる。その際、図4Bに示す如く、先ずヘッド1aにてパターンPaが書き込まれ、その後ヘッド1bにてパターンPbが書き込まれ、その後同じヘッド1bにてパターンPa左側部分であるPaeが消去される。このようにして形成されたパターンPbの右縁PboとパターンPaの左縁Paoとが当該トラックの中心Tcを成す。
図2に戻り、このようにして順次バーストパターンを書き込むことによって書かれたサーボトラックは、上述の如くサーボトラックライタのスピンドルモータのNRRO等により、図2に示す如くディスク状記録媒体の回転軸がずれることにより、書き始めのトラック中心点Q1と書き終わりのトラック中心点Q2とが合致しなくなることがある。即ちこのようにして書かれたサーボトラックは正確な同心円ではなく、そのため書き始めと書き終わりとの間の継ぎ目に段差が生ずる。
図3はこの問題点を解決するための方法の例を示す。この場合同じトラックを書き込むのに複数回の書き込みを行なう。この場合当該複数回の書き込みにおけるNRRO等による回転軸振れによるトラック中心の振れは一般的にランダムなために各周回毎の軸振れの方向はランダムとなる。したがって当該複数周回の書き込みによるトラック中心の平均を検出してサーボトラッキングを行えば、上記軸振れによる継ぎ目の段差による影響を効果的に低減可能である。
即ち図3,図5A、図5Bにおいて、最初の周回ではヘッドは1a、1bの位置であり、これにより上記の図2,図4A,図4Bと共に説明した動作にてバーストパターンPa,Pbが書き込まれる。その後次の周回では上記ヘッド位置が回転軸振れによってずれ、その結果同じヘッド1a’、1b’にてバーストパターンPa’、Pb’が書き込まれる。この場合、2回目の周回で上記軸振れによるトラック中心のズレ、即ち図3中の点Q2と点Q2’との間のズレ、或いはQ3,Q3’の間のズレが生ずる。
そして当該ディスク状記録媒体をディスク装置に組み込み後にトラッキングサーボ制御を行なう際、これらの平均の位置、即ち図3中、点Q2c、Q3cを検出して制御を行なう。その結果軸振れによる継ぎ目の段差による影響は半分に低減される。しかしながらこの方法の場合一つのサーボトラックを書き込む毎に2週回の書き込みを行なうため、2倍の時間を要することになる。
図6は本発明の一実施例によるサーボトラック書き込み方法を示す。この場合、サーボトラックは回転角度θ1の位置から開始し、反時計回りに一周回書き込んだ後、更に角度Δθ分重複して書き込み、角度θ2の位置で書き終わる。そして最後のθ1からθ2迄のΔθ分を書き込む際には上記分割ライト法式を適用する。
ここで分割ライト法式について説明する。通常の書き込みの場合図4Aに示す如くパターンPa,Pbの各々のトラック方向に沿った書き込み幅をSaとする。これに対して分割ライト法式適用の場合、図5Aに示す如く、例えば最初の周回の際には通常の書き込み幅の前半分のSa分を書き込み、次の周回の際に後ろ半分のSa’分を書き込む。その結果最終的に得られる書き込み幅は通常の場合と同一の幅となる。このように複数周回に亘ってサーボパターンを書き込む際、通常書き込み幅をその書き込み周回数分に分割し、各周回毎にその分割幅分を順次書き込む方式を分割ライト法式と称する。
当該分割ライト法式を適用することにより、サーボパターンを読取る際のゲート時間幅を通常書き込みの場合と同一とすることが可能であり、分割ライト法式適用の場合であってもサーボ制御の複雑化を防止可能である。
図6に示す本発明の実施例では、図3に示す場合と異なり、トラック一周全周分について複数回書き込むのではなく、継ぎ目付近のΔθの角度分のみ重複して書き込み、それ以外の角度部分については一回の書き込みしか行なわない。このように本発明の実施例によればサーボトラックライタのスピンドルモータのNRRO等による回転軸振れの影響が最も顕著な継ぎ目部分においてのみ複数周回に亘る重複した書き込みを行なうため、NRRO等による軸振れの影響を効果的に抑制可能であり、且つサーボトラック書き込みに要する時間の増加分を最小限に抑えることが可能である。
図7は本発明の他の実施例によるサーボトラック書き込み方法について示す。この実施例では図6と共に説明した実施例同様に継ぎ目部分のΔθの角度部分についてのみ複数回に亘る分割ライト法式を適用する。但し、図6の場合と異なるのは、分割ライトの場合の一回目の周回におけるパターン書き込み幅を徐々に増加してゆき、他方、重複書き込み時(2回目)には逆にパターン書き込み幅を徐々に減少させる。そして各セクタにおける1回目と2回目の周回による書き込み幅の合計Sa+Sa’は常に一定となるようにされ、更にその値は上記範囲外、即ち分割ライト法式不適用部分の各セクタの単一周回による書き込み幅Saと等しくなるように設定される。
例えば第1の周回の最初のセクタg1におけるパターンPaの書き込み幅は非常に狭く、これを反時計回りに進んでゆくにしたがって徐々に増加させ、重複部分の最後のセクタg2ではかなり広い幅となっている。逆に2回目の周回の際には重複部分の最初のセクタg1ではパターンPa’の書き込み幅は広いが、最後のg2ではかなり狭くなっている。その結果重複部分Δθの範囲内においてパターンPaとパターンPa’との合計書き込み幅Sa+Sa’は常に一定とされ、それは上記範囲外、即ち分割ライト法式不適用部分の各セクタの単一周回による書き込み幅Saと等しい。その結果上記の如くサーボ制御の際のサーボパターン読みとりの際のゲート時間幅を一定としてサーボ制御の複雑化を防止することが可能である。
即ち、この方法は、特に本発明の各実施例のように各トラックの一周分を構成するセクタのうち、一部のみ分割ライト法式を適用し、他の部分は単一周回による書き込み方式を適用する方法の場合、制御の複雑化防止のために有効である。
又図7に示す如く一回目の周回による書き込み幅と二回目の周回による書き込み幅との重みを徐々に変化させる方式によれば、以下の特有の効果を得る事が出来る。即ち、図7において、サーボパターン読みとりの際、重複部分Δθの最初の角度位置θ1では2回目の周回にて書き込まれたパターンPa’、Pb’の重みが大きい。したがって一回目の周回にて書き込まれたパターンPa,Pbによって成るトラック中心Tcより二回目の周回にて書き込まれたパターンPa’、Pb’によって成るトラック中心Tc’に近い位置がトラック中心として検出されることとなる。これが重複範囲Δθ内を反時計方向に進むにつれて徐々に一回目の周回にて書き込まれたパターンPa,Pbの書き込み幅の重みが大きくなるため、それらのパターンより成るトラック中心に近い側の位置がトラック中心として検出されるようになる。
このように1回目と2回目の周回にて書き込まれたサーボパターンの合成から検出されるトラック中心Tccは重複範囲Δθの最初のθ1の角度位置から最後のθ2の角度位置に至るまでに徐々に、2回目の周回にて書き込まれたパターンのトラック中心Tc’に近い側から1回目の周回にて書き込まれたパターンのトラック中心Tcに近い側へと移動する。その結果2回の周回にて書き込まれたパターンの合成によるトラック中心が描く軌跡において、当該重複部分Δθの両端θ1,θ2付近(即ち継ぎ目部分)において発生する実質的段差量を効果的に削減可能である。したがって検出されるトラック中心が描く軌跡はより滑らかなものとなり、もってより安定的なトラッキングサーボ制御を実現可能となる。
次に図8乃至10と共に分割ライト法式適用の際の書き込み順序を異ならせた実施例について説明する。図8乃至図10の各々例では、書き始めの位置θ1からパターンPa,Pbを書き込み始め、同様にして一周分順次パターンを書き込んだ後再び書き始め位置θ1に至る。その後引き続き上記の如く重複してパターンPa’,Pb’を書き込んでゆき、Δθ分重複して書き込んだ後、θ2の位置で書き終わる。
この場合、重複部分Δθにおいては上記の如く分割ライト法式が適用され、最初に書き込んだパターンPa,Pbと、重複して書き込んだパターンPa’、Pb’とによる分割書き込みがなされる。その際、1周目のパターンPa,Pbの後方、即ち時間的に後に読み出されることになる方に2周目のパターンPa’、Pb’が書き込まれる。これに対して図9の例では1周目のパターンPa,Pbの前方、即ち時間的に先に読み出されることになる方にに2周目のパターンPa’、Pb’が書き込まれる。又図10の例では、一方では一周目のパターンPaの前方に2周目のパターンPa’が書き込まれ、他方、では一周目のパターンPbの後方に2周目のパターンPb’が書き込まれる。
このように、分割ライト法式適用の際、各周回毎に分割して書き込むパターンの順序は任意に選択可能である。但し、サーボ制御の際にこのように書き込まれたサーボパターンの信号を読み取る際の信号読み取り精度を鑑みた場合、図9の例の如く、最初に読み出される部分を後に書き込むことが望ましい。即ち、一般にサーボトラックライタにてサーボパターンを書き込む際、その書き出し部分の立ち上がりに多少の時間を要する。そのため、書き出し部分の信号に比して、既に安定化された後半の部分の方が書き込み精度が向上する傾向にある。そのため、図9の例の如く1周目にPa、Pbを書き込み、2周目のパターンPa’,Pb’を書き込む際には当該2周目のパターンPa’、Pb’の後半部が1周目のパターンPa,Pbの書き出し部分に重なるように上書きする。その結果1周目の書き出し部分の不安定な信号部分は2周目の後半部分の安定化された信号部分で上書きされ、これら1周目と2周目のパターンの合成された合成パターンにおいては信号の不安定な部分を最小限に減らすことが可能となる。
これに対して書き込み順序が逆の場合は一周目で書き込まれた後半の良好な部分が2周目の前半の不良部分で上書きされることとなり、結果的に全体として不良な部分がより多く残ることになる。
次に図11A乃至11D,図12A及び12B,図13A及び13B,図14A乃至14Cと共に、このようにしてサーボトラックが書き込まれたディスク状記録媒体をディスク装置に組み込み、上記の如くに書き込まれたサーボパターンを利用してトラッキングサーボ制御を行う際のサーボパターン信号読み取りの様子について説明する。
図11Aはサーボパターン(サーボバースト)信号読み取りの際のバーストゲート信号のタイミングチャートを示す。又図11Bは上記の如くディスク状記録媒体に書き込まれたサーボパターンPa,Pbをディスク装置の読み取りヘッド10にて読み取る際の様子を示す。又、図11C,11Dは、夫々、図11Bにおいて読み取りヘッド10が正しくトラック上を追従している場合(10(2))と、パターンPb側に偏って追従している場合(10(1))の各々の場合について得られるサーボ信号の状態を示す。
図示の如く、図11C示す正しくトラックに追従している際にはヘッド10がパターンPa,Pbの夫々について等しく信号を読み取るため、その結果得られるサーボ信号の振幅は、バーストゲートA信号にて取り込まれる前半部とバーストゲートB信号にて取り込まれる後半部とが等しくなる。他方、図11Dに示す偏ってトラックに追従している際にはヘッド10がパターンPbの側に寄っているため、パターンPaについてよりもパターンPbについて、より強くパターン信号を検出することとなる。その結果、同図に示す如く、バーストゲートA信号にて取り込まれる前半部に比してバーストゲートB信号にて取り込まれる後半部の検出振幅が大きくなる。このようにしてヘッド10で読み取られるサーボ信号により、ヘッドが正しくトラッキングしているか、或いは左右どちらかに偏っているかを検出可能である。
図12A,12B、図13A,13Bと共に、前述の如くサーボトラックライタのスピンドルモータのNRRO等による回転軸振れの影響を平均化する目的で、各サーボトラックを書き込む際に複数周回に渡って重複して書き込む場合の問題点について説明する。図12A,12Bは図11A乃至11Dと共に上述した如くの一般的なサーボパターン読み取りの際使用されるバーストゲート信号について示す。これに対して図13A,13Bは、上記の如く複数周回に亘ってパターンを書き込む際、上記の如く分割ライト法式を適用せず、図12A,12Bに示す通常の幅のパターンPa,Pb,Pa’、Pb’を2周回に亘って書き込んだ場合の例を示す。このように通常の幅にて重複してパターンを書き込んだ場合、これを読み取るディスク装置のバーストゲート信号も対応して重複して発生する必要が生じ、その結果サーボ制御が複雑化する。
図14A乃至14Cは上記重複書き込みに分割ライト法式を適用した場合についての本発明の実施例による位置誤差検出方法について示す。即ち、上記の如く2周回にて書き込まれるパターンPa,Pa’、Pb,Pb’の各々のトラック方向に沿った幅を調整し且つ両者を前後に連続して書き込み、その連続したパターンの合計の幅が通常の重複無しの書き込み時のパターン幅と等しくなるようにする。その結果これを読み取る際に使用されるバーストゲート信号は従来の重複無しの場合のバーストゲート信号と同様のものをそのまま適用可能となる。
ここで、図14Bに示す如くのパターンを読み取りヘッド10にて読み取る場合について説明する。この場合、図11A乃至11Dと共に上述の如く、ヘッド10はバーストゲートA信号のハイレベル中にパターンPa,Pa’を読み取る。尚、一般に読み取りヘッド10とサーボパターンとが互いに重複する面積に比例する振幅のサーボ信号が得られ、この場合図14Cに示すごとくのサーボ信号が得られる。即ち、図14Bの場合、1周目に書き込まれたパターンPa,Pbによるとラック中心Tc上をトレースしており、そのため、これらパターンPa,Pbについてのサーボ信号中、a1,a3の部分は等しい振幅を有する。これに対して2周目に書き込まれたパターンPa’、Pb’よりなるトラック中心Tc’に対しヘッド10はPb’側に偏っているため、Pb’についての検出振幅a4の方がPa’に対する検出振幅a2より大きくなる。
そしてこの場合、実際のトラッキングサーボ制御は、例えばバーストゲートA信号による検出信号a1,a2の面積(積分値)と、バーストゲートB信号による検出信号a3,a4の面積(積分値)とを比較することによってなされる。即ち図14Cの場合、バーストゲートAによる積分値よりバーストゲートBによる積分値の方が明らかに大きいため、ヘッドがPb,Pb’側に偏っていることが容易に検出され得る。逆に、両者の積分値が一致した際には正しくトラッキングが行なわれていると判断される。
このようにディスク装置のトラッキングサーボ制御において、分割ライト法式適用の際、読み取りヘッド10にて検出されたサーボパターン信号の強さに加えてその持続時間をも利用することが可能である。その結果、サーボパターンを書き込む際に図7と共に説明した如くバーストパターンのトラック方向に沿う書き込み幅を変えることにより、サーボ信号読み取りの際に分割ライト法式で書き込まれたパターンの合成のトラック中心として判断される位置を任意に調整可能である。その結果、図7と共に説明した如く、複数周回毎に書き込むパターンの重みを徐々に変化させることによりトラック継ぎ目の段差の影響を効果的に低減可能となる。
このように本発明の実施例によれば、サーボトラック書き込み時のスピンドルモータのNRRO等が原因で生じるサーボトラックの継ぎ目の段差を抑制して滑らかに接続されるようにし、且つ短時間でサーボトラックを書き込めるため、トラッキングサーボ制御の際の位置決め精度が向上し、信頼性の高い磁気ディスク装置を実現できる。
尚、上記サーボトラック書き込みを実行する装置であるサーボトラックライタはコンピュータ制御のものとして実現可能であり、その際、上述の実施例として説明したサーボトラック書き込み方法を実施するためのプログラムを用意しておき、これを上記コンピュータに読み込ませることにより当該装置を上記プログラムに従って動作させ、もって所望のサーボパターンPa,Pb,Pa’、Pb’をディスク状記録媒体に書き込ませるよう構成することが可能である。
又、上記実施例として説明した各サーボパターンPa,Pb,Pa’、Pb’は振幅検出方式によるパターンとして説明したが、図31Bと共に後述する如く、上記位相検出方式によるパターンとすることも可能である。
又、図6,7等に示す「重複部分」Δθは一周分のサーボトラック中で必ずしも一箇所である必要は無く、一周分のサーボトラックを複数の角度部分に分割し(図3参照)、それらの継ぎ目毎に上記「重複部分」を設ける等の方法によって一周のサーボトラック中に複数箇所も受けても良い。
又、図32A,32Bと共に後述する如く、サーボトラックライタのスピンドルモータのNRRO等により一周分のサーボトラックの継ぎ目に生ずる段差の大きさに応じて上記「重複部分」Δθを構成するセクタ数を増減するようにしてもよい。即ち上記段差が大きい場合には重複部分を構成するセクタ数を多くし、もって重複部分Δθを大きくし、他方段差が小さい場合には重複部分を構成するセクタ数を少なくする。このように段差の大きさに応じて重複部分を増減することにより、段差が小さいときには重複部分を小さくすることでサーボトラックの書き込みに要する時間を短縮可能であり、サーボトラック書き込み工程の効率化が可能である。
図15は、本発明の一実施例によるハードディスク装置の概略構成を示す平面図である。同図に示す如く、本ハードディスク装置は記録媒体であるディスク状メディア(ハードディスク:磁気ディスク)110、これを回転駆動するスピンドルモータ120、当該メディア110に情報を書き込み、或いはメディアに記録された情報を読み取る磁気ヘッド130、アームの回動動作によってこのヘッド130をメディア110の径方向に移動するアクチュエータアームアッセンブリ140、このアクチュエータアッセンブリの回動動作を制御するための磁気回路160を有する。
図16は図15に示すハードディスク装置の制御系のブロック構成を示す。制御系は磁気ヘッド130でメディア110から読み取られた信号を増幅するプリアンプ171、増幅された再生信号を処理してサーボ情報をデータ信号とに分離し、サーボ情報をサーボコントローラ176に送り且つデータ信号をハードディスクコントローラ174に送るリードチャネル回路175、データ信号に所定の処理を施してホスト装置200に送るハードディスクコントローラ174、検出サーボ情報を基にアクチュエータアームアッセンブリ140を制御するVCMドライバに対する制御信号を生成し且つスピンドルモータ120を制御するSPMドライバに対する制御信号を生成するサーボコントローラ176、上記制御信号に基づいてVCM(ボイスコイルモータ)160を介してアクチュエータアームアッセンブリ140の動作を制御するVCMドライバ172、並びにスピンドルモータ120を介してメディア110の回転制御を行うSPMドライバ173よりなる。
次に上記リードチャネル回路175を構成するサーボ復調器175Bの動作について詳細に説明する。尚、最初に一般的なサーボ復調器の動作について図17と共に説明する。磁気ヘッド130で読み取られたサーボ信号はプリアンプ171で増幅されリードチャネル回路175のサーボ復調器に入力される。入力されたサーボ信号はAGC(自動利得制御増幅器)501に入力され、そこで信号の振幅が一定に修正される。このAGCの機能は磁気ヘッド、ディスク状メディアの特性、ヘッド浮上高さのばらつき、ディスク状メディアのインナー、アウターゾーンの別による記録密度の違い等によるヘッド出力の変動による問題点の発生を未然に防止するためのものである。
このAGC501の出力はCTF(コンティニュアス・タイム・フィルタ)502に入力され、ここでヘッド出力に含まれる不要な高域成分の調整等が行われ、もって後段の検出器が適切に検出動作実行可能にする。次にCTF502の出力はADC(AD変換器)503に入力される。ここでは入力信号を離散化し、量子化し、後段での処理を数値計算可能とする。次に信号はFIR(有限インパルス応答フィルタ)504にて波形整形され、後段の検出器が適切に検出動作可能なように処理を行なう。
次に信号はサーボデータ検出器505に入力され、ここで入力信号が1,0のビットストリームに変換される。サーボデータ検出器505で得られたビットストリームはサーボマークデコーダ506にてデコードされてサーボマークが検出される。サーボマークはサーボパターンを復調するための同期パターンとして使用され、この情報は後述するサーボグレイコードデコーダ507、サーボセクタデコーダ508、サーボバースト復調器509等において同期を取るために使用される。
サーボグレイコードデコーダ507ではサーボデータ検出器505からのビットストリームをデコードしてグレイコードを検出する。又サーボセクタデコーダ508ではサーボデータ検出器505からのビットストリームをデコードしてサーボセクタ番号を検出する。又、サーボバースト復調器509ではサーボマークデコーダ506からのサーボマーク検出信号を基準タイミングとしてADC503の出力信号からサーボバースト信号を復調する。又サーボコントローラインタフェース510はサーボマークデコーダ506、サーボグレイコードデコーダ507、サーボセクタデコーダ508、並びにサーボバースト復調器509から得られた情報をサーボデータとしてサーボコントローラ176に送出する。
次に本発明の実施例によるディスク装置におけるサーボ復調器175Bの構成について説明する。尚、以下に説明する実施例では図6乃至図8と共に説明したサーボパターン重複書き込み部分Δθとそれ以外の部分とで復調方式を異ならせる構成を有する。上述の如く重複書き込み部分Δθではサーボパターンが複数周回に亘って書き込まれる(分割ライトされる)。このようにして書き込まれたサーボパターンを読み取る場合、図14A乃至14Cと共に説明した如く異なる周回にて書き込まれたサーボパターンPa,Pa’を共通の単一のバーストゲートパルス(バーストゲートA)にて読み取る方法を説明した。しかしながら、この方法に限られず、これら異なる周回に分けて分割ライトされたサーボパターンPa,Pa’等に対して夫々別個のバーストゲートパルスを割り当て、夫々のバーストデートタイミングで個別に読み取ることもまた可能である。以下に説明する各実施例はそのような方式を採用したものである。
図18A乃至18Dに示す実施例は、各サーボセクタに所定の復調モード指定用情報、即ち図18A、18Cにおいて「重複書込み:不適用」、「重複書込み:適用」として示された情報を挿入するものである。この実施例を適用する場合、図19に示す如く、サーボ復調器において復調モードデコーダ511を設け、これにより受信信号から上記復調モード指定用情報が読み取られ、その結果に応じ、「重複書込み:不適用」の場合は図18Bに示す如く各バーストゲートパルスとして通常の「一回書き」によって書き込まれたサーボパターン(例えば図2、図4Aに示すパターンPa、Pb)読み取り用のバーストゲートパルスが発生され、これによりサーボバースト復調器509にて図11A乃至11Dと共に説明した如くの原理で受信信号からサーボパターンが検出される。
他方「重複書込み:適用」の場合には図18Dに示す如く各バーストゲートパルスは上記の「複数周回による書き込み」によって書き込まれたサーボパターン(例えば図3、図4Bに示すパターンPa、Pb、Pa’,Pb’)読み取り用のパルスが発生される。この場合図示の如く、図18Bのゲートパルスに対して周期が半分で発生個数が倍のパルスが適用される。即ち、図14A乃至14Cと共に説明した場合と異なり、上記各サーボパターンPa、Pb、Pa’,Pb’の各々に対応するパルス幅を有するゲートパルスA,A’,B,B‘が対応するサーボパターン読み取りに適用される。尚、図18A乃至18Dに示す例ではサーボパターンが例えば図31Aにて示した如く上記二組のPa,Pb,Pa’、Pb’に加え、更に二組のPc,c’、Pd,Pd’が加えられ計4組書き込まれる。
図20A乃至20Dに示す実施例では既存のサーボマークを上記復調モード判定用の情報として利用する。即ち予めサーボセクタ毎に適用すべき復調モードによってサーボマークの種類を区別して選定しておき、復調時はこれを検出して適用すべき復調モードを判定する。この場合図20に示す如くサーボ復調器においては特に別途復調モードデコーダを設ける必要はなく、既存のサーボマークデコーダ506にてデコードして得られたサーボマーク情報から該当するサーボマークの種類を検出し、それによって適用すべき復調モードを認識するものである。そしてその認識結果がサーボマークデコーダ506からサーボバースト復調器509に送られ、サーボバースト復調器509にて、その認識結果に応じて図20B又は図20Dにて示されるバーストゲートパルスを適用し、これによって上記実施例同様当該サーボセクタに含まれるサーボパターン情報を検出する。
又図22A乃至22Dに示す実施例では各サーボセクタに割り当てられているサーボセクタ番号を復調モード判定用の情報に利用する。この場合図23に示す如くサーボ復調器において既存のサーボセクタデコーダ508にてサーボセクタに含まれるセクタコードをデコードして得られるセクタ番号がサーボバースト復調器509に送られる。サーボバースト復調器509ではそのセクタ番号から適用すべき復調モードを判断し、その判断結果に応じて図22B又は図22Dにて示されるバーストゲートパルスを適用し、これによって上記実施例同様にして受信信号に含まれるサーボパターン情報を検出する。
又図24A乃至24Dに示す実施例では各サーボセクタに割り当てられているサーボセクタ番号及びトラック番号の双方を復調モード判定用の情報に利用する。この場合図25に示す如く、サーボ復調器では、サーボセクタデコーダ508にてセクタコードをデコードして得られたセクタ番号情報、及びサーボグレイコードデコーダ507にてトラックコードをデコードして得られたトラック番号の情報によって適用すべき復調モードを判定する。即ち上記セクタ番号、トラック番号の各情報がサーボグレイコードデコーダ507、サーボマークデコーダ508からサーボバースト復調器509に送られ、サーボバースト復調器509にて、適用すべき復調モードを判定し、その判定結果に応じて図24B又は図24Dにて示されるバーストゲートパルスを適用し、これによって上記実施例同様にして当該サーボセクタに含まれるサーボパターン情報を検出する。
図26、27は上記図24A乃至24Dと共に説明した実施例の変形例を説明するための図である。この変形例では図26に示す如くサーボ復調器に復調手順テーブル512を設け、このテーブル上でサーボグレイコードデコーダ507,サーボセクタデコーダ508の夫々で求められたトラック番号、セクタ番号をキーとして適用すべき復調モードを得る。図27は上記復調手順テーブル508が有するテーブルデータの一例を示す。
同テーブル中、番号“0”は通常の「一回書き」によるサーボパターンが適用されたサーボセクタを示し、他方番号“1”が上記「複数周回」にて書き込まれたサーボパターンが適用されたサーボセクタを示すものとする。例えばサーボグレイコードデコーダ507,サーボセクタデコーダ508にて夫々得られた該当するサーボセクタのトラック番号、セクタ番号が夫々MAX−2、MAX−4であったとした場合、図示の如くこのテーブルによって番号“0”が得られ、これがサーボバースト復調器509に供給される。上記の如く番号“0”は通常の「一回書き」によるサーボパターンが適用されたサーボセクタであるため、該当するサーボゲートパルス(図24B)を適用することとなる。
図28は上記各実施例にて適用され得るサーボバースト復調器の構成の一例を示す。この例では図示の如くサーボバースト復調器は復調タイミング選択器とサーボバースト検出器とよりなる。復調タイミング選択器は上記の如くのバースト復調モード情報(セクタ番号、トラック番号等)の入力によって該当する適用すべきバーストゲートパルス発生タイミングを選択する。そして選択したタイミングをサーボバースト検出器に送り、サーボバースト検出器では与えられたサーボ検出タイミングにてADC503の出力信号から該当するサーボセクタに書き込まれたサーボパターンを検出する。検出結果は復調位置誤差信号(PES)としてサーボコントローラインタフェース510へと送られる。
図29A,29Bは上記図25に示す実施例を適用する場合のディスク状メディア上のサーボセクタ内部の情報書き込み順序の一例について説明するための図である。図29Aに示す例では復調方式、即ち図24B、図24Dのそれぞれに示されたバーストゲートパターンのうちの何れを適用すべきかについて決定するための情報、即ちこの場合セクター番号、トラック番号を、位置決め情報、即ちバーストパターンA乃至Dよりも時間的に先に読み出される位置に配置する場合の例について示す。
又図29Bは、適用すべき復調方式を決定するための情報を、該当するセクタと異なるセクタに含める例について示す。具体的には同図では、該当するサーボセクタの一つ前のサーボセクタに、対応する情報、即ちセクタ番号、トラック番号を読取るための情報、即ちセクタコード、トラックコードを書き込んでおく。即ちこの例では、あるサーボセクタの情報を読み込んで得られた「適用すべき復調コード」は、当該サーボセクタの次に読み込むサーボセクタを復調する際に適用される。この方法は、例えば該当する情報を読み込んでその結果適用すべき復調方式を判定するのに要する時間が比較的長く、そのためその判定を待っていると同じセクタ内の位置決め情報を読み出すタイミングに間に合わなくなるような場合に特に有効である。
図30A,30Bはディスク状メディアにおける一般的なデータセクタフォーマット並びに、一トラック中のデータセクタ及びサーボセクタの配置関係の例を示す。同図に示す如く、一般にサーボセクタは複数のデータセクタ毎に設けられる。尚、図2等にて示すサーボセクタのバーストパターンは説明の便宜上誇張して描いている。即ち、実際のサーボセクタのバーストパターンは図2等に示す如くの短い間隔では存在してはおらず、図30Bに示す如く、トラック全体として見た場合には遙かに疎らに存在していることとなる。
図31Aは位置決め情報、即ち上記サーボパターンPa,Pb等を上記周知の振幅検出方式にしたがって書き込んだ例を示し、図31Bは同位置決め情報を同じく上記周知の位相検出方式にしたがって書き込んだ例を示す。両図とも図中水平方向がトラック周方向に対応し、垂直方向がディスク状メディアの径方向に対応する。即ちこれらの図では隣接する4トラック分が描かれている。
図31Aの例では例えば位置情報としてのバーストパターンPa,Pb,Pc,Pdが一周目で書き込まれ、これらと交互の位置関係にてバーストパターンPa’,Pb’,Pc’,Pd’が2周目で書き込まれる。書き込み方式の詳細については例えば図4A,4B、図5A,5Bと共に上述したものが適用される。
図31Bの例でも上記同様位置情報としてのバーストパターンPa,Pb,Pc,Pdが一周目で書き込まれ、これらと交互の位置関係にてバーストパターンPa’,Pb’,Pc’,Pd’が2周目で書き込まれる。但しこの例は、図31Aの振幅検出方式、即ち図11A乃至11D、図14A乃至14Cと共に説明した如く、読取りヘッドとバーストパターンとの横方向の位置ズレによる検出強度、即ち検出振幅の変化によって横方向の位置ずれを検出する方法とは異なる。即ち、位相検出方式では例えば読取りヘッドと各バーストパターンPa,Pa’、...等を構成する一連のバーストパターンとの横方向の位置ずれから生ずる総合的な検出時間のズレ、即ち検出位相の変化によって横方向の位置ずれを検出する。図31Aの振幅検出方式、図31Bの位相検出方式のいずれを適用するサーボ制御システムに対しても本発明の各実施例は同様に適用可能であることは言うまでもない。
図32A,32Bは、図6乃至10等にて説明した実施例に対する変形例について説明するための図である。即ち、これらの図にて示した重複書き込み部分Δθの長さを、上記非同期振動(NRRO,ノンリピータブルランアウト)等による横方向の位置ずれ、即ち段差の大小によって増減する方法を適用する例である。
図32AはこのNRROによって発生する書き込み一周目と2周目との間の段差が大きい場合を示し、図32Bは同段差が小さい場合を示す。図32Aに示す如く段差が大きい場合には分割ライト部、即ち上記重複書き込み部分Δθを大きく設定し、この例では隣接する4個のサーボセクタについて適用し、他方、図32Bに示す如く段差が小さい場合には分割ライト部、即ち上記重複書き込み部分Δθを小さく設定し、この例では1個のサーボセクタについてのみ適用する。
この変形例によれば重複書き込み部分を一律に決めず、段差の大きさに応じて柔軟に変化させるため、必要に応じた長さ分についてのみ重複書き込みを適用することが可能となる。その結果、重複書き込み適用のよって生ずる所要総書き込み時間の増加分を最小限とすることが可能となる。
このように本発明によればサーボトラックライタにおけるNRRO等によって発生するサーボトラックの書き込み位置ずれに対し、最小限度の所要書き込み時間の増加にて、このようにサーボトラックが書き込まれたディスク状メディアの記録再生時のサーボ制御を円滑に実施可能にするサーボトラック書き込み方式、及びそのようなサーボトラック書き込みを経て製造されたディスク状メディアに対し効果的に記録再生を行なうことを可能とするディスク駆動装置の構成を提供する。
尚、本発明は上記実施例に限られず、請求の範囲に記載の範囲内で他の様々な実施形態が導出され得る。
【図1】

【図2】

【図3】



【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】





【図15】

【図16】

【図17】



【図19】



【図21】



【図23】



【図25】

【図26】

【図27】

【図28】






【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状記録媒体に対して情報を書き込み或いはディスク状記録媒体に書き込まれた情報を読み出すためのヘッドの当該ディスク状記録媒体上の位置決めのための位置決め情報を当該ディスク状記録媒体に予め書き込むための方法であって、
ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報は、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込まれる部分と一の周回のみによって書き込まれる部分とよりなることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込まれる部分は、当該複数の周回の各周回毎に書き込まれる夫々の分割部分の組み合わせよりなることを特徴とする請求の範囲1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込まれる部分のうちの当該複数の周回の各周回毎に書き込まれる夫々の分割部分は、上記ヘッドにより時間的に後に読取られるものを早い周回にて書き込むことを特徴とする請求の範囲1に記載の方法。
【請求項4】
前記位置決め情報は振幅検出方式による検出用のパターンよりなる請求の範囲1乃至3のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記位置決め情報は位相検出方式による検出用のパターンよりなる請求の範囲1乃至3のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記一周分の当該位置決め情報のうちの複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタ数は、当該位置決め情報の継ぎ目に生ずる段差の大きさによって変化させることを特徴とする請求の範囲1乃至5のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記一周分の位置決め情報のうちの複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタ数は当該位置決め情報の継ぎ目に生ずる段差が大きいほど多くし、少ないほど少なくすることを特徴とする請求の範囲6に記載の方法。
【請求項8】
前記一周分の位置決め情報のうちの複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタは、隣り合う連続セクタよりなる請求の範囲1乃至7のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記一周分の位置決め情報のうちの複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタは、各々が隣り合う連続セクタよりなる一以上の組よりなる請求の範囲1乃至7のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記一周分の位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタは、各セクタ長が該一周分の経路の書き初め部分では徐々に増加し、書き終わり部分では徐々に減少する構成とし、もってその合計が、分割されずに一周回にて書き込まれる部分のセクタ長と同様となる構成の請求の範囲1乃至9のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項11】
予めディスク状記録媒体上に書き込まれた位置決め情報を利用し、該ディスク状記録媒体に対して情報を書き込み或いはディスク状記録媒体に書き込まれた情報を読み出す方法であって、
ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報が、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込まれる部分と一の周回のみによって書き込まれる部分とよりなるディスク状記録媒体に対し、当該位置決め情報を利用して記録再生ヘッドの位置決めをする際に適用する復調方式は、上記複数の周回によって書き込まれる部分と一の周回のみによって書き込まれる部分とで同一とする方法。
【請求項12】
予めディスク状記録媒体上に書き込まれた位置決め情報を利用し、該ディスク状記録媒体に対して情報を書き込み或いはディスク状記録媒体に書き込まれた情報を読み出す方法であって、
ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報が、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とよりなるディスク状記録媒体に対し、当該位置決め情報を利用して記録再生ヘッドの位置決めをする際に適用する復調方式を、上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とで異なる方式を適用するように切り替えを行なう方法。
【請求項13】
上記復調方式の切替は、上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別可能なように予め書き込まれた所定のサーボパターンを読み取ることで行なう請求の範囲12に記載の方法。
【請求項14】
上記復調方式の切替は、上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別可能なようにトラック或いはセクタコードの一部に予め書き込まれた所定の情報を読み取ることで行なう請求の範囲12に記載の方法。
【請求項15】
上記復調方式の切替は、予め書き込まれたセクター番号を利用して上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別することによって行なう請求の範囲12に記載の方法。
【請求項16】
上記復調方式の切替は、予め書き込まれたセクター番号及びトラック番号を利用して上記複数の周回によって書き込まれる部分と一の周回のみによって書き込まれる部分とを区別することによって行なう請求の範囲12に記載の方法。
【請求項17】
上記復調方式の切替を、予め書き込まれたセクター番号及びトラック番号を利用して上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別することによって行なう際、予め設けられたセクター番号及びトラック番号と、適用すべき復調方式との対応関係表を使用して行なう請求の範囲16に記載の方法。
【請求項18】
上記復調方式の切替を、予め書き込まれたセクター番号及びトラック番号を利用して上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別することによって行なう際、予め設けられたセクター番号及びトラック番号と適用すべき復調方式との対応関係表を使用して行なう方法において、当該ディスク状記録媒体においては予め書き込まれたセクター番号及びトラック番号は上記復調の際、上記位置決め情報より早い段階にて読み取られる位置に書き込まれているものとされた請求の範囲17に記載の方法。
【請求項19】
ディスク状記録媒体に対して情報を書き込み或いはディスク状記録媒体に書き込まれた情報を読み出すためのヘッドの当該ディスク状記録媒体上の位置決めのための位置決め情報を当該ディスク状記録媒体に予め書き込むための装置であって、
ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報は、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込む部分と一の周回のみによって書き込む部分とよりなることを特徴とする位置決め情報書き込み装置。
【請求項20】
前記位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込む部分は、当該複数の周回の各周回毎に書き込む夫々の分割部分の組み合わせよりなることを特徴とする請求の範囲19に記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項21】
前記位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込む部分のうちの当該複数の周回の各周回毎に書き込む夫々の分割部分は、上記ヘッドにより時間的に後に読取られるものを早い周回にて書き込むことを特徴とする請求の範囲19に記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項22】
前記位置決め情報は振幅検出方式による検出用のパターンよりなる請求の範囲19乃至21のうちのいずれかに記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項23】
前記位置決め情報は位相検出方式による検出用のパターンよりなる請求の範囲19乃至21のうちのいずれかに記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項24】
前記一周分の当該位置決め情報のうちの複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタ数は、当該位置決め情報の継ぎ目に生ずる段差の大きさによって変化させることを特徴とする請求の範囲19乃至23のうちのいずれかに記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項25】
前記一周分の当該位置決め情報のうちの複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタ数は当該位置決め情報の継ぎ目に生ずる段差が大きいほど多くし、少ないほど少なくすることを特徴とする請求の範囲24に記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項26】
前記一周分の当該位置決め情報のうちの複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタは、隣り合う連続セクタよりなる請求の範囲19乃至25のうちのいずれかに記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項27】
前記一周分の当該位置決め情報のうちの複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタは、各々が隣り合う連続セクタよりなる一以上の組よりなる請求の範囲19乃至26のうちのいずれかに記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項28】
前記一周分の位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込まれる部分を構成するセクタは、各セクタ長が該一周分の経路の書き初め部分では徐々に増加し、書き終わり部分では徐々に減少する構成とし、もってその合計が分割されずに一周回にて書き込まれる部分のセクタ長と同様となる構成の請求の範囲19乃至27のうちのいずれかに記載の位置決め情報書き込み装置。
【請求項29】
予めディスク状記録媒体上に書き込まれた位置決め情報を利用し、該ディスク状記録媒体に対して情報を書き込み或いはディスク状記録媒体に書き込まれた情報を読み出す装置であって、
ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報が、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込まれる部分と一の周回のみによって書き込まれる部分とよりなるディスク状記録媒体に対し、当該位置決め情報を利用して記録再生ヘッドの位置決めをする際に適用される復調方式を、上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とで同一とする情報記録再生装置。
【請求項30】
予めディスク状記録媒体上に書き込まれた位置決め情報を利用し、該ディスク状記録媒体に対して情報を書き込み或いはディスク状記録媒体に書き込まれた情報を読み出す装置であって、
ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報が、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とよりなるディスク状記録媒体に対し、当該位置決め情報を利用して記録再生ヘッドの位置決めをする際に適用される復調方式は、上記複数の周回によって書き込まれる部分と一の周回のみによって書き込まれる部分とで異なる方式を適用するように切り替えを行なう情報記録再生装置。
【請求項31】
上記復調方式の切替は、上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別可能なように予め書き込まれた所定のサーボパターンを読み取ることで行なう請求の範囲30に記載の情報記録再生装置。
【請求項32】
上記復調方式の切替は、上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別可能なようにトラック或いはセクタコードの一部に予め書き込まれた所定の情報を読み取ることで行なう請求の範囲30に記載の情報記録再生装置。
【請求項33】
上記復調方式の切替は、予め書き込まれたセクター番号を利用して上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別することによって行なう請求の範囲30に記載の情報記録再生装置。
【請求項34】
上記復調方式の切替は、予め書き込まれたセクター番号及びトラック番号を利用して上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別することによって行なう請求の範囲30に記載の情報記録再生装置。
【請求項35】
上記復調方式の切替を、予め書き込まれたセクター番号及びトラック番号を利用して上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別することによって行なう際、予め設けられたセクター番号及びトラック番号と適用すべき復調方式との対応関係表を使用して行なう請求の範囲34に記載の情報記録再生装置。
【請求項36】
上記復調方式の切替を、予め書き込まれたセクター番号及びトラック番号を利用して上記複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とを区別することによって行なう際、予め設けられたセクター番号及びトラック番号と適用すべき復調方式との対応関係表を使用して行なう方法において、当該ディスク状記録媒体においては予め書き込まれたセクター番号及びトラック番号は上記復調の際、上記位置決め情報より早い段階にて読み取られる位置に書き込まれているものとされた請求の範囲34に記載の情報記録再生装置。
【請求項37】
情報を書き込むためのディスク状記録媒体であって、
当該ディスク状記録媒体に情報を書き込む或いは書き込まれた情報を読み出すための記録再生装置の記録再生ヘッドの当該ディスク状記録媒体上の位置決めのための位置決め情報が書き込まれており、
ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報は、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込まれた部分と一の周回のみによって書き込まれた部分とよりなることを特徴とするディスク状記録媒体。
【請求項38】
前記位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込まれた部分は、当該複数の周回の各周回毎に書き込まれた夫々の分割部分の組み合わせよりなることを特徴とする請求の範囲37に記載のディスク状記録媒体。
【請求項39】
前記位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込まれた部分のうちの当該複数の周回の各周回毎に書き込まれた夫々の分割部分は、上記ヘッドにより時間的に後に読取られるものを早い周回にて書き込まれていることを特徴とする請求の範囲37に記載のディスク状記録媒体。
【請求項40】
ディスク状記録媒体に対して情報を書き込み或いはディスク状記録媒体に書き込まれた情報を読み出すためのヘッドの当該ディスク状記録媒体上の位置決めのための位置決め情報を当該ディスク状記録媒体に予め書き込むための方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
ディスク状記録媒体の一周分の当該位置決め情報は、その一周分の経路に沿って、複数の周回によって書き込む部分と一の周回のみによって書き込む部分とよりなることを特徴とするプログラム。
【請求項41】
前記位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込む部分は、当該複数の周回の各周回毎に書き込む夫々の分割部分の組み合わせよりなることを特徴とする請求の範囲40に記載のプログラム。
【請求項42】
前記位置決め情報のうちの前記複数の周回によって書き込む部分のうちの当該複数の周回の各周回毎に書き込む夫々の分割部分は、上記ヘッドにより時間的に後に読取られるものを早い周回にて書き込むことを特徴とする請求の範囲1に記載のプログラム。

【国際公開番号】WO2005/013277
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507376(P2005−507376)
【国際出願番号】PCT/JP2003/009665
【国際出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】