説明

ディスク収納袋

【課題】ディスク収納袋を傾けたり、下に向けてもディスクがディスク収納袋から抜け出るという問題がなく、またディスク収納袋に収納されているディスクにごみが付着しにくく、さらにディスク収納袋からのディスクの取り出しを容易に行なえるようにする。
【解決手段】不織布からなるシート部11の少なくとも片面において、合成樹脂フィルムからなる半透明の一方のシート部12と、同じく合成樹脂フィルムからなる半透明の他方のシート部13とを設けてディスク収納部を形成し、前記一方のシート部12はディスク収納部のほぼ下半分を覆うとともに、前記他方のシート部13はディスク収納部のほぼ上半分を覆って、前記一方のシート部12の上端と前記他方のシート部13の下端を互いにオーバーラップさせ、このオーバーラップ部分を開閉自在に構成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD(コンパクトディスク)などのディスク類を保存するために収納するディスク収納袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CDを保存するために収納するディスク収納袋としては、例えば図9に示すように構成されたものが知られている。
【0003】この従来のディスク収納袋は、裏側に位置し不織布からなるシート部1と、表側に位置しポリプロピレンなどの合成樹脂フィルムからなるシート部2とを上端以外の左右両側および下端においてヒートシールにて接合させ、上端開口部3よりCD4の出し入れを行なうように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のディスク収納袋は上端が開口したままであるので、ディスク収納袋が傾いたとき、あるいは下向きになったときにディスク収納袋に収納されているCD4がディスク収納袋から抜け出るという問題があった。また、ディスク収納袋は上端が開口したままであるので、内部にごみが侵入し易く、内部に収納されているCD4にごみが付着し易いという問題があった。さらに、ディスク収納袋からCD4を取り出すとき、ディスク収納袋からCD4を半分ほど飛び出させ、この状態でCD4の中心の孔部と周囲とにまたがって指を掛け、ディスク収納袋からCD4を取り出すのであるが、この場合、ディスク収納袋からCD4を半分ほど飛び出させようとしたときに、前述と同様にCD4がディスク収納袋から抜け出るという問題があった。
【0005】本発明はこのような課題を解決するもので、ディスク収納袋を傾けたり、下に向けてもディスクがディスク収納袋から抜け出るという問題がなく、またディスク収納袋に収納されているディスクにごみが付着しにくく、さらにディスク収納袋からのディスクの取り出しを容易に行なえるようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明は、不織布からなるシート部の少なくとも片面において、合成樹脂フィルムからなる透明乃至半透明の一方のシート部と、同じく合成樹脂フィルムからなる透明乃至半透明の他方のシート部とを設けてディスク収納部を形成し、前記一方のシート部はディスク収納部のほぼ下半分を覆うとともに、前記他方のシート部はディスク収納部のほぼ上半分を覆って、前記一方のシート部の上端と前記他方のシート部の下端を互いにオーバーラップさせ、このオーバーラップ部分を開閉自在に構成してなることを要旨とするものである。
【0007】以上のように、不織布からなるシート部の少なくとも片面に設けられてディスク収納部を構成する一方のシート部の上端と前記他方のシート部の下端を互いにオーバーラップさせてあるので、ディスク収納袋を傾けたり、下に向けてもディスクがディスク収納部から抜け出るという問題がなく、またディスク収納部に収納されているディスクにごみが付着しにくくなる。さらに、オーバーラップ部分を開閉自在に構成してあるので、このオーバーラップ部分を開くことによりディスクの中心の孔部と周囲とにまたがって指を掛け、ディスク収納部からディスクを容易に取り出すことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。先ず、図1〜図3に示す第1の実施の形態について説明すると、11は中間の層を形成する不織布からなるシート部、12は前記シート部11のほぼ下半分を表裏両面から覆う合成樹脂フィルムからなる半透明のシート部で、このシート部12の上端は前記シート部11の上下方向の中間よりやや上側に位置している。13は前記シート部11のほぼ上半分を表裏両面から覆う合成樹脂フィルムからなる半透明のシート部で、このシート部13の下端は前記シート部11の上下方向の中間に位置して、前記シート部12の外面に重なるように構成されている。ところで、前記シート部12はそのほぼ下半分において両側が前記中間の不織布からなるシート部11の両側にヒートシールにて接合され、このシート部12はそのほぼ上半分において両側が前記シート部11の両側に対して接合されておらずにフリーな状態となっている。また、前記シート部13はその上端が前記中間のシート部11の上端にヒートシールにて接合されているが、両側が前記シート部11の両側に対して接合されておらずにフリーな状態となっている。14はヒートシール部である。15は中間のシート部11に対する前記シート部13のヒートシール部14よりも上側でシート部13およびシート部11を貫通して形成されたファイル用の孔である。なお、前記シート部12のヒートシールされているほぼ下半分とヒートシールされていないほぼ上半分との間の中間部には折曲線16が形成され、ヒートシールされていないほぼ上半分が外側に折り曲げ易くなるように構成されている。ところで、前記シート部11,12,13の材料としてはポリプロピレンやポリエチレン,ポリプロピレンなどが使用される。
【0009】上記構成のディスク収納袋は中間のシート部11の両面にそれぞれ収納部が形成されており、何れか一方の収納部にディスク17が収納され、他方の収納部に内容説明などが印刷された紙(図示せず)が収納されるのである。
【0010】何れか一方の収納部にディスク17を収納する場合について述べると、先ず、前記シート部13を前記ヒートシール部14を折曲線として開く方向に折曲させ、その後、前記シート部12のヒートシールされていないほぼ上半分を開く方向に折曲させる。この状態でシート部12と中間のシート部11との間にディスク17を記録面が中間のシート部11側に面するように差し込み、前記シート部12およびシート部13を元の状態に閉じれば良い。他方の収納部に対する内容説明などが印刷された紙を収納する場合も同様である。何れか一方の収納部からディスク17を取り出す場合は、収納部にディスク17を収納する場合と同様に、前記シート部13を前記ヒートシール部14を折曲線として開く方向に折曲させ、その後、前記シート部12のヒートシールされていないほぼ上半分を開く方向に折曲させ、この状態でディスク17の中心の孔部と周囲とにまたがって指を掛け、シート部12と中間のシート部11との間からディスク17を取り出せば良い。
【0011】ところで、この実施の形態において、他方の収納部を構成するシート部12には前記折曲線16が形成されていなくても良い。次に、図4〜図6に示す第2の実施の形態について説明すると、この第2の実施の形態のディスク収納袋は複数枚のディスク17を同時に収納できるように中間のシート部11の両面にそれぞれ複数の収納部を備えている。即ち、ディスク収納袋の上側からは左右の収納部に対しディスク17を出し入れできるように、またディスク収納袋の下側からは中央の収納部に対しディスク17を出し入れできるように構成されており、各収納部の構成は前記第1の実施の形態と同様であるので、その詳細説明は省略する。
【0012】次に、図7および図8に示す第3の実施の形態について説明すると、この第3の実施の形態のディスク収納袋は前記第1の実施の形態のディスク収納袋の構成に加えて、表側および裏側にラベル収納部18を設けてある。他の構成は第1の実施の形態と同様である。そして、ディスク17が収納される一方の収納部側のラベル収納部18にラベル19が収納される。
【0013】なお、この第3の実施の形態のディスク収納袋も第1の実施の形態のディスク収納袋と同様に中間のシート部11の両面にそれぞれ収納部が1つづつ形成されているが、中間のシート部11の両面にそれぞれ複数の収納部を形成するようにしても良い。
【0014】ところで、以上述べた各実施の形態のシート部12,13は半透明であるが、透明であっても良い。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、不織布からなるシート部の少なくとも片面に設けられてディスク収納部を構成する一方のシート部の上端と前記他方のシート部の下端を互いにオーバーラップさせてあるので、ディスク収納袋を傾けたり、下に向けてもディスクがディスク収納部から抜け出るという問題がなく、またディスク収納部に収納されているディスクにごみが付着しにくくなる。さらに、オーバーラップ部分を開閉自在に構成してあるので、このオーバーラップ部分を開くことによりディスクの中心の孔部と周囲とにまたがって指を掛け、ディスク収納部からディスクを容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるディスク収納袋の斜視図である。
【図2】同ディスク収納袋の断面図である。
【図3】同ディスク収納袋からディスクを取り出す状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるディスク収納袋の斜視図である。
【図5】同ディスク収納袋の断面図である。
【図6】同ディスク収納袋からディスクを取り出す状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるディスク収納袋の斜視図である。
【図8】同ディスク収納袋の断面図である。
【図9】従来例におけるディスク収納袋の斜視図である。
【符号の説明】
11 シート部
12 シート部
13 シート部
14 ヒートシール部
16 折曲線
17 ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】 不織布からなるシート部の少なくとも片面において、合成樹脂フィルムからなる透明乃至半透明の一方のシート部と、同じく合成樹脂フィルムからなる透明乃至半透明の他方のシート部とを設けてディスク収納部を形成し、前記一方のシート部はディスク収納部のほぼ下半分を覆うとともに、前記他方のシート部はディスク収納部のほぼ上半分を覆って、前記一方のシート部の上端と前記他方のシート部の下端を互いにオーバーラップさせ、このオーバーラップ部分を開閉自在に構成してなることを特徴とするディスク収納袋。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図8】
image rotate


【図4】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図9】
image rotate