説明

ディスク型記憶媒体用封筒

【課題】コンパクトにディスク型記憶媒体を収納しつつも、ディスク型記憶媒体の記憶内容等のインデックス表示を可能にするディスク型記憶媒体用封筒を提供する。
【解決手段】封筒本体1と、この封筒本体1の開口縁3eに沿って形成されているフラップ片5とを有するディスク型記憶媒体用封筒である。フラップ片5中であって、開口縁3eに沿った位置に、一以上のインデックス片形成部6が形成され、このインデックス片形成部6の外周縁であって、フラップ片5の外縁を除く部分に切取り線6aが形成されている。インデックス片形成部6の外周縁であって、フラップ片5の外縁を除く部分を切取り線6aに沿って切断すると、このインデックス片形成部6はインデックス片6Iとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク型記憶媒体を収納するためのディスク型記憶媒体用封筒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスク型記憶媒体を収納するものとして、以下の特許文献1に記載されているものがある。
【0003】
この特許文献1には、ディスク型記憶媒体を収納するための樹脂製のハードケース本体と、この内部に入れるインデックスカードとを有する収納ケースが開示されている。インデックスカードには、ケース本体の外部に引き出すことが可能なインデックス片が形成されている。この収納ケースは、インデックス片がケース本体内に収まっているか否かで、ディスク型記憶媒体の使用の有無を知らせることができる。また、インデックス片は、これにディスク型記憶媒体の記憶内容等を記載することで、この記憶内容等の提示に利用できる。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3107461号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、確かに、前述したように、ユーザに、ディスク型記憶媒体の使用の有無を知らせるため、さらに記憶内容等の提示のために便利な技術である。
【0006】
ところで、ユーザからは、例えば、ディスク収納箱等に多数のディスク型記憶媒体を収納する際にはケース本体の厚みで収納数が制限されるために、また、雑誌等に添付するために、よりコンパクトな収納ケースがほしいという要望がある。
【0007】
そこで、本発明は、このような要望に応えるべく、記憶内容等のインデックス表示が可能である上に、簡単な構成でコンパクトなディスク型記憶媒体用封筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するためのディスク型記憶媒体用封筒に係る発明は、
ディスク型記憶媒体を入れることができる幅の開口が形成されている封筒本体と、該封筒本体の開口縁に沿って形成され、該開口縁を折り曲げ線として折り曲げることで該開口を塞ぐことができるフラップ片とを有し、該封筒本体及び該フラップ片がシートで形成されているディスク型記憶媒体用封筒において、
前記フラップ片中であって、前記開口縁に沿った位置に、一以上のインデックス片形成部が形成され、
前記インデックス片形成部の外周縁であって、前記フラップ片の外縁を除く部分に切取り線が形成されていることを特徴とする。
【0009】
ここで、一以上の前記インデックス片形成部は、前記開口縁の前記幅の方向の中心を避ける位置に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フラップ片に形成したインデックス片形成部を切取り線に沿って切断することで、これをインデックス片にすることができるので、ディスク型記憶媒体の記憶内容等をインデックス表示することができる。さらに、シートで封筒を形成しているため、構成及び製造工程が極めて簡単で製造コストを抑えることができると共に、その厚みを極めて薄くし、コンパクトにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係るディスク型記憶媒体用封筒の一実施形態及び各種変形例について、図面を用いて説明する。但し、本発明は、以下の説明に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々に変更できることは言うまでもない。
【0012】
まず、本発明に係るディスク型記憶装置用封筒の一実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。
【0013】
本実施形態のディスク型記憶媒体用封筒は、略正方形状でその一辺が開口している封筒本体1と、この開口の開口縁3eに沿って形成されているフラップ片5とを有する。このフラップ片5は、開口縁3eを折り曲げ線として折り曲げることで、開口を塞ぐためのものである。封筒本体1の開口の幅は、ディスク型記憶媒体Dを入れることができるように、このディスク型記憶媒体Dの直径より僅かに大きい寸法に設定されている。なお、ディスク型記憶媒体Dとしては、例えば、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、HD−DVD、青色レーザ対応DVD等があるが、ディスク型の記憶媒体であれば、以上のものに限定されていない。
【0014】
この封筒は、一枚のシートから作られている。封筒本体1は、略正方形状の背面シート片2と、これに対向し且つ背面シート片2の一辺とつながっている略正方形状の正面シート片3と、正面シート片3の互いに向かい合っている二辺のそれぞれにつながっている封止片4a,4bとを有する。各封止片4a,4bは、それぞれ、正面シート片3の境で折り曲げられ、背面シート片2に接着されている。この封筒本体1で、背面シート片2の各辺と正面シート片3の各辺とのうち、両シート片2,3をつなぐ共通の辺に対向する背面シート片2の辺2e及び正面シート片3の辺3eは、それぞれ、開口縁を形成している。フラップ片5は、この開口縁2e,3eのうち、正面シート片3側の開口縁3eに形成されている。背面シート片2には、フラップ片5を正面シート片3に対して折り曲げて開口を塞いだ際に、このフラップ片5の端部側を差し込むための切り込み2cが形成されている。
【0015】
フラップ片5には、開口縁3eに沿った位置に、二つのインデックス片形成部6,6が形成されている。このインデックス片形成部6は、開口縁3eを底辺とした等脚台形状を成している。このインデックス片形成部6の外周縁であって、フラップ片5の外縁でもある開口縁3eを除く部分には切取り線6aが形成されている。
【0016】
次に、この封筒の取扱い方について説明する。
【0017】
まず、図2に示すように、フラップ片5が開いている状態で、ディスク型記憶媒体Dを封筒本体1内に入れる。次に、開口縁3eを折り曲げ線として、フラップ片5を封筒本体1に対して折り曲げ、このフラップ片5の先端部を封筒本体1の切り込み2cに差し込む。以上で、ディスク型記憶媒体Dの収納が終了する。
【0018】
次に、必要に応じて、図1に示すように、二つのインデックス片形成部6,6のうちいずれか一方又は両方を切取り線6aに沿って、開口縁3eを除くインデックス片形成部6の外周縁をフラップ片5から切り離して、このインデックス片形成部6を正面シート片3とほぼ同一平面上に位置するように折り返す。このように、インデックス片形成部6は、フラップ片5から部分的に切り離されることにより、インデックス片6Iとなる。そして、必要に応じて、このインデックス片6Iに、ディスク型記憶媒体Dの記憶内容等を書き込む。
【0019】
以上のように、本実施形態では、シートを折り曲げて形成した封筒であっても、記憶内容等のインデックス表示を行うことができる。しかも、この封筒は、シートを折り曲げて形成したものであるから、簡単な構成である上に、その厚さは極めて薄くコンパクトなものとなる。
【0020】
次に、以上で説明したインデックス片形成部の各種変形例について説明する。
【0021】
まず、図3を用いて、インデックス片形成部の第1の変形例について説明する。
【0022】
本変形例は、多数のインデックス片形成部6,6,6,6をフラップ片5に形成したものである。具体的に、4つのインデックス片形成部6を開口縁3eに沿って形成している。ここで、注目すべき点は、封筒本体1の開口の幅方向における開口縁3eの中心Cに、いずれのインデックス片形成部6,6,6,6も存在しないことである。つまり、本発明において、インデックス片形成部6は、開口縁3eの幅方向の中心Cを避ける位置に形成されていることが好ましい。
【0023】
この理由について、図4及び図5を用いて説明する。
【0024】
仮に、図4に示すように、封筒本体1の開口の幅方向における開口縁3eの中心Cに、インデックス片形成部6が存在するとする。図5に示すように、封筒本体1内にディスク型記憶媒体Dを入れ、フラップ片5を閉じた後、このフラップ片5から、中央のインデックス片形成部6を部分的に切り離し、インデックス片6Iにすると、開口縁3eの部分のうち、このインデックス片6Iが存在している部分が、フラップ片5を閉じているにも関わらず、スリットSとなる。前述したように、開口縁3eの中心Cにインデックス片形成部6が存在する場合、ディスク型記憶媒体Dが封筒本体1内で相対的に上下すると、このスリットS内に、ディスク型記憶媒体Dの一部が入り込み、このスリットSを切り広げ、最終的には、封筒本体1からフラップ片5を切り離してしまう虞がある。
【0025】
さらに、図5に示すように、インデックス片6Iを形成すると、元々インデックス片6Iであった部分(中央のインデックス片形成部6であった部分)から、ディスク型記憶媒体Dが剥き出しの状態となる。このため、外部からの衝撃が加わった際に、ディスク型記憶媒体Dが傷付く虞がある。
【0026】
加えて、例えば、図1等から分かるように、フラップ片5の中心(開ロ縁3eの中心C)はディスク型記憶媒体Dの端部と当接することになる。つまり、ディスク型記憶媒体Dをディスク型記憶媒体用封筒に収納して持ち運ぶ(運送する)際に当該封筒内において、ディスク型記録媒体Dが上下動した場合、ディスク型記憶媒体Dの外周縁とフラップ片5の中心との当接が繰り返し発生することになる。ここで、中央にインデックス片形成部6が存在する(図4参照)と、インデックス片形成部6に設けられる切取り線6aによりフラップ片5の中心付近の強度が落ちる傾向となる。このため、上記繰り返しの当接により、場合によっては、ディスク型記憶媒体Dがインデックス片形成部6を突き破って、ディスク型記憶媒体用封筒の外部に飛び出す虞もある。
【0027】
そこで、本変形例、以上で説明した実施形態、更に以下で説明する各変形例では、開口縁3eの中心Cにインデックス片形成部6が存在しないようにして、封筒本体1内のディスク型記憶媒体Dによる、上記現象の発生を防いでいる。
【0028】
次に、図6を用いて、インデックス片形成部の第2の変形例について説明する。
【0029】
本変形例も、第1の変形例と同様に、多数のインデックス片形成部6,6b,6c,6dをフラップ片5に形成したものである。但し、本変形例では、多数のインデックス片形成部6,6b,6c,6dのそれぞれの形状が互いに異なっている。
【0030】
このように各インデックス片形成部6,6b,6c,6dの形状を変えることにより、ユーザが、それぞれのインデックス片形成部6,6b,6c,6dに何らかの意味をもたせることで、いずれかのインデックス片形成部をインデックス片にしたときに、ユーザは、その位置のみならず、その形状から、その意味を理解することができる。例えば、あるインデックス片形成部6dに関して、ユーザは、ディスク型記録媒体にデータが記憶されていることを示すと決めた場合、ディスク型記憶媒体にデータを記憶して、これを封筒内に収納した後、このインデックス片形成部6dをインデックス片にすることで、その後、このインデックス片を見ることで、封筒内に収納されているディスク型記憶媒体にデータが記憶されていることを認識できる。
【0031】
なお、ここでは、多数のインデックス片形成部6,6b,6c,6dの全ての形状が互いに異なっているが、多数のインデックス片形成部のうち一部のみ、例えば、一つのインデックス片形成部のみ、他のインデックス片形成部と形状を異ならせてもよい。
【0032】
また、本変形例では、各インデックス片形成部6,6b,6c,6dの形状をそれぞれ異なるようにしているが、いずれのインデックス片形成部も、開口縁3e上の第一辺と、この第一辺と平行な第二辺とを有する形状としている点で共通している。このように、インデックス片形成部の形状を一定の共通性を持たせながらも、それぞれ異なる形状とすることにより、ユーザが形状から意味を理解できるようになる利点が発揮されると同時に、工業生産が行い易くなるという利点も発揮されるようになる。
【0033】
次に、図7を用いて、インデックス片形成部の第3の変形例について説明する。
【0034】
本変形例も、以上の変形例と同様に、多数のインデックス片形成部6e,6e,6e,6eをフラップ片5に形成したものである。但し、本変形例では、インデックス片形成部6eの外縁のうち、開口縁3eから最も遠い部分が、フラックス片5の外縁になっている点で、以上の実施形態及び各変形例と異なっている。
【0035】
このように、インデックス片形成部6eの外縁のうち、開口縁3eから最も遠い部分をフラックス片5の外縁とすることで、インデックス片形成部6eの外縁に形成する切り取り線6fの量を少なくすることができ、切り取り線6fの形成を簡略化することができる。
【0036】
なお、本変形例においても、それぞれのインデックス片形成部は、開口縁3e上の第一辺と、この第一辺と平行な第二辺とを有する形状を成している。
【0037】
次に、図8を用いて、インデックス片形成部の第4の変形例について説明する。
【0038】
本変形例は、各インデックス片形成部6g,6h,6iの外形を、それぞれ、造形物、自然物、キャラクタ等の形状にしたものである。具体的には、同図中、右端のインデックス片形成部6gを造形物である船型に形成し、その左隣のインデックス片形成部6hを自然物である翼型に形成し、左端のインデックス片形成部6iをタヌキのキャラクタ型に形成している。
【0039】
以上のように、インデックス片形成部6g,6h,6iの外形をキャラクタ形状等にすることで、ユーザに遊び心を持たせることができる。特に、ディスク型記憶媒体に子供用のデータを記憶した場合には、このインデックス片形成部6g,6h,6iで子供を楽しませることができる。
【0040】
ここで、各インデックス片形成部6g,6h,6iは、それぞれ、造形物、自然物、キャラクタの形状にしているが、その形状はこれらのものに限定されない。インデックス片形成部の形状としては、以上で示した形状のほか、例えば、三角形、半円等の任意の形状を用いることができる。
【0041】
なお、先に説明した実施形態及び各変形例は、いずれも、開口縁3eの中心Cに対してインデックス片形成部を対称に形成したが、本変形例のように、開口縁3eの中心Cに対してインデックス片形成部を非対称に形成してもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る一実施形態におけるディスク型記憶媒体用封筒の斜視図である。
【図2】本発明に係る一実施形態におけるディスク型記憶媒体用封筒の背面図である。
【図3】本発明に係る第1の変形例におけるディスク型記憶媒体用封筒の背面図である。
【図4】本発明に係る一実施形態及び第1の変形例と対比して説明するためのディスク型記憶媒体用封筒の背面図である。
【図5】図4の封筒にディスク型記憶媒体を収納し、インデックス片を形成したときのディスク型記憶媒体用封筒の背面図である。
【図6】本発明に係る第2の変形例におけるディスク型記憶媒体用封筒の背面図である。
【図7】本発明に係る第3の変形例におけるディスク型記憶媒体用封筒の背面図である。
【図8】本発明に係る第4の変形例におけるディスク型記憶媒体用封筒の背面図である。
【符号の説明】
【0043】
1:封筒本体、2:背面シート片、3:正面シート片、2e,3e:開口縁、4a,4b:封止片、5:フラップ片、6,6b、6c,6d,6e,6g,6h,6i:インデックス片形成部、6a,6f:切り取り線、D:ディスク型記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク型記憶媒体を入れることができる幅の開口が形成されている封筒本体と、該封筒本体の開口縁に沿って形成され、該開口縁を折り曲げ線として折り曲げることで該開口を塞ぐことができるフラップ片とを有し、該封筒本体及び該フラップ片がシートで形成されているディスク型記憶媒体用封筒において、
前記フラップ片中であって、前記開口縁に沿った位置に、一以上のインデックス片形成部が形成され、
前記インデックス片形成部の外周縁であって、前記フラップ片の外縁を除く部分に切取り線が形成されている、
ことを特徴とするディスク型記憶媒体用封筒。
【請求項2】
請求項1に記載のディスク型記憶媒体用封筒において、
一以上の前記インデックス片形成部は、前記開口縁の前記幅の方向の中心を避ける位置に形成されている、
ことを特徴とするディスク型記憶媒体用封筒。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか一項に記載のディスク型記憶媒体用封筒において、
前記インデックス片形成部は、前記開口縁上の第一辺と、該第一辺と平行な第二辺とを有する形状を成している、
ことを特徴とするディスク型記憶媒体用封筒。
【請求項4】
請求項1及び2のいずれか一項に記載のディスク型記憶媒体用封筒において、
前記インデックス片形成部は、キャラクタ、自然物、造形物のいずれかの形状を成している、
ことを特徴とするディスク型記憶媒体用封筒。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のディスク型記憶媒体用封筒において、
複数の前記インデックス片形成部が形成され、
複数の前記インデックス片形成部のうちの少なくとも一つのインデックス片形成部の形状が他のインデックス片形成部の形状と異なる、
ことを特徴とするディスク型記憶媒体用封筒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−261620(P2007−261620A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87705(P2006−87705)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(501495237)三菱化学メディア株式会社 (105)
【Fターム(参考)】