説明

ディスク装置

【課題】パネルユニットが傾斜姿勢となってディスク挿入口が露出した状態で新たなディスクの誤挿入を確実に防止することのできるディスク装置を提供することである。
【解決手段】 前面にディスク挿入口121が形成された装置本体100と、前記前面に開閉自在に設けられたパネルユニット200と、パネル駆動機構130a、130b、131a、131bとを有するディスク装置であって、前記前面に対して平行に下上動可能となり、ディスク挿入口121を開閉するシャッター板10と、パネルユニット10の動きと連動して動作し、パネルユニット200が前記傾斜姿勢にあるときにディスク挿入口121を閉鎖し、パネルユニット200が開放姿勢にあるときにディスク挿入口121を開放するようにシャッター板10を下上動させるシャッター駆動機構11a、11b、12a、12b、201とを有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体の前面にディスク挿入口が形成され、該前面にパネルユニットが開閉自在に設けられたディスク装置に係り、詳しくは、前記パネルユニットの上端部を前記前面に沿わせつつその下端部を前記装置本体の前後方向に進退動させて当該パネルユニットを、前記前面を閉鎖する閉鎖姿勢、前記ディスク挿入口が露出するように傾斜した傾斜姿勢及び前記前面を開放する開放姿勢のいずれかに位置づけるようにしたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DVD、CD、MD等のディスク記録媒体(以下、単にディスクという)を用いる車載用のオーディオ装置やナビゲーション装置等のディスク装置において、その装置本体の前面にディスク挿入口が形成され、該前面に表示パネルユニット等のパネルユニットが開閉自在に設けられものが知られている。そして、特に、表示パネルユニットの上端部を前記前面に沿わせつつその下端部を前記装置本体の前後方向に進退動させて前記パネルユニットを、前記前面を閉鎖する閉鎖姿勢、前記ディスク挿入口が露出するように傾斜した傾斜姿勢及び前記前面を開放する開放姿勢のいずれかに位置づけるようしたディスク装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来のディスク装置では、表示パネルユニットが傾斜姿勢に位置づけられてディスク挿入口が露出した状態になると、装置本体のディスク挿入口の内方に位置する回転駆動部にセットされたディスクの回転駆動を停止させるようになっている。これにより、回転駆動部にディスクがセットされた状態でディスク挿入口に新たなディスクを誤って挿入したとしても、既に装置本体内(回転駆動部)にセットされているディスクを傷つけてしまうことを防止することができる。
【特許文献1】特開2005−32342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来のディスク装置では、表示パネルユニットが傾斜姿勢となってディスク挿入口が露出した状態では新たなディスクをそのディスク挿入口から挿入することができてしまう。このため、回転していないとはいえ既にディスクがセットされている装置本体内にディスク挿入口から新たなディスクを誤って挿入しようとすると、その新たなディスクは正常に装置本体内にセットされることはなく、更に、無理に挿入しようとするとその新たなディスクが損傷してしまうおそれがある。
【0005】
もともと、表示パネルユニットを傾斜姿勢にさせるのは、表示パネルユニットにおける表示内容の視認性を調整することができるようにするためのものであるが、このように表示パネルユニットを傾斜姿勢にしたときにディスク挿入口が露出すると、回転駆動部に既にセットされたディスクの回転(再生)時及び停止時のいずれにしても、そのディスク挿入口に新たなディスクを誤って挿入すると、ディスク損傷のおそれがある。
【0006】
本発明は、このような従来のディスク装置の問題を解決するためになされたものであり、パネルユニットが傾斜姿勢となってディスク挿入口が露出した状態で新たなディスクの誤挿入を確実に防止することのできるディスク装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るディスク装置は、前面にディスク挿入口が形成された装置本体と、前記前面に開閉自在に設けられたパネルユニットと、該パネルユニットの上端部を前記前面に沿わせつつその下端部を前記装置本体の前後方向に進退動させて前記パネルユニットを、前記前面を閉鎖する閉鎖姿勢、前記ディスク挿入口が露出するように所定角度傾斜した傾斜姿勢及び前記前面を開放する開放姿勢のいずれかに位置づけるパネル駆動機構とを有するディスク装置であって、前記前面に対して平行に下上動可能となり、前記ディスク挿入口を開閉するシャッター板と、前記パネルユニットの動きと連動して動作し、前記パネルユニットが前記傾斜姿勢にあるときに前記ディスク挿入口を閉鎖し、前記パネルユニットが開放姿勢にあるときに前記ディスク挿入口を開放するように前記シャッター板を下上動させるシャッター駆動機構とを有する構成となる。
【0008】
このような構成により、パネルユニットが傾斜姿勢となって装置本体の前面に形成されたディスク挿入口が露出した状態において、シャッター板が前記ディスク挿入口を閉鎖するようになるので、その露出したディスク挿入口に新たなディスクを挿入することができない。また、パネルユニットが装置本体の前面を開放する開放姿勢になると、前記シャッター板が前記ディスク挿入口を開放するようになり、前記ディスク挿入口からディスクを挿入することができるようになる。
【0009】
また、本発明に係るディスク装置において、前記シャッター駆動機構は、前記パネルユニットが前記閉鎖姿勢、前記傾斜姿勢及びそれらの間の姿勢にあるときに、前記ディスク挿入口を閉鎖した状態に前記シャッター板を維持させるようにした構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、パネルユニットが装置本体の前面を閉鎖する閉鎖姿勢、傾斜姿勢及びそれらの間の姿勢にあるときにシャッター板がディスク挿入口を閉鎖した状態を維持するので、少なくともパネルユニットが傾斜姿勢となってディスク挿入口が露出した状態では、そのディスク挿入口からディスクを挿入することができない。
【0011】
更に、本発明に係るディスク装置において、前記シャッター駆動機構は、前記パネルユニットが前記傾斜姿勢から前記開放姿勢に至る間及び前記開放姿勢から前記傾斜姿勢に至る間に、前記シャッター板を、前記ディスク挿入口を閉鎖する位置と開放する位置との間で移動させるようにした構成とすることができる。
【0012】
このような構成により、パネルユニットが傾斜姿勢から開放姿勢に至る間及び開放姿勢から傾斜姿勢に至る間に、シャッター板がディスク挿入口を閉鎖する位置と開放する位置との間で移動するようになるので、パネルユニットが傾斜姿勢にあってディスク挿入口が露出した状態ではそのディスク挿入口からディスクを挿入することができず、一方、パネルユニットが開放姿勢となるときにそのディスク挿入口からディスクを挿入することができるようになる。
【0013】
また、本発明に係るディスク装置において、記装置本体は、当該装置本体の底部との間に隙間が形成されるように設けられ前記ディスク挿入口の形成された前面パネルを有し、前記パネル駆動機構は、前記隙間を通して前後方向に進退動する移動部材と、該移動部材の先端部に設けられ前記パネルユニットの下端部を回動自在に支持する支持部材とを有し、前記移動部材を進退動させることにより、前記パネルユニットの上端部を前記前面パネルに沿わせつつその下端部を前後方向に進退動させるようにし、前記シャッター駆動機構は、前記パネルユニットが前記開放姿勢になるときに前記シャッター板を前記装置本体の底部と前記前面パネルとの間の隙間を閉ざすように位置づけるようにした構成とすることができる。
【0014】
このような構成により、移動部材が装置本体の前面パネルと底部との間の隙間から突出することによりパネルユニットの下端部が前面パネルの前方に進出して当該パネルユニットが開放姿勢になると、シャッター板が前記装置本体の前面パネルと底部との間の隙間を閉ざすようになるので、パネルユニットが開放姿勢となるときに、前記隙間から装置本体内にほこりや異物が進入することを極力防止することができる。
【0015】
また、本発明に係るディスク装置において、前記装置本体は、ディスク挿入口の形成された前面パネルを有し、前記シャッター板は、前記前面パネルの裏側に設けられた構成とすることができる。
【0016】
このような構成により、シャッター板が装置本体の前面パネルの裏側を上下動するようになるので、シャッター板が前方に露出することなく、前面パネルに形成されたディスク挿入口の閉鎖及び開放を行なうことができるようになる。
【0017】
本発明に係るディスク装置において、前記シャッター板は、前記ディスク挿入口を閉鎖する最上部位置と最下部位置との間で前記前面に平行に下上動可能であって、下方への押圧力を受け得る突起部を有し、前記シャッター駆動機構は、前記シャッター板を前記最上部位置に向けて付勢する弾性部材と、前記パネルユニットと一体となり、その上端部と共に前記前面に沿って下上動する下上動部材とを有し、前記シャッター板の突起部が、前記下上動部材の下上動軌跡内において当該下上動部材が当該突起部の上側から当接するように配置された構成とすることができる。
【0018】
このような構成により、シャッター板が弾性部材によって最上部位置に向けて付勢されているので、通常、シャッター板は装置本体の前面に形成されたディスク挿入口を閉鎖する最上部位置に保持され得る。一方、パネルユニットの上端部を装置本体の前面に沿わせつつその下端部を装置本体の前後方向に進退動させることによって、パネルユニットが閉鎖姿勢、傾斜姿勢、開放姿勢と変化する間、また、逆に開放姿勢、傾斜姿勢、閉鎖姿勢と変化する間に、パネルユニットの上端部と共に下上動部材が装置本体の前面に沿って下上動する。そして、前記シャッター板の突起部が、前記下上動部材の下上動軌跡内において当該下上動部材が当該突起部の上側から当接するように配置されているので、パネルユニットが閉鎖姿勢、傾斜姿勢、開放姿勢と変化して前記下上動部材が下方向に動く際にシャッター板の突起部に当接すると、その下上動部材によって前記突起部が下方向への押圧力を受けてシャッター板がディスク挿入口を閉鎖する最上部位置から最下部位置に向けて移動し得る。また、パネルユニットが開放姿勢、傾斜姿勢、閉鎖姿勢と変化して前記下上動部材が上方向に動く際に、弾性部材によって最上部位置に向けて付勢されるシャッター板が、前記上方向に動く下上動部材に追従して最上部位置に向けて移動し得る。
【0019】
また、本発明に係るディスク装置において、前記シャッター板の突起部は、前記パネルユニットが閉鎖姿勢から前記傾斜姿勢に至るまで前記下上動部材が当接しないように配置された構成とすることができる。
【0020】
このような構成により、パネルユニットが閉鎖姿勢、傾斜姿勢、開放姿勢と変化して変化して下上動部材が下方向に動く際に、パネルユニットが前記閉鎖姿勢から傾斜姿勢に至るまで前記下上部材がシャッター板の突起に当接しないので、パネルユニットが閉鎖姿勢から傾斜姿勢になるまでシャッター板が最上部位置に保持され、装置本体の前面に形成されたディスク挿入口がシャッター板によって閉鎖された状態に維持される。
【0021】
また、本発明に係るディスク装置において、前記パネル駆動機構は、前記パネルユニットの上端部から側方に延びる支持ピン部材を上下方向にガイドするガイド溝の形成されたガイド部材を有し、前記下上動部材は、前記支持ピン部材とした構成とすることができる。
【0022】
このような構成により、パネルユニットを動かすパネル駆動機構の一部(支持ピン部材)をシャッター駆動機構の一部となる下上動部材として利用するので、そのシャッター駆動機構の構成を簡略することができるようになる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るディスク装置によれば、パネルユニットが傾斜姿勢となって装置本体の前面に形成されたディスク挿入口が露出した状態においてシャッター板が前記ディスク挿入口を閉鎖してディスク挿入口に新たなディスクを挿入することができなくなるので、新たなディスクの誤挿入を確実に防止することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
本発明の実施の一形態に係るディスク装置は、図1乃至図5に示すように構成される。なお、図1は表示パネルユニット(パネルユニット)が傾斜姿勢となる状態のディスク装置を示す斜視図、図2は図1に示す表示パネルユニットを取り除いた状態のディスク装置を示す斜視図、図3は表示パネルユニットが開放姿勢となる状態のディスク装置を示す斜視図、図4は図3に示す表示パネルユニットを取り除いた状態のディスク装置を示す斜視図であり、図5は表示パネルユニットが閉鎖姿勢となる状態のディスク装置を示す側面図及び正面図である。
【0026】
図1乃至図4において、このディスク装置は、装置本体100及び表示パネルユニット200を有している。装置本体100は、前面が開放した筐体101と、筐体101の開放された前面縁部に装着された枠体110(ESC)と、枠体110に対して一体的に形成され、枠体110内において筐体101の前面を塞ぐ前面パネル120とを有している。前面パネル120の上端部分にはDVD及びCD用の第1ディスク挿入口121が形成され、その上下方向の中央部分にはメモリカード用のスロット122及びMD用の第2ディスク挿入口123が形成されている。筐体101内には第1ディスク挿入口121に対向して、図5に示すように、DVD及びCD用のディスク駆動機構150が設けられている。なお、図示されてはいないが、筐体101内には、スロット122に対向してメモリカードの接続端子が配置され、また、第2ディスク挿入口123に対向してMD用のディスク駆動機構が設けられている。
【0027】
表示パネルユニット200は、表示面200a(例えば、LCD)を外側に向けて後述するように装置本体100に対して開閉自在に設けられている。表示パネルユニット200には表示面200aのほか、その表示面200aが露出する側の枠部分に種々の操作釦が設けられている。表示パネルユニット200には、その上端部から両側方のそれぞれに延びる支持ピン部材201(下上動部材)(図5参照)が設けられている。装置本体100における枠体110の両側部それぞれの内側には上下方向に延びるガイド溝111(ガイド部材)が形成されている(一方側のガイド溝111しか図示されていない(図2乃至図5参照))。表示パネルユニット200の両側方のそれぞれに延びる支持ピン部材201は、図5に示すように、枠体110の対応する側部内側に形成されたガイド溝111に移動可能に嵌り込んでいる。
【0028】
支持ピン部材201の詳細な構造は図6に示すようになっている。なお、図6は、図3に示す表示パネルユニット200と枠体110との結合部分の破線で示す面に垂直な方向Aから見た断面図(A矢視断面図)である。即ち、支持ピン部材201は、表示パネルユニット200の筐体上端部から側方に突出する軸部201aの先端にローラ201bが設けられた構造となっており、ローラ201bが枠体101に形成されたガイド溝111に回転自在に嵌り込んでいる。これにより、ローラ201bがガイド溝111にガイドされつつ支持ピン部材201が上下移動可能となる。
【0029】
前述した前面パネル120の下縁と筐体101の底部との間には隙間125が形成されている。筐体101には、隙間125を通して前後方向に進退動する一対の進退アーム130a、130b(移動部材)が設けられ、筐体101内に設けられた駆動機構(図示されず)によって進退アーム130a、130bが進退動するようになっている。各進退アーム130a、130bの先端には、表示パネルユニット200の下端側部を回動自在に支持する支持部材131a、131bが設けられている。
【0030】
各進退アーム130a、130bが筐体101内に最も引き込まれた状態で、図5に示すように、表示パネルユニット200の支持ピン部材201がガイド溝111の最上端に位置し、表示パネルユニット200が、略直立した状態で枠体110内に収容されて装置本体100の前面パネル120を覆う姿勢、即ち、閉鎖姿勢となる。各進退アーム130a、130bが筐体101から次第に進出していくと、それに伴って表示パネルユニット200の下端部が、表示面200aが上方に向くように回動しつつ進出する。そして、この下端部の進出により表示パネルユニット200の上端部が前方に引張られると、ローラ201cがガイド溝111にガイドされつつ支持ピン部材201が下方に移動し、それに伴って表示パネルユニット200の上端部が前面パネル120に沿って下方向に移動する。また、逆に、各進退アーム130a、130bが筐体101内に退動していくと、それに伴って表示パネルユニット200の下端部が、表示面200aが立ち上がるように回動しつつ退動する。そして、この下端部の退動により表示パネルユニット200の上端部が後方に押されると、ローラ201cがガイド溝111にガイドされつつ支持ピン部材201が上方に移動し、それに伴って表示パネルユニット200の上端部が前面パネル120に沿って上方向に移動する。
【0031】
前面パネル120の裏側には、シャッター板10が設けられている。シャッター板10は、その両側部が摺動可能にガイドされており(図示略)、下上動可能となっている。シャッター板10の下端部と筐体101の天板との間に2つのスプリング11a、11b(弾性部材)が掛けられている。これらスプリング11a、11bによる上方向の付勢により、シャッター板10は常時最上部位置に保持されており、下方に向かう押圧力によりスプリング11a、11bの付勢力に抗して下方に移動可能となる。前記最上部位置にあるシャッター板10によって第1ディスク挿入口121が閉鎖される。シャッター板10の下縁両側部には切欠き13a、13bが形成されており、シャッター板10が下降して最下部位置に達したときに前面パネル120の下方の隙間125から突出する各進退アーム130a、130bをにげるようになっている(図4参照)。
【0032】
シャッター板10の両側部の所定部位には前方に突出する突起部12a、12bが設けられている。前面パネル120の両側部には上下方向に延びるスリット124a、124b(図2、図3、図4、図6及び後述する図9参照)が形成されており、図6に詳細に示すように、前面パネル120の裏側に配置されたシャッター板10の突起部12a、(12b)がスリット124a、(124b)を通して前方に突出している。前述したように表示パネルユニット200の上端部から両側方のそれぞれに延びる支持ピン部材201は、図6及び図7に示すように、軸部201aのローラ201bの装着された先端部と逆側の根元部分にスタッド201cが装着されている。各突起部12a、12bは、ガイド溝111に沿った各支持ピン部材201の下上動軌跡において各支持ピン部材201のスタッド201cが当該突起部12a、12bの上側から当接するように配置され、また、図5に示すように、表示パネルユニット200が閉鎖姿勢から後述する傾斜姿勢(図1に示す姿勢)に至るまで表示パネルユニット200の上端部と共に下上動する支持ピン部材201(スタッド201c)が当接しないようにその位置が決められている。
【0033】
前述したようなディスク装置では、表示パネルユニット200が装置本体100の前面を閉鎖する閉鎖姿勢にあるときには、図5に示すように、シャッター板10が最上部位置にあって、第1ディスク挿入口121を閉鎖している。この状態で、筐体101内のディスク駆動機構150にセットされているDVD、CDなどのディスクDの再生等が可能となる。
【0034】
表示パネルユニット200を傾斜させるための操作釦(表示パネルユニット200に設けられている)の操作がなされると、進退アーム130a、130bが所定位置まで進出する。これにより、進退アーム130a、130bの先端に回動自在に支持された表示パネルユニット200の下端部が進出すると共にその上端部が前面パネル120に沿って下降し、表示パネルユニット200は表示面200aを上方に向けつつ傾斜する。そして、表示パネルユニット200は、図1及び図8に示すように、所定角度傾斜した傾斜姿勢となって停止する。この状態で、前面パネル120に形成された第1ディスク挿入口121が露出する。
【0035】
表示パネルユニット200が前記閉鎖姿勢から前記傾斜姿勢に至る過程で、表示パネルユニット200の上端部の両側方に延びる支持ピン部材201(ローラ201b)がガイド溝111にガイドされつつ下降する。その支持ピン部材201は、スタッド201cがシャッター板10の突起部12a、12bに当接することなく下降して表示パネルユニット200が傾斜姿勢になった時点で初めて突起部12a、12bに当接する。従って、表示パネルユニット200が前記閉鎖姿勢、傾斜姿勢及びそれらの間の姿勢にあるときに、シャッター板10は最上部位置に保持され、このシャッター板10によって第1ディスク挿入口121が閉鎖された状態が維持される。
【0036】
このように、表示パネルユニット200が傾斜姿勢となって第1ディスク挿入口121が露出しても、第1ディスク挿入口121がシャッター板10によって閉鎖されているので、ディスクDは第1ディスク挿入口121に挿入できない。即ち、表示パネルユニット200が傾斜姿勢になる状態において露出する第1ディスク挿入口121へのディスクDの誤挿入が確実に防止される。なお、利用者は、傾斜姿勢となった表示パネルユニット200の表示面200aに表示された情報(DVDから再生された地図情報等)を見ることができる。
【0037】
表示パネルユニット200を開放姿勢にする操作釦の操作がなされると、進退アーム130a、130bが更に進出する。これにより、表示パネルユニット200の下端部が更に進出すると共にその上端部が前面パネル120に沿って更に下降し、表示パネルユニット200は表示面200aを上方に向けつつ更に傾斜する。そして、進退アーム130a、130bが最突出位置に至ると、表示パネルユニット200は、図3及び図9に示すように、略水平状態となって装置本体100の前面を開放する開放姿勢となる。
【0038】
表示パネルユニット200が前記傾斜姿勢から前記開放姿勢に至る過程で、表示パネルユニット200の上端部から両側方に延びる支持ピン部材201が、スタッド201cが図10に示すようにシャッター板10の突起部12a、12bに当接しつつ下降する。この下降する支持ピン部材201により突起部12a、12bが下方向に押圧力を受けてシャッター板10がスプリング11a、11bの付勢力に抗して下方向に移動する。このようにシャッター板10が下降する過程で、第1ディスク挿入口121が開放され、表示パネルユニット200が前記開放姿勢になったときに、シャッター板10が、図4(図3における表示パネルユニット200を取り除いた図)及び図9に示すように最下部位置に達する。
【0039】
このように表示パネルユニット200が開放姿勢になると、シャッター板10が第1ディスク挿入口10を開放し、ディスクDが第1ディスク挿入口121から挿入できるようになる(図9参照)。なお、表示パネルユニット200が開放姿勢にあるときには、図3に示すように、前面パネル120に形成されたメモリカード用のスロット122及び第2ディスク挿入口123も露出した状態となる。
【0040】
シャッター板10が最下部位置に達すると、図4に示すように、シャッター板10が切欠き13a、13bによって進退アーム130a、130bを逃げつつ前面パネル120の下縁と筐体101の底部との間に形成された隙間125を閉鎖する。これにより、表示パネルユニット200が開放姿勢となるときに、装置本体100の前面に形成される隙間125から装置本体100(筐体101)内にほこりや異物が進入することを防止することができる。
【0041】
なお、表示パネルユニット200は、進退アーム130a、130bの退動により、前述した動作と逆に、開放姿勢(図3、図9参照)から傾斜姿勢(図1、図8参照)に変化する。その過程で、スプリング11a、11bにより上方向に付勢されるシャッター板10は、表示パネルユニット200の上端部から両側に突出する支持ピン部材201の上昇に伴って突起部12a、12bがその支持ピン部材201のスタッド201cへの当接状態を維持しつつ上昇する(図10参照)。そして、表示パネルユニット200が傾斜姿勢になると、シャッター板10が最上部位置に達し、第1ディスク挿入口121がシャッター板10によって閉鎖される。
【0042】
表示パネルユニット200が進退アーム130a、130bの更なる退動により、傾斜姿勢から閉鎖姿勢に変化する。その際、表示パネルユニット200の支持ピン部材201がシャッター板10の突起部12a、12bからはずれ、シャッター板10は第1ディスク挿入口121を閉鎖する最上部位置に保持される。
【0043】
前述したように本発明の実施の形態に係るディスク装置によれば、表示パネルユニット200が傾斜姿勢となって前面パネル120に形成された第1ディスク挿入口121が露出した状態においてシャッター板10が第1ディスク挿入口121を閉鎖してその第1ディスク挿入口121に新たなディスクDを挿入することができなくなるので、新たなディスクDの誤挿入を確実に防止することができるようになる。
【0044】
なお、前述したディスク装置では、表示パネルユニット200の上端部から両側方に延びる支持ピン部材201によってシャッター板10の突起部12a、12bを押し下げるようにしているが、前面パネル120に沿って下上動する表示パネルユニット200の上端部に別途設けられる他の部材にてシャッター板10の突起部12a、12bを押し下げるようにすることもできる。また、表示パネルユニット200に代えて操作釦等の配列された操作パネルユニット(表示面がなくてもよい)が装置本体100に対して開閉自在に設けられたディスク装置においても、前述した機構は同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上、説明したように、本発明に係るディスク装置は、パネルユニットが傾斜姿勢となって装置本体の前面に形成されたディスク挿入口が露出した状態において新たなディスクの前記ディスク挿入口への誤挿入を確実に防止することができるという効果を有し、装置本体の前面にディスク挿入口が形成され、該前面にパネルユニットが開閉自在に設けられたディスク装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】表示パネルユニットが傾斜姿勢となる状態の本発明の実施の形態に係るディスク装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す表示パネルユニットを取り除いた状態のディスク装置を示す斜視図である。
【図3】表示パネルユニットが開放姿勢となる状態の本発明の実施の形態に係るディクス装置を示す斜視図である。
【図4】図3に示す表示パネルユニットを取り除いた状態のディスク装置を示す斜視図である。
【図5】表示パネルユニットが閉鎖姿勢となる状態のディスク装置を示す側面図及び正面図である。
【図6】表示パネルユニットと枠体との結合部分の詳細構造を示す断面図である。
【図7】シャッター板の突起部及び支持ピン部材の構造を示す斜視図である。
【図8】表示パネルユニットが傾斜姿勢となる状態のディスク装置を示す側面図及び正面図である。
【図9】表示パネルユニットが開放姿勢となる状態のディスク装置を示す側面図及び正面図である。
【図10】シャッター板の突起部と支持ピン部材との当接状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
10 シャッター板
11a、11b スプリング
12a、12b 突起部
13a、13b 切欠き
100 機器本体
101 筐体
110 枠体
111 ガイド溝
120 前面パネル
121 ディスク挿入口
122 メモリユニット挿入口
123 MD挿入口
124a、124b スリット
125 隙間
130a、130b 進退アーム
131a、131b 支持部材
200 表示パネルユニット
200a 表示画面
201 支持ピン部材
201a 軸部
201b ローラ
201c スタッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面にディスク挿入口が形成された装置本体と、前記前面に開閉自在に設けられたパネルユニットと、該パネルユニットの上端部を前記前面に沿わせつつその下端部を前記装置本体の前後方向に進退動させて前記パネルユニットを、前記前面を閉鎖する閉鎖姿勢、前記ディスク挿入口が露出するように所定角度傾斜した傾斜姿勢及び前記前面を開放する開放姿勢のいずれかに位置づけるパネル駆動機構とを有するディスク装置であって、
前記前面に対して平行に下上動可能となり、前記ディスク挿入口を開閉するシャッター板と、
前記パネルユニットの動きと連動して動作し、前記パネルユニットが前記傾斜姿勢にあるときに前記ディスク挿入口を閉鎖し、前記パネルユニットが開放姿勢にあるときに前記ディスク挿入口を開放するように前記シャッター板を下上動させるシャッター駆動機構とを有することを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記シャッター駆動機構は、前記パネルユニットが前記閉鎖姿勢、前記傾斜姿勢及びそれらの間の姿勢にあるときに、前記ディスク挿入口を閉鎖した状態に前記シャッター板を維持させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記シャッター駆動機構は、前記パネルユニットが前記傾斜姿勢から前記開放姿勢に至る間及び前記開放姿勢から前記傾斜姿勢に至る間に、前記シャッター板を、前記ディスク挿入口を閉鎖する位置と開放する位置との間で移動させるようにしたことを特徴とする請求項2記載のディスク装置。
【請求項4】
前記装置本体は、当該装置本体の底部との間に隙間が形成されるように設けられ前記ディスク挿入口の形成された前面パネルを有し、
前記パネル駆動機構は、前記隙間を通して前後方向に進退動する移動部材と、該移動部材の先端部に設けられ前記パネルユニットの下端部を回動自在に支持する支持部材とを有し、前記移動部材を進退動させることにより、前記パネルユニットの上端部を前記前面パネルに沿わせつつその下端部を前後方向に進退動させるようにし、
前記シャッター駆動機構は、前記パネルユニットが前記開放姿勢になるときに前記シャッター板を前記装置本体の底部と前記前面パネルとの間の隙間を閉ざすように位置づけるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項5】
前記装置本体は、ディスク挿入口の形成された前面パネルを有し、
前記シャッター板は、前記前面パネルの裏側に設けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項6】
前記シャッター板は、前記ディスク挿入口を閉鎖する最上部位置と最下部位置との間で前記前面に平行に下上動可能であって、下方への押圧力を受け得る突起部を有し、
前記シャッター駆動機構は、前記シャッター板を前記最上部位置に向けて付勢する弾性部材と、
前記パネルユニットと一体となり、その上端部と共に前記前面に沿って下上動する下上動部材とを有し、
前記シャッター板の突起部が、前記下上動部材の下上動軌跡内において当該下上動部材が当該突起部の上側から当接するように配置されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項7】
前記シャッター板の突起部は、前記パネルユニットが閉鎖姿勢から前記傾斜姿勢に至るまで前記下上動部材が当接しないように配置されたことを特徴とする請求項6記載のディスク装置。
【請求項8】
前記パネル駆動機構は、前記パネルユニットの上端部から側方に延びる支持ピン部材を上下方向にガイドするガイド溝の形成されたガイド部材を有し、
前記下上動部材は、前記支持ピン部材としたことを特徴とする請求項6または7記載のディスク装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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