説明

ディスク装置

【課題】光学的ピックアップ部に対する板ばね部材の組み付け作業を簡略化することが可能なディスク装置を提供する。
【解決手段】ディスク装置は、ガイド軸と、ガイド軸に対して移動可能に係合されるガイド軸係合部31を含み、ガイド軸に沿って移動しながら少なくとも光ディスクに格納された情報を読み取る光学的ピックアップ部と、光学的ピックアップ部に取り付けられ、ガイド軸と光学的ピックアップ部のガイド軸係合部31とのガタを減少させる板ばね部材40とを備え、板ばね部材40は、ガイド軸に対して当接して所定の付勢力で付勢する付勢部41と、光学的ピックアップ部に対して、板ばね部材40を仮固定するとともに仮位置決めするための仮位置決め固定部42とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク装置に関し、特に、ガイド部とガイド部に沿って移動される光学的ピックアップ部とを備えるディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガイド部とガイド部に沿って移動される光学的ピックアップ部とを備えるディスク装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ガイドロッド(ガイド部)と、ガイドロッドに沿って移動するとともに、磁気ディスクに格納された情報を読み取るヘッドキャリッジ(光学的ピックアップ部)と、ヘッドキャリッジに取り付けられ、ガイドロッドとヘッドキャリッジとのガタを減少させるガイドロッド押圧部材(板ばね部材)とを備えるディスク装置が開示されている。また、上記特許文献1によるディスク装置のガイドロッド押圧部材は、作業者がガイドロッド押圧部材をヘッドキャリッジに固定する際にヘッドキャリッジに対してガイドロッド押圧部材を仮固定するためのフック形状の取付部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−260002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1によるディスク装置では、ガイドロッド押圧部材(板ばね部材)をヘッドキャリッジ(光学的ピックアップ部)に固定する際に、フック形状の取付部でガイドロッド押圧部材をヘッドキャリッジに対して仮固定することができる一方で、明記はされていないが、ヘッドキャリッジの正確な固定位置にガイドロッド押圧部材を仮固定するために、作業者が仮固定作業と並行してガイドロッド押圧部材の位置合わせ作業を行う必要があると考えられる。このため、作業者によるヘッドキャリッジ(光学的ピックアップ部)に対するガイドロッド押圧部材(板ばね部材)の組み付け作業が煩雑になるという問題点があると考えられる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、光学的ピックアップ部に対する板ばね部材の組み付け作業を簡略化することが可能なディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の一の局面によるディスク装置は、ガイド部と、ガイド部に対して移動可能に係合されるガイド部係合部を含み、ガイド部に沿って移動しながら少なくとも光ディスクに格納された情報を読み取る光学的ピックアップ部と、光学的ピックアップ部に取り付けられ、ガイド部と光学的ピックアップ部のガイド部係合部とのガタを減少させる板ばね部材とを備え、板ばね部材は、ガイド部に対して当接して所定の付勢力で付勢する付勢部と、光学的ピックアップ部に対して、板ばね部材を仮固定するとともに仮位置決めするための仮位置決め固定部とを含む。
【0008】
この一の局面によるディスク装置では、上記のように、板ばね部材に、光学的ピックアップ部に対して、板ばね部材を仮固定するとともに仮位置決めするための仮位置決め固定部を設けることによって、板ばね部材を光学的ピックアップ部に対して組み付ける際に、仮位置決め固定部により、板ばね部材を光学的ピックアップ部に対して仮固定すると同時に、仮位置決めも行うことができるので、作業者が光学的ピックアップ部に対して行う板ばね部材の位置合わせ作業を仮固定作業とは別に行う必要がない。これにより、板ばね部材を光学的ピックアップ部に対して組み付ける際の作業者による組み付け作業を簡略化することができる。
【0009】
上記一の局面によるディスク装置において、好ましくは、仮位置決め固定部は、光学的ピックアップ部に対して板ばね部材を仮固定する仮固定部と、仮固定部に一体的に設けられ、光学的ピックアップ部に対して板ばね部材を仮位置決めするための第1位置決め部とを含む。このように構成すれば、仮固定部と第1位置決め部とを一体的に設けることにより、仮固定部と第1位置決め部とを別個に設ける場合と比べて、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0010】
上記仮固定部および第1位置決め部を有する板ばね部材を備えるディスク装置において、好ましくは、板ばね部材は、光学的ピックアップ部に本固定する本固定部をさらに含み、仮固定部は、光学的ピックアップ部を本固定部との間に挟み込んだ状態で所定の把持力で把持することにより仮固定を行うように構成されている。このように構成すれば、所定の把持力により板ばね部材の仮固定を行うことができるので、仮固定部を外れにくくすることができる。
【0011】
上記仮固定部および第1位置決め部を有する板ばね部材を備えるディスク装置において、好ましくは、光学的ピックアップ部は、板ばね部材の第1位置決め部に係合する位置決め穴部を含み、仮位置決め固定部の第1位置決め部は、光学的ピックアップ部の位置決め穴に係合する凸形状を有する。このように構成すれば、凸形状の第1位置決め部を光学的ピックアップ部の位置決め穴部に係合させることにより、容易に、板ばね部材を光学的ピックアップ部に対して位置決めすることができる。
【0012】
この場合において、好ましくは、仮位置決め固定部の第1位置決め部は、上方に向かって幅が狭くなる凸形状を有する。このように構成すれば、凸形状の第1位置決め部を光学的ピックアップ部の位置決め穴部に対して位置決め穴部の側方からスライドさせるようにして係合させる際に、上方に向かって幅が狭くなる第1位置決め部の側面に光学的ピックアップ部の位置決め穴部の側方の角部を当接させることにより、位置決め穴部の側方の角部が第1位置決め部の側面に沿って移動して凸形状の第1位置決め部に乗り上げるように、第1位置決め部を下方に移動させることができる。そして、位置決め穴部の側方の角部が凸形状の第1位置決め部に乗り上げた状態で凸形状の第1位置決め部をさらに位置決め穴部側にスライド移動させることにより、容易に凸形状の第1位置決め部を位置決め穴部に係合させることができる。これにより、ユーザが光学的ピックアップ部の位置決め穴部の側方の角部を避けるために第1位置決め部を下方に移動させる作業を行う必要がないので、板ばね部材を光学的ピックアップ部に対して組み付ける際の作業者による組み付け作業をより簡略化することができる。
【0013】
上記仮固定部および第1位置決め部を有する板ばね部材を備えるディスク装置において、好ましくは、板ばね部材は、平面的に見て、仮位置決め固定部の第1位置決め部から所定の距離を隔てた位置に配置され、第1位置決め部と共に、光学的ピックアップ部に対する板ばね部材の位置を位置決めするための第2位置決め部を含む。このように構成すれば、平面的に見て、第1位置決め部の中心部分と第2位置決め部の中心部分とをずれた位置に配置することができるので、第1位置決め部と第2位置決め部とにより水平面内(互いに直交するXY面内)におけるXY方向の位置決めのみならず、板ばね部材の回転方向の位置決めも行うことができる。
【0014】
上記一の局面によるディスク装置において、好ましくは、板ばね部材の付勢部は、板ばね部材のガイド部の延びる方向の端部近傍に設けられ、ガイド部側に突出する突出部を含む。このように構成すれば、板ばね部材がガイド部と直交する方向に大きくなるのを抑制しながら、突出部により所定の付勢力をガイド部に付与することができる。
【0015】
この場合において、好ましくは、ガイド部は、ガイド軸を含み、板ばね部材の付勢部を構成する突出部は、ガイド軸の延びる方向と直交する方向に延びるように設けられている。このように構成すれば、ガイド軸と突出部とのガイド軸が延びる方向と直交する方向の相対的な位置が少しずれた場合にも、ガイド軸の延びる方向と直交する方向に延びる突出部により確実にガイド軸を付勢することができる。
【0016】
上記一の局面によるディスク装置において、好ましくは、ガイド部は、ガイド軸を含み、板ばね部材は、付勢部からガイド軸の延びる方向と直交する方向に延びるとともに斜め下方に曲がるように設けられ、板ばね部材が取り付けられた状態の光学的ピックアップ部のガイド部係合部をガイド軸に装着する際にガイド軸が板ばね部材の付勢部に当接するように誘導する誘導部を一体的に含む。このように構成すれば、板ばね部材を光学的ピックアップ部に対して固定した後に、ガイド軸と光学的ピックアップ部のガイド部係合部とを係合させる際に、板ばね部材の誘導部に沿ってガイド軸をガイド部係合部に誘導することができるので、ガイド軸から板ばね部材の付勢部を退避させるように付勢部をガイド軸から遠ざかる方向(下方)に撓ませる作業を行う必要がない。これにより、ガイド軸と光学的ピックアップ部とを係合させる際の作業者による組み付け作業を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態によるディスク装置の構成を説明するための全体斜視図である。
【図2】図1に示したディスク装置の構成を説明するための平面図である。
【図3】図1に示したディスク装置の光学的ピックアップ部および板ばね部材の上方からの視点による斜視図である。
【図4】図1に示したディスク装置の光学的ピックアップ部の上方からの視点による斜視図である。
【図5】図1に示したディスク装置の光学的ピックアップ部の下方からの視点による斜視図である。
【図6】図1に示したディスク装置の光学的ピックアップ部および板ばね部材の下方からの視点による斜視図である。
【図7】図1に示したディスク装置の板ばね部材の斜視図である。
【図8】図1に示したディスク装置の光学的ピックアップ部および板ばね部材の平面図である。
【図9】図1に示したディスク装置の光学的ピックアップ部および板ばね部材の側面図である。
【図10】図1に示したディスク装置の光学的ピックアップ部および板ばね部材の正面図である。
【図11】図1に示したディスク装置の板ばね部材の平面図である。
【図12】図1に示したディスク装置の板ばね部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
まず、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態による光ディスク装置1の構成について説明する。なお、本実施形態では、光ディスク装置1は、本発明の「ディスク装置」の一例である。
【0020】
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態による光ディスク装置1は、光ディスク装置1の各部材を収容可能なフレーム10と、フレーム10に固定された一対のガイド軸20および21と、一対のガイド軸20および21に沿って移動可能に取り付けられ、DVDディスクやBlu−rayディスクなどの光ディスク(図示せず)に格納された情報を読み取る光学的ピックアップ部30とを備えている。なお、ガイド軸21は、本発明の「ガイド部」の一例である。また、光ディスク装置1は、さらに、光学的ピックアップ部30に取り付けられ、ガイド軸21と後述する光学的ピックアップ部30のガイド軸係合部31とのガタを減少させる方向(上方)にガイド軸21を付勢する板ばね部材40を備えている。
【0021】
フレーム10は、板金により形成されている。このフレーム10の上側には、フレーム10の長手方向(矢印X1方向および矢印X2方向)に沿って一対のガイド軸20および21が固定されている。これら一対のガイド軸20および21は、矢印X1方向および矢印X2方向に延びるステンレス製の丸棒からなり、互いに所定の間隔を隔てて略平行に配置されている。
【0022】
また、光学的ピックアップ部30は、ガイド軸20および21に対して移動可能に係合されるガイド軸係合部31と、ガイド軸係合部31の矢印X1方向側に固定され、DVDディスクなどの光ディスク(図示せず)に格納された情報を読み取る光学的ピックアップ32とを含んでいる。なお、ガイド軸係合部31は、本発明の「ガイド部係合部」の一例である。
【0023】
ガイド軸係合部31は、樹脂製の本体部31aと、本体部31aと一体的に形成されており、ガイド軸20が挿入される2つの挿入穴部31bおよび31cと、本体部31aと一体的に形成されており、ガイド軸21を挟み込むように係合可能な係合部31dとを有している。ガイド軸係合部31は、挿入穴部31b、31cおよび係合部31dにより一対のガイド軸20および21に沿って移動可能に係合されている。また、ガイド軸係合部31は、さらに、本体部31aと係合部31dとの間に本体部31aおよび係合部31dと一体的に設けられ、板ばね部材40をガイド軸係合部31に取り付けるための取付部31e(図1参照)を有している。
【0024】
ここで、本実施形態では、図3および図4に示すように、ガイド軸係合部31の取付部31eは、本体部31aと係合部31dとを接続する部分に設けられた接続部31fと、接続部31fの矢印X1方向側に隣接するように設けられた板ばね固定部31gとにより構成されている。また、接続部31fの上面31hは、図4に示すように、板ばね固定部31gの上面31iと比べて高くなるように構成されており、接続部31fと板ばね固定部31gとの境界部分には、段差部31jが設けられている。
【0025】
また、接続部31fの上面31hには、上方に突出する丸棒状のボス部31kが設けられている。このボス部31kは、図3に示すように、後述する板ばね部材40の位置決め部44の係合穴44aと係合されることにより、板ばね部材40をガイド軸係合部31(接続部31f)に対して仮固定するとともに仮位置決めする機能を有する。
【0026】
また、板ばね固定部31gには、図4および図5に示すように、板ばね固定部31gの上面31i(図4参照)と下面31l(図5参照)とを接続する貫通穴31mが設けられている。なお、貫通穴31mは、本発明の「位置決め穴部」の一例である。この貫通穴31mの上面31i側部分は、図3に示すように、後述する板ばね部材40の固定部43を板ばね固定部31gにネジ止め(図2参照)する際のネジ穴として機能する。なお、貫通穴31mの上面31i側部分は、後述する板ばね部材40の固定部43を板ばね固定部31gにネジ止めする際に、螺合されるネジ部材50(図2参照)によりねじ切りされる。また、貫通穴31mの下面31l側部分(図5参照)は、図6に示すように、後述する板ばね部材40の仮位置決め固定部42の凸部42bと係合されることにより、板ばね部材40をガイド軸係合部31(板ばね固定部31g)に対して仮固定するとともに仮位置決めする機能を有する。
【0027】
また、光学的ピックアップ32は、図1および図2に示すように、光学的ピックアップ32の上方に配置されたDVDディスクなどの光ディスク(図示せず)に対してレーザ光を照射することにより、光ディスクの記録再生を行うように構成されている。そして、光学的ピックアップ32は、ガイド軸係合部31がガイド軸20および21に沿って矢印X1方向または矢印X2方向に移動されることにより、光ディスク(図示せず)の適切な位置に移動されるとともに、光ディスク(図示せず)の適切な部分にレーザ光を照射することが可能なように構成されている。
【0028】
また、本実施形態では、板ばね部材40は、図7〜図10に示すように、ガイド軸21(図8〜図10参照)に当接して所定の付勢力でガイド軸21を上方に付勢する付勢部41(図7〜図9参照)と、光学的ピックアップ部30のガイド軸係合部31(図8〜図10参照)に対して、板ばね部材40を仮固定するとともに仮位置決めするための仮位置決め固定部42(図7、図9および図10参照)と、板ばね部材40をガイド軸係合部31に本固定する固定部43と、ガイド軸係合部31に対する板ばね部材40の位置を位置決めするための位置決め部44と、付勢部41と固定部43とを連結する連結部45とにより構成されている。なお、固定部43は、本発明の「本固定部」の一例である。
【0029】
付勢部41は、図7および図11に示すように、平面的に見て、仮位置決め固定部42(図7参照)および固定部43の側方側(矢印Y1方向側)から矢印X2方向に向かって延びる平坦部41aと、平坦部41aからさらに矢印X2方向上方に向かって延びる傾斜部41bと、傾斜部41bの矢印X2方向側端部に傾斜部41bと一体的に形成されたガイド軸支持部41cとにより構成されている。
【0030】
平坦部41aは、図7に示すように、固定部43の矢印Y1方向側端部から下方に延びる連結部45の下端部の矢印Y1方向側部分近傍から矢印X2方向に向かって延びるように構成されている。また、平坦部41aは、図12に示すように、側方から見て、略水平方向に配置されている。また、平坦部41aは、図8に示すように、平面的に見て、ガイド軸係合部31の係合部31dの矢印X1方向および矢印X2方向の幅よりも長くなるように構成されている。これにより、図9に示すように、板ばね部材40が光学的ピックアップ部30に取り付けられた際に、平坦部41aをガイド軸係合部31の係合部31dの下方に配置することが可能となる。
【0031】
また、傾斜部41bは、側方からY2方向に見て、ガイド軸支持部41cをガイド軸21の下端の高さ位置よりも高い位置になるように、矢印X2方向に向かうにつれて上方に傾斜するように配置されている。上記平坦部41aおよび傾斜部41bによって、ガイド軸支持部41cは、ガイド軸21を所定の付勢力で上方に付勢することが可能となる。
【0032】
また、ガイド軸支持部41cには、図7および図9に示すように、ガイド軸21(図9参照)側(上方)に突出する突出部41dが形成されている。つまり、突出部41dは、付勢部41のガイド軸21の延びる方向(矢印X2方向)の端部近傍のガイド軸支持部41cに一体的に設けられている。この突出部41dは、ガイド軸21(図9参照)と当接するとともに、ガイド軸21を上方に付勢するために設けられている。また、突出部41dは、図8に示すように、矢印Y1方向側端部および矢印Y2方向側端部が半円形状であるとともに、ガイド軸21の延びる方向(矢印X1方向および矢印X2方向)と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に延びるように構成されている。また、突出部41dは、図12に示すように、上端面が略平坦になるように構成されている。この突出部41dの平坦部分41eは、図7および図8に示すように、ガイド軸21の延びる方向(矢印X1方向および矢印X2方向)と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に延びるように形成されている。
【0033】
また、仮位置決め固定部42は、図7および図12に示すように、付勢部41の矢印X1方向側の端部が矢印X2方向側に180°折り曲げられることにより、付勢部41と一体的に形成されている。また、仮位置決め固定部42は、図10に示すように、ガイド軸係合部31の側部側(矢印Y2方向側)に向かって延びる平板状に形成されている。これにより、仮位置決め固定部42の上面42aは、ガイド軸係合部31の取付部31eの板ばね固定部31gの下面31lと対向するように配置される。この仮位置決め固定部42の上面42aは、固定部43の下面43aとガイド軸係合部31の取付部31eの板ばね固定部31gを挟み込んだ状態で所定の把持力で把持することにより、ガイド軸係合部31に対して板ばね部材40を仮固定する機能を有する。なお、上面42aは、本発明の「仮固定部」の一例である。
【0034】
また、仮位置決め固定部42の矢印Y2方向側端部近傍(図7参照)には、図7および図12に示すように、上方に突出する凸部42bが設けられている。なお、凸部42bは、本発明の「第1位置決め部」の一例である。この凸部42bは、平板状の仮位置決め固定部42の矢印Y2方向側端部近傍(図7参照)が上方に向かって押し出されることによって、仮位置決め固定部42の上面42aと一体的に形成されている。つまり、凸部42bは、上方に向かって幅が狭くなる略半球形状の凸形状を有する。また、凸部42b(図6参照)は、図5および図6に示すように、ガイド軸係合部31の板ばね固定部31gの貫通穴31mの下面31l(図5参照)側部分に係合するように構成されている。これにより、凸部42bが貫通穴31mの下面31lに係合された際には、板ばね部材40は、光学的ピックアップ部30のガイド軸係合部31に対して仮位置決めされる。
【0035】
また、固定部43は、図4および図7に示すように、板ばね固定部31gの上面31i(図4参照)と対向する平板形状を有しているとともに、上述したように矢印Y1方向側端部が連結部45(図7参照)と接続されている。また、固定部43の下面43aは、図3に示すように、上述したように、仮位置決め固定部42の上面42aとガイド軸係合部31の取付部31eの板ばね固定部31gとを挟み込んだ状態で所定の把持力で把持することにより、ガイド軸係合部31に対して板ばね部材40を仮固定する機能を有する。また、固定部43には、図7に示すように、板ばね固定部31gの貫通穴31mの上面31i(図4参照)側部分と対向する位置に、ねじ挿入穴部43bが形成されている。これにより、板ばね部材40は、ねじ部材50(図2参照)がねじ挿入穴部43bを介して貫通穴31mの上面31i(図4参照)側部分に螺合されることにより、ガイド軸係合部31(光学的ピックアップ部30(図3参照))に対して固定される。
【0036】
上記のように、板ばね部材40がガイド軸係合部31(光学的ピックアップ部30(図3参照))に対して固定される際には、固定部43の下面43aと仮位置決め固定部42の上面42aとがガイド軸係合部31の取付部31eの板ばね固定部31g(図3参照)を挟み込むことにより、ガイド軸係合部31に対して板ばね部材40が仮固定されている。また、ガイド軸係合部31(図3参照)に対して板ばね部材40が仮固定される際には、板ばね部材40の凸部42bが貫通穴31mの下面31l(図5参照)側部分に係合されるとともに、後述する位置決め部44の係合穴44aがガイド軸係合部31のボス部31k(図4参照)に係合されることにより、ガイド軸係合部31(図3参照)に対して板ばね部材40が仮位置決めされている。
【0037】
また、位置決め部44は、固定部43の矢印X2方向側に隣接するように固定部43と一体的に形成されている。この位置決め部44は、ガイド軸係合部31の取付部31eの接続部31fの上面31h(図4参照)と対向するように配置される。また、位置決め部44は、板ばね固定部31gの上面31i(図4参照)と対向する固定部43よりも上方に位置するように形成されており、位置決め部44と固定部43との間には、段差部46が形成されている。この段差部46は、固定部43が板ばね固定部31g(図4参照)に配置されるとともに位置決め部44が接続部31f(図4参照)に配置されることにより、板ばね部材40がガイド軸係合部31(図4参照)に仮位置決めされる際に、段差部31j(図4参照)に引っかかるように構成されている。
【0038】
また、位置決め部44には、ガイド軸係合部31の接続部31fのボス部31k(図4参照)と係合可能な係合穴44aが形成されている。この係合穴44aは、図11に示すように、平面的に見て、仮位置決め固定部42の凸部42bから所定の距離を隔てた位置に配置されており、凸部42bと共に、光学的ピックアップ部30(ガイド軸係合部31(図4参照))に対する板ばね部材40の位置を位置決めする機能を有する。なお、係合穴44aは、本発明の「第2位置決め部」の一例である。
【0039】
また、付勢部41のガイド軸支持部41cの矢印Y1方向側には、図10に示すように、板ばね部材40が取り付けられた状態のガイド軸係合部31をフレーム10(図2参照)に取り付ける場合において、フレーム10に固定されたガイド軸21に対してガイド軸係合部31の係合部31dを装着する際に、ガイド軸21がガイド軸支持部41cに当接するように誘導する誘導部47が設けられている。この誘導部47は、図8および図10に示すように、ガイド軸支持部41cの矢印Y1方向側端部からガイド軸21が延びる方向(矢印X1方向および矢印X2方向)と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に延びるとともに、斜め下方に曲がるように構成されている。これにより、誘導部47をガイド軸21の側面に向かってスライド移動させることにより、図9に示すように、ガイド軸21の側面により誘導部47が下方に押し下げられるので、ガイド軸21をガイド軸支持部41cに誘導することが可能となる。
【0040】
本実施形態では、上記のように、板ばね部材40に、光学的ピックアップ部30に対して、板ばね部材40を仮固定するとともに仮位置決めするための仮位置決め固定部42を設けることによって、板ばね部材40を光学的ピックアップ部30に対して組み付ける際に、仮位置決め固定部42により、板ばね部材40を光学的ピックアップ部30に対して仮固定すると同時に、仮位置決めも行うことができるので、作業者が光学的ピックアップ部30に対して行う板ばね部材40の位置合わせ作業を仮固定作業とは別に行う必要がない。これにより、板ばね部材40を光学的ピックアップ部30に対して組み付ける際の作業者による組み付け作業を簡略化することができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、仮位置決め固定部42に、光学的ピックアップ部30に対して板ばね部材40を仮固定する上面42aと、上面42aに一体的に、光学的ピックアップ部30に対して板ばね部材40を仮位置決めするための凸部42bとを設けることによって、上面42aと凸部42bとを一体的に設けることにより、上面42aと凸部42bとを別個に設ける場合と比べて、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、仮位置決め固定部42の上面42aを、光学的ピックアップ部30を固定部43との間に挟み込んだ状態で所定の把持力で把持することにより仮固定を行うように構成することによって、所定の把持力により板ばね部材40の仮固定を行うことができるので、仮位置決め固定部42の上面42aを外れにくくすることができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、仮位置決め固定部42の凸部42bを、上方に向かって幅が狭くなる凸形状を有するように構成することによって、凸部42bの凸部分の上方部分の幅が狭い分、容易に光学的ピックアップ部30の貫通穴31mに凸部42bの先端部分を挿入することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、板ばね部材40に、平面的に見て、仮位置決め固定部42の凸部42bから所定の距離を隔てた位置に配置され、凸部42bと共に、光学的ピックアップ部30に対する板ばね部材40の位置を位置決めするための係合穴44aを設けることによって、凸形状の凸部42bを光学的ピックアップ部30の貫通穴31mに対して貫通穴31mの側方(矢印Y1方向側)からスライドさせるようにして係合させる際に、上方に向かって幅が狭くなる凸部42bの側面に光学的ピックアップ30部の貫通穴31mの側方(板ばね固定部31g)の角部を当接させることにより、貫通穴31mの側方(板ばね固定部31g)の角部が凸部42bの側面に沿って移動して凸部42bに乗り上げるように、凸部42bを下方に移動させることができる。そして、貫通穴31mの側方(板ばね固定部31g)の角部が凸部42bに乗り上げた状態で凸部42bをさらに貫通穴31m側にスライド移動させることにより、容易に凸部42bを貫通穴31mに係合させることができる。これにより、ユーザが光学的ピックアップ部30の貫通穴31mの側方(板ばね固定部31g)の角部を避けるために凸部42bを下方に移動させる作業を行う必要がないので、板ばね部材40を光学的ピックアップ部30に対して組み付ける際の作業者による組み付け作業をより簡略化することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、板ばね部材40に、平面的に見て、仮位置決め固定部42の凸部42bから所定の距離を隔てた位置に配置され、凸部42bと共に、光学的ピックアップ部30に対する板ばね部材40の位置を位置決めするための係合穴44aを設けることによって、平面的に見て、凸部42bの中心部分と係合穴44aの中心部分とをずれた位置に配置することができるので、凸部42bと係合穴44aとにより水平面内(互いに直交するXY面内)におけるXY方向の位置決めのみならず、板ばね部材40の回転方向の位置決めも行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、板ばね部材40の付勢部41に、板ばね部材40のガイド軸21の延びる方向(矢印X2方向)の端部近傍に、ガイド軸21側(上方)に突出する突出部41dを設けることによって、板ばね部材40をガイド軸21と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に大きくなるのを抑制しながら突出部41dにより所定の付勢力をガイド軸21に付与することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、板ばね部材40の付勢部41を構成する突出部41dを、ガイド軸21の延びる方向(矢印X1方向および矢印X2方向)と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に延びるように設けることによって、ガイド軸21と突出部41dとのガイド軸21が延びる方向(矢印X1方向および矢印X2方向)と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)の相対的な位置が少しずれた場合にも、ガイド軸21の延びる方向と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に延びる突出部41dにより確実にガイド軸21を付勢することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、板ばね部材40に、付勢部41からガイド軸21の延びる方向と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に延びるとともに斜め下方に曲がるように設けられるとともに、板ばね部材40が取り付けられた状態の光学的ピックアップ部30のガイド軸係合部31をガイド軸21に装着する際にガイド軸21が板ばね部材40の付勢部41に当接するように誘導する誘導部47を一体的に設けることによって、板ばね部材40を光学的ピックアップ部30に対して固定した後に、ガイド軸21と光学的ピックアップ部30のガイド軸係合部31とを係合させる際に、板ばね部材40の誘導部47に沿ってガイド軸21をガイド軸係合部31の係合部31dに誘導することができるので、ガイド軸21から板ばね部材40の付勢部41を退避させるように付勢部41をガイド軸21から遠ざかる方向(下方)に撓ませる作業を行う必要がない。これにより、ガイド軸21と光学的ピックアップ部30とを係合させる際の作業者による組み付け作業を簡略化することができる。
【0049】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0050】
たとえば、上記実施形態では、本発明のディスク装置のガイド部の一例としてガイド軸を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ガイド部が溝形状により構成されるなど、光学的ピックアップ部を移動可能であるならば、ガイド部をガイド軸以外により構成するようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、板ばね部材を光学的ピックアップ部に対して仮位置決めするために、板ばね部材に凸部を設けるとともに、光学的ピックアップ部に凸部を係合可能な貫通穴を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。板ばね部材に係合穴を設けるとともに、光学的ピックアップ部に係合穴と係合可能な凸部を設けるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、仮位置決め固定部の上面と固定部の下面との間に挟みこんだ状態で、板ばね部材を光学的ピックアップ部に仮固定した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、板ばね部材に、仮位置決め固定部とで光学的ピックアップ部を挟み込むことが可能な仮固定部を別途設けるとともに、仮位置決め固定部の上面と別途設けた仮固定部とで光学的ピックアップ部を挟み込むようにして、板ばね部材を光学的ピックアップ部に仮固定するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、板ばね部材を板ばね部の突出部がガイド軸を上方に付勢するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。板ばね部を突出部がガイド軸を下方に付勢するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 光ディスク装置(ディスク装置)
21 ガイド軸(ガイド部)
30 光学的ピックアップ部
31 ガイド軸係合部(ガイド部係合部)
31m 貫通穴(位置決め穴部)
40 板ばね部材
41 付勢部
41d 突出部
42 仮位置決め固定部
42a 上面(仮固定部)
42b 凸部(第1位置決め部)
43 固定部(本固定部)
44a 係合穴(第2位置決め部)
47 誘導部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド部と、
前記ガイド部に対して移動可能に係合されるガイド部係合部を含み、前記ガイド部に沿って移動しながら少なくとも光ディスクに格納された情報を読み取る光学的ピックアップ部と、
前記光学的ピックアップ部に取り付けられ、前記ガイド部と前記光学的ピックアップ部のガイド部係合部とのガタを減少させる板ばね部材とを備え、
前記板ばね部材は、
前記ガイド部に対して当接して所定の付勢力で付勢する付勢部と、
前記光学的ピックアップ部に対して、前記板ばね部材を仮固定するとともに仮位置決めするための仮位置決め固定部とを含む、ディスク装置。
【請求項2】
前記仮位置決め固定部は、前記光学的ピックアップ部に対して前記板ばね部材を仮固定する仮固定部と、前記仮固定部に一体的に設けられ、前記光学的ピックアップ部に対して前記板ばね部材を仮位置決めするための第1位置決め部とを含む、請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記板ばね部材は、前記光学的ピックアップ部に本固定する本固定部をさらに含み、
前記仮固定部は、前記光学的ピックアップ部を前記本固定部との間に挟み込んだ状態で所定の把持力で把持することにより仮固定を行うように構成されている、請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記光学的ピックアップ部は、前記板ばね部材の第1位置決め部に係合する位置決め穴部を含み、
前記仮位置決め固定部の第1位置決め部は、前記光学的ピックアップ部の位置決め穴に係合する凸形状を有する、請求項2または3に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記仮位置決め固定部の第1位置決め部は、上方に向かって幅が狭くなる凸形状を有する、請求項4に記載のディスク装置。
【請求項6】
前記板ばね部材は、平面的に見て、前記仮位置決め固定部の第1位置決め部から所定の距離を隔てた位置に配置され、前記第1位置決め部と共に、前記光学的ピックアップ部に対する前記板ばね部材の位置を位置決めするための第2位置決め部を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載のディスク装置。
【請求項7】
前記板ばね部材の付勢部は、前記板ばね部材の前記ガイド部の延びる方向の端部近傍に設けられ、前記ガイド部側に突出する突出部を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスク装置。
【請求項8】
前記ガイド部は、ガイド軸を含み、
前記板ばね部材の付勢部を構成する前記突出部は、前記ガイド軸の延びる方向と直交する方向に延びるように設けられている、請求項7に記載のディスク装置。
【請求項9】
前記ガイド部は、ガイド軸を含み、
前記板ばね部材は、前記付勢部から前記ガイド軸の延びる方向と直交する方向に延びるとともに斜め下方に曲がるように設けられ、前記板ばね部材が取り付けられた状態の前記光学的ピックアップ部のガイド部係合部を前記ガイド軸に装着する際に前記ガイド軸が前記板ばね部材の付勢部に当接するように誘導する誘導部を一体的に含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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