説明

ディスプレイ装置

【目的】 近くで鑑賞する事を禁止可能ないわゆるチャイルドロック機能を有するディスプレイ装置を提供する。
【構成】 リモートコントロール送信機(図示省略)からのリモートコントロール信号を受信する受信部200と、この受信部200からの前記リモートコントロール信号を判断してこのリモートコントロール信号に基づいた制御を行う制御部(図示省略)とを備えて、前記リモートコントロール送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置であって、前記受信部200は、受信指向性を有する同一受信感度の2つの受信センサ210を備え、且つ2つの前記受信センサ210で受信可能な共通受信エリア1000を、前記ディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れたディスプレイ装置の鑑賞に適したエリア内のみに設けるように配置し、前記制御部300は2つの前記受信センサ210で同一のタイミングで受信された信号が同一であると判断したとき前記制御を行うモードを有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リモートコントロール送信機で遠隔操作されるテレビジョン受像機、モニター装置、プロジェクタ等のディスプレイ装置に関するもので、特に、近くで鑑賞する事等を禁止可能な機能を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のディスプレイ装置で、近くで鑑賞する事を禁止可能な機能を有するものは特に見当たらない。
【0003】なお、本願発明とは異なるものの、構成が比較的近いように見えるものとしては、実開平4−76744号公報において開示されたリモートコントロール送信機で遠隔操作される電子機器がある。この電子機器は、リモートコントロール送信機からのリモートコントロール信号を受信部で受信し、その受信信号に基づいて制御が行われるように構成されたものであって、前記信号を受信する感度が異なる受光センサを複数個配設して構成された受信部と、前記複数の受光センサのそれぞれから導出される出力信号のいずれか1つを選択し、これを次段に設けられているリモートコントロール信号受信回路に供給する切り換えスイッチとを備えたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のディスプレイ装置は、近くで鑑賞しようとしても何も妨げる機能がなく、特に子供に対して、以前より問題となっていた視力の悪化や、最近ニュース等で取り上げられ問題となってきた「てんかん」等を発病することがまれにあることに対する対策が施されていない。
【0005】本発明の主たる目的は、近くで鑑賞する事を禁止可能ないわゆるチャイルドロック機能を有するディスプレイ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するために、本発明の請求項1に係るディスプレイ装置は、リモートコントロール送信機からのリモートコントロール信号を受信する受信部と、この受信部からの前記リモートコントロール信号を判断してこのリモートコントロール信号に基づいた制御を行う制御部とを備えて、前記リモートコントロール送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置において、前記受信部は、受信指向性を有する同一受信感度の複数の受信センサを備え、且つ全ての前記受信センサで受信可能な共通受信エリアを、前記ディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れたエリア内のみに設けるように配置し、前記制御部は全ての前記受信センサで同一のタイミングで受信された信号が同一であると判断したとき前記制御を行うモードを有する。
【0007】本発明の請求項2に係るディスプレイ装置は、請求項1記載のディスプレイ装置において、前記一定距離以上離れたエリアは前記ディスプレイ装置の鑑賞に適したエリアである。
【0008】本発明の請求項3に係るディスプレイ装置は、請求項1または2記載のディスプレイ装置において、前記受信センサは、前記ディスプレイ装置の両端側に設けられている。
【0009】本発明の請求項4に係るディスプレイ装置は、請求項1、2または3記載のディスプレイ装置において、前記制御部は、いずれかの前記受信センサで前記リモートコントロール信号を受信したとき、前記リモートコントロール信号に基づいた制御を行うモードも有する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置を図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置に設けられた受信部の共通受信エリア等を示す概略説明図、図2は本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置を示す概略的ブロック図、図3は本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の一部を示す図であって、同図(A)は本体の概略的正面図、同図(B)は受信センサの概略的斜視図である。
【0011】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置は、テレビジョン受像機であって、リモートコントロール送信機100と、このリモートコントロール送信機100によって遠隔操作される本体10とからなる。
【0012】本体10には、リモートコントロール送信機100からのリモートコントロール信号を受信する受信部200と、この受信部200からの前記リモートコントロール信号を判断してこのリモートコントロール信号に基づいた制御を行う制御部300と、この制御部300によって制御される被制御部500と、制御部300に対して指示を出すための本体側操作ボタン600と、メイン電源スイッチ(図示省略)とが備えられている。被制御部500は、表示部510(図3参照)、チューナ(図示省略)、アンプ(図示省略)、電源(図示省略)等の一般的なものである。表示部510はCRT装置、LCD、またはプラズマディスプレイ等である。
【0013】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置は、前記リモートコントロール送信機100と受信部200と制御部300とが従来のものと異なり後述のようになっていることで、表示部510で表示された映像を近くで鑑賞する事を禁止可能ないわゆるチャイルドロック機能を有する。このチャイルドロック機能は、特に子供が表示部510の近くで鑑賞したときに近視、てんかん等の原因となりやすいため且つ特に子供がリモートコントロール送信機100を使用したとき有効に機能させられるので、以下このようにも呼ぶが、もちろん子供以外にも有効である。
【0014】また、リモートコントロール送信機100の操作位置と、そのリモートコントロール送信機100を操作するユーザの前記鑑賞位置とは、表示部510からの距離にすればほぼ同位置で、むしろ前記操作位置の方が前記鑑賞位置よりもやや本体10に近いことがほとんどであると考えてもよいとの前提に立ったものである。
【0015】リモートコントロール送信機100は、従来のものと同様に電源オン/オフキー、テンキー、チャンネルアップキー、チャンネルダウンキー、音量アップキー、音量ダウンキー、ビデオ/テレビのモード切り換えキー等のキーと、これらのキーが操作されることによりリモートコントロール信号を生成するマイコンと、このマイコンで生成されたリモートコントロール信号により発光する発光部とを備える。
【0016】ただし、前記キーのうちの一部のキーは、後述するようにチャイルドロック機能の設定または解除するための指示をするためにも使用される。
【0017】リモートコントロール送信機100は、後述の受信センサ210に対応させて、指向性をある程度従来よりも高めるための円筒状のカバー(図示省略)を前記発光部(通常、赤外発光素子)の前方周囲側に設けている。ただし、このカバーを付加後の指向性は、リモートコントロール送信機100が、後述の共通受信エリア1000にあるとき、2つの受信センサ210が同時にリモートコントロール信号を受けることができるようには当然している。前記円筒状のカバーを設けたことで、発光部の光軸寄りの発光出力の高い部分を使用することになる。
【0018】受信部200は、受信指向性を有する同一受信感度の2つの受信センサ210を備えている。
【0019】受信センサ210は、一般的なリモコン受光ユニット211と、このリモコン受光ユニット211の前方両側面側にそれぞれ設けた遮蔽板212とを備えている。リモコン受光ユニット211の前面には受光窓211aが設けられている。この受光窓211aには図示しない受光素子の受光面が配置されている。
【0020】受信センサ210は、前記遮蔽板212を設けたことにより、左右方向の受信指向性のみを従来よりも高めている。前記左右にのみ遮蔽板212を設けたのは、特に上下方向の受信指向性を高める必要性がないからである。遮蔽板212を設けたのは、後述の共通受信エリア1000が、受信感度が低めとなるリモコン受光ユニット211の受光素子の光軸から離れた領域を使用しない方がよりよいからである。そのために、受信感度が高い前記光軸寄りのエリアのみを受信可能とすべく遮蔽板212を設けている。
【0021】受信センサ210のリモコン受光ユニット211は、その正面が本体10において正面方向に向けて設けられているが、前記遮蔽板212は図1に示されるようにやや内側に向けて設けられている。2つの受信センサ210の共通受信エリア1000をディスプレイ装置の少なくとも前方中央寄り一帯に形成するためである。
【0022】受信部200は、前記2つの受信センサ210で受信可能な共通受信エリア1000を、前記ディスプレイ装置の前面からディスプレイ装置の鑑賞に適した一定距離以上離れたエリア内のみに設けるように、図3R>3(A)に示すように本体10の両端側に配置している。前記両端側とは、表示部510の周囲に設けられた枠部700の縦枠部710の高さ方向の中央部である。この位置に受信センサ210を備えるのは、共通受信エリア1000を前記一定距離以上離れたエリア内のみに設けた上で、共通受信エリア1000の範囲をできるだけ広く確保するのに適しているからである。よって、2つの受信センサ210を備える位置としては、前記縦枠部710の高さ方向の中央部以外に前記縦枠部710内であればよく、共通受信エリア1000の範囲がやや狭まるものの横枠部720でも可能である。
【0023】なお、前記ディスプレイ装置の鑑賞に適した一定距離とは、もちろん、特に子供が視力の悪化や、「てんかん」等を発病しにくい距離である。
【0024】本体側操作ボタン600は、図示しないチャンネルアップボタン、チャンネルダウンボタン、音量アップボタン、音量ダウンボタン、ビデオ/テレビのモード切り換えボタン等といった一般的な操作ボタンである。
【0025】本体側操作ボタン600のうちの一部の操作ボタンは、後述するようにチャイルドロック機能の設定または解除するための指示をするためにも使用される。
【0026】制御部300は、チャイルドロック機能のための制御を含め本体10の総合的な制御をするものであって、マイコンまたはASIC等からなる。制御部300は、CPU部と不揮発性メモリ等のメモリ部等とを有している。
【0027】制御部300は、2つの受信センサ210で同一のタイミングで受信された信号が同一であると判断したときリモートコントロール信号に基づいた制御を行う第1のモードを有する。また、いずれか一方の受信センサ210でリモートコントロール信号を受信したとき、前記リモートコントロール信号に基づいた制御を行う第2のモードも有する。前記第1のモードはチャイルドロック機能が設定されているときのものであり、前記第2のモードはチャイルドロック機能が解除されているときのものである。
【0028】制御部300は、リモートコントロール送信機100から前記チャイルドロック機能設定のための所定のリモートコントロール信号を受けるか又は前記本体10に設けられた前記所定の本体側操作ボタン600からのチャイルドロック機能設定のための信号を受けると、前記不揮発性メモリにチャイルドロック機能設定済を示すフラグを立てる。一方、リモートコントロール送信機100から前記チャイルドロック機能解除のための所定のリモートコントロール信号を受けるか又は前記本体10に設けられた前記所定の本体側操作ボタン600からのチャイルドロック機能解除のための信号を受けると、前記フラグが立っていない状態となる。
【0029】制御部300は、前記フラグが立っているとき(即ちチャイルドロック機能設定済のとき)には、前記第1のモードとなって、2つの受信センサ210で、それぞれ同一のタイミングで受信された信号が同一(同一コード)であると判断すると、リモートコントロール信号に基づいた制御を行うのである。この第1のモードのときには、制御部300は、チャイルドロック機能のために、2つの受信センサ200で同一のタイミングで受信された信号が同一でないと判断したとき、もし一方の信号だけが前記リモートコントロール送信機100からのリモートコントロール信号であったとしても、そのリモートコントロール信号に基づいた制御を行わないように構成されている。
【0030】一方、制御部300は、前記フラグが立っていない状態のとき(即ちチャイルドロック機能が解除されているとき)には、前記第2のモードとなって、いずれか一方の受信センサ210でリモートコントロール信号を受信したとき、前記リモートコントロール信号に基づいた制御を行うのである。
【0031】なお、同一のタイミングとは、次のことを言う。一般的な話であるがリモートコントロール信号は、誤動作防止のため、キー操作に基づいた一種類の信号を複数連続して送っている。この複数連続した信号の1セット分の時間は、制御部300が信号認識のために少なくとも必要な時間となるため、最低限前記1セット分の時間と下記のメモリクリアまでの時間とが前記同一のタイミングとなる。
【0032】2つの受信センサ210から制御部300に入力されるリモートコントロール信号または単なる外来光ノイズは一旦、制御部300の2箇所のメモリに記憶された後に前記CPU部で判断される。例えば、1つのリモートコントロール送信機100で、一方の受信センサ210にリモートコントロール信号を送った後に、他方の受信センサ210に同じリモートコントロール信号を送ったとしても、前記第1のモードのときには、そのリモートコントロール信号に基づいた制御を行わないように構成されている。
【0033】そのために、リモートコントロール信号または単なる外来光ノイズが制御部300に入力されて、制御部300における割込処理が開始され、信号内容を同一が否かを判断した後、同一であればそのリモートコントロール信号に基づいた制御を被制御部500に対して指示するまでの間、少なくとも前記2箇所のメモリの内容は記憶保持されるが、その後にメモリクリアされるのである。即ち、前記2箇所のメモリは上書きはしない。もし、上書きすると、以前に受信したリモートコントロール信号を誤って認識してしまい誤動作するからである。
【0034】なお、リモートコントロール送信機100を用いてチャイルドロック機能を設定するには、前記電源オン/オフキーで本体10の電源をオン状態とした後に、所定のキー(例えばビデオ/テレビのモード切り換えキー)を所定の回数押して、「チャイルドロック機能を設定しますか」画面を表示部510に表示させた状態で、他の所定のボタン(例えば前記音量ダウンキー)を1回押すと設定されるようにしている。
【0035】また、リモートコントロール送信機100を用いてチャイルドロック機能を解除するには、所定の複数のキー(例えば前記テンキーのうちの「1」、「4」、「7」)を同時押しすることにより行われる。これにより、リモートコントロール送信機100で、子供が簡単にチャイルドロック機能を解除できないようにしている。前記マイコンは、前記所定の複数のキーが同時押しされたのを検知すると、チャイルドロック機能を解除するための所定のリモートコントロール信号を生成するようになっている。
【0036】なお、もちろん他の通常のキー操作を行うと、リモートコントロール送信機100の前記マイコンでは通常のリモートコントロール信号が生成される。
【0037】一方、本体側操作ボタン600でチャイルドロック機能の設定をするときは、所定の操作ボタン(例えば前記ビデオ/テレビのモード切り換えボタン)を所定の回数押して、「チャイルドロック機能を設定しますか」という画面を表示部510に表示させた状態で、他の所定の操作ボタン(例えば前記音量ダウンボタン)を1回押すと設定されるようにしている。
【0038】また、本体側操作ボタン600でチャイルドロック機能を解除するときには、所定の複数のボタン(例えば「ビデオ/テレビのモード切り換えボタン」と「音量ダウンボタン」)を同時押しするようになっている。これにより、前記本体側操作ボタンで、子供が簡単にチャイルドロック機能を解除できないようにしている。
【0039】このように構成された本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置は、例えば次のように動作する。尚、本体10は、メイン電源スイッチがオンされた後に、リモートコントロール送信機100の指示により、電源をオフ状態、即ち、リモコン指示待機状態となっているとする。また、チャイルドロック機能は予め設定されていないとする。もちろん、リモートコントロール送信機100のキー操作は、図1における死角エリア900では、いずれの受信センサ210でもリモートコントロール信号を受信できないため無効であることは言うまでもない。
【0040】(1)チャイルドロック機能の設定方法リモートコントロール送信機100で設定する場合には、どちらか一方の受信センサ210でのみ受信可能な受信エリア1100または共通受信エリア100内で、電源オンキーで電源をオンする。この後、上述した所定の操作でチャイルドロック機能を設定すればよい。一方、本体側操作ボタン600で設定する場合には、メイン電源スイッチで電源をオンした後に、上述した所定の操作ボタンを操作してチャイルドロック機能を設定すればよい。
【0041】(2)チャイルドロック機能が設定されているときの動作共通受信エリア1000以外で、リモートコントロール送信機100を操作しても本体10は動作しない。したがって、ディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れた鑑賞に適したエリアでのみリモートコントロール送信機100が操作可能となっている。即ち、鑑賞に適したエリアでのみ電源オンしたり、チャンネル変更等ができるのである。ユーザは、リモートコントロール送信機100が操作できないエリアでは、鑑賞したくなるであろうから、チャイルドロック機能として有効に働くのである。また、子供にチャイルドロック機能の解除方法を教えておかなければ、チャイルドロック機能を勝手に解除することは困難となっている。
【0042】なお、上述したように1つのリモートコントロール送信機100で一方の受信センサ210にリモートコントロール信号を送った後に、他方の受信センサ210に同じリモートコントロール信号を送っても本体10は動作しない他、別の機器のリモートコントロール送信機を使用しても誤動作することはないことは言うまでもない。
【0043】(3)チャイルドロック機能の解除方法リモートコントロール送信機100で解除する場合には、共通受信エリア1000で、電源オン/オフキーで電源をオンする。この後、上述した所定のキー操作でチャイルドロック機能を解除すればよい。一方、本体側操作ボタン600で設定する場合には、上述した所定の操作ボタンを操作してチャイルドロック機能を解除すればよい。
【0044】(4)チャイルドロック機能が解除されているときの動作共通受信エリア1000およびどちらか一方の受信センサ210でのみ受信可能な受信エリア1100内でリモートコントロール送信機100のキー操作が有効となる。比較的広いエリアでリモートコントロール送信機100のキー操作が有効となる。
【0045】なお、本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置においては、受信センサ210は、遮蔽板212を設けるとした。その代わりに、受信感度が低めとなるリモコン受光ユニット211の受光素子の光軸から離れた領域も使用するのであれば、遮蔽板212を設けなくてもよい。遮蔽板212を設けない状態は、受信センサ210がリモコン受光ユニット211そのものとなる。一般的に、リモコン受光ユニット211の受信指向性は90°程度あるので、遮蔽板212を設けない状態で、前記共通受信エリア100を適正に設けるならば、リモコン受光ユニット211の前面を正面向きではなく外側に斜めとなるように設けることになる。また、遮蔽板212を受信指向性を高めるためだけに使用するのであれば、遮蔽板212の代わりに受光素子のレンズの指向性を従来よりも高める方法も可能である。
【0046】一方、リモートコントロール送信機100についても、前記円筒状のカバーは省くことも可能である。また、リモートコントロール送信機100の前記発光部の指向性を高めたい場合は、レンズの指向性を従来よりも高める方法も可能である。
【0047】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置においては、本体側操作ボタン600の一部の操作ボタンが、チャイルドロック機能の設定または解除するための指示をするためにも使用されるとしたが、その代わりに、専用設定・解除ボタンを新たに設けてももちろんよい。リモートコントロール送信機100についても、同様に、専用設定・解除キーを新たに設けてももちろんよい。
【0048】また、チャイルドロック機能の設定または解除は、本体側操作ボタン600またはリモートコントロール送信機100のどちらか一方だけで可能であるとしてもよい。
【0049】更に、チャイルドロック機能の設定中は本体側操作ボタン600が操作されても無効となるようにしてもよい。この場合、本体側操作ボタン600を操作すると「チャイルドロック機能の設定中につき、本体側操作ボタンは使用出来ません。リモートコントロール送信機をご使用ください。」とメッセージが表示部510に表示されるようにすると好ましい。
【0050】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置においては、受信部200の受信センサ210は2つであるとしたが、その代わりに3つ以上にしてもよい。
【0051】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置は、テレビジョン受像機であるとしたが、もちろんモニター装置、プロジェクタ等でも上述同様となることは明らかであり、その説明は省略する。
【0052】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置においては、前記一定距離以上離れたエリアは前記ディスプレイ装置の鑑賞に適したエリアであるとしたが、その代わりに、例えば前記一定距離以上離れたエリアは子供等にリモートコントロール送信機を誤操作させてもよいエリアとし、前記一定距離以内のエリアはリモートコントロール送信機を誤操作させてはいけないエリアとしてもよい。前記一定距離以内のエリアにリモートコントロール送信機を放置していたとしても誤って動作させないようにできるからである。
【0053】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置においては、チャイルドロック機能は解除可能としているが、その代わりに、チャイルドロック機能は製品出荷時に既に設定されていて且つ解除できる機能を持たないようにしてもよい。
【0054】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置においては、リモートコントロール送信機100を備えたものとしたが、その代わりに、ディスプレイ装置にはリモートコントロール送信機100を備えず、ユーザは市販のリモートコントロール送信機を使用するとしてもよい。
【0055】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置においては、リモートコントロール送信機と受信部とは光を用いているが、指向性を持たせられるものならばよいので、光の代わりに例えば超音波を用いるようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1に係るディスプレイ装置は、リモートコントロール送信機からのリモートコントロール信号を受信する受信部と、この受信部からの前記リモートコントロール信号を判断してこのリモートコントロール信号に基づいた制御を行う制御部とを備えて、前記リモートコントロール送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置において、前記受信部は、受信指向性を有する同一受信感度の複数の受信センサを備え、且つ全ての前記受信センサで受信可能な共通受信エリアを、前記ディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れたエリア内のみに設けるように配置し、前記制御部は全ての前記受信センサで同一のタイミングで受信された信号が同一であると判断したとき前記制御を行うモードを有する。
【0057】よって、本発明の請求項1に係るディスプレイ装置の場合には、前記ディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れたエリア内のみに前記共通受信エリアがあり、且つ前記共通受信エリアからの前記リモートコントロール送信機からのリモートコントロール信号のみ有効となる。即ち、前記ディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れていないエリアから、前記リモートコントロール送信機を用いても遠隔操作できないようにできる。また、通常、リモートコントロール送信機の操作位置とユーザの位置とは、ほぼ同位置と考えてよいので、近くで鑑賞する事を禁止可能ないわゆるチャイルドロック機能を有するディスプレイ装置を提供できる。
【0058】本発明の請求項2に係るディスプレイ装置は、請求項1記載のディスプレイ装置において、前記一定距離以上離れたエリアは前記ディスプレイ装置の鑑賞に適したエリアである。
【0059】よって、本発明の請求項2に係るディスプレイ装置の場合には、前記一定距離以上離れたエリアは前記ディスプレイ装置の鑑賞に適したエリアであるから、近くで鑑賞する事を禁止可能ないわゆるチャイルドロック機能を有するディスプレイ装置を提供できる。
【0060】本発明の請求項3に係るディスプレイ装置は、請求項1または2記載のディスプレイ装置において、前記受信センサは、前記ディスプレイ装置の両端側に設けられている。
【0061】よって、本発明の請求項3に係るディスプレイ装置の場合には、共通受信エリアの範囲をできるだけ広く確保できるので、いわゆるチャイルドロック機能を設定したときのリモートコントロール送信機のキー操作の有効となる範囲をできるだけ広くすることができる。
【0062】本発明の請求項4に係るディスプレイ装置は、請求項1、2または3記載のディスプレイ装置において、前記制御部は、いずれかの前記受信センサで前記リモートコントロール信号を受信したとき、前記リモートコントロール信号に基づいた制御を行うモードも有する。
【0063】よって、本発明の請求項4に係るディスプレイ装置の場合には、いわゆるチャイルドロック機能を機能させないときのモードも有するので、チャイルドロック機能を機能させたくないときは、機能解除して、広範囲のエリアでリモートコントロール送信機を使用可能とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置に設けられた受信部の共通受信エリア等を示す概略説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置を示す概略的ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の一部を示す図であって、同図(A)は本体の概略的正面図、同図(B)は受信センサの概略的斜視図である。
【符号の説明】
100 リモートコントロール送信機
200 受信部
210 受信センサ
300 制御部
1000 共通受信エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】 リモートコントロール送信機からのリモートコントロール信号を受信する受信部と、この受信部からの前記リモートコントロール信号を判断してこのリモートコントロール信号に基づいた制御を行う制御部とを備えて、前記リモートコントロール送信機によって遠隔操作されるディスプレイ装置において、前記受信部は、受信指向性を有する同一受信感度の複数の受信センサを備え、且つ全ての前記受信センサで受信可能な共通受信エリアを、前記ディスプレイ装置の前面から一定距離以上離れたエリア内のみに設けるように配置し、前記制御部は全ての前記受信センサで同一のタイミングで受信された信号が同一であると判断したとき前記制御を行うモードを有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】 前記一定距離以上離れたエリアは前記ディスプレイ装置の鑑賞に適したエリアであることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項3】 前記受信センサは、前記ディスプレイ装置の両端側に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のディスプレイ装置。
【請求項4】 前記制御部は、いずれかの前記受信センサで前記リモートコントロール信号を受信したとき、前記リモートコントロール信号に基づいた制御を行うモードも有することを特徴とする請求項1、2または3記載のディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2001−306044(P2001−306044A)
【公開日】平成13年11月2日(2001.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−116271(P2000−116271)
【出願日】平成12年4月18日(2000.4.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】