説明

ディスペンサおよび補給ユニット

液体を吐出するための作動機構を有する基部ユニット(2)と、基部ユニット(2)へと液体を供給するために、流出口が最も下部に位置する状態となる逆転構成で基部ユニット(2)へと挿入可能な補給ユニット(1)とを備えるディスペンサを提供する。補給ユニット(1)は、補給ユニット(1)内へと突起し且つ補給ユニット(1)からの流出口を画成する環状壁(30)を備え、環状壁(30)は、環状壁(30)に対して付勢されるバルブ要素(33)により、その最内端部において閉鎖可能である。基部ユニット(2)は、中空の栓(11)と、栓(11)の上部を包囲し且つ栓の上部から離間した環状シール(14)とを備え、それにより、補給ユニット(1)を基部ユニット(2)へと挿入すると、栓(11)が環状壁(30)へと入り込み、バルブ要素(33)が環状壁(30)から持ち上げられる。その結果、補給ユニット(1)から、栓(11)の上部および/またはバルブ要素(33)の底部に形成された少なくとも1つの切り抜き部を通り、中空の栓(11)を下る流路が画成され、環状シール(14)が栓(11)と環状壁(30)との間をシーリングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体石鹸等を吐出するためのディスペンサに関する。
【発明の概要】
【0002】
このディスペンサは基部ユニットを有し、この基部ユニットには、吐出される物質を含む補給ユニットが、逆転構成で、すなわち流出口が最下端部に位置するよう、装着される。本発明は、家庭環境における使用に適した独立式石鹸ディスペンサのために特に設計されたものである。しかし、本発明は、壁取り付けユニットにも応用可能であり、公衆トイレ等のより大きな規模の装置に対しても使用可能となるであろう。補給ユニットは、液体を吐出する手動ポンプを有してもよいが、使用者の手の存在を感知する近接センサおよび液体を自動的に吐出するポンプを有することが好ましい。
【0003】
本装置は主に家庭向きの市場に対して意図されたものであるため、消費者が、極めて容易且つフールプルーフな方法で、せいぜい消費者に不快感を抱かせる程度、最悪の場合吐出機構を破壊する程度の混乱がないような形で、補給ユニットを交換できることが不可欠である。
【0004】
本発明によれば、ディスペンサは、液体を吐出するための作動機構を有する基部ユニットと、液体を基部ユニットに供給する流出口が最下部に位置する逆転構成で基部ユニットに対して挿入可能な補給ユニットとを備える。なお、この補給ユニットは、補給ユニット内に向かって突起し且つ補給ユニットからの流出口を画成する環状壁を備え、この環状壁は、環状壁に対して付勢されるバルブ要素により最内端部において閉鎖可能であり、この基部ユニットは、中空の栓と、栓の上部を包囲し且つ栓の上部から離間した環状シールとを備え、補給ユニットが基部ユニットへと挿入されると、栓が環状壁へと入り込み、バルブ要素が環状壁から持ち上げられて、補給ユニットから、栓の上部および/またはバルブ要素の底部に形成された少なくとも1つの切り抜き部を通り、中空の栓を下る流路が画成され、環状シールが栓と環状壁との間をシーリングする。
【0005】
係る構成は、補給ユニットを栓上に容易に降下させることを可能とする機構を提供する。補給ユニットが栓の上に降下すると、流路が開かれる。このように流路が開かれている間、環状シールは環状壁との間にシーリングを形成し、それにより、流路が開かれている間においても、液漏れを防ぐことができる。
【0006】
本発明は、したがって、補給ユニットが完全に空になっていないときにも補給ユニットを交換する容易且つ混乱のない方法を提供するものである。
【0007】
切り抜き部は、バルブ要素の底部に形成されてもよい。しかし、切り抜き部がバルブ要素の底部に形成されることは、バルブシートの形状が、バルブ要素上の切り抜き部の形状と一致することを要求することとなるであろう。したがって、切り抜き部は栓の上部に位置することが好ましい。複数の流路が提供されるよう、2つ以上の切り抜き部が存在することが好ましい。好適な例においては、切り抜き部が、栓の上部に位置するキャステレーションの形を取ると効果的である。
【0008】
バルブ要素は、環状壁からバルブ要素の反対側にあるばねにより付勢されてもよい。しかし、バルブ要素は、好適には1つの端部においてはバルブ要素へと結合し、他方の端部においては、環状壁の最内端部の径方向外側の位置且つ環状壁の最内端部の下方の位置において結合する、少なくとも1つの弾性部材により付勢され、1つの弾性部材または各弾性部材は、バルブ要素が環状壁から持ち上げられると、バルブ要素と環状壁との間に流路が存在するよう構成されていることが好ましい。
【0009】
環状壁の外部に固定された少なくとも1つの弾性部材を用いることにより、弾性要素自体および弾性要素を固定する手段が補給ユニットの既存の構造へと一体化されるため、本装置の構造を大幅に簡略化することが可能となる。もしバルブ要素がその反対側において弾性的に保持されるならば、これを保持するにあたって追加的な構造が必要となり、設計が複雑化されてしまうこととなる。
【0010】
このことは、本発明の独立的な態様を形成し、この態様は、その最も広義の意味において、使用中は最下端部となる1つの端部において開口部を有するディスペンサ用補給ユニットとして定められることができる。なお、この開口部は、補給ユニット内に向かって突起し、環状壁に対して付勢されるバルブ要素によりその最内端部において閉鎖可能であり、このバルブ要素は、1つの端部においてはバルブ要素へと結合し、他方の端部においては環状壁の最内端部の径方向外側の位置且つ環状壁の最内端部の下方の位置へと結合する状態で、少なくとも1つの弾性部材により付勢され、1つの弾性部材または各弾性部材は、バルブ要素が環状壁から持ち上げられると、バルブ要素と環状壁との間に流路が存在するよう構成される。
【0011】
付勢要素が1つのみ用いられる場合、付勢要素は連続的な環状部品とはなり得ない。付勢要素は、流路が存在し得るよう、螺旋構造において孔を有するか、または螺旋構造かまたは同様の構造となる必要がある。流路を提供するためには、複数の弾性要素が存在し、これら弾性要素の相互間に間隙が存在することが好ましい。
【0012】
1つの弾性部材または各弾性部材は、バルブ要素とは別に製造された後、組み合わされてもよい。しかし、バルブ要素は、1つの弾性部材または各弾性部材と一体的に製造されることが好ましい。
【0013】
1つの弾性部材または各弾性部材は、補給ユニットのキャップに固定される、周囲のバルブプレートへと延長することか好ましい。
【0014】
バルブプレートは、単に、のり付け、接着、または他の方法で、キャップ内に固定されてもよい。しかし、バルブプレートは、キャップと、定位置にスナップ嵌めされる固定プレートとの間に挟まれることが好ましい。1つまたは複数の固定ポストが、様々な要素を相互に対して位置決めするために、キャップ、バルブプレート、または固定プレートのうちの1つに提供されることが好ましい。
【0015】
補給ユニットにおける開口部は、液体流出口または空気開放吸気口であり得る。環状壁、バルブ要素、および弾性部材の構成は、いずれの場合に対しても等しく適用可能である。
【0016】
本発明に係るディスペンサおよび補給ユニットについて、添付の図面を参照しつつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ディスペンサの断面図である。
【図2】ディスペンサに導入される途中であるがまだ係合してはいない状態の補給容器の切り取り断面図である。
【図3】中間姿勢にある補給容器を示す、図2と同様の図である。
【図4】完全係合姿勢にある補給容器を示す、図3と同様の図である。
【図5】組立前のキャップ組立体の斜視図である。
【図6】組立後のキャップ組立体の斜視図である。
【図7】ボトルネック部とキャップ組立体との間の係合を示す断面図である。
【図8】脆弱部材が破砕されていない状態の、キャップの斜視図である。
【図9】ボトルがキャップから取り除かれた後の、図7と同様の図である。
【図10】脆弱部材が破砕された後の、図8と同様の図である。
【図11】第2補給ユニットのキャップの分解斜視図である。
【図12】組み立てられたキャップを示す、図11と同様の図である。
【図13】第2例の圧力開放バルブの断面図である。
【図14】空気が流れることができるように開放構成にある圧力開放バルブを示す、図13と同様の図である。
【図15】ディスペンサに接する第3補給ユニットを示す、図4と同様の図である。
【図16】第3補給ユニットのキャップを示す、図5と同様の図である。
【図17】組み立てられた第3補給ユニットのキャップを示す、図6と同様の図である。
【図18】第3補給ユニットを示す、図7と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
このディスペンサは、一般に家庭での使用に適した、ハンズフリー式のディスペンサである。ディスペンサは、液体石鹸を吐出することを主に意図したものであるが、例えば、ハンドクリーム、ボディローション、モイスチャライザー、美顔用クリーム、シャンプー、シャワー用ジェル、発泡性手洗い洗剤、ひげそり用クリーム、皿洗い液、練り歯磨き、にきび治療クリーム、表面用洗浄剤、またはアルコール・ジェル等の消毒剤等の、(理想的には水の粘度よりも大きい粘度を有する)液体製品または半液体製品を吐出するために用いられてもよい。
【0019】
ディスペンサは、2つの主要な部品、すなわち補給容器1および基部ユニット2を備える。補給容器1は、吐出される液体のタンクを提供するものであり、以下に説明されるように、基部ユニット2に装着される。
【0020】
基部は、液体が補給ユニットから吐出されるインターフェース3を有する。インターフェース3は吐出管4と液体連通する。ポンプ5は、計量された吐出量の液体を吐出管4に沿って吐出ヘッド6から噴出するよう選択的に動作可能である。
【0021】
基部は、ディスペンサの近傍において使用者の手の存在を感知するためにウィンドウ8を通して受信器7Bへと赤外線を送信する赤外線送信器7Aを有する。制御回路は、近接センサからの信号に反応してポンプを作動させる。例示したセンサは遮断ビームセンサではあるが、センサは反射センサであってもよい。赤外線センサが示されてはいるが、容量式センサ等の任意の既知の近接センサを使用してもよい。本装置は、AC電源でまたはバッテリー電源で稼働し得る。あるいは、本装置は、使用者がレバーを押すことにより製品が吐出される手動ポンプ装置であってもよい。
【0022】
補給容器1および基部ユニット2の間のインターフェースについて、以下で、図2から図10を参照しつつ、より詳細に説明する。
【0023】
基部ユニット2は、補給容器を保護し且つ支持するために、補給容器の大部分を包囲する、カップ形状のハウジングを形成するカウリング10を備える。栓11は、カウリング10の基部を通って突出し、Oリングシール12によりカウリング10に対してシーリングされる。栓は、その上部表面において複数のキャステレーション13を有する。第2Oリングシール14がキャステレーション13の下方で栓11を包囲する。
【0024】
補給容器1はボトル20を備え、ボトル20にはキャップ21が固定されている。ボトル20は、キャップ21内で環状フランジ23上に嵌合し且つ環状フランジ23とシーリングするネック部22を有する。キャップ21は、キャップの外部表面を形成する上方に張り出すスカート部24(図では逆転方向で示される)を有する。スカート部24からしだいに内側に向かっていくと、キャップの次の部品は外側環状壁25であり、この環状壁25はスカート部24に対して略同軸上にある。
【0025】
これは、図5から図10において詳細に示されている。
【0026】
外側環状壁25は1対の保持部材26および1対の支持部材27を備え、これら保持部材26および支持部材27は、図5、図6、図8、および図10に示すように、交互に配置され、それぞれが円のほぼ1/4にわたって延長する。支持部材27の輪郭が図2に示されている。これらの部材は、直接にキャップの下部壁部から上方に延長し、長方形であり、傾斜した上部表面28を有する。保持部材26の輪郭が図7および図9に示されている。支持部材27とは異なり、保持部材26はキャップの壁部に固定されていない。それにかわって、保持部材26は、図6および図8において最もよく示されているように、各端部において脆弱部材29により支持部材27へと固定されている。保持部材26は、図7および図9に示されるように、長方形であり、傾斜した上部表面35を有する。
【0027】
図7および図9に示されるように、ボトルのネック部22は傾斜した外部表面36を有し、この傾斜した外部表面36は、環状壁25の傾斜表面28および35に対して相補的である。肩部37は、傾斜した外側表面36の後ろに存在し、ボトル20の本体に対して対向する。この傾斜した外側表面36および肩部37は、保持部材26の近傍においてのみ存在し、支持部材27の近傍においては存在しない。支持部材27の近傍では、ネック部22は、図2に示すように、長方形の構成を有する。
【0028】
ボトル20をキャップ21に挿入するために、ボトル20は、そのネック部が環状フランジ23上に嵌合する状態で、押し下げられる。ボトルの傾斜した外側表面36は、傾斜表面28および35と協働して、図7に示すように、保持部材26を径方向外側に移動させ、その結果として肩部37が保持部材26の後方の定位置に嵌り込む。ボトル20がキャップ21から引き離されると、肩部37は保持部材26に対して押し付けられ、それにより脆弱部材29が破砕され、保持部材26は図9および図10に示すように、キャップ21から分離される。一度保持部材26がキャップ21から分離されると、キャップをボトル上に保持することが不可能となり、その結果、補給容器を後でまた使用することができなくなる。
【0029】
保持部材26の両方が縁から完全に分離する必要はない点に注意すべきである。保持部材26の1つだけが分離してもよく、または、保持部材26の1つまたは両方が、ボトルのネック部ともはや係合できない位置へと移動するのみでもよい。
【0030】
図2から図4に戻って、液体流出口および関連するバルブについて説明する。
【0031】
タンクからの液体流出口は、中央開口部31を包囲する環状壁30により提供される。傾斜表面32が環状壁30の上部に存在し(図4参照)、傾斜表面32は、流出口バルブ要素33のためのバルブシートを提供する。流出口バルブ要素33は、U字形状のカップ状部材として示されてはいるが、固体状の部材であっても、または中空の球状部材であってもよい。流出口バルブ要素33は、複数の付勢要素34により、閉止姿勢へと付勢される。これら付勢要素34は、その上部端部がバルブ要素33の上部に向かって取り付けられ、その下部端部が環状壁30の径方向外側の位置且つ環状壁30の上部よりも下方の位置において取り付けられる。付勢要素はバルブ要素33と一体形成されることが好ましい。
【0032】
図2から図4に示されるように、補給容器1が基部ユニット2中に降下されると、栓11は、図3に示すように、バルブ要素33の下部表面と係合する。補給容器がさらに降下されると、バルブ要素33はそのバルブシートから持ち上げられ、また、Oリング14は環状壁30とシーリング状態で係合する。バルブ要素33は、図4に示す位置へと持ち上げられる。この位置において、ボトル20内の液体は付勢要素34の周囲を流れ、キャステレーション13を通って栓へと入り、このようにして基部ユニット2に入る。栓11と環状壁30との間からの液体漏れは、Oリングシール14によって防がれる。この構成により、消費者が、補給容器の充填レベルに関わらず、補給容器を挿入する簡単且つ混乱のない方法が提供される。
【0033】
補給容器を取り除くためには、消費者は基部から補給容器を持ち上げる。すると、付勢要素34により、バルブ要素33がバルブシート32へと戻る。この動きの間、栓11と環状壁30との間のシーリングはOリングシール14により維持される。次に、上記の手順の後、消費された補給容器は新しい補給容器と交換される。
【0034】
キャップには、1対の圧力開放バルブ40が提供される。各圧力開放バルブ40は、キャップ21と一体である環状ボス41により形成される。圧力開放バルブ要素42は、環状ボス41の上部に座し、1対の付勢要素43により定位置へと付勢される(例えば、図5に示すように)。付勢力は、通常状態においては圧力開放バルブ要素42がボス41と接して気密シーリングが形成されるよう、印加される。しかし、ボトル20内の圧力が一定レベルより低下すると、開放バルブ要素42にかかる圧力差が付勢要素43により印加される力を超え、その結果、空気がボトル20内へと流れ込む。これにより圧力差が低下し、その結果、液体漏れのない気密シーリングが回復される。
【0035】
各圧力開放バルブ40は、環状壁30の上部のレベルよりも軸方向で上方に延長する環状バリア44により包囲される。このようにバルブ要素33は開放されると、開放バルブ40に入る空気が、流出する流体流に同伴することはない。実際に、これは、開放バルブを流出口の付近に設置して、キャップをよりコンパクトにすることが可能となることを意味する。2つの開放バルブが示されてはいるが、必要に応じて、単一のバルブまたは3つ以上のバルブを提供してもよい。
【0036】
キャップの組み立て方法が図5および図6に図示されている。
【0037】
この組立体は、キャップ21、バルブプレート45、および固定プレート46からなる3部分構成である。 キャップは、環状フランジ23、環状壁25、および環状ボス41を含む、いくつかの成形された部品を有する。加えて、キャップ21は、複数の固定ポスト47を有する。
【0038】
バルブプレート45はエラストマ材料であり、バルブ要素33、付勢要素34、開放バルブ要素42、および付勢要素43と一体形成されている。バルブプレートは、固定ポスト47に対応する、複数の定位孔48を有する。
【0039】
固定プレート46は硬質プラスチック材料製で、環状バリア44と一体形成されている。バルブプレート45と同様に、固定ポスト47に対応する複数の定位孔49が固定プレート46にも提供されている。
【0040】
キャップを組み立てるためには、3つの構成部品が、図6に示すように、固定ポストを定位孔に挿入して構成部品の正確な位置合わせが確実になされるよう、互いに積み上げられる。次に、熱または接着剤が固定ポスト47の上部に加えられ、固定ポストが固定プレート46に固定される。その結果、エラストマバルブプレート45はキャップ21と固定プレート46の間に挟まれ、バルブ要素33および42が定位置に保持される。
【0041】
補給ユニット用キャップの第2の例について、図11から図14を参照しつつ説明する。
【0042】
第2例における流出口バルブ要素33の構成は、第1例と実質的に同一であり、 第2例に関して再び説明することはしない。
【0043】
図11に見られるように、キャップ21は、環状壁25および30と圧力開放バルブの円錐部50等のいくつかの部品と一体成形されており、これに関して以下で説明する。圧力開放バルブ用の弾力性リップ53(詳細は以下で説明する)は、バルブプレート45と一体成形されて提供される。固定プレート46には、開放バルブ用のシールド57が提供されている。シールド57は、図2におけるバリア44と同等であるが、流出口バルブ要素33に対向する開放バルブの側の周囲にのみ延長している。バリア44およびシールド57は、2つの例において交換可能に用いられ得る。
【0044】
キャップ組立体は、第1例の場合と同様の方法で組み立てられる。
【0045】
圧力開放バルブ60が図13および図14に図示されている。
【0046】
圧力開放バルブ60は、上述のようにキャップ21と一体の部分である円錐部50を有する。円筒形ポスト61が円錐部50の上部に位置している。弾力性リップ53は、弾力性材料製バルブプレート52の中空切頭円錐形の延長であり、円錐部50に沿って延長し、円錐部50からわずかに逸れており且つポスト61に密着していると、効率的である。少なくとも1つの空気吸込口62が(図11に示すように)円錐部50の壁部を通過し、空気吸込口62は、図11に示すように、通常は弾力性リップ53により覆われている。液体が吐出されるにつれてボトル20内の圧力が低下していくと、弾力性リップ53にかかる圧力差は次第に増大し、やがてリップ53を十分な角度だけ移動させることとなる。その結果、図8において矢印が示すように、空気Aがボトル20へと流れ込む。弾力性リップ53が円錐要素50から持ち上げられる角度は図8において誇張されており、実際にはほぼ感知不可能であることに注意すべきである。
【0047】
ポストに対してシーリングするのではなく、弾力性リップ53は円錐部50に対してシーリングしてもよい。この場合、リップは、図示のように円錐部から逸れることはないであろう。それにかわって、リップの傾斜角は、リップが円錐部に対して自然に付勢されるよう、円錐部50の角度よりも小さくなるであろう。
【0048】
補給ユニットの第3例について図15から図18を参照しつつ説明する。第3例は大部分の面で第1例と同一であり、ここでは重要な相違点についてのみ説明することとする。
【0049】
図15に見られるように、流出口バルブ要素33’は形状が異なっている。この場合、環状壁へのシーリングを支援するためにバルブが閉止されると環状壁30内に嵌合する縮径部60が存在する。
【0050】
1対の圧力開放バルブ40は、単一の従来の傘状バルブ61により置き換えられている。
【0051】
脆弱部材29を有する保持部材26は、複数の間欠的肩部62により置き換えられており、これら間欠的肩部62は、図18に示すように、ボトル20のネック部上の相補的肩部63と係合する。フランジ64は、ボトルのネック部が内側に片寄ることを防ぐ。一度、図18に示す姿勢に入ると、上述した肩部同士の係合強度は十分な大きさとなり、あらゆる実際的な目的に対して、キャップがボトルから外れることはない。キャップがボトルから外れないよう防止することは、図16および図17に示すように、キャップ21とボトル20との間の相対的回転を防ぐためにボトル上に設けられ相補的突起(図示せず)と係合する、キャップ上の固定装置64により助長される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するための作動機構を有する基部ユニットと、前記基部ユニットに液体を供給する流出口が最下部に位置する状態の逆転構成で前記基部ユニットに対して挿入可能な補給ユニットとを備え、前記補給ユニットは、前記補給ユニット内に向かって突起し且つ前記補給ユニットからの流出口を画成する環状壁を備え、前記環状壁は、前記環状壁に対して付勢されるバルブ要素により、前記環状壁の最内端部において閉鎖可能であり、前記基部ユニットは、中空の栓と、前記栓の上部を包囲し且つ前記栓の上部から離間した環状シールとを備え、それにより、前記補給ユニットを前記基部ユニットへと挿入すると、前記栓が前記環状壁へと入り込み、前記バルブ要素が前記環状壁から持ち上げられ、その結果、前記補給ユニットから、前記栓の上部および/または前記バルブ要素の底部に形成された少なくとも1つの切り抜き部を通り、前記中空の栓を下る流路が画成され、前記環状シールが前記栓と前記環状壁との間をシールする、ディスペンサ。
【請求項2】
前記バルブ要素は、少なくとも1つの弾性部材により前記環状壁に対して付勢される、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの弾性部材は、1つの端部においては前記バルブ要素へと結合され、他方の端部においては、前記環状壁の最内端部の径方向外側の位置且つ前記最内端部の下方の位置において結合され、前記弾性部材または各弾性部材は、前記バルブ要素が前記環状壁から持ち上げられると、前記バルブ要素と前記環状壁との間に流路が存在するよう構成された、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記流路を提供するために、複数の弾性要素が、前記複数の弾性要素間に間隙が存在する状態で存在する、請求項2または請求項3に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記バルブ要素は、前記弾性部材または各弾性部材と一体的に製造された、請求項2または請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記弾性部材または各弾性部材は、前記補給ユニットのキャップに固定された、周囲のバルブプレートへと延長する、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記バルブプレートは、前記キャップと固定プレートとの間に挟まれた、請求項6に記載のディスペンサ。
【請求項8】
1つまたは複数の固定ポストが、前記様々な要素を相互に対して位置決めするために、前記キャップ、バルブプレート、または固定プレートのうちの1つに存在する、請求項7に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記補給ユニットは水の粘度よりも大きい粘度を有する液体で充填された、請求項1から請求項8のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項10】
ディスペンサ用の補給ユニットであって、前記補給ユニットは、使用中は最下端部となる1つの端部において開口部を備え、前記開口部は、前記補給ユニット内に向かって突起する環状壁を備え、前記環状壁は、前記環状壁に対して付勢されるバルブ要素により前記環状壁の最内端部において閉鎖可能であり、前記バルブ要素は、1つの端部においては前記バルブ要素へと結合され、他方の端部においては前記環状壁の前記最内端部の径方向外側の位置且つ前記環状壁の前記最内端部の下方の位置へと結合される、少なくとも1つの弾性部材により付勢され、前記弾性部材または各弾性部材は、前記バルブ要素が前記環状壁から持ち上げられると、前記バルブ要素と前記環状壁との間に流路が存在するよう構成された、ディスペンサ用の補給ユニット。
【請求項11】
前記流路を提供するために、複数の弾性要素が、前記複数の弾性要素間に間隙が存在する状態で存在する、請求項10に記載の補給ユニット。
【請求項12】
前記バルブ要素は、前記弾性部材または各弾性部材と一体的に製造された、請求項10または請求項11に記載の補給ユニット。
【請求項13】
前記弾性部材または各弾性部材は、前記補給ユニットの前記キャップに固定された、周囲のバルブプレートへと延長する、請求項12に記載の補給ユニット。
【請求項14】
前記バルブプレートは前記キャップと固定プレートとの間に挟まれた、請求項13に記載の補給ユニット。
【請求項15】
1つまたは複数の固定ポストが、前記様々な要素を相互に対して位置決めするために、前記キャップ、バルブプレート、または固定プレートのうちの1つに提供された、請求項14に記載の補給ユニット。
【請求項16】
前記開口部は液体流出口であり、前記バルブ要素は液体流出口バルブ要素である、請求項10から請求項15のいずれかに記載の補給ユニット。
【請求項17】
前記開口部は空気開放吸気口であり、前記バルブ要素は空気開放バルブ要素である、請求項10から請求項15のいずれかに記載の補給ユニット。
【請求項18】
水の粘度よりも大きい粘度を有する液体で充填された、請求項10から請求項17のいずれかに記載の補給ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−508676(P2012−508676A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543808(P2011−543808)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002682
【国際公開番号】WO2010/055314
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(506343612)レキット アンド コールマン (オーバーシーズ) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】