ディスポーザブル免疫診断検査システム
ディスポーザブル免疫診断システムは液体被分析試料の中のマーカー蛋白を検査するシステムで、互いに密着した通過層、蛋白層、および吸収層を含む。通過層は非孔性で、穴が開いている。蛋白層は多孔性で、この上に効果的に結合蛋白を固定し、ここに被分析物を通す。蛋白層には通過層の孔と一列に並んだ有効面エリアがある。被分析物は通過層の穴から蛋白層上に効果的に導入される。陽性結果では、マーカー蛋白が効果的に結合蛋白に結合し、蛋白層に固定される。陰性結果では、被分析物が効果的に蛋白層を通過し、吸収層に吸収される。ハウジングが付いていることがある。このシステムは焼却すると非毒性副産物が生成する可燃材料でできており、診断でシステムを使用した後、環境的に責任ある方法で廃棄できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は免疫診断検査システム、キット、機器の分野に関する。より詳細には、液体被分析試料のマーカー蛋白の存在を検査するディスポーザブル免疫診断検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床環境では様々な診断検査方法およびキットが使われている。例えば、免疫クロマトグラフィー・アッセイ、抗原および/または抗体の存在を調べるマルチイムノアッセイ診断システム、アッセイ試料分析装置、および迅速イムノアッセイ検査ストリップなどが挙げられる。その他の迅速アッセイ検査の機器および方法は、多かれ少なかれ当技術分野で知られており、検査試料が当機器の中を流れるか否かにより、また恐らくこのような流れの方法および/または方向により、多くの形式の1つに分類される。例えば、ディップスティック形式、フロースルー形式、および/またはラテラル形式といった検査機器がある。
【0003】
しかしながら、より迅速で正確な検査結果を出す機器、特殊化した追加機器の購入や高度な資格のある検査官の補足トレーニングを必要としない機器、および/または原因物質が複数ある場合に事実上同時検査で1つの被分析試料を検査できる機器が求められている。同様に、効果的かつ簡単に使用でき、迅速に実施できる免疫診断検査システム、キット、および/または機器(以後、簡単に「免疫診断検査システム」と称する)も求められている。
【0004】
また、「治療の場」および/または「現場」(即ち、従来の臨床環境の外、例えば、臨時のアウトリーチプログラム、緊急対応を試みる場合、野戦病院、および/または農場における穀物や病気の家畜への対応の一環として)で、これまで充分に対応されていなかった簡単に使用および/または廃棄できる検査システムが緊急に求められている。
さらに、現場および/または特別に設計された製造施設で製造および/または組立てができる検査システムが求められている。また、製造および包装コストの低いシステムも求められている。
【0005】
使用者の嗜好および/または実施する検査の性質により、定量的および/または定性的な結果が選択できる試験システムが求められている。
【0006】
過去に、「治療の場」の免疫診断システムの廃棄が、この業務を請け負う作業者にとって重大な問題または難点であったと考えられる。かつて、このような機器(使用により潜在的に汚染された機器)は通常、廃棄物埋め立て場に運ばれ、環境対策費を大幅に増大させ、この機器から出た汚染物質がやがて埋め立て場や周辺地区に漏出する可能性が懸念されるようになっている。現在市販されている免疫診断検査システムの一部は通常、有害および/または毒性のある気体を発生させることなく、安全に燃焼または焼却できない材料(例えばプラスチック)が主な構成成分であるため、廃棄物埋め立て処分が事実上必要とされている。検査システムを埋め立て場で廃棄すると、通常、輸送費や廃棄処分費、および労力が加算される。労力の一因として、潜在的に汚染された検査システムの安全な輸送、および処理に適した携帯型廃棄物用容器を現場作業者が持ち歩かなければならないことが挙げられる。このような廃棄方法は、無菌ガラス器具、プラスチック器具、検査器具、および同類の器具、並びにこれに相応する厳密さで行なう滅菌および取扱い方法が関わる。従って、単純かつ環境的に責任のある方法、例えば焼却により、簡単に廃棄できる検査システムが緊急かつ継続的に求められている。
【0007】
また、ウイルス、真菌、細菌、および/またはベクター誘導による感染を検出するために選択的に適用される検査システム、或いはこれらの検査の一部または全てを1つの試料で実施できる検査システムも求められている。
【0008】
前述に加えて、視覚的に識別可能な検査結果が得られる検査システム、および/または比較的に短期間(例えば、60〜90秒以内)で検査結果が得られる検査システムも求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、上述した必要性、短所、および/または先行技術に関連した欠点を1つ以上未然に防ぎ、緩和し、および/または対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、液状の被分析試料に存在するマーカー蛋白の有無を検査するディスポーザブル免疫診断検査システムである。本検査システムは事実上非孔性構造の第一材料でできた事実上平面の通過層を含み、この通過層は少なくとも1つの穴が貫通した形状を成す。また、この検査システムは、効果的な構成で、結合蛋白を事実上固定するために用いる第二材料の蛋白膜を含む。この蛋白膜は事実上多孔構造であるため、液状被分析試料がこの孔を通る。蛋白層は通過層に密着しているため、蛋白上に有効面を成し、通過層の穴に事実上接し、事実上一列に並んだ構造である。この検査システムにはまた、液状被分析試料の少なくとも一部を吸着する第三材料でできた吸収層を含む。この吸着層は蛋白層に密着している。効果的な構成では、上述したように、結合蛋白が蛋白層に事実上固定されており、液状被分析試料が通過層の少なくとも1個の穴から蛋白層に注入される。陽性結果の構成では、マーカー蛋白が結合蛋白と結合し、事実上蛋白層に固定される。陰性結果の構成では、少なくとも液状被分析試料の一部が蛋白層を事実上通過する。
【0011】
本発明ではさらに、第一材料、第二材料、第三材料が、焼却時に非毒性の副産物を産生する1つ以上の燃焼可能な材料で構成されている。
【0012】
本発明の奨励実施例によると、本検査システムは、好ましくは、試薬を含み、この試薬は陽性結果の構成で効果的にマーカー蛋白と結合し、これを事実上蛋白層に固定させる。
【0013】
本発明の奨励実施例によると、この試薬は陽性結果の構成で効果的に色彩表示をする視覚的標識物質が含まれることがある。
【0014】
本発明の別の奨励実施例によると、この試薬は蛋白酵素複合体が含まれることがある。この実施例で検査システムは、好ましくは、陽性結果の構成で蛋白酵素複合体に効果的に結合する酵素基質を含み、好ましくは、陽性結果の構成で効果的に色彩表示をする。
【0015】
本発明の奨励実施例によると、少なくとも有効面の目に見える部分は通過層の穴から見ることができる。
【0016】
本発明の奨励実施例によると、検査システムは、好ましくは、通過層と蛋白層の間、及び蛋白層と吸着層の間に、少なくとも1つの封止剤が事実上挿入された構造である。
【0017】
本発明の奨励実施例によると、有効面の目に見える部分は、好ましくは、効果的な構成で結合蛋白が事実上固定された第一検査面を含む。有効面の目に見える部分には、好ましくは、さらに検査対照面を含む。検査対照面は、好ましくは、陽性結果構成と陰性結果構成で対照読取り値を評価するために用いられ、これにより検査システムが適性に使用されていることが効果的に確認できる。
【0018】
本発明のさらなる奨励実施例では、検査システムには、好ましくは、通過層、蛋白層、および吸収層を事実上包むハウジングを含む。ハウジングの下部は吸収層に密着し、上部は通過層と密着している。ハウジング上部は少なくとも1つのハウジングの穴が貫通した形状である。ハウジング穴は事実上通過層の少なくとも1つの穴に作用させる液体が流れるように並んでいる。
【0019】
本発明のさらなる奨励実施例では、このハウジングは、好ましくは、上述の少なくとも1つの燃焼可能材料で構成される。
【0020】
本発明の奨励実施例では、このハウジングが、好ましくは、事実上非孔性ハウジング構造のハウジング材料で構成される。
【0021】
本発明の奨励実施例では、少なくとも1つの封止剤が、好ましくは、ハウジングの上部と通過層の間、およびハウジングの下部と吸着層の間に事実上挿入されていることがある。
【0022】
本発明の奨励実施例では、このハウジングには、好ましくは、少なくとも1つのラベル表示が記された外面がある。この外面は、好ましくは、ハウジング上部の外面である。
【0023】
本発明の奨励実施例によると、本結合蛋白は、必ずしも必要でないが、好ましくは、真菌マーカー蛋白、ウイルスマーカー蛋白、細菌マーカー蛋白、ベクター誘導マーカー蛋白、植物マーカー蛋白、および/または少なくとも1つの液体被分解物質中の事実上健康な細胞および同じ物を供給する種が生合成した固有の蛋白と結合させるために用いる蛋白を含む。
本発明の奨励実施例によると、好ましくは、有効面の目に見える部分には、さらに第二検査面エリアがある。効果的な構成では、第二の結合蛋白が、事実上第二検査面エリアに固定されている。陽性結果の構成では、マーカー蛋白が第二結合蛋白と結合し、事実上この蛋白層に固定される。
【0024】
本発明のさらなる奨励実施例によると、有効面エリアの目に見える部分には、好ましくは、さらに補足的な第一検査面エリアと補足的な第二検査面エリアがある。効果的な構成で、結合蛋白が、必ずしも必要でないが、好ましくは、第一検査面エリアと補足的第一検査面エリアのそれぞれに事実上固定されている。効果的な構成で、必ずしも必要でないが、好ましくは、第二の結合蛋白が、第二検査面エリアと補足的第二検査面エリアのそれぞれに事実上固定されている。
【0025】
本発明の奨励実施例によると、補足的第一検査面エリアは、第一検査面エリア上の結合蛋白と比べて、事実上より高濃度の結合蛋白が事実上固定されている。
【0026】
本発明の奨励実施例によると、第一検査面エリアと補足的第一検査面エリアは共に、必ずしも必要ではないが、好ましくは、事実上平面の第一検査リングを概念的に描くことができ、両エリアは概念的にそのリング内に入っている。同様に、第二検査面エリアと補足的第二検査面エリアは共に、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上平面の第二検査リングを概念的に描くことができ、両エリアがそのリング内に入っている。第二検査リングは、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上第一検査リングの周囲を囲んでいる。
【0027】
同様に、本発明の奨励実施例によると、第一検査リングは、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上検査対照表面の周囲を囲んでいる。
【0028】
本発明の奨励実施例によると、通過層の少なくとも1つの穴は、必ずしも必要でないが、好ましくは、少なくとも2つの穴を含む。通過層上面は、必ずしも必要でないが、好ましくは、少なくともこの2つの穴に事実上接し、ハウジングの穴と事実上一列になった窪み部分を成す。
【0029】
本発明のもう1つの奨励実施例によると、蛋白層上面は、必ずしも必要でないが、好ましくは、窪み部分を成す。窪み部分は、必ずしも必要でないが、好ましくは、有効面エリアの目に見える部分に事実上接し、通過層の穴と事実上一列に並んでいる。
【0030】
本発明の他の長所、機能、及び特徴、並びに構造の関連要素の操作方法と機能、および部品の組合せと製造経費については、以下の詳細説明の考察、および添付した図面を参照する添付した請求項で明確に説明する。図面については以下で簡単に述べる。
【0031】
本発明によるディスポーザブル免疫診断検査システムの特徴と考えられる新規性については、構造、組織、使用、および使用方法、並びに詳細な目的とその長所が、以下の図面からより良く理解できる。この図面は本発明の少なくとも1つの奨励実施例を例にとって図に示したものであるが、必ずしも縮尺して描いたものでなく、明らかに図示と説明のみを目的としている。このため、およびその他の理由により、この図が発明の限界値を示すことを意図していないことを理解すべきである。添付する図面について以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1A、1B、5A、および5Bでは、液状被分析試料(表示せず)中のマーカー蛋白の存在を検査するため、本発明に沿ったディスポーザブル免疫診断検査システム70の奨励実施例を示す。図5Aで最も良くわかるように、本検査システム70の推奨実施例の1つは組み合わせた検査アセンブリ50とハウジング60で構成される。
【0033】
また、図1Aと1Bで最も良くわかるように、検査システム70は、ハウジング60のない、単純に組合せた検査サブアセンブリ50のことがある。
【0034】
さらに図1Bでは、組合せた検査サブアセンブリ50が事実上平面の通過層12、蛋白層14、および吸収層16を含み、好ましくは、それぞれが燃焼時に非毒性副産物を生成する可燃材料でできている。このため、組合せた検査サブアセンブリ50は環境的に責任ある方法、例えば、焼却で簡単に廃棄できると考えられる。
【0035】
前述したように、通過層12は事実上平面であり、貫通する穴24があり、この穴は相当する通過層12の内縁26を成す。図1A、1B、5A、および5Bが示す奨励実施例は通過層12に1つの穴24が通っているが、他の実施例(例えば、図2Dから2F;これらについては以下で詳細に検討する)の通過層には複数の穴24がある場合がある。この通過層12は事実上非孔性構造であるため、好ましくは、事実上、非透過生、非海綿状、そして不織性である。本通過層12は、必ずしも必要でないが、好ましくは、高密度の紙材料、例えばダンボール紙などで構成される。他の比較的硬い材料、例えば、樹皮および/または圧縮植物材料も本発明による通過層12の構造で使われる。この通過層12は、好ましくは、高密度に圧縮した性質、構成材料の固有の性質、或いはそれ以外の要因により、好ましくは、検査システム70にある程度の硬さを与える。この通過層12は、必ずしも必要でないが、好ましくは、厚さ約0.2〜10mm、より好ましくは、事実上約2〜4mmの範囲内である。
【0036】
図1Aと1Bで最も良くわかるように、蛋白層14は通過層12に密着している。この蛋白層14には、該通過層12の該穴24に事実上隣接し、事実上一列に並ぶ有効面30がある(図1Bの架空の線“A”で全体的に示す)。図1Aで最も良くわかるように、有効面30には、好ましくは、少なくとも穴24から見える部分31がある。
【0037】
蛋白層14は、必ずしも必要でないが、好ましくはニトロセルロース、ナイロン、および/またはアセテート、並びに反応物および/または結合蛋白が結合または事実上固定化されるその他の材料で構成することができる。検査システム70が機能する上で必須なわけではないが、ニトロセルロースは蛋白層14で使用できる効果的な蛋白結合材料と考えられる。適切な市販のニトロセルロース膜が薄い裏付け支持紙の上で形成され、本発明の奨励実施例に従って蛋白層14で使われることがある。この蛋白層14は、必ずしも必要でないが、好ましくは厚さ約5mm以下で、より好ましい厚さは事実上、約0.5〜2.0mmの範囲内である。
【0038】
この蛋白層14は事実上多孔性で、好ましくは、複数の孔が貫通している(表示せず)。ニトロセルロース膜、およびその他の好ましい蛋白層14材料を使う場合、蛋白層14の孔のサイズが大きければ、これに対応して蛋白結合能力および/または蛋白結合容量が低くなると考えられるが、これが検査システム70の機能にとって必須なわけではない。以下に詳細に検討するように、蛋白結合能力の低い蛋白層14を使うと、システム70で実施する検査の感度が低くなる場合がある。ニトロセルロース蛋白膜14は、必ずしも必要でないが、好ましくは孔の直径サイズが約0.1〜25ミクロンで、より好ましくは直径サイズが事実上約0.4〜2.0ミクロンの範囲内である。事実上、上述した範囲内のサイズの孔(表示せず)がある蛋白層14は、蛋白結合能力が高くなると考えられる。
【0039】
図1Bで最も良くわかるように、吸収層16は通過層12に密着している。名前から推察できるように、吸収層16は検査する液状被分析試料の少なくとも一部(より好ましくは、より多くの部分)を取り込む、或いは吸収するために、好ましくは、実施する検査の性質に基づいて採用する吸収材料でできている。この吸収層16は、好ましくは、海綿状材料、或いは、液状被分析試料の少なくとも一部を取り込む、或いは吸収することのできるその他の材料でできている(表示せず)。例えば、吸収層16として、ペーパータオルおよび/またはアセテート材料が挙げられる。この吸収層16は、必ずしも必要でないが、好ましくは厚さ約1〜50mmで、より好ましくは、事実上、厚さ約5〜20mmの範囲内である。この吸収層16は、好ましくは、1回の検査で使われる液状被分析試料の容積の3倍以上を吸収し、保持することができるものを用いる。
【0040】
前述したように、吸収層16は蛋白層14に密着しており、蛋白層14は通過層12に密着している。検査システム70の基本機能に必須なわけではないが、好ましくは、通過層12と蛋白層14は、事実上両者を配置する時、両者の間に封止剤(表示せず)を使って互いに密着させる。同様に、蛋白層14と通過層16は、事実上両者を配置する時、封止剤(表示せず)を使って互いに密着させる。本発明に従う適切な封止剤は、必ずしも必要なわけではないが、望ましくは、糊、および他の接着剤、並びにホッチキス、縫合、熱および/または超音波密封法、および層12、14、16が上述した互いに密着した状態に事実上維持されることを保証する適切なその他の材料または処理が含まれる。製造を簡単にするには、国内で使用されている従来の熱密封器や糊で、本発明に必要な密封性が充分に得られると考えられる。
【0041】
図1Aと5Aで最も良くわかるように、組合せた検査サブアセンブリ50はまた、好ましくは、サブアセンブリ周辺シーリング34を含む。図1Aと5Aに示すように、検査システム70の奨励実施例のサブアセンブリ周辺シーリング34は、層12、14、16の各々の周囲に確実に作用する。サブアセンブリ周辺シーリング34は、上記で検討した接着剤と同じ、或いは異なる接着剤である。例えば、サブアセンブリ周辺シーリング34は、層12、14、16の周囲を接着する接着剤であってよい。前述の封止剤と封止方法に加えて、サブアセンブリ周辺シーリング34は、代わりに、層12、14、16を互いに確実に密着させるため、これらの層を物理的に圧迫する材料または形状物が用いられる(恐らく、事実上周囲に隣接する)。例えば、サブアセンブリ周辺シーリング34として、通過層12と吸収層16の周囲に作用し、3つの層12、14、16全てに圧迫力をかけて互いに密着させる締め具(表示せず)が用いられる。
【0042】
図5Aと5Bで最も良くわかるように、ハウジング60は事実上、通過層12、蛋白層14、吸収層16を包んでおり、これらは、必ずしも必要でないが、好ましくは、共に組合せた検査サブアセンブリ50を形成する。ハウジング60は、好ましくは、ハウジング上部10とハウジング下部18を含む。ハウジング上部10とハウジング下部18は、必ずしも必要でないが、好ましくは通過層12と吸収層16にそれぞれ接着している。ハウジング上部10と通過層12は、好ましくは、上述した接着剤と同じ、または異なる接着剤(表示せず)を使って互いに接着させ、事実上配置した両者の間に封止剤が挿入されている。同様に、ハウジング下部18と吸収層16も、好ましくは、上述した封止剤と同じ、または異なる接着剤(表示せず)を使って互いに接着させ、事実上配置した両者の間に接着剤が挿入されている。
【0043】
図5Bで最も良くわかるように、ハウジング60は、好ましくは、ハウジング上部10と下部18の複数の端36と事実上接するハウジング端36が備わっている。検査システム70の奨励実施例のハウジング縁36は、組合せた検査サブアセンブリ50の縁34にしっかり作用する(図5Bに示す)、および/または12、14、16の各層の縁に作用する(図2A、2D、および3に示し、以下で詳細を検討する)。ハウジング縁36は上述した封止剤と同じ、または異なる封止剤を使う。この中には、好ましくは、組合せた検査サブアセンブリ50がハウジング60と接着するように、代替封止剤、代替接着法、および/または上述のサブアセンブリ周辺シーリング34で述べた方式が含まれる。
【0044】
図5Aと5Bで最も良くわかるように(また、検査システム70のその他の奨励実施例を図示した図2A、2B、2D、2E、および3も示す;これらについては以下で詳細を検討する)、ハウジング上部10にはハウジング穴20があり、この穴はハウジング上部10の対応する内側の縁22を成している。ハウジング60は、好ましくは、事実上非孔性の材料でできており、これは、好ましくは事実上不透過性および/または非吸収性および/または不織構造であることを意味する。
【0045】
ハウジング60の全ての部分は、好ましくは、燃焼時に非毒性の副産物を産生する材料でできているため、検査システム70は、さらに確実に環境的に責任ある方法、例えば焼却などで廃棄できる。ハウジング60の構成に適すると考えられる奨励材料の1つは紙である。他の同様の材料も本発明に従って、ハウジング60で使うことができ、このような材料として、布、ナイロン、絹、および/または生物分解が可能な膜が挙げられる。ハウジング上部10と下部18はそれぞれ、必ずしも必要なわけではないが、好ましくは、厚さが約0.1〜3mmの範囲で、より好ましくは、厚さが事実上約0.2〜0.4mmの範囲内である。
【0046】
必ずしも必要なわけではないが、好ましくは、1つの液状被分析試料を検査する一回の検査システム70の寸法は、事実上約20mm×20mm×10mmである。
【0047】
図5Bに示すように、ハウジング60のハウジング上部10は、好ましくは、外面46があり、そこにラベル表示11が記されている。ラベル表示11は、好ましくは、裸眼で見え、続いてバーコード表示13および/または文書表示15が記されている。ハウジング60を含まない実施例では、代わりにラベル表示60が通過層12の外面に直接記されることがある(表示せず)。いずれの場合でも、ラベル表示11は印字、接着、または書込みにより、外面部に記される。次いで、必ずしも必要でないが、好ましくは、各検査システム70を追跡するため、およびその他の目的、例えば、品質管理のために、番号の付いたバーコード表示13が付与される。同様に、文書表示15はディスポーザブル免疫診断検査システム70に関する情報およびデータ、並びにその意図する使用、例えば、意図する検査の名称、有効期限、説明、保管条件、廃棄に関する説明、および/または同様の情報が記載される。さらに、ラベル表示11は、具体的な検査システム70のタイプの違いを識別するカラーコード(表示せず)が施される場合がある。
【0048】
図5Aで最も良くわかるように、検査システム70は、必ずしも必要でないが、好ましくは、空のハウジング60に、組合せた検査サブアセンブリ50を挿入して組立てる。ハウジング穴20は、好ましくは、通過層12の基部にある穴24と事実上垂直に連なる。次に、ハウジング60は、好ましくは、ハウジング端36のある各開放端で密封されている。上述したように、ハウジング縁36を形成する材料は、サブアセンブリ周辺シーリング34で使った封止剤と同じ封止剤でも、異なる封止剤でもよい。前述したように、本ディスポーザブル免疫診断検査システム70(図5Bで最もよくわかる)は、必ずしも必要でないが、好ましくは、完全に組立てられている。
【0049】
図2Aから4Eは検査システム70の別の奨励実施例を示しており、全ての図面と同様に、参照し易くするため、異なる図であっても、可能ならば、本発明の同様の要素を同様の参照番号で示す。図2A、2B、2C、および3で示す検査システム70の実施例は、図5Aと5Bに示す枕型の実施例よりハウジング上部層10と下部18が事実上平面で、層を実質的に分けている点を除き、多くの点で上記で検討した実施例と同一である。
【0050】
前述の全ての説明、そして図2Bで最も良くわかるように、ハウジング穴20は事実上通過層の穴24と一列に並んでいる(図2Bで架空の線“B”が全体を示す)。
【0051】
図2Cで最も良くわかるように、蛋白層14の上面は、必ずしも必要でないが、好ましくは、ハウジング上部10の内縁22と26、および通過層12に事実上接し、事実上一列に並ぶように、窪み部分58を成す形状である。
【0052】
図2Dから2Fは、通過層12に第一穴24a、第二穴24b、および対照穴24cが開いている検査システム70の別の奨励実施例を示している。図2Fで最も良くわかるように、通過層12の上面は、必ずしも必要でないが、好ましくは、ハウジング上部10の内縁22と事実上接し、事実上一列に並ぶ窪み部分56を成す形状である。
【0053】
図6と7に示す本発明のさらなる奨励実施例によると、本ディスポーザブル免疫診断検査システム70は、複数の検査フォーマットを備えることができる。このような実施例で、個別の検査システム70は、特定のまたは意図する目的で必要な検査システム70の数を決定するエンドユーザー(表示せず)が切離せるように、ハウジングのミシン目38により、取外し可能な連結の仕方で横に連続して並んでいるもの、および/または弱く連結しているものがある。図6に示す個々の検査システム70はそれぞれ、事実上、図2Aから4Eのいずれかの検査システムに対応する。同様に、図7に示す個々の検査システム70はそれぞれ、事実上、図5Aと5Bで示す検査システムに対応する。
【0054】
前述したように、図に示す本検査システム70の様々な奨励実施例は、必ずしも必要でないが、好ましくは、それぞれが、液状被分析試料のマーカー蛋白の存在を検査するために採用される(表示せず)。液状被分析試料は、システム70で検査することを目的とする試料で、この試料には検査対象のマーカー蛋白が含まれる場合と含まれない場合がある。即ち、液状被分析試料は、検査、或いは分析される物質または成分であり、例えば、液状の試料基質、血清、血漿、汗、尿試料、および/または組織細胞が埋包および/または浮遊した生体物質を含むその他の水性抽出物が挙げられる。必ずしも必要でないが、好ましくは、本システム70を使って検査できるその他の被分析物は、例えば井戸水試料などの環境的試料が含まれる。従って、本検査システム70は、好ましくは、広範なクラス、例えば、生物、農業、動物、および/または環境を起源とするマーカー蛋白の存在を検査するために用いられる。
【0055】
農業への応用を例にとってみると、バナナの様々な病気の有無、例えばバナナブラクトモザイクウイルス(インド、フィリピン、スリランカなどの地域で一般的なバナナの病気)および/またはアバカモザイクウイルス(フィリピンで一般的なバナナの病気)を検出するために、苗木または葉の水性抽出物をシステム70で検査することができる。
【0056】
同様に、動物分野では、システム70が動物および/または屋内のペット、例えばイヌやネコの様々な病気の有無を検出するために使われる。例えば、本システム70はイヌ糸状虫、および/またはその他の病気、例えば、リーシュマニア病、パルボウイルス感染、および/またはライム病の有無を検出できる。
【0057】
別の例を取ると、システム70は、必ずしも必要でないが、好ましくは、様々な環境的汚染物質、例えばメチル第3級ブチルエーテル等のガソリン添加物の有無を検出するために使われる。このようなガソリン添加物は、自動車排気ガスを減少させて大気の質を改善するために通常使用される一方、地下水の供給源に入り込み、最終的に人が消費することが問題視されている。
【0058】
さらに別の例を見ると、検査システム70はまた、病原菌が引起す様々な人の一般的な病気の有無を検出するために用いられる。例えば、本発明の検査システム70は、多くの病気、例えば心血管系疾患に関連する原因物質の存在を同時に検出するために用いることができる。これらの原因物質として、広範な異なる病原体、例えばウイルス、真菌、および/または細菌由来の病原物質が挙げられる。このような検査で、システム70は健康な細胞マーカーに対する抗体、例えば、心臓筋肉で見出される蛋白ミオシン、および/または上記に列挙した原因物質に対する抗体の有無を検査するために用いられることがある。
【0059】
ここで検討する検査システム70の特定の応用は、単に本発明の検査能力の例として取上げることを意図しており、検査システム70の潜在的な応用、および様々な液状被分析試料を使う様々な使用を限定することを意図していない。
【0060】
効果的にするには、検査システム70の蛋白層14に、好ましくは、結合蛋白が結合および/または固定される(表示せず)。本発明の範囲内で、結合蛋白は、蛋白層14の面上に付着している、および/または事実上そこに埋め込まれている。実際、蛋白層14に結合蛋白を結合および/または添加させる広範な方法は、好ましくは、本発明の範囲に入る。
【0061】
検査システム70の蛋白層14に効果的に結合する結合蛋白は、好ましくは、実施する検査に対応するように、および/または検査する特定の液状被分析試料に存在すると考えられる探査対象のマーカー蛋白と確実に結合するように、個別に選択する。例えば、この例に限定されるわけではないが、検査システム70をHIV1の有無の検査に用いる場合、HIV1および/またはそのマーカー蛋白と結合するのに特に適した結合蛋白を、蛋白層14上に事実上固定する。同様に、検査システム70をC型肝炎の検査に使う場合、C型肝炎および/またはそのマーカー蛋白と結合するのに特に適した結合蛋白を、蛋白層14上に事実上固定する。
【0062】
上述したように、検査システム70は、必ずしも必要でないが、好ましくは、このような場合に蛋白層14上に固定された対応する結合蛋白で、多くの広範な疾患の原因物質、例えば、ウイルス、真菌、および/または細菌を起源とする物質の存在を同時に検出するために使うことができる。即ち、結合蛋白は、検査される液状被分析試料に存在すると考えられる真菌マーカー蛋白、ウイルスマーカー蛋白、細菌マーカー蛋白、および/またはベクター誘導によるマーカー蛋白に結合するため用いられる蛋白である。
【0063】
蛋白層14は検査システム70の「反応ゾーン」であると考えられる。本発明の効果的な構成では、結合蛋白は、好ましくは、蛋白層14上に事実上固定されており、より好ましくは、蛋白層14の有効面エリア30の見える部分31上に固定される。本発明では、検査システム70のニトロセルロースまたはその他の蛋白層14が、好ましくは、その上に既に、結合蛋白が事実上固定された状態でエンドユーザーに提供されることがある(表示せず)。若しくは、結合蛋白を、好ましくは、検査時または検査時の少し前に、蛋白層14上に固定することができる。いずれの場合も、前述したように、結合蛋白は、好ましくは、検査対象となるマーカー蛋白が検査される液状被分析試料の中に存在すれば、吸着または結合等により、これを添加する働きがある。
【0064】
本システム70の機能に必須なわけではないが、結合蛋白は、好ましくは、有効面30に全面的に接する蛋白層14上、より好ましくは有効面30の目に見える部分31に直接固定される。結合蛋白は、検査システム70が完全に組立てられた後で、好ましくは、有効面エリア30に全面的に接する蛋白層14に、より好ましくは有効面エリア30の目に見える部分31上に、望ましいパターン、形状、或いは設計で直接固定される。例えば、この例に限定されるわけではないが、検査システム70の組立て後、HIV1結合蛋白が、好ましくは、番号“1”の視覚的に識別可能な形体で有効面エリア30に固定され(表示せず)、同様に、C型肝炎結合蛋白が、好ましくは、文字“C”の形体で固定される。もちろん、検査システム70の使用者および/または製造者に適したように、これ以外の形式を使うことができる。
【0065】
本発明によると、例えば、インクジェットスプレー、ピペットを使った物理的方法、および/またはニトロセルロース膜またはその他の蛋白層14の指定されたエリアに結合蛋白溶液を接触させる方法で、蛋白層14の有効面エリア30上に結合蛋白を塗布および/または沈着させ(表示せず)、吸収および/または毛細管現象により結合蛋白を蛋白層に吸収させて、蛋白層14上に事実上固定する。
【0066】
従って、検査前に、検査システム70を効果的な構成に組立てた段階で、好ましくは、液状被分析試料の複数の異なるマーカー蛋白を検出する結合蛋白を選択し、および/または事実上有効面エリア30の領域で蛋白層14上の有益なパターンで固定する。
【0067】
蛋白層14の有効面エリア30に事実上固定した結合蛋白により、液状被分析試料のマーカー蛋白(表示せず)は、以下で検討する幾つかの想定上の使用で、蛋白層14に事実上固定することができる。
【0068】
図4Aと4Bで最も良くわかるように、好ましくは、ハウジング穴20と通過層の穴24を通して、使用者が有効面エリア30を見ることができる。図4Aと4Bに示す実施例では、有効面エリア30に、第一検査面エリア32と検査対照面エリア28がある。効果的な構成で、蛋白層14に固定した結合蛋白は、事実上第一検査面エリア32に固定される。検査対照面エリア28は、検査システム70の陽性結果の構成(図4Aと4Bに示す)および陰性結果の構成(表示せず)の双方で、好ましくは、正しく使用、取扱い、および/または保管が行なわれたかを確認するために対照読取り値を表示する目的で用いられる。
【0069】
より具体的には、図4Aと4Bで示すように、検査システム70を正しく使用、取扱い、或いは保管した場合、好ましくは、検査対照面エリア28で対照値が生成され、表示される。対照読取り値は、必ずしも必要でないが、好ましくは、上述したように、蛋白層14の有効面エリア30に効果的に固定した結合蛋白のパターンに対応した色またはその他の表示とする。
【0070】
検査対照面エリア28の対照読取り値がない場合は、好ましくは、本システム70を使って実施した検査が無効となる可能性を示す。厳密に言えば、本発明による検査システム70は検査対照面エリア28を備える必要はないが、備えている方が好ましい。
【0071】
本システム70を使って、単回の定性的マーカー蛋白検査を実施する場合、検査対照面28は、必ずしも必要でないが、好ましくは、図4Aに示す方法で第一検査面エリア32に配置する。
【0072】
若しくは、本システム70を使って定量的マーカー蛋白検査を実施する場合、検査対照面エリア28は、必ずしも必要でないが、好ましくは、図4Bに示すように、有効面エリア30の事実上中央に位置させる。図4Bでは有効面エリア30に、好ましくは、さらに補足第一検査面32aがある。第一検査面エリア32と補足第一検査面エリア32aに、好ましくは、同じ結合蛋白を、必ずしも必要でないが、好ましくは異なる濃度で効果的に固定する。例えば、第一検査面エリア32の結合蛋白より事実上高濃度の結合蛋白を、補足第一検査面エリア32aに事実上固定する。
【0073】
同様に、図4Cで最も良くわかるように、使用者が1つのシステム70を使って複数のマーカー蛋白の存在を事実上同時に検査しようとする場合、検査対照面エリア28は、必ずしも必要でないが、好ましくは、有効面エリア30の事実上中央に位置させる。図4Cに示すように、有効面エリア30は、さらに第二セットの異なる結合蛋白(表示せず)を効果的に固定した第二検査面エリア33を備えることができる。第二セットの結合蛋白は、好ましくは、(第一セットの)結合蛋白とは異なるマーカー蛋白の存在を検出するために選択および/または採用される。同様に、第二セットの結合蛋白は、蛋白層14上で有益なパターンで固定することができる。
【0074】
第一検査面エリア32、補足第一検査面エリア32a、第二検査面エリア33に加えて、図4Cに示すように、有効面エリア30に、補足第二検査面33aが含まれることがある。必ずしも必要でないが、好ましくは、同じ結合蛋白が異なる濃度で、好ましくは、第二検査面エリア33と補足第二検査面エリア33aの双方に効果的に固定される。例えば、第二検査エリア33の結合蛋白濃度より事実上高濃度の結合蛋白を、補足的第二検査エリア33aに事実上固定することができる。
【0075】
図4Cで最も良くわかるように、第一検査面エリア32と補足第一検査面エリア32aは、必ずしも必要でないが、好ましくは、ともに事実上平面の第一検査リング40を概念的に成している。第一検査面32と補足的第一検査面32aは各々、必ずしも必要でないが、好ましくは、概念的にその中に位置している。このような構成では、検査対照面エリア28は、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上、第一検査リング40に囲まれた領域内に入っている。
【0076】
第二検査面エリア33と補足第二検査面エリア33aはまた、必ずしも必要でないが、好ましくは、ともに事実上平面の第二検査リング42を概念的に成している。第二検査面エリア33と補足的第二検査面エリア33aは各々、必ずしも必要でないは、好ましくは、概念的にその中に位置している。このような実施例、および図4Cで最も良くわかるように、第二検査リング42は、必ずしも必要でないが、好ましくは第一検査リング40を事実上囲んでいる。
【0077】
若しくは、第一検査面エリア32、補足第一検査面エリア32a、第二検査面エリア33、補足第二検査面エリア33a、および検査対照面エリア28は、ともに、様々な構成、例えば、様々なその他の同心円および/または非同心円の幾何学的形状を、概念的に成している。もちろん、その他の幾何学的形状、例えば、異なる複数の同心円の形状が含まれる。
【0078】
本発明で予測される別の実施例では、第一および/または第二検査面エリア32、33が同様の面エリアを構成する場合がある。より具体的には、第一および/または第二検査面エリア32、33に事実上固定された結合蛋白が、液状被分析試料の事実上健康な細胞および/または同じ物を供給する種が生合成する固有の蛋白であることがある。
【0079】
図4Dと4Eに示す検査システム70の実施例は、恐らく、補足的な説明をする価値がある。この実施例、および前述(即ち、上記の図2Dから2Fの考察に全般的に相当する)したように、通過層12は貫通する第一および第二穴24aと24b、及び対照穴24cがある。図2Eと4Eの考察で最も良くわかるように、蛋白層14の上で第一穴24aは“A”で示すように、事実上第一検査リング40上、第二穴24bは事実上第二検査リング42上、対照穴24cは事実上検査対照面エリア28上に並んでいる。
【0080】
本検査システム70の使用を、図に示す様々な実施例を参照して説明する。しかしながら、使用に関する以下の検討は、必ずしも必要でないが、好ましくは、図に示していないが、本発明の範囲内にあるその他の実施例に一般的に応用できると考えるべきである。
【0081】
典型的な検査、および液状被分析試料の応用および/または検査の前に、好ましくは、洗浄緩衝液の最初の1滴を、ハウジング上部10のハウジング穴20から検査システム70に添加し、蛋白層14の有効面エリア30の目に見える部分31を湿らせ、吸収させる。洗浄緩衝液は、必ずしも必要でないが、好ましくは、結合蛋白が固定されていない有効面エリア30の領域で遮断剤として作用して、不活性な蛋白洗浄液結合領域44を形成し(例えば図4Aと4B)、好ましくは、ここにマーカーおよび/または液状被分析試料のその他の蛋白が無差別に固定されるのを防ぐ。
【0082】
液状被分析試料は、好ましくは、ピペットまたは同様の器具を使って、本検査システム70のハウジング穴20から注入することができる。ハウジング穴20は、通過層の穴24に繋がる効果的な液体連絡路で、液状被分析試料が、好ましくは、通過層12の少なくとも1つの穴24から蛋白層14の有効面エリア30に到達する。液状被分析試料は、必ずしも必要でないが、好ましくは目に見える部分31を充分覆う量をハウジング穴20から効果的に注入する。
【0083】
前述したように、本発明の検査システム70は、液状被分析試料のマーカー蛋白の存在を検査する。陽性結果の構成では、図4Aから4Eで最も良くわかるように、本検査システム70の使用により、好ましくは、検査対象のマーカー蛋白が液状被分析試料中に実際に存在することが明らかになる。陽性結果の構成では、液状被分析試料の1個以上のマーカー蛋白が、好ましくは、結合蛋白と結合し、蛋白層14の有効面エリア30に事実上固定される。
【0084】
被分析試料が第一および第二の検査対象マーカー蛋白を含み、さらに、有効面エリア30が第一および第二検査面エリア32、33を持つ場合、第一および第二検査面32、33は、好ましくは、陽性結果の構成で第一および第二マーカー蛋白と個別に結合することができる。
【0085】
前述したように、結合蛋白が類似の面エリアに事実上固定された固有の蛋白である場合、陽性結果の構成で、マーカー蛋白は、好ましくは、この固有の蛋白と結合し、事実上、蛋白層に固定される。
【0086】
反対に、陰性結果の構成で検査システム70を使用すると、好ましくは、検査対象のマーカー蛋白が液状被分析試料中に実際に存在することが明らかにならない。陰性結果の構成では(表示せず)、液状被分析試料の少なくとも一部、および好ましくはほとんど、および/または事実上全てが、固定された結合蛋白に固定されることなく、蛋白層14を事実上通過する。
【0087】
いずれの場合でも、重力または別の力(例えば、遠心分離が作り出す慣性力)の影響が一因となって、液状被分析試料の一部は、好ましくは、検査システム70から事実上垂直に流れ、および/または注入点から離れて、蛋白層14に広がる。
【0088】
好ましくは、液状被分析試料に含まれる検査対象のマーカー蛋白が事実上蛋白層14上に固定される(陽性結果の構成)、または固定されないことが保証される(陰性結果の構成)ように、十分な量の液状被分析試料を蛋白層14に注入する。
【0089】
前述の蛋白層14は事実上多孔性構造のため、液状被分析試料の一部がここを通過する。液状被分析試料(例えば、全血)、脂肪血、および/または、さらなる透明化または増幅が必要な液状被分析試料が、蛋白層14の5〜6μ未満の孔を通過できない可能性がある場合、必ずしも必要でないが、好ましくは、検査前に試料を透明化および/または分解する。透明化および/または増幅せずに検査できる液状被分析試料は、好ましくは、例えば、血清、血漿、尿、汗、および/または滲出液などが挙げられる。好ましくは、ろ過および/または遠心分離により透明化されるその他の水性抽出液も、本検査システム70を使って検査すべき被分析試料の一部と考えられる。
【0090】
次に、好ましくは試薬を1滴、または他の必要量添加し、奨励量は有効面30の目に見える部分31を覆う量である。この試薬は、陽性結果の構成で蛋白層14に事実上固定されるマーカー蛋白と効果的に結合するため、特に選択および/または採用される。
【0091】
本発明の実施例で、この試薬(表示せず)は、好ましくは、蛋白層14に固定された結合蛋白にマーカー蛋白が特異的に結合した場合、本検査システム70が陽性結果の構成であることを示す、および/または確認する色彩表示となる視覚的な標識物質である。この視覚的標識物質(表示せず)は、1種以上の様々な物質、例えば、放射性同位体、蛍光物質、UV吸収物質、および/または着色された物質を含む。着色された視覚的標識物質は、金コロイド複合体、染色されたラテックスビーズ、および/または同様の物質を含む。
【0092】
好ましくは、ナノグラムからフェムトグラムの量を分析する場合、酵素複合体により増幅する必要がある場合がある。酵素複合体による増幅が奨励される状況として、例えば、アレルギー診断のIgE検出、および/または薬物乱用、産業的および環境的汚染物質、植物の病気、ホルモン、癌マーカー、関節炎マーカー、および/または同類の物質の検出が挙げられる。
【0093】
これらの量、および/またはその他の量の被分析試料を使う場合、前述の試薬は蛋白酵素複合体であってよい(表示せず)。本発明に従って使用されるその他の試薬と同様に、蛋白酵素複合体は、特に、陽性結果の構成で、蛋白層14に事実上固定されるマーカー蛋白と効果的に結合させるために選択および/または採用される。
【0094】
この時点で、好ましくは、同じまたは異なる洗浄緩衝液1滴を有効面エリア30に添加し、必ずしも必要でないが、好ましくは、結合していない物質を洗い流す。この時点で洗浄緩衝液は蛋白層14に吸収される。
【0095】
前述した試薬が蛋白酵素複合体を含む状況で、好ましくは、酵素基質(表示せず)を添加することができる。その後、適切な時間、恐らく約10〜60秒オーダーの時間放置し、この間、陽性結果の構成であれば、酵素基質が蛋白酵素複合体に効果的に結合する機会が得られる。蛋白酵素複合体と酵素基質は共に、本検査システム70が陽性結果の構成であることを示す、および/または確認する色彩表示を効果的に示すため、選択および/または採用される。本検査システム70のこの実施例で、好ましくは、ハウジング穴20から追加の洗浄緩衝液を1滴添加し、注入点から離れた事実上垂直な穴を通って検査システム70に注入され、前述したように、検査システムの複数の層に浸透した後、結果が読取られる。
【0096】
既に蛋白層14に固定されている結合蛋白により、蛋白層14上に固定(例えば、接着、または結合による)されない過剰なマーカー蛋白を有すると考えられる全ての資料は、必ずしも必要でないが、好ましくは、蛋白層14を通り抜けて、最終的に吸収層16で捕獲、トラップ、および/または吸収される。
【0097】
その後、追加の洗浄緩衝液が数滴必要になる、および/または、好ましくは、蛋白粗14の目に見える部分31の背景を鮮明にするために添加すると、より明瞭な検査結果を読取ることができる。
【0098】
要約すると、また一般的に言えば、液状被分析試料(表示せず)は、好ましくは、組合せた検査サブアセンブリ50の通過層12の少なくとも1つの穴24を通して、蛋白層14上に注入される。液状被分析試料は、重力またはその他の力の影響下で、蛋白層14を通過し、事実上吸収層16に注入される。
【0099】
本ディスポーザブル免疫診断検査システム70は使用後に、好ましくは、乾燥させた後、環境的に責任ある方法、例えば、焼却により廃棄することができる。
【0100】
本検査システム70の基本機能に必須なわけではないが、通過層12がより密度が濃く、より不透過性になると、添加した液状被分析試料の側方拡散が起こりにくくなると一般に考えられる。
【0101】
本検査システム70を、通過層12とハウジング穴24が事実上“B”で示すように一列に並ぶように組立てると、使用時に液状被分析試料が検査システム70の中に入っていく。
【0102】
本発明に必ずしも必要なわけではないが、検査システム70のハウジング上部10、層12、14、16、および/またはハウジング下部18は、好ましくは、互いに密着させて組立てる、および/または検査システム70の完全性を高めるように、緩みのないフィッティング関係として組立てるべきであると考えられている。さらに、本発明に必須なわけではないが、検査システム70は、組立てられた層が充分に密接した関係にあり、添加した液状試料が検査システム70の入口から離れた点から内部に入り、重力および/またはその他の同様の力の影響下で、事実上、垂直に通過するようになっている限り、効果的に機能すると考えられる。
【0103】
また、本検査システム70の基本機能に必須なわけではないが、様々な層10、12、14、16、18を密着させ、隙間および/または端を密封することにより、液状被分析試料が入口から離れた点から事実上垂直に流れ、および/または本検査システム70の層12、14、16の1つ以上の層を通過して、好ましくは、過剰な試料が吸収層16に吸収されると一般に考えられている。
【0104】
1つの検査システム70を使って、1つの液状被分析試料から複数のマーカー蛋白の存在を事実上同時に検査する方法は、重大な長所になると考えられる。長所として、複数検査システムで要求される検査を別々の検査で行なうと、対応する検査がほぼ4つとなり、さらに対応する対照が必要となるため、好ましくは、複数検査システムは全実施時間が短くなり、材料にかかる費用が少なくことが考えられる。
【0105】
検査システム70の使用は、好ましくは、追加の特殊な機器を購入したり、既に高度の資格をもつ検査スタッフに補足トレーニングを行なうことなく、使用が簡単で、素早く実施でき、非常に正確かつ効果的な検査結果が迅速に得られる。前述したように、このシステムを使うと、好ましくは、複数の原因物質が存在する1つの被分析試料を事実上、同時に検査できる。本検査システム70は、好ましくは、臨床、治療の場、および/または現場で使用される。実際、本検査システム70は、好ましくは、現場、および/または特殊設計された製造工場で製造および/または組立てが行なわれ、そのため、好ましくは、製造および包装にかかるコストが低くなる。本検査システム70は、好ましくは、使用者の好み、および/または実施する検査の性質により、定量的および/または定性的結果を得るために選択的に用いることができる。
【0106】
本検査システム70は、上述した全ての説明に加えて、単純で環境的に責任ある方法、例えば、焼却により簡単に廃棄できる。前述したように、検査システム70は、好ましくは、ウイルス、真菌、細菌、および/またはベクター誘導感染を検出するために選択的に採用することができる。本検査システム70は、好ましくは、視覚的に識別できる検査結果を得ることができる、および/または比較的短期間で結果を得ることができる。
【0107】
もちろん、本発明の真髄と範囲を逸脱することなく、本ディスポーザブル免疫検査システム70に従って、実施例の設計と製造にその他の修正または改良を取り入れることができる。例えば、この例に限定されるわけではないが、本検査システム70のハウジング60および/または様々な層12、14、16は、様々な幾何学形、例えば、正方形、長方形、円、および/または球形に構成させることができる。
【0108】
同様に、本検査システム70は、上記で説明した第一および第二検査面エリア32、33以外にも、複数の検査面エリア(表示せず)を持つことができる。このような実施例では、有効面エリア30の目に見える部分31がさらに、複数の補足的検査面エリアで構成され、これらのエリアが組み合わさって様々な幾何学形を構成させることができる。
【0109】
また、通過層と蛋白層12、14の上面が各々窪み部分56、58を成す一方、通過層と蛋白層12、14はまた、それぞれ凸状、またはその他の同様な形状を成すことがある。
【0110】
さらに、ラベル表示11は、印字、貼付け、または書込みなどに限定されない方法で、ハウジング上部10または通過層12に記されている。
【0111】
上記の説明は1つのハウジング穴20についてのみ説明しているが、各検査システム70には複数のハウジング穴がある場合がある(表示せず)。
【0112】
さらに、ディスポーザブル免疫診断検査システムのユニットは、エンドユーザーが望むと思われる「マルチパック」、またはその他の切離し可能な連結、或いは弱い連結で並んでいる(図6と7で示すような、代表的な横並びの切取り可能な形式以外)ものが用意されている。
【0113】
同様に、本ディスポーザブル免疫診断検査システム70は、ハウジング上部10なしで組立てられ、このような実施例では、少なくとも通過層12(恐らく、外面にラベル表示11が記されている)、蛋白層14、吸収層16、ハウジング下部18、およびハウジング側面36で構成されると思われる。
【0114】
同様に、ハウジング下部18はが省略されることがあり、この場合、ディスポーザブル免疫診断検査システム70は、少なくともハウジング上部10、通過層12(ハウジング穴20が通過層12の穴24と事実上垂直に並んでいることを保証する)、蛋白層14、吸収層16、およびハウジング側面36で構成されると思われる。
【0115】
さらに、本検査システム70は、時おり、流れに沿った形式の迅速アッセイ検査と説明されている一方、横に流れる形式で作られることもある。
【0116】
上記で検討した本検査システム70は、好ましくは、廃棄可能で、液状被分析試料または基質中のマーカー蛋白を1つ以上検出するために利用できる費用対効果の高い免疫診断検査システムである。1つの液状被分析試料を使って実施することが好ましいと思われ、本発明は一回の検査で複数のマーカー蛋白の検出できるため、好ましくは、より短い時間で結果が得られると思われる。
【0117】
本発明は主に免疫診断システムとして利用されると思われる一方、様々なマーカー蛋白および組織倍溶液、植物抽出液、種の抽出液、土壌の抽出液、および/または、水およびその他の水性抽出液に存在する他の材料の検出で使うように製造されることがある。
【0118】
前述したように、本発明に基づくディスポーザブル免疫診断検査システム70は、好ましくは、環境的に責任があり、かつ廉価な方法、例えば、焼却、燃焼などで廃棄できる。
【0119】
本ディスポーザブル免疫診断検査システム70は、好ましくは、製造および廃棄の費用が、現在利用されている他の分析検査機器より低いと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1A】本発明によるディスポーザブル免疫診断検査システムの1つの奨励実施例の上正面を左側から見た図である。
【図1B】検査システムの上正面を左側から見た図1Aの、封止部を外した分解図で、事実上一列に並ぶ部分を架空の線で示す。
【図2A】本発明による検査システムのもう1つの奨励実施例の上正面を左側から見た図で、ハウジングを含む。
【図2B】検査システムの上正面を左側から見た図2Aの、封止部を外した分解図である。
【図2C】図3の丸で囲んだ領域2Cを拡大した図で、以下で詳細に検討する。
【図2D】本発明による検査システムの異なる奨励実施例の上正面を左から見た図で、通過層に複数の穴が描かれている。
【図2E】図2Dの検査システムの上正面を左から見た図で、封止部を外した分解図である。
【図2F】図2Cと同様に、図2Dで示す検査システムの拡大図である。
【図3】図2Aのライン3−3に沿った検査システムの断面図である。
【図4A】本発明による検査システムのさらなる奨励実施例の上平面図で、図2Aに示す図に似ている。
【図4B】図2Aの検査システムの上平面図である。
【図4C】本発明による検査システムのさらなる奨励実施例の上平面図で、図2Aに示す図に似ている。
【図4D】図2Dの検査システムの上面図で、ハウジング上部と通過層を示す。
【図4E】図2Dの検査システムの上面図で、架空の線で示す通過層の穴とハウジングを示す蛋白層を示す。
【図5A】本発明による検査システムのもう1つの実施例の上正面を左側から見た図で、部分的に封止部を外した分解図である。
【図5B】図5Aの検査システムの上正面を左側から見た図である。
【図6】本発明による別の実施例の一部の上正面を左側から見た図で、各々が図2Aと類似し、切り離しできる複数の検査システムを示す。
【図7】本発明のさらなる実施例の一部の上正面を左側から見た図で、各々が図2Bと似た複数の検査システムが弱く連結している。
【技術分野】
【0001】
本発明は免疫診断検査システム、キット、機器の分野に関する。より詳細には、液体被分析試料のマーカー蛋白の存在を検査するディスポーザブル免疫診断検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床環境では様々な診断検査方法およびキットが使われている。例えば、免疫クロマトグラフィー・アッセイ、抗原および/または抗体の存在を調べるマルチイムノアッセイ診断システム、アッセイ試料分析装置、および迅速イムノアッセイ検査ストリップなどが挙げられる。その他の迅速アッセイ検査の機器および方法は、多かれ少なかれ当技術分野で知られており、検査試料が当機器の中を流れるか否かにより、また恐らくこのような流れの方法および/または方向により、多くの形式の1つに分類される。例えば、ディップスティック形式、フロースルー形式、および/またはラテラル形式といった検査機器がある。
【0003】
しかしながら、より迅速で正確な検査結果を出す機器、特殊化した追加機器の購入や高度な資格のある検査官の補足トレーニングを必要としない機器、および/または原因物質が複数ある場合に事実上同時検査で1つの被分析試料を検査できる機器が求められている。同様に、効果的かつ簡単に使用でき、迅速に実施できる免疫診断検査システム、キット、および/または機器(以後、簡単に「免疫診断検査システム」と称する)も求められている。
【0004】
また、「治療の場」および/または「現場」(即ち、従来の臨床環境の外、例えば、臨時のアウトリーチプログラム、緊急対応を試みる場合、野戦病院、および/または農場における穀物や病気の家畜への対応の一環として)で、これまで充分に対応されていなかった簡単に使用および/または廃棄できる検査システムが緊急に求められている。
さらに、現場および/または特別に設計された製造施設で製造および/または組立てができる検査システムが求められている。また、製造および包装コストの低いシステムも求められている。
【0005】
使用者の嗜好および/または実施する検査の性質により、定量的および/または定性的な結果が選択できる試験システムが求められている。
【0006】
過去に、「治療の場」の免疫診断システムの廃棄が、この業務を請け負う作業者にとって重大な問題または難点であったと考えられる。かつて、このような機器(使用により潜在的に汚染された機器)は通常、廃棄物埋め立て場に運ばれ、環境対策費を大幅に増大させ、この機器から出た汚染物質がやがて埋め立て場や周辺地区に漏出する可能性が懸念されるようになっている。現在市販されている免疫診断検査システムの一部は通常、有害および/または毒性のある気体を発生させることなく、安全に燃焼または焼却できない材料(例えばプラスチック)が主な構成成分であるため、廃棄物埋め立て処分が事実上必要とされている。検査システムを埋め立て場で廃棄すると、通常、輸送費や廃棄処分費、および労力が加算される。労力の一因として、潜在的に汚染された検査システムの安全な輸送、および処理に適した携帯型廃棄物用容器を現場作業者が持ち歩かなければならないことが挙げられる。このような廃棄方法は、無菌ガラス器具、プラスチック器具、検査器具、および同類の器具、並びにこれに相応する厳密さで行なう滅菌および取扱い方法が関わる。従って、単純かつ環境的に責任のある方法、例えば焼却により、簡単に廃棄できる検査システムが緊急かつ継続的に求められている。
【0007】
また、ウイルス、真菌、細菌、および/またはベクター誘導による感染を検出するために選択的に適用される検査システム、或いはこれらの検査の一部または全てを1つの試料で実施できる検査システムも求められている。
【0008】
前述に加えて、視覚的に識別可能な検査結果が得られる検査システム、および/または比較的に短期間(例えば、60〜90秒以内)で検査結果が得られる検査システムも求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、上述した必要性、短所、および/または先行技術に関連した欠点を1つ以上未然に防ぎ、緩和し、および/または対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、液状の被分析試料に存在するマーカー蛋白の有無を検査するディスポーザブル免疫診断検査システムである。本検査システムは事実上非孔性構造の第一材料でできた事実上平面の通過層を含み、この通過層は少なくとも1つの穴が貫通した形状を成す。また、この検査システムは、効果的な構成で、結合蛋白を事実上固定するために用いる第二材料の蛋白膜を含む。この蛋白膜は事実上多孔構造であるため、液状被分析試料がこの孔を通る。蛋白層は通過層に密着しているため、蛋白上に有効面を成し、通過層の穴に事実上接し、事実上一列に並んだ構造である。この検査システムにはまた、液状被分析試料の少なくとも一部を吸着する第三材料でできた吸収層を含む。この吸着層は蛋白層に密着している。効果的な構成では、上述したように、結合蛋白が蛋白層に事実上固定されており、液状被分析試料が通過層の少なくとも1個の穴から蛋白層に注入される。陽性結果の構成では、マーカー蛋白が結合蛋白と結合し、事実上蛋白層に固定される。陰性結果の構成では、少なくとも液状被分析試料の一部が蛋白層を事実上通過する。
【0011】
本発明ではさらに、第一材料、第二材料、第三材料が、焼却時に非毒性の副産物を産生する1つ以上の燃焼可能な材料で構成されている。
【0012】
本発明の奨励実施例によると、本検査システムは、好ましくは、試薬を含み、この試薬は陽性結果の構成で効果的にマーカー蛋白と結合し、これを事実上蛋白層に固定させる。
【0013】
本発明の奨励実施例によると、この試薬は陽性結果の構成で効果的に色彩表示をする視覚的標識物質が含まれることがある。
【0014】
本発明の別の奨励実施例によると、この試薬は蛋白酵素複合体が含まれることがある。この実施例で検査システムは、好ましくは、陽性結果の構成で蛋白酵素複合体に効果的に結合する酵素基質を含み、好ましくは、陽性結果の構成で効果的に色彩表示をする。
【0015】
本発明の奨励実施例によると、少なくとも有効面の目に見える部分は通過層の穴から見ることができる。
【0016】
本発明の奨励実施例によると、検査システムは、好ましくは、通過層と蛋白層の間、及び蛋白層と吸着層の間に、少なくとも1つの封止剤が事実上挿入された構造である。
【0017】
本発明の奨励実施例によると、有効面の目に見える部分は、好ましくは、効果的な構成で結合蛋白が事実上固定された第一検査面を含む。有効面の目に見える部分には、好ましくは、さらに検査対照面を含む。検査対照面は、好ましくは、陽性結果構成と陰性結果構成で対照読取り値を評価するために用いられ、これにより検査システムが適性に使用されていることが効果的に確認できる。
【0018】
本発明のさらなる奨励実施例では、検査システムには、好ましくは、通過層、蛋白層、および吸収層を事実上包むハウジングを含む。ハウジングの下部は吸収層に密着し、上部は通過層と密着している。ハウジング上部は少なくとも1つのハウジングの穴が貫通した形状である。ハウジング穴は事実上通過層の少なくとも1つの穴に作用させる液体が流れるように並んでいる。
【0019】
本発明のさらなる奨励実施例では、このハウジングは、好ましくは、上述の少なくとも1つの燃焼可能材料で構成される。
【0020】
本発明の奨励実施例では、このハウジングが、好ましくは、事実上非孔性ハウジング構造のハウジング材料で構成される。
【0021】
本発明の奨励実施例では、少なくとも1つの封止剤が、好ましくは、ハウジングの上部と通過層の間、およびハウジングの下部と吸着層の間に事実上挿入されていることがある。
【0022】
本発明の奨励実施例では、このハウジングには、好ましくは、少なくとも1つのラベル表示が記された外面がある。この外面は、好ましくは、ハウジング上部の外面である。
【0023】
本発明の奨励実施例によると、本結合蛋白は、必ずしも必要でないが、好ましくは、真菌マーカー蛋白、ウイルスマーカー蛋白、細菌マーカー蛋白、ベクター誘導マーカー蛋白、植物マーカー蛋白、および/または少なくとも1つの液体被分解物質中の事実上健康な細胞および同じ物を供給する種が生合成した固有の蛋白と結合させるために用いる蛋白を含む。
本発明の奨励実施例によると、好ましくは、有効面の目に見える部分には、さらに第二検査面エリアがある。効果的な構成では、第二の結合蛋白が、事実上第二検査面エリアに固定されている。陽性結果の構成では、マーカー蛋白が第二結合蛋白と結合し、事実上この蛋白層に固定される。
【0024】
本発明のさらなる奨励実施例によると、有効面エリアの目に見える部分には、好ましくは、さらに補足的な第一検査面エリアと補足的な第二検査面エリアがある。効果的な構成で、結合蛋白が、必ずしも必要でないが、好ましくは、第一検査面エリアと補足的第一検査面エリアのそれぞれに事実上固定されている。効果的な構成で、必ずしも必要でないが、好ましくは、第二の結合蛋白が、第二検査面エリアと補足的第二検査面エリアのそれぞれに事実上固定されている。
【0025】
本発明の奨励実施例によると、補足的第一検査面エリアは、第一検査面エリア上の結合蛋白と比べて、事実上より高濃度の結合蛋白が事実上固定されている。
【0026】
本発明の奨励実施例によると、第一検査面エリアと補足的第一検査面エリアは共に、必ずしも必要ではないが、好ましくは、事実上平面の第一検査リングを概念的に描くことができ、両エリアは概念的にそのリング内に入っている。同様に、第二検査面エリアと補足的第二検査面エリアは共に、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上平面の第二検査リングを概念的に描くことができ、両エリアがそのリング内に入っている。第二検査リングは、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上第一検査リングの周囲を囲んでいる。
【0027】
同様に、本発明の奨励実施例によると、第一検査リングは、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上検査対照表面の周囲を囲んでいる。
【0028】
本発明の奨励実施例によると、通過層の少なくとも1つの穴は、必ずしも必要でないが、好ましくは、少なくとも2つの穴を含む。通過層上面は、必ずしも必要でないが、好ましくは、少なくともこの2つの穴に事実上接し、ハウジングの穴と事実上一列になった窪み部分を成す。
【0029】
本発明のもう1つの奨励実施例によると、蛋白層上面は、必ずしも必要でないが、好ましくは、窪み部分を成す。窪み部分は、必ずしも必要でないが、好ましくは、有効面エリアの目に見える部分に事実上接し、通過層の穴と事実上一列に並んでいる。
【0030】
本発明の他の長所、機能、及び特徴、並びに構造の関連要素の操作方法と機能、および部品の組合せと製造経費については、以下の詳細説明の考察、および添付した図面を参照する添付した請求項で明確に説明する。図面については以下で簡単に述べる。
【0031】
本発明によるディスポーザブル免疫診断検査システムの特徴と考えられる新規性については、構造、組織、使用、および使用方法、並びに詳細な目的とその長所が、以下の図面からより良く理解できる。この図面は本発明の少なくとも1つの奨励実施例を例にとって図に示したものであるが、必ずしも縮尺して描いたものでなく、明らかに図示と説明のみを目的としている。このため、およびその他の理由により、この図が発明の限界値を示すことを意図していないことを理解すべきである。添付する図面について以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1A、1B、5A、および5Bでは、液状被分析試料(表示せず)中のマーカー蛋白の存在を検査するため、本発明に沿ったディスポーザブル免疫診断検査システム70の奨励実施例を示す。図5Aで最も良くわかるように、本検査システム70の推奨実施例の1つは組み合わせた検査アセンブリ50とハウジング60で構成される。
【0033】
また、図1Aと1Bで最も良くわかるように、検査システム70は、ハウジング60のない、単純に組合せた検査サブアセンブリ50のことがある。
【0034】
さらに図1Bでは、組合せた検査サブアセンブリ50が事実上平面の通過層12、蛋白層14、および吸収層16を含み、好ましくは、それぞれが燃焼時に非毒性副産物を生成する可燃材料でできている。このため、組合せた検査サブアセンブリ50は環境的に責任ある方法、例えば、焼却で簡単に廃棄できると考えられる。
【0035】
前述したように、通過層12は事実上平面であり、貫通する穴24があり、この穴は相当する通過層12の内縁26を成す。図1A、1B、5A、および5Bが示す奨励実施例は通過層12に1つの穴24が通っているが、他の実施例(例えば、図2Dから2F;これらについては以下で詳細に検討する)の通過層には複数の穴24がある場合がある。この通過層12は事実上非孔性構造であるため、好ましくは、事実上、非透過生、非海綿状、そして不織性である。本通過層12は、必ずしも必要でないが、好ましくは、高密度の紙材料、例えばダンボール紙などで構成される。他の比較的硬い材料、例えば、樹皮および/または圧縮植物材料も本発明による通過層12の構造で使われる。この通過層12は、好ましくは、高密度に圧縮した性質、構成材料の固有の性質、或いはそれ以外の要因により、好ましくは、検査システム70にある程度の硬さを与える。この通過層12は、必ずしも必要でないが、好ましくは、厚さ約0.2〜10mm、より好ましくは、事実上約2〜4mmの範囲内である。
【0036】
図1Aと1Bで最も良くわかるように、蛋白層14は通過層12に密着している。この蛋白層14には、該通過層12の該穴24に事実上隣接し、事実上一列に並ぶ有効面30がある(図1Bの架空の線“A”で全体的に示す)。図1Aで最も良くわかるように、有効面30には、好ましくは、少なくとも穴24から見える部分31がある。
【0037】
蛋白層14は、必ずしも必要でないが、好ましくはニトロセルロース、ナイロン、および/またはアセテート、並びに反応物および/または結合蛋白が結合または事実上固定化されるその他の材料で構成することができる。検査システム70が機能する上で必須なわけではないが、ニトロセルロースは蛋白層14で使用できる効果的な蛋白結合材料と考えられる。適切な市販のニトロセルロース膜が薄い裏付け支持紙の上で形成され、本発明の奨励実施例に従って蛋白層14で使われることがある。この蛋白層14は、必ずしも必要でないが、好ましくは厚さ約5mm以下で、より好ましい厚さは事実上、約0.5〜2.0mmの範囲内である。
【0038】
この蛋白層14は事実上多孔性で、好ましくは、複数の孔が貫通している(表示せず)。ニトロセルロース膜、およびその他の好ましい蛋白層14材料を使う場合、蛋白層14の孔のサイズが大きければ、これに対応して蛋白結合能力および/または蛋白結合容量が低くなると考えられるが、これが検査システム70の機能にとって必須なわけではない。以下に詳細に検討するように、蛋白結合能力の低い蛋白層14を使うと、システム70で実施する検査の感度が低くなる場合がある。ニトロセルロース蛋白膜14は、必ずしも必要でないが、好ましくは孔の直径サイズが約0.1〜25ミクロンで、より好ましくは直径サイズが事実上約0.4〜2.0ミクロンの範囲内である。事実上、上述した範囲内のサイズの孔(表示せず)がある蛋白層14は、蛋白結合能力が高くなると考えられる。
【0039】
図1Bで最も良くわかるように、吸収層16は通過層12に密着している。名前から推察できるように、吸収層16は検査する液状被分析試料の少なくとも一部(より好ましくは、より多くの部分)を取り込む、或いは吸収するために、好ましくは、実施する検査の性質に基づいて採用する吸収材料でできている。この吸収層16は、好ましくは、海綿状材料、或いは、液状被分析試料の少なくとも一部を取り込む、或いは吸収することのできるその他の材料でできている(表示せず)。例えば、吸収層16として、ペーパータオルおよび/またはアセテート材料が挙げられる。この吸収層16は、必ずしも必要でないが、好ましくは厚さ約1〜50mmで、より好ましくは、事実上、厚さ約5〜20mmの範囲内である。この吸収層16は、好ましくは、1回の検査で使われる液状被分析試料の容積の3倍以上を吸収し、保持することができるものを用いる。
【0040】
前述したように、吸収層16は蛋白層14に密着しており、蛋白層14は通過層12に密着している。検査システム70の基本機能に必須なわけではないが、好ましくは、通過層12と蛋白層14は、事実上両者を配置する時、両者の間に封止剤(表示せず)を使って互いに密着させる。同様に、蛋白層14と通過層16は、事実上両者を配置する時、封止剤(表示せず)を使って互いに密着させる。本発明に従う適切な封止剤は、必ずしも必要なわけではないが、望ましくは、糊、および他の接着剤、並びにホッチキス、縫合、熱および/または超音波密封法、および層12、14、16が上述した互いに密着した状態に事実上維持されることを保証する適切なその他の材料または処理が含まれる。製造を簡単にするには、国内で使用されている従来の熱密封器や糊で、本発明に必要な密封性が充分に得られると考えられる。
【0041】
図1Aと5Aで最も良くわかるように、組合せた検査サブアセンブリ50はまた、好ましくは、サブアセンブリ周辺シーリング34を含む。図1Aと5Aに示すように、検査システム70の奨励実施例のサブアセンブリ周辺シーリング34は、層12、14、16の各々の周囲に確実に作用する。サブアセンブリ周辺シーリング34は、上記で検討した接着剤と同じ、或いは異なる接着剤である。例えば、サブアセンブリ周辺シーリング34は、層12、14、16の周囲を接着する接着剤であってよい。前述の封止剤と封止方法に加えて、サブアセンブリ周辺シーリング34は、代わりに、層12、14、16を互いに確実に密着させるため、これらの層を物理的に圧迫する材料または形状物が用いられる(恐らく、事実上周囲に隣接する)。例えば、サブアセンブリ周辺シーリング34として、通過層12と吸収層16の周囲に作用し、3つの層12、14、16全てに圧迫力をかけて互いに密着させる締め具(表示せず)が用いられる。
【0042】
図5Aと5Bで最も良くわかるように、ハウジング60は事実上、通過層12、蛋白層14、吸収層16を包んでおり、これらは、必ずしも必要でないが、好ましくは、共に組合せた検査サブアセンブリ50を形成する。ハウジング60は、好ましくは、ハウジング上部10とハウジング下部18を含む。ハウジング上部10とハウジング下部18は、必ずしも必要でないが、好ましくは通過層12と吸収層16にそれぞれ接着している。ハウジング上部10と通過層12は、好ましくは、上述した接着剤と同じ、または異なる接着剤(表示せず)を使って互いに接着させ、事実上配置した両者の間に封止剤が挿入されている。同様に、ハウジング下部18と吸収層16も、好ましくは、上述した封止剤と同じ、または異なる接着剤(表示せず)を使って互いに接着させ、事実上配置した両者の間に接着剤が挿入されている。
【0043】
図5Bで最も良くわかるように、ハウジング60は、好ましくは、ハウジング上部10と下部18の複数の端36と事実上接するハウジング端36が備わっている。検査システム70の奨励実施例のハウジング縁36は、組合せた検査サブアセンブリ50の縁34にしっかり作用する(図5Bに示す)、および/または12、14、16の各層の縁に作用する(図2A、2D、および3に示し、以下で詳細を検討する)。ハウジング縁36は上述した封止剤と同じ、または異なる封止剤を使う。この中には、好ましくは、組合せた検査サブアセンブリ50がハウジング60と接着するように、代替封止剤、代替接着法、および/または上述のサブアセンブリ周辺シーリング34で述べた方式が含まれる。
【0044】
図5Aと5Bで最も良くわかるように(また、検査システム70のその他の奨励実施例を図示した図2A、2B、2D、2E、および3も示す;これらについては以下で詳細を検討する)、ハウジング上部10にはハウジング穴20があり、この穴はハウジング上部10の対応する内側の縁22を成している。ハウジング60は、好ましくは、事実上非孔性の材料でできており、これは、好ましくは事実上不透過性および/または非吸収性および/または不織構造であることを意味する。
【0045】
ハウジング60の全ての部分は、好ましくは、燃焼時に非毒性の副産物を産生する材料でできているため、検査システム70は、さらに確実に環境的に責任ある方法、例えば焼却などで廃棄できる。ハウジング60の構成に適すると考えられる奨励材料の1つは紙である。他の同様の材料も本発明に従って、ハウジング60で使うことができ、このような材料として、布、ナイロン、絹、および/または生物分解が可能な膜が挙げられる。ハウジング上部10と下部18はそれぞれ、必ずしも必要なわけではないが、好ましくは、厚さが約0.1〜3mmの範囲で、より好ましくは、厚さが事実上約0.2〜0.4mmの範囲内である。
【0046】
必ずしも必要なわけではないが、好ましくは、1つの液状被分析試料を検査する一回の検査システム70の寸法は、事実上約20mm×20mm×10mmである。
【0047】
図5Bに示すように、ハウジング60のハウジング上部10は、好ましくは、外面46があり、そこにラベル表示11が記されている。ラベル表示11は、好ましくは、裸眼で見え、続いてバーコード表示13および/または文書表示15が記されている。ハウジング60を含まない実施例では、代わりにラベル表示60が通過層12の外面に直接記されることがある(表示せず)。いずれの場合でも、ラベル表示11は印字、接着、または書込みにより、外面部に記される。次いで、必ずしも必要でないが、好ましくは、各検査システム70を追跡するため、およびその他の目的、例えば、品質管理のために、番号の付いたバーコード表示13が付与される。同様に、文書表示15はディスポーザブル免疫診断検査システム70に関する情報およびデータ、並びにその意図する使用、例えば、意図する検査の名称、有効期限、説明、保管条件、廃棄に関する説明、および/または同様の情報が記載される。さらに、ラベル表示11は、具体的な検査システム70のタイプの違いを識別するカラーコード(表示せず)が施される場合がある。
【0048】
図5Aで最も良くわかるように、検査システム70は、必ずしも必要でないが、好ましくは、空のハウジング60に、組合せた検査サブアセンブリ50を挿入して組立てる。ハウジング穴20は、好ましくは、通過層12の基部にある穴24と事実上垂直に連なる。次に、ハウジング60は、好ましくは、ハウジング端36のある各開放端で密封されている。上述したように、ハウジング縁36を形成する材料は、サブアセンブリ周辺シーリング34で使った封止剤と同じ封止剤でも、異なる封止剤でもよい。前述したように、本ディスポーザブル免疫診断検査システム70(図5Bで最もよくわかる)は、必ずしも必要でないが、好ましくは、完全に組立てられている。
【0049】
図2Aから4Eは検査システム70の別の奨励実施例を示しており、全ての図面と同様に、参照し易くするため、異なる図であっても、可能ならば、本発明の同様の要素を同様の参照番号で示す。図2A、2B、2C、および3で示す検査システム70の実施例は、図5Aと5Bに示す枕型の実施例よりハウジング上部層10と下部18が事実上平面で、層を実質的に分けている点を除き、多くの点で上記で検討した実施例と同一である。
【0050】
前述の全ての説明、そして図2Bで最も良くわかるように、ハウジング穴20は事実上通過層の穴24と一列に並んでいる(図2Bで架空の線“B”が全体を示す)。
【0051】
図2Cで最も良くわかるように、蛋白層14の上面は、必ずしも必要でないが、好ましくは、ハウジング上部10の内縁22と26、および通過層12に事実上接し、事実上一列に並ぶように、窪み部分58を成す形状である。
【0052】
図2Dから2Fは、通過層12に第一穴24a、第二穴24b、および対照穴24cが開いている検査システム70の別の奨励実施例を示している。図2Fで最も良くわかるように、通過層12の上面は、必ずしも必要でないが、好ましくは、ハウジング上部10の内縁22と事実上接し、事実上一列に並ぶ窪み部分56を成す形状である。
【0053】
図6と7に示す本発明のさらなる奨励実施例によると、本ディスポーザブル免疫診断検査システム70は、複数の検査フォーマットを備えることができる。このような実施例で、個別の検査システム70は、特定のまたは意図する目的で必要な検査システム70の数を決定するエンドユーザー(表示せず)が切離せるように、ハウジングのミシン目38により、取外し可能な連結の仕方で横に連続して並んでいるもの、および/または弱く連結しているものがある。図6に示す個々の検査システム70はそれぞれ、事実上、図2Aから4Eのいずれかの検査システムに対応する。同様に、図7に示す個々の検査システム70はそれぞれ、事実上、図5Aと5Bで示す検査システムに対応する。
【0054】
前述したように、図に示す本検査システム70の様々な奨励実施例は、必ずしも必要でないが、好ましくは、それぞれが、液状被分析試料のマーカー蛋白の存在を検査するために採用される(表示せず)。液状被分析試料は、システム70で検査することを目的とする試料で、この試料には検査対象のマーカー蛋白が含まれる場合と含まれない場合がある。即ち、液状被分析試料は、検査、或いは分析される物質または成分であり、例えば、液状の試料基質、血清、血漿、汗、尿試料、および/または組織細胞が埋包および/または浮遊した生体物質を含むその他の水性抽出物が挙げられる。必ずしも必要でないが、好ましくは、本システム70を使って検査できるその他の被分析物は、例えば井戸水試料などの環境的試料が含まれる。従って、本検査システム70は、好ましくは、広範なクラス、例えば、生物、農業、動物、および/または環境を起源とするマーカー蛋白の存在を検査するために用いられる。
【0055】
農業への応用を例にとってみると、バナナの様々な病気の有無、例えばバナナブラクトモザイクウイルス(インド、フィリピン、スリランカなどの地域で一般的なバナナの病気)および/またはアバカモザイクウイルス(フィリピンで一般的なバナナの病気)を検出するために、苗木または葉の水性抽出物をシステム70で検査することができる。
【0056】
同様に、動物分野では、システム70が動物および/または屋内のペット、例えばイヌやネコの様々な病気の有無を検出するために使われる。例えば、本システム70はイヌ糸状虫、および/またはその他の病気、例えば、リーシュマニア病、パルボウイルス感染、および/またはライム病の有無を検出できる。
【0057】
別の例を取ると、システム70は、必ずしも必要でないが、好ましくは、様々な環境的汚染物質、例えばメチル第3級ブチルエーテル等のガソリン添加物の有無を検出するために使われる。このようなガソリン添加物は、自動車排気ガスを減少させて大気の質を改善するために通常使用される一方、地下水の供給源に入り込み、最終的に人が消費することが問題視されている。
【0058】
さらに別の例を見ると、検査システム70はまた、病原菌が引起す様々な人の一般的な病気の有無を検出するために用いられる。例えば、本発明の検査システム70は、多くの病気、例えば心血管系疾患に関連する原因物質の存在を同時に検出するために用いることができる。これらの原因物質として、広範な異なる病原体、例えばウイルス、真菌、および/または細菌由来の病原物質が挙げられる。このような検査で、システム70は健康な細胞マーカーに対する抗体、例えば、心臓筋肉で見出される蛋白ミオシン、および/または上記に列挙した原因物質に対する抗体の有無を検査するために用いられることがある。
【0059】
ここで検討する検査システム70の特定の応用は、単に本発明の検査能力の例として取上げることを意図しており、検査システム70の潜在的な応用、および様々な液状被分析試料を使う様々な使用を限定することを意図していない。
【0060】
効果的にするには、検査システム70の蛋白層14に、好ましくは、結合蛋白が結合および/または固定される(表示せず)。本発明の範囲内で、結合蛋白は、蛋白層14の面上に付着している、および/または事実上そこに埋め込まれている。実際、蛋白層14に結合蛋白を結合および/または添加させる広範な方法は、好ましくは、本発明の範囲に入る。
【0061】
検査システム70の蛋白層14に効果的に結合する結合蛋白は、好ましくは、実施する検査に対応するように、および/または検査する特定の液状被分析試料に存在すると考えられる探査対象のマーカー蛋白と確実に結合するように、個別に選択する。例えば、この例に限定されるわけではないが、検査システム70をHIV1の有無の検査に用いる場合、HIV1および/またはそのマーカー蛋白と結合するのに特に適した結合蛋白を、蛋白層14上に事実上固定する。同様に、検査システム70をC型肝炎の検査に使う場合、C型肝炎および/またはそのマーカー蛋白と結合するのに特に適した結合蛋白を、蛋白層14上に事実上固定する。
【0062】
上述したように、検査システム70は、必ずしも必要でないが、好ましくは、このような場合に蛋白層14上に固定された対応する結合蛋白で、多くの広範な疾患の原因物質、例えば、ウイルス、真菌、および/または細菌を起源とする物質の存在を同時に検出するために使うことができる。即ち、結合蛋白は、検査される液状被分析試料に存在すると考えられる真菌マーカー蛋白、ウイルスマーカー蛋白、細菌マーカー蛋白、および/またはベクター誘導によるマーカー蛋白に結合するため用いられる蛋白である。
【0063】
蛋白層14は検査システム70の「反応ゾーン」であると考えられる。本発明の効果的な構成では、結合蛋白は、好ましくは、蛋白層14上に事実上固定されており、より好ましくは、蛋白層14の有効面エリア30の見える部分31上に固定される。本発明では、検査システム70のニトロセルロースまたはその他の蛋白層14が、好ましくは、その上に既に、結合蛋白が事実上固定された状態でエンドユーザーに提供されることがある(表示せず)。若しくは、結合蛋白を、好ましくは、検査時または検査時の少し前に、蛋白層14上に固定することができる。いずれの場合も、前述したように、結合蛋白は、好ましくは、検査対象となるマーカー蛋白が検査される液状被分析試料の中に存在すれば、吸着または結合等により、これを添加する働きがある。
【0064】
本システム70の機能に必須なわけではないが、結合蛋白は、好ましくは、有効面30に全面的に接する蛋白層14上、より好ましくは有効面30の目に見える部分31に直接固定される。結合蛋白は、検査システム70が完全に組立てられた後で、好ましくは、有効面エリア30に全面的に接する蛋白層14に、より好ましくは有効面エリア30の目に見える部分31上に、望ましいパターン、形状、或いは設計で直接固定される。例えば、この例に限定されるわけではないが、検査システム70の組立て後、HIV1結合蛋白が、好ましくは、番号“1”の視覚的に識別可能な形体で有効面エリア30に固定され(表示せず)、同様に、C型肝炎結合蛋白が、好ましくは、文字“C”の形体で固定される。もちろん、検査システム70の使用者および/または製造者に適したように、これ以外の形式を使うことができる。
【0065】
本発明によると、例えば、インクジェットスプレー、ピペットを使った物理的方法、および/またはニトロセルロース膜またはその他の蛋白層14の指定されたエリアに結合蛋白溶液を接触させる方法で、蛋白層14の有効面エリア30上に結合蛋白を塗布および/または沈着させ(表示せず)、吸収および/または毛細管現象により結合蛋白を蛋白層に吸収させて、蛋白層14上に事実上固定する。
【0066】
従って、検査前に、検査システム70を効果的な構成に組立てた段階で、好ましくは、液状被分析試料の複数の異なるマーカー蛋白を検出する結合蛋白を選択し、および/または事実上有効面エリア30の領域で蛋白層14上の有益なパターンで固定する。
【0067】
蛋白層14の有効面エリア30に事実上固定した結合蛋白により、液状被分析試料のマーカー蛋白(表示せず)は、以下で検討する幾つかの想定上の使用で、蛋白層14に事実上固定することができる。
【0068】
図4Aと4Bで最も良くわかるように、好ましくは、ハウジング穴20と通過層の穴24を通して、使用者が有効面エリア30を見ることができる。図4Aと4Bに示す実施例では、有効面エリア30に、第一検査面エリア32と検査対照面エリア28がある。効果的な構成で、蛋白層14に固定した結合蛋白は、事実上第一検査面エリア32に固定される。検査対照面エリア28は、検査システム70の陽性結果の構成(図4Aと4Bに示す)および陰性結果の構成(表示せず)の双方で、好ましくは、正しく使用、取扱い、および/または保管が行なわれたかを確認するために対照読取り値を表示する目的で用いられる。
【0069】
より具体的には、図4Aと4Bで示すように、検査システム70を正しく使用、取扱い、或いは保管した場合、好ましくは、検査対照面エリア28で対照値が生成され、表示される。対照読取り値は、必ずしも必要でないが、好ましくは、上述したように、蛋白層14の有効面エリア30に効果的に固定した結合蛋白のパターンに対応した色またはその他の表示とする。
【0070】
検査対照面エリア28の対照読取り値がない場合は、好ましくは、本システム70を使って実施した検査が無効となる可能性を示す。厳密に言えば、本発明による検査システム70は検査対照面エリア28を備える必要はないが、備えている方が好ましい。
【0071】
本システム70を使って、単回の定性的マーカー蛋白検査を実施する場合、検査対照面28は、必ずしも必要でないが、好ましくは、図4Aに示す方法で第一検査面エリア32に配置する。
【0072】
若しくは、本システム70を使って定量的マーカー蛋白検査を実施する場合、検査対照面エリア28は、必ずしも必要でないが、好ましくは、図4Bに示すように、有効面エリア30の事実上中央に位置させる。図4Bでは有効面エリア30に、好ましくは、さらに補足第一検査面32aがある。第一検査面エリア32と補足第一検査面エリア32aに、好ましくは、同じ結合蛋白を、必ずしも必要でないが、好ましくは異なる濃度で効果的に固定する。例えば、第一検査面エリア32の結合蛋白より事実上高濃度の結合蛋白を、補足第一検査面エリア32aに事実上固定する。
【0073】
同様に、図4Cで最も良くわかるように、使用者が1つのシステム70を使って複数のマーカー蛋白の存在を事実上同時に検査しようとする場合、検査対照面エリア28は、必ずしも必要でないが、好ましくは、有効面エリア30の事実上中央に位置させる。図4Cに示すように、有効面エリア30は、さらに第二セットの異なる結合蛋白(表示せず)を効果的に固定した第二検査面エリア33を備えることができる。第二セットの結合蛋白は、好ましくは、(第一セットの)結合蛋白とは異なるマーカー蛋白の存在を検出するために選択および/または採用される。同様に、第二セットの結合蛋白は、蛋白層14上で有益なパターンで固定することができる。
【0074】
第一検査面エリア32、補足第一検査面エリア32a、第二検査面エリア33に加えて、図4Cに示すように、有効面エリア30に、補足第二検査面33aが含まれることがある。必ずしも必要でないが、好ましくは、同じ結合蛋白が異なる濃度で、好ましくは、第二検査面エリア33と補足第二検査面エリア33aの双方に効果的に固定される。例えば、第二検査エリア33の結合蛋白濃度より事実上高濃度の結合蛋白を、補足的第二検査エリア33aに事実上固定することができる。
【0075】
図4Cで最も良くわかるように、第一検査面エリア32と補足第一検査面エリア32aは、必ずしも必要でないが、好ましくは、ともに事実上平面の第一検査リング40を概念的に成している。第一検査面32と補足的第一検査面32aは各々、必ずしも必要でないが、好ましくは、概念的にその中に位置している。このような構成では、検査対照面エリア28は、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上、第一検査リング40に囲まれた領域内に入っている。
【0076】
第二検査面エリア33と補足第二検査面エリア33aはまた、必ずしも必要でないが、好ましくは、ともに事実上平面の第二検査リング42を概念的に成している。第二検査面エリア33と補足的第二検査面エリア33aは各々、必ずしも必要でないは、好ましくは、概念的にその中に位置している。このような実施例、および図4Cで最も良くわかるように、第二検査リング42は、必ずしも必要でないが、好ましくは第一検査リング40を事実上囲んでいる。
【0077】
若しくは、第一検査面エリア32、補足第一検査面エリア32a、第二検査面エリア33、補足第二検査面エリア33a、および検査対照面エリア28は、ともに、様々な構成、例えば、様々なその他の同心円および/または非同心円の幾何学的形状を、概念的に成している。もちろん、その他の幾何学的形状、例えば、異なる複数の同心円の形状が含まれる。
【0078】
本発明で予測される別の実施例では、第一および/または第二検査面エリア32、33が同様の面エリアを構成する場合がある。より具体的には、第一および/または第二検査面エリア32、33に事実上固定された結合蛋白が、液状被分析試料の事実上健康な細胞および/または同じ物を供給する種が生合成する固有の蛋白であることがある。
【0079】
図4Dと4Eに示す検査システム70の実施例は、恐らく、補足的な説明をする価値がある。この実施例、および前述(即ち、上記の図2Dから2Fの考察に全般的に相当する)したように、通過層12は貫通する第一および第二穴24aと24b、及び対照穴24cがある。図2Eと4Eの考察で最も良くわかるように、蛋白層14の上で第一穴24aは“A”で示すように、事実上第一検査リング40上、第二穴24bは事実上第二検査リング42上、対照穴24cは事実上検査対照面エリア28上に並んでいる。
【0080】
本検査システム70の使用を、図に示す様々な実施例を参照して説明する。しかしながら、使用に関する以下の検討は、必ずしも必要でないが、好ましくは、図に示していないが、本発明の範囲内にあるその他の実施例に一般的に応用できると考えるべきである。
【0081】
典型的な検査、および液状被分析試料の応用および/または検査の前に、好ましくは、洗浄緩衝液の最初の1滴を、ハウジング上部10のハウジング穴20から検査システム70に添加し、蛋白層14の有効面エリア30の目に見える部分31を湿らせ、吸収させる。洗浄緩衝液は、必ずしも必要でないが、好ましくは、結合蛋白が固定されていない有効面エリア30の領域で遮断剤として作用して、不活性な蛋白洗浄液結合領域44を形成し(例えば図4Aと4B)、好ましくは、ここにマーカーおよび/または液状被分析試料のその他の蛋白が無差別に固定されるのを防ぐ。
【0082】
液状被分析試料は、好ましくは、ピペットまたは同様の器具を使って、本検査システム70のハウジング穴20から注入することができる。ハウジング穴20は、通過層の穴24に繋がる効果的な液体連絡路で、液状被分析試料が、好ましくは、通過層12の少なくとも1つの穴24から蛋白層14の有効面エリア30に到達する。液状被分析試料は、必ずしも必要でないが、好ましくは目に見える部分31を充分覆う量をハウジング穴20から効果的に注入する。
【0083】
前述したように、本発明の検査システム70は、液状被分析試料のマーカー蛋白の存在を検査する。陽性結果の構成では、図4Aから4Eで最も良くわかるように、本検査システム70の使用により、好ましくは、検査対象のマーカー蛋白が液状被分析試料中に実際に存在することが明らかになる。陽性結果の構成では、液状被分析試料の1個以上のマーカー蛋白が、好ましくは、結合蛋白と結合し、蛋白層14の有効面エリア30に事実上固定される。
【0084】
被分析試料が第一および第二の検査対象マーカー蛋白を含み、さらに、有効面エリア30が第一および第二検査面エリア32、33を持つ場合、第一および第二検査面32、33は、好ましくは、陽性結果の構成で第一および第二マーカー蛋白と個別に結合することができる。
【0085】
前述したように、結合蛋白が類似の面エリアに事実上固定された固有の蛋白である場合、陽性結果の構成で、マーカー蛋白は、好ましくは、この固有の蛋白と結合し、事実上、蛋白層に固定される。
【0086】
反対に、陰性結果の構成で検査システム70を使用すると、好ましくは、検査対象のマーカー蛋白が液状被分析試料中に実際に存在することが明らかにならない。陰性結果の構成では(表示せず)、液状被分析試料の少なくとも一部、および好ましくはほとんど、および/または事実上全てが、固定された結合蛋白に固定されることなく、蛋白層14を事実上通過する。
【0087】
いずれの場合でも、重力または別の力(例えば、遠心分離が作り出す慣性力)の影響が一因となって、液状被分析試料の一部は、好ましくは、検査システム70から事実上垂直に流れ、および/または注入点から離れて、蛋白層14に広がる。
【0088】
好ましくは、液状被分析試料に含まれる検査対象のマーカー蛋白が事実上蛋白層14上に固定される(陽性結果の構成)、または固定されないことが保証される(陰性結果の構成)ように、十分な量の液状被分析試料を蛋白層14に注入する。
【0089】
前述の蛋白層14は事実上多孔性構造のため、液状被分析試料の一部がここを通過する。液状被分析試料(例えば、全血)、脂肪血、および/または、さらなる透明化または増幅が必要な液状被分析試料が、蛋白層14の5〜6μ未満の孔を通過できない可能性がある場合、必ずしも必要でないが、好ましくは、検査前に試料を透明化および/または分解する。透明化および/または増幅せずに検査できる液状被分析試料は、好ましくは、例えば、血清、血漿、尿、汗、および/または滲出液などが挙げられる。好ましくは、ろ過および/または遠心分離により透明化されるその他の水性抽出液も、本検査システム70を使って検査すべき被分析試料の一部と考えられる。
【0090】
次に、好ましくは試薬を1滴、または他の必要量添加し、奨励量は有効面30の目に見える部分31を覆う量である。この試薬は、陽性結果の構成で蛋白層14に事実上固定されるマーカー蛋白と効果的に結合するため、特に選択および/または採用される。
【0091】
本発明の実施例で、この試薬(表示せず)は、好ましくは、蛋白層14に固定された結合蛋白にマーカー蛋白が特異的に結合した場合、本検査システム70が陽性結果の構成であることを示す、および/または確認する色彩表示となる視覚的な標識物質である。この視覚的標識物質(表示せず)は、1種以上の様々な物質、例えば、放射性同位体、蛍光物質、UV吸収物質、および/または着色された物質を含む。着色された視覚的標識物質は、金コロイド複合体、染色されたラテックスビーズ、および/または同様の物質を含む。
【0092】
好ましくは、ナノグラムからフェムトグラムの量を分析する場合、酵素複合体により増幅する必要がある場合がある。酵素複合体による増幅が奨励される状況として、例えば、アレルギー診断のIgE検出、および/または薬物乱用、産業的および環境的汚染物質、植物の病気、ホルモン、癌マーカー、関節炎マーカー、および/または同類の物質の検出が挙げられる。
【0093】
これらの量、および/またはその他の量の被分析試料を使う場合、前述の試薬は蛋白酵素複合体であってよい(表示せず)。本発明に従って使用されるその他の試薬と同様に、蛋白酵素複合体は、特に、陽性結果の構成で、蛋白層14に事実上固定されるマーカー蛋白と効果的に結合させるために選択および/または採用される。
【0094】
この時点で、好ましくは、同じまたは異なる洗浄緩衝液1滴を有効面エリア30に添加し、必ずしも必要でないが、好ましくは、結合していない物質を洗い流す。この時点で洗浄緩衝液は蛋白層14に吸収される。
【0095】
前述した試薬が蛋白酵素複合体を含む状況で、好ましくは、酵素基質(表示せず)を添加することができる。その後、適切な時間、恐らく約10〜60秒オーダーの時間放置し、この間、陽性結果の構成であれば、酵素基質が蛋白酵素複合体に効果的に結合する機会が得られる。蛋白酵素複合体と酵素基質は共に、本検査システム70が陽性結果の構成であることを示す、および/または確認する色彩表示を効果的に示すため、選択および/または採用される。本検査システム70のこの実施例で、好ましくは、ハウジング穴20から追加の洗浄緩衝液を1滴添加し、注入点から離れた事実上垂直な穴を通って検査システム70に注入され、前述したように、検査システムの複数の層に浸透した後、結果が読取られる。
【0096】
既に蛋白層14に固定されている結合蛋白により、蛋白層14上に固定(例えば、接着、または結合による)されない過剰なマーカー蛋白を有すると考えられる全ての資料は、必ずしも必要でないが、好ましくは、蛋白層14を通り抜けて、最終的に吸収層16で捕獲、トラップ、および/または吸収される。
【0097】
その後、追加の洗浄緩衝液が数滴必要になる、および/または、好ましくは、蛋白粗14の目に見える部分31の背景を鮮明にするために添加すると、より明瞭な検査結果を読取ることができる。
【0098】
要約すると、また一般的に言えば、液状被分析試料(表示せず)は、好ましくは、組合せた検査サブアセンブリ50の通過層12の少なくとも1つの穴24を通して、蛋白層14上に注入される。液状被分析試料は、重力またはその他の力の影響下で、蛋白層14を通過し、事実上吸収層16に注入される。
【0099】
本ディスポーザブル免疫診断検査システム70は使用後に、好ましくは、乾燥させた後、環境的に責任ある方法、例えば、焼却により廃棄することができる。
【0100】
本検査システム70の基本機能に必須なわけではないが、通過層12がより密度が濃く、より不透過性になると、添加した液状被分析試料の側方拡散が起こりにくくなると一般に考えられる。
【0101】
本検査システム70を、通過層12とハウジング穴24が事実上“B”で示すように一列に並ぶように組立てると、使用時に液状被分析試料が検査システム70の中に入っていく。
【0102】
本発明に必ずしも必要なわけではないが、検査システム70のハウジング上部10、層12、14、16、および/またはハウジング下部18は、好ましくは、互いに密着させて組立てる、および/または検査システム70の完全性を高めるように、緩みのないフィッティング関係として組立てるべきであると考えられている。さらに、本発明に必須なわけではないが、検査システム70は、組立てられた層が充分に密接した関係にあり、添加した液状試料が検査システム70の入口から離れた点から内部に入り、重力および/またはその他の同様の力の影響下で、事実上、垂直に通過するようになっている限り、効果的に機能すると考えられる。
【0103】
また、本検査システム70の基本機能に必須なわけではないが、様々な層10、12、14、16、18を密着させ、隙間および/または端を密封することにより、液状被分析試料が入口から離れた点から事実上垂直に流れ、および/または本検査システム70の層12、14、16の1つ以上の層を通過して、好ましくは、過剰な試料が吸収層16に吸収されると一般に考えられている。
【0104】
1つの検査システム70を使って、1つの液状被分析試料から複数のマーカー蛋白の存在を事実上同時に検査する方法は、重大な長所になると考えられる。長所として、複数検査システムで要求される検査を別々の検査で行なうと、対応する検査がほぼ4つとなり、さらに対応する対照が必要となるため、好ましくは、複数検査システムは全実施時間が短くなり、材料にかかる費用が少なくことが考えられる。
【0105】
検査システム70の使用は、好ましくは、追加の特殊な機器を購入したり、既に高度の資格をもつ検査スタッフに補足トレーニングを行なうことなく、使用が簡単で、素早く実施でき、非常に正確かつ効果的な検査結果が迅速に得られる。前述したように、このシステムを使うと、好ましくは、複数の原因物質が存在する1つの被分析試料を事実上、同時に検査できる。本検査システム70は、好ましくは、臨床、治療の場、および/または現場で使用される。実際、本検査システム70は、好ましくは、現場、および/または特殊設計された製造工場で製造および/または組立てが行なわれ、そのため、好ましくは、製造および包装にかかるコストが低くなる。本検査システム70は、好ましくは、使用者の好み、および/または実施する検査の性質により、定量的および/または定性的結果を得るために選択的に用いることができる。
【0106】
本検査システム70は、上述した全ての説明に加えて、単純で環境的に責任ある方法、例えば、焼却により簡単に廃棄できる。前述したように、検査システム70は、好ましくは、ウイルス、真菌、細菌、および/またはベクター誘導感染を検出するために選択的に採用することができる。本検査システム70は、好ましくは、視覚的に識別できる検査結果を得ることができる、および/または比較的短期間で結果を得ることができる。
【0107】
もちろん、本発明の真髄と範囲を逸脱することなく、本ディスポーザブル免疫検査システム70に従って、実施例の設計と製造にその他の修正または改良を取り入れることができる。例えば、この例に限定されるわけではないが、本検査システム70のハウジング60および/または様々な層12、14、16は、様々な幾何学形、例えば、正方形、長方形、円、および/または球形に構成させることができる。
【0108】
同様に、本検査システム70は、上記で説明した第一および第二検査面エリア32、33以外にも、複数の検査面エリア(表示せず)を持つことができる。このような実施例では、有効面エリア30の目に見える部分31がさらに、複数の補足的検査面エリアで構成され、これらのエリアが組み合わさって様々な幾何学形を構成させることができる。
【0109】
また、通過層と蛋白層12、14の上面が各々窪み部分56、58を成す一方、通過層と蛋白層12、14はまた、それぞれ凸状、またはその他の同様な形状を成すことがある。
【0110】
さらに、ラベル表示11は、印字、貼付け、または書込みなどに限定されない方法で、ハウジング上部10または通過層12に記されている。
【0111】
上記の説明は1つのハウジング穴20についてのみ説明しているが、各検査システム70には複数のハウジング穴がある場合がある(表示せず)。
【0112】
さらに、ディスポーザブル免疫診断検査システムのユニットは、エンドユーザーが望むと思われる「マルチパック」、またはその他の切離し可能な連結、或いは弱い連結で並んでいる(図6と7で示すような、代表的な横並びの切取り可能な形式以外)ものが用意されている。
【0113】
同様に、本ディスポーザブル免疫診断検査システム70は、ハウジング上部10なしで組立てられ、このような実施例では、少なくとも通過層12(恐らく、外面にラベル表示11が記されている)、蛋白層14、吸収層16、ハウジング下部18、およびハウジング側面36で構成されると思われる。
【0114】
同様に、ハウジング下部18はが省略されることがあり、この場合、ディスポーザブル免疫診断検査システム70は、少なくともハウジング上部10、通過層12(ハウジング穴20が通過層12の穴24と事実上垂直に並んでいることを保証する)、蛋白層14、吸収層16、およびハウジング側面36で構成されると思われる。
【0115】
さらに、本検査システム70は、時おり、流れに沿った形式の迅速アッセイ検査と説明されている一方、横に流れる形式で作られることもある。
【0116】
上記で検討した本検査システム70は、好ましくは、廃棄可能で、液状被分析試料または基質中のマーカー蛋白を1つ以上検出するために利用できる費用対効果の高い免疫診断検査システムである。1つの液状被分析試料を使って実施することが好ましいと思われ、本発明は一回の検査で複数のマーカー蛋白の検出できるため、好ましくは、より短い時間で結果が得られると思われる。
【0117】
本発明は主に免疫診断システムとして利用されると思われる一方、様々なマーカー蛋白および組織倍溶液、植物抽出液、種の抽出液、土壌の抽出液、および/または、水およびその他の水性抽出液に存在する他の材料の検出で使うように製造されることがある。
【0118】
前述したように、本発明に基づくディスポーザブル免疫診断検査システム70は、好ましくは、環境的に責任があり、かつ廉価な方法、例えば、焼却、燃焼などで廃棄できる。
【0119】
本ディスポーザブル免疫診断検査システム70は、好ましくは、製造および廃棄の費用が、現在利用されている他の分析検査機器より低いと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1A】本発明によるディスポーザブル免疫診断検査システムの1つの奨励実施例の上正面を左側から見た図である。
【図1B】検査システムの上正面を左側から見た図1Aの、封止部を外した分解図で、事実上一列に並ぶ部分を架空の線で示す。
【図2A】本発明による検査システムのもう1つの奨励実施例の上正面を左側から見た図で、ハウジングを含む。
【図2B】検査システムの上正面を左側から見た図2Aの、封止部を外した分解図である。
【図2C】図3の丸で囲んだ領域2Cを拡大した図で、以下で詳細に検討する。
【図2D】本発明による検査システムの異なる奨励実施例の上正面を左から見た図で、通過層に複数の穴が描かれている。
【図2E】図2Dの検査システムの上正面を左から見た図で、封止部を外した分解図である。
【図2F】図2Cと同様に、図2Dで示す検査システムの拡大図である。
【図3】図2Aのライン3−3に沿った検査システムの断面図である。
【図4A】本発明による検査システムのさらなる奨励実施例の上平面図で、図2Aに示す図に似ている。
【図4B】図2Aの検査システムの上平面図である。
【図4C】本発明による検査システムのさらなる奨励実施例の上平面図で、図2Aに示す図に似ている。
【図4D】図2Dの検査システムの上面図で、ハウジング上部と通過層を示す。
【図4E】図2Dの検査システムの上面図で、架空の線で示す通過層の穴とハウジングを示す蛋白層を示す。
【図5A】本発明による検査システムのもう1つの実施例の上正面を左側から見た図で、部分的に封止部を外した分解図である。
【図5B】図5Aの検査システムの上正面を左側から見た図である。
【図6】本発明による別の実施例の一部の上正面を左側から見た図で、各々が図2Aと類似し、切り離しできる複数の検査システムを示す。
【図7】本発明のさらなる実施例の一部の上正面を左側から見た図で、各々が図2Bと似た複数の検査システムが弱く連結している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状被分析試料中のマーカー蛋白の存在を検査するディスポーザブル免疫診断検査システムであって、
a)少なくとも1つの穴が貫通する形状で、事実上非孔性構造の第一材料を含む、事実上平面の通過層;
b)効果的な構成で、結合蛋白を事実上固定するために用いられる第二材料を含み、液状被分析試料の一部が事実上そこを通過できる事実上の多孔構造である蛋白層であって、該蛋白層は該通過層と密着し、該通過層の穴と事実上接し、事実上一列に並んだ蛋白層上に有効面エリアを成し;
c)少なくとも該液状被分析試料の一部を吸収することのできる第三の材料を含み、該蛋白層と密着する吸収層を含み;
効果的な構成で、前述したように、該結合蛋白が事実上、該蛋白層上に固定されており、該液状被分析試料は該通過層の少なくとも1つの穴から該蛋白層に注入され、陽性結果の構成では該マーカー蛋白が該結合蛋白と結合し、該蛋白層に事実上固定され、陰性結果の構成では該液状被分析試料の少なくとも一部が該蛋白層を事実上通過する、
該検査システム。
【請求項2】
該第一材料、該第二材料、および該第三材料は、焼却時に非毒性の副生成物を生成する少なくとも1つの可燃性材料で構成される、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
さらに試薬を含み、上記の陽性結果の構成で、該試薬は該マーカー蛋白と効果的に結合し、該マーカー蛋白を該蛋白層に事実上固定させる、請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
該試薬には視覚的標識物質が含まれ、この物質は上記の陽性結果の構成で効果的な色彩表示となる、請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
該視覚的標識物質は染色されたラテックスビーズを含む、請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
該視覚的標識物質は金コロイド複合体を含む、請求項4に記載の検査システム。
【請求項7】
該視覚的標識物質は炭素コロイド複合体を含む、請求項4に記載の検査システム。
【請求項8】
該試薬は蛋白酵素複合体を含み、該検査システムにはさらに、上記の陽性結果の構成で、該蛋白酵素複合体に効果的に結合する酵素基質を含む、請求項3に記載の検査システム。
【請求項9】
上記の陽性結果の構成で、該酵素基質は効果的な色彩表示となる、請求項8に記載の検査システム。
【請求項10】
少なくとも該有効面エリアの目に見える部分を該通過層の該穴から見ることができる、請求項2に記載の検査システム。
【請求項11】
上記の陽性結果構成で、該液状被分析試料の一部が該蛋白層を事実上通過する、請求項10に記載の検査システム。
【請求項12】
さらに該通過層と該蛋白層の間、および該蛋白層と該吸収層の間に事実上少なくとも一種の封止剤が挿入されている、請求項10に記載の検査システム。
【請求項13】
該有効面エリアの目に見える部分が第一検査面エリアを含み、上記の効果的な構成で、該結合蛋白が該第一検査面エリアに事実上固定されている、請求項10に記載の検査システム。
【請求項14】
該有効面エリアの目に見える部分はさらに、検査対照面エリアを含み;該検査対照面エリアは上記の陽性結果の構成と、上記の陰性結果の構成の双方で対照読取り値を表示することにより、該検査システムが適正に使われていることを効果的に確認するために用いられる、請求項13に記載の検査システム。
【請求項15】
該検査対照面エリアはさらに、該検査システムが正しく扱われ、保管されたことを効果的に確認するために用いる、請求項14に記載の検査システム。
【請求項16】
該通過層は事実上、厚さ約0.2mmから約10mmの範囲である、請求項14に記載の検査システム。
【請求項17】
該通過層は事実上厚さ約2mmから4mmの範囲である、請求項16に記載の検査システム。
【請求項18】
該第一材料は高密度の圧縮紙材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項19】
該紙材料はボール紙である、請求項18に記載の検査システム。
【請求項20】
該第一材料は樹皮材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項21】
該第一材料は圧縮植物材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項22】
該蛋白層は事実上厚さ約5mm以下である、請求項14に記載の検査システム。
【請求項23】
該蛋白層は事実上厚さ約0.5mmから約2mmの範囲である、請求項22に記載の検査システム。
【請求項24】
該第二材料は孔が開いた形状であり、該孔はそれぞれ事実上、直径が約0.1ミクロンから約25ミクロンの範囲である、請求項14に記載の検査システム。
【請求項25】
該孔の直径は事実上約0.4ミクロンから約2.0ミクロンの範囲である、請求項24に記載の検査システム。
【請求項26】
該第二材料はニトロセルロース材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項27】
該第二材料はアセテート材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項28】
該第二材料はナイロン材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項29】
該吸収層は事実上厚さ約1mmから約50mmの範囲である、請求項14に記載の検査システム。
【請求項30】
該第三材料は海綿材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項31】
該海綿材料は紙タオル材料を含む、請求項30に記載の検査システム。
【請求項32】
該海綿材料はアセテート材料を含む、請求項30に記載の検査システム。
【請求項33】
さらに該通過層、該蛋白層、および該吸収層を事実上包むハウジングを含み、該ハウジングの下部は該吸収層と密着し、該ハウジングの上部は該通過層と密着し、該ハウジング上部は少なくとも1つのハウジング穴が貫通する形状で、該ハウジング穴は作用する液体が少なくとも1つの該通過層の孔を通れるように事実上一列に並んでいる、請求項14に記載の検査システム。
【請求項34】
該ハウジングは少なくとも1つの可燃材料で構成される、請求項33に記載の検査システム。
【請求項35】
該ハウジングは事実上非孔性ハウジング構造となるハウジング材料を含む、請求項34に記載の検査システム。
【請求項36】
該ハウジング上部と該ハウジング下部はそれぞれ、事実上非孔性ハウジング構造である、請求項35に記載の検査システム。
【請求項37】
少なくとも1種の封止剤が該ハウジング上部と該通過層の間、および該ハウジング下部と該吸収層の間に事実上挿入されている、請求項33に記載の検査システム。
【請求項38】
該有効面エリアの目に見える部分を該ハウジング穴から見ることができる、請求項33に記載の検査システム。
【請求項39】
該通過層と該ハウジングの少なくとも1つは、少なくとも1つのラベル表示が記された外面がある、請求項33に記載の検査システム。
【請求項40】
該ハウジングは該外面部を含む、請求項39に記載の検査システム。
【請求項41】
該外面は該ハウジング上部に付いている、請求項40に記載の検査システム。
【請求項42】
該ラベル表示はバーコード表示を含む、請求項39に記載の検査システム。
【請求項43】
該ラベル標識は文章表示を含む、請求項39に記載の検査システム。
【請求項44】
該ハウジング層上部と該ハウジング層下部はそれぞれ、事実上厚さが約0.1mmから約3mmの範囲である、請求項33に記載の検査システム。
【請求項45】
該ハウジング層上部と該ハウジング層下部はそれぞれ、厚さ約0.2mmから約0.4mmの範囲である、請求項44に記載の検査システム。
【請求項46】
該結合蛋白は真菌マーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項47】
該結合蛋白はウイルスマーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項48】
該結合蛋白は細菌マーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項49】
該結合蛋白はベクター誘導マーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項50】
該結合蛋白は植物マーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項51】
該有効面エリアの目に見える部分は補足第一面エリアを含み、上記の効果的な構成で該結合蛋白が該第一検査面エリアおよび該補足的第一検査面エリアに事実上固定されている、請求項14に記載の検査システム。
【請求項52】
該補足第一検査面エリアには、該第一検査面エリアの結合蛋白濃度より事実上高濃度の該結合蛋白が事実上固定されている、請求項51に記載の検査システム。
【請求項53】
該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアには共に、概念的に事実上平面の第一検査リングを成し、その中に該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアがそれぞれ概念的に入っている、請求項51に記載の検査システム。
【請求項54】
該第一検査リングは事実上、該検査対照面エリアを囲んでいる、請求項53に記載の検査システム。
【請求項55】
該有効面エリアの目に見える部分はさらに第二面エリアを含み、上記の効果的な構成で該第二結合蛋白が該第二検査面エリアに事実上固定され、上記の陽性結果の構成で、該マーカー蛋白が該第二結合蛋白と結合し、事実上、該蛋白層に固定される、請求項13に記載の検査システム。
【請求項56】
該有効面エリアの目に見える部分はさらに、該補足第一検査面エリアと該補足第二検査面エリアを含み、上記の効果的な構成で、該結合蛋白が該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアにそれぞれ事実上固定され、該第二結合蛋白が該第二検査面エリアと該補足第二検査面エリアにそれぞれ事実上固定されている、請求項55に記載の検査システム。
【請求項57】
該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアには共に、概念的に事実上平面の第一検査リングを成し、その中に該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアがそれぞれ概念的に入っており;該第二検査面エリアと該補足第二検査面エリアには共に、概念的に事実上平面の第二検査リングを形成し、その中に該第二検査面エリアと該補足第二検査面エリアがそれぞれ概念的に入っており;該第二検査リングは事実上該第一検査リングを囲んでいる、請求項56に記載の検査システム。
【請求項58】
該第二検査面エリアは類似の面エリアを含み、該第二結合蛋白が少なくとも1つの該液状被分析試料の事実上健常な細胞、および同じ物を供給する種が生合成する固有の蛋白を含み;該効果的な構成で、該固有蛋白が該類似面エリアに事実上固定され、上記の陽性結果の構成で、該マーカー蛋白が該固有蛋白に結合し、事実上、該蛋白層に固定される、請求項55に記載の検査システム。
【請求項59】
該通過層の少なくとも1つの穴が少なくとも2つの穴を含み、該通過層の上面が上記の少なくとも2つの穴に事実上接した凹部を成し、該凸部は少なくとも2つの穴に事実上接し、外ハウジング穴と事実上一列に並んでいる、請求項33に記載の検査システム。
【請求項60】
該蛋白層の上面は凹部を成し、該凹部は事実上該有効面エリアの目に見える部分に接し、該通過層の該穴と事実上一列に並んでいる、請求項14に記載の検査システム。
【請求項1】
液状被分析試料中のマーカー蛋白の存在を検査するディスポーザブル免疫診断検査システムであって、
a)少なくとも1つの穴が貫通する形状で、事実上非孔性構造の第一材料を含む、事実上平面の通過層;
b)効果的な構成で、結合蛋白を事実上固定するために用いられる第二材料を含み、液状被分析試料の一部が事実上そこを通過できる事実上の多孔構造である蛋白層であって、該蛋白層は該通過層と密着し、該通過層の穴と事実上接し、事実上一列に並んだ蛋白層上に有効面エリアを成し;
c)少なくとも該液状被分析試料の一部を吸収することのできる第三の材料を含み、該蛋白層と密着する吸収層を含み;
効果的な構成で、前述したように、該結合蛋白が事実上、該蛋白層上に固定されており、該液状被分析試料は該通過層の少なくとも1つの穴から該蛋白層に注入され、陽性結果の構成では該マーカー蛋白が該結合蛋白と結合し、該蛋白層に事実上固定され、陰性結果の構成では該液状被分析試料の少なくとも一部が該蛋白層を事実上通過する、
該検査システム。
【請求項2】
該第一材料、該第二材料、および該第三材料は、焼却時に非毒性の副生成物を生成する少なくとも1つの可燃性材料で構成される、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
さらに試薬を含み、上記の陽性結果の構成で、該試薬は該マーカー蛋白と効果的に結合し、該マーカー蛋白を該蛋白層に事実上固定させる、請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
該試薬には視覚的標識物質が含まれ、この物質は上記の陽性結果の構成で効果的な色彩表示となる、請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
該視覚的標識物質は染色されたラテックスビーズを含む、請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
該視覚的標識物質は金コロイド複合体を含む、請求項4に記載の検査システム。
【請求項7】
該視覚的標識物質は炭素コロイド複合体を含む、請求項4に記載の検査システム。
【請求項8】
該試薬は蛋白酵素複合体を含み、該検査システムにはさらに、上記の陽性結果の構成で、該蛋白酵素複合体に効果的に結合する酵素基質を含む、請求項3に記載の検査システム。
【請求項9】
上記の陽性結果の構成で、該酵素基質は効果的な色彩表示となる、請求項8に記載の検査システム。
【請求項10】
少なくとも該有効面エリアの目に見える部分を該通過層の該穴から見ることができる、請求項2に記載の検査システム。
【請求項11】
上記の陽性結果構成で、該液状被分析試料の一部が該蛋白層を事実上通過する、請求項10に記載の検査システム。
【請求項12】
さらに該通過層と該蛋白層の間、および該蛋白層と該吸収層の間に事実上少なくとも一種の封止剤が挿入されている、請求項10に記載の検査システム。
【請求項13】
該有効面エリアの目に見える部分が第一検査面エリアを含み、上記の効果的な構成で、該結合蛋白が該第一検査面エリアに事実上固定されている、請求項10に記載の検査システム。
【請求項14】
該有効面エリアの目に見える部分はさらに、検査対照面エリアを含み;該検査対照面エリアは上記の陽性結果の構成と、上記の陰性結果の構成の双方で対照読取り値を表示することにより、該検査システムが適正に使われていることを効果的に確認するために用いられる、請求項13に記載の検査システム。
【請求項15】
該検査対照面エリアはさらに、該検査システムが正しく扱われ、保管されたことを効果的に確認するために用いる、請求項14に記載の検査システム。
【請求項16】
該通過層は事実上、厚さ約0.2mmから約10mmの範囲である、請求項14に記載の検査システム。
【請求項17】
該通過層は事実上厚さ約2mmから4mmの範囲である、請求項16に記載の検査システム。
【請求項18】
該第一材料は高密度の圧縮紙材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項19】
該紙材料はボール紙である、請求項18に記載の検査システム。
【請求項20】
該第一材料は樹皮材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項21】
該第一材料は圧縮植物材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項22】
該蛋白層は事実上厚さ約5mm以下である、請求項14に記載の検査システム。
【請求項23】
該蛋白層は事実上厚さ約0.5mmから約2mmの範囲である、請求項22に記載の検査システム。
【請求項24】
該第二材料は孔が開いた形状であり、該孔はそれぞれ事実上、直径が約0.1ミクロンから約25ミクロンの範囲である、請求項14に記載の検査システム。
【請求項25】
該孔の直径は事実上約0.4ミクロンから約2.0ミクロンの範囲である、請求項24に記載の検査システム。
【請求項26】
該第二材料はニトロセルロース材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項27】
該第二材料はアセテート材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項28】
該第二材料はナイロン材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項29】
該吸収層は事実上厚さ約1mmから約50mmの範囲である、請求項14に記載の検査システム。
【請求項30】
該第三材料は海綿材料を含む、請求項14に記載の検査システム。
【請求項31】
該海綿材料は紙タオル材料を含む、請求項30に記載の検査システム。
【請求項32】
該海綿材料はアセテート材料を含む、請求項30に記載の検査システム。
【請求項33】
さらに該通過層、該蛋白層、および該吸収層を事実上包むハウジングを含み、該ハウジングの下部は該吸収層と密着し、該ハウジングの上部は該通過層と密着し、該ハウジング上部は少なくとも1つのハウジング穴が貫通する形状で、該ハウジング穴は作用する液体が少なくとも1つの該通過層の孔を通れるように事実上一列に並んでいる、請求項14に記載の検査システム。
【請求項34】
該ハウジングは少なくとも1つの可燃材料で構成される、請求項33に記載の検査システム。
【請求項35】
該ハウジングは事実上非孔性ハウジング構造となるハウジング材料を含む、請求項34に記載の検査システム。
【請求項36】
該ハウジング上部と該ハウジング下部はそれぞれ、事実上非孔性ハウジング構造である、請求項35に記載の検査システム。
【請求項37】
少なくとも1種の封止剤が該ハウジング上部と該通過層の間、および該ハウジング下部と該吸収層の間に事実上挿入されている、請求項33に記載の検査システム。
【請求項38】
該有効面エリアの目に見える部分を該ハウジング穴から見ることができる、請求項33に記載の検査システム。
【請求項39】
該通過層と該ハウジングの少なくとも1つは、少なくとも1つのラベル表示が記された外面がある、請求項33に記載の検査システム。
【請求項40】
該ハウジングは該外面部を含む、請求項39に記載の検査システム。
【請求項41】
該外面は該ハウジング上部に付いている、請求項40に記載の検査システム。
【請求項42】
該ラベル表示はバーコード表示を含む、請求項39に記載の検査システム。
【請求項43】
該ラベル標識は文章表示を含む、請求項39に記載の検査システム。
【請求項44】
該ハウジング層上部と該ハウジング層下部はそれぞれ、事実上厚さが約0.1mmから約3mmの範囲である、請求項33に記載の検査システム。
【請求項45】
該ハウジング層上部と該ハウジング層下部はそれぞれ、厚さ約0.2mmから約0.4mmの範囲である、請求項44に記載の検査システム。
【請求項46】
該結合蛋白は真菌マーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項47】
該結合蛋白はウイルスマーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項48】
該結合蛋白は細菌マーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項49】
該結合蛋白はベクター誘導マーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項50】
該結合蛋白は植物マーカー蛋白を結合するために用いる蛋白を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項51】
該有効面エリアの目に見える部分は補足第一面エリアを含み、上記の効果的な構成で該結合蛋白が該第一検査面エリアおよび該補足的第一検査面エリアに事実上固定されている、請求項14に記載の検査システム。
【請求項52】
該補足第一検査面エリアには、該第一検査面エリアの結合蛋白濃度より事実上高濃度の該結合蛋白が事実上固定されている、請求項51に記載の検査システム。
【請求項53】
該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアには共に、概念的に事実上平面の第一検査リングを成し、その中に該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアがそれぞれ概念的に入っている、請求項51に記載の検査システム。
【請求項54】
該第一検査リングは事実上、該検査対照面エリアを囲んでいる、請求項53に記載の検査システム。
【請求項55】
該有効面エリアの目に見える部分はさらに第二面エリアを含み、上記の効果的な構成で該第二結合蛋白が該第二検査面エリアに事実上固定され、上記の陽性結果の構成で、該マーカー蛋白が該第二結合蛋白と結合し、事実上、該蛋白層に固定される、請求項13に記載の検査システム。
【請求項56】
該有効面エリアの目に見える部分はさらに、該補足第一検査面エリアと該補足第二検査面エリアを含み、上記の効果的な構成で、該結合蛋白が該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアにそれぞれ事実上固定され、該第二結合蛋白が該第二検査面エリアと該補足第二検査面エリアにそれぞれ事実上固定されている、請求項55に記載の検査システム。
【請求項57】
該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアには共に、概念的に事実上平面の第一検査リングを成し、その中に該第一検査面エリアと該補足第一検査面エリアがそれぞれ概念的に入っており;該第二検査面エリアと該補足第二検査面エリアには共に、概念的に事実上平面の第二検査リングを形成し、その中に該第二検査面エリアと該補足第二検査面エリアがそれぞれ概念的に入っており;該第二検査リングは事実上該第一検査リングを囲んでいる、請求項56に記載の検査システム。
【請求項58】
該第二検査面エリアは類似の面エリアを含み、該第二結合蛋白が少なくとも1つの該液状被分析試料の事実上健常な細胞、および同じ物を供給する種が生合成する固有の蛋白を含み;該効果的な構成で、該固有蛋白が該類似面エリアに事実上固定され、上記の陽性結果の構成で、該マーカー蛋白が該固有蛋白に結合し、事実上、該蛋白層に固定される、請求項55に記載の検査システム。
【請求項59】
該通過層の少なくとも1つの穴が少なくとも2つの穴を含み、該通過層の上面が上記の少なくとも2つの穴に事実上接した凹部を成し、該凸部は少なくとも2つの穴に事実上接し、外ハウジング穴と事実上一列に並んでいる、請求項33に記載の検査システム。
【請求項60】
該蛋白層の上面は凹部を成し、該凹部は事実上該有効面エリアの目に見える部分に接し、該通過層の該穴と事実上一列に並んでいる、請求項14に記載の検査システム。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2008−518215(P2008−518215A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538233(P2007−538233)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001677
【国際公開番号】WO2006/047869
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507134459)インターナショナル・バイオ−セラピューティック・リサーチ・インコーポレイテッド (2)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001677
【国際公開番号】WO2006/047869
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507134459)インターナショナル・バイオ−セラピューティック・リサーチ・インコーポレイテッド (2)
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