説明

ディフューザ構造

【課題】 見栄えを向上することができるディフューザ構造を提供する。
【解決手段】 リアバンパ11に設けられたダウンフォース用の開口部12の開口縁に内側へ延出するフランジ21を形成し、開口部12内に板状のフィン23を横設する。両フィン23の車両後方R側の後端31が車両前方F側の前端32より低位置となるように下向きに傾斜して設け、下側に位置するフィン23とフランジ21が形成する棚面22との間隔34を、車両前方Fから車両後方Rへ向かうに従って狭くなるように設定してディフューザ36が形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアバンパに設けられたディフューザ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図3に示すように、車両101の後端部には、リアバンパ102が設けられており、該リアバンパ102には、ダウンフォース用の開口部103,103が設けられている。
【0003】
これにより、走行時に発生する空気の流れが前記開口部103,103を通過する際に、下方へ向けた力を発生させ、車両101後部の浮き上がりを防止できるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなリアバンパ102にあっては、開口部103の開口縁より内側に延出するフランジ111が形成されており、下側に配置されたフランジ111には、棚面112が形成されている。
【0005】
このため、後輪121で巻き上げられた砂などの貯留物122が前記開口部103を通過する空気の流れに乗って運ばれ、この棚面112に溜まってしまう。これにより、見栄えが悪化するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、見栄えを向上することができるディフューザ構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明のディフューザ構造にあっては、リアバンパにダウンフォース用の開口部が設けられ、該開口部の開口縁より内側へ延出するフランジが形成された構造において、前記開口部内に横設される板状のフィンを前記リアバンパに設けるとともに、前記フィンを、車両後方側の後端が車両前方側の前端より低位置となるように下向きに配設して、当該フィンと該フィンの下面に対向する前記フランジの棚面との間隔が車両前方から車両後方へ向かうに従って狭くなるように設定した。
【0008】
すなわち、車両走行時に発生する空気の流れは、リアバンパに設けられた開口部を通過する。このとき、後輪で巻き上げられた砂などは、前記開口部を通過する空気の流れに乗って運ばれ、当該開口部の開口縁より延出したフランジの棚面に溜まってしまう。
【0009】
このとき、前記開口部内には、板状のフィンが下向きに配設されており、当該フィンと前記棚面との間隔が、車両後方へ向かうに従って狭くなるように設定されている。このため、前記フィンと前記棚面との間を通過する空気の流れは、前記棚面へ向けられるとともに、その流速は、高められる。これにより、この空気の流れによって、前記棚面に溜まった貯留物は吹き飛ばされる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明のディフューザ構造にあっては、ダウンフォース用の開口部に横設されたフィンによって開口部を通過する空気を、開口縁より延出したフランジの棚面へ向けて吹き付けることができ、該棚面に溜まった砂などの貯留物を吹き飛ばすことができる。
【0011】
これにより、前記棚面での汚れを軽減することができ、当該リアバンパの見栄えを向上することができる。
【0012】
そして、前記フィンは、下向きに設定されており、当該フィンが設けられたリアバンパは、目線より下側に設けられている。このため、前記フィンは、前記開口部の目隠しとして機能する。したがって、前記開口部の内側が露出する場合と比較して、外観品質をさらに高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかるディフューザ構造を備えた車両1を示す図である。
【0014】
この車両1の後端部には、リアバンパ11が設けられており、該リアバンパ11には、ダウンフォース用の開口部12,12が二カ所に設けられている。これにより、走行時に発生する空気の流れが前記開口部12,12を通過する際に、下方へ向けた力を発生させ、車両1後部の浮き上がりを防止できるように構成されている。
【0015】
前記開口部12,12の開口縁からは、図2に示すように、内側へ延出するフランジ21が形成されており、下側に位置する前記フランジ21の部位には、棚面22が形成されている。この開口部12内には、板状のフィン23,23が上下の二カ所に横設されており、各フィン23,23は、左右側部に位置した前記フランジ21が構成する側壁24に固定されている。これにより、前記フィン23,23は、当該リアバンパ11に一体形成されている。
【0016】
前記両フィン23,23は、車両後方R側の後端31が車両前方F側の前端32より低位置となるように下向きに傾斜して設けられており、下側に位置するフィン23と該フィン23の下面33に対向する前記棚面22との間隔34が車両前方Fから車両後方Rへ向かうに従って狭くなるように設定されている。これにより、前記棚面22に溜まった貯留物35を吹き飛ばすディフューザ36が構成されている。
【0017】
以上の構成にかかる本実施の形態において、車両1走行時に発生する空気の流れ41は、リアバンパ11に設けられた開口部12,12を通過する。このとき、後輪45,45で巻き上げられた砂などは、前記開口部12,12を通過する空気の流れ41に乗って運ばれ、当該開口部12,12の開口縁より延出したフランジ21が形成する棚面22に溜まってしまう。
【0018】
このとき、前記開口部12内には、板状のフィン23,23が下向きに配設されており、当該フィン23,23と前記棚面22との間隔34が、車両後方Rへ向かうに従って狭くなるように設定されている。このため、前記フィン23,23と前記棚面22との間を通過する空気の流れ41は、前記棚面22へ向けられるとともに、その流速は、高められる。これにより、この空気の流れ41によって、前記棚面22に溜まった貯留物35,・・・は吹き飛ばされる。
【0019】
このように、ダウンフォース用の開口部12,12に横設されたフィン23,23によって開口部12,12を通過する空気を、開口縁より延出したフランジ21が形成する棚面22へ向けて吹き付けることができ、該棚面22に溜まった砂などの貯留物35,・・・を吹き飛ばすことができる。
【0020】
これにより、前記棚面22での汚れを軽減することができ、当該リアバンパ1の見栄えを向上することができる。
【0021】
そして、前記フィン23,23は、下向きに設定されており、当該フィン23,23が設けられたリアバンパ11は、目線より下側に設けられている。このため、前記フィン23,23は、前記開口部12,12の目隠しとして機能する。したがって、前記開口部12,12の内側が露出する場合と比較して、外観品質をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】従来例を示す図で、(a)は車両後部を示す斜視図であり、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0023】
11 リアバンパ
12 開口部
21 フランジ
22 棚面
23 フィン
31 後端
32 前端
34 間隔
35 ディフューザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアバンパにダウンフォース用の開口部が設けられ、該開口部の開口縁より内側へ延出するフランジが形成された構造において、
前記開口部内に横設される板状のフィンを前記リアバンパに設けるとともに、前記フィンを、車両後方側の後端が車両前方側の前端より低位置となるように下向きに配設して、当該フィンと該フィンの下面に対向する前記フランジの棚面との間隔が車両前方から車両後方へ向かうに従って狭くなるように設定したことを特徴とするディフューザ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−76367(P2006−76367A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260354(P2004−260354)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000128544)株式会社オーテックジャパン (183)