説明

デジタルカメラ

【課題】表示画面を活用して外装のデザインに今まで以上の工夫を凝らしたデジタルカメラを提供する。
【解決手段】 撮影光学系を被写体に向けたときに被写体側を向く前面に配備された、画像を表示する表示画面180上にデザイン画や時計などを表示する。被写体距離が所定の距離よりも近いということが検知され自己撮り撮影が行なわれるということがデジタルカメラ側で検知されたときには、自動的にスルー画を表示するようにもする。さらに個人の画像データに基づく画像なども表示することができるようにして外装デザインを楽しめるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光学系で撮像素子上に被写体像を結像させて該被写体像を表わす画像信号を生成するデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどの携帯機器においては少なくとも一つの表示画面を設けて様々な情報を表示画面上に表示することができるようにしているものが多い。そのようなものの中の一つに特許文献1に示すような折畳み型のカメラ付き携帯電話機もあり、この特許文献1のものでは2つの表示画面のうちの一つを着信番号表示用として他方をメインパネルとして用いるようなことを行なっている。また、このようなカメラ付き携帯電話機にあっては、タッチパネルを前後面に配置して双方のタッチパネルが同時にタッチされたときに撮影を行なうようにして姿勢の安定性に配慮を加えたものもある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
いずれにしても表示画面を外から見える位置に配置することにより外装カバーの一部としての役目も果たさせるようにしている。
【0004】
ところで、携帯機器を用いるユーザの中には、携帯機器を手に持ったまま歩くことが多くなって自分の携帯機器が人目に曝される機会が多くなってきたので携帯機器の形だけでなく外装のデザイン面を気にする人が増えてきている。このようなことに鑑みて例えば特許文献3、4の技術を用いて発光シート等を外装カバーに組み込むようなことを行なって外装を鮮やかに彩ることでデザイン的なインパクトをユーザに対して与えることもできるが、もう一歩踏み込んで強烈なインパクトをユーザに与えるようにしたい。さらにこのようにデザイン的な面を重視して表示画面を用いたとしても、いままでと同様の機能をも発揮させることができるようにもしておきたい。
【特許文献1】特開2003−188959号公報
【特許文献2】特開2004−297251号公報
【特許文献3】特開2003−43959号公報
【特許文献4】特開2004−133131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、表示画面を活用して外装のデザインに今まで以上の工夫を凝らしたデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明のデジタルカメラは、撮影光学系で撮像素子上に被写体像を結像させてその被写体像を表わす画像信号を生成するデジタルカメラにおいて、
上記撮影光学系を被写体に向けたときに被写体側を向く前面に配備された、画像を表示する表示画面と、
上記表示画面上に画像を表示させる表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記デジタルカメラは、撮影光学系を被写体に向けたときに被写体側を向く前面に表示画面が配備され上記表示制御部により表示制御が行なわれて様々な画像が表示される。
【0008】
そうすると、このデジタルカメラを持ち歩いている最中に様々な画像が上記表示制御部の制御の基、表示されるようになって、携帯中さらには撮影中を問わず、表示画面上に、被写体像や外装カバーの一部になるデザイン画が切替自在に常に表示されるようになる。
【0009】
すなわち、外装のデザインに今まで以上の工夫を凝らしたデジタルカメラが実現される。
【0010】
また、このデジタルカメラに上記表示画面を配置するにあたっては、上記表示画面が、被写体側から見て、上記前面の、上記撮影光学系よりも左側に配備されていることが好ましく、上記表示画面が、電力供給停止後においても画像を表示し続ける表示画面であることが好ましい。
【0011】
そうすると、撮影時には目立たなくなり、普段持ち歩くときには比較的目立つ位置に表示画面を配設することができる。またこのデジタルカメラを持ち歩いているときには表示画面上に様々なデザイン画が表示され表示画面上のデザイン画が外装のデザインの一部となってこのデジタルカメラの鮮やかさをさらに引き立たせる。
【0012】
また上記表示制御部は、電源オフに切り替えられた後も所定時間、上記表示画面へ画像を表示させ続けるものであることが好ましい。
【0013】
そうするとうっかりと電源を切ったときに最後に撮影した画像を確認したいときなどには、電源を切った後になっても所定時間以内であれば最後の撮影画像の確認等が行なえる。また、電源を切った直後のデザインが所定時間後においては変化するのでデザインの変化が楽しめる。
【0014】
ここで、このデジタルカメラに加えられた物理的な動きを検出するセンサを備え、
上記表示制御部は、電源オフ状態においても前記センサによる物理的な動きの検出を受けて上記表示画面に画像を表示させるものであることが好ましい。
【0015】
そうすると、このデジタルカメラを持ち上げたことを上記センサにより検知したときに電源を投入してこのデジタルカメラを動作させることができるようになるので電源スイッチを操作する手間が省略された、使い勝手の良いデジタルカメラが実現される。
【0016】
また、撮影に先立って被写体までの距離を測定する測距部を備え、
上記表示制御部は、上記測距部による所定距離未満の距離の検出を受けて上記表示画面に上記撮影光学系で捉えた画像を表示させるものであることが好ましい。
【0017】
そうすると、上記測距部の所定距離未満の距離の検出を受けて、自己撮り撮影である可能性が高いとして上記表示画面に上記撮影光学系が捉えた画像が表示される。
【0018】
このように上記表示画面に自己撮りの際の自画像が表示されるようになると、自己撮り撮影時においてはファインダとして機能するようになる。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、外装のデザインに今まで以上の工夫を凝らしたデジタルカメラが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態であるデジタルカメラの外観を示す図である。
【0022】
図1(a)には、このデジタルカメラ1の正面側を斜め上方から見た斜視図が示されており、図1(b)には、このデジタルカメラ1の背面側を斜め上方から見た斜視図が示されている。また、図2は、後述するIR送信部1aからの画像データの送信を受けた後、本実施形態のデジタルカメラが備える表示画面180に、その画像データに基づく画像が表示されたことを示す図である。
【0023】
図1(a)に示すように撮影光学系を被写体(この図では読み手側)に向けたときに被写体側を向く前面に表示画面180が配備されている。この表示画面180が、被写体側から見てカメラボディ1b前面の、撮影光学系が内蔵されているレンズ鏡胴10よりも左側に配備されている。この例においては、この表示画面180に電子ペーパからなる電子表示シートが用いられていて、電源が遮断された後においても電源が遮断される直前の画像がそのまま表示され続けるようになっている。この例では、その表示画面に、外部のリモコン装置ここではIR送信部1aから送信されてきた画像データに基づく画像が表示されている例が示されている。この例に示すIR送信部1aから送信されている最中には、図2に示すように‘送信中 あと3秒’であるとか、送信中であることを示すバーグラフであるとかも表示される。
【0024】
また、レンズ鏡胴10の上方には、フラッシュ発光窓11とファインダ対物窓12が設けられている。さらに、カメラボディ1b上面にはレリーズボタン41が備えられ、カメラボディ1b側面には外部からメモリカード16が装填されるカードスロット14が設けられている。
【0025】
また図1(b)に示すカメラボディ1bの背面側にももう一つ表示画面130が配備されており、その表示画面130の右側には操作部40が設けられている。この操作部40には、ズームスイッチ42や電源スイッチ43や十字キー44、さらにメニュー/OKボタン45やキャンセルボタン46といった操作子が配備されている。以降の説明においては、これらの操作子42〜46とカメラボディ1b上面部にあるレリーズボタン41を含めたすべてを操作部40として説明する。
【0026】
さらに表示画面130の上方には上記ファインダ対物窓12と対となるファインダ接眼窓121が設けられている。この背面側の表示画面130上には、表示画面130横にある電源スイッチ43が投入されたときにスルー画が表示されたり、メニュー/OKボタン45が押されたときにメニューが表示されたりする。ここで図1のデジタルカメラ1の内部の構成を説明する。
【0027】
図3は、デジタルカメラ1の内部構成を説明する図である。
【0028】
図3に示すようにこのデジタルカメラ1の動作は統括的に制御部であるCPU30により制御されている。このCPU30は、システムメモリ35内に格納されているプログラムにしたがってこのデジタルカメラ1の動作を制御する。このシステムメモリ35は不揮発性のROMとRAMとを備えており、そのRAM内にIR(赤外線)送信部1aから送信されてきたときにIR受信部39で受信した画像データなどを格納しておいて、必要に応じてその内容を読み出して表示バッファとなるフレームメモリ36aにメモリ転送することができるようにしている。ただし、システムメモリ35内のRAMだけで作業領域を構成してしまうと電源を遮断したときに記憶内容が消えてしまうので、作業領域をRAMと不揮発性のEEPROMとの双方を用いて構成するようにして、電源を遮断したときに消えると困るデータなどはEEPROM側の作業領域に格納するようにしている。また、作業領域にはカレンダ・時計部46からカレンダおよび時計情報が供給されてきており、そのカレンダ情報や時計情報がリアルタイムに読み出され画像ファイルがメモリカード16に記録されるときにその画像ファイル内のヘッダに撮影情報として記録されたり、またメモリ転送によりフレームメモリ36a内に転送されたりするようになっている。
【0029】
CPU30は、システムメモリ35内のカレンダ・時計部46からの情報やIR送信部1aから送信されてきたデザイン画を表わす画像データをシステムメモリ35から読み出して、カレンダ・時計部46からの情報に応じてはキャラクタジェネレータ42を制御して例えば「昭和**年**日」というように文字情報に変換してから表示画面180上にその文字情報を表示したり、またデザイン画を表わす画像データをシステムメモリ35からフレームメモリ36aに向けてメモリ転送して表示部♯2 18の表示画面180上にデザイン画を表示したりしている。
【0030】
このようにしておくと、制御部(CPU)30は、表示部♯2 18に時計やデザイン的な画像等様々な画像を適宜表示させることができるようになる。この例では、この制御部(CPU)30とその制御部(CPU)30の表示処理の手順がプログラムの形で記述されているシステムメモリとが本発明にいう表示制御部にあたる。
【0031】
ここで、図3を参照して図1に示すデジタルカメラの動作を簡単に説明しておく。
【0032】
まず、図3に示す撮像部32から表示部♯1 13までの、表示処理に関わる回路部分の構成を説明する。この部分は、表示部♯1 13の表示画面上にスルー画を表示したり、スルー画に加えて文字情報をインポーズしたりする処理を担うところである。
【0033】
撮像部32は、レンズ鏡胴10に内蔵されている撮影光学系と、その撮影光学系で被写体を結像させる撮像素子とを備えたものであって、撮像素子では撮影光学系で結像させた写体像を表わす画像データを生成している。ここで生成した画像データが後段の信号処理部34に出力され信号処理部34でYC信号への変化処理等が行なわれて後段のフレームメモリ36にYC信号からなる画像信号が記憶される。なお信号処理部36には、このYC信号への変換を行なうYC分離部のほか、AF検出部やAE検出部が備えられており、それらの部分で合焦位置の検出が行なわれたり、被写界輝度の測定も行なわれたりもする。
【0034】
上記フレームメモリ36は、スルー画を表示するときには表示用バッファとして機能して表示画面上の画像を表わす画像データが記憶されることになる。こうしてフレームメモリ36内の画像データがD/A変換部44でアナログ信号に変換され表示部♯1 13に供給され、そのアナログ信号を受けた表示部♯1 13によりアナログ信号に基づく階調を持った画像が表示画面180上に表示される。
【0035】
この図2には示していないが、CPU30によりその動作が制御されるタイミングジェネレータから撮像素子に向けて所定の間隔(33ms間隔)でタイミング信号が供給され続けており、撮像素子に結像させている画像データが時々刻々と後段の信号処理部に出力され、さらにフレームメモリ36に供給されて表示バッファであるフレームメモリ36内の画像データが次々に更新されている。つまりフレームメモリ36内の画像データが33msごとに更新されて次々と切り替えられることで表示画面130上の画像も次々に切り替えられていき、人の眼には撮影光学系が捉えている被写体がそのまま表示されているかのように視認されるのである。
【0036】
また本実施形態のデジタルカメラでは、背面側の表示画面130に加えて、図1に示した表示画面180をカメラボディ前面に持っており、この表示画面180上に表示するための表示系統も備えている。この表示画面♯2 18には、表示部♯1 13と同様の表示が行なえる他、システムメモリ内にある画像データに基づきデザインを表わす画像の表示も行なえるようになっている。このデザインを表わす画像を表示するときにはシステムメモリ35内からデザイン画を表わす画像データがフレームメモリ36aに転送されて表示画面180上にその画像データに基づくデザイン画が表示される。
【0037】
またこのように表示画面180上にデザインが表示されるとなると、電源が遮断された後においてもそのデザイン表示が消えない方が良いので本実施形態のデジタルカメラでは、表示部♯2 18が備える表示画面180に電子表示シート18を用いて、電源が遮断された後においても表示画面180の表示が消えないように工夫を凝らしている。
【0038】
ここで本発明を離れて電子ペーパが用いられている電子表示シート18の構成を簡単に説明する。
【0039】
図4は電子ペーパが用いられる電子表示シートの構成を示す図である。なお、図4には中間調の表示を行なわずに配列されたセルを白または黒表示にするだけの制御を行なう電子表示シートが示されているため図3に示すD/A部がない。もしもこのような電子表示シートで階調制御を行ないたければ、ラインドライバ180bの前段に並列にD/A部を設けて、デコード信号のほか、そのD/A部に複数例えば8ビットからなる階調データを供給するようにすれば良い。そうすると、例えば各セルごとに印加する電圧値に応じて白粒子と黒粒子の配合率を変えるようなことが行なえるので階調の調整が行なえる。
【0040】
図4に示すように電子表示シート180にはセル1800が縦横に整列されて多数配列されている。以後の説明においては縦に配列されているセル群を列セルと呼び、それぞれcolumn1〜column8と記す。また横に配列されているセル群を行セルrowと呼び、それぞれrow1〜row7と記す。これらの行セルrow1〜row7の中のいずれかがデコーダ182aにより選択され、これらの列セルcolumn1〜column7の中のいずれがラインドライバ182bにより選択され、縦横に配列されたいずれかのセル1800に電圧が印加されると、その選択されたセルの色(たとえば斜線で施した部分)が変わる。図4にはドライバ部を構成するデコーダ182aとラインドライバ182bのほかに、ラッチ回路182c、シフトレジスタ182dも示されている。
【0041】
このドライバ部に画像データを所定の間隔ごとに供給すると、電子表示シート180に様々な画像が表示される。
【0042】
図5は一つのセル1800の構造を概念的に示した図である。図5を参照して電子表示シートの原理を説明する。
【0043】
図5に示すように一つのセル1800は、ガラス板180aと、一対の透明電極1801a,1801bと、縣濁液1802と、多数の着色粒子1803、とスペーサ1804a,1804bと、基板1805とからなる。
【0044】
縣濁液1803中に多数の着色粒子1803が混入されており、その縣濁液1803と多数の着色粒子1803とが一対の透明電極1801a,1801bと一対のスペーサ1804a,1804bで封止されている。一方の透明電極1801aがグランドに接続され、他方の電極1801bに正負の電圧がいずれかが印加されると、いずれか一方の電極側に着色粒子1803が泳動して集まる。図5にはいずれかの電極側に着色粒子1803が集められたときの状態がそれぞれ示されている。
【0045】
図5の左側には図中下側の電極1801bに正の電圧が印加されたときの状態が示されており、多数の着色粒子1803が観察者側に集められて観察者には着色粒子1803の色、例えば白が観察される。また図5の右側には、図中下側の電極1801bに負の電圧が印加された状態が示されており、観察者には着色粒子の色が観察されずに縣濁液1802の色たとえば黒が観察される。着色粒子1803が泳動した後は、電圧が解除されても着色粒子はそのままの位置に保持される。このようなセル1800が多数配列されて電子表示シート180bが構成される。このような電子表示シートを用いると、電源が遮断された後においても画像がそのまま保持される。
【0046】
ここで、このように電源が遮断された後においても画像が保持されることを考えると様々なデザインを表わす画像データをIR送信部1aから送信することができるようにしておいた方が、都合が良い。
【0047】
図6は、IR送信部1aから他の画像データが送信されてきたときに送信されてきた画像データに基づくデザイン画を表示することを説明する図である。
【0048】
図6に示すようにIR送信部1aから左側に示されているようなデザイン画像を表わす画像データが送信されてくると、それらの画像がそれぞれ表示されるようになる。
【0049】
図6に示すデザイン以外にも多数の画像データをIR送信部1aから送信することが可能であるので、ユーザは外装デザインの一部をいくらでも変更することが可能となる。
【0050】
なお、上記例では、表示画面に電子ペーパを用いて電源が遮断された後においても表示画面上の画像がそのまま保持される例を示したが、表示画面に液晶画面などを用いても良く、その場合には電源が遮断された後も所定時間、CPU内のタイマーを作動させアナログスイッチをオフに切り替えずにそのままにしておいて表示部が備える表示画面上に画像を表示させ続けるようにしても良い。
【0051】
ここで本発明の特徴部分にはあまり関係ないが、図3に戻って表示画面130にスルー画が表示されているときにレリーズボタン41が押されたときの撮影処理ほか、図1に示すデジタルカメラ1が有するほかの機能を説明しておく。
【0052】
操作部40内のレリーズボタン41が押されると、その押操作を受けて制御部であるCPU30がタイミングジェネレータを制御して撮像素子に露光開始のタイミング信号を供給させる。その後、信号処理部34内のAE/AF検出回路内の検出結果に応じてシャッタスピードに応じた時間が経過した後、今度は露光終了信号をタイミングジェネレータに供給させる。
【0053】
この露光終了信号に同期して撮像素子で生成した画像信号が信号処理部34に出力されたら、信号処理部34内でYC信号への変換が行なわれて、フレームメモリ36に供給される。そのフレームメモリ36に供給された画像データが、圧縮伸張部38に供給されてカードスロット14内のメモリカード16に記録される。このようにして、撮影操作に応じてメモリカード16に撮影画像を表わす画像データが記録される。
【0054】
また、本実施形態のデジタルカメラには、振動センサS1が配備されており、電源スイッチが操作されなくてもその振動センサが反応したらこれからこのデジタルカメラが使用されるものとCPU30が判断してアナログスイッチSW1を接続状態にして電池BTからの電力がアナログスイッチSW1を通して各部に供給されるようにもなっている。この例ではアナログスイッチSW1が非接続になっていてもCPU(振動センサにもCPUを介して電力が供給されている)に電池からの電力が供給され振動センサの動作がいつでもCPUによって検知される構成になっている。このため、このデジタルカメラが持ち上げられたときには振動センサの動作がCPU30により検知されその検知に応じてアナログスイッチSW1が接続されることによって電池BTからの電力が各部に供給される。
【0055】
このようにしておくと、電源のオンオフ制御をこのデジタルカメラを持ち上げたとき、もしくは置いたときなどの物理的な動きに応じて適応的に行なうことができる。
【0056】
ここで、本実施形態のデジタルカメラで自己撮り撮影を行なうときの処理を説明しておく。
【0057】
図7は、自己撮り中に表示画面に表示される画像を示す図である。図8は自己撮りを行なうタイミングを示すタイマ値を示す図である。
【0058】
前述したように信号処理部34内にはAF検出回路が配備されているのでこのデジタルカメラでは被写体距離の検出が行なえる。そこで、本発明にいう表示制御部にあたるCPU30が、所定の被写体距離以内に被写体がいることを上記AF検出回路の検出結果により検知したときには自己撮りが行なわれるとして背面側の表示画面130に表示されているスルー画を、前面側にある表示画面180上にも表示するようにしている。図7には、ツーショットで自己撮り撮影が行なわれている場合の例が示されている。上記信号処理部34内のAF検出回路が本発明にいう測距部にあたる。
【0059】
また、このデジタルカメラ1は自己撮りモード時にタイマ設定が行なえるようになっているので、タイマ設定が行なわれたときにはレリーズボタン41が押された後、タイマが作動しているときには図7の画像が切り替えられて図8に示すタイマー秒時がデジタル値の形で表示されるようにもなっている。
【0060】
以上説明したように外装のデザインに今まで以上の工夫を凝らしたデジタルカメラが実現される。
【0061】
図9は、デザインとして自分の顔をカスタマイズした場合の例を説明する図である。
【0062】
図9に示すようにするとこのデジタルカメラが自分の持ち物であることを他に示すことができる。つまり他にない世界に一つだけのパーソナルデザインを有するデジタルカメラが出来上がる。
【0063】
図10は、時計を表示するようにした場合の例である。
【0064】
図10に示すように携帯電話機と同様、時計を表示するようにしても良い。
【0065】
さらに図1に示すデジタルカメラでは比較的小型の表示画面を設けたが、表示画面の形状は特に図1に示すものに限られるものではない。
【0066】
図11〜図13は、表示画面を外装デザインの一部を担うものとしてデザイン面に工夫を凝らした場合の例を示す図である。
【0067】
図11には、図1の表示画面180よりも大きな表示画面180Pが設けられた例が示されており、図12には、丸型の表示画面180Qが設けられた例が示されており、図13にはカメラボディから突出するようにして表示画面180Rが設けられた場合の例が示されている。
【0068】
このように表示画面の形状に工夫を凝らすと表示画面上に表示される画像の表示内容だけでなく表示画面の形状によってもデザイン的な面を引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラの外観を示す図である。
【図2】IR送信部1aからの画像データの送信を受けているときに本実施形態のデジタルカメラが備える表示画面180に表示される画像を示す図である。
【図3】デジタルカメラ1の内部構成を説明する図である。
【図4】電子ペーパが用いられる電子表示シートの構成を示す図である。
【図5】一つのセル1800の構造を概念的に示した図である。図5を参照して電子表示シートの原理を説明する。
【図6】IR送信部1aから送信されてきた画像データに基づくデザイン画の他の例を示す図である。
【図7】自己撮り中に表示画面に表示される画像を示す図である。
【図8】自己撮りを行なうタイミングを示すタイマ値を示す図である。
【図9】デザインとして自分の顔をカスタマイズした場合の例を説明する図である。
【図10】時計を表示するようにした場合の例である。
【図11】表示画面を外装デザインの一部を担うものとしてデザイン面に工夫を凝らした場合の例を示す図である。
【図12】表示画面を外装デザインの一部を担うものとしてデザイン面に工夫を凝らした場合の別の例を示す図である。
【図13】表示画面を外装デザインの一部を担うものとしてデザイン面に工夫を凝らした場合の別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 デジタルカメラ
1a IR送信部
10 レンズ鏡胴
11 フラッシュ発光窓
12 ファインダ対物窓
13 表示部 ♯1
130 表示画面
14 カードスロット
16 メモリカード
18 表示部 ♯2
180 表示画面
30 制御部(CPU)
32 撮像部
34 信号処理部
35 システムメモリ
36 フレームメモリ
36a フレームメモリ
39 IR受信部
40 操作部
41 レリーズボタン
42 ズームスイッチ
43 電源ボタン
44 十字キー
45 OKボタン
46 キャンセルボタン
S1 振動センサ
SW1 アナログスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系で撮像素子上に被写体像を結像させて該被写体像を表わす画像信号を生成するデジタルカメラにおいて、
前記撮影光学系を被写体に向けたときに被写体側を向く前面に配備された、画像を表示する表示画面と、
前記表示画面上に画像を表示させる表示制御部とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記表示画面が、被写体側から見て、前記前面の、前記撮影光学系よりも左側に配備されてなることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記表示画面が、電力供給停止後においても画像を表示し続ける表示画面であることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記表示制御部は、電源オフに切り替えられた後も所定時間、前記表示画面へ画像を表示させ続けるものであることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
このデジタルカメラに加えられた物理的な動きを検出するセンサを備え、
前記表示制御部は、電源オフ状態においても前記センサによる物理的な動きの検出を受けて前記表示画面に画像を表示させるものであることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
撮影に先立って被写体までの距離を測定する測距部を備え、
前記表示制御部は、前記測距部による所定距離未満の距離の検出を受けて前記表示画面に前記撮影光学系で捉えた画像を表示させるものであることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−310942(P2006−310942A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127859(P2005−127859)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】