説明

デジタルカメラ

【課題】 あらかじめ一定のコマ数を決定し、設定すると手間がかかりまた状況によっては、さらにまたコマ数を設定しなおすなどの操作を繰り返しおこなうことが必要となり、操作が煩雑になってしまうなどの問題があった。
【解決手段】 プリンタと接続されるデジタルカメラにおいて、プリンタから、印刷レイアウト情報を受信し、受信した印刷レイアウト情報に対応する1枚の用紙に配置される画像の数の撮影が完了したことに応じて、撮影で得られたレイアウト情報に対応する数の画像を印刷するための印刷指示をプリンタに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリントする画像を撮影するためのデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルカメラとプリンタを接続し、撮影した画像を印刷するプリントシステムがある。このようなプリントシステムとして、一定のコマ数または一定量のデータ量を撮影したのちに、撮影し記憶した複数コマ分の画像データを自動転送するなどのものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−322114
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、あらかじめ一定のコマ数を決定し、設定すると手間がかかりまた状況によっては、さらにまたコマ数を設定しなおすなどの操作を繰り返しおこなうことが必要となり、操作が煩雑になってしまうなどの問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため本発明のデジタルカメラは、
プリンタと通信する手段を有するデジタルカメラであって、画像を撮影する撮影手段と、
プリンタから、印刷レイアウト情報を受信する受信手段と、撮影手段により撮影した複数の画像を印刷するための印刷指示、および、印刷対象の画像を、プリンタに送信する送信手段と、受信手段により受信した印刷レイアウトに対応する画像の数の撮影が完了したことに応じて、撮影により得られた印刷レイアウト情報に対応する数の画像を印刷するための印刷指示を送信手段により送信する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、デジタルカメラはプリンタから取得するレイアウト情報によって印刷に適した画像コマ数を判定し、そのコマ数によって撮影枚数を決定するため、使用者は手間をかけずに撮影枚数を気にすることなく撮影と印刷ができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るデジタルカメラとプリンタのプリントシステム構成を表すブロック図である。
【図2】デジタルカメラの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施例)
以下に図を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明によるデジタルカメラ102とプリンタ101とからなるプリントシステムの構成を表すブロック図である。
【0009】
プリンタ101とデジタルカメラ102は通信ケーブルを介して通信可能に接続される。デジタルカメラ102側には、通信部109があり(プリンタ側通信部は非図示)、この通信部109が、プリンタとの通信を行う。
【0010】
デジタルカメラ102内部には、レイアウト解析部104、RAM105、記録装置管理部107、コマ計数部108、通信部109、制御部110、撮影部111、表示部112.操作部113はそれぞれバス103によって接続されている。記録装置管理部107には記憶装置106が接続されている記録装置としては、着脱可能な外部メモリーカードへデータを記録する装置でも良いし、デジタルカメラ内に設けられたハードディスクにデータを記録する装置でも良い。このように、記録装置では、メモリーカードやハードディスク等の記録媒体に画像ファイルを記録する。制御部110は、不図示のプログラムメモリから読み出したプログラムに基づいて、演算やこれらの各部の制御を行うことにより、後述する処理を実行する。
【0011】
通常の撮影では操作部113の撮影指示のための操作部材であるレリーズボタンを押すと撮影部111で画像を撮影し、撮影された画像はいったんRAM105に保存され、撮影直後には画像確認のため表示部112に撮影画像を表示する。確認表示と同時に、撮影画像は記録装置管理部107においてファイル化され、記憶装置106に記憶される。
【0012】
ユーザのボタン操作の解釈やデータの各ブロックへの配信、各ブロックの動作制御は制御部110において行われる。プリンタ接続時は通信部109がプリンタの接続を検知したら通信に必要なネゴシエーション処理をプリンタ101とおこなう。プリンタとの接続が完了したら通信部109はプリンタ101に対して印刷レイアウト情報を要求する。プリンタ101がレイアウト情報を送信してきたら通信部109で受信したレイアウトはレイアウト解析部104にてレイアウトの解析を行う。レイアウト情報には用紙のサイズ、フチ設定、配置可能コマ数の情報が含まれている。レイアウト解析部104ではレイアウト情報を解析し、1枚の用紙に配置可能コマ数判定してRAM105に記憶する。
【0013】
操作部113のレリーズボタンを押すと通常と同じく撮影をおこなうが1コマ撮影するごとにコマ計数部108で撮影枚数をカウントし、RAM105に記憶されている現在選択中のレイアウトの配置可能コマ数と比較する。撮影済みコマ数と配置可能コマ数が一致したら制御部110は通信部109を介してプリンタ101にレイアウト指定を含んだ印刷開始コマンドを発行し、撮影済み画像をプリンタ101に送信する。
【0014】
プリンタ101はデジタルカメラ102からの印刷開始コマンドと画像を受信し、印刷をおこなう。指定されたレイアウトの配置可能コマ数と受信する画像数は一致するのですべての画像がちょうど一枚の用紙に配置され、受信したすべての画像を含んだ1枚の印刷物が得られる。
【0015】
図2は、デジタルカメラでの撮影およびプリンタへの画像、印刷指示の送信処理の流れを示すフローチャートである。これらの処理は、制御部110がプログラムに基づいて、演算を行ったり各部に処理を実行させることにより実現される。
【0016】
ステップ201において通信部109はプリンタが接続中であるか判定する。接続中でなければ通常撮影シーケンス(ステップ204)に入る。ステップ219は、撮影モードが終了したかを判定し、終了していると判定されたらこのフローを終了する。撮影モードが終了していないと判定された場合は、ステップ204に戻り、撮影モードが終了するまで通常撮影処理を繰り返す。
【0017】
プリンタ接続中であればステップ202において撮影済み画像の自動送信設定がなされているか判定する。自動送信設定は、デジタルカメラの設定メニューから設定可能である。自動送信設定とは撮影コマ数がプリンタのレイアウト情報に対応する配置可能コマ数に達したら自動的に印刷指示および画像をプリンタに送信し印刷を開始するための設定で、ユーザが任意に設定できる。
【0018】
自動送信設定がされていればステップ205において通信部109がプリンタからレイアウト情報を受信する。レイアウト情報とは、プリンタで設定されている印刷レイアウトの情報である。ステップ206においては、レイアウト解析部104がステップ205で取得したレイアウト情報を解析して、1枚の用紙に配置可能なコマ数を識別し、RAM105に記憶する。
【0019】
ステップ207においてレリーズボタンが押されているか判定する。レリーズボタンが押されていなければレリーズボタンが押されるまで待つ。
【0020】
レリーズボタンが操作され、撮影の指示が入力された場合は、ステップ208において連写モードであるかを判定する。
【0021】
連写モードとはレリーズボタンを押している間連続して複数のコマを撮影するモードで、ユーザが撮影メニューから任意に設定できる。連写モードでなければステップ215において1コマ撮影をおこなう。
【0022】
撮影をおこなった直後に表示部112において撮影画像を表示する。そのため、撮影画像をすぐに確認できる。確認表示中の撮影画像は削除することもでき、操作部113の削除ボタン(非図示)を押すと削除され、撮影画像の記録装置への記録はされず、印刷もされない。ステップ216において、確認のための画像表示中に、表示中の画像の削除が入力され、削除されたかどうか判定する。削除されていればステップ207において次のレリーズを待つ。削除されていなければステップ217において撮影済みコマ数を1加算し、画像データをRAM105に保存し、記録装置管理部は、RAMの画像データを画像ファイルに変換して記録装置106画像を記録する。削除された場合はコマ計数の加算は行われない。
【0023】
ステップ218において撮影済みコマ数が、予定コマ数に達しているか判定する。予定コマ数とは、ステップ206において識別した、1枚の用紙に配置可能なコマ数のことである。予定コマ数に達していなければステップ207において次のレリーズを待ち次の画像の撮影を行う。
【0024】
予定コマ数に達していればステップ212において画像指定を含んだ印刷指示コマンドとともに撮影された画像を記録装置106またはRAM105から読みだし、プリンタに送信する。
【0025】
プリンタへ送信したらステップ213においてコマ計数をリセットし、0にする。リセットすることにより、次のレリーズはまた新たに配置コマ計数が加算されていくことになる。つまり、次からのコマ計数は、印刷指示が送られてから起算されることになる。
【0026】
ステップ212で送信する印刷指示コマンドと画像を受信したプリンタは、受信した画像をレイアウトして印刷する。レイアウト情報に対応する数の画像を1つの印刷指示コマンドにおいて送信するので、レイアウトの配置可能コマ数と受信する画像数は一致する。そのため、レイアウトの配置可能コマ数と受信する画像数は一致するのですべての画像がちょうど一枚の用紙に配置され、受信したすべての画像を含んだ1枚の印刷物が得られる。
【0027】
ステップ214では、撮影モードが終了したかを判定し、終了していると判定されたらこのフローを終了する。撮影モードが終了していないと判定された場合は、ステップ207に戻り、撮影モードが終了するまで処理を繰り返す。
【0028】
ステップ208において連写モードと判定されたら209において1コマの画像が撮影される。連写モードでは確認のための画像表示は行わずに、1コマ分の撮影が終了したらそのままコマ計数を1加算する。ステップ211において撮影済みコマ数が予定コマ数に達しているか判定する。予定コマ数はステップ206において決定された配置コマ数と同じである。予定コマ数に達していなければすぐにステップ209に戻りさらに次の1コマの画像が撮影される。予定コマ数に達するまでこれを繰り返す。ステップ211において撮影済みコマ数が予定コマ数に達していると判定されたらステップ212においてレイアウト指定を含んだ印刷コマンドとともに撮影された画像を記録装置106またはRAM105から読みだし、プリンタに送信する。連写の場合、レリーズボタンが押下されている間、何度も撮影が行われるが、予定コマに達した場合は、レリーズボタンが押下されていても、撮影を終了して、印刷指示コマンドと撮影画像をプリンタに送信する処理を行う。つまり、連写の場合は、予定コマに達するまで、連続して撮影が行われることになる。
【0029】
プリンタへ送信したらステップ213においてコマ計数をリセットし、0にする。リセットすることにより次のレリーズはまた新たに配置コマ計数が加算されていくことになる。
【0030】
レイアウト情報に対応する数の画像を1つの印刷指示コマンドにおいて送信するので、レイアウトの配置可能コマ数と受信する画像数は一致する。そのため、プリンタ101では、すべての画像がちょうど一枚の用紙に配置され、受信したすべての画像を含んだ1枚の印刷物が得られる。
【0031】
ステップ202において自動送信設定がなされていなければステップ203において記録装置管理部107を通して記憶装置106の状態を調べる。
【0032】
着脱可能な記録装置が装着されていないまたは装着されているが画像を記録するための十分な空き容量がないなど記録不可能な状態であるかどうかを判定する。記録不可能でなければステップ204において通常撮影シーケンスに入る。ステップ203において記録不可能であると判定されれば、画像の記録装置106への記録は行わない。しかし、記録はできなくても印刷できる状態にするため画像自動送信設定されている時と同じ処理に入るため205からのシーケンスに復帰する。
ステップ205からのシーケンスに復帰した後は上述の処理と同じである。
【0033】
上述の実施形態では、コマ計数のリセットをプリンタへ印刷指示コマンドを送信したタイミングで行い、コマ計数を印刷指示コマンドの送信から起算した。しかし、プリンタに接続開始されたときや、プリンタからレイアウト情報を受信したタイミングにも行っても良い。
【0034】
また、本実施形態では、連写撮影を行うか否かを、ユーザにより設定された撮影モードで判断した。しかし、プリンタから取得したレイアウト情報に、複数コマ配置のレイアウトが設定されている場合は、自動的に連写撮影をおこなうようにしておいてもよい。この場合、自動送信設定で予め連写撮影の自動切換えを有効にするかを設定可能にしておくと良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタと通信する手段を有するデジタルカメラであって、
画像を撮影する撮影手段と、
前記プリンタから、印刷レイアウト情報を受信する受信手段と、
前記撮影手段により撮影した複数の画像を印刷するための印刷指示、および、印刷する画像を、前記プリンタに送信する送信手段と、
前記受信手段により受信した印刷レイアウト情報に対応する1枚の用紙に配置される画像の数の撮影が完了したことに応じて、当該撮影により得られた、前記印刷レイアウト情報に対応する数の画像を印刷するための印刷指示を前記送信手段により送信する制御手段を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記制御手段は、前記プリンタとの接続が完了した後、または、印刷指示を前記プリンタに送信した後から起算し、前記撮影手段により撮影した画像の数が前記受信手段により受信した印刷レイアウト情報に対応する1枚の用紙に配置される画像の数に達したことに応じて、当該撮影により得られた前記印刷レイアウトに対応する数の画像を印刷するための印刷指示を前記送信手段により送信することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記撮影手段による画像の撮影を指示するための操作部材を有し、
前記撮影手段は、前記受信手段により1枚の用紙に複数の画像を配置する印刷レイアウト情報を受信した場合は、前記操作部材が操作されたことに応じて、前記印刷レイアウト情報に対応する数の画像を連続して撮影することを特徴とする請求項1および2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記撮影手段により撮影した画像を記録媒体に記録する記録手段を有し、
前記制御手段は、前記記録手段により撮影した画像を記録できない場合には、前記記録手段による画像の記録は行わずに、前記印刷レイアウトに対応する数の画像の撮影が完了したことに応じて、当該撮影により得られた複数の画像を印刷するための印刷指示を前記送信手段により送信することを特徴とする請求項1または2に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記撮影手段による画像の撮影直後に、撮影した画像を確認するための確認表示を行う表示手段と、
前記確認表示中に画像の削除を指示するための削除手段とを有し、
前記制御手段は、前記削除手段により削除の指示がされた場合は、当該削除が指示された画像は撮影した画像の数として加算しないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−130207(P2011−130207A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286902(P2009−286902)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】