説明

デジタルテレビ受信機

【課題】デジタルチューナが自ら再起動するという故障が発生した場合に当該故障の発生回数を確認することができるデジタルテレビ受信機を提供することを目的とする。
【解決手段】デジタルチューナ内の電源部と、前記電源部の制御を行うデジタルチューナ内の第2のCPUと、テレビ側信号処理部ブロック内の不揮発性メモリと、前記電源部が既にオンの状態であって前記第2のCPUが前記電源部に対しオン指令を出した旨の通知を前記第2のCPUから受信する毎に前記通知の累積回数を示す情報を前記不揮発性メモリに書込む制御を行うテレビ側信号処理部ブロック内の第1のCPUとを備えた構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルテレビ受信機の故障の解析に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタルテレビのデジタルチューナ規模は、大容量化、高機能化が進みソフトウエアバグ等による故障事例が見受けられる。従来、デジタルテレビのソフトウエアおよびハードウエアが市場において故障が発生した際、動作できない状態が一定の時間以上経過した場合、「デジタルチューナが操作できません」などの警告バナーを画面に表示させ、ユーザーに電源の再起動を促す機能があった(例えば非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】松下電器産業株式会社 「Panasonic地上・BS・110度CSデジタルハイビジョンプラズマテレビ取扱説明書(テレビ編)」154頁、2005年出版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記の従来の構成では、デジタルチューナが自ら再起動するという故障が発生した場合については記録を残す手段がなかったため、市場において修理担当者が再起動の履歴を確認することができず、また、上記故障が発生したデジタルテレビ受信機がメーカーに持ち込まれた場合に故障の解析を行うが故障が再現されず原因不明のまま市場に戻され不具合が再発する可能性があるという問題点を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、デジタルチューナが自ら再起動するという故障が発生した場合に当該故障の発生回数を確認することができるデジタルテレビ受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために本発明のデジタルテレビ受信機は、デジタルチューナ内の電源部と、前記電源部の制御を行うデジタルチューナ内の第2のCPUと、テレビ側信号処理部ブロック内の不揮発性メモリと、前記電源部が既にオンの状態であって前記第2のCPUが前記電源部に対しオン指令を出した旨の通知を前記第2のCPUから受信する毎に前記通知の累積回数を示す情報を前記不揮発性メモリに書込む制御を行うテレビ側信号処理部ブロック内の第1のCPUとを備えた構成を有している。
【0006】
この構成によって、デジタルチューナが自ら再起動するという故障が発生した場合に当該故障の発生回数を確認することができるデジタルテレビ受信機を提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明は、デジタルチューナが自ら再起動するという故障が発生した場合に当該故障の発生回数を確認することができるデジタルテレビ受信機を提供することができるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるデジタルテレビ受信機の構成を示すブロック図である。100はデジタルテレビ受信機、110はデジタルチューナ、111はデジタルチューナ110の信号処理を行う第1の信号処理部、112は後述する電源部113の制御および第1の信号処理部111の制御を行う第2のCPU、113はデジタルチューナ110内の電源部、120はデジタルチューナを有さずアナログチューナのみ有するテレビ側信号処理部ブロック、121は外部入力系および第1の信号処理部111からの信号処理を行う第2の信号処理部、122はテレビ側信号処理部ブロック120内の電源制御、第2の信号処理部121および後述のEEPROM123の記録の制御を行う第1のCPU、123は電源部113が既にオンの状態であって第2のCPU112が電源部113に対しオン指令を出した旨の通知を第1のCPU122が第2のCPUから受信する毎に前記通知の累積回数を示す情報および選局情報等を記録するEEPROM(不揮発性メモリ)、130は映像を表示する表示デバイスである。
【0009】
以上のように構成されたデジタルテレビ受信機について、図2を用いてその動作を説明する。図2は本発明の実施の形態1におけるデジタルテレビ受信機の動作内容のフローチャートである。まず、第1のCPU122を起動する(ステップS210)。次にデジタルチューナ110の電源部113がオフからオンに変化する(ステップS220)。次にデジタルチューナ110の電源部113をオフにしたかを判断する(ステップS230)。YESの場合は終了する。NOの場合はオフにせずにデジタルチューナ110の電源部113がオン状態であるにも拘わらず第1のCPU122は第2のCPU112からの通信READYコマンドを受信し第2のCPU112に対して通信確立コマンドを送信したかを判断する(ステップS240)。NOの場合は再びステップS230に戻る。YESの場合はEEPROM123の所定アドレスの値をインクリメントする(ステップS250)。そして再びステップS230に戻る。
【0010】
図3は本発明の実施の形態1における第1のCPU122と第2のCPU112との交信を示す図である。デジタルチューナ100の最初の電源起動時301において、第2のCPU112はデジタルチューナ100の電源を起動すると共に、デジタルチューナ100の電源が起動した旨の通信READYコマンドを第1のCPU122に対して送信する。第1のCPU122は、第2のCPU112より1回目の通信READYコマンドを受信すると、第2のCPU112に対して1回目の通信確立コマンドを送信し起動が完了する。ここでEEPROM123の所定アドレスのデータを0x00としておく。
【0011】
次に、電源を入れたままの状態にもかかわらずデジタルチューナ100がハードウェアあるいはソフトウェアのバグのために第2のCPU112の指令による1回目の再起動時302には、2回目の通信READYが第1のCPU122に送信される。第1のCPU122は、電源を入れているにもかかわらず2回目の通信READYを受信した場合、EEPROM123の所定アドレスのデータをインクリメントして0x01を書き込み履歴を残す。2回目の再起動時303以降も同様に第1のCPU122は、通信READYを受信する毎にEEPROM123の所定アドレスのデータをインクリメントして書き込みを行う。
【0012】
以上のように本実施の形態1によれば、デジタルチューナ内の電源部と、前記電源部の制御を行うデジタルチューナ内の第2のCPUと、テレビ側信号処理部ブロック内の不揮発性メモリと、前記電源部が既にオンの状態であって前記第2のCPUが前記電源部に対しオン指令を出した旨の通知を前記第2のCPUから受信する毎に前記通知の累積回数を示す情報を前記不揮発性メモリに書込む制御を行うテレビ側信号処理部ブロック内の第1のCPUとを設けることにより、EEPROM123の所定アドレスのデータを調べることによりバグによる再起動が何回行われたかを調べることができる。
【0013】
なお、以上の説明ではEEPROM123の所定アドレスのデータをインクリメントするとしたが、インクリメントに限らず一定の変化により再起動の回数を把握できるものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明のデジタルテレビ受信機は、デジタルチューナが自ら再起動するという故障が発生した場合に当該故障の発生回数を確認することができるという優れた効果を有しているため、視聴中にデジタルチューナがストップして勝手に再起動した場合の履歴の解析するための有効な手段となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1におけるデジタルテレビ受信機の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるデジタルテレビ受信機の動作内容のフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1における第1のCPUと第2のCPUとの交信を示す図
【符号の説明】
【0016】
100 デジタルテレビ受信機
110 デジタルチューナ
111 第1の信号処理部
112 第2のCPU
113 電源
120 テレビ側信号処理部ブロック
121 第2の信号処理部
122 第1のCPU
123 EEPROM
130 表示デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルチューナ内の電源部と、
前記電源部の制御を行うデジタルチューナ内の第2のCPUと、
テレビ側信号処理部ブロック内の不揮発性メモリと、
前記電源部が既にオンの状態であって前記第2のCPUが前記電源部に対しオン指令を出した旨の通知を前記第2のCPUから受信する毎に前記通知の累積回数を示す情報を前記不揮発性メモリに書込む制御を行うテレビ側信号処理部ブロック内の第1のCPUと、
を有するデジタルテレビ受信機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate