説明

デジタルホログラフィ装置

【課題】 従来のデジタルホログラフィ装置における、再生像の精度を高くできないこと及び再生像の生成に伴う計算量が膨大になることの課題を大幅に改善する。
【解決手段】 光Lが照射された被写体Mから放射される物体光Lmと参照光Lrとを撮像部2の撮像面Spに照射し、物体光Lmと参照光Lrを干渉させることにより得られるホログラム画像データDpを所定の演算処理することにより被写体Mの再生像を生成するデジタルホログラフィ装置を構成するに際して、撮像面Spの近傍に物体光Lmの結像点Pfを生じさせる光学系3を有する物体光結像手段F1と、物体光結像手段F1により撮像面Spに照射された物体光Lmの領域A内における撮像素子に係わる画素のみを用いて結像点Pfにおける被写体Mの再生像を生成する再生像生成手段F2とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体光と参照光を干渉させることにより得られるホログラム画像データに基づいて被写体の再生像を生成するデジタルホログラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光が照射された被写体から放射される物体光と、被写体を介さない参照光とを撮像部の撮像面に照射し、物体光と参照光を干渉させることにより得られるホログラム画像データに基づいて被写体の再生像を生成することができるようにしたデジタルホログラフィ装置としては特許文献1に開示されるデジタルホログラフィ装置が知られている。
【0003】
このデジタルホログラフィ装置は、互いに位相値が異なる三種類以上の参照光と、光を照射された被写体から放射される物体光とを干渉させることによって得られる位相分布データに基づいて被写体の再生像を生成する再生像生成部を備えたデジタルホログラフィ装置であって、入射した光を互いに位相値の異なる三種類以上の参照光群に変換して出射する、波長板と偏光板とを備えた位相シフト素子と、参照光群と物体光とを干渉させることによって生成される位相分布データを記録する撮像面を有する撮像部とを備え、再生像生成部は、位相分布データの情報に基づいて被写体の再生像を生成するように構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−283683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1のデジタルホログラフィ装置をはじめ、従来のデジタルホログラフィ装置は、再生像の精度を高くできないこと、及び再生像の生成に伴う計算量が膨大になること、の二つの基本的な問題点があった。
【0006】
第一の問題点、即ち、再生像の精度を高くできない点は、0次像及び−1次像の重なりの影響や再生像の処理原理に起因する。この場合、0次像及び−1次像の重なりに対しては、既に、位相シフト法或いはオフアクシス法などの対策により、かなり解消されているが、再生像の処理原理に起因する問題は、再生像の生成そのものに関係するため、その対策がほとんど行われていないのが実状である。以下、この問題について、具体的に説明する。一般にデジタルホログラフィ装置は、ホログラム画像データを演算処理することにより被写体の再生像を生成する。この場合、撮像時には、図7のように、被写体面51の一つの点(物体点)51pから放射される物体光Lmは拡がることにより、多数の撮像素子により構成された撮像面52の全域に入射するとともに、図8のように、撮像面52の一つの撮像素子(ホログラム)52pに入射する物体光Lmは、被写体面51における全ての物体点51p…から放射されたものとなる。他方、再生像の生成時には、これとは反対に、図7のように、ホログラム面62の全ての画素(撮像素子)62p…からの再生光Lpを被写体面61の一つの物体点61pに集める計算を行うことにより当該物体点61pの再生像を生成する。そして、図8のように、被写体面61の全ての物体点61p…の再生像を生成する際には、ホログラム面62の一つの画素62pから被写体面61の全ての物体点61p…に再生光Lpを出力する計算を行うことになる。したがって、例えば、100万(1000×1000)個の物体点及び画素を想定した場合、一つの物体点61pを再生するには、ホログラム面62の100万個の画素から再生光Lp…を集めることになる。
【0007】
また、図8のように、撮像時には、被写体面51の全ての物体点51p…(100万個)からの物体光Lm…が一つの撮像素子52pに入射するが、この撮像素子52pに記録されるのはたった一つの画素データのみである。被写体面51の縦横の長さに比べて光の波長は僅かであるため、一つの撮像素子(画素)52pに集まる物体光Lm…の位相分布は、略ランダムになることが考えられる。したがって、ある物体点51pからの物体光Lmの位相値を0と仮定した場合、多くの物体点51p…から一つの撮像素子52pに集まる各物体光Lm…の位相値は、―πから+πまでの様々な位相値も含んだ分布となり、合成して得られる位相値、即ち、一つの撮像素子(画素)52pに記録される一つの位相値は、上述の物体点51pの位相値0とはほとんど関係のない0.815πや―0.748πになる。上述の位相値0の物体点51pが記録できるたった一つの位相値に寄与できるのは、位相値0側へ1/100万だけ位相値を寄せられるのみである。このように、寄与度が1/100万となる画素を全画素(100万個)集めて再生像を生成してもあまり良い精度は得られないことがわかる。
【0008】
一方、第二の問題点、即ち、再生像の生成に伴う計算量が膨大になる点は、次の理由による。例えば、上述した例において、必要な単純計算量を算出すれば、一つの物体点像を再生するのに、100万画素から再生光を集める計算、即ち、100万回の計算が必要になり、全ての物体点を再生するには、その100万倍の1兆(100万×100万)回という膨大な計算量が必要になる。なお、このような膨大な計算量を少しでも減らすために、FFT(高速フーリェ変換)等の計算方法を用いる手法も採用されているが、決定的に減らすほどには至っておらず、十分な効果を得るには限界がある。また、計算量を大幅に減らす方法としては、一つの物体点像を再生する際に用いる画素数を大幅に減らすことも考えられるが、記録できる一つの値への寄与度が非常に低い現状では再生精度を大幅に悪化させてしまうため、採用は困難である。
【0009】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したデジタルホログラフィ装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るデジタルホログラフィ装置1は、上述した課題を解決するため、光Lが照射された被写体Mから放射される物体光Lmと参照光Lrとを撮像部2の撮像面Spに照射し、物体光Lmと参照光Lrを干渉させることにより得られるホログラム画像データDpを所定の演算処理することにより被写体Mの再生像を生成するデジタルホログラフィ装置を構成するに際して、撮像面Spの近傍に物体光Lmの結像点Pfを生じさせる光学系3を有する物体光結像手段F1と、物体光結像手段F1により撮像面Spに照射された物体光Lmの領域(以下、使用画素領域)A内における撮像素子に係わる画素のみを用いて結像点Pfにおける被写体Mの再生像を生成する再生像生成手段F2とを備えてなることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るデジタルホログラフィ装置1の原理は次のようになる。前述のように、デジタルホログラフィ装置における計算量を減らすことができない理由は、物体光Lmにおける位相値の問題が大きく影響する。即ち、被写体Mの面における全ての物体点Mp…から放射される物体光Lm…が撮像面Spの一つの撮像素子(ホログラム)に入射することにより生じる位相値の精度低下が原因となる。したがって、一つの撮像素子(画素)に対して極狭い範囲の物体点Mp…から放射される物体光Lmのみが入射する光学系を構成すれば、位相値の精度を高めることができる。
【0012】
図2に示すように、撮像面Spの近傍に物体光Lmの結像点Pfを生じさせる光学系3を有する物体光結像手段F1を設けるとともに、結像点(結像面)Pfを被写体Mの面に対して共役関係に設定すれば、被写体Mの面の任意の物体点Mpから放射される全ての物体光Lmを結像点Pfに集めることができる。このため、結像点Pfの近傍に撮像面(ホログラム)Spを配置すれば、その撮像面Spに当該物体光Lmが入射する使用画素領域Aを極小さくすることができる。この使用画素領域Aは、撮像面Spを、被写体Mに対して離す方向に位置を変えれば大きくなるとともに、被写体Mに対して近づける方向に位置を変えれば小さくなり、結像点Pfの位置では最小となる。さらに、この結像点Pfよりも被写体Mに対して近づける方向に位置を変えれば反対に大きくなる。このように、撮像面Spを結像点Pfの近傍に配した場合、使用画素領域Aの大きさは撮像面Sp全域の大きさに比べてかなり小さくなる。このことは、任意の物体点Mpから放射された物体光Lmは、撮像面Sp中の極小さな使用画素領域Aにのみ入射し、他の画素領域には影響を与えないとともに、当該物体点Mpから離れた他の物体点Mp…からの物体光Lm…は使用画素領域Aには入射しない(影響しない)ことを意味する。
【0013】
図3に、使用画素領域Aと結像点Pfの関係をより詳細に示す。図3に示すように、結像点Pfを通った物体光Lmは、撮像面Spでは使用画素領域Aに入射するとともに、その使用画素領域Aの中心点に位置する画素Apには結像点Pfの周辺領域Pからの物体光Lmのみが入射する。結像点Pfは被写体Mの面に対して共役関係にあるため、
図2に示した物体点Mpと結像点Pfが相互に対応するように、結像点Pfの周辺領域Pと被写体Mの面も略同じ状態に対応して再現される。即ち、図2に示した物体点Mpを含むその周辺領域の物体点Mp…から放射される物体光Lm…と、図3に示す結像点Pfを含むその周辺領域Pの物体光Lmは同じとなり、これ以外の領域の物体点Mp…から放射される物体光Lm…は含まれない。
【0014】
このため、結像点Pfを通って撮像面Spに入射する物体点Mpからの物体光Lmの位相値が0であると仮定した場合、物体点Mpの極周辺領域から結像点Pfの周辺領域Pを通って画素Apに入射する物体光Lm…群における位相値の分布も0を中心とした極狭い範囲に集約され、合成される位相値も0に極めて近い値になるものと考えられる。したがって、本発明における物体光結像手段F1を備えていない従来のデジタルホログラフィ装置の場合、物体点Mpからの位相値0は、画素Apの位相値にほとんど反映されないが、本発明に係るデジタルホログラフィ装置1では、物体光結像手段F1により、画素Apの位相値は、物体点Mpからの位相値0がかなり正確に反映されることになる。この結果、結像点Pfを通って撮像面Spの使用画素領域Aに入射する物体点Mpからの物体光Lmの範囲は、結像点Pfの周辺における図3に示す使用領域Poを通る範囲のみとなり、この使用領域Poの範囲は、物体点Mpを中心にした周辺の物体点Mp…群に対応する大きさ、即ち、上記周辺領域Pの約四倍の大きさとなる。
【0015】
よって、結像点Pfの再生像を生成する際に、使用画素領域A内の画素のみを使用するようにすれば、この使用画素領域A内における各画素の位相値は、結像点Pfにおける位相値が強く反映されたものとなる。本発明に係るデジタルホログラフィ装置1は、このような原理を用いるため、精度の高い再生像の生成が可能になるとともに、使用画素領域A内の画素数は全画素数の極一部のみであり、計算量(計算回数)も大きく減らすことが可能になる。
【0016】
一方、本発明は、好適な実施の態様により、物体光結像手段F1には、被写体Mと撮像面Sp間に配する凸レンズ4を用いることができる。また、物体光結像手段F1に加えて、撮像面Spに対する結像点Pfの相対位置を変更する位置変更手段F1aを設けることができる。さらに、使用画素領域Aには、物体光結像手段F1により物体光Lmが本来の結像点Pfに収束する撮像面Spの領域,物体光Lmが結像点Pfから拡がる撮像面Spの領域,又はこれらの周辺部の領域を含ませることができる。他方、デジタルホログラフィ装置1には、略平面波の参照光Lrを撮像面Spに対して所定の傾斜角Rrにより照射し、三種類以上の参照光位相値(例えば、0,2π/3,4π/3)におけるホログラム画像データDpを一回の撮像画像Voから得られるようにした参照光傾斜手段F3を設けるとともに、再生像生成手段F2には、撮像面Spによる一回の撮像画像Voから得られた三種類以上の参照光位相値のホログラム画像データDpを所定の演算処理することにより被写体Mの再生像を生成する機能を設けることができる。この際、参照光傾斜手段F3には、参照光Frを撮像面Spに対して所定の傾斜角Rrにより照射できるように角度設定したビームスプリッタ5を用いることができる。また、参照光傾斜手段F3には、必要によりビームスプリッタ5の角度を調整する角度調整手段F3aを設けることができる。
【発明の効果】
【0017】
このような構成を有する本発明に係るデジタルホログラフィ装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0018】
(1) 撮像面Spの近傍に、物体光Lmの結像点Pfを生じさせる光学系3を有する物体光結像手段F1と、物体光結像手段F1により撮像面Spに照射された物体光Lmの使用画素領域A内における撮像素子に係わる画素のみを用いて結像点Pfにおける被写体Mの再生像を生成する再生像生成手段F2とを備えるため、計算量は、全画素数の極一部となる使用画素領域A内の画素数に対して行えば足り、計算量(計算回数)を飛躍的に減らすことができる。したがって、ハードウェアの小容量化、更にはコストダウンを図ることができるとともに、特に高性能化を図ることなく処理速度の高速化も実現可能となる。また、使用画素領域A内における各画素の位相値に対して結像点Pfの位相値を強く反映できるため、精度の高い再生像を生成することができる。
【0019】
(2) 好適な態様により、物体光結像手段F1に、被写体Mと撮像面Sp間に配する凸レンズ4を用いれば、最も簡易な構成により実現できるため、特に装置のサイズアップを招くことなく、容易かつ低コストに実施することができる。
【0020】
(3) 好適な態様により、撮像面Spに対する結像点Pfの相対位置を変更する位置変更手段F1aを設ければ、撮像面Spに入射する物体光Lmの使用画素領域Aの大きさを任意に変更(調整)できるため、用途(目的)及び装置の性能等に応じて全体の計算量を増減させることができる。
【0021】
(4) 好適な態様により、略平面波の参照光Lrを撮像面Spに対して所定の傾斜角Rrにより照射し、三種類以上の参照光位相値(例えば、0,2π/3,4π/3)におけるホログラム画像データDpを一回の撮像画像Voから得られるようにした参照光傾斜手段F3を設けるとともに、再生像生成手段F2には、撮像面Spによる一回の撮像画像Voから得られた三種類以上の参照光位相値のホログラム画像データDpを所定の演算処理することにより被写体Mの再生像を生成する機能を設ければ、動的な変化を伴う被写体Mの再生像やリアルタイムで被写体Mの再生像が得られる位相シフトタイプのデジタルホログラフィ装置を構成できる。しかも、この場合、位相をシフトさせる位相シフト素子等の別途の精密光学部品を排除できるため、精密光学部品(位相シフト素子)の使用に伴う面倒な組付及び調整を含むセッティングが不要になるとともに、初期セッティング或いは撮像部2を仕様等により変更する場合でも、設定(調整)の容易化を図ることができる。また、高価な精密光学部品の追加が不要なため、装置全体のコストダウンを図ることができるとともに、光学系の複雑化を回避できるため、安定性及び信頼性の高い位相シフトタイプのデジタルホログラフィ装置1を構成できる。
【0022】
(5) 好適な態様により、参照光傾斜手段F3に、参照光Frを撮像面Spに対して所定の傾斜角Rrにより照射できるように角度設定したビームスプリッタ5を用いれば、デジタルホログラフィ装置の基本構成に必要な光学部品を利用(兼用)できるため、コスト面からベストの形態として構成可能になるとともに、構成上のサイズアップを回避することができる。
【0023】
(6) 好適な態様により、参照光傾斜手段F3に、ビームスプリッタ5の角度を調整する角度調整手段F3aを設ければ、必要に応じてビームスプリッタ5の角度調整(再調整)を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一実施形態に係るデジタルホログラフィ装置の主要部を示す全体構成図、
【図2】同デジタルホログラフィ装置の原理説明図、
【図3】図2の一部を抽出して拡大した原理説明図、
【図4】本発明の第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置の主要部を示す全体構成図、
【図5】同デジタルホログラフィ装置の原理説明図、
【図6】同デジタルホログラフィ装置の撮像画像の参照光位相値データ表、
【図7】背景技術における問題点の説明図、
【図8】背景技術における問題点の他の説明図、
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
(第一実施形態)
【0026】
最初に、第一実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1の構成について、図1を参照して説明する。
【0027】
図1中、Mは被写体(物体)であり、例示は透光性を有する被写体Mである。11は光源であり、例えば、波長が633〔nm〕のコヒーレント光であるレーザ光Lを出射する。12はコリメータ(コリメータレンズ)であり、光源11から出射したレーザ光Lを平行光に変換する。13はハーフミラー、14,15は反射ミラー、5は内部に反射層5fを有するビームスプリッタをそれぞれ示す。また、2は撮像面Spを有する撮像部であり、この撮像部2には一般的なCCDカメラ2cを用いることができる。
【0028】
これにより、光源11から出射したレーザ光Lは、コリメータ12により平行光に変換された後、ハーフミラー13に入射し、レーザ光Lは、参照光Lrと被写体照射光Liに分離される。そして、被写体照射光Liは、反射ミラー14において反射し、被写体Mに照射されるとともに、被写体Mからは物体光Lmが放射され、この物体光Lmは、ビームスプリッタ5(反射層5f)を透過してCCDカメラ2cの撮像面Spに入射する。他方、ハーフミラー13で分離された参照光Lrは、反射ミラー15において反射し、ビームスプリッタ5に入射するとともに、反射層5fを反射してCCDカメラ2cの撮像面Spに入射する。したがって、撮像面Spには、物体光Lmと参照光Lrが入射することになり、CCDカメラ2cからは撮像画像Voに基づくホログラム画像データDpが得られる。以上が、デジタルホログラフィ装置1における基本的な光学系となる。
【0029】
一方、本発明に従って、被写体Mとビームスプリッタ5間には凸レンズ4を配置する。この際、凸レンズ4の位置又は撮像面Sp(CCDカメラ2c)の位置を選定し、撮像面Spの近傍に物体光Lmの結像点Pfを生じさせる光学系3を構成する。この光学系3により物体光結像手段F1が構成される。例示の場合、撮像面Spに対してビームスプリッタ5側(後側)の近傍に結像点Pfを生じさせる位置を選定した。これにより、被写体Mにおける任意の物体点Mpから放射された物体光Lmは、前述したように、撮像面Sp中の極小さな使用画素領域Aのみに入射する。なお、物体光結像手段F1に、被写体Mと撮像面Sp間に配する凸レンズ4を用いれば、最も簡易な構成により実現できるため、特に装置のサイズアップを招くことなく、容易かつ低コストに実施できる利点がある。
【0030】
また、例示の場合、CCDカメラ2c(撮像部2)には、撮像面Spに対する結像点Pfの相対位置を変更する位置変更手段F1aを付設した。このような位置変更手段F1aは、必ずしも設ける必要はないが、設けた場合には、撮像面Spに入射する物体光Lmの使用画素領域Aの大きさを任意に変更(調整)できるため、用途(目的)及び装置の性能等に応じて全体の計算量を増減できる利点がある。例示の位置変更手段F1aは、CCDカメラ2cを光軸方向へ変位自在に支持するガイドレール機構21と、CCDカメラ2cの側面に設けたラック22と、このラック22に対して出力ギアを噛合させた減速ギア機構23と、この減速ギア機構23の入力ギアに噛合させた初段ギア24と、この初段ギア24を回転駆動するモータ25とを備える動力タイプの位置変更機構により構成した。この場合、画像処理とフィードバック制御を組合わせるなどにより自動調整できるように構成してもよい。なお、モータ25の代わりに操作ハンドル26を設け、手動操作タイプの位置変更機構により構成してもよい。これにより、初段ギア24を正方向又は負方向に回転させれば、CCDカメラ2cを前方向又は後方向へ移動させることができ、被写体Mから離す方向に移動させれば、使用画素領域Aは大きくなり、被写体Mに近づく方向に移動させれば、使用画素領域Aは小さくなる。そして、結像点Pfの位置で最小になり、さらに、結像点Pfから被写体Mに近づく方向に移動させれば、使用画素領域Aは反対に大きくなる。
【0031】
他方、31は制御系を示し、CPU,ROM,RAM等のハードウェアを有するコンピュータ機能を備えるコントローラ32を備える。32sは演算処理部であり、コントローラ32の一部として機能するとともに、コントローラ32には、処理プログラム32pが格納され、この処理プログラム32pにより、少なくとも演算処理部32sにおける一連の演算処理が実行される。また、コントローラ32には、操作部33及び表示部34が付属する。これにより、CCDカメラ2cにより撮像された撮像画像Voに係わる画像信号(ホログラム画像データDp)は演算処理部32sに付与される。制御系31は、上述した物体光結像手段F1により撮像面Spに照射された物体光Lmの使用画素領域A内における撮像素子に係わる画素のみを用いて結像点Pfにおける被写体Mの再生像を生成する再生像生成手段F2を構成する。なお、光源L及びCCDカメラ2cは、コントローラ32の電源ポートに接続することができる。
【0032】
次に、第一実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1の動作及び使用方法について、図1及び図2を参照して説明する。
【0033】
まず、使用する際には、被写体(物体)Mを、図1に示すように、反射ミラー14とビームスプリッタ5間における所定の位置にセットする。なお、例示の被写体Mは、ガラスコップ等の透光性を有する物体を想定している。被写体Mをセットしたなら、光源11からレーザ光Lを出射させるとともに、CCDカメラ2cを撮影モードで作動させる。
【0034】
これにより、CCDカメラ2cの撮像面Spには、物体光Lmと参照光Lrが同時に入射し、干渉パターン(ホログラム)を含む撮像画像Voが得られる。この撮像画像Voにより得られるホログラム画像データDpは、CCDカメラ2cから出力し、再生像生成手段F2を構成する演算処理部32sに付与される。そして、演算処理部32sでは、得られた物体光Lmのデータに対して、再生像を生成するための公知の演算処理を行うことにより、被写体Mの再生像を生成することができる。また、生成された再生像は表示部34に表示させることができる。
【0035】
よって、このような第一実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1によれば、撮像面Spの近傍に、物体光Lmの結像点Pfを生じさせる光学系3を有する物体光結像手段F1と、物体光結像手段F1により撮像面Spに照射された物体光Lmの使用画素領域A内における撮像素子に係わる画素のみを用いて結像点Pfにおける被写体Mの再生像を生成する再生像生成手段F2とを備えるため、計算量は、全画素数の極一部となる使用画素領域A内の画素数に対して行えば足り、計算量(計算回数)を飛躍的に減らすことができる。したがって、ハードウェアの小容量化、更にはコストダウンを図ることができるとともに、特に高性能化を図ることなく処理速度の高速化も実現可能となる。また、使用画素領域A内における各画素の位相値に対して結像点Pfの位相値を強く反映できるため、精度の高い再生像を生成することができる。
(第二実施形態)
【0036】
次に、第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1の構成について、図4及び図5を参照して説明する。
【0037】
第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1は、第一実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1を、位相シフトタイプのデジタルホログラフィ装置、即ち、三種類以上の位相値(例えば、0,2π/3,4π/3)に対応する参照光Lrを撮像面Spに照射する位相シフト手段を用いることにより、一回の撮像画像Voから位相分布データに基づくホログラム画像データDpが得られるようにして、動的な変化を伴う被写体Mの再生像やリアルタイムで被写体Mの再生像を得ることができるようにした位相シフトタイプのデジタルホログラフィ装置1として構成したものである。
【0038】
したがって、図1の構成に、略平面波の参照光Lrを撮像面Spに対して所定の傾斜角Rrにより照射し、三種類以上の参照光位相値(0,2π/3,4π/3)におけるホログラム画像データDpを一回の撮像画像Voから得られるようにした参照光傾斜手段F3を設けるとともに、再生像生成手段F2には、撮像面Spによる一回の撮像画像Voから得られた三種類以上の参照光位相値のホログラム画像データDpを所定の演算処理することにより被写体Mの再生像を生成する機能を付加した構成を備えている。
【0039】
具体的には、ビームスプリッタ5を、図4及び図5に示すように、参照光Lrを、CCDカメラ2cの撮像面Spに対して所定の傾斜角Rrにより照射できるように角度を設定して設置した。このため、参照光傾斜手段F3は、ビームスプリッタ5の底面中央を支持軸41により回動可能に支持し、角度を調整した後にロックネジ等により固定できるように構成する。したがって、ビームスプリッタ5は、角度を設定することにより、略平面波の参照光Lrを撮像面Spに対して所定の傾斜角Rrにより照射し、例えば、三種類の位相値である「0」,「2π/3」,「4π/3」に対応するホログラム画像データDpを一回の撮像画像Vo(図6参照)から得られるようにする。このように、ビームスプリッタ5を用いた参照光傾斜手段F3を構成すれば、デジタルホログラフィ装置の基本構成に必要な光学部品を利用(兼用)できるため、コスト面からベストの形態として構成可能になるとともに、構成上のサイズアップを回避できる利点がある。
【0040】
なお、例示のビームスプリッタ5には、当該ビームスプリッタ5の角度を調整する角度調整手段F3aを付設した。このような角度調整手段F3aは必ずしも設ける必要はないが、設けた場合には、製造時をはじめ、製造後においても必要に応じてビームスプリッタ5の角度調整(再調整)を行うことができる。例示の角度調整手段F3aは、支持軸41に一端を固定したレバー42を有し、このレバー42の他端を減速ギア機構43により回動可能に構成した。この場合、初段のギア44は、モータ45の動力駆動により回動できるように構成してもよいし、操作ハンドル46による手動操作により回動できるように構成してもよい。モータ45の動力駆動を利用する場合には、画像処理とフィードバック制御を組合わせるなどにより自動調整できるようにしてもよい。また、再生像生成手段F2を構成する制御系31は、撮像面Spによる一回の撮像画像Voにおける三種類以上の参照光位相値から得られるホログラム画像データDpを所定の演算処理を行うことにより被写体Mの再生像を生成する機能を付加した構成を備えている。
【0041】
次に、第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1の機能について、図4〜図6を参照して説明する。
【0042】
第一実施形態に係るデジタルホログラフィ装置の場合、ビームスプリッタ5の反射層5fは、入射する参照光Lrに対して、45〔゜〕の角度に設定されるため、反射層5fにより反射された参照光Lrは、撮像面Spに対して直角で入射する。したがって、位相シフトは発生せず、撮像画像Voにおける全ての画素の参照光位相は「0」、即ち、図6に示す撮像画像Voにおける位相分布データBpの各画素の参照光位相は「0」となる。
【0043】
これに対して、第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1は、支持軸41を支点にビームスプリッタ5を回動変位させ、入射する参照光Lrに対して、45−Rs〔゜〕,又は45+Rs〔゜〕となるように、当該ビームスプリッタ5の角度を設定(調整)する。したがって、第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1は、製造段階における固有の角度設定工程において、ビームスプリッタ5の角度設定(角度調整)を行う。この場合、ビームスプリッタ5自身を所定の治具等を用いて回動変位させ、角度の設定を行うとともに、設定後はロックネジ等により固定する最もシンプルな設定工程を設けてもよいし、例示した角度調整手段F3aを利用してもよい。
【0044】
第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1では、入射する略平面波の参照光Lrに対してビームスプリッタ5における反射層5fの角度を45−Rs〔゜〕(又は45+Rs〔゜〕)に設定すればよいため、簡単な手法により撮像画像Voの各画素に対して位相シフトを発生させることができる。図6は、撮像画像Voの各画素における参照光位相値表、即ち、位相分布データBpを示す。なお、図6の参照光位相値表における各四角枠は撮像画像Voにおける各画素を示すとともに、各四角枠内の数字は参照光位相値を示している。
【0045】
図5に示すように、第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1の場合、ビームスプリッタ5の反射層5fは、45〔゜〕に対して所定の角度(微小角度)Rsだけ回動変位しているため、参照光Lrは撮像面Spに対し、角度Rsに対応した傾斜角Rrだけ傾斜して入射する。これにより、撮像面Spには、物体光Lmと参照光Lrが同時に入射し、物体光Lmと参照光Lrが重ね合わされることにより干渉し、干渉パターン(ホログラム)が得られるとともに、この際、撮像画像Voの参照光位相値は、図6に示すように、垂直方向の位相値は同一となるが、水平方向の位相値は位相シフトにより、「0」,「2π/3」,「4π/3」の順に繰り返し変化する。例示の場合、撮像画像Voにおける同一位相画素の位相シフトの周期は、整数画素となる三画素に設定するため、水平方向には、一回の撮像画像Vo内に三画素の周期で位相値が変化することにより、計三種類の位相値が繰返される。
【0046】
図6は、一回の撮像画像Vo内に三種類の参照光位相値を得る場合を示したが、基本的には、一回の撮像画像Voにおける参照光の同一位相画素の位相周期が整数画素になるように設定するとともに、この整数画素は三種類以上、望ましくは三画素又は四画素となるように設定する。四画素の場合の位相シフトは、「0」,「π/4」,「π/2」,「3π/4」となる。このように、傾斜角Rrを、撮像画像Voにおける参照光の同一位相画素の位相周期が整数画素になるように設定するとともに、この整数画素に、少なくとも三画素又は四画素を含ませれば、三種類以上の位相値を設定する際における作用効果、特に、各データを効率良く生すとともに、再生像を生成する際の演算処理を容易にする観点から最適なパフォーマンスを得ることができる。
【0047】
したがって、上述したビームスプリッタ5の角度を設定する際には、撮像面Spにより撮像される撮像画像Voにおいて、三画素の周期で参照光位相値「0」,「2π/3」,「4π/3」が変化するように設定(調整)すればよく、四画素(「0」,「π/4」,「π/2」,「3π/4」)の場合も同様である。これにより、CCDカメラ2cの撮像面Spに、物体光Lmと参照光Lrが入射すれば、撮像画像Voの参照光位相値、即ち、水平方向の位相値は、位相シフトにより、図6に示すように、「0」,「2π/3」,「4π/3」の順に繰り返し変化する。
【0048】
そして、撮像画像Voにより得られるホログラム画像データDpは、演算処理部32sに付与され、この演算処理部32sでは所定の演算処理を行うことにより被写体Mの再生像を生成する。この場合、演算処理部32sでは、まず、ホログラム画像データDpの参照光位相値が同じ画素を用い、補間値置換機能により、それ以外の画素を、補間処理により得た補間値に置換する処理を行う。補間処理は、いわば、他の位相値により空白となってしまう画素を他の画素で埋める処理である。したがって、簡略的な処理としては、同じ位相値となる画素を三回繰り返すデータに変換することも可能であるが、同一参照光画素間を補間処理することにより、より実際の位相値に忠実な画素を得ることができる。このような補間処理を行えば、位相シフトにより各位相値におけるデータ量(データ密度)が低下する場合であっても補間値の追加により、忠実性をより高め、良質の再生像を生成することができる。この補間処理により、参照光位相値が全て同じ画像を、異なる参照光位相値で三種類作成できるため、これら三種類の画像間の異なる参照光位相値データを用いることにより、撮像面Sp上の物体光Lmのみのデータを演算で得ることができる。そして、得られた物体光Lmのみのデータに対して公知の演算処理を行うことにより被写体Mの再生像を生成する。
【0049】
なお、第二実施形態を示す図4及び図5において、図1及び図2と同一部分には、同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その機能等の詳細な説明は省略する。したがって、第二実施形態においては、当該第二実施形態固有の構成部分のみを説明したが、図4及び図5における図1及び図2と同一部分の動作(機能)は、前述した図1及び図2の動作(機能)と同じになる。
【0050】
よって、このような第二実施形態に係るデジタルホログラフィ装置1によれば、略平面波の参照光Lrを撮像面Spに対して所定の傾斜角Rrにより照射し、三種類以上の参照光位相値(例えば、0,2π/3,4π/3)におけるホログラム画像データDpを一回の撮像画像Voから得られるようにした参照光傾斜手段F3を設けるとともに、再生像生成手段F2には、撮像面Spによる一回の撮像画像Voから得られた三種類以上の参照光位相値のホログラム画像データDpを所定の演算処理することにより被写体Mの再生像を生成する機能を設けたため、動的な変化を伴う被写体Mの再生像やリアルタイムで被写体Mの再生像が得られるデジタルホログラフィ装置を構成できる。しかも、この場合、位相をシフトさせる位相シフト素子等の別途の精密光学部品を排除できるため、精密光学部品(位相シフト素子)の使用に伴う面倒な組付及び調整を含むセッティングが不要になるとともに、初期セッティング或いは撮像部2を仕様等により変更する場合でも、設定(調整)の容易化を図ることができる。また、高価な精密光学部品の追加が不要なため、装置全体のコストダウンを図ることができるとともに、光学系の複雑化を回避できるため、安定性及び信頼性の高いデジタルホログラフィ装置1を構成できる。
【0051】
以上、好適実施形態(第一実施形態,第二実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0052】
例えば、レーザ光Lの波長等の種類は任意に設定できる。また、被写体Mとして透光性を有する物体を例示したが、非透光性を有する物体であっても勿論よく、この場合には光Lを照射する位置を変更すればよい。一方、凸レンズ4は、単レンズ,複合レンズ,組合わせレンズのいずれであってもよいし、ビームスプリッタ5と撮像面Sp間に凸レンズ4を配設する場合を排除するものではない。さらに、撮像面Spに対する結像点Pfの相対位置を変更する位置変更手段F1aとして、撮像面Sp(CCDカメラ2c)の位置を変更する場合を示したが、凸レンズ4の位置を含む光学系3の構成(レイアウト)を変更してもよい。他方、参照光傾斜手段F3として例示したビームスプリッタ5は、ビームスプリッタと同様の機能を有する各種光学部品を含む概念であり、また、参照光傾斜手段F3は、撮像面Spに対して参照光Lrを傾斜角Rrだけ傾斜して入射できればよく、例えば、ビームスプリッタ5に代わりに、反射ミラー15を傾斜させてもよい。したがって、参照光傾斜手段F3には、撮像面Spに対して参照光Lrを傾斜角Rrだけ傾斜して入射できる各種手段が含まれる。さらに、前述したように、位置変更手段F1a及び角度調整手段F3aは必ずしも設けることを要しない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係るデジタルホログラフィ装置は、被写体の三次元形状を測定する三次元形状計測装置,三次元物体の分布を測定する三次元物体分布計測装置,顕微鏡,製品検査装置等の各種分野に利用できる。
【符号の説明】
【0054】
1:デジタルホログラフィ装置,2:撮像部,3:光学系,4:凸レンズ,5:ビームスプリッタ,L:光,Lm:物体光,Lr:参照光,M:被写体,F1:物体光結像手段,F1a:位置変更手段,F2:再生像生成手段,F3:参照光傾斜手段,F3a:角度調整手段,Sp:撮像面,Dp:ホログラム画像データ,Pf:結像点,A:使用画素領域,Rr:傾斜角,Vo:撮像画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が照射された被写体から放射される物体光と参照光とを撮像部の撮像面に照射し、前記物体光と前記参照光を干渉させることにより得られるホログラム画像データを所定の演算処理することにより被写体の再生像を生成するデジタルホログラフィ装置において、前記撮像面の近傍に前記物体光の結像点を生じさせる光学系を有する物体光結像手段と、前記物体光結像手段により前記撮像面に照射された物体光の領域(以下、使用画素領域)内における撮像素子に係わる画素のみを用いて前記結像点における前記被写体の再生像を生成する再生像生成手段とを備えてなることを特徴とするデジタルホログラフィ装置。
【請求項2】
前記物体光結像手段は、前記被写体と前記撮像面間に配する凸レンズを備えることを特徴とする請求項1記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項3】
前記撮像面に対する前記結像点の相対位置を変更する位置変更手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項4】
前記使用画素領域には、前記物体光結像手段により前記物体光が本来の結像点に収束する前記撮像面の領域,前記物体光が前記結像点から拡がる前記撮像面の領域,又はこれらの周辺部の領域を含むことを特徴とする請求項1,2又は3記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項5】
略平面波の参照光を前記撮像面に対して所定の傾斜角により照射し、三種類以上の参照光位相値におけるホログラム画像データを一回の撮像画像から得られるようにした参照光傾斜手段を備えるとともに、前記再生像生成手段は、前記撮像面による一回の撮像画像から得られた三種類以上の参照光位相値のホログラム画像データを所定の演算処理することにより被写体の再生像を生成する機能を備えることを特徴とする請求項1記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項6】
前記参照光傾斜手段は、前記参照光を前記撮像面に対して所定の傾斜角により照射できるように角度設定したビームスプリッタを用いることを特徴とする請求項5記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項7】
前記参照光傾斜手段は、前記ビームスプリッタの角度を調整する角度調整手段を備えることを特徴とする請求項6記載のデジタルホログラフィ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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