説明

デジタル地図からの高度情報の表示

方法及び装置は、デジタル地図情報から生成された表示画像をレンダリングするように記載される。方法は、デジタル地図情報からの高度情報(20a)を判定するステップと、表示画像に関する表示スケール情報(28)を判定するステップと、表示画像内の画素に適用するシェーディング値を判定するステップと、画素シェーディングにより高度情報を表現する表示(24)を生成するため、表示画像内の画素各々にシェーディング値を適用するステップとを含む。ここで、シェーディング値は、高度情報及び表示スケール情報の関数に比例し、表示は、表示スケールとともに変化する画素シェーディングにより高度情報を表現するために生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル地図からの高度情報の描画を含む表示を生成する装置及び方法に関し、特に、ポータブルナビゲーション装置(PNDsと呼ばれる)を含むナビゲーション装置に適しているが、デジタル地図情報からの表示を生成する任意のタイプの処理装置において有用であると考えられる。
【背景技術】
【0002】
電子地図から生成された表示において、高度情報をレンダリングする2つの方法が知られている。具体的には、(i)同じ高度のポイントを表現する等値線(等高線とも呼ばれる)と、(ii)高度情報を表す地図カラーのシェーディングとがある。等値線は、高度の表現を正確に提供するが、等値線は、地図表示を乱雑にし、全てのユーザが直感的に理解できない。地図クラッターは、相対的に小さな電子表示装置において地図を表示する場合、又はナビゲーションや位置情報等の他の地図情報の表示が所望される場合に特に問題となる。シェーディングは、表示をクラッターせずに、より直感的な高度情報の表現を提供できる。ここで使用されるターム”シェーディング(shading)”は、ポジティブシャドウ又はネガティブシャドウと同種であり、地図カラーの濃淡の少なくともいずれかを適用することを意味する。
【0003】
図1は、シェーディングに関する従来技術であり、この技術では、デジタル地図内における地図カラーの固定の特徴としてシェーディングを含んでいる。デジタル地図12は、デジタル地図12内の背景カラーの範囲内に固定のテンプレートとして上記シェーディングを生成するために、高度データを含む地図ソース情報10を処理することにより生成される。デジタル地図12を表示するために、表示スケール入力16により表現される所望の表示スケールにおいて、固定の高度シェーディングテンプレートを含む画像18を生成するのにレンダリング処理14が用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の立案に際して、上述した技術では、種々のビュースケールレベル又はズームレベルでの地図の表示に適合できるようにするために、考慮すべき技巧が不足していると理解する。デジタル地図の一部としての固定のシェーディングでは、適応的ではない。また、シェーディングパターンが、デジタル地図12の生成時に使用される特定のシェーディング技術に依存する。種々のシェーディング技術は、同じ高度データに基づいて異なるシェーディングパターンを生成する。あるシェーディング技術は、ある表示スケールでの地図の表示に適しているかもしれないが、他の表示スケールでの表示の生成においては、シェーディングパターンの補間又は平均化を必要とする。このことは、高度シェーディングにおいて、深刻な誤りを生むであろう。例えば、表示スケールが変わると、高度内の山頂及び谷底は、誤った平均化又は補間が行なわれる。その結果、形状や位置が変更して現れる場合がある。本発明は、上記課題を考慮して立案される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するため、本発明の好適な実施形態は、デジタル地図情報から生成された表示画像をレンダリングする方法を提供する。
この方法は、
前記デジタル地図情報からの高度情報を判定するステップと、
前記表示画像のために表示スケール情報を判定するステップと、
前記表示画像内の画素に適用するためのシェーディング値を判定するステップと、
前記表示画像内の前記画素各々に前記シェーディング値を適用するステップと
を含み、
前記表示は、
表示スケールとともに変化する画素シェーディングにより高度情報を表現するために生成される
ことを特徴とする方法。
【0006】
前記シェーディング値は、
高度情報及び前記表示スケール情報の関数に比例し、
前記表示は、
表示スケールとともに変化する画素シェーディングにより高度情報を表現するために生成される
ことを特徴とする。
【0007】
本発明に係わる特徴及び利点は、(i)使用されている表示スケールに関する高度シェーディングを用いて、地図画像を動的にレンダリングする能力、(ii)2つの極値の間を変化する表示スケールに応じて高度シェーディングを滑らかに変化する能力、(iii)従来技術で使用される単一の固定のシェーディングパターンの課題の回避、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】デジタル地図の生成中における従来のシェーディングアプリケーションの概略の一例を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施形態に係わる、表示スケール情報を用いて地図表示をレンダリングする動的な処理を使用する処理の概略の一例を示す図である。
【図3】好適な実施形態に係わるシェーディングアルゴリズムで使用される重み付け関数の概略の一例を示す図である。
【図4】好適な実施形態に係わるシェーディングアルゴリズムで使用されるサブ重み付け関数の概略の一例を示す図である。
【図5a】表示スケールを減少(ズームアウトにより高度が増加する)させて異なる表示スケールでレンダリングされた地図画像のスクリーンショットの概略を示す図である。
【図5b】表示スケールを減少(ズームアウトにより高度が増加する)させて異なる表示スケールでレンダリングされた地図画像のスクリーンショットの概略を示す図である。
【図5c】表示スケールを減少(ズームアウトにより高度が増加する)させて異なる表示スケールでレンダリングされた地図画像のスクリーンショットの概略を示す図である。
【図5d】表示スケールを減少(ズームアウトにより高度が増加する)させて異なる表示スケールでレンダリングされた地図画像のスクリーンショットの概略を示す図である。
【図5e】表示スケールを減少(ズームアウトにより高度が増加する)させて異なる表示スケールでレンダリングされた地図画像のスクリーンショットの概略を示す図である。
【図5f】表示スケールを減少(ズームアウトにより高度が増加する)させて異なる表示スケールでレンダリングされた地図画像のスクリーンショットの概略を示す図である。
【図6】PNDの遠近ビューの概略の一例である。
【図7】車載用のPNDの遠近ビューの概略の一例である。
【図8】ネットワークベースの地図表示システムのブロックダイアグラムの概略の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
後述において、本発明に係わる技術の種々の側面及びそれら教示の実施の変更は、添付の図を参照して例を示すことにより詳細に説明されるであろう。
【0010】
ここで、本発明の好適な実施形態が、デジタル地図を用いた表示を生成する任意のシステムを参照して詳細に説明される。本システムは、ポータブルナビゲーション装置、ポータブル地図ビューアー、位置決めシステムを含む装置(例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星ベースの位置決めシステム)、PDA(Portable digital assistant)、ポータブルコンピュータ、ノンポータブルコンピュータの少なくともいずれか等であるオートモーモス(automomous)装置を含む。その代わりに、本システムは、デジタル地図を格納するサーバや、リモートターミナル又は、インターネット又はイントラネット等の1又は複数のネットワークを介してサーバから受信した情報に基づいてデジタル地図の表示を生成するコンピュータであってもよい。高度情報を供給するためのアプリケーションの1つは、ナビゲーション装置又はシステムを持ちながら歩く歩行者や徒歩旅行者にとって特に有用である。
【0011】
図2は、好適な実施形態において、高度シェーディングを含む地図表示を生成する技術の概略の一例を示す。デジタル地図20は、デジタル地図20内の種々位置の高度を示す高度情報20aを含む。デジタル地図20は、任意の適切な記録媒体に格納された地図情報データベースであってもよいが、これに限定されず、例えば、光学記録媒体、不揮発性電子メモリ、揮発性電子メモリ、磁気記録媒体、又は磁気光学の記録媒体であってもい。高度情報20aは、グリッド値を示してもよい(マトリックスポイント)。データ様式は変わらないように格納される。一例として、地球の表面は、緯度が3”であり経度が3”であるいくつかの小さなパッチに分割されてもよい。これは、3”と予想される垂直上のデータマトリックス内の2つの隣接したポイント間の距離を意味する(約90mは、位置に拘わらずほぼ同じ一定の緯度の長さを示す)。水平においても3”である(この場合、メーター内の値は、緯度に依存するであろう)。
【0012】
地図レンダリングモジュール22は、(i)デジタル地図20から受信した地図情報26、(i)デジタル地図20から受信した高度情報26a、(iii)画像24の表示スケールを指し示す表示スケール情報28、に基づいて表示画像23を動的にレンダリングする。なお、表示スケールとは、地図に向けてズームインした地図画像又は地図からズームアウトした地図画像の度合いであり、ある形式においては、表示スケールは、地図上を概念的にビュー(又はズームアウト)する高度値”z”により示される。相対的に大きな表示スケールは、相対的に小さなzの値により示され、相対的に小さな表示スケールは、相対的に大きなzの値により示される。地図レンダリングモジュール22は、専用のグラフィック処理回路、一般的な目的のプロセッサにより実行されるレンダリングソフトウェアの少なくともいずれかを含む。
【0013】
地図レンダリングモジュール22は、地図画像24内で高度を表現するために地図カラーを暗く及び/又は明るくするシェーディングアルゴリズムを適用することにより、地図をレンダリングする。出力は、画面上の各画素に対して適用されたシェーディングの割合により示されるであろう。画面は、一般に、当該画面の解像度を与えるマトリックスの画素により表現される。この場合、各画素は、地図情報26により表現されるような(例えば、草原、森、建物エリア等に関する異なるカラー)、表現を行なうことをリリーフする形式に関連するカラーを有する。用語”シェーディングの割合”は、黒くされるべき色、又は明るくされるべき色(白)の範囲を指し示す。ネガティブなシェーディングの割合は、白に近いカラーを有し、ポジティブなシェーディング割合は、黒に近い色を有する。シェーディングアルゴリズムは、(i)デジタル地図20からの高度情報20a/26aと、(ii)表示スケール情報28との関数の1つである。シェーディングアルゴリズムは、表示スケール情報の関数の変化に比例して、同じ高度情報に基づくシェーディング形式を変化させる。言い換えれば、表示スケールにつれて、シェーディングの倍率の変化だけでなく、シェーディングの形式も変化する。これにより、シェーディングの形式を画像24の表示スケールに適用することが可能になる。
【0014】
全体的なシェーディングアルゴリズムを説明する前に、2つの異なる形式のシェーディングが、異なる表示スケールに適した異なるシェーディングパターンをどのようにして生成するかについて実用的に説明する。
【0015】
シェーディングに適用する第1のシェーディング形式は、画像内の個々の位置における絶対的な高度に依存する。典型的なシェーディングパターンは、主に、図5fに示される形式を用いて生成される。シェーディングは黒いほど、より高度な位置を示し、例えば、山頂30は、黒の極大値の領域で示され、谷は、黒の極小値(明るさが極大値)の領域で示される。この第1のタイプのシェーディング形式は、相対的に小さな表示スケール(地図からのズームアウトが高い)に適している。表示スケールによって、地図画像内で密接に近接された絶対的な高度が変更される場合に有用である。第1のシェーディング形式は、相対的に大きな表示スケールにはあまり適していない(地図に向かってズーム)。表示スケールによっては、表示画像全体に渡って実質的に同じ高度となり、また、ほぼ一定のシェーディングとなり、部分的なリリーフ特性を不明瞭にしてしまう。
【0016】
大きく異なる第2のシェーディング形式は、高度の勾配に基づいている。すなわち、特定のサンプリング方向における表示画像内の隣接するポイント間の高度が異なる。サンプリング方向は、例えば、北西から南東等である。負への(ネガティブな)勾配は、あるタイプのシェーディングを用いてレンダリングされ(例えば、明るい色34)、正への(ポジティブな)勾配は、他のタイプのシェーディングを用いてレンダリングされる(例えば、より暗い色36)。急勾配になれば、より明るく又は使用される色各々をより暗くする。主にこの形式を用いて生成された典型的なシェーディングパターンが図5aに示される。第2のシェーディング形式は、大きな表示スケールに適している(地図に向けてズームインされている)。部分的なリリーフの詳細に対応して絶対的な高度が少しだけ変化したとしても、大きな表示スケールに対して直感的なシェーディングを生成できる。しかし、第2のシェーディング形式の技術は、小さな表示スケールにはあまり適していない。計算された勾配の当該勾配上における2つの表示ポイントは、地理的に離れており、これらポイント間の高度の勾配の計算は、有用な情報ではないであろう。例えば、山頂の対側でない同一高度についての2つの表示ポイントであれば、その山頂は、第2の技術を用いたいずれのシェーディングによっても表現されないであろう。2つの表示ポイントの高度の間の差がわずかであり、重要な高度の特徴が簡単に失われてしまうためである。
【0017】
本実施形態において、シェーディングアルゴリズムは、好ましくは、第1及び第2の異なるシェーディング関数を組み合わせるか、又は、第1及び第2の異なるシェーディング形式を組み合わせる。各々は、シェーディングアルゴリズムの要素としての各シェーディング関数の寄与の強さを示す各係数により重み付けされる。好ましくは、係数は、表示スケール情報28(例えば、高度”z”のズームアウト)の関数に比例する。より好ましくは、係数は、表示スケール情報の連続的な関数に十分に比例する。2つのシェーディング関数が使用される場合、単一の係数l(z)が使用される可能性がある。l(z)は、あるシェーディング関数の重みを示すl(z)と他のシェーディング関数の重みを示す1−l(z)とを用いて、0と1の間の値(l(z)∈[0,1])をとる。
【0018】
係数l(z)は、表示スケール”z”の関数にリニアに変化しうるが、図3に示すように、好ましくは、l(z)は、2個の制限値の間を斬近に表示スケールの関数と比例する。大きい及び中位の表示スケール(地図からの”ズームアウト”レベル”z”が小さい及び中位)においては、有用なシェーディング関数は、絶対的な高度ベースの関数(第1のシェーディング関数)である。lの値は、第1のケースの場合には大きく、第2のケースの場合には小さい。
【0019】
好適な実施形態においては、以下の変数を用いる。
α:高度勾配の角度
h:現在の標高(高度)
z:ズームアウトレベル(表示スケール)
シェーディングの割合pは、以下の関数により与えられる。

すなわち、より明確な形式では、

ここで、l∈[0,1](重み係数)は、ズームレベルの関数である。ズームレベルは、区間0...1内の値をとる。Pslopeは、シェーディング割合関数に応じた勾配であり(上述した第2のシェーディング関数)、Pheightは、シェーディング割合関数に応じた絶対的な標高である(上述した第1のシェーディング関数)。
【0020】
図3に示すように、関数l(z)は、好ましくは、連続的な2つのベジェ曲線により構成されるべく選択される。この提案の裏にある主な発想は、zがAに近似した場合には、”ほぼ”0に斬近的に向かう関数を用い、zがEに近似した場合には”ほぼ”1に斬近的に向かう関数を用いることである。この場合、最も低いズームレベルとして考えられるAにおけるズーム値zと、最も高い値としてEにおける値とを参照する。連続的な2個のベジェ曲線(ABC及びCDE参照)の選択は、ポイントC及びそれ以降のものと一致するまで、縮閉に関する種々の収束レートの自由な選択を実現できる。基本的なこの種の展開や解決策は、当該解決策を与えるため、2個の基準の間における最適な変化が選択される。制御ポイントA、B、C、D、Eは、2つのシェーディングの基準の間における最適な変化の達成に向いている。
【0021】
上記に提案される2つのシェーディング割合関数は、以下の数式を用いて演算される。

ここで、hmaxは、慣習的な高度の最大値である。

【0022】
主な数式は、2つのサブユニタリ、すなわち、セカンダリー関数、組み合わされたシェーディングの影響を”変化させる(turning)”ための重み付け関数を含む。W(sin(α))要素は、サブユニタリな重み付け関数であり、重み関数は、勾配の高度値の減衰を試みるとともに、降下するグラフィック双曲線を有する。グラフィック双曲線は、(図4に示すように)sin(α)が1に近似した場合には、”ほぼ”最小値に斬近的に近づく。W(h)は、同じ種類の展開を有するが、hが慣習的な高度の最大値に到達する時間ではない。また、W(h)は、高度hに依存するが、この場合、pheight各々が持つ主な差は、割合Pを強調させることのみに使用される標高である。割合Pは、レンダリングの種類を変更せずに(シェーディング割合の表示が変更されない)、山のミッシブ(missive)を見渡す全体的なビューを与えるための高度の各々を用いて、グローバルに演算される。同じ高度における同じ勾配を持つ2つの画素は、同じシェーディング割合を有するであろう。唯一の相違は、同じ勾配は、平地より高い高度でより可視化されるであろう。これら二次的な重み付け関数は、表示内におけるグラフィックの影響の有用な変更を提供する。しかし、好ましければ、省略してもよい。
【0023】
図5は、方法がもたらす様式を説明するため、種々のズームアウトレベルに関するスクリーンショットの範囲を示している。スクリーンショットは、中位のズームレベルからより高いズームレベルになった場合に、シェーディングアルゴリズムがアルプス(イタリアのアラーニャ・ヴァルセージア周辺)の領域に対してどのように作用するのかを示す。ズームアウトレベルは、図5aの場合にはz=372(重み係数l(z)=0)となり、図5bの場合にはz=561(重み係数l(z)=0.091)となり、図5cの場合にはz=846(重み係数l(z)=0.201)となり、図5dの場合にはz=1134(重み係数l(z)=0.355)となり、図5eの場合にはz=1520(重み係数l(z)=0.595)となり、図5fの場合にはz=3073(重み係数l(z)=0.743)となる。勾配に基づくシェーディングは、北西から南東に向かってなされている。図5においては、ズームアウトレベル”z”が増加するにつれ(大きな表示スケールから小さな表示スケールへの移動)、表示は、ある種類のシェーディング形式のレンダリングから他の形式ものに滑らかにシフトしている。ネガティブなより明るい勾配は、暗くなるが、全体的な画像は、リリーフの正確な画像が継続して与えられる。図3との相互関係においては、以下に示すズームレベル閾値に関する値が使用されるであろう。
Aポイント(変化の開始) z=500
Cポイント(一致するポイント) z=1500
Eポイント(変化の終了) z=4500
【0024】
本実施形態においては、高度情報20aは、デジタル地図20内のポイントに関する絶対的な高度情報として提供され、レンダリングモジュール22は、各表示画素に対して適用するためのシェーディング割合に計算に必要とされる全ての計算を実行する。代替形式においては、高度情報20aは、代替又は追加として、予め計算された値(例えば、h、α、Pheight(h)、Pslope(α)、l(z)の少なくとも1つ)を含む。これらは、シェーディングアルゴリズム内で使用され、レンダリングモジュールにおける計算の負担を軽減させることができる。ある代替においては、高度情報20aは、第1及び第2の異なるシェーディング関数に従って予め計算されたシェーディング割合を直接的に表現する場合もある。シェーディング割合がデジタル地図20内で予め計算されていたとしても、同じポイントに対する少なくとも第1及び第2の異なるシェーディング割合の供給は、上述と同じ原理を用いて、2つの予め計算された割合が組み合わされた重みを適用することにより、表示スケールに応じた動的なレンダリングを可能にする。図2において、このような追加の高度情報は、デジタル地図20の20bに示される。
【0025】
シェーディングアルゴリズムは、適切なCPUによりオンデマンドに計算されうる数学的な関数として表現される。その替わりに、例えば、ルックアップ座標変数の関数(αが高度勾配の角度であり、hが現在の標高(高度)であり、zがズームアウトレベル(表示スケール)である)のような、予め計算された値を含む関数マップが提供されてもよい。このような予め計算された関数マップは、地図表示装置内に提供されるか、又はデジタル地図20(図2の20cに示される)を表現するデータの不可欠な部分として内蔵されるかする。
【0026】
図6〜8は、好適な実施形態の技術を実現するための異なる種類の装置を示している。図6は、携帯型のPND50を示し、図7は、車載使用に適したPND52を示す。PNDs50及び52は、一般に、半導体、磁気メモリ媒体の少なくともいずれかを用いてデジタル地図20を格納する。PNDs50及び52は、一般に、ソフトウェアの実行によりレンダリングモジュール22を実現するローカルプロセッサを含む。図8は、ネットワークコンピュータシステム60を示し、このシステム60は、1又は複数のターミナル64とネットワーク66を介して通信するサーバ62を含む。ネットワーク66は、ローカルイントラネット、広範囲インターネット(例えば、ワールドワイドウェブ)の少なくともいずれかである。サーバ62は、デジタル地図20を格納し、ターミナル64の要求に対応して、地図画像生成情報を供給する。ある形式においては、サーバ62は、既にレンダリングされたイメージを表示用ターミナル64に提供するために、地図レンダリングモジュール22の関数を含み、画像計算を実行してもよい。他の形式においては、ターミナル64は、地図レンダリングモジュール22の関数を含み、サーバ62から受信したレンダリングされていない情報に基づいて画像計算を実行してもよい。また代替として、サーバ処理及びローカルターミナル処理の両方を含むために、地図レンダリングモジュール22の関数が、サーバ62とターミナル64との間で分割されていてもよい。
【0027】
種々の側面を有する本発明の実施形態が上記に記載されていたが、本発明の範囲は、特にこの構成に限定されず、アレンジや修正、代替全てを包含して含み、添付の請求項の範囲内に留まる。
【0028】
なお、添付の請求項は、ここに記載した特定の特徴の組み合わせを着想するが、本発明の範囲は、添付された請求項の特定の組み合わせに限定されない。しかし、その代わりに、特徴又は実施形態の任意の組み合わせがなされてもよい。ここに添付した請求項においては、具体的な組み合わせが列挙されていようとそうでなくてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル地図情報から生成された表示画像をレンダリングする方法であって、
前記デジタル地図情報(20)からの高度情報(20a)を判定するステップと、
前記表示画像に関する表示スケール情報(28)を判定するステップと、
前記表示画像内の画素に適用するためのシェーディング値を判定するステップと(22)、
画素シェーディングにより高度情報を表現する表示(24)を生成するため、前記表示画像内の前記画素各々に前記シェーディング値を適用するステップと
を含み、
前記シェーディング値は、
前記高度情報及び前記表示スケール情報の関数に比例し、
前記表示は、
表示スケールとともに変化する画素シェーデングにより高度情報を表現するために生成される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記シェーデング値を判定するステップ(22)は、
各シェーデング関数の相対的な寄与を判定するための少なくとも1つの重み係数に従って、第1及び第2のシェーディング関数を組み合わせるステップ
を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの重み係数は、
前記表示スケール情報に応じて変化する
ことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記第1のシェーディング関数は、
小さな表示スケール画像に対して適したシェーディング形式を生成する関数である
ことを特徴とする請求項2又は3記載の方法。
【請求項5】
前記第1のシェーディング関数は、
絶対的な高度に応じて変化する関数である
ことを特徴とする請求項2から4いずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のシェーディング関数は、
大きな表示スケールに対して適したシェーディング形式を生成する関数である
ことを特徴とする請求項2から5いずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のシェーディング関数は、
高度勾配に応じて変化する関数である
ことを特徴とする請求項2から6いずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記シェーディング値を判定するステップは、
以下に示されるシェーディングアルゴリズムを使用する

pは、画素に適用される前記シェーデング値であり、
zは、表示スケールに応じたパラメータであり、
l(z)は、前記表示スケールとともに、区間[0,1]内で変化する重み係数であり、
αは、高度勾配であり、
hは、絶対的な高度であり、
slopeは、高度勾配とともに変化するシェーディング関数であり、
heightは、絶対的な高度とともに変化するシェーディング関数であり、
及びWは、一定値である
ことを特徴とする請求項2から7いずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記重み係数の少なくとも1つは、
0及び1の値の間を斬近に変化し、前記値の一つは、相対的に大きな表示スケールに対応し、もう一方の値は、相対的に小さな表示スケールに対応する
ことを特徴とする請求項2から8いずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記重み係数の少なくとも1つは、
前記表示スケール情報の連続的な関数に比例する
ことを特徴とする請求項2から9いずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記重み係数の少なくとも1つは、
連続的な第1及び第2のベジェ曲線により表現される関数に比例する
ことを特徴とする請求項2から10いずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記高度情報は、
絶対的な高度、高度勾配、第1の高度シェーディング関数を表現する第1のシェーディング情報、第2の高度シェーディング関数を表現する第2のシェーディング情報、から選択された情報の項目を少なくとも1つ含む
ことを特徴とする請求項2から11いずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
プロセッサによりコンピュータプログラムが実行されると、該コンピュータプログラムが該プロセッサにデジタル地図情報から生成された表示画像のレンダリングを実行させる方法であって、
前記デジタル地図情報(20)からの高度情報(20a)を判定するステップと、
前記表示画像に関する表示スケール情報(28)を判定するステップと、
前記表示画像内の画素に適用するためのシェーディング値を判定するステップと(22)、
画素シェーディングにより高度情報を表現する表示(24)を生成するため、前記表示画像内の前記画素各々に前記シェーディング値を適用するステップと
を含み、
前記シェーディング値は、
前記高度情報及び前記表示スケール情報の関数に比例し、
前記表示は、
表示スケールとともに変化する画素シェーデングにより高度情報を表現するために生成される
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
デジタル地図情報から生成された表示画像をレンダリングする装置であって、
前記デジタル地図情報(20)からの高度情報(20a)を判定し、
前記表示画像に関する表示スケール情報(28)を判定し、
前記表示画像内の画素に適用するためのシェーディング値を判定し(22)
画素シェーディングにより高度情報を表現する表示(24)を生成するため、前記表示画像内の前記画素各々に前記シェーディング値を適用し、
前記シェーディング値は、
前記高度情報及び前記表示スケール情報の関数に比例し、
前記表示は、
表示スケールとともに変化する画素シェーデングにより高度情報を表現するために生成される
ことを特徴とする装置。
【請求項15】
各シェーデング関数の相対的な寄与を判定するための少なくとも1つの重み係数に従って、第1及び第2のシェーディング関数を組み合わせる
ことを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの重み係数は、
前記表示スケール情報に応じて変化する
ことを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記第1のシェーディング関数は、
小さな表示スケール画像に対して適したシェーディング形式を生成する関数である
ことを特徴とする請求項15又は16記載の装置。
【請求項18】
前記第1のシェーディング関数は、
絶対的な高度に応じて変化する関数である
ことを特徴とする請求項15から17いずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記第2のシェーディング関数は、
大きな表示スケールに対して適したシェーディング形式を生成する関数である
ことを特徴とする請求項15から18いずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記第2のシェーディング関数は、
高度勾配に応じて変化する関数である
ことを特徴とする請求項15から19いずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記シェーディング値の判定において、以下に示されるシェーディングアルゴリズムを使用する

pは、画素に適用される前記シェーデング値であり、
zは、表示スケールに応じたパラメータであり、
l(z)は、前記表示スケールとともに、区間[0,1]内で変化する重み係数であり、
αは、高度勾配であり、
hは、絶対的な高度であり、
slopeは、高度勾配とともに変化するシェーディング関数であり、
heightは、絶対的な高度とともに変化するシェーディング関数であり、
及びWは、一定値である
ことを特徴とする請求項15から20いずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記重み係数の少なくとも1つは、
0及び1の値の間を斬近に変化し、前記値の一つは、相対的に大きな表示スケールに対応し、もう一方の値は、相対的に小さな表示スケールに対応する
ことを特徴とする請求項15から21いずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記重み係数の少なくとも1つは、
前記表示スケール情報の連続的な関数に比例する
ことを特徴とする請求項15から22いずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記重み係数の少なくとも1つは、
連続的な第1及び第2のベジェ曲線により表現される関数に比例する
ことを特徴とする請求項15から23いずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
デジタル地図(24)を格納する記録媒体であって、
前記デジタル地図は、
前記デジタル地図の第1の領域内のポイントに関する第1の高度情報(20a)と、
前記デジタル地図の第1の領域に関する第2の高度情報(20b)と
を含み、
前記第2の高度情報(20b)は、前記第1の高度情報(20a)と異なっており、

前記第1の高度情報(20a)及び前記第2の高度情報(20b)は、
異なる表示スケールにおける前記デジタル地図の前記第1の領域をレンダリング表示するための第1及び第2の異なるシェーディングパターン各々を生成するための値を表現する、
ことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−515941(P2010−515941A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545145(P2009−545145)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000182
【国際公開番号】WO2008/083979
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】