説明

デジタル字幕放送およびデジタル字幕放送用モニタの表示方法

【課題】 本発明はデジタル字幕放送で社会的な責任を果たすとともに、放送会社の負担が軽減され、かつビジネスチャンスにすることができるデジタル字幕放送およびデジタル字幕放送用モニタの表示方法を得るにある。
【解決手段】 字幕送出制御PCを備えるデジタル字幕放送において、該デジタル字幕放送を表示させる字幕放送用モニタに、字幕提供のスポンサーを表示する字幕提供スポンサー表示領域を設けたデジタル字幕放送を提供することを目的としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタル字幕放送およびデジタル字幕放送用モニタの表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタル字幕放送は、デジタル放送受信用モニタに映像、音声、そしてクローズドキャプションによる字幕を表示して行なってきた。
しかしながら今日まで、字幕放送が視聴できないアナログテレビ社会が長く続いてきたことに加えて、字幕放送視聴者の絶対数の少なさや、テレビ会社にとっての「字幕放送」は、「直接収入増に結びつかない上に、新たなコスト負担増」の関係等で、なかなか広く普及するに至っていないのが現実である。
【0003】
今後の高齢化社会、ノーマライゼーション等の観点からも、この問題の解決は喫緊の課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2006/048963号公報
【特許文献2】特開2003−259312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の具合により、デジタル字幕放送で社会的な責任を果たすとともに、放送会社の負担が軽減され、かつビジネスチャンスにすることができるデジタル字幕放送およびデジタル字幕放送用モニタの表示方法を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
【0007】
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は字幕送出制御PCを備えるデジタル字幕放送において、該デジタル字幕放送を表示させる字幕放送用モニタに字幕提供のスポンサー名等を表示する字幕提供スポンサー表示領域を設けたデジタル字幕放送を提供することを目的としている。
【0009】
また、本発明の字幕放送用モニタには字幕表示領域、および字幕提供のスポンサーを表示する字幕提供スポンサー表示領域が設けられたデジタル字幕放送用モニタの表示方法を提供することを目的としている。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、デジタル字幕放送の字幕提供スポンサー表示領域に、字幕提供のスポンサー名等を表示することができる。
したがって、デジタル字幕放送にかかる費用を字幕提供のスポンサーに負担してもらうことができ、放送会社の負担軽減ができ、デジタル字幕放送がしやすくなる。
(2)前記(1) により、字幕表示にスポンサー名等を表示することで、スポンサー会社は社会貢献していることを知らせることができ、会社のイメージ向上を図ることができる。
(3)前記(1) により、字幕表示にスポンサー名等を表示することにより、新しいビジネスチャンスを作り出すことができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、ルビにより字幕表示をより読みやすくすることができる。
(5)請求項3も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、字幕提供スポンサー名は静止字幕にすることで、スポンサー名等の認知度を高めることができる。
(6)請求項4も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、字幕送出制御PCを字幕表示にルビとスポンサーを表示する機能を有するものに代えることで実施することができ、容易に実施することができる。
(7)請求項5も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、視聴者がリモコン操作で字幕のオン、オフの選択ができる。
(8)請求項6も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の概略説明図。
【図2】本発明を実施するための第1の形態の字幕送出制御PCの概略ブロック図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態のSDIモニタおよび視聴者モニタの説明図。
【図4】本発明を実施するための第2の形態の概略説明図。
【図5】本発明を実施するための第2の形態のSDIモニタおよび視聴者モニタの説明図。
【図6】本発明を実施するための第3の形態の概略説明図。
【図7】本発明を実施するための第3の形態のSDIモニタおよび視聴者モニタの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0013】
図1ないし図3に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は本発明のデジタル字幕放送で、このデジタル字幕放送1はHD−SDIの映像信号と音声信号が入力されるとともに、字幕入力システムWに接続された字幕送出制御PC3からの字幕データがリアルタイムでも入力される字幕インサーター4、この字幕インサーター4からのHD−SDIの映像信号、音声信号、字幕データが入力されるANCデータモニタ装置5、このANCデータモニタ装置5からのHD−SDIの映像信号、音声信号、字幕データが入力される字幕放送用モニタとしてのSDIモニタ6、字幕インサーター4からのHD−SDIの映像信号、音声信号、字幕データが入力され、電波あるいはケーブルで送信する放送設備Hとで構成された放送局2側と、この放送局2側の放送設備Hからの送信を受信する字幕放送用モニタとしての視聴者モニターMとで構成されている。
【0014】
前記字幕送出制御PC3は字幕表示へルビを表示する機能7と、字幕表示にスポンサー名を静止字幕で表示するスポンサー名表示ソフト8を有するものが使用されている。
【0015】
このため、SDIモニタ6および視聴者モニターMには映像9、音声10、字幕表示領域11に表示された字幕12、この字幕表示領域11の近傍に設けられたルビ表示領域13に表示されたルビ14、字幕提供のスポンサーを表示する字幕提供スポンサー表示領域15に静止表示されたスポンサー名16あるいはスポンサーのマーク等とが表示される。
【0016】
上記構成のデジタル字幕放送1は字幕インサーター4からのHD−SDIの映像信号、音声信号、字幕データをANCデータモニタ装置5を介してSDIモニター6あるいは放送設備Hからの送信を受信して、視聴者モニターMで、映像9、音声10、字幕表示領域11に字幕12、ルビ表示領域13にルビ14および、字幕提供スポンサー表示領域15に静止表示されるスポンサー名16とが表示される。
【0017】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図4ないし図7に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0018】
図4および図5に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、SDIモニタ6および視聴者モニターMの上部位置に字幕提供スポンサー表示領域15Aを設けた点で、このような字幕提供スポンサー表示領域15Aには字幕提供○○○○と字幕提供スポンサー名16Aを表示させるデジタル字幕放送1Aにすることにより、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0019】
図6および図7に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、字幕表示領域11の字幕12、ルビ表示領域13のルビ14および、字幕提供スポンサー表示領域15のスポンサー名16を表示したり、消したりすることができるリモコン17を備える視聴者モニターMを用いた点で、このようなデジタル字幕放送1Bにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0020】
なお、前記本発明の各実施の形態では字幕表示にルビを表示する機能を有する字幕送出制御PCを用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、字幕表示にルビを表示しない字幕送出制御PCを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明はデジタル字幕放送を行なう産業およびデジタル字幕放送用モニタの表示を行う産業で利用される。
【符号の説明】
【0022】
1、1A、1B:デジタル字幕放送、
2:放送局、
3:字幕送出制御PC、 4:字幕インサーター、
5:ANCデータモニタ装置、 6:SDIモニタ、
7:ルビを表示する機能、 8:スポンサー名表示ソフト、
9:映像、 10:音声、
11:字幕表示領域、 12:字幕、
13:ルビ表示領域、 14:ルビ、
15、15A:字幕提供スポンサー表示領域、
16:スポンサー名、 W:字幕入力システム、
M:視聴者モニター、 H:放送設備。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
字幕送出制御PCを備えるデジタル字幕放送において、該デジタル字幕放送を表示させる字幕放送用モニタに字幕表示のスポンサー名等を表示する字幕提供スポンサー表示領域を設けたことを特徴とするデジタル字幕放送。
【請求項2】
字幕表示は字幕表示領域に表示された文字とルビ表示領域に表示されたルビとで構成されていることを特徴とする請求項1記載のデジタル字幕放送。
【請求項3】
字幕提供スポンサー表示領域に表示される字幕提供スポンサー名は静止字幕であることを特徴とする請求項1記載のデジタル字幕放送。
【請求項4】
字幕送出制御PCには字幕表示にルビとスポンサーを表示する機能が含まれていることを特徴とする請求項1記載のデジタル字幕放送。
【請求項5】
字幕提供のスポンサー表示は字幕表示と同様に視聴者がリモコン操作で字幕のオン、オフの選択ができるために番組本体提供部分には全く影響を及ぼすことがなく、個別のオプションとして機能させることができることを特徴とする請求項1記載のデジタル字幕放送。
【請求項6】
字幕放送用モニタには字幕表示領域、および字幕提供のスポンサーを表示する字幕提供スポンサー表示領域が設けられていることを特徴とするデジタル字幕放送用モニタの表示方法。
【請求項7】
字幕表示領域の近傍にはルビ表示領域が設けられていることを特徴とする請求項5記載のデジタル字幕放送用モニタの表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−244375(P2011−244375A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116999(P2010−116999)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(599148879)株式会社スピードワープロ研究所 (2)
【Fターム(参考)】