説明

デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法

【課題】1セグの録画に関して12セグのEPG情報を用いて録画予約を行い、12セグと1セグの一方を指定して録画可能にする。
【解決手段】実施形態のデジタル放送受信装置は、1つのチャンネルの中において12セグメントで伝送される第1の番組と1セグメントで伝送される第2の番組とを含む地上デジタル放送信号を受信する受信手段と、地上デジタル放送信号から12セグメントで伝送される第1の番組の番組表情報を取得する手段と、第1の番組のみを記録媒体に記録するか、或いは第1の番組および予約時点ではまだ番組表情報のない第2の番組の両方を記録媒体に記録するかを指定させる指定手段と、第1の番組の番組表情報を使って第1の番組を記録予約させる予約手段と、予約手段による記録予約に基いて第1の番組を記録媒体に記録させる際、指定手段による指定に応じて、第2の番組を記録媒体に記録させる記録制御手段と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階層伝送される複数の階層を含むデジタル放送信号を受信装置本体内に同時に受信して記録することが可能なデジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本の地上デジタル放送方式は、地上波による統合デジタル放送(ISDB-Tと略記される)と呼ばれており、幾つかの特徴があるが、その特徴の1つに、1つのチャンネルの中で固定受信向けサービスと携帯・移動受信向けサービスが可能となるよう、セグメントごとに搬送波の変調方式や誤り訂正の強さを変えられる階層伝送がある。
地上デジタル放送では、チャンネル帯域幅は6MHzで、この6MHzを14分割し、その中の13個(約5.6MHz幅)を使用して放送する。13個の周波数ブロックの1つ1つ(約429kHz幅)をセグメントと呼んでいる。
【0003】
固定受信向けサービスと携帯・移動受信向けサービスに関しては、具体的には、放送番組が放送チャンネルの中に固定受信向けの12セグメント(以下、12セグと略記する)とモバイル向けの1セグメント(以下、1セグと略記する)に分けて伝送されている。
当面は、12セグと1セグで同一の番組を提供するサイマル放送が実施される見込みとなっている。12セグによる放送は、広帯域で高精細な映像及び音声を提供する高精細放送(HDTV)が可能であるが、ノイズの影響を受けやく弱階層の放送とも呼ばれる。1セグによる放送は、狭帯域で電波の変動に強い方式で変調されたモバイル放送を可能とし、ノイズの影響を受けにくく強階層の放送とも呼ばれる。
【0004】
ところで、近年、放送番組のコピー制御について、受信装置本体内に一旦記録して、それをリムーバブルメディアにコピーする場合に、コピーワンジェネレーション(COG:Copy One Generation)の運用について回数の制限緩和が検討されていて、N回(Nは2以上であり、例えば9回)までのコピーが可能になる予定である。この場合、受信装置本体内でCOG番組のコピー回数の管理を行わなければならない。
【0005】
また、12セグ放送の録画では、番組表(EPG)情報を用いて放送当日を含めて8日間分のEPG情報を利用した録画が可能となっているが、1セグ放送の録画では、8番組先のEPG情報しか利用することができず、翌日分の録画予約も不可能な場合が多く、翌々日分の録画予約にいたっては録画予約することは全く不可能であった。
【0006】
一方、デジタル放送を受信し記録再生する装置として、デジタル放送のチャンネルに含まれる12セグのコンテンツと1セグのコンテンツを同時に記録し、1セグのコンテンツ及びその管理情報を携帯端末にムーブ可能とする記録再生装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−251803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、12セグと1セグを同時に記録することはできるが、12セグと1セグの一方を指定して記録することは行われていなかったし、また1セグの録画に関しては12セグのEPG録画と同様な8日分に及ぶ録画予約を行うことは不可能であった。さらに、回数の制限緩和に伴うコピー回数の管理をどのように行うかについては、全く考えられていなかった。
【0009】
そこで、本発明は上記の問題に鑑み、12セグと1セグの一方を指定して受信装置本体に録画することが可能であり、1セグの録画に関して12セグのEPG録画と同様な録画予約を行うことが可能であり、さらに回数の制限緩和に伴うコピー回数の管理を行うことが可能なデジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信装置は、1つのチャンネルの中において12セグメントで伝送される第1の番組と1セグメントで伝送される第2の番組とを含む地上デジタル放送信号を受信する受信手段と、前記地上デジタル放送信号から前記12セグメントで伝送される前記第1の番組の番組表情報を取得する手段と、前記第1の番組と予約時点ではまだ番組表情報のない第2の番組の内、前記第1の番組のみを記録媒体に記録するか、或いは前記第1の番組および予約時点ではまだ番組表情報のない第2の番組の両方を記録媒体に記録するかを指定させる指定手段と、前記第1の番組の番組表情報を使って前記第1の番組を記録予約させる予約手段と、前記予約手段による記録予約に基いて前記第1の番組を記録媒体に記録させる際、前記指定手段による指定に応じて、前記第2の番組を前記記録媒体に記録させる記録制御手段と、を具備したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、12セグと1セグの一方を指定して受信装置本体に録画することが可能であり、1セグの録画に関して12セグのEPG録画と同様な録画予約を行うことが可能であり、さらに回数の制限緩和に伴うコピー回数の管理を行うことが可能なデジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態のデジタル放送受信装置を示すブロック図。
【図2】録画EPGの例、及び1セグ録画指定の例を画面表示にて説明する説明図。
【図3】録画番組リスト一覧の例、及び12セグ録画及び1セグ録画についてのコピー履歴のダイアログの例を画面表示にて説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態のデジタル放送受信装置のブロック図を示している。ここでは、固定受信向けのデジタル放送受信装置について説明するが、携帯・移動受信向けのデジタル放送受信装置にも適用可能である。
【0015】
図1において、デジタル放送受信装置100は、デジタル放送信号を受信するアンテナ101と、受信手段であるチューナ部102と、復号部103と、暗号化部104と、記録媒体としてのハードディスク(HD)を駆動するハードディスクドライブ部(HDDと略記)105と、TS分離部106と、ビデオデコーダ107と、オーディオデコーダ108と、映像出力部109と、音声出力部110と、管理情報記憶部111と、ICカードインタフェース部(ICカードI/F部と略記)112と、リムーバブルメディアインタフェース部(リムーバブルメディアI/F部と略記)113と、制御部114と、ICカード115と、リムーバブルメディアとしてのメモリカード116と、表示装置117と、スピーカ118と、バスライン119と、リモコンインタフェース部(リモコンI/F部と略記)120と、リモコン121と、を備えている。
【0016】
アンテナ101は、UHF用アンテナが使用され、デジタル放送信号を含むデジタル放送電波を受信する。デジタル放送信号は、1つのチャンネルの中で、複数の階層(例えば第1の階層としての弱階層、第2の階層としての強階層)を含んで階層伝送されている。弱階層と強階層とは通常、サイマル放送されている。
チューナ部102は、放送局ごとの搬送周波数(放送チャンネル)を選局する選局部と、デジタル復調する復調器とを備え、MPEG2トランスポートストリーム(以下、MPEG2−TSと略記)として出力する。その際、チューナ部102は、選局した放送チャンネルの中の13セグ全てを受信し、12セグのTSパケットと1セグのTSパケットを交互に配置された状態の1本のストリームデータとして出力する。そして、そのMPEG2−TSの1本のストリームデータは制御部114に入力され、制御部114では弱階層に相当する12セグの番組のTSパケットと強階層に相当する1セグの番組のTSパケットにそれぞれの階層を識別可能な階層情報が付加され(即ち12セグの番組と1セグの番組が分別され)、12セグのTSパケットと1セグのTSパケットが混在した状態で1本のストリームデータとなって出力され、復号部103に供給される。
【0017】
復号部103は、放送局で番組にかけたスクランブルを管理情報記憶部111からの暗号鍵を用いて解除(デスクランブル)する。
暗号化部104は、番組を個々の受信装置のHDD105に録画する際に、受信装置ごとの個別の暗号鍵で番組を暗号化(ローカル暗号という)して記録するためのものである。これは、著作権保護を図るためであり、HDD105を取り外して他の機器に取り付けて使用するなどの行為によって、記録されている番組が不正に移動し複製されるのを防止するためである。
HDD105は、受信及び復調した番組のデータを蓄積(記録)するために受信装置本体内に設けられた記録媒体であり、デスクランブルされかつローカル暗号された12セグのTSパケットと1セグのTSパケットのストリームデータが入力され、12セグの番組と1セグの番組がそれぞれがHDD105の記録媒体上で別ファイルに同時に記録される。
【0018】
TS分離部106は、デスクランブルされたMPEG2−TSから映像データ、音声データ、データ放送のデータ、番組表(EPG)情報(番組情報を含む)、制御情報を分離する。
【0019】
ビデオデコーダ107は、分離された映像データをMPEG復号する。また、オーディオデコーダ108は、分離された音声データをMPEG復号する。
映像出力部109は、復号された映像信号を表示信号用に変換して後段の表示装置117に供給する。また、音声出力部110は、復号された映像信号を音声出力用に変換して後段のスピーカ118に供給する。表示装置117には液晶ディスプレイなどが使用され、映像が表示され、スピーカ118からは音声が出力される。
【0020】
管理情報記憶部111は、例えば不揮発性メモリで構成されていて録画管理情報を記憶するもので、後述するように12セグの番組と1セグの番組を同時に録画した場合の両番組の対応付けを行う管理データ(例えばサイマル放送が行われていて12セグと1セグの両番組が同じ番組であることを示すデータ)や、受信装置内部のHDD105から番組を外部の記録媒体へコピーした回数などのコピー制御に関する管理データを記憶する。
【0021】
ICカードI/F部112は、B−CASカードのようなICカード115をバスライン119に接続するためインタフェースである。
リムーバブルメディアI/F部113は、SDTMカードなどのリムーバブルメディアとしてのメモリカード116をバスライン119に接続するためインタフェースである。
【0022】
リモコンI/F部120は、操作手段であるリモコン121からの例えば赤外線信号を受光し光電変換する受光部で構成されている。
制御部114は、バスライン119上に接続された上述の受信装置各部を制御するものであり、例えば選局制御、選局されたチャンネル内の12セグ番組と1セグ番組の選択制御、録画制御、サイマル放送か否かの判定、コピー回数の制限などに関する制御や、リモコン操作に基づく映像や音声の調整制御などを行う。なお、制御部114は時計機能も備えている。
【0023】
さらに、制御部114は、チューナ部102にて受信したデジタル放送信号から12セグで伝送される番組と1セグで伝送される番組を分別する機能と、デジタル放送信号から12セグの番組のEPG情報を取得する機能と、デジタル放送信号に含まれるEPG情報を用いて、12セグの番組と1セグの番組とで同じ番組を同じ時間帯に放送しているか否かを判定するサイマル放送判定機能と、その判定結果がサイマル放送であるとき、前記第1の番組の番組表情報を使って記録予約する際、分別された第1及び第2の番組のどちらを内部の記録媒体であるHDD105に記録するか、又は第1及び第2の番組の両方を記録するかを指定するための画面表示をさせる機能と、を備えている。画面表示には、表示装置117が用いられる。
【0024】
12セグのEPG情報には、現在放送中の番組の番組情報のほかに、録画予約等に利用するための当日を含め8日分の番組情報(H−EIT)が含まれており、1セグのEPG情報には、8番組先までの番組情報(L−EIT)が含まれている。これらの番組情報(EIT)は、データ放送と同様にMPEG2システムズに規定されたセクション形式で、定められた一定の時間間隔以内の周期で放送局側から送信されてくる。
【0025】
本発明の実施形態では、固定受信向けのデジタル放送受信装置で、12セグで伝送される番組をまず受信することを前提とし、録画に際しては、12セグと1セグがサイマル放送であれば、12セグの番組表(EPG)情報を利用して、受信装置本体内のHDD105に、12セグで伝送される番組の録画に加えて、1セグで伝送される番組についても録画するかどうかを指定できるようにしている。
【0026】
なお、現在のところ、12セグで伝送される番組と1セグで伝送される番組とは、同じ番組を同じ時間帯に放送するサイマル放送が行われている。また、EPGに関しては、前述したように12セグによる放送では8日分の番組情報が送信され、1セグによる放送では8番組先のみの番組情報が送信されているので、1セグの番組と12セグの番組とが同番組で同時間帯に放送されているもの(即ちサイマル放送)ならば、12セグのEPGを利用する方が1セグのEPGよりもより先の番組を指定でき、更に12セグのEPGを利用する方が12セグのH−EITの方が1セグのL−EITより情報量(情報の種類や項目)が多く、EPGを利用しての録画予約が非常に便利になる。ただし、12セグのH−EITも1セグのL−EITも、少なくとも番組名の情報は備えている。
【0027】
また、12セグによる放送と1セグによる放送がサイマル放送であるか否かを判定するには、H−EITの番組名とL−EITの番組名を比較して、同じであればサイマル放送と判定することが可能である。H−EITの番組名とL−EITの番組名の比較による判定は、制御部114で行うことができる。
【0028】
以下に、図2を参照して、録画EPGの例及び1セグ録画指定の例について説明する。
【0029】
図2(a)は録画EPGの画面表示例を示し、図2(b)は1セグ録画指定の画面表示例を示している。
録画指定するための録画EPGの表示は、12セグのEPG情報を用いて行われる。図2(a)に示すように、横方向に放送局名、縦方向に時刻をとってあり、各放送局ごとに時間順に番組名が表示されている。太線枠はカーソル表示であり、リモコン121のカーソルキーを操作することによって、例えばB局の午前8時〜午前9時の番組B3が選択されている。この状態で、決定キーを操作すると、図2(b)に示すような録画確認のためのダイアログ(対話形式)表示が画面に現れ、放送局名、番組名、録画時刻の確認と共に、1セグ録画の指定も同時に行えるようになっている。本実施形態では、1セグ録画も行うか否かの指定を行うチェックボックスを設けて、1セグ録画の指定を行うようにしている。チェックマークの入力は、例えばリモコン121に設けたワンセグキーを押すことによって可能となる。
【0030】
図2(b)のダイアログで、OKボタンの位置にカーソル(太線枠)を合わせ、リモコン121の決定キーを押せば録画指定がなされる。キャンセルの選択及び実行は、リモコン121のカーソルキーでカーソルをキャンセルボタンに移動させ決定キーを押すことによって可能である。実際の録画は、予約時刻になると、12セグ及び1セグの指定と共に受信装置本体内のHDD105に対して実行される。
【0031】
なお、図2では、12セグ録画と同時に1セグ録画を指定可能としているが、1セグのみの録画指定を行えるようにすることもソフトウェアによって可能である。従って、本発明においては、12セグ及び1セグのどちらか一方の録画指定、又は、12セグ及び1セグの両方の録画指定を行うことが可能である。
【0032】
本発明の第1の実施形態によれば、12セグのEPGを用いて、12セグで伝送される番組の録画だけでなく、1セグで伝送される番組についても録画を指定できるようにしたので、録画指定の利便性を増すことができる。
12セグの放送と1セグの放送は通常サイマル放送であって同番組を同時間帯に放送しているので、サイマル放送であることを判定(検出)することによって、1セグの放送を録画する場合であっても12セグのEPGを利用することができると共に、12セグと同じ内容の1セグ録画も可能であることを画面表示などしてユーザーに知らせることも可能になる。しかも、12セグの方が1セグに比べて指定できる番組数や番組情報の情報量が多いため、12セグのEPGを利用することによって、1セグの録画予約の利便性を増すことになる。
【0033】
強階層である1セグ放送を録画する場合に弱階層である12セグ放送のEPG情報を用いて録画予約等を行えるので、例えば1週間先の予約が可能であったり、また予約情報が詳細であったりする利点を有することになる。しかも、受信装置本体内の記録媒体への録画について、12セグで伝送される番組の録画に加えて、1セグで伝送される番組についても録画するかどうかを指定できるので、コピー回数の制限緩和が実施された場合などに、装置本体内の記録媒体の記録可能な容量の増減や必要とされる画質の高低に合わせて12セグ又は1セグの番組、或いは、両方の番組について録画指定することが可能となる。
【0034】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態のデジタル放送受信装置の構成は図1と同様である。
第2の実施形態において、制御部114は、チューナ部102で受信したデジタル放送信号から12セグの番組と1セグの番組を分別する機能と、分別された12セグ及び1セグの番組の両方を同時にHDD105に記録する制御を行うもので、12セグ及び1セグの番組をそれぞれ別ファイルに記録し、かつ両方の番組を対応付ける管理情報を管理情報記憶部111に記録するよう制御する機能と、を少なくとも備えている。
【0035】
制御部114は、第1の実施形態と同様に、デジタル放送信号から12セグの番組のEPG情報を取得する機能と、デジタル放送信号に含まれるEPG情報を用いて、12セグの番組と1セグの番組とで同じ番組を同じ時間帯に放送しているか否かを判定するサイマル放送判定機能と、この判定結果がサイマル放送であるとき、12セグの番組のEPG情報を用いて少なくとも1セグの番組を記録するか否かを確認するための画面表示をさせる機能と、前述の分別した12セグ及び1セグの番組のどちらをHDD105に記録するか、又は12セグ及び1セグの番組の両方を記録するかを指定するための画面表示をさせる機能と、を備えたものであってもよい。
【0036】
これにより、12セグで伝送される番組と1セグで伝送される番組を、受信装置本体内のHDD105に同時に録画する場合、それぞれ別ファイルにして録画し、加えて両者の番組が同じ番組であることを示すように対応付ける管理データも記録する。
【0037】
12セグの番組と1セグの番組とを対応付ける管理データによって、録画再生や、リムーバブルメディアへのコピー、ムーブの際に、対象となる番組について、1セグと12セグのどちらの録画か、或いは、両方の録画が行われているかをユーザーに示すこともできる。
【0038】
本発明の第2の実施形態によれば、12セグで伝送される番組と1セグで伝送される番組とは階層情報又はPID(パケット識別)にて識別可能であるので、受信装置本体内の記録媒体に別々のファイルで録画することが可能となる。このように別ファイルに記録しておくと、コピー回数の制限が緩和された場合、データ量や画質の異なる12セグ,1セグどちらの階層の番組を選択するかといったときの選択動作を容易に行わせることが可能となる。また、12セグ,1セグの番組が同内容で同時間帯の放送であれば、その対応を管理データとして記録しておけば、録画後にさらに外部記録媒体にコピーやムーブなどする際に、12セグの番組か1セグの番組を画質の高低や記録可能容量の多少を考慮して選択する場合に有用な情報となる。
【0039】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態のデジタル放送受信装置の構成は図1と同様である。
第3の実施形態において、制御部114は、HDD105に記録した番組について、12セグの番組及び1セグの番組のどちらをリムーバブルメディアであるメモリカード116にコピー又はムーブするかを指定するための画面表示をさせる機能を少なくとも備えている。さらに、制御部114は、第1及び第2の実施形態で述べた機能を備えたものであってもよい。
【0040】
以下に、図3を参照して、録画番組リスト一覧の例、及び12セグ及び1セグの録画からコピーした履歴を表示するダイアログの例について説明する。図3(a)〜(d)はいずれも画面表示した例を示している。
図3(a)に示す録画番組リスト一覧は、固定受信向けの受信装置であるために、12セグ番組の録画済みの番組一覧と、必要に応じて1セグ番組も同時に録画した状態を表示するものである。太線枠はカーソル表示であり、リモコン121のカーソルキーを操作することによって、例えばB局の番組B3が選択されている。なお、画面上の番組表示と並んだ「1SG」の表示は、12セグの番組B3ほかに、1セグの番組B3も録画していることを示すアイコンである。図3(a)の状態で決定キーを操作すると、選択されている録画番組B3が再生され、表示装置117及びスピーカ118に12セグで録画した番組B3の高精細な映像及び音声が出力される。
【0041】
一方、図3(a)に示す状態で、クイックボタン又はサブメニューボタンを押すと、図3(b)に示すようなサブメニューが例えばプルダウン形式で画面上に追加表示される。このサブメニューには、コピー履歴、コピー、ムーブ、削除などのボタンが配置されている。リモコン121のカーソルキーを操作することによって、太線枠のカーソルにて「コピー履歴」を選択しリモコン121の決定キーを押すと、図3(c)に示すようなコピー履歴のダイアログが画面表示される。図3(c)のダイアログには、番組B3について例えば、12セグの高画質番組があと8回コピー可能であり、1セグの番組があと4回コピー可能であることが表示される。このコピー回数の表示は、第2の実施形態で述べた、12セグと1セグの同時録画の際にそれぞれ別ファイルに録画しておく技術を併用することによって、12セグ及び1セグの別々のファイルから録画済み番組B3をそれぞれコピーする回数を別々にカウントする構成とすることにより、より容易に実現することができる。ここでは、1セグ録画した番組のみのコピーを行うか否かの指定を行うチェックボックスを設けて、1セグのみのコピーの指定を可能にしている。チェックマークの入力は、例えばリモコン121に設けたワンセグキーを押すことによって可能となる。チェックマークを入力しない状態では、12セグ録画した番組のみのコピーを指定することになる。
【0042】
図3(c)の残り回数の表示状態から、ユーザーは12セグ及び1セグそれぞれのコピーが可能であることを確認し、かつ1セグ番組のコピーを選択する場合はチェックマークを入れた後、決定キーなどを押すと、図3(c)のダイアログが消えて、図3(b)のサブメニュー表示を伴った録画番組リスト一覧の表示にリターンする。ここで、リモコン121のカーソルキーを操作してサブメニュー表示の太線枠のカーソルを下方に移動し、「コピー」を選択し決定キーを押すと、図3(d)に示すような出力先(コピー先)の指定画面に移行する。
【0043】
出力先としては、本デジタル放送受信装置にリムーバブルメディアメディアI/F部113を介して受信装置本体に装着して接続されるリムーバブルメディアや、本デジタル放送受信装置にネットワーク(例えばIEEE1394)を介して外部接続されているHDDレコーダやD−VHSレコーダの中からコピー先をリモコン121のカーソルキーで選択して決定キーを押すことによって、所望の番組を所望の階層(12セグか1セグかの階層)で外部の記録媒体へコピーすることが可能となる。ただし、12セグか1セグかの階層を選択できるのは、図3(a)及び(b)に示す番組A1や番組B3のように予め12セグ番組と1セグ番組が受信装置本体内の記録媒体に記録されていることが必要である。
【0044】
さらに、受信装置本体内の記録媒体から、受信装置本体に接続可能なリムーバブルメディアを含む外部記録媒体に対してコピーした回数等のコピー制御の管理情報を、12セグ番組及び1セグ番組それぞれにつき別ファイルで管理情報記憶部111に記憶するようにして、回数管理を行う。
これにより、コピーした回数等のコピー制御の管理データは、デジタル放送受信装置本体内に12セグと1セグにつき別ファイルで、それぞれ管理されるので、コピー回数の制限緩和が実施された際に12セグと1セグにつきコピー回数の管理が容易に行えるようになる。
【0045】
本発明の第3の実施形態によれば、受信装置本体内の記録媒体に録画した録画番組について、12セグの番組か1セグの番組かのどちらか一方を指定して、その番組をリムーバブルメディアにコピーしたり、移動したりすることができる。
12セグ及び1セグとも同じ番組が受信装置本体内に録画されている場合は、コピー先として選択されたリムーバブルメディアの記録可能容量が十分な容量があれば情報量が多く高画質な12セグ番組を指定してコピー又はムーブを行い、記録可能容量が少なければ、情報量の少ない1セグ番組を指定してコピー又はムーブを行うことができる。しかも、コピー回数の管理を12セグと1セグについて分けて管理することで、コピー回数が制限回数内か否かを12セグ,1セグ別にカウントしユーザーに対して表示することも可能となる。
【0046】
尚、以上述べた本発明の実施形態の図1の構成では、チューナ部102で構成される受信手段及び制御部114内に構成される分別手段に代えて、チューナ部102内に、階層伝送される複数の階層を含むデジタル放送信号から弱階層で伝送される12セグの番組を受信する第1のチューナ部と、当該デジタル放送信号から強階層で伝送される1セグの番組を受信する第2のチューナ部とを構成し、第1,第2のチューナ部それぞれから12セグ出力と1セグ出力を別々に出力することによって、12セグ番組と1セグ番組とを分別して出力するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上述べた実施形態では、固定受信向けのデジタル放送受信装置について説明したが、本発明は、携帯・移動受信向けのデジタル放送受信装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
100…デジタル放送受信装置、102…チューナ部(受信手段)、105…HDD(記録媒体を含む)、111…管理情報記憶部(記憶手段)、113…リムーバブルメディアI/F部(インタフェース手段)、114…制御部(分別手段、番組表取得手段、サイマル放送判定手段、画面表示させる手段を含む)、117…表示装置(表示手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのチャンネルの中において12セグメントで伝送される第1の番組と1セグメントで伝送される第2の番組とを含む地上デジタル放送信号を受信する受信手段と、
前記地上デジタル放送信号から前記12セグメントで伝送される前記第1の番組の番組表情報を取得する手段と、
前記第1の番組と予約時点ではまだ番組表情報のない第2の番組の内、前記第1の番組のみを記録媒体に記録するか、或いは前記第1の番組および予約時点ではまだ番組表情報のない第2の番組の両方を記録媒体に記録するかを指定させる指定手段と、
前記第1の番組の番組表情報を使って前記第1の番組を記録予約させる予約手段と、
前記予約手段による記録予約に基いて前記第1の番組を記録媒体に記録させる際、前記指定手段による指定に応じて、前記第2の番組を前記記録媒体に記録させる記録制御手段と、
を具備したことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
リムーバブルメディアを装着可能なインタフェース手段と、
前記記録媒体に記録した番組について、前記第1及び第2の番組のどちらを前記リムーバブルメディアにコピー又はムーブするかを指定する手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記12セグメントと前記1セグメントによる放送は、同じ番組を同じ時間帯に放送するサイマル放送であることを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
1つのチャンネルの中において12セグメントで伝送される第1の番組と1セグメントで伝送される第2の番組とを含む地上デジタル放送信号を受信する受信ステップと、
前記地上デジタル放送信号から前記12セグメントで伝送される前記第1の番組の番組表情報を取得するステップと、
前記第1の番組と予約時点ではまだ番組表情報のない第2の番組の内、前記第1の番組のみを記録媒体に記録するか、或いは前記第1の番組および予約時点ではまだ番組表情報のない第2の番組の両方を記録媒体に記録するかを指定させる指定ステップと、
前記第1の番組の番組表情報を使って前記第1の番組を記録予約させる予約ステップと、
前記予約ステップにおける記録予約に基いて前記第1の番組を記録媒体に記録させる際、前記指定手段による指定に応じて、前記第2の番組を前記記録媒体に記録させるステップと、
を具備したことを特徴とするデジタル放送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−249320(P2012−249320A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171735(P2012−171735)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2007−295966(P2007−295966)の分割
【原出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】