説明

デジタル放送受信装置

【課題】消費電力をかけずに迅速にザッピング処理用のイントラフレームを表示させることができるデジタル放送受信装置を提供すること。
【解決手段】ユーザがチャンネル選択指示部8によりチャンネルを変える指示をして異なるチャンネルの番組を受信する度に、イントラフレーム検出部41がその番組のイントラフレームを検出して、圧縮イントラフレームメモリ33にチャンネル毎に記憶する。そして、それと同時に、制御部6は、チャンネル選択指示部8によりチャンネルを変えられた直後で、圧縮ビデオフレームメモリ34からビデオ伸張器42へ選局されたチャンネルの番組の最初のイントラフレームが出力されるまでの間、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていれば、そのイントラフレームをビデオ伸張器42へ出力し伸張して、ビデオメモリ5を介しディスプレイ10へ出力して表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のチャンネルからなるデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が電源投入後などに番組を検索(選局)する際、素早いザッピング処理が行えるように、受信チャンネルの映像信号から少なくとも1フレームの映像信号を格納する映像信号メモリと、その映像信号メモリへの映像信号の書き込みおよび読み出しを制御するメモリ制御部と、受信チャンネルの映像信号と映像信号メモリから読み出された映像信号を切り替えて出力する映像信号切替部とを設け、デジタル放送番組の受信が使用者に選択されていない場合に受信チャンネル毎の映像信号を映像信号メモリに格納し、デジタル放送番組の受信が使用者に選択された場合に映像信号メモリ部に格納された映像信号を読み出して番組を使用者に選択させるようにしたデジタル放送受信装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−128942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のデジタル放送受信装置では、デジタル放送番組の受信が使用者により選択されていない場合に、受信チャンネル毎の映像信号を映像信号メモリに格納するため、消費電力がかかる、という問題がある。
【0005】
また、デジタル放送では、画像圧縮が利用されており、1フレームのみで伸長可能なイントラフレーム信号と、すでに伸長されたフレームが存在しないと伸長できないインターフレーム信号とからデジタル放送番組のストリームを構成しているが、圧縮効率を上げるためにはイントラフレームの割合を減らしていくのが有効な手段であるが、ビデオデコーダではイントラフレームが入力されるまで画像を出力することができない。特に、携帯機器向け地上波デジタル放送である1セグメント放送においては、イントラフレームは最大5秒程度送出されない場合があり、その受信機においては、チャンネル切り替え後に5秒間画面が切り替わらない可能性がある、という問題がある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、消費電力をかけずに迅速にザッピング処理用のイントラフレームを表示させることができるデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のデジタル放送受信装置では、複数のチャンネルからなるデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置であって、ユーザの操作に基づいて前記複数のチャンネルの選択を指示するチャネル選択指示部と、前記チャネル選択指示部からのチャンネルの選択指示に基づき選択されたチャンネルの番組を受信するデジタル放送受信部と、前記デジタル放送受信部が受信した番組からその番組を構成するイントラフレームを検出するイントラフレーム検出部と、前記イントラフレーム検出部によって検出されたイントラフレームをチャンネル毎に記憶する記憶部と、前記チャネル選択指示部からのチャンネルの選択指示に基づき前記デジタル放送受信部が選択されたチャンネルの番組を受信する際、イントラフレームが受信されるまでの間は、前記記憶部にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示させるよう制御する制御部と、を有するものである。
【0008】
特に、前記制御部は、前記記憶部に記憶されたイントラフレームを一定時間毎に消去する、ようにしても良い。
【0009】
また、前記デジタル放送受信部は、さらにデジタル放送の電子番組表を受信して前記記憶部に記憶し、前記制御部は、前記チャネル選択指示部からのチャンネルの選択指示に基づき前記デジタル放送受信部が選択されたチャンネルの番組を受信する際、イントラフレームが受信されるまでの間、前記記憶部にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示させる場合に、そのチャンネルのイントラフレームが記憶されてない場合、前記記憶部に記憶された電子番組表の対応する番組情報を読み出して表示させるよう制御する、ようにしても良い。
【0010】
また、前記デジタル放送受信部は、さらにデジタル放送の電子番組表を受信して前記記憶部に記憶し、前記制御部は、前記チャネル選択指示部からのチャンネルの選択指示に基づき前記デジタル放送受信部が選択されたチャンネルの番組を受信する際、イントラフレームが受信されるまでの間、前記記憶部にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示させる場合に、そのチャンネルのイントラフレームが記憶されていても、異なる番組のイントラフレームである場合には、前記記憶部に記憶された電子番組表の対応する番組情報を読み出して表示させるよう制御する、ようにしても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、チャンネルの選択指示に基づき選択されたチャンネルの番組を受信した際、その番組を構成するイントラフレームを検出して、チャンネル毎に記憶しておき、次にそのチャンネルの番組を受信して表示する際は、その番組のイントラフレームが受信されるまでの間、記憶部にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示するので、消費電力をかけずにザッピング処理用のイントラフレームを表示させることができる。
【0012】
また、一定時間毎に記憶部に記憶されたイントラフレームを消去するようにすれば、古くなった番組のイントラフレームは一定時間毎に消去されるので、その番組のイントラフレームが受信されるまでの間、選局した番組と異なる番組のイントラフレームを出力することを防止することができる。
【0013】
また、最初、イントラフレームが記憶されていない場合に、予め受信して記憶しておいた電子番組表の対応する番組情報を読み出して表示させるようにすれば、最初にデジタル放送を受信して視聴する場合に、イントラフレームがまだ検出されて記憶されていな場合でも、電子番組表の番組情報により番組内容を表示することができる。
【0014】
また、イントラフレームが記憶されていても、時間等の経過により異なる番組のイントラフレームが記憶されている場合、予め受信して記憶しておいた電子番組表の対応する番組情報を読み出して表示させるようにすれば、記憶しておいたイントラフレームと選局した番組のイントラフレームが異なるものに変わったとしても、電子番組表の番組情報に基づき正確な番組内容を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明のデジタル放送受信装置に係る実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1において、本発明のデジタル放送受信装置に係る実施の形態1は、無線通信機能を有する携帯電話装置100に設けられており、この携帯電話装置100は、チューナ1、デマルチプレクサ2、メモリ3、ビデオデコーダ4、ビデオメモリ5、制御部6、音声デコーダ7、チャンネル選択指示部8、スピーカ9、ディスプレイ10、デジタル放送受信用アンテナ11、無線通信部20、無線通信用アンテナ21を有している。
【0017】
メモリ3は、EPGメモリ31、データメモリ32、圧縮イントラフレームメモリ33、圧縮ビデオフレームメモリ34、および圧縮音声フレームメモリ35から構成されている。また、ビデオデコーダ4は、イントラフレーム検出部41と、ビデオ伸長器42とから構成されている。
【0018】
次に、この携帯電話装置100の動作を説明する。
【0019】
まず、この携帯電話装置100では、通常の通話をする場合、電源を入れて、チャンネル選択指示部8により相手番号を入力すると、無線通信部20により通話や通信を実行する。
【0020】
一方、無線通信部20により通話を行っていない場合、ユーザがチャンネル選択指示部8を操作して、デジタル放送の受信に切り替えると、チューナ1がデジタル放送受信用アンテナ11を介しデジタル放送を受信して、チャンネル選択指示部8がチャンネル選択指示部として選択指示をするチャンネルの番組に切り換えて受信を行う。
【0021】
チャンネル選択指示部8によりチャンネルを選択指示されたチャンネルの番組をチューナ1が受信すると、デマルチプレクサ2に出力され、デマルチプレクサ2が受信フレームを、圧縮音声フレーム、圧縮ビデオフレームや、その他のデータ等に分離をして、メモリ3のそれぞれ対応する圧縮音声フレームメモリ35、圧縮ビデオフレームメモリ34や、データメモリ32に出力して記憶する。なお、その他のデータがない場合、データメモリ32は不要である。
【0022】
その際、受信フレーム等にデジタル放送の各チャンネルの番組を示す電子番組表(EPG)が含まれており、チューナ1がデジタル放送受信用アンテナ11を介しその電子番組表(EPG)を受信した場合には、デマルチプレクサ2が受信フレームより、その電子番組表(EPG)を受信して、EPGメモリ31に記憶する。電子番組表(EPG)は、通常の放送のものと同様であり、受信契約等に基づき受信可能なチャンネル毎に各時間帯の番組のタイトル名や、開始時間、終了時間等の番組情報が含まれている。なお、本実施の形態1では、電子番組表(EPG)を利用しないので、EPGメモリ31は不要で、実施の形態2で電子番組表(EPG)を利用する。
【0023】
圧縮音声フレームメモリ35に圧縮音声フレームが記憶され、圧縮ビデオフレームメモリ34に圧縮映像フレームが記憶されると、制御部6の制御に基づき、音声側と映像側との同期がとられながら、音声デコーダ7がその圧縮音声フレームをデコードしてスピーカ9より音声を出力する一方、ビデオデコーダ4のビデオ伸張器42が圧縮音声フレームをデコードしてビデオメモリ5を介しディスプレイ10へ映像を出力する。
【0024】
これにより、この携帯電話装置100のユーザは、スピーカ9およびディスプレイ10を介して、チャンネル選択指示部8により選局したチャンネルの番組を視聴することができる。
【0025】
その際、本実施の形態1では、制御部6の制御により、ビデオデコーダ4のイントラフレーム検出部41が圧縮ビデオフレームメモリ34からビデオ伸張器4に出力されるイントラフレームを検出する。なお、イントラフレームの検出は、フレームのヘッダに設けられた符号化方法識別情報などに基づき判断をしても良いし、ビデオ伸張器42でのデコードの際の結果を用いても良い。
【0026】
イントラフレーム検出部41は、圧縮ビデオフレームメモリ34からビデオ伸張器4に出力されるイントラフレームを検出すると、検出したイントラフレームを圧縮イントラフレームメモリ33にてチャンネル毎に記憶する。なお、メモリ容量削減の観点から、イントラフレームは、チャンネル毎に上書き記録するようにする。
【0027】
このようにしてユーザがチャンネル選択指示部8により、チャンネルを変える指示をして異なるチャンネルの番組を受信する度に、イントラフレーム検出部41がその番組のイントラフレームを検出して、圧縮イントラフレームメモリ33に上書き記録等でチャンネル毎に記憶していく。例えば、携帯機器向け地上波デジタル放送である1セグメント放送においては、イントラフレームは最大5秒程度送出されない場合があるので、ユーザがこの携帯電話装置100により10チャンネル分の全ての番組を一度5秒以上視聴した場合は、1セグ放送であっても、10チャンネル分の最新視聴番組のイントラフレームが圧縮イントラフレームメモリ33に記憶されることになる。
【0028】
なお、日が変わったり、時間が変わったりすると、同一チャンネルでも番組が異なることになり、番組が変わっても、前の番組のイントラフレームを記憶していては、異なる映像をディスプレイ10に表示することになるので、制御部6は、30分毎や、1時間毎、2時間毎、さらには日にちが変わる24時間毎等の一定時間毎に圧縮イントラフレームメモリ33に記憶した各チャンネルのイントラフレームをクリア(消去)する。
【0029】
そして、ユーザがザッピング等によりチャンネルを変え、その各チャンネルのイントラフレームの検出および記憶と同時に、制御部6は、圧縮ビデオフレームメモリ34から選択されたチャンネルの番組を構成するイントラフレームがビデオ伸張器42に出力されるか否かを、イントラフレーム検出部41の検出状況により判断をする。
【0030】
ここで、ユーザがザッピング等を行い、チャンネル選択指示部8によりチャンネルを変えられた直後で、圧縮ビデオフレームメモリ34からビデオ伸張器42へ選局されたチャンネルの番組の最初のイントラフレームが出力されるまで時間が空く場合がある。
【0031】
そこで、制御部6は、その最初のイントラフレームが出力されるまでの間、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていない場合や、一定時間経過をして記憶されたイントラフレームが消去されていた場合は、そのまま圧縮ビデオフレームメモリ33からのインターフレームをビデオ伸張器42へ出力して伸張させて、ビデオメモリ5を介しディスプレイ10へ出力して表示させる。従って、このように最初にデジタル放送を受信する場合や、圧縮イントラフレームメモリ33をクリアする一定時間の周期以上に時間が経過してデジタル放送を受信する場合には、選局されたチャンネルの番組の最初のイントラフレームが出力されるまでの間、例えば、携帯機器向け地上波デジタル放送である1セグメント放送においては、イントラフレームは最大5秒程度、ディスプレイ10に映像が表示されない場合が起こりえる。
【0032】
これに対し、チャンネルを変えられた直後で、圧縮ビデオフレームメモリ34からビデオ伸張器42へ選局されたチャンネルの番組の最初のイントラフレームが出力されるまでの間、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていれば、制御部6は、そのイントラフレームをビデオ伸張器42へ出力し伸張させて、ビデオメモリ5を介しディスプレイ10へ出力して表示させる。
【0033】
これにより、選局されたチャンネルの番組の最初のイントラフレームが出力されるまでの間、圧縮イントラフレームメモリ33に記憶されているそのチャンネルのイントラフレームがディスプレイ10に表示されるので、チャンネル選択指示部8によりチャンネルを変えられた直後で、イントラフレームが受信されない場合でも、そのチャンネルで最近に受信したイントラフレームをディスプレイ10へ出力して表示させることができる。その結果、特に、携帯機器向け地上波デジタル放送である1セグメント放送においては、イントラフレームは最大5秒程度送出されない場合があっても、その受信機においては、チャンネル切り替え後に5秒間画面が切り替わらないということを防止することができる。
【0034】
従って、本実施の形態1のデジタル放送受信装置によれば、チャンネルの選択指示に基づき選択されたチャンネルの番組を受信した際、その番組を構成するイントラフレームをイントラフレーム検出部41が検出して、チャンネル毎に圧縮イントラフレームメモリ33に記憶しておき、次にそのチャンネルの番組を受信して表示する際は、その番組のイントラフレームが受信されるまでの間、圧縮イントラフレームメモリ33にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示するので、消費電力をかけずにザッピング処理用のイントラフレームを迅速に表示させることができる。
【0035】
これにより、ユーザは、画像がなかなか切り替らないことにストレスを感じたり、あるいはチャネルが切り替わらなかったと勘違いする起こすことを防止することが可能になる。
【0036】
なお、本実施の形態1では、本発明に係るデジタル放送受信装置を、無線通信機能を有する携帯電話装置100内に設けて説明したが、本発明では、これに限らず、無線通信機能を有さない通常のデジタル放送受信機に適用しても勿論かまわない。
【0037】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていない場合や、一定時間経過をして消去された場合は、選局されたチャンネルの番組の最初のイントラフレームが出力されるまでの間、ディスプレイ10に映像が表示されない場合が起こりえるが、本実施の形態2では、これを解決したものである。なお、構成自体は、図1に示す実施の形態1のものと同じであるので、図1を用いて説明する。
【0038】
本実施の形態2では、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていない場合や、一定時間経過をして消去された場合、選局されたチャンネルの番組の最初のイントラフレームが出力されるまでの間、制御部6は、EPGメモリ31に記憶されている電子番組表(EPG)より、選局されたチャンネルの番組の番組情報を読み出して、ビデオメモリ5を介しディスプレイ10へ出力して表示する。
【0039】
なお、選局されたチャンネルの番組の番組情報を読み出しは、現在時刻やチャンネル選択指示部8にて選択されたチャンネルに基づいて、電子番組表(EPG)のチャンネル情報や開始時刻情報などを参照して、簡単に読み出すことができる。また、電子番組表(EPG)の受信は、チューナ1でなく、他の処理部、例えば、無線通信部20がメール通信やインターネット等を介してダウンロードする形態でも勿論かまわない。
【0040】
従って、本実施の形態2のデジタル放送受信装置によれば、上記実施の形態1のデジタル放送受信装置の効果に加え、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていない場合や、一定時間経過をして消去された場合には、その番組のイントラフレームが受信されるまでの間、予め受信して記憶しておいた電子番組表(EPG)の対応する番組情報を読み出して表示するので、ザッピング等の際にディスプレイ10に何も表示されていないことや、同一チャンネルでも異なる番組の映像を表示することを有効に防止することができる。
【0041】
実施の形態3.
上記実施の形態2では、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていない場合や、一定時間経過をして消去された場合は、選局されたチャンネルの番組の最初のイントラフレームが出力されるまでの間、予め受信して記憶しておいた電子番組表(EPG)の対応する番組情報を読み出して表示するようにしたが、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていても、圧縮イントラフレームメモリ33をクリアにする時間間隔が長過ぎる等して、選局した番組と異なる場合があり、この場合には、選局した番組と異なる番組のイントラフレームをディスプレイ10に表示してしまうことになる。本実施の形態3では、これを解決したものである。なお、構成自体は、図1に示す実施の形態1のものと同じであるので、図1を用いて説明する。
【0042】
つまり、本実施の形態3では、チャンネル選択指示部8からのチャンネルの選択指示に基づきあるチャンネルの番組を受信して、そのイントラフレームが受信されるまでの間、圧縮イントラフレームメモリ33に選局されたチャンネルのイントラフレームが記憶されていても、選局した番組と異なる番組のイントラフレームである場合、制御部6は、EPGメモリ31に記憶されている電子番組表(EPG)より、選局されたチャンネルの番組の番組情報を読み出して、ビデオメモリ5を介しディスプレイ10へ出力して表示する。
【0043】
従って、本実施の形態3のデジタル放送受信装置によれば、上記実施の形態1,2のデジタル放送受信装置の効果に加え、圧縮イントラフレームメモリ33に選局したチャンネルのイントラフレームが記憶されていても、異なる番組のイントラフレームである場合、予め受信して記憶しておいた電子番組表の対応する番組情報を読み出して表示させるので、圧縮イントラフレームメモリ33をクリアにする時間間隔が長過ぎる等して、記憶しておいたイントラフレームと選局した番組のイントラフレームが異なるものに変わったとしても、電子番組表の番組情報に基づき正確な番組内容を表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係るデジタル放送受信装置は、チャンネルの選択指示に基づき選択されたチャンネルの番組を受信した際、その番組を構成するイントラフレームを検出して、チャンネル毎に記憶しておき、次にそのチャンネルの番組を受信して表示する際は、その番組のイントラフレームが受信されるまでの間、記憶部にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示するので、消費電力をかけずにザッピング処理用のイントラフレームを表示させることができるという効果を有し、例えば、イントラフレームは最大5秒程度送出されない携帯機器向け地上波デジタル放送である1セグメント放送のデジタル放送受信装置や、1セグメント放送のデジタル放送受信機能を有する携帯電話装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のデジタル放送受信装置に係る実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0046】
100 携帯電話装置(デジタル放送受信装置)
1 チューナ(デジタル放送受信部)
2 デマルチプレクサ
3 メモリ(記憶部)
4 ビデオデコーダ
41 イントラフレーム検出部
5 ビデオメモリ
6 制御部
7 音声デコーダ
8 チャンネル選択指示部
9 スピーカ
10 ディスプレイ
11 デジタル放送受信用アンテナ
20 無線通信部
21 無線通信用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルからなるデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置であって、
ユーザの操作に基づいて前記複数のチャンネルの選択を指示するチャネル選択指示部と、
前記チャネル選択指示部からのチャンネルの選択指示に基づき選択されたチャンネルの番組を受信するデジタル放送受信部と、
前記デジタル放送受信部が受信した番組からその番組を構成するイントラフレームを検出するイントラフレーム検出部と、
前記イントラフレーム検出部によって検出されたイントラフレームをチャンネル毎に記憶する記憶部と、
前記チャネル選択指示部からのチャンネルの選択指示に基づき前記デジタル放送受信部が選択されたチャンネルの番組を受信する際、イントラフレームが受信されるまでの間は、前記記憶部にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示させるよう制御する制御部と、
を有するデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記デジタル放送受信部は、さらにデジタル放送の電子番組表を受信して前記記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記チャネル選択指示部からのチャンネルの選択指示に基づき前記デジタル放送受信部が選択されたチャンネルの番組を受信する際、イントラフレームが受信されるまでの間、前記記憶部にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示させる場合に、そのチャンネルのイントラフレームが記憶されてない場合、前記記憶部に記憶された電子番組表の対応する番組情報を読み出して表示させるよう制御する、請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記デジタル放送受信部は、さらにデジタル放送の電子番組表を受信して前記記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記チャネル選択指示部からのチャンネルの選択指示に基づき前記デジタル放送受信部が選択されたチャンネルの番組を受信する際、イントラフレームが受信されるまでの間、前記記憶部にチャンネル毎に記憶されたイントラフレームを読み出して表示させる場合に、そのチャンネルのイントラフレームが記憶されていても、異なる番組のイントラフレームである場合には、前記記憶部に記憶された電子番組表の対応する番組情報を読み出して表示させるよう制御する、請求項1記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
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