説明

デジタル放送受信装置

【課題】装置の設置場所(ユーザの居住地域)に関する設定が簡便なデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】デジタル放送受信装置は、第1のコード及び第2のコードを一括して設定するための選択肢を表示する選択画面を生成する画面生成部と、ユーザによる前記選択画面における選択肢の要素選択を受け付ける受付部と、前記受付部からの入力情報に基づいて第1のコード及び第2のコードを一括して設定処理するコード設定処理部と、を備える。前記選択画面で表示可能な選択肢は、第1のコードを設定するための選択肢として規定される第1の選択肢と、第2のコードを設定するための選択肢として規定される第2の選択肢と、のいずれとも一部において異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタル放送受信装置に関し、詳細には、装置の設置場所(ユーザの居住地域)に関する設定が簡便なデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送受信装置の初期設定時には、地域設定(地域コードの設定)及び県域設定(県域コードの設定)が要求される。地域コードは、地上デジタル放送における放送地域を識別するためのコードで、この地域コードに基づいて受信可能な放送局のリモコン(リモートコントローラの略)キーへの割り当てや電子番組表(EPG)の並び順の自動設定が行われる。また、県域コードは、データ放送において視聴者の居住地域に応じたサービス(例えば天気予報、選挙速報等)を提供するために用いられるコードである。
【0003】
地域コード及び県域コードは、その設定値(選択肢)がARIB(Association of Radio Industries and Businesses)規格によって取り決められている。地域コードの設定値(選択肢)は、46個の都府県と、「北海道(札幌)」と、「北海道(函館)」と、「北海道(旭川)」と、「北海道(帯広)」と、「北海道(釧路)」と、「北海道(北見)」と、「北海道(室蘭)」との合計53種類からなる。また、県域コードの設定値(選択肢)は、46個の都府県と、「西北海道」と、「東北海道」と、「東京都(島部)」と、「鹿児島県(島部)」との合計50種類からなる。
【0004】
上述のように、ARIB規格によって取り決められた地域コードと県域コードとの選択肢は、一対一に対応する関係ではない。このために、地域コード及び県域コードの設定は、別々に手動で行われるのが一般的である。
【0005】
従来技術として、県域コードに基づいて地域符号を自動設定することが開示される(特許文献1参照)。ここでいう地域符号は、緊急警報放送において用いられるものであり、上述の地域コードとは異なる。この地域符号の設定値(選択肢)は都道府県の47種類からなる。このために、上述した県域コードが設定されれば、特段の工夫を行うことなく、県域コードの設定に基づいて地域符号を自動設定することが可能である。
【0006】
また、他の従来技術として、ユーザが居住者地域設定を行う前に受信可能な局のサーチを行い、居住者地域として可能性の高い地域を限定し、ワンタッチボタンの割り当てや番組表の並び順といった情報を含む選択肢を視聴者(ユーザ)に提示して選択させる技術が開示される(特許文献2)。この技術によれば、ユーザは適切な居住者設定を選択し易くなるが、設定時に判断すべき情報量が多くなり、単に、都道府県等を選択する構成に比べて、初期設定が複雑なものに感じられる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−224782号公報
【特許文献2】特開2008−271300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
地域コードと県域コードとを別々に手動入力する必要がある場合、ユーザが初期設定を面倒に感じる可能性がある。このために、いずれか一方を入力することによって他方が自動設定される構成(別の言い方をすれば、一度の入力処理で両者を纏めて設定できる構成)とすると、ユーザの入力負担が軽減されて、ユーザにとって使い勝手の良いデジタル放送受信装置を提供できるものと考えられる。
【0009】
しかしながら、上述のように地域コードと県域コードとは選択肢の内容が全く同じではなく(一対一の対応関係にはなく)、一方が決定されても単純に他方を決定できない場合がある。このために、地域コードと県域コードとのいずれか一方を入力することによって他方が自動設定される構成(別の言い方をすれば、一度の入力処理で両者を纏めて設定できる構成)は実現されていなかった。
【0010】
以上の点に鑑みて、本発明の目的は、装置の設置場所(ユーザの居住地域)に関する設定が簡便なデジタル放送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明のデジタル放送受信装置は、装置の設置場所に関する情報として第1のコードと第2のコードとの設定が要求されるデジタル放送受信装置であって、前記第1のコード及び前記第2のコードを一括して設定するための選択肢を表示する選択画面を生成する画面生成部と、ユーザによる前記選択画面における選択肢の要素選択を受け付ける受付部と、前記受付部からの入力情報に基づいて前記第1のコード及び前記第2のコードを一括して設定処理するコード設定処理部と、を備え、前記選択画面で表示可能な選択肢は、前記第1のコードを設定するための選択肢として規定される第1の選択肢と、前記第2のコードを設定するための選択肢として規定される第2の選択肢と、のいずれとも一部において異なる構成(第1の構成)とされる。
【0012】
本構成によれば、ユーザは、選択画面における選択肢の要素選択を完了することによって、デジタル放送受信装置における設置場所に関する2つのコード(第1のコードと第2のコード)設定を一括して行える。このために、2つのコード設定を別々に行う必要がなく、ユーザの入力負担を軽減できる。なお、本構成は、選択画面で表示可能な選択肢が、第1のコード用の第1の選択肢と、第2のコード用の第2の選択肢とのいずれとも異なるように形成される。すなわち、本構成は、選択画面で表示可能な選択肢について、既存の規格(例えばARIB規格)に拘泥されることなく、新しい選択肢を設ける構成を採用して、2つのコードの一括設定を可能にしている。
【0013】
上記第1の構成のデジタル放送受信装置において、前記選択画面で表示可能な選択肢には、前記第1の選択肢と前記第2の選択肢とに共通する全ての要素と、前記第1の選択肢及び前記第2の選択肢のうちのいずれか一方にあって他方に無い要素から抽出され、前記第1の選択肢と前記第2の選択肢とを比較した場合に設置場所を特定する範囲を細分化する全ての要素と、が含まれる構成(第2の構成)とするのが好ましい。本構成により、2つのコードの一括設定を可能にしつつ、選択画面で表示可能な選択肢の構成要素を少なくできる。
【0014】
上記第1又は第2の構成のデジタル放送受信装置において、前記選択画面で表示可能な選択肢には、前記第1の選択肢の全ての要素と、前記第2の選択肢に有って前記第1の選択肢に無い要素であり、前記第1の選択肢に含まれるいずれかの要素が特定する範囲を細分化する全ての要素と、が含まれる構成(第3の構成)であっても構わない。
【0015】
上記第1又は第2の構成のデジタル放送受信装置において、前記選択画面で表示可能な選択肢には、前記第2の選択肢に含まれる要素のうち、前記第1の選択肢に無い要素であって前記第1の選択肢に含まれる複数の要素を統合する範囲を特定する全ての要素を、前記第1の選択肢に含まれる要素に基づいて細分化する変更を行った後の、前記第2の選択肢の全ての要素が含まれる構成(第4の構成)であっても構わない。
【0016】
上記第1から第4のいずれかの構成のデジタル放送受信装置において、前記コード設定処理部は、選択画面で表示可能な選択肢によって選択された要素が前記第1の選択肢に無い要素である場合に、前記第1の選択肢に含まれる要素に変換処理して前記第1のコードを設定処理する構成(第5の構成)であるのが好ましい。
【0017】
上記第1から第5のいずれかの構成のデジタル放送受信装置において、前記コード設定処理部は、選択画面で表示可能な選択肢によって選択された要素が前記第2の選択肢に無い要素である場合に、前記第2の選択肢に含まれる要素に変換処理して前記第2のコードを設定処理する構成(第6の構成)であるのが好ましい。
【0018】
上記第1から第6のいずれかの構成のデジタル放送受信装置において、前記第1のコードは地域コードであり、前記第2のコードは県域コードである構成(第7の構成)であっても構わない。地域コード及び県域コードは、ARIB規格によって取り決められるものであって構わない。
【0019】
上記第1から第7のいずれかの構成のデジタル放送受信装置において、前記選択画面に表示可能な選択肢の一部の要素は、特定の要素が選択された場合にのみ表示される構成であっても構わない。本構成によれば、選択画面を見易くする効果が期待できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、装置の設置場所(ユーザの居住地域)に関する設定が簡便なデジタル放送受信装置を提供することができる。特に、ARIB規格によって取り決められている、地域コードと県域コードとの設定が必要とされるデジタル放送受信装置に対して本発明は好適である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態のデジタル放送受信装置の構成例を示すブロック図
【図2】本実施形態のデジタル放送受信装置において実行される、地域コードと県域コードとの設定処理の流れを示すフローチャート
【図3】本実施形態のデジタル放送受信装置において生成される、装置の設置場所に関する選択肢を表示する選択画面の構成例を示す模式図
【図4】本実施形態のデジタル放送受信装置において生成される、装置の設置場所に関する選択肢を表示する選択画面の別の構成例を示す模式図
【図5】本実施形態のデジタル放送受信装置において、県域コードを設定するために用いられる変換テーブルの一例を示す図
【図6】本実施形態のデジタル放送受信装置において生成される、装置の設置場所に関する選択肢を表示する選択画面の更に別の構成例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明が適用された、地上波テレビ放送を受信するデジタル放送受信装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明のデジタル放送受信装置は、より詳細には、例えば、テレビジョン受像機、録画機(レコーダ)、セットトップボックス(STB)等として具現化され得る。
【0023】
図1は、本実施形態のデジタル放送受信装置1の構成例を示すブロック図である。デジタル放送受信装置1は、アンテナ11によって受信されるデジタル方式のテレビ放送信号がチューナ部12に入力される構成になっている。また、デジタル放送受信装置1は、ユーザによる操作を受け付けられるように操作受付部13を備える構成になっている。操作受付部13は、制御部19に電気的に接続されて制御部19に信号を入力できるようになっている。
【0024】
なお、操作受付部13は、装置本体に設けられるボタンやタッチパネル等の入力手段であっても構わない。また、操作受付部13は、リモコン(リモートコントローラの略)と、リモコンから出力される信号を受信するリモコン受信部とからなる構成であっても構わない。また、操作受付部13は、装置本体に設けられるボタン等の入力手段と、リモコン及びリモコン受信装置と、の両方によって実現される構成でも構わない。操作受付部13は、本発明の受付部の一例である。
【0025】
チューナ部12は、アンテナ11を介して入力されたテレビ放送信号の中から、制御部19からの指示(ユーザが操作受付部13から入力した指示)に対応した受信チャンネルを選局する。そして、チューナ部12は、選局されたチャンネルのテレビ放送信号を復調部14へと出力する。復調部14は、選局されたチャンネルのテレビ放送信号から映像信号と音声信号とを含む映像音声信号を復調する。復調された映像音声信号は、映像音声信号処理部15に出力される。
【0026】
映像音声信号処理部15は、入力された映像音声信号を映像信号と音声信号とに分離する。映像信号は、OSD(On-Screen Display)部16に出力される。OSD部16は、制御部19から与えられるデータに基づく画像信号を生成し、その信号を映像信号に重畳して表示部17に出力する。表示部17は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等からなる。映像音声信号処理部15で得られた音声信号は、音声出力部(スピーカ)18から音声となって出力される。
【0027】
なお、ODS部16は、ユーザがデジタル放送受信装置1を設置する場所に関する情報を設定する際に使用される選択画面を、制御部19の指示にしたがって生成する。すなわち、OSD部16は、本発明の画面生成部の一例である。
【0028】
制御部19は、デジタル放送受信装置1が備える各部と電気的に接続されており、装置全体の制御を行う。制御部19は、後述の内容から理解されるように、本発明のコード設定処理部の一例に該当する。メモリ20は、制御部19が実行する各種制御動作に必要なプログラム等を記憶する。メモリ20には、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)が含まれる。
【0029】
本実施形態のデジタル放送受信装置1の概略構成は以上のようであるが、次に、デジタル放送受信装置1の特徴的な構成について説明する。
【0030】
デジタル放送受信装置1においては、例えば、その初期設定時や装置の設定位置を移動した時(例えば引越し後)等に、上述した地域コードと県域コード(それぞれ、本発明の第1のコード或いは第2のコードの一例に該当する)の設定を行うことが必要とされる。ただし、デジタル放送受信装置1においては、ユーザは地域コードと県域コードとを別々に入力設定する必要はなく、ユーザによる、装置1の設定場所(ユーザの居住地域)に関する情報入力が一度行われれば、地域コードと県域コードとの両方が自動的に設定される構成になっている。
【0031】
図2は、本実施形態のデジタル放送受信装置1において実行される、地域コードと県域コードとの設定処理の流れを示すフローチャートである。制御部19による、地域コードと県域コードとの設定処理は、例えばユーザの指令によって開始される。詳細には、ユーザが、表示部17に表示されるメニュー画面(OSD画面)において、装置1の設置場所に関する設定を行うことを指示する項目を選択することによって開始される(ステップS1)。この選択は、ユーザが操作受付部13を操作することによって行われる。設置場所に関する設定を行うことを指示する項目の名称は、例えば、地域設定(地域コード設定)、県域設定(県域コード設定)、或いは、地域コード及び県域コードの設定等、その意味がわかる範囲で様々な名称の選択が可能である。
【0032】
ユーザによって装置1の設置場所に関する設定を行うことが選択されると、OSD部16が、制御部19の指示の下、装置1の設置場所に関する選択肢を表示する選択画面(本発明の選択画面に該当)を表示するための処理を行う(ステップS2)。デジタル放送受信装置1では、装置1の設置場所に関する選択肢を表示する選択画面において、図3に示すような選択肢が表示部17に表示される構成となっている。なお、図3においては、便宜上、設置場所に関する選択肢の表示が一部省略されているが、設置場所に関する選択肢の詳細は、後述の図5に示される通りとなる。
【0033】
図3及び図5を参照して、デジタル放送受信装置1では、設置場所の選択肢(選択画面の選択肢)を構成する要素として、46都府県と、「北海道(札幌)」と、「北海道(函館)」と、「北海道(旭川)」と、「北海道(帯広)」と、「北海道(釧路)」と、「北海道(北見)」と、「北海道(室蘭)」と、「東京都(島部)」と、「鹿児島県(島部)」との55種類の選択要素が含まれる構成になっている。
【0034】
すなわち、選択画面で表示可能な選択肢には、ARIB規格によって取り決められている、地域コードの選択肢と県域コードの選択肢(いずれについても、「背景技術」の項で説明済み)とに共通する全ての選択要素(46都府県)が含まれる。また、選択画面で表示可能な選択肢には、地域コードの選択肢及び県域コードの選択肢のうちのいずれか一方にあって他方に無い要素(要素群X;以下に示す)から抽出され、地域コードの選択肢と県域コードの選択肢とを比較した場合に設置場所を特定する範囲を細分化する全ての要素(要素群Y;以下に示す)が含まれる。
【0035】
要素群Xは、「北海道(札幌)」と、「北海道(函館)」と、「北海道(旭川)」と、「北海道(帯広)」と、「北海道(釧路)」と、「北海道(北見)」と、「北海道(室蘭)」と、「東京都(島部)」と、「鹿児島県(島部)」と、「西北海道」と、「東北海道」とからなる。要素群Yは、要素群Xのうち、「西北海道」と、「東北海道」とを除く残りの要素群からなる。また、地域コードは本発明の第1のコードの一例であり、県域コードは本発明の第2のコードの一例である。
【0036】
なお、図3に示す選択画面の構成では、設置場所の選択肢として上述の55種類の選択要素が最初から選択できるように表示される構成になっているが、この構成を例えば次のように代えてもよい。すなわち、例えば、図4に示すように、「東京都(島部)」(本発明の一部の要素に該当)は、ユーザが「東京都」(本発明の特定の要素に該当)を選択した時点で表示(選択)できるようにし、「鹿児島県(島部)」(本発明の一部の要素に該当)は、ユーザが「鹿児島県」(本発明の特定の要素に該当)を選択した時点で表示(選択)できるようにする構成としてもよい。これにより、選択肢の見易さを向上することが可能である。なお、この場合においては、選択画面に最初に表示される選択肢は、地域コードの選択肢(ARIB規格によって取り決められている選択肢)と同じになっている。
【0037】
表示部17に、上述の設置場所の選択画面が表示されると、制御部19は、ユーザによる設置場所の選択(要素選択)が完了したか否かの確認を行う(ステップS3)。ユーザによる設置場所の選択は、操作受付部13を介して行われる。ユーザによる設置場所の選択が完了すると(ステップS3でYes)、制御部19は、ユーザによって特定の場所が選択されたか否かを確認する(ステップS4)。ここで、特定の場所は、「東京都(島部)」と「鹿児島県(島部)」である。
【0038】
制御部19は、「東京都(島部)」又は「鹿児島県(島部)」が選択されたことを確認すると(ステップS4でYes)、これらの場所が、地域コードの選択肢を構成する要素としてARIB規格に定められない要素であるために、これらをARIB規格に対応した場所(要素)に変換する。そして、制御部19は、変換して得られた場所を、地域コードの設定対象(設定値)として決定する(ステップS5)。
【0039】
具体的には、「東京都(島部)」が選択されている場合には地域コードの設定対象を「東京都」に決定し、「鹿児島県(島部)」が選択されている場合には、地域コードの設定対象を「鹿児島県」に決定する。この決定は、選択画面によって表示可能な特定の場所(要素)が、ARIB規格に対応した地域コードの選択肢の要素に包含されるものであるために可能になっている。なお、制御部19は、地域コードの設定対象が決定されると、その設定対象に対応するコード番号を地域コードとして設定する。
【0040】
一方、制御部19は、ユーザによって特定の場所が選択されなかったことを確認すると(ステップS4でNo)、ユーザによって選択された場所(要素)を地域コードの設定対象(設定値)として決定する(ステップS6)。これは、選択画面によって表示される選択肢のうち、「東京都(島部)」及び「鹿児島県(島部)」を除く選択要素は、ARIB規格に対応した地域コードの選択肢を構成する要素に一致することを利用するものである。制御部19は、地域コードの設定対象が決定されると、その設定対象に対応するコード番号を地域コードとして設定する。
【0041】
地域コードの設定処理が終了すると、ユーザによって選択された設置場所と、図5に示す変換テーブルにしたがって、制御部19は県域コードとして選択される場所を決定する。そして、制御部19は、決定された場所に対応するコード番号(地域コードとは、全く別物として準備されるコード番号)を県域コードとして設定する(ステップS7)。
【0042】
選択画面によって表示される選択肢のうち、北海道に関する選択要素以外の要素は、ARIB規格に対応した県域コードの選択肢の構成に一致する。また、選択画面によって表示される北海道に関する選択要素は、県域コードの北海道に関する選択要素よりも、その範囲が細分化されたもの(すなわち、県域コードの北海道に関する選択要素に包含されるもの)となっている。このために、選択画面にしたがって選択した場所(要素)によって、ARIB規格に対応した県域コードの決定が可能である。
【0043】
なお、選択画面によって、「北海道(札幌)」、「北海道(函館)」、「北海道(旭川)」、「北海道(室蘭)」が選択された場合には、県域コードの設定対象(設定値)は「西北海道」となる。また、選択画面によって、「北海道(帯広)」、「北海道(釧路)」、「北海道(北見)」が選択された場合には、県域コードの設定対象(設定値)は「東北海道」となる。選択画面によって北海道以外の場所が選択された場合には、その選択された場所が県域コードの設定対象(設定値)となる。
【0044】
以上により、デジタル放送受信装置1における、地域コードと県域コードとの設定は完了する。上述のように、デジタル放送受信装置1では、ユーザは、装置1の設定場所(ユーザの居住地域)に関する情報入力を一度行えば、地域コードと県域コードとの両方を自動的に設定することができる。このために、本実施形態のデジタル放送受信装置1は、例えば初期設定時におけるユーザの負担を軽減でき、ユーザにとって使い勝手が良いものといえる。
【0045】
ところで、上述した選択画面で表示可能な選択肢(図3又は図4)は、地域コードの選択肢に一部の要素を追加した構成であるとの発想で、次のように表現することもできる。すなわち、選択画面で表示可能な選択肢は、地域コードの選択肢における全ての選択要素と、県域コードの選択肢に有って地域コードの選択肢に無い要素(要素群O;以下に示す)であり、地域コードの選択肢に含まれるいずれかの要素が特定する範囲を細分化する全ての要素(要素群P;以下に示す)と、を含む。
【0046】
要素群Oは、「東京都(島部)」と、「鹿児島県(島部)」と、「西北海道」と、「東北海道」とからなる。要素群Pは、「東京都(島部)」と、「鹿児島県(島部)」とからなる。
【0047】
また、上述した選択画面で表示可能な選択肢(図3又は図4)は、県域コードの選択肢の一部を変更した構成であるとの発想で、次のように表現することもできる。すなわち、選択画面で表示可能な選択肢は、県域コードの選択肢に含まれる選択要素のうち、地域コードの選択肢に無い要素(要素群Q;以下に示す)であって地域コードの選択肢に含まれる複数の要素を統合する範囲を特定する全ての要素(要素群R;以下に示す)を、地域コードの選択肢に含まれる要素(要素群S;以下に示す)に基づいて細分化する変更を行った後の、県域コードの選択肢における全ての要素を含む。
【0048】
要素群Qは、「東京都(島部)」と、「鹿児島県(島部)」と、「西北海道」と、「東北海道」とからなる。要素群Rは、「西北海道」と、「東北海道」とからなる。要素群Sは、「北海道(札幌)」と、「北海道(函館)」と、「北海道(旭川)」と、「北海道(帯広)」と、「北海道(釧路)」と、「北海道(北見)」と、「北海道(室蘭)」とからなる。
【0049】
以上に示した実施形態は本発明の例示であって、本発明は以上に示した実施形態の構成に限定されるものではない。
【0050】
例えば、以上に示した実施形態では、地域コードが決定された後に県域コードが決定される構成としたが、県域コードが決定された後に地域コードが決定される構成であっても構わない。
【0051】
また、以上に示した実施形態では、地域コードを設定処理するにあたって換算テーブルを用いない構成としたが、地域コードを設定処理するにあたっても、県域コードを設定処理する場合と同様の換算テーブルを用いても構わない。
【0052】
また、デジタル放送受信装置1の設定場所を選択するための選択画面における選択肢の表示方法として、図3や図4の表示方法に代えて、図6のような表示方法としてもよい。すなわち、選択画面に最初に表示される選択肢が、県域コードの選択肢(ARIB規格によって取り決められている選択肢)と同じになる構成としてもよい。この場合には、ユーザが「西北海道」を選択した時点で、「北海道(札幌)」と、「北海道(函館)」と、「北海道(旭川)」と、「北海道(室蘭)」の表示(選択)が可能になる。また、ユーザが「東北海道」を選択した時点で、「北海道(帯広)」と、「北海道(釧路)」と、「北海道(北見)」の表示(選択)が可能になる。この場合も、選択肢の見易さを向上する効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、例えば、テレビジョン受像機、録画機(レコーダ)、セットトップボックス等のデジタル放送受信装置に好適である。
【符号の説明】
【0054】
1 デジタル放送受信装置
13 操作受付部(受付部)
16 OSD部(画面生成部)
19 制御部(コード設定処理部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の設置場所に関する情報として第1のコードと第2のコードとの設定が要求されるデジタル放送受信装置であって、
前記第1のコード及び前記第2のコードを一括して設定するための選択肢を表示する選択画面を生成する画面生成部と、
ユーザによる前記選択画面における選択肢の要素選択を受け付ける受付部と、
前記受付部からの入力情報に基づいて前記第1のコード及び前記第2のコードを一括して設定処理するコード設定処理部と、を備え、
前記選択画面で表示可能な選択肢は、前記第1のコードを設定するための選択肢として規定される第1の選択肢と、前記第2のコードを設定するための選択肢として規定される第2の選択肢と、のいずれとも一部において異なる、デジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記選択画面で表示可能な選択肢には、
前記第1の選択肢と前記第2の選択肢とに共通する全ての要素と、
前記第1の選択肢及び前記第2の選択肢のうちのいずれか一方にあって他方に無い要素から抽出され、前記第1の選択肢と前記第2の選択肢とを比較した場合に設置場所を特定する範囲を細分化する全ての要素と、が含まれる、請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記選択画面で表示可能な選択肢には、
前記第1の選択肢の全ての要素と、
前記第2の選択肢に有って前記第1の選択肢に無い要素であり、前記第1の選択肢に含まれるいずれかの要素が特定する範囲を細分化する全ての要素と、が含まれる、請求項1又は2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記選択画面で表示可能な選択肢には、
前記第2の選択肢に含まれる要素のうち、前記第1の選択肢に無い要素であって前記第1の選択肢に含まれる複数の要素を統合する範囲を特定する全ての要素を、前記第1の選択肢に含まれる要素に基づいて細分化する変更を行った後の、前記第2の選択肢の全ての要素が含まれる、請求項1又は2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記コード設定処理部は、選択画面で表示可能な選択肢によって選択された要素が前記第1の選択肢に無い要素である場合に、前記第1の選択肢に含まれる要素に変換処理して前記第1のコードを設定処理する、請求項1から4のいずれかに記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
前記コード設定処理部は、選択画面で表示可能な選択肢によって選択された要素が前記第2の選択肢に無い要素である場合に、前記第2の選択肢に含まれる要素に変換処理して前記第2のコードを設定処理する、請求項1から5のいずれかに記載のデジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記第1のコードは地域コードであり、前記第2のコードは県域コードである、請求項1から6のいずれかに記載のデジタル放送受信装置。
【請求項8】
前記選択画面に表示可能な選択肢の一部の要素は、特定の要素が選択された場合にのみ表示される、請求項1から7のいずれかに記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−85167(P2013−85167A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224686(P2011−224686)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】