説明

デバイス制御装置、情報管理装置、及びその制御方法、デバイス制御システム

【課題】デバイスサーバに接続されたカードリーダ(特定のデバイス)に対するユーザIDの入力を契機にして、当該ユーザIDに関連付けられたネットワーク上のクライアントPCとデバイスとの間でデータ送受信を実行(開始)させることができるデバイス制御システムを提供する。
【解決手段】デバイス制御装置は、自装置に接続された第一のデバイスにおける状態変化(ユーザIDの入力)を検知し、当該第一のデバイスから取得したユーザIDをもとにネットワーク上の情報管理装置から制御情報を取得し、当該制御情報に含まれる識別情報で識別されるクライアント装置に対して、当該制御情報の第二のデバイスの識別情報を含んだ接続要求コマンドを生成して送信することにより、ネットワーク上のクライアント装置と第二のデイバスとの間でデータ送受信を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してデバイスを制御する機能を備えたデバイス制御装置、情報管理装置、及びその制御方法、デバイス制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワークの普及により、例えば、プリンタ、ストレージ、スキャナなどのデバイスを、ネットワーク上のクライアントPCからデバイスサーバを介して共有デバイスとして利用可能とするための実現方法がいくつか提案されている。
【0003】
その実現方法として、本出願人は、デバイスサーバが自身に接続されているデバイスを監視し、デバイスの状態変化を検知すると、この検知を示す情報(以下、トリガ通知)をクライアントPCへ通知することで、クライアントPCとデバイスサーバ間でセッションを開始し、デバイスサーバを介してクライアントPCとデバイス間でデータ送受信が可能となるデバイス制御システムを提案している(特許文献1参照)。
【0004】
このデバイス制御システムは、デバイスサーバがデバイスを監視するため、クライアントPCによるデバイスの監視(ポーリング)が不要となり、クライアントPCが必要となったときだけ当該デバイスを専有できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2009−253395
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、出願人自らが先に提案した特許文献1のデバイス制御システムをさらに拡張・発展させ、デバイスサーバからネットワークを介してトリガ通知を受信した所定のクライアントPCが、ネットワーク上にある別のクライアントPCに関する識別情報をデバイスサーバへ返送し、デバイスサーバが、受信した識別情報で特定されるクライアントPCに対してトリガ通知を行うことで、状態変化を検知したデバイスと最初にトリガ通知を受信したクライアントPC(前記所定のクライアントPC)との間だけでなく、ネットワークに接続されている任意のクライアントPCと任意のデバイス間でデータ送受信を実行させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のデバイス制御装置は、自装置にローカル接続された第一のデバイスの状態変化を監視するためのトリガ検知アルゴリズム及び/又は定義ファイルに基づいて、当該第一のデバイスを監視するデバイス監視手段と、前記デバイス監視手段によって、前記第一のデバイスの状態変化を検知した場合、当該検知を示すトリガ通知を、ネットワークを介して接続されている情報管理装置に送信するトリガ通知送信手段と、前記状態変化を検知した第一のデバイスからユーザを特定するための固有情報であるユーザIDを取得するユーザID取得手段と、前記ユーザID取得手段で取得した前記ユーザIDを前記情報管理装置に対して送信するユーザID送信手段と、前記ユーザIDと関連付けられた制御情報であって、ネットワークを介して接続されているクライアント装置を識別するための第一の識別情報及び当該クライアント装置が制御する第二のデバイスを識別するための第二の識別情報を含んだ制御情報を、前記情報管理装置から取得する制御情報取得手段と、前記制御情報取得手段で取得した制御情報の第一の識別情報によって識別したクライアント装置に対して、当該制御情報の第二の識別情報を含んだ接続要求を生成して送信する接続要求手段と、前記接続要求を受信したクライアント装置からの接続開始要求に応じて、当該クライアント装置とのセッションの制御を開始するセッション制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、請求項5に記載の情報管理装置は、デバイスがローカル接続されているデバイス制御装置に、ネットワークを介して接続されている情報管理装置であって、ユーザを特定するための固有情報であるユーザIDと関連付けられた制御情報であって、前記ネットワークを介して接続されているクライアント装置を識別するための第一の識別情報及び当該クライアント装置が制御する第二のデバイスを識別するための第二の識別情報を含んだ制御情報を記憶している制御情報記憶手段と、前記デバイスの状態変化を検知した前記デバイス制御装置から当該状態変化の検知を示すトリガ通知を受信するトリガ通知受信手段と、前記トリガ通知受信手段によって受信された前記トリガ通知に応じて、前記デバイス制御装置とのセッションを開始するセッション制御手段と、前記デバイス制御装置とのセッションを介して、前記ローカル接続されているデバイスからユーザを特定するための固有情報であるユーザIDを取得するユーザID取得手段と、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報の中から、前記ユーザID取得手段によって取得された前記ユーザIDに関連付けられている制御情報を検索する制御情報検索手段と、前記制御情報検索手段で検索した前記制御情報の前記第二の識別情報で識別されるデバイスが接続されているデバイス制御装置に対して、当該制御情報を送信する制御情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、デバイス制御装置が自装置に接続された特定のデバイス(第一のデバイス)の状態変化を契機(トリガ)として、ネットワーク上の情報管理装置から制御情報を取得し、当該制御情報に含まれる識別情報によって識別されるクライアント装置とデバイス(第二のデイバス)との間でデータ送受信を実行させることができるので、例えば、デバイスサーバに接続されたカードリーダにカードをかざすだけで、ユーザの手近にあるマウスやキーボードにより、ネットワークを介して接続されている遠隔地のクライアントPCをリモート操作するというようなことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1に係るデバイス制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】ユーザIDリストの一例を示す説明図である。
【図3】実施例1に係るデバイス制御システムの動作シーケンスを示す図である。
【図4】リモート接続要求のパケットにおけるデータ構成を例示する図である。
【図5】本発明のデバイス制御システムの適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
<1.デバイス制御システムの構成>
図1は、実施例1に係るデバイス制御システムの概略構成であり、情報管理PC100、クライアントPC110(110A、110B)、デバイスサーバ200(200A、200B)、トリガ用デバイス300、デバイス310(310A、310B)から構成されている。
【0013】
トリガ用デバイス300及びデバイス310は、USB(Universal Serial Bus)インターフェースに準拠した接続ケーブル400でデバイスサーバ200に接続(ローカル接続)されている。ただし、USBに限定されるものではなく、IEEE1394など他のインターフェースに準拠したものであってもよい。一方、情報管理PC100及びクライアントPC110は、デバイスサーバ200と有線又は無線のネットワーク500を介して接続されている。
【0014】
次に、デバイス制御システムを構成する各装置、機器の構成について順次説明する。
<2.情報管理PC100の構成>
情報管理PC100は、本発明の「情報管理装置」の実施形態の一例であり、CPU、入力部、表示部、メモリ、通信部、外部記憶部などが内部バスで接続されている。ネットワーク500を介してデバイスサーバ200と通信することが可能な装置であり、後述する監視情報と制御情報を保有している点が特徴である。
【0015】
外部記憶部には、アプリケーションプログラムやOS(共に不図示)、制御プログラム101、デバイスドライバ102、仮想化制御部103、通信制御部104などのソフトウェア部品が格納されるとともに各種データがデータ記憶部105に格納される。これらソフトウェア部品及び各種データは、CPUの制御に従い、メモリ上に読み出されて各種制御が実行される。
【0016】
制御プログラム101は、トリガ用デバイス300を制御するソフトウェア部品であり、(1)デバイスサーバ200にローカル接続される機器(以下、「デバイス」)の個体を識別するためのデバイス個体情報を取得する機能、(2)デバイス個体情報によって「デバイス」の機種などを個体ごとに識別する機能、(3)トリガ用デバイス300との間のデータ送受信に必要となるデバイスドライバ102及び仮想化制御部103を一意に特定し、動的に生成・起動する機能、(4)通信制御部104に対してデバイスサーバ200とのセッションの開始・切断を指示する機能、(5)デバイスサーバとのセッションが開始されると、デバイスドライバ102及び仮想化制御部103を用いて、トリガ用デバイス300との間のデータ送受信を制御する機能を備えている。
【0017】
さらに、(6)デバイスサーバ200からのトリガ通知(後述)の受信に応じて、トリガ用デバイス300から「ユーザID」(後述)を取得する機能、(7)トリガ用デバイス300の機種に応じた定義ファイル106、トリガ検知アルゴリズム107をデータ記憶部105の中から選択する機能、(7)「ユーザID」をもとにしてユーザIDリスト108(後述)の中から該当する「ID情報」(後述)を検索する機能、(8)前述の(6)、(7)の機能によって選択/検索された情報(データ)の送信を指示する機能を備えている。
【0018】
デバイスドライバ102は、アプリケーションプログラムやOS、制御プログラム101など(以下、上位層のソフトウェアプログラム)の指示により、トリガ用デバイス300に応じたデータ形式のデータ(以下、制御コマンド)に変換し、この制御コマンドを仮想化制御部103に送り、この制御コマンドに対する応答を上位層のソフトウェアプログラムへ通知するソフトウェア部品である。
【0019】
仮想化制御部103は、デバイスドライバ103で制御コマンドに変換されたデータ入出力要求をUSBのデータ形式に準拠したパケットデータ(以下、USBデータ)に変換し、通信制御部104から送られてくるUSBデータを制御コマンドと同様のデータ形式に変換してデバイスドライバ103へ送るソフトウェア部品である。また、トリガ用デバイス300に対するデータ送受信要求に対して、トリガ用デバイス300が情報管理PC100に直結(ローカル接続)しているときと同様の振る舞いをシミュレートする機能(以下、仮想化制御)を備えたソフトウェア部品である。この「仮想化制御」によって、トリガ用デバイス300をローカル接続したときと同じ状態でデータ送受信することができるようになる。
【0020】
通信制御部104は、仮想化制御部103を経由して送られてくる「USBデータ」とネットワーク500を介してデバイスサーバ200と通信するときの「ネットワークパケット」との変換処理を行い、デバイスサーバ200との間のデータ送受信を制御するソフトウェア部品である。また、仮想化制御部103を経由して送られてくる上位層のソフトウェアプログラムやデバイスドライバ102からのデータ送受信要求に応じて、デバイスサーバ200との間のセッションの開始・切断の制御を行う。
【0021】
データ記憶部105には、以下で説明する定義ファイル106、トリガ検知アルゴリズム107、ユーザIDリスト108などの各種データが格納される。
【0022】
定義ファイル106は、デバイスサーバ200において、トリガ用デバイス300の監視を実行する際、トリガ検知アルゴリズム107に必要な命令・情報等を格納しているデータファイルである。
【0023】
トリガ検知アルゴリズム107は、デバイスサーバ200において、トリガ用デバイス300を監視し、その状態変化を検知するための実行手順が記述されたプログラムコードであり、定義ファイル106を読み込むことで、本実行手順に従って、トリガ用デバイス300の監視処理(以下、トリガ検知処理)が行われる。
【0024】
定義ファイル106とトリガ検知アルゴリズム107は、トリガ用デバイス300の監視を行うための1組の「監視情報」(監視プログラム)であり、トリガ用デバイス300の機種ごとで異なる。このため、情報管理PC100は、様々なトリガ用デバイス300の機種に対応するため、定義ファイル106とトリガ検知アルゴリズム107をそれぞれ1つ以上格納している。図1では、N機種分(N:整数)の定義ファイル106とトリガ検知アルゴリズム107を格納している状態を示している。
【0025】
ユーザIDリスト108は、ユーザを特定するための固有情報であるユーザIDと、制御対象のクライアントPC110、デバイス310、デバイス310が接続されているデバイスサーバ200を識別するための識別情報(機器情報、宛先情報など)を関連付けた「制御情報」(以下、「ID情報」)が登録されている。
【0026】
図2は、ユーザIDリスト108の一例を示したものであり、ユーザIDリストサイズ、ユーザID登録数、ID情報(1〜N個)から構成されている。ユーザIDリストサイズはリスト全体のデータサイズ、ユーザID登録数はリストに登録されているID情報の個数を示す情報である。各ID情報(1〜N)は、以下で説明する「ユーザID」、「PC情報」、「デバイス識別情報」を関連付けた情報である。
【0027】
「ユーザID」は、例えば、IDカードなどの記録媒体の固有IDやユーザに割り当てたユニークなID、若しくは、これらを組み合わせた情報などであり、ユーザを特定するための固有情報であれば、これらに限定されるものではない。「PC情報」は、デバイス310を制御するクライアントPC110を識別するための宛先情報(IPアドレス、サブネットマスクなど)などが含まれた識別情報(第一の識別情報)である。「デバイス識別情報」は、クライアントPC110の制御対象となるデバイス310の個体を識別するための「機器情報」(ベンダーID、製品ID、シリアル番号など)と、デバイス310が接続されているデバイスサーバ200を識別するための宛先情報(MACアドレス等)などの「デバイスサーバ情報」が含まれた識別情報(第二の識別情報)である。
【0028】
なお、情報管理PC100に可搬型記憶媒体を接続したり、ネットワーク経由でアクセスするなどの方法によって、ユーザIDリスト108に登録される「ID情報」を更改(追加・変更・削除)することも可能である。
【0029】
<3.クライアントPC110の構成>
クライアントPC110(100A、100B)は、本発明の「クライアント装置」の実施形態の一例で、CPU、入力部、表示部、メモリ、通信部、外部記憶部などが内部バスで接続されており、ネットワーク500を介してデバイスサーバ200と通信することが可能な装置である。上述した情報管理PC100と同等の機能を備えており、その構成の違いは、「監視情報」及び「制御情報」を外部記憶部に格納(保有)していない点である。
【0030】
外部記憶部には、アプリケーションプログラムやOS(共に不図示)、制御プログラム111、デバイスドライバ112、仮想化制御部113、通信制御部114などのソフトウェア部品が格納され、CPUの制御に従い、メモリ上に読み出されて各種制御が実行される。上述した情報管理PC100の各ソフトウェア部品(制御プログラム101、デバイスドライバ102、仮想化制御部103、通信制御部104)と同等の構成を備えており、定義ファイル106、トリガ検知アルゴリズム107、ユーザIDリスト108を保有していない点のみが異なるため、これらの詳細な説明は省略し、以下、相違点のみを説明する。
【0031】
クライアントPC110の制御プログラム111は、デバイス310を制御するソフトウェア部品であり、デバイスサーバ200からの「接続要求」(後述)を受信すると、これに基づき制御対象となるデバイス310とのデータ送受信に必要なデバイスドライバ112及び仮想化制御部113を一意に特定し、動的に生成・起動する。これに続き、通信制御部114に対してデバイスサーバ200との間でセッションを開始させ、デバイスドライバ112及び仮想化制御部113を用いることで、デバイスサーバ200を介して、当該デバイス310との間のデータ送受信を制御する。また、定義ファイル106、トリガ検知アルゴリズム107、ユーザIDリスト108などのデータを保有していないため、これらのデータを用いた制御は行われない。
【0032】
<4.デバイスサーバ200の構成>
デバイスサーバ200(200A、200B)は、本発明における「デバイス制御装置」の実施形態の一例であり、CPU、メモリ、通信部、USBインターフェース、外部記憶部などが内部バスで接続され、ネットワーク500を介して情報管理PC100、クライアントPC110と通信し、又、接続ケーブル400でローカル接続されているトリガ用デバイス300やデバイス310(以下、総称して「デバイス」)とデータ送受信が可能な装置である。
【0033】
外部記憶部には、OS(不図示)、通信制御部201、デバイス制御部202などのソフトウェア部品が格納されるとともに各種データがデータ記憶部203に格納される。これらソフトウェア部品及び各種データは、CPUの制御に従い、メモリ上に読み出されて各種制御が実行される。
【0034】
通信制御部201は、OSの制御に従ってネットワーク500経由で接続されている情報管理PC100やクライアントPC110との間のセッションを制御(開始、切断)するとともに、情報管理PC100、クライアントPC110と通信するための「ネットワークパケット」とトリガ用デバイス300やデバイス310との間で送受信する「USBデータ」との変換処理を行い、デバイス制御部202と連携して情報管理PC100とトリガ用デバイス300間並びにクライアントPC110とデバイス310間のデータ送受信を仲介(中継)するための機能部である。
【0035】
デバイス制御部202は、「デバイス」を制御するための機能部である。また、通信制御部201を介してデバイス個体情報204、定義ファイル205、トリガ検知アルゴリズム206、ID情報を取得し、取得したこれらの情報(データ)に基づいて、以下で説明する処理を実行するための機能を備えている。
【0036】
(1)「デバイス」から取得したデバイス個体情報204を情報管理PC100に送信する機能、(2)情報管理PC100から定義ファイル106/トリガ検知アルゴリズム107を受信(取得)する機能、(3)定義ファイル205及びトリガ検知アルゴリズム206(後述)を用いてトリガ用デバイス300を一定間隔で監視(ポーリング)する「トリガ検知処理」を実行し、状態変化を検知すると、当該検知を示す情報(以下、トリガ通知)を情報管理PC100へ送信する機能、(4)トリガ用デバイス300から「ユーザID」を取得して、これを情報管理PC100に送信し、当該「ユーザID」に応じた「ID情報」(後述)を取得する機能、(5)「ID情報」に含まれるユーザIDとトリガ用デバイス300から取得した「ユーザID」とを照合する機能、(6)「ID情報」の中の「デバイス識別情報」を含んだ「接続要求」(後述)を生成し、同「ID情報」の中の「PC情報」によって識別されるクライアントPC110に対して送信する機能を備えている。
【0037】
データ記憶部203には、以下で説明するデバイス個体情報204、定義ファイル205、トリガ検知アルゴリズム206、ID情報207などの各種データが格納される。
【0038】
デバイス個体情報204は、「デバイス」を個体ごとに識別するための情報であって、メーカーを識別するために機器を製造したメーカーごとに割り当てられたベンダーID(VID)、機種を識別するために機種ごとに割り当てられた製品ID(PID)、機器の個体を識別するために個々の機器に割り当てられたシリアル番号などである。「デバイス」が接続されたときなどに、デバイス制御部202によって「デバイス」から取得する情報である。
【0039】
定義ファイル205とトリガ検知アルゴリズム206は、デバイスサーバ200自身に接続されたトリガ用デバイス300の監視(ポーリング)に必要な情報であり、デバイス個体情報204をもとに情報管理PC100から取得する。情報管理PC100のデータ記憶部105に格納されているN組の定義ファイル106、トリガ検知アルゴリズム107の中からトリガ用デバイス300の機種に応じた組み合わせが選択されるもので、選択される組み合わせの数は1つに限らず、複数であってもよい。なお、上述した定義ファイル106、トリガ検知アルゴリズム107の中から選択されたものであるため、詳細な説明は省略する。
【0040】
ID情報207は、トリガ用デバイス300から取得した「ユーザID」をもとに情報管理PC100から取得する情報である。上述した情報管理PC100のデータ記憶部105に格納されているユーザIDリスト108の中から選択されたID情報であるため、その詳細な説明は省略する。
【0041】
上述した構成を備えたデバイス制御装置は、本発明のデバイス制御システムに少なくとも1台設置されていればよい。本実施例では、図1に示すデバイスサーバa200Aがこれに該当する。一方、デバイスサーバb200Bは、トリガ用デバイス300を接続していないため、上述したデバイス制御部202の(1)〜(6)の機能については、動作しない、若しくは、同機能を具備していないものとして説明する。
【0042】
<5.トリガ用デバイス300の構成>
トリガ用デバイス300は、本発明の「第一のデバイス」の実施形態の一例で、USBインターフェースを持ち、「ユーザID」を取得するためのユーザID取得手段(機能)を備えた機器(デバイス)である。「ユーザID」は、ユーザが手動で入力操作を行う、ユーザIDが記録されている可搬型記録媒体を機器に接続又は接触させる、近づける(かざす)などの方法で取得されるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
例えば、トリガ用デバイス300がカードリーダのような機器である場合、ICカードがかざされ、カードリーダが読み取り処理を実行すると、この読み取り処理の動作がデバイスの状態変化としてデバイスサーバ200で検知され、情報管理PC100に通知される。
【0044】
ここで、トリガ用デバイス300の状態変化とは、機器の動作状態の変化のことであり、カードリーダに対してカードの読み取り操作(ユーザIDの取得)が行われたことや、操作ボタンが押下されたことなどによって生じるものであるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
<6.デバイス310の構成>
デバイス310(310A、310B)は、USBインターフェースを持つ汎用的な入出力機器(デバイス)である。例えば、キーボード、マウスのような入力機器、ディスプレイなどの表示(出力)機器、プリンタなどの単機能周辺機器(SFP:Single Function Peripheral)、或いは、プリント機能の他にスキャン機能やコピー機能、ストレージ機能などを兼ね備えた多機能周辺機器(MFP:Multi Function Peripheral)である。ただし、これらに限定されるものでなく、別のデバイスであってもよい。なお、デバイス310は、上述したトリガ用デバイス300の機能(構成)を具備した機器であってもよい。
【0046】
なお、上述したデバイスサーバ200、トリガ用デバイス300、デバイス310は、それぞれ別体の装置、機器として説明したが、これに限定されるものではなく、デバイスサーバ200をトリガ用デバイス300又はデバイス310と一体構造としても良い。
【0047】
<7.デバイス制御システムの概略シーケンス>
次に、上述したデバイス制御システムの動作シーケンスについて説明する。図3は、トリガ用デバイス300における状態変化の検知を契機に、クライアントPC110とデバイス310(310A又は310B)との間でデータ送受信が実行されるまでの過程を示したシーケンス図である。
【0048】
<7−1.トリガ検知処理を開始するまでの動作>
デバイスサーバa200Aは、「デバイス」が接続されると、当該「デバイス」のデバイス個体情報を取得し、デバイス個体情報204としてデータ記憶部203に格納する(タイミングT301、T302)。
【0049】
このとき、取得したデバイス個体情報にシリアル番号が格納されているか否かを判断し、シリアル番号が格納されていない場合は、デバイスサーバa200Aの有する固有情報(例えば、MACアドレスなど)及びトリガ用デバイス300が接続されているポートの固有情報(例えば、ポート番号など)からシリアル番号に相当する固有情報を生成し、デバイス個体情報に追加することで、シリアル番号が格納されていない同一機種が複数接続された場合でも識別可能となる。
【0050】
情報管理PC100の制御プログラム101は、デバイスサーバa200Aにローカル接続された「デバイス」を確認するために、通信制御部104を介して、デバイスサーバa200Aに対して検索パケットを送信する。例えば、UDP(User Datagram Protocol)などのプロトコルを用いて、デバイスサーバa200Aに対する検索(問い合わせ)を行う。デバイスサーバa200Aは、検索パケットを受信すると、データ記憶部203に格納しているデバイス個体情報204を情報管理PC100に送信する。
【0051】
情報管理PC100の制御プログラム101は、デバイスサーバa200Aからデバイス個体情報204を取得すると、デバイス個体情報204に含まれているベンダーID(VID)と製品ID(PID)、シリアル番号などにより「デバイス」の識別処理を行う。識別処理の結果、「デバイス」がトリガ用デバイス300である場合、当該デバイス個体情報204に含まれている個体を識別するための情報に基づいて、デバイスドライバ102、仮想化制御部103などのソフトウェア部品を一意に特定し、順次、動的に生成して起動する(タイミングT303、T304)。これらのソフトウェア部品によって、トリガ用デバイス300との間で仮想化制御が可能な状態となる。
【0052】
また、情報管理PC100の制御プログラム101は、データ記憶部105に格納している定義ファイル、トリガ検知アルゴリズムの中から、デバイス個体情報204に基づいて識別したトリガ用デバイス300の機種に対応した定義ファイル106、トリガ検知アルゴリズム107を特定する。
【0053】
そして、特定した定義ファイル106、トリガ検知アルゴリズム107を含んだインストール用パケットを生成し、通信制御部104によってデバイスサーバa200Aとの間でセッションを開始させて、生成したインストール用パケットをデバイスサーバa200Aに対して送信する(タイミングT305、T306)。
【0054】
なお、応答がない(タイムアウト)、接続拒否など、何らかの理由でセッションを開始することができない場合、デバイスサーバa200Aは、エラー処理(例えば、トリガ用デバイス300に対してエラー通知する、自装置でアラーム報知するなど)を実行し、処理を終了させる。
【0055】
デバイスサーバa200Aは、インストール用パケットを受信すると、このパケットに含まれる定義ファイル106とトリガ検知アルゴリズム107をインストールし、それぞれ定義ファイル205とトリガ検知アルゴリズム206としてデータ記憶部203に格納する(タイミングT307)。情報管理PC100の制御プログラム101は、インストール用パケットの送信後、通信制御部104によってデバイスサーバa200Aとのセッションを切断させる(タイミングT308)。
【0056】
なお、情報管理PC100の制御プログラム101は、デバイス個体情報204による識別処理の結果、トリガ用デバイス300以外の「デバイス」であると識別した場合、ソフトウェア部品の生成処理は実行しない。
【0057】
<7−2.トリガ検知処理>
デバイスサーバa200Aのデバイス制御部202は、データ記憶部203に格納した定義ファイル205とトリガ検知アルゴリズム206を用いて、トリガ用デバイス300のトリガ検知処理(監視処理)を開始する。
【0058】
デバイスサーバa200Aのデバイス制御部202は、トリガ用デバイス300の状態変化が生じる(例えば、「ユーザID」の入力(取得)操作が行われる)と、これをデバイスの状態変化として検知し、この検知を示すトリガ通知を、通信制御部201を介して情報管理PC100に送信する(タイミングT309、T310)。
【0059】
情報管理PC100の制御プログラム101は、デバイスサーバa200Aからトリガ通知を受信すると、通信制御部104によってデバイスサーバa200Aとセッションを開始させて、デバイスサーバa200Aを介してトリガ用デバイス300から「ユーザID」を取得する(タイミングT311、T312)。そして、この「ユーザID」をもとに、データ記憶部105に格納しているユーザIDリスト108を検索し、該当する「ID情報」をデバイスサーバa200Aへ送信する(タイミングT313)。なお、ユーザIDリスト108を検索しても、該当する「ID情報」が見つからない場合、デバイスサーバa200Aに「該当なし」を示す情報を通知する。
【0060】
デバイスサーバa200Aは、情報管理PC100からの「ID情報」を受信すると、これをID情報207としてデータ記憶部203に格納する(タイミングT314)。情報管理PC100の制御プログラム101は、「ID情報」の送信後、通信制御部104によってデバイスサーバa200Aとのセッションを切断させる(タイミングT315)。
【0061】
なお、応答がない(タイムアウト)、接続拒否など、何らかの理由でセッションを開始することができない場合、デバイスサーバa200Aは、エラー処理(例えば、トリガ用デバイス300に対してエラー通知する、自装置からアラームを報知するなど)を実行し、処理を終了させる。
【0062】
<7−3.クライアントPCとデバイスのデータ送受信(1)>
デバイスサーバa200Aのデバイス制御部202では、取得した「ID情報」に基づいて「接続要求」を生成し、当該「接続要求」をID情報207に格納されている「PC情報」により識別したクライアントPCa110Aに対して送信する(タイミングT316)。
【0063】
図4は、デバイスサーバa200Aが、クライアントPC110に対して送信する「接続要求」のパケットのデータ構造を例示したものである。ヘッダ部には、本システムのプロトコルであることを識別するための「署名データ」、当該パケットのデータサイズを示す「電文サイズ」、クライアントPC110への接続要求であることを示す「コマンドID」が格納される。データ部には、ID情報207の「デバイス識別情報」に含まれている「機器情報」(「ベンダーID」、「製品ID」、「シリアル番号」)と「デバイスサーバ情報」が格納される。ここでは、デバイスa310Aの「機器情報」、デバイスa310Aが接続されているデバイスサーバa200Aの「デバイスサーバ情報」が格納される。
【0064】
クライアントPCa110Aの制御プログラム111は、デバイスサーバa200Aから「接続要求」を受信すると、当該「接続要求」に格納されている「デバイス識別情報」によって、制御対象となるデバイス及びデバイスサーバを識別する。ここでは、「機器情報」としてデバイスa310A、「デバイスサーバ情報」としてデバイスサーバa200Aの情報が格納されている。
【0065】
そして、「機器情報」により識別されたデバイスa310Aの制御に必要となるソフトウェア部品(デバイスドライバ112、仮想化制御部113など)を生成する(タイミングT317)。このソフトウェア部品の生成・起動によって、デバイスa310Aに対する仮想化制御が可能になる。
【0066】
続いて、クライアントPCa110Aは、「デバイスサーバ情報」により識別したデバイスサーバa200Aに対して接続開始要求を送ってセッションを開始し、デバイスサーバa200Aを介して、デバイスa310aとの間でデータ送受信(制御/処理)が実行される(タイミングT318、T319)。そして、クライアントPCa110Aの通信制御部104によって、データ送受信の完了が検知される(例えば、ユーザの終了操作の検知など)と、デバイスサーバa200Aとのセッションが切断される(タイミングT320)。
【0067】
なお、応答がない(タイムアウト)、接続拒否など、何らかの理由でセッションを開始することができない場合、デバイスサーバa200Aは、エラー処理(例えば、トリガ用デバイス300に対してエラー通知する、自装置でアラーム報知するなど)を実行し、処理を終了させる。
【0068】
上述した通り、本発明のデバイス制御装置に該当するデバイスサーバ200(200A)は、自装置に接続されたトリガ用デバイス300に対するユーザIDの入力を契機にして、当該ユーザIDに関連付けられたネットワーク上の所望(任意)のクライアントPC110と所望(任意)のデバイス310との間でデータ送受信を実行(開始)させることができる。
【0069】
<7−4.クライアントPCとデバイスのデータ送受信(2)>
また、デバイスサーバa200Aは、図1に示すクライアントPCb110Bとデバイスb310Bとの間でデータ送受信を実行させることも可能である。
【0070】
この場合、上述した図3のタイミングT313において、デバイスサーバa200Aが情報管理PC100から取得するID情報207には、クライアントPCb110Bの「PC情報」、「デバイス識別情報」であるデバイスb310Bの「機器情報」、デバイスサーバb200Bの「デバイスサーバ情報」が格納されている。
【0071】
デバイスサーバa200Aは、このID情報207に格納されている「PC情報」で識別したクライアントPCb110Bに対して、デバイスb310Bの「機器情報」及びデバイスサーバb200Bの「デバイスサーバ情報」を格納した「接続要求」を送信する(タイミングT321)。
【0072】
クライアントPCb110Bでは、受信した「接続要求」の「機器情報」により識別したデバイスb310Bのソフトウェア部品(デバイスドライバ112、仮想化制御部113など)を生成し、「デバイスサーバ情報」で識別したデバイスサーバb200Bとの間でセッションを開始することにより、デバイスサーバb200Bを介して、クライアントPCb110Bとデバイスb310bとの間でデータ送受信が行われる。データ送受信が完了すると、クライアントPCb110Bがセッションを切断する(タイミングT322〜T325)。
【0073】
上述のように、本発明のデバイスサーバ200(200A)は、自装置以外のデバイスサーバb200Bに接続されているデバイスb310BとクライアントPCb110Bとの間でデータ送受信を実行(開始)させることも可能である。
【0074】
また、1台のクライアントPCで複数のデバイスを制御させたり、複数のクライアントPCにそれぞれ別のデバイスを制御させることも可能である。
【0075】
例えば、図2に示すID情報[2]は、クライアントPCa110A(1台)によって、それぞれ別のデバイスサーバ200A、200Bに接続されているデバイスa310A、デバイスb310Bを制御させるため「ID情報」であり、1つの「ユーザID」に対して、クライアントPCa110Aの「PC情報」が関連付けられ、この「PC情報」に対して2つのデバイス310(310A、310B)の「機器情報」が関連付けられ、さらに、それぞれの接続先となるデバイスサーバ200(200A、200B)の「デバイスサーバ情報」が関連付けられている。
【0076】
また、図2に示すID情報[3]は、各クライアントPCがそれぞれ別のデバイスサーバに接続されているデバイスを制御する場合の「ID情報」の一例であり、1つの「ユーザID」に対して、2つのクライアントPC110(110A、100B)の「PC情報」が関連付けられ、それぞれの「PC情報」に制御対象となるデバイス310(310A、310B)の「機器情報」が関連付けられ、さらに、それぞれの接続先となるデバイスサーバ200(200A、200B)の「デバイスサーバ情報」が関連付けられている。
【0077】
このように、「ユーザID」に関連付ける「PC情報」、「デバイス識別情報」を変えることにより、ネットワークに接続されているクライアントPCとデバイスの組み合わせを変えて、多種多様な処理/制御を実現させることができる。
【0078】
例えば、「ユーザID」が異なるICカードを使い分けることにより、目的に応じたクライアントPCとデバイスの組み合わせを指定して、所望の処理/制御を実行させることも可能となる。
【0079】
また、「ID情報」に、複数の「PC情報」、「デバイス識別情報」を関連付けておくことで、クライアントPCやデバイスを選択したり、切り替えることも可能となる。
【0080】
例えば、デバイスサーバ200やデバイス310に「ID情報」で識別したクライアントPCやデバイスの情報(名称など)を表示させて、ユーザに切り替え対象を選択させる表示/選択機能を設ける。また、別の方法として、「ID情報」を登録する際に、最初にデータ送受信を開始させるクライアントPC110とデバイス310を指定(設定)しておき、データ送受信が開始された後、デバイスサーバ200やデバイス310からの指示(操作)によって、クライアントPC110に選択/切り替えの要求を送り、この要求に従ってクライアントPC110が選択/切り替えの制御を行うようにすることも可能である。
【0081】
なお、所望のクライアントPC110、デバイス310によってデータ送受信が実行できない場合に備えて、「ID情報」に、代替先となるクライアントPC110、デバイス310の「PC情報」、「デバイス識別情報」を関連付けておき、エラー発生が検知されると、デバイスサーバ200又はデバイス310からの指示(操作)、若しくは、自動的に代替先への選択/切り替えを実行させることも可能である。
【0082】
<8.デバイス制御システムの適用例>
図5は、情報管理PC100、クライアントPC110、デバイスサーバ200、カードリーダ300a、入力機器311、表示機器312、出力機器313から構成されている。これは、図1のデバイス制御システムのデバイスサーバa200Aをデバイスサーバ200、トリガ用デバイス300をカードリーダ300a、デバイスa310Aを3台のデバイス(入力機器311、表示機器312、出力機器313)に置き換えた構成である。図1とは異なり、情報管理PC100及びクライアントPC110がデバイスサーバ200と同一のネットワーク500には接続されておらず、ネットワーク500を経由した外部ネットワーク600(例えば、インターネットなど)に接続されている。
【0083】
なお、外部ネットワーク600に接続されている点を除き、各装置や機器の構成及びその機能、接続形態などについては、上述した図1における説明と同じであり、また、入力機器311はキーボードやマウス、表示機器312はディスプレイ、出力機器313はプリンタや複合機など汎用的(一般的)な機器(デバイス)であるため、これらの詳細な説明は省略する。
【0084】
<8−1.システムの概略シーケンス>
次に、図5のデバイス制御システムのシーケンスについて、図3を参照しながら説明するが、重複する箇所については簡略化して説明する。なお、ここでは、クライアントPC110が3台のデバイス(入力機器311、表示機器312、出力機器313)すべてとデータ送受信(接続)するものとして説明する。
【0085】
<8−2.トリガ検知処理>
トリガ検知処理の実行開始までは、図3のタイミングT301〜T308と同じシーケンスであり、デバイスサーバ200は、情報管理PC100から取得した定義ファイル205、トリガ検知アルゴリズム206を用いて、カードリーダ300aのトリガ検知処理(監視処理)を実行する(タイミングT301〜T308)。
【0086】
<8−3.トリガ検知>
ここで、カードリーダ300aにIDカードがかざされると、ユーザIDの読み取り処理が実行される。これをデバイスサーバ200が状態変化として検知し、トリガ通知を情報管理PC100へ送信する(タイミングT309、T310)。
【0087】
情報管理PC100は、トリガ通知を受信すると、デバイスサーバ200とセッションを開始し、デバイスサーバ200を介して、カードリーダ300aで読み取られた「ユーザID」を取得する。そして、この「ユーザID」をもとにユーザIDリスト108を検索し、該当する「ID情報」をデバイスサーバ200へ送信し、その後、セッションを切断する。(タイミングT310〜T315)。なお、「ID情報」には、3台分のデバイス(入力機器311、表示機器312、出力機器313)の「デバイス識別情報」が関連付けられている。
【0088】
なお、応答がない(タイムアウト)、接続拒否など、何らかの理由でセッションを開始することができない場合、デバイスサーバ200は、エラー処理(例えば、トリガ用デバイス300に対してエラー通知する、自装置でアラーム報知するなど)を実行し、処理を終了させる。
【0089】
<8−4.クライアントPCとデバイスのデータ送受信>
デバイスサーバ200では、「接続要求」を生成し、情報管理PC100から受信したID情報207に含まれる「PC情報」により識別したクライアントPC110に対して送信(発行)する(タイミングT316)。
【0090】
クライアントPC110は、受信した「接続要求」に含まれている「機器情報」により識別したデバイス310の仮想化制御に必要となるソフトウェア部品(デバイスドライバ112、仮想化制御部113など)を生成する(タイミングT317)。なお、「接続要求」には、3台分のデバイス(入力機器311、表示機器312、出力機器313)の「機器情報」が格納されているので、3つのソフトウェア部品(不図示)が生成される。
【0091】
次に、クライアントPC110は、「接続要求」に格納されている「デバイス識別情報」により識別したデバイスサーバ200と外部ネットワーク600及びネットワーク500を経由してセッションを開始し、各ソフトウェア部品(不図示)によって、デバイスサーバ200を介して3台のデバイス(入力機器311、表示機器312、出力機器313)との間でデータ送受信が可能となる(タイミングT319)。
【0092】
ここで、例えば、入力機器311(キーボード又はマウスなど)を操作してクライアントPC110内のアプリケーションプログラム(不図示)を使って所望の処理を実行させ、その実行結果を表示機器312(ディスプレイ)に表示させたり、出力機器313(プリンタ又は複合機など)に出力させる、というような処理/制御(データ送受信)が可能となる。そして、入力機器311(キーボード又はマウスなど)によって終了操作を行うと、クライアントPC110がセッションを切断し、データ送受信が終了する(タイミングT320)。
【0093】
本発明のデバイス制御システムでは、ネットワークに接続されている所望(任意)のクライアントPCとデバイスを組み合わせて利用することができるので、上述のような、外部ネットワーク600(例えば、インターネットなど)を経由した構成も可能であり、柔軟にシステムを構築できる。
【0094】
また、別の実施形態として、本発明のデバイス制御システムをテレビ会議システムに適用した場合、図5で説明したデバイスサーバ200に接続するデバイスをカメラとマイクロフォン(入力機器311)、ディスプレイ(表示機器312)とし、デバイスサーバ200、カードリーダ300aと併せて遠隔地の拠点にそれぞれ設置しておけば、各拠点のカードリーダ300aにIDカードをかざすだけで、デバイスサーバ200に必要なデバイスすべてがマウントされ、拠点間でデータ通信可能な状態となるので、システムのセッティングを簡単に行うことができる。
【0095】
さらに、本発明のデバイス制御システムをクラウド・コンピューティング(以下、クラウド)の技術を用いて構成することも可能である。クラウドとは、サービスやストレージなどのコンピュータリソースを組み合わせて、あるひとつのリソース(資源)を構成し、ユーザがこのリソース(資源)の所在を意識することなく、インターネットなどのネットワークを通じて利用できるという概念である。以下、ネットワークを介してアクセス可能なハードウェア/ソフトウェア資源の集合体を「クラウド」と定義して説明する。
【0096】
「クラウド」を利用して本発明のデバイス制御システムを構成する場合は、図1で説明した情報管理PC100に相当する機能(サービス)を「クラウド」内に導入(構築)しておく。また、デバイスサーバ200、トリガ用デバイス300、デバイス310、クライアントPC110を「クラウド」と接続するためのネットワーク上に所望の形態で接続(配置)する。そして、「クラウド」内(の情報管理PC100相当)に「ID情報」を登録することによって、実施例(図1)と同等のシステムを実現できる。「クラウド」を利用することによって、装置や機器をネットワーク上に任意に配置することが可能となるため、システムを柔軟に構成(変更・拡張)することができるようになる。
【0097】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、以下に説明する実施の形態も可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
【0098】
<複数のデバイスサーバによるユーザIDリストの保持>
情報管理PC100のデータ記憶部105に格納しているユーザIDリスト108を複数のデバイスサーバ200が保持する構成も可能である。この場合、各デバイスサーバ200が同一のユーザIDリストを保持する、若しくは、それぞれのデバイスサーバ200が自装置に接続されているデバイス310に関係している「ID情報」のみをユーザIDリストとして保持する構成とし、情報管理PC100は、「ユーザID」のみを管理(保持)するようにする。
【0099】
そして、情報管理PC100は、トリガ用デバイス300から取得された「ユーザID」の照合のみを行い、その照合結果を該当するデバイスサーバ200に返送する。デバイスサーバ200は、情報管理PC100における「ユーザID」の照合結果が正常であるとき、自装置が保持しているユーザIDリストを参照し、当該「ユーザID」に対応する「ID情報」に従って、クライアントPC110とデバイス310との間のデータ送受信を実行させる。
【0100】
<定義ファイル/アルゴリズムの別の取得(インストール)方法>
デバイスサーバ200は、定義ファイルとトリガ検知アルゴリズムを情報管理PC100からではなく、可搬型記憶媒体から取得するようにしてもよい。
【0101】
<定義ファイル/アルゴリズムをすでに保持している場合>
また、デバイスサーバ200は、以前に同一機種のトリガ用デバイス300が接続されたときに、該当する定義ファイルとトリガ検知アルゴリズムを取得、格納(インストール)している場合は、改めて取得・格納を行わなくてもよい。さらに、情報管理PC100に対して、定義ファイルとトリガ検知アルゴリズムの送信が不要である旨を通知してもよい。
【0102】
<トリガ通知先が複数の場合>
また、複数台の情報管理PC100を配置するシステム構成も可能である。この場合、デバイスサーバ200は、複数の情報管理PC100に対してトリガ通知を送信し、最初にセッションの接続開始要求を送信してきた情報管理PC100に対して、トリガ用デバイス300との接続(データ送受信)を許可すればよい。或いは、接続開始要求を送信した複数の情報管理PC100のうち、任意の台数のみ、トリガ用デバイス300との接続を許可するように制御してもよい。また、特定の1台の情報管理PC100が、電源オフや故障などでトリガ通知の受信が不可能な場合には、別の情報管理PC100を代替の宛先としてトリガ通知を送信するように制御してもよい。
【0103】
<定義ファイルとトリガ検知アルゴリズムについて>
図1の情報管理PC100には、トリガ用デバイス300に対応した定義ファイル106とトリガ検知アルゴリズム107が両方ともに格納されており、デバイスサーバ200が情報管理PC100から定義ファイル106とトリガ検知アルゴリズム107を受信する方法(構成)を説明したが、下記のような方法(構成)も可能である。
【0104】
(1)デバイスサーバ200に予め必要なトリガ検知アルゴリズム107を格納させておき、情報管理PC100には、定義ファイル106のみを格納させる。この場合、デバイスサーバ200は、情報管理PC100から、機器情報によって特定されるトリガ用デバイス300の機種に対応した定義ファイル106のみを受信することになる。
【0105】
例えば、ソフトウェア・ハードウェアの仕様・設計に依拠する場合やシステムの運用・管理上の理由などから、デバイスサーバ200へのアクセスが制限されており、トリガ検知アルゴリズム(プログラムコード)を受信して実行(又はインストール)できない場合に適用できる構成である。本構成は、トリガ検知アルゴリズム(プログラムコード)がデバイスサーバに予め格納されているため、改竄が困難であるというメリットがある。
【0106】
(2)デバイスサーバ200は、特定したトリガ用デバイス300の機種に対応するトリガ検知アルゴリズムや定義ファイルを保持していない場合にのみ、情報管理PC100などから必要なトリガ検知アルゴリズムや定義ファイルを取得するようにしてもよい。
【0107】
さらに、デバイスサーバ200若しくは情報管理PC100でトリガ検知アルゴリズムや定義ファイルを管理して、これらの追加・更新などが必要か否かを判断させるようにしてもよい。このような構成とすることで、デバイスサーバ200は、追加・更新などの必要性が生じたときだけ、トリガ検知アルゴリズムや定義ファイルの全部又は一部を取得できるようになる。
【0108】
また、上述した実施例のように、デバイスサーバ200が情報管理PC100からトリガ検知アルゴリズムや定義ファイルを受信するのではなく、デバイスサーバ200が情報管理PC100にアクセスしてダウンロード(取得)するように構成してもよい。この場合、情報管理PC100は、該当するトリガ検知アルゴリズムや定義ファイルを保持していることだけをデバイスサーバ200に通知すればよい。
【0109】
上述したトリガ検知アルゴリズム1つに対して複数の定義ファイルを対応付けることで、複数のトリガ用デバイス300を連携させて制御することも可能である。例えば、デバイスAとデバイスBを連携させて制御する場合、両方のデバイスからのトリガ通知を受信した後、デバイスAの動作を開始させる、というような制御を行うことができる。
【0110】
なお、本発明は、デバイスサーバ200に対して機種の異なる複数のトリガ用デバイス300が接続される場合にも適用可能である。この場合、デバイスサーバ200には、各デバイスに応じた定義ファイルとトリガ検知アルゴリズムが機種ごとに格納される(複数組が格納される)。そして、各デバイスに適ったトリガ検知アルゴリズムと定義ファイルの組み合わせに基づきトリガ検知処理が実行され、それぞれのトリガ用デバイス300ごとの状態変化を検知することができる。
【0111】
また、本発明の目的は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して処理を実行することによっても達成することができる。
【0112】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0113】
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現されるように構成しても良い。
【0114】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、このプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を実行し、その処理に応じて上述した実施形態が実現される場合も含んでいる。
【0115】
なお、プログラムコードを供給するため、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CDやDVDに代表される光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等の記憶媒体を用いることができる。又は、プログラムコードは、ネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
100:情報管理PC
101:制御プログラム
102:デバイスドライバ
103:仮想化制御部
104:通信制御部
105:データ記憶部
106:定義ファイル
107:トリガ検知アルゴリズム
108:ユーザIDリスト
110(110A,110B):クライアントPC
111:制御プログラム
112:デバイスドライバ
113:仮想化制御部
114:通信制御部
200(200A,200B):デバイスサーバ
201:通信制御部
202:デバイス制御部
203:データ記憶部
204:デバイス個体情報
205:定義ファイル
206:トリガ検知アルゴリズム
207:ID情報
300:トリガ用デバイス/300a:カードリーダ
310A,310B:デバイス
311:入力機器
312:表示機器
313:出力機器
400:接続ケーブル
500:ネットワーク
600:外部ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置にローカル接続された第一のデバイスの状態変化を監視するためのトリガ検知アルゴリズム及び/又は定義ファイルに基づいて、当該第一のデバイスを監視するデバイス監視手段と、
前記デバイス監視手段によって、前記第一のデバイスの状態変化を検知した場合、当該検知を示すトリガ通知を、ネットワークを介して接続されている情報管理装置に送信するトリガ通知送信手段と、
前記状態変化を検知した第一のデバイスからユーザを特定するための固有情報であるユーザIDを取得するユーザID取得手段と、
前記ユーザID取得手段で取得した前記ユーザIDを前記情報管理装置に対して送信するユーザID送信手段と、
前記ユーザIDと関連付けられた制御情報であって、ネットワークを介して接続されているクライアント装置を識別するための第一の識別情報及び当該クライアント装置が制御する第二のデバイスを識別するための第二の識別情報を含んだ制御情報を、前記情報管理装置から取得する制御情報取得手段と、
前記制御情報取得手段で取得した制御情報の第一の識別情報によって識別したクライアント装置に対して、当該制御情報の第二の識別情報を含んだ接続要求を生成して送信する接続要求手段と、
前記接続要求を受信したクライアント装置からの接続開始要求に応じて、当該クライアント装置とのセッションの制御を開始するセッション制御手段と
を備えることを特徴とするデバイス制御装置。
【請求項2】
前記デバイス監視手段は、前記第一のデバイスに対して前記ユーザIDの取得操作が実行されたときの状態変化を検知すること
を特徴とする請求項1に記載のデバイス制御装置。
【請求項3】
前記接続要求手段は、前記制御情報に前記第一の識別情報が複数含まれている場合、当該第一の識別情報で識別されたクライアント装置それぞれに対して、前記接続要求を送信すること
を特徴とする請求項1に記載のデバイス制御装置。
【請求項4】
自装置にローカル接続されたデバイスの個体を識別するためのデバイス個体情報を取得するデバイス個体情報取得手段と、
前記デバイス個体情報取得手段で取得したデバイス個体情報を、前記情報管理装置に対して送信するデバイス個体情報送信手段と、
前記デバイス個体情報を受信した前記情報管理装置から、当該デバイス個体情報で識別される前記第一のデバイスの状態変化を監視するための前記トリガ検知アルゴリズム及び/又は定義ファイルを取得する監視情報取得手段と、を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載のデバイス制御装置。
【請求項5】
デバイスがローカル接続されているデバイス制御装置に、ネットワークを介して接続されている情報管理装置であって、
ユーザを特定するための固有情報であるユーザIDと関連付けられた制御情報であって、前記ネットワークを介して接続されているクライアント装置を識別するための第一の識別情報及び当該クライアント装置が制御する第二のデバイスを識別するための第二の識別情報を含んだ制御情報を記憶している制御情報記憶手段と、
前記デバイスの状態変化を検知した前記デバイス制御装置から当該状態変化の検知を示すトリガ通知を受信するトリガ通知受信手段と、
前記トリガ通知受信手段によって受信された前記トリガ通知に応じて、前記デバイス制御装置とのセッションを開始するセッション制御手段と、
前記デバイス制御装置とのセッションを介して、前記ローカル接続されているデバイスからユーザを特定するための固有情報であるユーザIDを取得するユーザID取得手段と、
前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報の中から、前記ユーザID取得手段によって取得された前記ユーザIDに関連付けられている制御情報を検索する制御情報検索手段と、
前記制御情報検索手段で検索した前記制御情報の前記第二の識別情報で識別されるデバイスが接続されているデバイス制御装置に対して、当該制御情報を送信する制御情報送信手段と、を備えること
を特徴とする情報管理装置。
【請求項6】
前記デバイス制御装置から、当該デバイス制御装置にローカル接続されたデバイスの個体を識別するためのデバイス個体情報を取得するデバイス個体情報取得手段と、
前記デバイスの状態変化を監視するためのトリガ検知アルゴリズム及び定義ファイルの少なくとも一方を1つ以上記憶している監視情報記憶手段と、
前記監視情報記憶手段に記憶された前記トリガ検知アルゴリズム及び前記定義ファイルの少なくとも一方の中から、前記デバイス個体情報取得手段で取得した前記デバイス個体情報によって識別される特定のデバイスに適う前記トリガ検知アルゴリズム及び前記定義ファイルの少なくとも一方を特定する監視情報特定手段と、
前記監視情報特定手段によって特定された前記トリガ検知アルゴリズム及び前記定義ファイルの少なくとも一方を前記デバイス制御装置に送信する監視情報送信手段と、を更に備えること
を特徴とする請求項5に記載の情報管理装置。
【請求項7】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のデバイス制御装置と、請求項5乃至6の何れか1項に記載の情報管理装置と、クライアント装置とがネットワークを介して接続されたデバイス制御システムにおいて、
前記クライアント装置は、
前記デバイス制御装置から接続要求を受信した場合、
当該受信した接続要求に含まれる第二の識別情報によって識別したデバイスを直接接続されているようにシミュレートするとともに、当該識別したデバイスが接続されているデバイス制御装置に対してセッションを開始するための接続開始要求を送信し、
前記接続開始要求を送信したデバイス制御装置とセッションが開始されると、当該デバイス制御装置を介して前記識別したデバイスとデータ送受信すること
を特徴とするデバイス制御システム。
【請求項8】
自装置にローカル接続された第一のデバイスの状態変化を監視するためのトリガ検知アルゴリズム及び/又は定義ファイルに基づいて、当該第一のデバイスを監視するデバイス監視ステップと、
前記デバイス監視ステップにおいて、前記第一のデバイスの状態変化を検知した場合、当該検知を示すトリガ通知を、ネットワークを介して接続されている情報管理装置に送信するトリガ通知送信ステップと、
前記状態変化を検知した第一のデバイスからユーザを特定するための固有情報であるユーザIDを取得するユーザID取得ステップと、
前記ユーザID取得ステップで取得した前記ユーザIDを前記情報管理装置に対して送信するユーザID送信ステップと、
前記ユーザIDと関連付けられた制御情報であって、ネットワークを介して接続されているクライアント装置を識別するための第一の識別情報及び当該クライアント装置が制御する第二のデバイスを識別するための第二の識別情報を含んだ制御情報を、前記情報管理装置から取得する制御情報取得ステップと、
前記制御情報取得ステップで取得した制御情報の第一の識別情報によって識別したクライアント装置に対して、当該制御情報の第二の識別情報を含んだ接続要求を生成して送信する接続要求ステップと、
前記接続要求を受信したクライアント装置からの接続開始要求に応じて、当該クライアント装置とのセッションの制御を開始するセッション制御ステップと
を備えたデバイス制御方法。
【請求項9】
前記デバイス監視ステップにおいて、前記第一のデバイスに対して前記ユーザIDの取得操作が実行されたときの状態変化を検知すること
を特徴とする請求項8に記載のデバイス制御方法。
【請求項10】
前記接続要求ステップにおいて、前記制御情報に前記第一の識別情報が複数含まれている場合、当該第一の識別情報で識別されたクライアント装置それぞれに対して、前記接続要求を送信すること
を特徴とする請求項8に記載のデバイス制御方法。
【請求項11】
デバイス個体情報を取得するデバイス個体情報取得ステップと、
前記デバイス個体情報取得ステップで取得したデバイス個体情報を、ネットワークを介して接続されている情報管理装置に対して送信するデバイス個体情報送信ステップと、
前記デバイス個体情報を受信した前記情報管理装置から、当該デバイス個体情報で識別される前記第一のデバイスの状態変化を監視するための前記トリガ検知アルゴリズム及び/又は定義ファイルを取得する監視情報取得ステップと、を更に備えること
を特徴とする請求項8に記載のデバイス制御方法。
【請求項12】
デバイスがローカル接続されているデバイス制御装置に、ネットワークを介して接続されている情報管理装置における制御方法であって、
前記デバイスの状態変化を検知した前記デバイス制御装置から当該状態変化の検知を示すトリガ通知を受信するトリガ通知受信ステップと、
前記トリガ通知受信ステップによって受信された前記トリガ通知に応じて、前記デバイス制御装置とのセッションを開始するセッション制御ステップと、
前記デバイス制御装置とのセッションを介して、前記ローカル接続されているデバイスからユーザを特定するための固有情報であるユーザIDを取得するユーザID取得ステップと、
自装置の情報記憶手段に記憶されている制御情報の中から、前記ユーザID取得ステップによって取得された前記ユーザIDに関連付けられている制御情報であって、前記ネットワークを介して接続されているクライアント装置を識別するための第一の識別情報及び当該クライアント装置が制御する第二のデバイスを識別するための第二の識別情報を含んだ制御情報を検索する制御情報検索ステップと、
前記制御情報検索ステップで検索した前記制御情報の前記第二の識別情報で識別されるデバイスが接続されているデバイス制御装置に対して、当該制御情報を送信する制御情報送信ステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項13】
前記デバイス制御装置から、当該デバイス制御装置にローカル接続されたデバイスの個体を識別するためのデバイス個体情報を取得するデバイス個体情報取得ステップと、
前記情報記憶手段に記憶された前記デバイスの状態変化を監視するためのトリガ検知アルゴリズム及び定義ファイルの少なくとも一方の中から、前記デバイス個体情報取得ステップで取得した前記デバイス個体情報によって識別される特定のデバイスに適う前記トリガ検知アルゴリズム及び前記定義ファイルの少なくとも一方を特定する監視情報特定ステップと、
前記監視情報特定ステップで特定された前記トリガ検知アルゴリズム及び前記定義ファイルの少なくとも一方を前記デバイス制御装置に送信する監視情報送信ステップと、を更に備えることを特徴とする請求項12に記載の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−137855(P2012−137855A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288507(P2010−288507)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(500232640)キヤノンイメージングシステムズ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】