説明

デバッグ用情報処理装置及びデバッグ用プログラム

【課題】プログラムのデバッグにおけるメモリ状態の表示のスクロール操作を容易かつ柔軟に実現すること。
【解決手段】本発明にかかるデバッグ用情報処理装置は、メモリを使用して動作するプログラムのデバッグ時乃至デバッグ終了時の当該メモリに書き込まれたデータの少なくとも一部を表示装置に表示させるデバッグ用情報処理装置であって、表示装置に表示される表示内容をアドレス方向にスクロールさせるスクロールバーに設けられたスクロールサムによるユーザからの第1の指示及びスクロールさせるために当該スクロールサム以外によるユーザからの第2の指示を受け付けるスクロール指示受付部と、第1の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、メモリ内の特定のアドレス範囲に設定し、第2の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、特定のアドレス範囲以外に設定するスクロール制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバッグ用情報処理装置及びデバッグ用プログラムに関し、特に、半導体集積回路上で動作するプログラムをデバッグするためのデバッグ用情報処理装置及びデバッグ用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理装置は、画面サイズ当たりにより多くの情報を表示するために多くの工夫をしている。情報処理装置の中には、半導体集積回路上で動作するプログラムをデバッグするためのデバッグ装置がある。当該デバッグ装置には、デバッグする対象の半導体集積回路に対応する情報量の増加(例えばメモリ空間の広域化やプログラムの肥大化)に伴い、デバッグをする操作者が操作しやすく、かつ的確な情報を表示させたいという要求がある。特にデバッグ装置においては、メモリ空間の広域化により操作者がスクロールバーにより目的のアドレスを表示させるのが非常に困難であり、素早く簡便に表示開始アドレスを変更できることが望まれている。
【0003】
特許文献1には、容易なスクロール操作によって、表示情報を微調整することを目的とする情報処理装置及びソフトウェアアプリケーションに関する技術が開示されている。
【0004】
図14は、特許文献1にかかるソフトウェアアプリケーションにより情報処理装置に表示されるアプリケーションウィンドウ内のドキュメントビューを示した図である。特許文献1の概念は、ソフトウェアアプリケーションの一部として、各スクロールバーが、処理されるコンテンツの異なる部分に関係するように配置された複数のスクロールバーを有することである。例えば、1つのスクロールバーがドキュメント全体をカバーし、一方別のスクロールバーがドキュメントの一部(例えば、1つの特定の段落、章、ページ、もしくは節、または現在アクティブ/可視である段落、章、ページ、もしくは節)のみをカバーしてもよい。または、1つのスクロールバーがコンテンツの先頭をカバーし、一方別のスクロールバーがコンテンツの末尾をカバーしてもよい。もう1つの代替としては、1つのスクロールバーが現在可視であるドキュメントをカバーし、別のスクロールバーが他の利用可能なドキュメントのリストをスクロールする可能性を提供する、ということがある。すなわち、アプリケーションウィンドウに示されるコンテンツに埋め込まれた追加のスクロールバーを有することが可能である先行技術と比べ、ソフトウェアアプリケーション自体が、(埋め込まれたスクロールバーをコンテンツが備えるか否かを問わず)アプリケーションウィンドウに示されるコンテンツを処理するための2つ以上のスクロールバーを提供する。
【0005】
したがって、特許文献1の第1の側面によると、コンテンツを処理するための装置であって、メモリと、前記メモリに格納されたソフトウェアに従って前記装置の動作を制御する処理装置と、コンテンツを表示するための画面と、を備え、前記メモリは、アプリケーションウィンドウ内の前記画面上でコンテンツをスクロールするように構成されたソフトウェアアプリケーションを備え、前記ソフトウェアアプリケーションは、1つのアプリケーションウィンドウにおいて少なくとも2つの論理的に区別しうるスクロールバーを備え、前記スクロールバーのそれぞれは前記コンテンツの同じ方向に関してスクロール機能を提供し、前記論理的に区別しうるスクロールバーのそれぞれは前記コンテンツの異なる部分を制御する、装置が提供される。
【0006】
また、特許文献1の第2の側面によると、アプリケーションウィンドウ内の画面上でコンテンツをスクロールするように構成されたソフトウェアアプリケーションであって、前記ソフトウェアアプリケーションは、1つのアプリケーションウィンドウにおいて少なくとも2つの論理的に区別しうるスクロールバーを備え、前記スクロールバーのそれぞれは前記コンテンツの同じ方向に関してスクロール機能を提供し、前記論理的に区別しうるスクロールバーのそれぞれは前記コンテンツの異なる部分を制御する、ソフトウェアアプリケーションが提供される。
【0007】
また、特許文献1の第3の側面によると、アプリケーションウィンドウ内の画面上でコンテンツをスクロールするように構成されたソフトウェアアプリケーションで使用するための方法であって、1つのアプリケーションウィンドウにおいて少なくとも2つの論理的に区別しうるスクロールバーを提供するステップであって、前記スクロールバーのそれぞれは前記コンテンツの同じ方向に関してスクロール機能を提供し、前記論理的に区別しうるスクロールバーのそれぞれは前記コンテンツの異なる部分を制御するステップ、を含む方法が提供される。
【0008】
尚、特許文献1の1つの実用的な実装形態においては、2つの平行なスクロールバーがある。しかしながら、2つを超えるスクロールバーが使用されてもよい。さらに、2つ以上の論理的に区別しうるスクロールバーを1つの物理的スクロールバーに埋め込むことが可能である。
【0009】
図14によるスクロールバーによって提供されるスクロールを用いて、長いドキュメントをスクロールすること、および、その中でより正確に特定の点を見つけることが容易になる。それにより、ユーザの使用感を向上することができる。このソリューションは、特に画面のサイズが制限されている装置に適合するが、他の装置において使用されてもよい。
【0010】
図14は、アプリケーションウィンドウ400内のドキュメントビューを図示している。このアプリケーションウィンドウは、ウィンドウ右手側に平行なスクロールバー401および402を備える。双方のスクロールバーは、コンテンツ403のスクロールを制御する。ここでは、スクロールバー401はドキュメント全体を制御し、スクロールバー402はドキュメントの1章を制御する。スクロールバー401のエレベータのサイズおよび位置から、現在可視である部分の下および上にさらにコンテンツがあることがわかる。同様に、スクロールバー402のエレベータのサイズおよび位置から、カーソル404は現在、スクロールバー402が制御している章の終わりにあることがわかる。
【0011】
スクロールバー402は、ドキュメントの現在アクティブである章(または、ドキュメントのその他何らかの適合する部分)を制御することができる。すなわち、カーソル404が1行下の第II章へ移動すると、スクロールバー402は第II章のコンテンツの制御を開始する。スクロールバー402が、ドキュメントの現在可視である部分を制御するように構成されることも可能である。章の代替として、スクロールバー402が制御するドキュメントの部分は、例えば段落、ページ、または節であってもよい。さらに別の代替は、「追加」スクロールバー402がドキュメントのいずれの部分を制御するかを定義する可能性をユーザに提供することである。例えば、ユーザがドキュメントの一定部分を編集している場合、当該ユーザは、スクロールバー402が当該一定部分を制御し、一方スクロールバー401がドキュメント全体において正常に動作するよう設定することができる。
【0012】
図15は、特許文献1の処理装置のブロック図である。処理装置700は、CPU701と、CPU701に連結された入力/出力モジュール(I/O)703とを備える。CPU701は、メモリ702および画面(スクリーン)705にも連結される。メモリ702は、CPU701において実行可能なSW(ソフトウェアアプリケーション)706を備える。
【0013】
CPU701は、SW(ソフトウェアアプリケーション)706に従って、処理装置700のユーザにコンテンツを示すための画面(スクリーン)705にアプリケーションウィンドウを示すように装置を制御する。SW(ソフトウェアアプリケーション)706に従って、アプリケーションウィンドウは少なくとも2つの論理的に区別しうるスクロールバーを備え、スクロールバーのそれぞれは前記コンテンツの同じ方向に関してスクロール機能を提供し、論理的に区別しうるスクロールバーのそれぞれはコンテンツの異なる部分を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特表2008−512756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したように、特許文献1における双方のスクロールバー401及び402は、ソフトウェアアプリケーションの不可欠な部分である。さらに、いくつかの実装において、スクロールバー402が制御するドキュメントの部分は動的に変化する場合がある。そのため、特許文献1では、使用者が目的の箇所を表示するためには、第1のスクロールバー401のスクロールサムを移動させた後、第2のスクロールバー402で微調整する手段を踏まなければ目的の位置へスクロールできないという問題がある。
【0016】
その理由としては、図14のスクロールバー402によるスクロールでは、制御中の章以外の章へスクロールできず、スクロール可能な範囲が制御中の章(コンテンツ403)に限られる。このため、制御中の章以外の章へスクロールするためにはスクロールバー401を用いて目的の章へスクロールし、目的のページが表示されなければ、さらにスクロールバー402を使ってスクロールする必要があるためである。また、スクロールバー401のスクロールサムは、表示するドキュメントの全ページへ移動するようになっており、表示するドキュメントのページ数が増えると、必然的に、スクロールサムを1ドットの移動させたときの移動量が増加することになり、目的のページへスクロールさせるのが困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様にかかるデバッグ用情報処理装置は、
メモリを使用して動作するプログラムのデバッグ時乃至デバッグ終了時の当該メモリに書き込まれたデータの少なくとも一部を表示装置に表示させるデバッグ用情報処理装置であって、
前記表示装置に表示される表示内容をアドレス方向にスクロールさせるスクロールバーに設けられたスクロールサムによるユーザからの第1の指示及び前記スクロールさせるために当該スクロールサム以外による前記ユーザからの第2の指示を受け付けるスクロール指示受付部と、
前記第1の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記メモリ内の特定のアドレス範囲に設定し、前記第2の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記特定のアドレス範囲以外に設定するスクロール制御部と、
を備える。
【0018】
本発明の第2の態様にかかるデバッグ用プログラムは、
メモリを使用して動作するデバッグ対象プログラムのデバッグ時乃至デバッグ終了時の当該メモリに書き込まれたデータの少なくとも一部を表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させるデバッグ用プログラムであって、
前記表示装置に表示される表示内容をアドレス方向にスクロールさせるスクロールバーに設けられたスクロールサムによるユーザからの第1の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記メモリ内の特定のアドレス範囲に設定する処理と、
前記スクロールサム以外によるユーザからの第2の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記特定のアドレス範囲以外に設定する処理と、
を前記コンピュータに実行させる。
【0019】
上述した本発明の第1及び第2の態様により、第1の指示であるスクロールサムによるスクロール可能な範囲が特定のアドレス範囲に限定されるため、スクロール可能な範囲が全アドレス範囲である場合に比べてスクロールサムの長さが長くなる。そのため、ユーザによるスクロールサムのドラッグ等の操作が容易となる。一方、特定のアドレス範囲以外にもスクロールさせたい場合には、例えばスクロールボタン等を用いた第2の指示によりスクロールさせることで対応することができる。よって、一つのスクロールバーにより複数のスクロール可能な範囲を実現することができ、ユーザは、スクロールサムを使い分ける必要がなく、所望のメモリ内容を画面に表示させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、プログラムのデバッグにおけるメモリ状態の表示のスクロール操作を容易かつ柔軟に実現するためのデバッグ用情報処理装置及びデバッグ用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるデバッグ用情報処理装置のシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかるスクロールバーの移動範囲指定機能の制御フローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるスクロールバーの移動範囲の半固定機能の制御フローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1にかかるメモリ表示画面ウィンドウの例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかるメモリ表示画面ウィンドウの例を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかるメモリ表示画面ウィンドウの例を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態1にかかるメモリ表示画面ウィンドウの例を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態1にかかるメモリ表示画面ウィンドウの例を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態1にかかるデータ分類リストの例を示す模式図である。
【図10】本発明の実施の形態2にかかるメモリ表示画面ウィンドウの例を示す模式図である。
【図11】本発明の実施の形態2にかかるメモリ表示画面ウィンドウの例を示す模式図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかるスクロールバーの移動範囲指定機能の制御フローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2にかかるデータ分類リストの例を示す模式図である。
【図14】関連技術のアプリケーションウィンドウ内のドキュメントビューを示した図である。
【図15】関連技術の処理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0023】
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかるデバッグ用情報処理装置100のシステム構成図である。デバッグ用情報処理装置100は、キーボード、マウス等の入力装置101より、動作指示のための入力情報を受け付ける。デバッグ用情報処理装置100は、入力装置101からの入力情報を解析する入力制御部102と、表示データを更新するデータ分類部103と、描画情報を表示装置105へ出力するデータ表示部104と、入力情報を保持するメモリ108とで構成される。
【0024】
ここで、表示装置105には、デバッグ対象のプログラムの実行に伴う半導体集積回路のメモリ内のデータがアドレス単位に表示されているものとする。但し、メモリ空間の広域化と画面サイズの制約から、表示装置105には、全てのアドレスに対応するデータを表示することができず、アドレスの一部に対応するデータが表示されているものとする。それ故、デバッグによりメモリ内のデータを解析するユーザは、所望のアドレスに対応するデータを表示装置105に表示させるために、入力装置101により画面をスクロールさせる指示を行うものとする。
【0025】
入力制御部102は、入力装置101からマウス等のクリック状態と座標の入力情報を受け付けて、入力情報に含まれる座標等の位置情報をメモリ108へ、入力情報に含まれる複数の通知情報をデータ分類部103へそれぞれ出力する。
【0026】
メモリ108は、入力制御部102からマウス等のクリック状態と座標の入力情報を受け付けて、内部に格納する。また、メモリ108は、入力制御部102へマウス等のクリック状態と座標を返却する。
【0027】
データ分類リスト107は、デバッグ対象の半導体集積回路のメモリにおける複数のアドレス範囲の定義を示す情報である。データ分類リスト107の具体例は、図9を用いて後述する。また、表示データリスト106には、デバッグ対象の半導体集積回路のメモリ内のデータがアドレスごとに対応付けられた情報である。尚、表示データリスト106及びデータ分類リスト107は、デバッグ用情報処理装置100内の記憶装置(不図示)に予め登録されている。
【0028】
データ分類部103は、入力制御部102のマウス等のクリック状態と座標の変更を入力する。また、データ分類部103は、スクロール範囲半固定スクロールバー204のスクロールサム203の位置と、表示対象となるデータ分類を、データ表示部104へ出力する。また、データ分類部103は、データ分類リスト107から表示対象となるデータ分類に対応する使用フラグ301、各行毎の開始アドレス304及び終了アドレス305を取得し、データ表示部104に表示開始命令、表示データリスト106に表示開始アドレスからの表示データをそれぞれ出力する。
【0029】
言い換えると、データ分類部103は、入力制御部102から受け付けたマウス等のクリック状態と座標の変更の入力情報に応じて、データ分類リスト107に対する入出力を行い、表示データリスト106及びデータ表示部104へ出力を行う。データ分類部103は、入力制御部102からデータ分類リスト107の一覧表示の要求を受け付けた場合、データ分類リスト107から各種データを読み出し、データ表示部104を介して表示装置105に表示させる。
【0030】
データ分類部103は、入力制御部102からデータ分類リスト107内のアドレス範囲の定義の一つの選択を受け付けた場合、データ分類リスト107から当該選択されたアドレス範囲の定義を読み出し、読み出したアドレス範囲の先頭から表示可能な範囲のアドレスに対応するデータを表示データリスト106から読み出し、データ表示部104を介して表示装置105に表示させる。併せて、データ分類部103は、後述するスクロール範囲半固定スクロールバー204のスクロールサム203のスクロール可能な範囲を当該読み出したアドレス範囲に設定する。
【0031】
また、データ分類部103は、入力制御部102からスクロールサム203によるスクロール指示を受け付けた場合、上記設定されたスクロール可能な範囲内でスクロールさせた場合のアドレスに対応するデータを表示データリスト106から読み出して、データ表示部104を介して表示装置105に表示させる。
【0032】
データ表示部104は、データ分類部103から表示開始命令と、表示データリスト106から表示開始命令で指定されたアドレス範囲の表示データとをそれぞれ入力し、表示装置105に表示する。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態1にかかるメモリ表示画面ウィンドウ200の例を示す模式図である。メモリ表示画面ウィンドウ200は、デバッグ用情報処理装置100により表示装置105に表示される。メモリ表示画面ウィンドウ200は、表示対象となるメモリ領域を表示するメモリ表示部207と、メモリ表示部207に表示されているメモリ内容を小さいアドレス方向へスクロールする上スクロールボタン202と、同様に大きいアドレス方向へスクロールする下スクロールボタン205と、表示されているメモリ領域のスクロール領域を示すスクロール範囲半固定スクロールバー204と、スクロール範囲半固定スクロールバー204内をスクロールするための制御を行なうためのスクロールサム203と、後述するデータ分類メニュー206を表示するためのスクロール範囲指定ボタン201とで構成される。
【0034】
図5は、本発明の実施の形態1にかかるメモリ表示画面ウィンドウ200におけるデータ分類メニュー206の例を示す模式図である。データ分類メニュー206は、メモリ領域を表すメニューが表示される。例えば、データ分類メニュー206には、"全メモリ領域"、"RAM領域"、"ROM領域"及び"I/O領域"といった各領域が対応するアドレス範囲と共に表示される。
【0035】
図9は、本発明の実施の形態1にかかるデータ分類リスト107のフォーマットの例を示す模式図である。図9の例では、データ分類リスト107は、使用フラグ301、表示フラグ302、メモリ種類303、開始アドレス304及び終了アドレス305を1組として、複数行で構成される。尚、データ分類リスト107はこれに限定されない。
【0036】
表示フラグ302は、データ分類メニュー206の表示時に参照されるフラグであって、'1'が表示対象となる。使用フラグ301は、ユーザが指定するメモリ領域をアクティブとし、アクティブな領域には'1'が書き込まれる。初期値は、メモリ種類303で示す全メモリ領域が'1'となり、他の使用フラグ301は'0'となる。
【0037】
メモリ種類303は、対応するメモリ領域の種類を示す。メモリ種類303として、ユーザが直接領域を設定することも可能であり、その場合、ユーザは、入力装置101を介して開始アドレス304及び終了アドレス305を別途設定する。
【0038】
開始アドレス304及び終了アドレス305は、メモリ領域のアドレス範囲を示しており、開始アドレスとメモリサイズ等を用いて表現しても良い。
【0039】
図2は、本発明の実施の形態1にかかるスクロールバーの移動範囲指定機能の制御フローチャートである。また、図3は、本発明の実施の形態1にかかるスクロールバーの移動範囲の半固定機能の制御フローチャートである。以下、図2及び図3を用いて本発明の実施の形態1にかかるデバッグ用情報処理装置100の動作の説明をする。
【0040】
図2は、本発明のスクロールバーの移動範囲指定機能の制御フローチャートである。最初に入力制御部102は、ユーザによりスクロール範囲指定ボタン201がマウス等により押されたか否かを判定(ステップS100)し、押された場合はステップS101へ進み、押されていなければステップS100に戻ってボタンの入力を待つ。
【0041】
ステップS100でスクロール範囲指定ボタン201が押されたと判定した場合、データ分類部103は、データ分類リスト107から全てのデータ分類を読み出し、前記リスト中より表示フラグ302が'1'、または使用フラグ301が'1'のいずれかである行のメモリ種類303、開始アドレス304及び終了アドレス305をデータ分類メニュー206に設定して、データ表示部104を介して表示装置105にデータ分類メニュー206を表示する(ステップS101)。
【0042】
次に、データ分類部103は、ユーザによりデータ分類メニュー206内のいずれかのメニューが選択されたか否かを判定する(ステップS102)。データ分類メニュー206内のいずれかのメニューが選択されたと判定した場合はステップS103に進み、未選択と判定した場合はステップS102に戻ってメニューの選択を待つ。
【0043】
ステップS102でメニューが選択されたと判定した場合は、データ分類部103は、選択された情報をデータ分類リスト107の該当する行の使用フラグ301を'1'、現在使用フラグ301が'1'の行を'0'に設定して、データ分類リスト107に書き戻す。
【0044】
そして、データ分類部103は、データ表示部104へ、選択されたメモリ種類303を通知する。通知を受けたデータ表示部104は、スクロール範囲半固定スクロールバー204のスクロール可能な範囲であるスクロール半固定範囲として、受け取ったメモリ種類303が示すアドレス範囲を設定する(ステップS103)。これにより、スクロールサム203の長さが調整される。
【0045】
つまり、データ分類部103は、データ分類メニュー206のうちユーザにより選択された領域に応じて、スクロールサム203の大きさを調整し、スクロールサム203の移動範囲を設定する。
【0046】
図3は、本発明のスクロールバーの移動範囲の半固定機能の制御フローチャートである。入力制御部102は、ユーザからスクロール指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS200)。スクロール指示は、ユーザがメモリ表示部207に表示された内容をスクロールさせるための入力装置101を介した各種操作である。各種操作には、例えば、ユーザがスクロールサム203をマウスでドラッグする操作、上スクロールボタン202又はスクロールサム203をマウスでクリックする操作、キーボードの上下キーやPageUp/PageDownキーを押下する操作、又は、マウスのホイールを用いた操作等が含まれる。尚、上記の各種操作に連動して、結果的にスクロールサム203が移動することとなる。そのため、入力制御部102は、スクロールサム203が移動したか否かを判定してもよい。
【0047】
ステップS200において、スクロール指示を受け付けたと判定した場合はステップS201へ進み、スクロール指示を受け付けていないと判定した場合ステップS200に戻ってスクロールサム203の移動を待つ。
【0048】
続いて、データ分類部103は、受け付けたスクロール指示がスクロールサム203によるマウスのドラッグ操作であるか否かを判定する(ステップS201)。スクロールサム203によるマウスのドラッグ操作であればステップS204へ進み、当該ドラッグ操作でなければステップS202に進む。尚、ステップS200でスクロールサム203が移動したか否かを判定した場合には、ステップS201において移動方法がスクロールサム203のドラッグかを判定するとよい。
【0049】
ステップS201において、スクロール指示がスクロールサム203によるマウスのドラッグ操作でないと判定した場合、データ表示部104はスクロール指示が上スクロールボタン202のクリックなら表示開始アドレスを1行分減少させ、下スクロールボタン205のクリックなら表示開始アドレスを1行分増加させる(ステップS202)。
【0050】
そして、データ表示部104は、ステップS202で変更した表示開始アドレスに従い、以下の式(1)を用いてスクロールサム203を表示開始アドレスと対応する位置へ移動させる。ただし、表示開始アドレスがスクロール範囲半固定スクロールバー204のスクロールサム203の移動範囲を超える場合は、境界位置まで移動させ、処理を終了する(ステップS203)。
スクロールサム203の位置=(スクロール範囲半固定スクロールバー204の高さ
/選択されたデータ分類が示すアドレス範囲)×表示開始アドレス ・・・(1)
【0051】
また、ステップS201において、スクロール指示がスクロールサム203によるマウスのドラッグ操作であると判定した場合、データ表示部104は、式(2)を用いて表示開始アドレスを変更し、処理を終了する(ステップS204)。
表示開始アドレス=(選択されたデータ分類が示すアドレス範囲/スクロール範囲半固定スクロールバー204の高さ)×スクロールサム203の位置 ・・・(2)
【0052】
図4乃至図8は、本発明のメモリ表示画面ウィンドウを示す模式図であり、図4乃至図8を用いて、図1乃至図3のメカニズムを説明する。図4は、本発明の初期状態のメモリ表示画面ウィンドウ200を示す模式図である。図4では、デバッグ用情報処理装置100が入力装置101からの入力を待ち、図2又は図3のステップのいずれも開始可能である状態を表す。また、図4では、スクロールサム203の移動範囲として"全メモリ領域"が選択されているものとする。そして、メモリ表示部207には、"全メモリ領域"内の任意のアドレス"0800"から表示可能なアドレス分(ここでは、"08B0")までのデータが表示されているものとする。
【0053】
図5及び図6は、本発明のスクロール範囲を半固定化する時のメモリ表示画面ウィンドウ200の例を示す模式図である。図5は、ステップS100及びステップS101において、ユーザによりスクロール範囲指定ボタン201がクリックされ、デバッグ用情報処理装置100がデータ分類メニュー206を表示した状態を表す。また、図6は、ステップS102及びステップS103において、データ分類メニュー206からユーザによりアドレス範囲が選択された後の状態を示す。
【0054】
例えば、図5のデータ分類メニュー206において"RAM領域(1000〜1FFF)"がユーザにより選択されたものとする。このとき、データ分類部103は、データ分類リスト107から"RAM領域(1000〜1FFF)"に対応する開始アドレス304"1000"及び終了アドレス305"1FFF"を読み出し、表示データリスト106から開始アドレス304"1000"から表示可能なアドレス分(ここでは、"10B0")までのデータを読み出し、メモリ表示部207に表示する(図6)。これに伴い、スクロールサム203がスクロールサム2031へと大きさが変化する。これにより、ユーザは、図6のスクロールサム2031のマウスポイントによる選択領域が広がり、ドラッグ操作が容易となる。併せて、データ分類部103は、スクロールサム203のスクロール可能な範囲を、読み出したアドレス範囲("1000"〜"1FFF")に設定する。
【0055】
図7及び図8は、本発明のスクロールサム203をドラッグする前後のメモリ表示画面ウィンドウを示す模式図である。図7は、ステップS200において、スクロールサム2032をドラッグによって移動する前の状態を表す。図8は、ステップS200、ステップS201及びステップS204において、図7のスクロールサム2032が入力装置101によるドラッグによって移動することで、スクロールサム2033で示した位置まで移動したこと表し、表示開始アドレスが"1FF4"から"1FFF"に変化したことを示している。
【0056】
なお、図8の開始アドレスが"1FF4"の状態で下スクロールボタン205をクリックした場合、ステップS202及びステップS203により、スクロールサム2033は移動及び長さの変化はしないが、メモリ表示部207に表示される表示開始アドレスは"1FF5"に変化する。次に、上スクロールボタン202をクリックした場合、ステップS202及びステップS203により、表示開始アドレス"1FF5"から"1FF4"に戻る。このように、特定のアドレス範囲外であっても上スクロールボタン202及びスクロールサム203を用いて容易にスクロールさせることができ、より柔軟なスクロール操作を実現できる。
【0057】
上述したように、本発明にかかる実施の形態1では、使用者が目的の箇所を表示するために複数のスクロールバーを操作する必要がなく、スクロール範囲を指定することでスクロールサムによるスクロールで目的の位置へスクロールさせることが容易であり、表示範囲の設定を変更せずに、使用者が表示したい箇所にスクロールバーを使って柔軟にスクロールすることができる効果がある。
【0058】
特に、本発明にかかる実施の形態1で対象とするデータは、半導体集積回路上で動作するプログラムのデバッグにおいて、半導体集積回路内のメモリ状態である。デバッグにおけるメモリ状態を表すデータは、一般の文書データ等と異なり、全てのデータを表示させる必要性が低い。むしろ、プログラムのテスト内容や、エラーの内容等に応じて、特定のアドレス範囲におけるメモリ内のデータを表示することで十分であることが多い。そのため、データの中から特定のアドレス範囲までスクロールさせる操作については、スクロールサムやスクロールボタンを用いるよりも、データ分類メニュー206により選択させる方が効率的である。また、データ分類メニュー206に全てのアドレスごとに個別に登録しておくことは現実的でない。そのため、特定のアドレス範囲の中で具体的に表示が必要なアドレスまでスクロールさせる場合には、スクロールボタン等をクリックするよりはスクロールサム2031等をドラッグする操作の方が容易にスクロールさせることができる。さらに、メモリ内のデータの場合、所望のアドレスに対応するデータが予期せぬ値である場合に、前後のアドレスを表示させるように若干のスクロールをさせるだけで、原因が判明することも多い。この場合、スクロールサム2031に設定済みの特定のアドレス範囲をわずかに超えてスクロールさせる必要があることもある。このような場合であっても、データ分類メニュー206による選択を再度行う必要がなく、スクロールボタン等を用いることで少量のスクロールが行えるため、柔軟な操作が実現できる。それ故、本発明にかかる実施の形態1は、プログラムのデバッグにおけるメモリ状態の表示において絶大な効果を奏する。
【0059】
本発明にかかる実施の形態1にかかるデバッグ用情報処理装置100は、少なくとも以下の構成を備えるものであればよい。すなわち、デバッグ用情報処理装置100は、メモリを使用して動作するプログラムのデバッグ時乃至デバッグ終了時の当該メモリに書き込まれたデータの少なくとも一部を表示装置105に表示させるデバッグ用情報処理装置である。そして、デバッグ用情報処理装置100は、前記表示装置に表示される表示内容(例えば、図4のメモリ表示部207)をアドレス方向にスクロールさせるスクロールバー(例えば、図4のスクロール範囲半固定スクロールバー204)に設けられたスクロールサム(例えば、図4のスクロールサム203)によるユーザからの第1の指示(例えば、スクロールサム203のドラッグ操作)及び前記スクロールさせるために当該スクロールサム以外による前記ユーザからの第2の指示(例えば、図4の上スクロールボタン202又は下スクロールボタン205をクリックする操作、キーボードの上下キーやPageUp/PageDownキーを押下する操作、又は、マウスのホイールを用いた操作等)を受け付けるスクロール指示受付部(例えば、図1の入力制御部102)と、前記第1の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記メモリ内の特定のアドレス範囲に設定し、前記第2の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記特定のアドレス範囲以外に設定するスクロール制御部(例えば、図1のデータ分類部103)と、を備える。
【0060】
また、前記スクロール制御部は、前記メモリ内の複数のアドレス範囲のリストを表示させ、当該リストの中から前記ユーザにより選択されたアドレス範囲を、前記特定のアドレス範囲として設定することが望ましい。
【0061】
さらに、前記第2の指示は、前記スクロールバーに設けられたスクロールボタンによる前記ユーザからの指示であり、前記スクロール制御部は、前記特定のアドレス範囲以外を前記メモリ内の全アドレス範囲として設定し、前記特定のアドレス範囲を前記全アドレス範囲の一部として設定するとよい。
【0062】
<発明の実施の形態2>
図10及び図11は、本発明の実施の形態2にかかるメモリ表示画面ウィンドウ250の例を示す模式図である。実施の形態1に示す図4のメモリ表示画面ウィンドウ200に対して、図10のメモリ表示画面ウィンドウ250は、ユーザが任意のアドレス範囲を入力するためのスクロール範囲指定テキスト入力領域208と、データ分類ドロップダウンメニュー210を表示するためのデータ分類ドロップダウンメニュー表示ドロップダウンボタン209と、メモリ領域を表すデータ分類ドロップダウンメニュー210とに変更された構成である。
【0063】
図13は、本発明の実施の形態2にかかるデータ分類リスト107のフォーマットの例を示す模式図である。図13の構成は、実施の形態1の図9に対して、メモリの種類303に"直接指定"が追加されている。その他の構成は、図9と同等であるため説明を省略する。
【0064】
図12は、本発明の実施の形態2にかかるスクロールバーの移動範囲指定機能の制御フローチャートである。図12を用いて動作の説明をする。実施の形態1の図2のステップS100及びS101に対し、図12はステップS300〜S304が追加変更されている。
【0065】
最初に入力制御部102は、データ分類ドロップダウンメニュー表示ドロップダウンボタン209がクリックされた、または、スクロール範囲指定テキスト入力領域208にデータが入力されたかを判定(ステップS300)し、クリックまたはデータが入力されればステップS301へ進み、そうでなければ再びステップS300に戻ってクリックまたはデータが入力されるのを待つ。
【0066】
ステップS301は、データ分類ドロップダウンメニュー表示ドロップダウンボタン209がクリックされたかどうかを判定(ステップS301)し、クリックされればステップS302へ進み、そうでなければステップS304へ進む。
【0067】
ステップS301でデータ分類ドロップダウンメニュー表示ドロップダウンボタン209がクリックされた場合にデータ分類部103は、図13のデータ分類リスト107からすべてのデータ分類を読み出し、前記リスト中より表示フラグ302が'1'、または使用フラグ301が'1'の行のメモリ種類303、開始アドレス304、終了アドレス305をデータ分類ドロップダウンメニュー210に設定して、データ分類ドロップダウンメニュー210を表示する(ステップS302)。
【0068】
データ分類部103は、データ分類ドロップダウンメニュー210で選択されたデータ分類を判定(ステップS303)し、データ分類ドロップダウンメニュー210が選択された場合はステップS103に進み、データ分類ドロップダウンメニュー210が選択されていない場合はステップS303に戻ってメニューの選択を待つ。
【0069】
ステップS303でメニューが選択された場合は、選択された情報を図13のデータ分類リスト107の該当する行の使用フラグ301を'1'、現在使用フラグ301が'1'の行を'0'に設定して、データ分類リスト107に書き戻す。
【0070】
ステップS301で、データ分類ドロップメニュー表示ドロップダウンボタン209がクリックされてない場合は、ステップS304でスクロール範囲指定テキスト入力領域208に入力されたアドレス範囲の開始アドレスと終了アドレスを数値に変換し、図13のデータ分類リスト107の直接指定行の使用フラグ301を'1'、現在使用フラグ301が'1'の行を'0'に設定し、開始アドレス304に数値に変換した開始アドレス、終了アドレス305に数値に変換した終了アドレスを設定して、データ分類リスト107に書き戻す。ステップS103は、図2と同じ処理なので説明を省略する。
【0071】
図10及び図11は、本発明の第2のメモリ表示画面ウィンドウを示す模式図であり、10及び図11を用いて、図12のメカニズムを説明する。図10は、ステップS300及びステップS301において、データ分類ドロップダウンメニュー表示ドロップダウンボタン209がクリックされ、データ分類ドロップダウンメニュー210を表示した状態を表す。直接指定でアドレス追加した場合は、データ分類ドロップダウンメニュー210に新たに追加され、データ分類ドロップダウンメニュー表示ドロップダウンボタン209をクリックした時に表示される。
【0072】
図11は、ステップS300、ステップS301、ステップS304及びステップS103において、ユーザがスクロール範囲指定テキスト入力領域208に任意の範囲のアドレスを入力した後にスクロールサム2034の大きさが変化し、スクロールサム2034の移動範囲が変化したことを示している。
【0073】
このように、本発明の実施の形態2では、ユーザが任意にスクロールサムの移動範囲を指定できるという効果がある。つまり、本発明の実施の形態2では、実施の形態1に加えて、前記スクロール制御部は、前記ユーザから指定された前記メモリ内の任意のアドレス範囲を、前記特定のアドレス範囲として設定するとよい。
【0074】
<その他の発明の実施の形態>
本発明は、プログラムデバッグを行なうためのデバッガであって、前記デバッガにおける情報表示を行う場合において、特定のアドレス範囲をスクロール範囲半固定スクロールバーのスクロールによるドラッグの移動範囲とし、上下スクロールボタンにより前記移動範囲外まで移動可能とするデータ分類部を有し、使用者が目的の箇所を表示するために複数のスクロールバーを操作する必要がなく、スクロール範囲を指定することでスクロールサムによるスクロールで目的の位置へスクロールさせることが容易であり、表示範囲の設定を変更せずにいつでも使用者が表示したい箇所にスクロールバーを使ってスクロールすることができる効果がある。
【0075】
また、本発明は以下のように表現することもできる。
1)プログラムデバッグを行なうためのプログラムデバッグ用情報処理装置(デバッガ)であって、前記デバッガにおける情報表示を行う場合において、特定のアドレス範囲をスクロール範囲半固定スクロールバーのスクロールサムによるドラッグの移動範囲とし、上下スクロールボタンによる移動範囲は前記ドラッグの移動範囲外までを移動範囲とするデータ分類部を有することを特徴とするプログラムデバッグ用情報処理装置。
【0076】
2)1)のデータ分類リストのメモリの種類において、データ分類リストのメモリの種類よりリスト一覧を表示し、前記リスト一覧より選択されたアドレス範囲をスクロール範囲半固定スクロールバーのスクロール範囲として指定できるスクロール範囲指定部を有することを特徴とするプログラムデバッグ用情報処理装置。
【0077】
3)1)のデータ分類リストのメモリの種類において、スクロール範囲半固定スクロールバーにスクロール範囲をユーザが任意に指定できるスクロール範囲指定部を有することを特徴とするプログラムデバッグ用情報処理装置。
【0078】
4)プログラムデバッグを行なうためのプログラムデバッグ用情報処理装置(デバッガ)であって、前記デバッガにおける情報表示を行う場合において、データ分類リストのメモリの種類よりリスト一覧を表示するステップと、前記リスト一覧より選択されたアドレス範囲をスクロールサムによるドラッグの移動範囲とし、上下スクロールボタンにより前記移動範囲外まで移動するステップと、前記移動範囲の制御をするステップとを有することを特徴とするプログラムデバッグ用情報処理装置のスクロール制御方法
【0079】
5)4)の移動範囲の制御をするステップにおいて、スクローサムが移動されたかを判定するステップと、前記移動方法がドラッグによる移動かを判定するステップと、ドラッグによる移動の場合はスクロールサム位置に該当する範囲を表示し、ドラッグ以外の移動の場合は現在の表示位置に対して特定のオフセットを持った位置から表示して、該表示位置にあわせて先頭位置を調整するステップとを有することを特徴とするプログラムデバッグ用情報処理装置のスクロール制御方法。
【0080】
6)4)のアドレス範囲の指定において、リスト一覧より選択されたアドレス範囲をスクロール範囲半固定スクロールバーのスクロールサムのスクロール範囲として指定することを特徴とするプログラムデバッグ用情報処理装置のスクロール制御方法。
【0081】
7)4)のアドレス範囲の指定において、スクロール範囲半固定スクロールバーのスクロールサムのスクロール範囲をユーザが任意に指定できるスクロール範囲指定部を有することを特徴とするプログラムデバッグ用情報処理装置。
【0082】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0083】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0084】
100 デバッグ用情報処理装置
101 入力装置
102 入力制御部
103 データ分類部
104 データ表示部
105 表示装置
106 表示データリスト
107 データ分類リスト
108 メモリ
200 メモリ表示画面ウィンドウ
201 スクロール範囲指定ボタン
202 上スクロールボタン
203 スクロールサム
2031 スクロールサム
2032 スクロールサム
2033 スクロールサム
2034 スクロールサム
204 スクロール範囲半固定スクロールバー
205 下スクロールボタン
206 データ分類メニュー
207 メモリ表示部
208 スクロール範囲指定テキスト入力領域
209 データ分類ドロップメニュー表示ドロップダウンボタン
210 データ分類ドロップダウンメニュー
250 メモリ表示画面ウィンドウ
301 使用フラグ
302 表示フラグ
303 メモリ種類
304 開始アドレス
305 終了アドレス
400 アプリケーションウィンドウ
401、402 スクロールバー
403 コンテンツ
404 カーソル
700 処理装置
701 CPU
702 メモリ
703 I/O
704 ソフトウェアアプリケーション
705 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリを使用して動作するプログラムのデバッグ時乃至デバッグ終了時の当該メモリに書き込まれたデータの少なくとも一部を表示装置に表示させるデバッグ用情報処理装置であって、
前記表示装置に表示される表示内容をアドレス方向にスクロールさせるスクロールバーに設けられたスクロールサムによるユーザからの第1の指示及び前記スクロールさせるために当該スクロールサム以外による前記ユーザからの第2の指示を受け付けるスクロール指示受付部と、
前記第1の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記メモリ内の特定のアドレス範囲に設定し、前記第2の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記特定のアドレス範囲以外に設定するスクロール制御部と、
を備えるデバッグ用情報処理装置。
【請求項2】
前記スクロール制御部は、
前記メモリ内の複数のアドレス範囲のリストを表示させ、
当該リストの中から前記ユーザにより選択されたアドレス範囲を、前記特定のアドレス範囲として設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のデバッグ用情報処理装置。
【請求項3】
前記スクロール制御部は、
前記ユーザから指定された前記メモリ内の任意のアドレス範囲を、前記特定のアドレス範囲として設定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデバッグ用情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の指示は、前記スクロールバーに設けられたスクロールボタンによる前記ユーザからの指示であり、
前記スクロール制御部は、
前記特定のアドレス範囲以外を前記メモリ内の全アドレス範囲として設定し、
前記特定のアドレス範囲を前記全アドレス範囲の一部として設定する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデバッグ用情報処理装置。
【請求項5】
メモリを使用して動作するデバッグ対象プログラムのデバッグ時乃至デバッグ終了時の当該メモリに書き込まれたデータの少なくとも一部を表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させるデバッグ用プログラムであって、
前記表示装置に表示される表示内容をアドレス方向にスクロールさせるスクロールバーに設けられたスクロールサムによるユーザからの第1の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記メモリ内の特定のアドレス範囲に設定する処理と、
前記スクロールさせるために前記スクロールサム以外による前記ユーザからの第2の指示を受け付けたときにスクロール可能な範囲を、前記特定のアドレス範囲以外に設定する処理と、
を前記コンピュータに実行させるデバッグ用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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