説明

データを伝送する信号ラインの制御回路及びその制御方法

【課題】データを伝送する信号ラインの制御回路を開示する。
【解決手段】開示された本発明のデータを伝送する信号ラインの制御回路は、信号ラインを通じて伝送データが所定レベルで遷移する場合、所定時間以後には外部供給電圧より低く、接地電圧より高いレベルでデータの信号レベルを調整するデータレベル調整部を含む。他の発明では、信号ラインを通じて伝送されるデータが、外部供給電圧又は接地電圧レベルで遷移する場合、データのスイング幅は外部供給電圧と接地電圧の電位差のフルスイング幅より小さいスイング幅でスイングされるように制御するデータレベル調整部を含む。他の発明は、信号ラインを通じて伝送されるデータが外部供給電圧レベルで遷移する場合、所定区間以後には外部供給電圧より降下されたレベルに調整し、データが接地電圧レベルで遷移する場合、所定時間以後には接地電圧より昇圧されたレベルに調整するデータレベル調整部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号ライン制御回路及びその制御方法に関し、より具体的にはデータを伝送する信号ライン制御回路及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に回路部又は電子装置間のデータ伝送において、信号伝送ラインが長くなることによりデータ信号の伝達が遅くなり得る。
【0003】
例えば、半導体集積回路に入力される外部命令が読み込み(read)又は書き込み(write)命令の場合、これに応答して、信号伝送ライン、すなわちグローバル入出力(GIO:Global Input Output)ラインを駆動させ、データを読み込んだり、書き込んだりする(例えば、特許文献1)。
【0004】
より具体的に説明すれば、データの書き込み(write)動作は、データ入出力パッドでデータが入力されると、データ入力バッファを介して入力データをマルチプレキシングする回路に提供する。そうして、入力データが多重化され、多数のドライバに提供されて、それぞれのグローバル入出力ライン(Global IO Line)にロード(loading)される。したがって、それぞれのデータはバンク(bank)とメモリセルブロックまで連結されたローカル入出力ライン(Local IO Line)に伝えられ、アドレスによって選択されたセルに書き込まれるようになる。
【0005】
これとは反対に、データの読み込み(read)動作は、セルのデータがそれぞれのビットラインセンスアンプにより増幅され、ローカル入出力ラインに伝えられる。その後、再び入出力センスアンプによってグローバル入出力ラインを通じてパイプレジスタに伝えられ、データ入出力パッドを通じて出力データが提供される。しかし、このようなグローバル入出力ラインは、全てのバンクに共有された構造であるので、データ伝達時の信号のロードがかなり大きい。
【0006】
特に、最近では半導体記憶装置の高集積化によるチップ面積の増加に伴い、グローバル入出力ラインの長さがより一層長くなっている。これにより、データを書き込み、又は読み込む時にグローバル入出力ラインの大きいロードによってデータがフルスイング(full swing)し、遷移する時に信号遅延が発生して高速動作を満足させ難い点がある。また、データ遷移時に大きいスイング幅によって電流の消耗を増加させることもある。
【特許文献1】特開2006−093696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、信号伝送を高速化する信号ライン制御回路を提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、信号伝送を高速化する信号ライン制御回路の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的課題を達成するために、本発明の一実施形態に係わるデータを伝送する信号ラインの制御回路は、信号ラインを通じて伝送されるデータが所定レベルで遷移する場合、所定時間以後には外部供給電圧より低く、接地電圧より高いレベルに前記データの信号レベルを調整するデータレベル調整部を含む。
【0009】
本発明の技術的課題を達成するために、本発明の他の実施形態に係わるデータを伝送する信号ラインの制御回路は、信号ラインを通じて伝送されるデータが外部供給電圧又は接地電圧レベルで遷移する場合、前記データのスイング幅は前記外部供給電圧と接地電圧の電位差のフルスイング幅より小さいスイング幅でスイングされるように制御するデータレベル調整部を含む。
【0010】
本発明の技術的課題を達成するために、本発明のまた他の実施形態に係わるデータを伝送する信号ラインの制御回路は、信号ラインを通じて伝送されるデータが外部供給電圧レベルで遷移する場合、所定区間以後には前記外部供給電圧より降下されたレベルに調整し、前記データが接地電圧レベルで遷移する場合、所定時間以後には前記接地電圧より昇圧されたレベルに調整するデータレベル調整部を含む。
【0011】
本発明の他の技術的課題を達成するために、本発明の一実施形態に係わるデータを伝送する信号ラインの制御回路の制御方法は、信号ラインを通じて伝送されるデータが所定レベルで遷移する場合、所定区間の間は遷移されたレベルを維持するステップ及び前記所定区間以後には前記データの遷移されたレベルより低いか高いレベルに前記データの電圧レベルを調整するステップを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施例の信号ライン制御回路及びその制御方法は、長い信号ラインでのデータ伝送時に信号の遅延を減少させることができる。すなわち、データを処理すべき所定時間の間だけフルスイングレベルで駆動するようにし、所定時間以後にはフルスイングレベルより小さいスイングレベルで駆動及び待機するようにする。これにより、データの遷移時に動作の高速化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下添付した図面に基づいて本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるデータを伝送する信号ラインの制御回路1のブロック図である。図1を参照すると、信号ライン制御回路1はデータレベル調整部10及びデータ処理部(Data processing unit)20を含む。このような信号ライン制御回路1は、信号ラインを通じたデータData伝送時に、データが遷移する場合、所定時間以後には遷移されたレベルより降下するか昇圧したレベルに調整し、次のデータの遷移時に遷移速度を高速化させることができる。
【0014】
まず、本発明の一実施形態に係わるデータレベル調整部10は、データDataを受信し、データ処理部20を経由して出力されるデータDataのレベルを調整する。
【0015】
データ処理部20は、データDataを受信して必要な動作を行う概念的な回路部として例示する。これについては、次の図面を参照しながら詳述することにする。
【0016】
なお、説明されていない信号駆動ブロック5は、データDataを駆動させるソース回路部であり、本発明の一実施例の理解を助けるために示した。
【0017】
図2は、図1に係る詳細な回路図である。
まず、データレベル調整部10は、遅延器11、反転部12、スイッチング部13及び抵抗部14を含む。
【0018】
遅延器11は、受信されたデータDataを所定時間の間遅延させる。ここでの所定時間は、データ処理部20がデータDataに対して適正な動作を遂行できる時間である。したがって、遅延器11はリフリッカー回路であってもよい。すなわち、遅延器11はデータ処理部20でのデータDataを動作させる時間を補償する。言い換えれば、データレベル調整部10のデータDataレベルを調整する時点は、データ処理部20での動作が所定に遂行された後となる。したがって、遅延器11は図示しなかったが、所定の時間を満足させるように複数の遅延素子、例えば、多数のインバータを含み得る。
【0019】
反転部12は、遅延器11の出力された信号を受信して反転させる。このような反転部12は、プルアップ素子PU及びプルダウン素子PDを含む。プルアップ素子PUは、反転部12に受信されたローレベルに応答してハイレベルを提供する。プルダウン素子PDは、反転部12に受信されたハイレベルに応答してローレベルを提供する。プルアップ素子PUは、遅延器11の出力信号を受信するゲート、外部供給電圧VDDの印加を受けるソース、プルダウン素子PDと連結されたドレーンを含む。プルダウン素子PDは、遅延器11の出力信号を受信するゲート、接地電圧VSSと連結されたソース、プルアップ素子PUと連結されたドレーンを含む。このように、反転部12は遅延器11を通じて受信されるデータDataのレベルを反転させ、以後データDataの遷移レベルより低いか高いレベルに調整することができる。
【0020】
スイッチング部13は、反転部12の出力端と連結され、テストモード信号TM_ENに応答して反転部12の出力信号を送信させる。このようなスイッチング部13は、インバータINV及び伝送ゲートTRを含む。そうして活性化したハイレベルのテストモード信号TM_ENを受信すると、伝送ゲートTRがターンオンされ、反転部12の出力信号を送信させることができる。ここで、テストモード信号TM_ENは、MRS(Mode Register Set)やフューズから提供されることができ、スイッチング部13を活性化させるイネーブル信号として例示する。
【0021】
抵抗部14は、スイッチング部13の出力端と連結される抵抗素子Rを含む。一方、スイッチング部13がターンオンされると、抵抗部14はプルアップ及びプルダウン素子PU、PDのドレーンと連結されるものと見なされる。このように、抵抗素子Rは反転部12で出力される信号の電流流れを干渉(interference)する素子である。言い換えれば、抵抗部14は反転部12で提供されている信号のレベルを弱める。したがって、抵抗素子Rの抵抗の大きさは、反転部12で提供される信号のレベルを弱めることができる所定の抵抗の大きさを有するように具備することができる。
【0022】
前述した通り、データ処理部20はデータDataを受信して必要な動作を行う回路部である。例えば、半導体集積回路においては、データ処理部20は読み込み動作を行うデータ出力制御部、又は書き込み動作を行うデータ入力制御部になり得る。すなわち、データ処理部20は適用する回路部によって、それぞれの機能(function)を行う多様な回路部であり得る。ただし、データ処理部20は長い信号ライン又は信号バスを通じて転送されるデータDataに対して実質的に内部回路で必要な適切な動作を行う回路部であればよい。
【0023】
一方、信号駆動ブロック5は、入力信号によりデータDataを外部供給電圧VDDレベルのハイレベル、又は接地電圧VSSレベルのローレベルで提供することができる。
【0024】
引き続き、信号ライン制御回路1の動作を説明することにする。
図3は、一定遅延時間が過ぎた後のデータレベル調整部の動作を説明するための回路図である。
【0025】
まず、活性化したテストモード信号TM_ENに応答してスイッチング部13がターンオンされ、信号ラインを通じて転送されたデータDataがハイレベルの場合を説明することにする。
【0026】
図2及び図3を参照すると、転送されるデータDataが外部供給電圧VDDレベルのハイレベルであるので、ノードaがハイレベルになる。データ処理部20では、外部供給電圧VDDレベルであるハイレベルのデータDataに対して回路動作を行う。一方、遅延器11はこのようなデータ処理部20の動作遂行時間だけデータDataを遅延させ、反転部12に提供する。
【0027】
一方、データ(Data)は信号駆動ブロックのプルアップ素子PMによってハイレベルに維持されている状態として例示する。したがって、図3に示すように、ハイレベルのデータDataを受信した反転部12のプルダウン素子PDが応答して、抵抗素子Rを通じてデータDataをローレベルで駆動している。最終的なデータDataのレベルは、信号駆動ブロックのプルアップ素子PMの駆動能力と反転部12プルダウン素子PDの駆動能力及び抵抗素子Rの抵抗値により決定される。これにより、外部供給電圧VDDのレベルよりやや低いハイレベルに調整されることができる。
【0028】
また、信号ラインを通じて転送されたデータDataがローレベルの場合を説明することにする。
図4は、一定遅延時間が過ぎた後のデータレベル調整部の動作を説明するための回路図である。
【0029】
図2及び図4を参照すると、転送されるデータDataが接地電圧VSSレベルのローレベルであるので、ノードaがローレベルになる。データ処理部20では、接地電圧VSSレベルのローレベルのデータDataに対して回路動作を行う。データData処理動作が完了する所定時間以後、ローレベルのデータDataを受信した反転部12のプルアップ素子PUが応答する。
【0030】
一方、データDataは、信号駆動ブロックのプルダウン素子NMによりローレベルで駆動されている状態として例示する。したがって、図4に示すように、ローレベルのデータDataを受信した反転部12のプルアップ素子PUが応答して、抵抗素子Rを通じてデータDataをハイレベルで駆動している。最終的なデータDataのレベルは信号駆動ブロックのプルダウン素子NMの駆動能力と反転部12のプルアップ素子PUの駆動能力及び抵抗素子Rの抵抗値により決定され、接地電圧VSSのレベルよりやや高いローレベルに調整されることができる。
【0031】
このように、本発明の一実施例によれば、データの信号遷移時には外部供給電圧VDD又は接地電圧VSSレベルでスイングするが、所定時間以後(データ処理部20の動作に必要な最小時間)には、フルスイングより小さいスイング幅で駆動するように制御することができる。すなわち、データ処理部20は外部供給電圧VDD又は接地電圧VSSレベルのデータDataで動作を行う。これは通常のデータ処理部20の動作を保障するためである。すなわち、データ処理部20の動作を行うためには、より確実なローレベル、又はハイレベルのデータDataが必要である。ところが、データ処理部20での動作遂行が安定した時点以降は、次(next)のデータ遷移時にフルスイングレベルより小さいスイング幅で駆動させることによってデータ遷移速度を高速化するようにする。
【0032】
従来は、長い信号線で伝送されたデータData遷移時に、例えば、接地電圧VSSレベルから外部供給電圧VDDレベルまでフルスイングしようとすると、ライジングタイム(rising time)及びフォーリングタイム(falling time)が大きかった。しかし、本発明の一実施例によれば、データDataを必要な動作回路で動作遂行した所定時間以後には、データData電圧レベルを後調整、例えばポストチャージ(post− charge)する。すなわち、ポストチャージとは、データ処理部20での動作が完了した後の伝送又は待機される信号レベルを調整するという意味である。そうして、データ処理部20での動作以後の待機されるデータDataレベルは、外部供給電圧VDDより降下されたレベルであり、接地電圧VSSより昇圧されたレベルに調整することによって、データData遷移速度を改善することができる。ここで、データDataレベルをローレベルの場合及びハイレベルの場合に区分し、これから調整された電圧の待機レベルとして二元化することを例示するが、これに制限されるものではない。例えば、待機されるデータレベルを外部供給電圧VDDと接地電圧VSSの1/2電位差、すなわち1/2 VDD(half VDD)の同一レベルに調整するようにできることも、もちろん可能である。
【0033】
図5〜図6は、このようなデータレベル調整部10が適用される多様な実施例を示すブロック図である。
まず、図5は、データの入力及び出力を制御する半導体集積回路の概念的なブロック図である。
図5を参照すると、半導体集積回路はデータ入力部100、メモリセルブロック200及びデータ出力部300を含む。
【0034】
まず、データ入力部100はデータ入力バッファ110及びデータ入力制御部120を含む。そうして、データ入力部100は入力データDinを受信して、グローバルラインGIOに伝送する。
【0035】
より具体的には、書き込み時にはデータ入出力パッドDQパッドから入力データDinが提供される。データ入力バッファ110を通じて入力データDinはデータ入力制御部120に提供される。図示しなかったが、データ入力制御部120は、入力データDinを多重化させるマルチプレクサ(図示せず)を通じて複数の入力ドライバ(図示せず)に提供する。そうして、入力データDinはグローバル入出力ラインGIOにロード(loading)される。したがって、入力データDinはメモリセルブロック200のバンク(図示せず)に連結されたローカル入出力ライン(Local IO Line)に伝えられ、アドレスによって選択されたセルに書き込まれるようになる。
【0036】
一方、メモリセルブロック200内の書き込みドライバ制御部250は、本発明の一実施形態に係わるデータレベル調整部10を含む。そうして、グローバル入出力ラインGIOから伝送された入力データDinの信号レベルがデータレベル調整部10によって調整される。入力データDinの信号レベルが調整されることにより、長い信号線のグローバル入出力ラインGIOによって伝送されるデータのスイング速度が改善される。
【0037】
メモリセルブロック200に書き込まれたデータを読み込む場合、メモリセルブロック200内のビットラインセンスアンプ(図示せず)によって増幅され、再び入出力センスアンプ回路部260によって増幅されて、グローバル入出力ラインGIOにデータをロードする。このようなデータはデータ出力制御部310のパイプレジスタ(図示せず)に伝えられ、データ出力バッファ320を経由してバッファリングされることによって入出力パッドDQパッドを通じて出力データDoutが提供される。この場合にも、データレベル調整部10がグローバル入出力ラインGIOのデータレベルを調整し、フルスイングレベルより小さいスイング幅で駆動するように制御する。したがって、ロードが大きいグローバル入出力ラインGIOのデータの信号レベルが調整されることによってグローバル入出力ラインGIOのデータスイング速度が改善される。
【0038】
図6は、本発明の一実施形態に係わるデータレベル調整部10が含まれたクロック信号回路部のブロック図である。
【0039】
クロック信号回路部はクロック駆動部400及びクロック受信部500を含む。クロック受信部500はデータレベル調整部10を含む。ここでのクロック受信部500は、クロック信号CLKを受信し、様々な機能を制御する回路部として例示する。
【0040】
前述した通り、信号ラインを通じて伝送されるクロック信号についても同一のスキーム(scheme)を適用することができる。すなわち、クロック駆動部400で生成されたクロック信号CLKをクロック受信部500が受信する。この場合にも、データレベル調整部10はクロック信号CLK遷移され、所定時間以後には遷移されたレベルより低いか高いレベルに調整して、次のクロック遷移時に遷移速度を改善するようにすることができる。
【0041】
図7は、従来および本発明の一実施形態に係わるデータ遷移時の電圧レベルを示した波形図である。
【0042】
従来((1)実線)のデータDataは、ローレベルは接地電圧(VSS)レベルを、ハイレベルは外部供給電圧VDDレベルを有する。そうして、データ遷移時にはローレベルからハイレベルに、又はハイレベルからローレベルにフルスイングした。したがって、フルスイングでのデータ遷移時にライジングタイム(tr1;rising time)及びフォーリングタイム(tf1;falling time)が大きかった。
【0043】
しかし、本発明の一実施例((2)点線)に係るデータは、接地電圧VSSより高いレベル(ここでは、第1レベルと示す)で待機していてから、外部供給電圧VDDレベルで遷移する。この時、データはデータ処理部(図2の20参照)でデータを処理する間の所定区間の間は外部供給電圧VDDレベルを維持する。所定時間以後にはポストチャージされることによって、外部供給電圧VDDより低いレベル(ここでは、第2レベルと示す)で待機するようにする。再びデータがローレベルで遷移する時、データを処理する間の所定区間の間は接地電圧VSSレベルを維持する。所定時間以後にはポストチャージされることによって接地電圧VSSより高い第1レベルで待機するようにする。したがって、本発明の一実施形態に係わるデータ遷移されるスイング幅は、従来より小さいスイング幅を有することが分かる。これにより、従来より遷移するスイング幅が小さいので、データの遷移時にライジングタイムtr2及びフォーリングタイムtf2が高速化される。図7に示すように、従来より本発明の一実施形態に係わるデータ遷移動作のライジングタイム△tr及びフォーリングタイム△tfだけ改善されることが分かる。
【0044】
ここでは第1レベルと第2レベルを各々他の所定の電圧を有するものとして例示した。しかし、前述した通り、第1レベルと第2レベルが、例えば、1/2 VDDレベルの同一のレベルであることもあり得ることは言うまでもない。
【0045】
このように、本発明の一実施形態によれば、テストモードが活性化される区間の間、信号ラインを通じて伝送されるデータが、所定レベルで遷移する場合、所定区間の間は遷移されたレベルを維持する。所定時間以後にはデータの遷移レベルより低いか高いレベルで前記データのレベルを後調整、すなわち、ポストチャージする。例えば、データが外部供給電圧レベルで遷移されると、前記外部供給電圧より降下されたレベルに調整し、データが接地電圧レベルで遷移されると、前記接地電圧より昇圧されたレベルに調整することができる。言い換えれば、データの処理時には外部供給電圧又は接地電圧レベルで遷移され、データ処理以後には遷移されるスイング幅が外部供給電圧と接地電圧の電位差のフルスイング幅より小さいスイング幅で遷移されるように制御することができる。これにより、データ遷移速度が改善され、遷移されるスイング幅が小さくなるので、過度な電流が流れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係わるデータを伝送する信号ラインの制御回路のブロック図である。
【図2】図1に係る詳細な回路図である。
【図3】データの電圧レベルに係る信号ライン制御回路の動作説明を示す等価回路図である。
【図4】データの電圧レベルに係る信号ライン制御回路の動作説明を示す等価回路図である。
【図5】図1に係る信号ライン制御回路が適用された他の実施形態のブロック図である。
【図6】図1に係る信号ライン制御回路が適用された他の実施形態のブロック図である。
【図7】従来および本発明の一実施形態に係わるデータの電圧波形図である。
【符号の説明】
【0047】
5…信号駆動ブロック
10…データレベル調整部
11…遅延器
12…反転部
13…スイッチング部
14…抵抗部
20…データ処理部
100…データ入力部、
110…データ入力バッファ
120…データ入力制御部
200…メモリセルブロック
300…データ出力部
310…データ出力制御部
320…データ出力バッファ
400…クロック駆動部
500…クロック受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイ及びローレベルの信号が提供される信号ラインに設置され、前記信号のレベル遷移から所定時間後に前記ハイレベル及びローレベルに調整するデータレベル調整部を含むことを特徴とするデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項2】
前記データレベル調整部は、
前記データ遷移時に、前記データを前記所定時間遅延させる遅延器と、
前記遅延器の出力信号を反転させる反転部と、
前記反転部の出力信号を伝送するスイッチング部と、
前記スイッチング部の出力端と連結される抵抗部と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項3】
前記遅延器は、前記所定時間を満足させるように複数の遅延素子を含むことを特徴とする請求項2に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項4】
前記反転部は、
前記反転部に受信されるローレベルの信号に応答するプルアップ素子と、
前記反転部に受信されるハイレベルの信号に応答するプルダウン素子と
を含むことを特徴とする請求項2に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項5】
前記スイッチング部は、テストモード信号に応答してターンオンされる請求項2に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項6】
前記抵抗部は、前記反転部の出力信号の電流の流れを干渉(interference)することを特徴とする請求項2に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項7】
信号ラインを通じて伝送されるデータが、外部供給電圧又は接地電圧レベルで遷移する場合、前記データのスイング幅は前記外部供給電圧と接地電圧の電位差のフルスイング幅より小さいスイング幅でスイングされるように制御するデータレベル調整部を含むことを特徴とするデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項8】
前記データレベル調整部は、
前記データ遷移時に、前記データを前記所定時間遅延させる遅延器と、
前記遅延器の出力信号を反転させる反転部と、
前記反転部の出力信号を伝送するスイッチング部と、
前記スイッチング部の出力端と連結される抵抗部と
を含むことを特徴とする請求項7に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項9】
前記遅延器は、前記所定時間を満足させるように複数の遅延素子を含む、請求項8に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項10】
前記反転部は、
前記反転部に受信されるローレベルの信号に応答するプルアップ素子と、
前記反転部に受信されるハイレベルの信号に応答するプルダウン素子と
を含むことを特徴とする請求項8に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項11】
前記スイッチング部は、テストモード信号に応答してターンオンされることを特徴とする請求項8に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項12】
前記抵抗部は、前記反転部の出力信号の電流の流れを干渉(interference)することを特徴とする請求項8に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項13】
信号ラインを通じて伝送されるデータが外部供給電圧レベルで遷移する場合、所定区間以後には前記外部供給電圧より降下されたレベルに調整し、前記データが接地電圧レベルで遷移する場合、所定時間以後には前記接地電圧より昇圧されたレベルに調整するデータレベル調整部を含むことを特徴とするデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項14】
前記データレベル調整部は、
前記データ遷移時に、前記データを前記所定時間遅延させる遅延器と、
前記遅延器の出力信号を反転させる反転部と、
前記反転部の出力信号を伝送するスイッチング部と、
前記スイッチング部の出力端と連結される抵抗部とを含むことを特徴とする請求項13に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項15】
前記遅延器は、前記所定時間を満足させるように複数の遅延素子を含むことを特徴とする請求項14に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項16】
前記反転部は、
前記反転部に受信されるローレベルの信号に応答するプルアップ素子と、
前記反転部に受信されるハイレベルの信号に応答するプルダウン素子と
を含むことを特徴とする請求項14に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項17】
前記スイッチング部は、テストモード信号に応答してターンオンされることを特徴とする請求項14に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項18】
前記抵抗部は、前記反転部の出力信号の電流の流れを干渉(interference)することを特徴とする請求項14に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路。
【請求項19】
信号ラインを通じて伝送されるデータが所定レベルで遷移する場合、所定区間の間は遷移されたレベルを維持するステップと、
前記所定区間以後には前記データの遷移されたレベルより低いか高いレベルに前記データの電圧レベルを調整するステップとを含むことを特徴とするデータを伝送する信号ラインの制御回路の制御方法。
【請求項20】
前記データのレベルを調整するステップは、前記データが外部供給電圧レベルで遷移されると前記外部供給電圧より降下されたレベルに調整することを特徴とする請求項19に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路の制御方法。
【請求項21】
前記データのレベルを調整するステップは、前記データが接地電圧レベルで遷移されると前記接地電圧より昇圧されたレベルに調整することを特徴とする請求項19に記載のデータを伝送する信号ラインの制御回路の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−124704(P2009−124704A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282606(P2008−282606)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】