説明

データ伝送回路、伝送路異常確認方法、画像形成装置

【課題】正常ではない伝送路を介して信号が送受信されることによって、原稿に忠実な色の画像を記録紙に形成できなくなるのを未然に防止できるデータ伝送回路を提供する。
【解決手段】送信側回路部20に当該回路部20と受信回路部30との間の伝送路の正常確認を行うためのテスト信号を生成するテスト信号生成部200aと該テスト信号を受信側回路部30に送信するテスト信号送信部200bとを備え、受信側回路部30に、テスト信号を生成するテスト信号生成部300aと送信側回路部20からテスト信号を受信するテスト信号受信部300bと受信されたテスト信号とテスト信号生成部300aで生成したテスト信号とが一致しているか否かを確認する比較部300cとを備え、テスト信号生成部200a,300aにテスト信号の生成を指示する指示部46と、比較部300cから不一致を示す信号が出力されると異常信号を出力する異常信号出力部47とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを伝送するデータ伝送回路、伝送路異常確認方法及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量のデータを取り扱う装置、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、及びこれらの複合機等の画像形成装置では、例えば原稿画像を取得するスキャナと画像処理回路との間や、画像処理回路と画像形成回路との間等、装置内部で大量のデータを高速に伝送する必要がある。このような機器内部のデータ伝送には、従来からパラレルバスが一般的に用いられている。パラレルバスにおいてデータ伝送速度を向上させる方法として、バス幅を増大する方法と、データ伝送のクロック周波数を増大させる方法とがある。
【0003】
しかし、画像形成装置で取り扱われる画像データは、例えばR、G、Bの3色に対応したデータで表され、各色8ビットから10ビットで表されている。このような画像データをパラレルバスで伝送しようとすると、24ビット〜30ビットのバス幅が必要となる。さらに、このような信号を高速伝送するためには差動信号を用いることが望ましいが、差動信号を用いると、信号線が2倍必要となって、パラレルバスの信号線は48本〜60本となる。そうすると、信号ケーブルやコネクタのコストの増大を招くこととなる。また、信号本数の増大やクロック周波数の増大は、電磁波の不要輻射を増大させ、EMC(Electro Magnetic Compatibility)の観点からも問題となる。
【0004】
そこで、近年、このような装置内部におけるデータ伝送の用途に、信号線を少なくすることができるシリアルバスの活用が図られている。
【0005】
なお、画像形成装置におけるデータの伝送技術に関連する文献として、下記特許文献1,2がある。下記特許文献1には、書込み密度に応じて周波数が変化するクロックを画像データの書込みクロックとして用い、この書込みクロックに同期して画像メモリより送られてくる画像データにより書込みを行なうようにした、画像形成装置の光書込み装置において、互いに位相の逆転した2つの書込みクロックにより画像データをラッチするラッチ回路を設け、一方の書込みクロックによりラッチされた画像データを書込みデータとして選択する選択手段を設ける技術が開示されている。
【0006】
また、下記特許文献2には、外部からビデオデータを受信し、当該ビデオデータを画像形成手段に送信する画像処理装置において、第1のクロックを発生する第1のクロック発生手段と、前記第1のクロックと同じ周期の第2クロックを発生する第2のクロック発生手段と、前記第1のクロックに同期してN周期分のN個の前記ビデオデータをラッチするN個のラッチ手段と、前記第2のクロックに同期して、前記N個のラッチ手段を順次に選択する選択手段とを具え、前記選択手段により順次に選択されたラッチ手段にラッチされているビデオデータを前記画像形成手段に送信する記載がなされている。
【特許文献1】特開平5−110822号公報
【特許文献2】特開2002−44319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記データの伝送を行う送信側回路と受信側回路との間の伝送路の寄生容量に各色のデータを伝送する伝送路間でばらつきがあったり、装置内配線の伝送距離や、データ伝送用配線のバッファ特性のばらつきなどにより、データ同士にスキューが発生したり、クロック信号とデータとの間でスキューが発生したりする。また、例えばケーブルの脱落などが発生している場合もある。このような状況が発生していると、適切な画像データが画像形成部に伝送されなくなり、原稿に忠実な色の画像を記録紙に形成することができなくなる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、正常ではない伝送路を介して信号が送受信されることによって、原稿に忠実な色の画像を記録紙に形成することができなくなるのを未然に防止することのできるデータ伝送回路、伝送路異常確認方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、シリアル信号を送信する送信部と、前記送信部から前記シリアル信号を受信し、該シリアル信号をパラレル信号に変換して出力する受信部とを備えたデータ伝送回路であって、前記送信部は、前記送信部と前記受信部との間の伝送路の正常確認を行うためのテスト信号を生成する送信側テスト信号生成部と、前記送信側テスト信号生成部により生成されたテスト信号を前記受信部に送信するテスト信号送信部とを備え、前記受信部は、前記テスト信号を生成する受信側テスト信号生成部と、前記送信部からテスト信号を受信するテスト信号受信部と、前記テスト信号受信部で受信されたテスト信号と前記受信側テスト信号生成部で生成したテスト信号とを比較し、両テスト信号が一致しているか否かを確認する比較部とを備え、前記送信側テスト信号生成部及び前記受信側テスト信号生成部に、前記テスト信号の生成を指示するテスト信号生成指示部と、前記比較部から前記両テスト信号が不一致であることを示す信号が出力されると、前記伝送路の状態が正常ではないことを示す異常信号を出力する異常信号出力部とを有するものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、シリアル信号を送信する送信部と、前記送信部から前記シリアル信号を受信し、該シリアル信号をパラレル信号に変換して出力する受信部とを備えたデータ伝送回路の、前記送信部と前記受信部との間の伝送路の正常確認を行う伝送路状態確認方法であって、前記テスト信号生成指示部が、前記送信部に備えられる送信側テスト信号生成部及び前記受信部に備えられる受信側テスト信号生成部に、前記正常確認を行うための前記テスト信号の生成を指示するステップと、前記送信側テスト信号生成部及び前記受信側テスト信号生成部が、前記テスト信号生成指示部からの前記指示を受けて、前記テスト信号を生成するステップと、前記送信部に備えられるテスト信号送信部が、前記送信側テスト信号生成部により生成されたテスト信号を前記受信部に送信するステップと、前記受信部に備えられるテスト信号受信部が、前記送信部のテスト信号送信部からテスト信号を受信するステップと、前記受信部に備えられる比較部が、前記テスト信号受信部で受信されたテスト信号と前記受信側テスト信号生成部で生成されたテスト信号とを比較し、前記両テスト信号が一致しているか否かを確認するステップと、異常信号出力部が、前記比較部から前記両テスト信号が不一致であることを示す信号が出力されると、前記伝送路の状態が正常ではないことを示す異常信号を出力するステップとを有するものである。
【0011】
請求項1,5に記載の発明によれば、前記送信部の送信側テスト信号生成部及び受信部の受信側テスト信号生成部により、それぞれ、前記送信部と前記受信部との間の伝送路の異常の有無を確認するためのテスト信号が生成される。そして、前記送信部の送信側テスト信号生成部で生成されたテスト信号は、送信部のテスト信号送信部により前記受信部に送信され、該受信部のテスト信号受信部によりそのテスト信号が受信される。
【0012】
次に、前記受信部に備えられる比較部により、前記テスト信号受信部で受信されたテスト信号と前記受信側テスト信号生成部で生成したテスト信号とが比較され、前記両テスト信号が一致しているか否かが確認され、異常信号出力部により、前記比較部から前記両テスト信号が不一致であることを示す信号が出力されると、前記伝送路の状態が正常ではないことを示す異常信号が出力される。
【0013】
このような処理を、例えば画像データを前記送信部と前記受信部との間で送受信する前に実施することにより、前記伝送路の状態が正常であるか否かを事前に確認することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデータ伝送回路において、前記異常信号出力部から異常信号が出力されると、前記伝送路の状態が正常ではない旨を報知する報知部を更に備えるものである。
【0015】
この発明によれば、前記異常信号出力部から異常信号が出力されると、前記伝送路の状態が正常ではない旨を報知する報知部を備えたので、ユーザやサービスマンに、前記伝送路の状態が正常ではない旨を報知することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、画像信号を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された画像信号に基づき記録紙に画像を形成する画像形成部とを有し、前記画像取得部から前記画像形成部へ前記画像信号を送信する信号伝送経路の少なくとも一部に、請求項1又は2に記載のデータ伝送回路が用いられていることを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
この発明によれば、画像信号を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された画像信号に基づき記録紙に画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置において、前記画像取得部から前記画像形成部へ前記画像信号を送信する信号伝送経路の少なくとも一部に用いられるデータ伝送回路について、伝送路の状態が正常であるか否かを事前に確認することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記テスト信号生成指示部は、当該画像形成装置の主電源がオンされたことをトリガとして、前記送信側テスト信号生成部及び前記受信側テスト信号生成部に、前記テスト信号の生成を指示するものである。
【0019】
この発明によれば、画像形成動作を実施する前の準備期間を利用して、前記伝送路の正常確認を行うことができ、該正常確認の実施のために、ユーザを待機させるのを回避又は抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、前記伝送路の状態が正常であるか否かを事前に確認することができるため、正常ではない伝送路を介して信号が送受信されることによって、原稿に忠実な色の画像を記録紙に形成することができなくなるのを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係るデータ伝送回路を備えた画像形成装置の一例であるデジタル複合機の構成の一例を示すブロック図である。複合機とは、複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能及びスキャナ機能等、画像形成に関する二以上の機能を兼ね備えた装置である。
【0022】
複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、ネットワークI/F部71、パラレルI/F部72、シリアルI/F部73及びHDD(ハードディスクドライブ)74、及びデータ伝送回路2,3を備えて構成されている。
【0023】
そして、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、データメモリ36、制御部41、操作パネル部51及びファクシミリ通信部61によって、ファクシミリ機能が実現される。また、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ネットワークI/F部71及びパラレルI/F部72によって、プリンタ機能が実現される。また、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41及び操作パネル部51によって、複写機能が実現される。
【0024】
操作パネル部51は、使用者が複写機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能等に関する操作を行うために使用され、使用者による操作指示、例えば原稿画像の複写を指示する複写指示等を制御部41に与えるものである。操作パネル部51は、タッチパネル等を有する表示部52と、スタートキーやテンキー等を有する操作キー部53とを含む。
【0025】
表示部52は、例えばタッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたカラー表示可能なタッチパネルユニット等を有し、種々の操作画面を表示し、ユーザの入力操作を可能とする。表示部52は、例えばファクシミリ機能実行の際に、ユーザ選択、送信先選択、送信設定等に関する情報を表示するとともに、使用者が当該部分をタッチすることで種々の操作指示を入力するための操作ボタン等を表示する。操作キー部53は、使用者によるコピー実行開始指令、あるいはファクシミリ送信開始指令といった種々の指示入力を行うために用いられる。
【0026】
スキャナ部11は、原稿の画像を光学的に取得して画像データを生成するものである。スキャナ部11は、露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含んでいる。スキャナ部11は、露光ランプ12によって原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することで、原稿画像を読み取る。そして、スキャナ部11は、読み取った画像に対応する画像データを、例えば赤色の成分を示す8ビットの赤データRD[7:0]、緑色の成分を示す8ビットの緑データGD[7:0]、及び青色の成分を示す8ビットの青データBD[7:0]として生成する。
【0027】
そして、スキャナ部11は、例えば赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、及び青データBD[7:0]と、赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、及び青データBD[7:0]が変化するタイミングと同期した基本クロック信号TxCLKと、赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、及び青データBD[7:0]における有効な垂直、水平同期タイミングを示す制御信号S1とを、データ伝送回路2によって画像処理部21へ伝送させる。
【0028】
画像処理部21は、画像データに対する各種画像処理を行うものである。例えば、画像処理部21は、スキャナ部11で読み取られるなどして得られた画像データに対して、レベル補正、γ補正等の所定の補正処理、画像データの圧縮または伸張処理、拡大または縮小処理等の種々の画像処理(加工処理)を行う。画像処理部21は、画像メモリ22を含み、処理された画像データ等をこの画像メモリ22に記憶したり、プリンタ部31、ファクシミリ通信部61又はネットワークI/F部71等へ出力したりする。また、画像処理部21は、例えば画像メモリ22に記憶された画像データを、データ伝送回路3によってプリンタ部31へ伝送させ、プリンタ部31により画像形成を行わせる。
【0029】
プリンタ部31は、画像処理部21からデータ伝送回路3によって伝送された画像データ、ネットワークI/F部71を介して外部のパーソナルコンピュータ等から受信した画像データ、及びファクシミリ通信部61によって外部のファクシミリ装置から受信したファックスデータ等の画像データに基づく画像を所定の記録紙に印刷するものである。プリンタ部31は、給紙カセット及び給紙ローラ等を有する用紙搬送部32、中間転写体ローラ、感光体ドラム、露光装置及び現像装置等を有する画像形成部33、転写ローラ等を有する転写部34並びに定着ローラ等を有する定着部35を含む。具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記画像データに対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0030】
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示せず)、変復調部(図示せず)及びNCU(Network Control Unit)(図示せず)を含み、スキャナ部11によって読み取られた原稿の画像データを電話回線等の通信回線611を介して他のファクシミリ装置へ送信したり、他のファクシミリ装置から送信されてきた画像データを受信したりするものである。前記符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・暗号化し、受信した画像データを伸張・復号化するものであり、変復調部は、圧縮・暗号化された画像データを音声信号に変調したり、受信した信号(音声信号)を画像データに復調したりするものである。また、NCUは、送信先となるファクシミリ装置との電話回線による接続を制御するものである。
【0031】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインターフェース(例えば10/100base-TX)等を用い、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信回線711を介して接続されたユーザ側サーバとの間での種々のデータの送受信を制御するものである。また、通信回線711にパーソナルコンピュータ等の図示しない1または複数の通信端末装置が接続されている場合に、ネットワークI/F部71はこれらの通信端末装置との間での種々のデータの送受信を制御する。例えば、ネットワークI/F部71は、スキャナ部11によって読み取られた原稿画像データを通信端末装置へ電子メールとして送信したり、プリンタ部31で印刷するために通信端末装置から送られた画像データを受信したりする。
【0032】
パラレルI/F部72は、高速双方向パラレルインターフェイス(例えばIEEE1284準拠)等を用いて、複数の信号線を用いて複数ビット単位でデータを送信するパラレル伝送によって、外部機器等から印刷データ等を受信等するものである。シリアルI/F部73は、シリアルインターフェイス(例えばRS−232C)等を用い、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送によって、外部機器等から種々のデータ等を受信等するものである。
【0033】
HDD74は、スキャナ部11によって読み取られた画像データやネットワークを介して送信されてきた画像データ、あるいは当該画像データに設定されている出力形式等を記憶するものである。HDD74に記憶されている画像データは、該複合機1で使用されるだけでなく、ネットワークI/F部71を介して通信端末装置によって確認されたり、通信端末装置の所定のフォルダへ転送されることによって、該通信端末装置での使用に供されたりする。
【0034】
制御部41は、図略のCPU(Central Processing Unit:中央演算処理部)、そのCPUの動作を規定するプログラムを格納するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、ならびに一時的にデータを保管するRAMや、これらの周辺装置等を有している。これによって、制御部41は、操作パネル部51等で受け付けられた指示情報や、複合機1の各所に設けられているセンサからの検出信号に応じて、該複合機1全体の制御を行う。より具体的には、制御部41は、スキャナコントローラ42、ファクシミリコントローラ43、プリンタコントローラ44、コピーコントローラ45、指示部46と、異常信号出力部47と、報知部48として機能する。
【0035】
制御部41としてのコンピュータが読み取ることによって上述の各機能を実現するためのプログラムは、HDD74等の不揮発性且つ大容量の外部記憶装置に格納しておき、前記RAM等の主記憶装置に適宜転送することで、CPUによる実行に供することも可能である。前記プログラムは、ROM或いはCD―ROM等の記録媒体を通じて供給することも、ネットワークI/F部71に接続されるネットワーク等の伝送媒体を通じて供給することも可能である。伝送媒体は、有線の伝送媒体に限らず無線の伝送媒体であってもよい。また、伝送媒体には、通信線路のみでなく、通信線路を中継する中継装置、例えばルータ等の通信リンクをも含む。
【0036】
プログラムがROMを通じて供給される場合には、当該プログラムが記録されたROMを制御部41に搭載することによって、CPUによる実行に供することができる。プログラムがCD−ROMを通じて供給される場合には、CD−ROM読み取り装置を、例えばパラレルI/F部72へ接続し、当該プログラムをRAM或いはHDD74へ転送することによって、CPUによる実行に供することができる。また、プログラムが伝送媒体を通じて供給される場合には、ネットワークI/F部71を通じて受信したプログラムをRAM或いはHDD74へ転送することによって、CPUによる実行に供することができる。
【0037】
スキャナコントローラ42は、スキャナ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。ここで、PC送信機能を実現する場合には、スキャナコントローラ42は、ネットワークI/F部71によって、スキャナ部11により読み取られた原稿の画像データを通信回線711を介して、データメモリ36に記憶されているIPアドレスで指定される通信端末装置へ直接送信させる。
【0038】
ファクシミリコントローラ43は、ファクシミリ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。ファクシミリコントローラ43は、ファクシミリの送信を行う際には、ファクシミリ通信部61によって、スキャナ部11により読み取られた原稿の画像データを通信回線611を介して、データメモリ36に記憶されている電話番号を指定してファクシミリ装置等へ直接送信させる。
【0039】
プリンタコントローラ44は、プリンタ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。コピーコントローラは、複写機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。
【0040】
データ伝送回路2は、スキャナ部11から出力された画像データを画像処理部21へ高速伝送する。データ伝送回路3は、画像処理部21から出力された画像データを画像形成部33へ高速伝送する。図2は、データ伝送回路2,3の構成の一例を示すブロック図である。なお、データ伝送回路2とデータ伝送回路3とは同様に構成されているため、両方とも図2で示している。
【0041】
以下、データ伝送回路2の構成について説明する。図2に示すデータ伝送回路2は、送信側回路20と、受信側回路30とを備えている。そして、データ伝送回路2における送信側回路20は、スキャナ部11の近傍に配設され、スキャナ部11から出力された画像データを示す信号、すなわち赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、青データBD[7:0]、基本クロック信号TxCLK、及び制御信号S1を画像処理部21の近傍に配設された受信側回路30へ送信する。
【0042】
送信側回路20は、パラシリ変換部201,202,203(パラレルシリアル変換部)、PLL(Phase Locked Loop)回路204、差動ドライバ205,206,207,208及び差動ドライバ209を備えている。
【0043】
受信側回路30は、差動レシーバ301,302,303,304,305、終端抵抗R1,R2,R3,R4,R5、PLL回路306及びシリパラ変換部307,308,309を備えている。
【0044】
差動ドライバ205と差動レシーバ301とは一対のケーブル231により接続され、差動ドライバ206と差動レシーバ302とは一対のケーブル232により接続され、差動ドライバ207と差動レシーバ303とは一対のケーブル233により接続され、差動ドライバ208と差動レシーバ304とは一対のケーブル234により接続され、差動ドライバ209と差動レシーバ305とは一対のケーブル235により接続されている。ケーブル231,232,233,234,235としては、例えばツイストペアケーブルが用いられる。
【0045】
PLL回路204は、基本クロック信号TxCLKを逓倍して同期クロック信号CLK1を生成し、パラシリ変換部201,202,203へ出力する。パラシリ変換部201,202,203は、8ビットのパラレル信号をシリアル信号に変換するので、パラレル信号に同期した基本クロック信号TxCLKからシリアル信号の周期を示す同期クロック信号CLK1を生成するべく逓倍倍率が8倍にされている。例えば、スキャナ部11が50MHzのクロック周波数で動作しており、赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、及び青データBD[7:0]が50MHzの基本クロック信号TxCLKと同期して変化する場合、PLL回路204によって基本クロック信号TxCLKが8逓倍され、同期クロック信号CLK1は400MHzにされる。
【0046】
パラシリ変換部201,202,203は、例えばシフトレジスタを用いて構成されている。そして、パラシリ変換部201は、8ビットのパラレル信号である赤データRD[7:0]を、例えば同期クロック信号CLK1と同期して1ビットずつシフトさせることで、シリアル信号TxOUT2として差動ドライバ205へ出力する。
【0047】
パラシリ変換部202は、8ビットのパラレル信号である緑データGD[7:0]を、例えば同期クロック信号CLK1と同期して1ビットずつシフトさせることで、シリアル信号TxOUT1を生成し、シリアル信号TxOUT1を差動ドライバ206へ出力する。
【0048】
パラシリ変換部203は、8ビットのパラレル信号である青データBD[7:0]を、例えば同期クロック信号CLK1と同期して1ビットずつシフトさせることで、シリアル信号TxOUT0として差動ドライバ207へ出力する。
【0049】
差動ドライバ205は、パラシリ変換部201から出力されたシリアル信号TxOUT2を、差動信号に変換してケーブル231を介して差動レシーバ301へ送信する。差動ドライバ206は、パラシリ変換部202から出力されたシリアル信号TxOUT1を、差動信号に変換してケーブル232を介して差動レシーバ302へ送信する。差動ドライバ207は、パラシリ変換部203から出力されたシリアル信号TxOUT0を、差動信号に変換してケーブル233を介して差動レシーバ303へ送信する。差動ドライバ208は、スキャナ部11から出力された制御信号S1を、差動信号に変換してケーブル234を介して差動レシーバ304へ送信する。差動ドライバ209は、スキャナ部11から出力された基本クロック信号TxCLKを、差動信号に変換してケーブル235を介して差動レシーバ305へ送信する。
【0050】
差動レシーバ301,302,303,304,305の信号入力端子間には、終端抵抗R1,R2,R3,R4,R5がそれぞれ設けられており、伝送路のインピーダンスが整合されている。そして、差動レシーバ301は、シリアル信号TxOUT2を受信してシリアル信号RxIN2としてシリパラ変換部307へ出力する。差動レシーバ302は、シリアル信号TxOUT1を受信してシリアル信号RxIN1としてシリパラ変換部308へ出力する。差動レシーバ303は、シリアル信号TxOUT0を受信してシリアル信号RxIN0としてシリパラ変換部309へ出力する。差動レシーバ304は、制御信号S1を受信して画像処理部21へ出力する。差動レシーバ305は、基本クロック信号TxCLKを受信して、クロック信号RxCLKとしてPLL回路306及び画像処理部21へ出力する。
【0051】
PLL回路306は、クロック信号RxCLKを逓倍し、さらに反転して同期クロック信号CLKBを生成し、同期クロック信号CLKBをシリパラ変換部307,308,309へ出力する。PLL回路306の逓倍倍率は、PLL回路204の逓倍倍率と同一にされており、例えば8倍にされている。
【0052】
シリパラ変換部307,308,309は、例えばシフトレジスタを用いて構成されている。そして、シリパラ変換部307は、シリアル信号RxIN2を、例えば同期クロック信号CLKBと同期して1ビットずつシフトさせつつ取得することで、8ビットのパラレル信号である赤データRD[7:0]に変換し、画像処理部21へ出力する。
【0053】
シリパラ変換部308は、シリアル信号RxIN1を、例えば同期クロック信号CLKBと同期して1ビットずつシフトさせつつ取得することで、8ビットのパラレル信号である緑データGD[7:0]に変換し、画像処理部21へ出力する。
【0054】
シリパラ変換部309は、シリアル信号RxIN0を、例えば同期クロック信号CLKBと同期して1ビットずつシフトさせつつ取得することで、8ビットのパラレル信号である青データBD[7:0]に変換し、画像処理部21へ出力する。
【0055】
データ伝送回路3は、画像処理部21から出力された画像データを画像形成部33へ送信する点を除き、データ伝送回路2と同様に構成されているのでその説明を省略する。
【0056】
次に、上述のように構成された複合機1及びデータ伝送回路2の動作について説明する。
【0057】
図3は、データ伝送回路2における画像データの伝送処理を説明するための信号波形図である。例えば、操作パネル部51によって、ユーザからの複写を指示する操作指示が受け付けられると、コピーコントローラ45からの制御信号に応じてスキャナ部11によって、原稿から画像が読み取られ、スキャナ部11から画像を示す信号、すなわち赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、青データBD[7:0]、基本クロック信号TxCLK及び制御信号S1がデータ伝送回路2へ送信される。
【0058】
図3においては、赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、青データBD[7:0]の各ビット単位でのデータの流れを示すために、赤データRD[7:0]の各ビットを23〜16、緑データGD[7:0]の各ビットを15〜08、青データBD[7:0]の各ビットを07〜00の番号で示している。
【0059】
制御信号S1は、差動ドライバ208によって、ケーブル234及び差動レシーバ304を介して画像処理部21へ送信される。
【0060】
基本クロック信号TxCLKは、PLL回路204に供給されると共に、差動ドライバ209によって、ケーブル235及び差動レシーバ305を介し、クロック信号RxCLKとしてPLL回路306及び画像処理部21へ出力される。
【0061】
そして、PLL回路204によって基本クロック信号TxCLKから同期クロック信号CLK1が生成されてパラシリ変換部201,202,203へ出力される。次いで、パラシリ変換部201,202,203によって、赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、青データBD[7:0]が同期クロック信号CLK1と同期してシリアル信号TxOUT2,TxOUT1,TxOUT0に変換される。
【0062】
さらに、シリアル信号TxOUT2,TxOUT1,TxOUT0は、差動ドライバ205,206,207によって、ケーブル231,232,233、差動レシーバ301,302,303を介してそれぞれシリアル信号RxIN2,RxIN1,RxIN0としてシリパラ変換部307,308,309へ送信される。
【0063】
次に、シリパラ変換部307,308,309によって、同期クロック信号CLKBの立ち上りタイミングと同期して、シリアル信号RxIN2,RxIN1,RxIN0がそれぞれ1ビットずつ取得されてパラレル信号に変換され、赤データRD[7:0],緑データGD[7:0],青データBD[7:0]が得られ、各データが画像処理部21へ出力される。
【0064】
次に、画像処理部21によって、データ伝送回路2から出力された赤データRD[7:0]、緑データGD[7:0]、青データBD[7:0]、制御信号S1、及びクロック信号RxCLKに各種画像処理が施された後、データ伝送回路3によって、これら画像処理の施された画像データが画像形成部33へ送信される。データ伝送回路3の動作はデータ伝送回路2と同様であるのでその説明を省略する。
【0065】
そして、画像形成部33によって、データ伝送回路3から出力された画像データに基づいて、記録紙に画像が形成される。
【0066】
以上のような構成を有する複合機1において、本実施形態では、送信側回路20と受信側回路30との間の伝送路が正常であるか否かを確認するテストモードを有している点が従来と相違する。以下、このテストモードに関する説明を行う。図4は、前記テストモードを実現する構成を示すブロック図である。
【0067】
前記テストモードを実現するための構成として、本実施形態では、図4に示すように、送信側回路20の送信制御回路200に、テスト信号生成部200aとテスト信号送信部200bとを備え、受信側回路30の受信制御回路300に、テスト信号生成部300aとテスト信号受信部300bと比較部300cとを備え、制御部41に、指示部46と異常信号出力部47と報知部48とを備えている。
【0068】
指示部46は、前記送信側回路20及び受信側回路30のテスト信号生成部200a,300aにテスト信号を生成する指示を出力するものである。指示部46が前記テスト信号を生成する指示を示す指示信号「PGMODE」を図6(a)に示す。この指示信号「PGMODE」が前記指示部46から出力されている期間(以下、この期間をテストモード期間という)、前記送信側回路20、受信側回路30及び制御部41によるテストモードに係る処理が実施される。
【0069】
なお、複合機1においては、該テストモード期間中、図6(b),(d)に示すように、周期的に出力される主走査同期信号「HSYNC」に基づき主走査有効区間信号「MRE」が周期的に生成されるが、前記送信側回路20、受信側回路30及び制御部41によるテストモードに係る処理は、1つの主走査有効区間信号「MRE」の出力期間を1単位として実施される。また、図6(b)に示す波形のうち矢印Xの期間の部分を拡大した図を図5(a)に示し、図6(c)に示す波形のうち矢印Xの期間の部分を拡大した図を図5(b)に示し、図6(d)に示す波形のうち矢印Xの期間の部分を拡大した図を図5(c)に示す。
【0070】
テスト信号生成部200a,300aは、前記指示部46からの指示に基づき、前記テスト信号を生成するものである。テスト信号生成部200a,300aは、赤データRDを伝送する伝送路、緑データGDを伝送する伝送路、青データBDを伝送する伝送路にそれぞれ対応してテスト信号R(R),R(G),R(B)を生成する。図5(d)は、赤データRDを伝送する伝送路に対応するテスト信号R(R)、図5(e)は、緑データGDを伝送する伝送路に対応するテスト信号R(G)、図5(f)は、青データBDを伝送する伝送路に対応するテスト信号R(B)を示す図であり、図5(d)〜(f)では、赤データRD[7:0]の各ビット、緑データGD[7:0]の各ビット及び青データBD[7:0]の各ビットを07〜00の番号で示している。
【0071】
テスト信号送信部200bは、送信側回路20のテスト信号生成部200aで生成されたテスト信号を受信側回路30に送信するものであり、テスト信号受信部300bは、送信側回路20から送信されたテスト信号を受信するものである。
【0072】
比較部300cは、前記テスト信号受信部300bにより受信されたテスト信号と、当該受信側回路30のテスト信号生成部300aで生成されたテスト信号とを比較し、それらが一致しているか否かを確認するものである。
【0073】
例えば、図5(g)〜(i)は、前記テスト信号受信部300bにより受信されたテスト信号T(R),T(G),T(B)を示しており、この図5(g)〜(i)に示す信号T(R),T(G),T(B)と、図5(d)〜(f)に示す信号R(R),R(G),R(B)とを比較すると、緑データGDを伝送する伝送路に対応するテスト信号T(G),R(G)において、矢印A,Bで示すビットがテスト信号T(G)とテスト信号R(G)とで異なっている。比較部300cは、このように前記両テスト信号が不一致であると判断したとき、図5(k)の矢印cで示すように、その旨を示す不一致信号を制御部41に出力する。前記両テスト信号が不一致となるのは、緑データGDを伝送する伝送路に何らかの異常が発生したことにより生じたものと考えられる。
【0074】
なお、ここでは、テスト信号生成部200a,300aは、主走査同期信号「HSYNC」の立ち上がりタイミングに同期させて、テスト信号の生成及び前記両テスト信号の比較を開始させるようにしている。ただし、これに限らず、副走査有効区間信号「VSYNC」の立ち上がりタイミングに同期させるようにしてもよい。また、前記各信号「HSYNC」,「VSYNC」,「MRE」は、前記シリアル信号TxOUT2,TxOUT1,TxOUT0に組み込まれている。
【0075】
異常信号出力部47は、前記比較部300cから前記不一致信号を受信すると、送信側回路20と受信側回路30との間の伝送路における異常が発生したことを示す異常信号を報知部48に出力する。報知部48は、前記異常信号出力部47から前記異常信号を受信すると、例えば、表示部52にその旨を示すメッセージを表示させるなどの報知動作を行う。
【0076】
図7は、テストモードにおける前記送信側回路20、受信側回路30及び制御部41の処理を示すフローチャートである。
【0077】
図7に示すように、制御部41(指示部46)は、当該複合機1の主電源がオンされると(ステップ♯1でYES)、送信側回路20及び受信側回路30に、テスト信号の生成指示を出力する(ステップ♯2)。
【0078】
送信側回路20(テスト信号生成部200a)は、制御部41(指示部46)からテスト信号の生成指示を受けると(ステップ♯11でYES)、この指示に基づきテスト信号を生成する(ステップ♯11)。また、受信側回路30(テスト信号生成部300a)は、制御部41(指示部46)からテスト信号の生成指示を受けると(ステップ♯21でYES)、この指示に基づきテスト信号を生成する(ステップ♯22)。
【0079】
送信側回路20(テスト信号送信部200b)は、(テスト信号生成部200aで)生成したテスト信号を受信側回路30に送信する(ステップ♯13)。
【0080】
受信側回路30(テスト信号受信部300b)は、前記送信側回路20からテスト信号を受信すると(ステップ♯23)、受信側回路30(比較部300c)は、この受信したテスト信号と、自らで(テスト信号生成部300aで)生成したテスト信号とを比較し(ステップ♯24)、両テスト信号が一致するか否かを確認する(ステップ♯25)。
【0081】
その結果、受信側回路30(比較部300c)は、前記両テスト信号が不一致であることを確認すると(ステップ♯25)、その旨を示す不一致信号を制御部41に送信する(ステップ♯26)。
【0082】
制御部41(異常信号出力部47)は、テスト信号生成指示の出力期間中に前記受信側回路30から前記不一致信号を受信すると(ステップ♯3でYES)、制御部41(報知部48)は、例えば、表示部52にその旨を示すメッセージを表示させるなどの報知動作を行う(ステップ♯4)。
【0083】
以上のように、本実施形態では、送信側回路20と受信側回路30とにそれぞれ同一のテスト信号を生成させ、受信側回路30が生成したテスト信号と送信側回路20から受信したテスト信号とを比較し、両テスト信号が不一致のときには、送信側回路20と受信側回路30との間の伝送路が正常な状態ではないものと判断する機能を複合機1に搭載したので、送信側回路20と受信側回路30との間の伝送路が正常な状態でない状態で、送信側回路20と受信側回路30との間でデータの送受信が行われるのを防止することができる。
【0084】
その結果、正常ではない伝送路を介して信号が送受信されることによって、原稿に忠実な色の画像を記録紙に形成することができなくなるのを未然に防止することができる。
【0085】
本件は、前記実施形態に代えて、或いは前記実施形態に加えて次のような変形形態も採用可能である。
【0086】
[1]シリパラ変換部307,308,309の代わりにフリップフロップを備え、フリップフロップによってシリアル信号RxIN2,RxIN1,RxIN0を同期クロック信号CLKBと同期して外部へ出力するようにしてもよい。
【0087】
[2]データ伝送回路2をカラーの画像データの伝送に適用する例を示したが、白黒の画像データをシリアル信号TxOUT2,TxOUT1,TxOUT0に分配して送信するようにしてもよい。
【0088】
[3]データ伝送回路によるデータ伝送が行われる箇所は、スキャナ部11と画像処理部21との間、及び画像処理部21と画像形成部33との間に限られず、例えばファクシミリ通信部61、ネットワークI/F部71、パラレルI/F部72、及びシリアルI/F部73等の通信I/F部と画像処理部21との間であってもよく、その他、いかなる箇所であってもよい。
【0089】
[4]画像形成装置の一例として、複合機の例を示したが、例えば複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置の内部におけるデータの伝送にデータ伝送回路2をもちいてもよい。
【0090】
[5]データ伝送回路2によって伝送されるデータは、画像データに限らず、いかなるデータであってもよく、画像形成装置以外の種々の装置におけるデータの伝送にデータ伝送回路2を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータ伝送回路を備えた画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデータ伝送回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2に示すデータ伝送回路における画像データの伝送処理を説明するための信号波形図である。
【図4】テストモードを実現する構成を示すブロック図である
【図5】(a)は、主走査同期信号の拡大波形図、(b)は、副走査有効区間信号の拡大波形図、(c)は、主走査有効区間信号の拡大波形図、(d)〜(f)は、送信側回路及び受信側回路で生成されるテスト信号の波形図、(g)〜(i)は、受信側回路で受信されたテスト信号の波形図、(j)は、受信側回路に入力されるクロックを示す波形図、(k)は、比較部の比較結果を示す信号の波形図である。
【図6】(a)は、制御部によるテスト信号生成指示を示す指示信号の波形図、(b)は、主走査同期信号の波形図、(c)は、副走査有効区間信号の波形図、(d)は、主走査有効区間信号の波形図である。
【図7】テストモードにおける前記送信側回路20、受信側回路30及び制御部41の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 複合機
2 データ伝送回路
3 データ伝送回路
11 スキャナ部
20 送信側回路
200a テスト信号生成部
200b テスト信号送信部
21 画像処理部
30 受信側回路
300a テスト信号生成部
300b テスト信号受信部
300c 比較部
31 プリンタ部
33 画像形成部
41 制御部
46 指示部
47 異常信号出力部
48 報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアル信号を送信する送信部と、前記送信部から前記シリアル信号を受信し、該シリアル信号をパラレル信号に変換して出力する受信部とを備えたデータ伝送回路であって、
前記送信部は、前記送信部と前記受信部との間の伝送路の正常確認を行うためのテスト信号を生成する送信側テスト信号生成部と、前記送信側テスト信号生成部により生成されたテスト信号を前記受信部に送信するテスト信号送信部とを備え、
前記受信部は、前記テスト信号を生成する受信側テスト信号生成部と、前記送信部からテスト信号を受信するテスト信号受信部と、前記テスト信号受信部で受信されたテスト信号と前記受信側テスト信号生成部で生成したテスト信号とを比較し、両テスト信号が一致しているか否かを確認する比較部とを備え、
前記送信側テスト信号生成部及び前記受信側テスト信号生成部に、前記テスト信号の生成を指示するテスト信号生成指示部と、
前記比較部から前記両テスト信号が不一致であることを示す信号が出力されると、前記伝送路の状態が正常ではないことを示す異常信号を出力する異常信号出力部と
を有するデータ伝送回路。
【請求項2】
前記異常信号出力部から異常信号が出力されると、前記伝送路の状態が正常ではない旨を報知する報知部を更に備える請求項1に記載のデータ伝送回路。
【請求項3】
画像信号を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像信号に基づき記録紙に画像を形成する画像形成部とを有し、
前記画像取得部から前記画像形成部へ前記画像信号を送信する信号伝送経路の少なくとも一部に、請求項1又は2に記載のデータ伝送回路が用いられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記テスト信号生成指示部は、当該画像形成装置の主電源がオンされたことをトリガとして、前記送信側テスト信号生成部及び前記受信側テスト信号生成部に、前記テスト信号の生成を指示する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
シリアル信号を送信する送信部と、前記送信部から前記シリアル信号を受信し、該シリアル信号をパラレル信号に変換して出力する受信部とを備えたデータ伝送回路の、前記送信部と前記受信部との間の伝送路の正常確認を行う伝送路状態確認方法であって、
前記テスト信号生成指示部が、前記送信部に備えられる送信側テスト信号生成部及び前記受信部に備えられる受信側テスト信号生成部に、前記正常確認を行うための前記テスト信号の生成を指示するステップと、
前記送信側テスト信号生成部及び前記受信側テスト信号生成部が、前記テスト信号生成指示部からの前記指示を受けて、前記テスト信号を生成するステップと、
前記送信部に備えられるテスト信号送信部が、前記送信側テスト信号生成部により生成されたテスト信号を前記受信部に送信するステップと、
前記受信部に備えられるテスト信号受信部が、前記送信部のテスト信号送信部からテスト信号を受信するステップと、
前記受信部に備えられる比較部が、前記テスト信号受信部で受信されたテスト信号と前記受信側テスト信号生成部で生成されたテスト信号とを比較し、前記両テスト信号が一致しているか否かを確認するステップと、
異常信号出力部が、前記比較部から前記両テスト信号が不一致であることを示す信号が出力されると、前記伝送路の状態が正常ではないことを示す異常信号を出力するステップと
を有する伝送路異常確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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