説明

データ伝送方法及びシステム並びにネットワーク中継装置

【課題】 同一チャネルの放送コンテンツの多重伝送による帯域浪費を防止する。
【解決手段】
OLT32は、各ユーザ宅に配置される2以上のONU40−1〜40−3からの同一チャネルの放送サービス視聴要求に対して、最初の視聴要求をエッジルータ30に送信し、2つ目以降の視聴要求をブロックする。OLT32は、エッジルータ30から配信される放送サービスのトラフィックを複数のONU40−1〜40−3にブロードキャストする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送サービスに対応するデータ伝送方法及びシステム並びにネットワーク中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送サービスに対応可能なデータ伝送システムとして、いわゆるPON(Passive Optical Network)システムが知られている。PONシステムは、センター側光終端装置OLT(Optical Line Terminal)と各ユーザの光終端装置ONU(Optical Network Unit)とをパッシブな光素子のみからなる光伝送路で接続した構成からなる。即ち、センター側光終端装置に接続する光ファイバと、各ユーザの光終端装置ONUに接続する光ファイバとの間に1:nの光カップラを配置する。
【0003】
IPネットワークを利用する放送サービスが注目されている。図2は放送サービスのためのIPマルチキャストネットワークの概略構成ブロック図を示す。
【0004】
メディアサーバ10が、要求されたコンテンツを搬送するデータ信号をエッジルータ12に出力する。メディアサーバ10から出力されるデータは、エッジルータ12を介してネットワーク14に入り、エッジルータ16から出て、PONシステムのセンター側終端装置(OLT)18に入力する。ネットワーク14は、通常、IPマルチキャストネットッワークとして運用される。
【0005】
IPマルチキャストネットワーク内のルータ間では、PIM−SM(Protocol Independent Multicast-Sparse Mode)及びPIM−DM(Protocol Independent Multicast-Dense Mode)等のマルチキャストルーティングプロトコルが使用される。エッジルータとユーザ装置との間では、IGMP(Internet Group Management Protocol)が使用される。
【0006】
OLT18は、エッジルータ16からのデータを光信号に変換して、光ファイバ20に出力する。光スプリッタ22は、光ファイバ20からの光信号をn個に分割し、各分割された光信号を光ファイバ24−1〜24−nに出力する。光スプリッタ22で分割された各光信号は、光ファイバ24−1〜24−nを介してユーザ宅の光終端装置(ONU)26−1〜26−nに入力する。各ONU26−1〜26−nは、入力光信号を電気信号に変換し、自己宛てのデータを取り込み、それ以外を破棄する。各ONU26−1〜26−nは、取り込んだデータを、配下の要求元の装置、例えば、セットトップボックス28−1〜28−nに供給する。
【0007】
IPネットワーク上での放送サービスでは、放送を受信する装置、例えば、セットトップボックス28−1〜28−nが、その要求をIGMPのJOINメッセージによりエッジルータ16に送信する。PONシステムのOLT18及びONU26−1〜26−nは、そのIGMPメッセージをスヌーピングして、所定の転送テーブル、いわゆるスヌーピングテーブルに記憶する。要求された放送データが入力すると、OLT18は、自己の転送テーブルを参照し、当該放送トラフィックの識別子が転送テーブルに登録されている場合、即ち自己宛の場合は、配下のONU26−1〜26−nにブロードキャストし、登録されていない場合は廃棄する。各ONU26−1〜26−nは、入力光信号を電気信号に変換した後、OLT18同様、自己の転送テーブルにより自己宛てか否かを判別し、自己宛てのトラフィックのみを取り込み、自己宛て以外のトラフィックを破棄する。放送トラフィック、即ちマルチキャストトラフィックの識別子としては、レイヤ2でのMACアドレスもしくはレイヤ3でのIPアドレスが用いられる。
【0008】
ユーザが例えばch1の視聴をやめる場合、セットトップボックス28−1〜28−nは、ch1の視聴グループからの離脱を意味するIGMP Leaveメッセージをエッジルータ16に送信する。エッジルータ16は、ユーザ装置、例えば、セットトップボックス28−1〜28−nからのIGMP Leaveメッセージを受信すると、即座にGSQ(Group -Specific Query)メッセージをOLT18に送信する。OLT18は、GSQメッセージを全ONU26−1〜26−3に、従って全ユーザ装置28−1〜28−nに送信する。エッジルータ16はまた、GSQメッセージを送信してから1秒後に、再び同じ内容でGSQメッセージを全ユーザ装置に送信する。これらのGSQメッセージに対して一定期間内に視聴継続を示す応答が無ければ、視聴を中止したものとみなし、当該ユーザ装置への送信を中止する。
【0009】
2004年6月に標準化が完了したE−PON方式(IEEE802.3ah)では、MACフレームのプリアンブル部に配置される論理リンク識別子LLID(Logical Link Identifier)を用いて、光伝送路上に論理的なリンクを設定できる。
【0010】
E−PON方式における論理リンクを簡単に説明する。LLIDは、ユニキャストLLIDとブロードキャストLLIDに大別される。ユニキャストLLIDは、ユニキャストトラフィックの転送に用いられるLLIDであり、OLTと特定のONUとの間での論理的な1対1の接続を実現する。これに対し、ブロードキャストLLIDは、ブロードキャストトラフィックの転送に用いられるLLIDであり、OLTから全ONUにデータをブロードキャストするのに使用される。即ちブロードキャストLLIDが付与されたフレームは、全ONUが取り込みを許可される。
【0011】
PONシステムにおいてマルチキャスト技術により放送型サービスを提供する場合、マルチキャストトラフィックをブロードキャストLLIDを用いてOLT18から全ONU26−1〜26−nに転送し、各ONU26−1〜26−nは、取り込んだトラフィックを配下の要求端末、例えば、コンピュータ又はセットトップボックス28−1〜28−nに転送する。各ユーザのONU26−1〜26−nには、1又は複数の通信機器が接続可能である。ONUに接続され得る通信機器には、代表的には、コンピュータ、テレビ視聴又はビデオオンデマンドサービスを受ける為のセットトップボックス、IP電話機、及びネットワーク接続機能付きのビデオレコーダ等がある。
【0012】
ONU26−1〜26−nは、マルチキャストトラフィックで伝送されるデータを要求した端末が配下にいるか否かを、IGMP(Internet Group Management Protocol)スヌーピングによりその要求信号を盗み見ることで検知している。IGMPスヌーピングでは、ユーザ装置と上位ルータとの間のIGMPのやり取りをスヌーピングし、マルチキャストアドレスをIGMPスヌーピングテーブルに保持し、これを随時、更新する。これにより、ONUは、マルチキャストトラフィックの要求元を知ることができるので、OLTから受信したマルチキャストトラフィックを要求元の配下の端末に送信する。
【0013】
OLT18もまたIGMPスヌーピングを行っており、IGMPスヌーピングテーブルに登録されていないマルチキャストトラフィックが上位エッジルータ16から入力した場合には、当該トラフィックを廃棄し、IGMPスヌーピングテーブルに登録されたマルチキャストトラフィックが上位エッジルータ16から入力した場合には、当該トラフィックを配下のONU26−1〜26−nに転送する。
【0014】
このような放送型サービスに対して、近年、仮想LAN(Virtual Local Area Network)が急速に採用されるようになった。VLANは、物理的な接続形態とは独立に端末の仮想的なグループを設定することであり、端末の持つMACアドレス、IPアドレス又は利用するプロトコルなどに応じて、各端末をグループ化するのに利用される。端末の物理的な位置を気にすることなくネットワーク構成を変更することができるというメリットがある。VLANはまた、同じLANに接続する端末に伝送帯域を均等に配分する目的や、同じネットワークに接続するユーザ間の通信を阻害す目的で使用されることがある。
【0015】
VLANが使用される場合、個々のVLANを識別するためのVLANタグと呼ばれる識別子が各フレームに付加される。同じデータを伝送するトラフィックであっても、VLANタグが異なれば、OLT18は、それらを異なるMACフレームとして扱う。エッジルータ16からOLT18に入力するフレームにVLANタグが付与される場合、転送されるコンテンツ、即ち、マルチキャストトラフィックが同一(例えば、ch1)であっても、異なるVLANタグが付与されているフレームを、互いに異なるフレームとして扱う。
【0016】
マルチキャストによる放送サービスとVLANとの組み合わせでは、伝送帯域を浪費することがある。上述のように、従来のOLTは、VLANタグが異なるフレームを別のフレームとして扱うので、同じコンテンツを伝送するフレームでありながら、重複して伝送されることがある。VLANがエッジルータ16とセットトップボックス28−1〜28−nの間に設定されている場合を考える。これらの間での伝送路で、VLANをユニキャストLLIDで区別する場合には、同じコンテンツを伝送するフレーム又はパケットであっても、LLIDが異なれば、これらは別々に伝送される。同じコンテンツを重複して伝送することになり、帯域を浪費する。また、ブロードキャストLLIDを用いて転送する場合には、VLANタグ付のフレームのまま転送する必要があり、そのため、異なるフレームとして扱われる。そユニキャストLLIDを用いて転送する手法と同様に、同じコンテンツを重複し伝送することになり、帯域を浪費する。
【0017】
これを解決する一方法が、特許文献1に記載されている。同じコンテンツを要求するユーザ端末をVLANの同じグループに所属させ、エッジルータから下位ルータまではVLANタグ付きの1つのマルチキャストパケットを伝送し、下位ルータは、受信したパケットをコピーして、要求元のユーザ端末に送信する。
【特許文献1】特開2003−032287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
特許文献1に記載の方法では、同じコンテンツを要求するユーザ端末は、同じVLANグループに所属する必要がある。言い換えると、異なるVLANグループに所属するユーザ端末が同じコンテンツを要求した場合には、帯域の浪費を節約できない。
【0019】
例えば、3台のONUの配下のセットトップボックスが同じチャンネルの視聴を要求した場合、OLTは、指定されたチャンネルのコンテンツを配送するVLANタグのみが異なる3つのフレームを全ONUに向けマルチキャストする。これは、実際上、2フレーム分の伝送容量を無駄に消費していることになる。
【0020】
本発明は、このような無駄を無くしたデータ伝送方法及びシステム並びにネットワーク中継装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係るデータ伝送方法は、センター側光終端装置と、各ユーザ宅に配置される複数のユーザ側光終端装置と、当該センター側光終端装置と当該複数のユーザ側光終端装置とを光学的に接続する光伝送とを具備するデータ伝送システムに適用される。当該センター側光終端装置が、2以上の当該ユーザ側光終端装置からの同一チャネルの放送サービス視聴要求に対して、最初の視聴要求を上位装置に配信すると共に2つ目以降の視聴要求をブロックする。当該センター側光終端装置が、当該上位装置から配信される当該同一チャネルのトラフィックを当該複数のユーザ側光終端装置にブロードキャストする。
【0022】
本発明に係るデータ伝送システムは、センター側光終端装置と、各ユーザ宅に配置される複数のユーザ側光終端装置と、当該センター側光終端装置と当該複数のユーザ側光終端装置とを光学的に接続する光伝送路とを具備するデータ伝送システムにおいて、当該センター側光終端装置が、当該複数のユーザ側光終端装置からの放送サービスの視聴要求とチャネルを記憶する転送テーブルと、当該複数のユーザ側光終端装置からの放送サービスの視聴要求に従い、当該転送テーブルを更新するテーブル更新手段と、2以上の当該ユーザ側光終端装置からの同一チャネルの放送サービス視聴要求に対して、最初の視聴要求を上位装置に配信すると共に2つ目以降の視聴要求をブロックする転送制御手段と、当該上位装置から配信される当該同一チャネルのトラフィックを当該複数のユーザ側光終端装置にブロードキャストするブロードキャスト手段とを具備することを特徴とする。
【0023】
本発明に係るネットワーク中継装置は、ネットワークに接続する上位装置と複数の終端装置との間のデータ転送を仲介するネットワーク中継装置であって、当該複数の終端装置からの放送サービスの視聴要求とチャネルを記憶する転送テーブルと、当該複数の終端装置からの放送サービスの視聴要求に従い、当該転送テーブルを更新するテーブル更新手段と、2以上の当該終端装置からの同一チャネルの放送サービス視聴要求に対して、最初の視聴要求を上位装置に配信すると共に2つ目以降の視聴要求をブロックする転送制御手段と、当該上位装置から配信される当該同一チャネルのトラフィックを当該複数の終端装置にブロードキャストするブロードキャスト手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、エッジルータとセンター側光終端装置の間、及び、センター側光終端装置から複数のユーザ側光終端装置との間で、伝送帯域を浪費せずに済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の一実施例であるPONシステムの概略構成ブロック図を示す。
【0027】
エッジルータ30は、図2に示すIPネットワークのエッジルータ16に相当する位置に配置される。PONシステムのOLT32は、エッジルータ30に接続すると共に、光ファイバ34を介して光スプリッタ36に接続する。光スプリッタ36は、光ファイバ34からの光信号を3個に分割し、各分割された光信号を光ファイバ38−1〜38−3に出力する。光スプリッタ36で分割された各光信号は、光ファイバ38−1〜38−3を介してユーザ宅のONU40−1〜40−3に入力する。各ONU40−1〜40−3は、入力光信号を電気信号に変換し、自己宛てのデータを取り込み、それ以外を破棄する。各ONU40−1〜40−3は、取り込んだデータを、配下の要求元の装置、例えば、セットトップボックス42−1〜42−3に供給する。説明上、セットトップボックス42−1〜42−3のみを図示してあるが、各ONU40−1〜40−3には、その他の情報機器、例えば、パーソナルコンピュータ等が接続可能である。
【0028】
説明の都合上、3台のONU40−1〜40−3を図示したが、光スプリッタ36には、勿論、4台以上のONUを接続可能である。
【0029】
詳細は後述するが、OLT32は、配下のONU40−1〜3からの視聴要求のあったマルチキャストアドレス、VLANとLLIDとの対応関係をアドレス管理テーブル58に記憶及び管理し、ONU40−1〜40−3は、配下のユーザ装置からの視聴要求のあったマルチキャストアドレスと視聴要求した装置との関係を後述するVLAN/アドレス管理テーブル76で記憶及び管理する。アドレス管理テーブル58はいわば、OLT32を通過するデータの転送に関する情報を記憶する転送テーブルである。VLAN/アドレス管理テーブル76はいわば、ONU40−1〜40−3を通過するデータの転送に関する情報を記憶する転送テーブルである。
【0030】
本実施例の目的は、複数のユーザが同じ放送チャネルを要求する場合の帯域の浪費を防ぐことであるので、ここでは、セットトップボックス42−1〜42−3が同じチャンネル、例えばch1の視聴を要求するケースを想定して、動作を説明する。勿論、各セットトップボックス42−1〜42−3は、互いに異なるタイミングでch1の視聴をメディアサーバに要求できる。
【0031】
本実施例では、ONU40−1〜40−3とその配下のユーザ装置、例えばセットトップボックス42−1〜42−3との間でVLANタグ付フレームを利用する場合と利用しない場合を考える。図3は、ONU40−1〜40−3とセットトップボックス42−1〜42−3との間でVLANタグ付フレームを利用しない場合で、各セットトップボックス42−1〜42−3が同じch1の視聴を希望する場合の信号フローを示す。図4は、ONU40−1〜40−3とセットトップボックス42−1〜42−3との間でVLANタグ付フレームを利用する場合で、各セットトップボックス42−1〜42−3が同じch1の視聴を希望する場合の信号フローを示す。
【0032】
先ず、図3を参照して、本実施例の放送サービスための特徴的な動作を説明する。図3に示す動作では、各ONU40−1〜40−3は、互いに異なるVLANに所属し、ONU40−1にはVLANを識別するためのVLAN−ID=1が付与され、ONU40−2にはVLAN−ID=2が付与され、ONU40−3にはVLAN−ID=3が付与されているとする。また、OLT32と各ONU40−1〜3のPON区間におけるユニキャスト通信における論理識別のため、OLT32とONU40−1のユニキャスト通信にはLLID=1が使用され、OLT32とONU40−2のユニキャスト通信にはLLID=2が使用され、OLT32とONU40−3のユニキャスト通信にはLLID=3が使用されているとする。
【0033】
セットトップボックス42−1は、ch1の視聴を要求する信号として、プロトコルIGMPv2のJOINメッセージ(S1)をONU40−1に出力する。ONU40−1のネットワークインターフェース70は、セットトップボックス42−1からのこの要求信号(S1)をONU制御装置72と、VLANタグ制御装置74に印加する。図3に示す動作例では、ONU制御装置72は、IGMPメッセージをスヌープし、それがJOINメッセージであるときには、VLAN/アドレス管理テーブル76に、放送サービスの視聴要求元の装置(ここでは、セットトップボックス42−1)と、要求するチャネル(ここでは、ch1)とを対応付けて追加記録する。VLAN/アドレス管理テーブル76はいわば、ONU40−1を通過するデータの転送に関する情報を記憶する転送テーブルである。
【0034】
ネットワークインターフェース70からのJOINメッセージ(S1)は、そのプリアンブル部にONU40−1とOLT32の間のユニキャスト通信用LLID、即ちLLID=1が収容され、E/O変換器78に印加される。E/O変換器78は、OLT32から指示されたタイミングで、VLANタグ制御装置74からの電気信号を光信号に変換し、WDM光カップラ80にその光信号を出力する。WDM光カップラ80は、E/O変換器78からの光信号を光ファイバ38−1に出力する。光ファイバ38−1上をONU40−1から光カップラ36に向かう光信号(S2)は、プリアンブル部にLLID=1を付加されたJOINメッセージ(S1)を搬送する。
【0035】
同様に、セットトップボックス42−2,42−3はそれぞれ、セットトップボックス42−1とは独立したタイミングで、ch1の視聴を要求するJOINメッセージ(S3,S5)をONU40−2,40−3に出力する。ONU40−2は、ONU40−1と同様の処理により、プリアンブル部にLLID=2を付加したJOINメッセージ(S3)を搬送する光信号(S4)を光ファイバ38−2に出力する。ONU40−3は、プリアンブル部にLLID=3を付加したJOINメッセージ(S5)を搬送する光信号(S6)を光ファイバ38−2に出力する。
【0036】
ONU40−1〜40−3は、光信号(S2,S4,S6)が時間軸上で互いに重ならないように出力する。光信号(S2,S4,S6)は、光カップラ36及び光ファイバ34を介してOLT32に入力する。
【0037】
OLT32では、WDM光カップラ50が、光ファイバ34から入力する光信号をO/E変換器52に印加する。O/E変換器52は入力する光信号を電気信号に変換し、その電気信号をOLT制御装置54及びVLANタグ制御装置56に印加する。OLT制御装置54は、OLT32の配下のONU40−1〜40−3に割り当てたLLIDとVLAN−IDとの対応、および、ONU40−1〜3より視聴要求のあったチャネル情報を管理するために、アドレス管理テーブル58を利用する。具体的には、アドレス管理テーブル58は、LLIDを割り当てられた各装置(ONU40−1〜40−3)について、LLID、VLAN−ID、MACアドレス及びIPアドレスの対応を記憶する。また、アドレス管理テーブル58は、配下のONU40−1〜3より視聴要求のあったチャネル情報、即ち、MACもしくはIPのマルチキャストアドレスと、VLAN−IDとを記憶する。
【0038】
OLT制御装置54は、放送サービスの視聴を要求するJOINメッセージを検出すると、このJOINメッセージで要求されるチャンネルが既に要求済みか否かを調べる。要求済みでない場合、OLT制御装置54は、そのJOINメッセージに、LLID=1に対応するVLAN−ID=1のVLANタグを付与するか、もしくはOLT装置54からエッジルータへの全てのJOINメッセージに対して付与する代表VLAN−IDを事前に決めておき、その代表VLAN−ID値を有するVLANタグを付与して、出力するようにVLANタグ制御装置56を制御し、要求済みの場合、そのJOINメッセージを遮断するように、VLANタグ制御装置56に指示する。
【0039】
図3に示す例では、セットトップボックス42−1からのJOINメッセージがch1の視聴を要求する最初のものであるので、VLANタグ制御装値56は、光信号(S2)に対応する電気信号のみを透過し、光信号(S4,S6)に対応する電気信号を遮断する。
【0040】
ネットワークインターフェース60は、VLANタグ制御装置56から出力される信号(S7)をエッジルータ30に供給する。
【0041】
このように、本実施例では、OLT32は、同じチャンネルを要求する信号が複数、存在しても、その内の1つしかエッジルータ30には転送しない。従って、エッジルータ30及びその上流のメディアサーバから見ると、何れか1つのユーザ装置のみが1つのチャンネルを視聴しているように見える。エッジルータ30は、要求されたチャンネルについて単一のトラフィックを送信する。これにより、エッジルータ30とOLT32の間の帯域浪費をも防げる。
【0042】
JOINメッセージ(S7)を受けたエッジルータ30は、自身が属するIPマルチキャストネットワークに対して、要請されたチャネル(ここではch1)の転送を要求する。チャネルch1を保有するメディアサーバは、IPマルチキャストネットワークの別のエッジルータに接続し、要請されたch1のトラフィックをマルチキャストネットワーク及びエッジルータ30を介してOLT32に送信する。エッジルータ30からOLT32に伝送されるch1のトラフィック(S8)のフレームは、JOINメッセージに付与されたのと同じVLANタグと、ch1を示す識別子、即ちMACもしくはIPのマルチキャストアドレスと、ch1のコンテンツとを搬送する。
【0043】
トラフィック(S8)は、OLT30のネットワークインターフェース60を介してOLT制御装置54と、トラフィック/VLANタグ制御装置62に入力する。OLT制御装置54は、入力トラフィックがマルチキャストトラフィックの場合、当該トラフィックのマルチキャストアドレスがアドレス管理テーブル58に登録されているかどうかの確認を行い、登録されている場合には、トラフィック/VLANタグ制御装置62にてVLANタグを削除し、プリアンブル部にブロードキャストLLIDを付加して、E/O変換器64に出力する。当該トラフィックのマルチキャストアドレスが管理テーブル58に登録されていない場合には、トラフィック/VLANタグ制御装置62にて当該トラフィックを廃棄する。
【0044】
E/O変換器64は、トラフィック/VLANタグ制御装置62の出力信号を光信号(S9)に変換する。WDM光カップラ50は、E/O変換器64の出力光信号を光ファイバ34に出力する。
【0045】
なお、ch1を視聴するユーザ装置は、ONU40−1〜40−3でも識別できるので、ch1の要求元装置が1つか複数かに関わらず、OLT32は、ch1のトラフィックを全ONU40−1〜40−3にブロードキャストしても良い。
【0046】
光スプリッタ36は、OLT32からの信号光(S9)を3つに分割する。分割された各光信号(S9−1,S9−2,S9−3)は、光ファイバ38−1〜38−3を伝搬してONU40−1〜40−3に入力する。
【0047】
ONU40−1では、WDM光カップラ80が、光ファイバ38−1からの光信号(S9−1)をO/E変換器82に供給する。O/E変換器82は入力光信号を電気信号に変換し、その電気信号をONU制御装置72及びトラフィック/VLAN制御装値84に印加する。
ONU制御装置72は、入力トラフィックがマルチキャストトラフィックである場合、当該トラフィックのマルチキャストアドレスがVLAN/アドレス管理テーブル76に登録されているかどうかの確認を行い、登録されている場合には、トラフィック/VLAN制御装置84を制御して、要求元装置にそのトラフィックを転送させる。VLAN/アドレス管理テーブル76に登録されていないマルチキャストトラフィックは廃棄する。
【0048】
従来例では、異なるVLANタグを持つ同じチャネルの視聴要求メッセージ、即ちJOINメッセージが、OLTからエッジルータへ送信され、エッジルータから異なるVLANタグが付与された同一コンテンツのマルチキャストトラフィックが転送されていた。その結果として、エッジルータとOLTの間、及びOLTとONUの間の帯域を浪費していたが、本実施例では、VLANの異なる装置から同じチャネルの放送視聴要求があっても、エッジルータ30からOLT32に、そして、OLT32から全ONU40−1〜40−3に、そのチャネルの放送コンテンツが単一のマルチキャストフレームで伝送されるので、帯域を無駄に浪費しない。
【0049】
なお、ONU40−1〜40−3のVLAN/アドレス管理テーブル76及びOLT32のアドレス管理テーブル58に記録される視聴チャンネルと視聴装置の対応データは、視聴装置が視聴を止めることにより、又はGSPメッセージによる問合せに対する視聴確認メッセージを所定時間内に受信しない場合に、テーブル76及び58から削除される。
【0050】
OLT32は、複数のONU40−1〜40−3からの視聴要求を1つにまとめてエッジルータ30に送信したが、視聴継続の要求も同様に1つにまとめてエッジルータ30に送信する。即ち、GSQメッセージに対する視聴継続の応答が、ONU40−1〜40−3の識別子を含む場合、OLT32は、視聴を継続する何れか1つのONUの識別子を含む単一の視聴継続応答をエッジルータ30に返信する。
【0051】
このように、本実施例では、OLT32から上位エッジルータ30に対してチャネル要求をする場合に、チャネルに対して一つのVLANタグ、即ち、最初に要求のあったVLAN、もしくは事前に取り決めておいたVLANを使って、OLT32からエッジルータ30へのチャネル要求とエッジルータ30からOLT32へのチャネル転送を行う。OLT32とエッジルータ30の間では、一つのVLANタグがついたチャネル要求信号とマルチキャストトラフィックしか存在しないので、同一コンテンツのマルチプルコピーの問題は発生しない。
【0052】
また、上述VLANタグが付与されたマルチキャストトラフィックがエッジルータ30からOLT32に入力すると、OLT32は、上述VLANタグを削除した後に、ブロードキャストLLIDを用いてそのトラフィックを全ONU40−1〜40−3に転送する。各ONU40−1〜40−3は、受信したマルチキャストフレームについて、そのチャネルが転送テーブルに登録されていれば、そのフレームをユーザ装置に転送する。これにより、PON区間におけるVLANタグ付マルチキャストフレームのマルチプルコピーの問題を回避できる。
【0053】
エッジルータ30とOLT32の間でVLANタグなしフレームの通信を許可する場合、OLT32は、タグなしJoinメッセージをエッジルータ30に送信して、タグなしのマルチキャストトラフィックをエッジルータ30に要求してもよい。
【0054】
本実施例では、エッジルータ30とOLT32の間の通信に代表VLANを使用する。その際、視聴状態を問い合わせるIGMPのGQ(General Query)メッセージと、Leaveメッセージに対応して出力されるGSQメッセージに対する応答は、代表VLANを用いて行われる。OLT32は、GQメッセージとGSQメッセージに対する各ユーザ装置からの応答を集約して、代表VLANでエッジルータ30に返信する。
【0055】
次に、図4に示す信号フローの場合の動作を説明する。図4に示す動作では、各セットトップボックス42−1〜42−3が異なるVLANに所属しており、ONU40−1〜40−3は、OLT32からブロードキャストされたトラフィックを、このトラフィックを要求したセットトップボックス42−1〜42−3にVLANタグを付与して転送する。このために、各ONU40−1〜40−3は、配下のどのユーザ装置が、どのVLANに属しており、どの放送コンテンツを要求したかをVLAN/アドレス管理テーブル76で記憶及び管理する。図3では、エッジルータ30とOLT32の間が、VLANタグ付き区間になっていたが、図4では、更に、ONU40−1〜40−3とセットトップボックス42−1〜42−3の間も、VLANタグ付き区間になっている。
【0056】
ONU40−1とセットトップボックス42−1との間の動作を説明する。セットトップボックス42−1は、ch1の視聴を要求する信号として、自己が属するVLANのIDを有するVLANタグが付与されたIGMPv2のJOINメッセージ(S1a)を、ONU40−1に出力する。ONU40−1のネットワークインターフェース70は、セットトップボックス42−1からのこの要求信号(S1a)をONU制御装置72とVLANタグ制御装置74に印加する。ONU制御装置72は、IGMPメッセージをスヌープし、それがJOINメッセージであるときには、VLAN/アドレス管理テーブル76に、放送サービスの視聴要求元の装置(ここでは、セットトップボックス42−1)と、要求するチャネル(ここでは、ch1)とを対応付けて追加記録し、VLANタグ制御装置74に入力信号(S1a)をそのままのフォーマットで出力するように指示する。
【0057】
VLANタグ制御装置74は、VLAN/アドレス管理テーブルを参照して、ネットワークインターフェース70からのJOIN信号(S1a)のプリアンブル部に、VLAN−IDと対応するLLID、即ち、LLID−1を埋め込み、E/O変換器78に印加する。E/O変換器78は、OLT32から指示されたタイミングで、VLANタグ制御装置74からの電気信号を光信号に変換し、WDM光カップラ80にその光信号を出力する。WDM光カップラ80は、E/O変換器78からの光信号を光ファイバ38−1に出力する。光ファイバ38−1上をONU40−1から光スプリッタ36に向かう光信号(S2)は、実質的に、セットトップボックス42−1から出力されるJOINメッセージ(S1a)そのものを搬送する。
【0058】
同様に、セットトップボックス42−2,42−3はそれぞれ、セットトップボックス42−1とは独立したタイミングで、それぞれが属するVLAN−IDを有するVLANタグが付与されたch1の視聴を要求するJOINメッセージ(S3a,S5a)をONU40−2,40−3に出力する。ONU40−2,40−3は、ONU40−1と同様の処理により、JOINメッセージ(S3a,S5a)のプリアンブル部にそれぞれのLLIDを埋め込み、光信号(S4,S6)を光ファイバ38−2,38−3に出力する。
【0059】
ONU40−1〜40−3から、光カップラ36及びOLT32を介してエッジルータ30にJOINメッセージが到達するまでの処理、および、エッジルータ30から出力される放送サービスのトラフィックがONU40−1,40−2,40−3に到達するまでの処理は、図3の場合と同じであるので、説明を省略する。これらの処理により、メディアサーバから出力されるch1のトラフィックが、光信号(S9−1,S9−2,S9−3)としてそれぞれONU40−1,40−2,40−3に入射する。
【0060】
ONU40−1では、WDM光カップラ80が、光ファイバ38−1からの光信号(S9−1)をO/E変換器82に供給する。O/E変換器82は入力光信号を電気信号に変換し、その電気信号をONU制御装置72及びトラフィック/VLAN制御装値84に印加する。ONU制御装置72は、入力トラフィックがマルチキャストトラフィックである場合、VLAN/アドレス管理テーブル76を参照して、そのコンテンツを要求した装置を調べ、要求した装置のVLAN−IDをVLAN/アドレス管理テーブル76から読み出してトラフィック/VLAN制御装置84に印加する。トラフィック/VLAN制御装置84は、光信号(S9−1)で搬送されるフレームの要求元のセットトップボックス42−1を示すVLAN−ID、即ち、VLAN−ID=1を有するVLANタグを付加して、ネットワークインターフェース70に出力する。トラフィック/VLAN制御装置84の出力信号(S10a)は、ネットワークインターフェース70を介してセットトップボックス42−1に送信される。
【0061】
同様に、ONU40−2は、光信号(S9−2)で搬送されるフレームの要求元のセットトップボックス42−2を示すVLAN−ID、即ち、VLAN−ID=2を有するVLANタグを付与した信号(S11a)をセットトップボックス42−2に供給する。ONU40−3は、光信号(S9−3)で搬送されるフレームの要求元のセットトップボックス42−3を示すVLAN−ID、即ち、VLAN−ID=3を有するVLANタグを付与した信号(S12a)をセットトップボックス42−3に供給する。
【0062】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】従来例の概略構成ブロック図である。
【図3】本実施例の第1の動作の信号フローを示す模式図である。
【図4】本実施例の第2の動作の信号フローを示す模式図である。
【符号の説明】
【0064】
10:メディアサーバ
12:エッジルータ
14:ネットワーク
16:エッジルータ
18:センター側終端装置(OLT)
20:光ファイバ
22:光スプリッタ
24−1〜24−n:光ファイバ
26−1〜26−n:光終端装置(ONU)
28−1〜28−n:セットトップボックス
30:エッジルータ
32:OLT
34:光ファイバ
36:光スプリッタ
38−1〜38−3:光ファイバ
40−1〜40−3:ONU
42−1〜42−3:セットトップボックス
50:WDM光カップラ
52:O/E変換器
54:OLT制御装置
56:VLANタグ制御装置
58:アドレス管理テーブル
60:ネットワークインターフェース
62:トラフィック/VLANタグ制御装置
64:E/O変換器
70:ネットワークインターフェース
72:ONU制御装置
74:VLANタグ制御装置
76:VLAN/アドレス管理テーブル
78:E/O変換器
80:WDM光カップラ
82:O/E変換器
84:トラフィック/VLANタグ制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センター側光終端装置(32)と、各ユーザ宅に配置される複数のユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)と、当該センター側光終端装置(32)と当該複数のユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)とを光学的に接続する光伝送路(34,36,38−1〜38−3)とを具備するデータ伝送システムにおいて、
当該センター側光終端装置(32)が、2以上の当該ユーザ側光終端装置からの同一チャネルの放送サービス視聴要求に対して、最初の視聴要求を上位装置(30)に配信すると共に2つ目以降の視聴要求をブロックし、
当該センター側光終端装置(32)が、当該上位装置(30)から配信される当該同一チャネルのトラフィックを当該複数のユーザ側光終端装置にブロードキャストする
ことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項2】
当該センター側光終端装置は、同一チャネルの視聴を継続する2以上の当該ユーザ側光終端装置からの同一チャネルの視聴継続要求に対し、単一の視聴継続要求を当該上位装置(30)に送信することを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項3】
当該各ユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)は、当該センター側光終端装置(32)からブロードキャストされたトラフィックを、当該トラフィックを要求したユーザ装置を特定する識別子を付加して、当該ユーザ装置にユニキャストすることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ伝送方法。
【請求項4】
当該同一チャネルの放送サービス視聴を要求する2以上の当該ユーザ側光終端装置が、異なる仮想LANに所属することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のデータ伝送方法。
【請求項5】
当該同一チャネルの放送サービス視聴を要求する2以上の当該ユーザ側光終端装置の何れかに接続する少なくとも2つのユーザ装置が、互いに異なる仮想LANに所属することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のデータ伝送方法。
【請求項6】
センター側光終端装置(32)と、各ユーザ宅に配置される複数のユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)と、当該センター側光終端装置(32)と当該複数のユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)とを光学的に接続する光伝送路(34,36,38−1〜38−3)とを具備するデータ伝送システムであって、
当該センター側光終端装置(32)が、当該複数のユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)からの放送サービスの視聴要求とチャネルを記憶する転送テーブル(58)と、当該複数のユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)からの放送サービスの視聴要求に従い、当該転送テーブル(58)を更新するテーブル更新手段(54)と、2以上の当該ユーザ側光終端装置からの同一チャネルの放送サービス視聴要求に対して、最初の視聴要求を上位装置(30)に配信すると共に2つ目以降の視聴要求をブロックする転送制御手段(54,56)と、当該上位装置(30)から配信される当該同一チャネルのトラフィックを当該複数のユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)にブロードキャストするブロードキャスト手段(62)とを具備する
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項7】
当該転送制御手段(54,56)は、同一チャネルの視聴を継続する2以上の当該ユーザ側光終端装置からの同一チャネルの視聴継続要求に対し、単一の視聴継続要求を当該上位装置(30)に送信することを特徴とする請求項6に記載のデータ伝送システム。
【請求項8】
当該各ユーザ側光終端装置(40−1〜40−3)は、配下の1以上のユーザ装置(42−1〜42−3)からの放送サービスの視聴要求、チャネル及び要求したユーザ装置を記憶する第2の転送テーブル(76)と、当該第2の転送テーブルを参照し、当該センター側光終端装置(32)からブロードキャストされたトラフィックを、当該トラフィックを要求したユーザ装置に送信する送信手段とを具備することを特徴とする請求項6又は7に記載のデータ伝送方法。
【請求項9】
ネットワークに接続する上位装置(30)と複数の終端装置(40−1〜40−3)との間のデータ転送を中継するネットワーク中継装置であって、
当該複数の終端装置(40−1〜40−3)からの放送サービスの視聴要求とチャネルを記憶する転送テーブル(58)と、
当該複数の終端装置(40−1〜40−3)からの放送サービスの視聴要求に従い、当該転送テーブル(58)を更新するテーブル更新手段(54)と、
2以上の当該終端装置からの同一チャネルの放送サービス視聴要求に対して、最初の視聴要求を上位装置(30)に配信すると共に2つ目以降の視聴要求をブロックする転送制御手段(54,56)と、
当該上位装置(30)から配信される当該同一チャネルのトラフィックを当該複数の終端装置(40−1〜40−3)にブロードキャストするブロードキャスト手段(62)
とを具備することを特徴とするネットワーク中継装置。
【請求項10】
PONシステムのセンター側光終端装置であることを特徴とする請求項9に記載のネットワーク中継装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−101259(P2006−101259A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285728(P2004−285728)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】